EURO2008 スウェーデン対スペイン / グループD
- Date
- June 15, 2008 11:00 AM
- Category
- EURO2008
■Sweden 1 - 2 Spain
スペインにとって誤算だったのは、プジョルとシャビという中心人物二人が負傷し、大事を取って交代しなければならなかったことでしょう。それでも前日の日本代表のように、条件が緩い中でリードしているにもかかわらず、負傷している中心選手を引っ張り続けるという愚かなことはせず、スペインは早々と交代させていましたね。グループリーグ全体を考えれば、この試合が一番難しい相手となるわけで、勝ち点が1になってしまってもまだ大丈夫だと言えるぐらいに、スペインにとっては緩い条件で、スウェーデンも似た状況でしたから、大事を取るのは当たり前。怪我から復帰後コンディションが上がりきっていないイブラヒモビッチをスウェーデンが下げたのも、こちらも食中毒から復帰後まだ本調子ではないイニエスタとこの試合で怪我をしたシャビを下げたのも、これが状況を考えれば当たり前。日本代表の選手交代が異常だったというだけでしょう。
スペインの攻撃は開幕前に危惧していたとおり、ポストプレイを中心として相手ディフェンダーの前でボールを受け、そこから展開しようとするものへ変化してしまっていました。一試合目は裏への意識が高く、ディフェンダーのフォアチェックで体を寄せられて奪われそうになる逆を突けたのが大きかったんでしょうが、この試合はことごとくディフェンダーに体を寄せられて満足のいく形をペナルティエリア付近で作れていませんでした。いくら中盤の構成力が高くパスを回し続けることが出来たとしても、パスの受け手の位置がディフェンダーの前であれば体をぶつけるだけでその後の展開を抑えることが出来、精度を落とすことが出来るわけですから、中盤からのパスに対する恐怖感がまるで違ってきてしまうんですね。裏へ出され続ける方が、ディフェンダーとしては一本でも決まってしまえばそれが失点になるがためにより恐怖を感じるものであり、後ろへ走らされることで消耗もしますから、スペインはロシア戦同様に裏への意識を強く持つべきでしたね。ただそれを上手くケアをして、裏へ出る動きをしないようにし向けていたのがスウェーデンのディフェンスで、ある意味ではそちらの方が一枚上手だったとも言えるわけで、ビジャやトーレスに非はないのかもしれない。
ロスタイムのゴールが、カプデビラが相手の裏へ出したパスだったというのも何かこの大会のスペイン代表を占える要素になるかもしれませんね。あのパスを意識的に出し続けることが出来れば、ディフェンスラインを下げさせる効果も生まれてきて、豪華な中盤が余裕を持ってパスを回すことが出来るようになり、ミドルシュートをも狙える環境になっていくはず。逆にそういったパスが今後でなくなっていけば、相手にとって抑えるべきポイントが明確になってしまうので点を取ることが難しくなっていってしまうでしょう。
狙うべきは裏。
スウェーデンのサイドアタックがギリシャ戦とまるで違い、コーナーキックを一本も奪えないままだったのはヴィルヘルムションがいなくなってしまったことと関係あるかもしれません。代わりに入ったエルマンデルも悪い選手ではありませんが、ヴィルヘルムションのように縦への突破力とドリブル、そして粘ってファウルを受けたりコーナーを得られる、ということは出来ていませんでしたし、リュングベリと連動したポジションチェンジから二枚で崩す、というのもありませんでしたね。もかすると、ズラタン・イブラヒモビッチの同点ゴールで、引き分けでもいいという意識が生まれてしまったのかもしれませんが、このチームの生命線はサイドアタックだと思ってますから、そこが機能するように改善していかなければ辛いかもしれません。