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EURO2008 ロシア対スウェーデン / グループD

Date
June 19, 2008 11:00 AM
Category
EURO2008
■Russia 2 - 0 Sweden
ロシアがここまで魅力的なサッカーをするとは思っていませんでした。この大会で最も現実的で勝つサッカーをしているのはオランダでしょうが、それが魅力的ではないのはカウンターによってポジションを崩すことはあっても、彼らが持っていたトータルフットボールを捨ててしまったサッカーだから。これはあくまで個人的な感想で、オランダのサッカーが魅力的だと言う人もいるでしょうが、あれだけの選手を集めたチームがカウンター主体で戦うことの違和感がそう言わせるんです。

ロシアの前半は、攻撃の意識を強く持ち、全員がサイドに開き全員が中に入る、全員がボールを追い越し、全員が試みる意識を持っていた。パス交換のスピードがあまりにも速いのは、ポジショニングがいいからではなくポジションを取る動きが多く速く的確だから。どんどんとボールを動かしながら人が最も動き、混乱するスウェーデンの守備は、自分のゾーンに入ってくる人数が一人ではなく複数でマークに付ききれず、さらにそのマークに付くべき選手がすぐに自分のゾーンから離れてしまう。そんな状態で強固な守備を築けるはずがなく、運動量を同じように上げてマークをしようとしても、スウェーデンの攻撃陣も全て投入しなければ防ぐことは出来なかったでしょう。ただそれには難点もあって、ロシアの運動量は、前半だけで動きの少ない試合であれば一試合分に相当するほどに動いていますから、その影響を受けて前半終了間際の運動量の低下とスウェーデンの決定的なチャンスを数度作られる要因になったわけですね。後半になってから、ボールを動かす動きが減ったことや左右に大きく開く動きが減ったのもその影響でもありますし、前半と後半のプランを変えてしまったからでもあります。
ロシアが二点目を奪えたことでスウェーデンは勝ち上がるために二点が必要になった。そうなれば一点が必要なだけとは違い、攻撃に人数を多く出さざるを得ませんから、ロシアはカウンターによってもう一点を狙うだけでよくなる。しっかりとしたゾーンを形成しながら、プレスのタイミングを間違わないように連動して仕掛け、奪えばカウンター一本。こうなると魅力的なサッカーとはほど遠いやり方になってしまうので、興味は一気に薄れてしまうんですが、興味がスウェーデン側に移行しないのもまたこのチームのサッカーが面白くないから。
ラーションの動きの質はあまりにも素晴らしくて、彼一人が大きなアクセントになっているのは事実で、テクニックやスピードでそれをしているのではなくて、オフ・ザ・ボールの動きでチーム全体を動かすサッカーをしているんですね。でも彼が活かすべきはずのイブラヒモビッチのコンディションがあまりにも悪く、運動量が少なく、パスを出した後の動きが無く、パスを受けるときの動きもない。ここのだけではなく、スウェーデン全体の関係が、パスの出し手は一つでも早く先にと焦りから前への意識が強すぎるパスを出し、受け手は何とか確実につなぎたい、ボールを触ってなんとかしたいという意識から足下に受けたがる。意識のずれが攻撃の歯車をかみ合わなくしていて、状態を悪化させていましたね。
その意識のずれを作り出したり、意表をつく戦い方や試合中に戦術の思い切った転換をしたり、というところはヒディンク監督らしいやりかた。まぁ、とんでもない金額の報奨金の力ともいわれるかもしれませんがw

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