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EURO2008 ポルトガル対トルコ / グループA

Date
June 8, 2008 8:30 PM
Category
EURO2008

■Portugal 2 - 0 Turkey
トルコにとって不運だったのは二人のセンターバックが共に負傷してしまったことでしょう。セルベト・セティンはサポーターを左足に巻いたまま最後までプレイしていましたが、左足で蹴るべき所を蹴られず右足でわざわざ蹴る、なんて場面もそれなりにあったわけで、何も問題がなかったといえず、途中でギョクハン・ザンと交代して入ったベテランのエムレ・アシュクが最後まで試合の流れに乗れなかったこともそうですね。ペペのオーバーラップから失点した場面も、彼がもし先発していたのであればマークをずれてスペースを作ってしまうということはなく、少なくともシュートまで持っていかれたとしても決められてしまうほどの自体にはならなかったでしょう。もしくはギョクハン・ザンがフル出場できていたとしても同じですね。
あとは危惧していたとおり、ハミト・アルティントップを右サイドバックで使っていたんですが、彼の動きは本職ではなく、特に逆の左サイドから攻められたときに中へ絞るサイドバックとしての動きが弱く、ポジショニングも安定しているとは言えません。さらにはオーバーラップのタイミングであるとかサイドを突破するためのドリブルとスピードであるとかも本職の選手に比べれば落ちるわけです。エムレやアウレリオの動きがよかったとはいえ、彼の献身的な動きは、サイドよりも中央よりで起用した上でハードワークをさせた方がより活きるはずで、本職のサイドバックと、この日ファウルが多かったとはいえ輝いていたカズムを縦関係で使うことのメリットを考えれば、そうすべきでしたね。ハミトを数無の近くでプレイさせることが出来れば彼が足をつるような事態を防ぎ、連動した攻めから得意のミドルシュートを打たせることだって出来たかもしれません。非常に勿体ない。それと関連して、左側のトゥンジャイ・サンリはさっぱり駄目で、トラップもドリブルもパスも全てにおいてミスが目立ち、周囲の連動した動きを潰しまくっていました。もし怪我人が出ていなければ彼を交代させていたのかもしれませんが、あまりにも酷い出来に、あそこのポジションにハミト・アルティントップを起用した方がまだよかったのではないかと思えるぐらいに足を引っ張ってましたね。カズムほどの頑強なプレイと運動量の多さ、サイドで起点になる、などの多くのことは求めていませんが、それでもどれか一つくらいはまともにこなして欲しかった。

ポルトガル側はこちらも不運しかいいようがありませんでしたね。ゴールマウスに三回も嫌われ、どれか一つでも決まっていればもっと楽な展開が待っていたんでしょう。キーパーのヴォルカンがファインセーブをして防いだのもありましたが、全てが決まってもおかしくないプレイばかりで、もしペペのゴールが生まれなかったらと思うとぞっとしますね。あの意外なゴールは運にも恵まれて相手の足に当たって軌道が変わったことでキーパーの上を抜けていったんですが、それもまたレアル・マドリーで何度も見せていたあの動きのお陰。停滞しているときにセンターバックが上がっていってパスを散らすのは先のスイス対チェコ戦で両チームのセンターバックがやっていたことなんですが、あそこまでドリブルで駆け上がってチャンスを作るのは、稀ですね。ルシオやアレックスなどある種のブラジル人の特徴でもあるんですが、彼らのあの上がりは相手からするとスピードに乗っているだけに正面からも止めづらく、サイドを駆け上がるのではないから横からプレッシャーをかけるわけにもいかない。約束事のない中に飛び込むのだからフリーになりやすくチャンスを生み出すには効果的。
ただこの試合のやり方からいうと、ポルトガルはカウンターに備えて前の三枚を多くの場面で残して守備の人数は多くないわけです。その分スピードのあるアタッカーが相手のディフェンスを引き連れているとはいっても、セットプレイであれば戻ることも視野に入れておくべきじゃないでしょうか。クリスチアーノ・ロナウドのドリブルも前半は特に縦へのコースを切られていて全く効果的ではなく、パス回しにしてもリードを奪ってからやっと余裕が出来てきたというぐらいに安定したものではなかったわけです。ただ前に残しておいたお陰で一度か二度、素晴らしいドリブルからチャンスは作ってましたけどね。dめお彼の動きを封じるやり方、っていうのはチャンピオンズリーグの決勝や準決勝であったように明確なんですね。それをディフェンダーが一試合通せるだけの集中力を持っているかどうか、というところにかかっているだけで。この試合は先に書いたとおり、トルコ側にアクシデントがあったお陰で貫徹できなかったわけですが、もし彼を封じられることなく活躍させるのなら、もっとポジションチェンジを多用してフリーにさせるべきで、そのためにはワントップという形に固執しがちなヌーノ・ゴメスを起用するのではなく、最後の方のようにクリスチアーノ・ロナウドを一枚前に残す形の方が、より彼の自由度を増して活躍させることが出来るんじゃないかと思ってます。ただ、それは彼を活躍させることが前提の話なので、チームが勝つためのことをするのであればクリスチアーノ・ロナウドを捨て駒にして囮として徹底するくらいのことをしなければ、特に守備の堅い残りの二つの国に対しては通用しないんじゃないでしょうか。

それよりも引っかかったのは、サイドバックに本職を起用しない両チームですね。
トルコは先に書いたとおりアルティントップ。ポルトガルも右はアタッカー出身のボシングワでしたよね。ミゲウにしても今はサイドバックのイメージが強いんですが基は前目の選手でしたし、今の主流はアタッカーをサイドバックに起用して攻撃を重視することなんでしょうか。守備が疎かになっているというわけではなくて、守備はきっちり不足なくこなせているんだけど、本来の持ち味が消えてませんか? 持ち味を生かしたままサイドバックをやるというのが一番なんですけどね。セビリアのダニエウ・アウベスのように。スイスのベーラミなんかもサイドバックをやって失敗をした一人で、トルコもポルトガルも大会中にサイドバックにボロが出ないといいんですが…。

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