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EURO2008 スペイン対イタリア / 準々決勝4

Date
June 23, 2008 11:00 AM
Category
EURO2008
■Spain 0 - 0 Italy(PK4-2)
イタリアにもスペインにも90分で勝たなければならないという強迫観念にも似たプレッシャーは微塵もなく、延長に入っても構わないという戦い方をしてましたね。お陰で試合が動いたのは後半30分を越えた当たりから、と超スローペースの試合だったんですが、退屈な試合ではありませんでしたね。ただPK戦にはいるのを嫌がったのはイタリア。スペインの方も勝つために色々と工夫をしていましたが、リスクをお冒して攻め続けることをせず、人数をそれまで以上にかけて攻めることもなく、交代人事もバランスを崩してまで攻めを意識させなかった。ルイス・アラゴネス監督はなんとしてもPK戦より前に勝負を決めたがっている印象でしたが、選手たちの方が落ち着いていてバックラインからフォワードに至るまでの覚悟が見て取れました。PKの名手を多く生み出している国ですから。
逆にこういった戦い方になれていて、一本のチャンスさえられれば何とか出来てしまうだろうと意識を持っているはずのイタリアが勝ちを焦っている部分があって、交代もポジションの違う選手を交代させて前がかりの意識を持たせ、延長に入ってからはバランスを崩した攻めもサイドバックを中心にやっていました。PK戦を嫌がり、今のうちに得点を入れて勝たなければならないと思って負けたのが前日のオランダ。失う物のなかったロシアにやられた彼らとは違い、スペインも失うものを抱えていたために同じ轍を踏むことはなかったんですが、PK戦では勝負のポイントを失っていた彼らが負けるのは道理。
意外だったのはスペインがあそこまで落ち着き、崩せなくても焦りがなかったことですね。

試合開始当初の中盤はイニエスタとシャビの二人だったんですが、あの二人はどちらもピボーテ、そしてアンカーを務めることが出来るほどのバランサーであり、イタリアと戦うときのリスクマネージメントを考えてプレイしている部分が強く出ていて、パスもカットされる可能性が高い部分を嫌がって安全なパスを選びがちで、イタリア守備陣の間を抜けていく、一本のパスを出すことを嫌ってました。崩しきることを考えた場合それでは不十分で、隙間の少ないところをパスで回し、飛び出し、突っかけ、得点をしていくのがスペインなんですが、この二人の意識ではそれが出来なかった。失敗しない試合の入り方をするにはこの二人でなければならず、もしセスク・ファブレガスが途中投入されてからやっていたような一本で勝負が決まるかもしれないパスを、試合開始から彼がスタメンで同じプレイをしていれば、いずれイタリア側にカウンターのチャンスを与えてしまっていたでしょう。崩すのはリスクと隣り合わせで、相手がどんな意図を持っているか理解しなければならない。セスクが投入されたタイミングは、イタリアがカモラネージを投入した直後でカウンターではなく能動的に動いて状況を変えようとしたタイミングで、そうなってしまうとイニエスタとシャビのようにリスクマネージメントをし続けなくても、相手の攻撃の意図が変わってきたのでセスクがしたタイプのパスであっても問題なくなったんですね。ただ他の選手たちの意識はあまり監督の意識とは別に変わりきらず、崩しきる方向に傾かなかったんですけど、結果オーライ。本当ならせっかくのスペインの試合なのでPK戦ではなく、得点を取って勝って欲しかったんですが、仕方ない。0-0のまま終えたのはイタリアがカテナチオだとか守備的だとか後ろ向きだとか、そんな無駄なものをしたからではなくて、スペインの選手が、開始直後のセルヒオ・ラモスの無思慮なプレイ以外で、常にリスクを考えていたからの引き分けで、実に現実的な、ノックアウトラウンドであるトーナメントを勝つための考え方をしているからです。
ま、カシージャス様々な部分とプジョルが引き締めているから出来る部分でもありますが、こういう戦い方が出来るのならトーナメントでも期待が出来ますね。次のロシアはそんなことはお構いなしのプレイをオランダ戦同様にしてくるはずなので、あまり役には立たないと思いますが。


簡単に説明すると、この試合みたいなのは戦術分析してらんない、って話ですよ、まったく。書いても自分へのフィードバックにもなりゃしないから書きたくもないし、なんといっても面倒くさい。本当にもう三試合連続で延長になってくれるから時間が――
観戦しながら(・∀・)ニヤニヤできる試合だったんで、書かなくていいなら凄く楽しい試合だったんですけどね。

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