■Croatia 1 - 1 Turkey(PK1-3)
トルコは何度も書いてきたハミト・アルティントップの中盤起用をやっと実現してくれて個人的には嬉しい限りでした。彼の献身的な動きは走破距離にも現れているはずで、恐らく両チームを通じて一番になっていることでしょう。これまで右サイドバックで起用していたことで縦の動きのみに限定してしまっていたことがどれだけ無駄なことか解ってもらえたんじゃないかと思うんですが、今日はセンターハーフとして出場していたお陰でプレイエリアはかなり広かった。中央を中心としてカバーの仕事をしていたのでリスクを冒した攻めはあまり見られませんでしたが、効果的だったのは事実。延長後半まで失点せずに耐えられたのも、もしかしたら彼がここで踏ん張っていたからかもしれませんね。
ただ、両者共に得点できなかったのは暑さによるミスだけではなく、選手の守備が優れていたからもでないんです。どちらの選手もこれまでのグループリーグの戦い方とは大きく違う戦術をとっていたからに他ならず、それが意図したものかそうでないのかは別にして、試合をつまらなくした要因でもあります。例えばクロアチアのこれまでの戦い方はオリッチの運動量を起点とした前線からのフォアチェックでパスコースを限定し中盤でカットをすることを目指したもので、高い位置からのプレスが機能し、カウンターが機能することで得点してきた部分が大きかったんですが、この試合はオリッチの追い込みも見られず、中盤の選手たちの連動した動きも少なかった。ボールを奪う位置は自陣ペナルティエリア前になりがちで、カウンターも鋭さを失っていた。
トルコもその影響を受けてある程度高い位置でボールを回すことが出来ていましたが、クロアチアの守備が後ろになっただけで意識まで低下しているわけではありませんから、組織だった攻撃をしないトルコが崩せるはずもなく、パスは回せているがそれ以上ではないままでした。ニハトを1トップにしてその下に4枚というよりはニハト1枚の下に両サイドに二枚いて、その下にスリーセンターがいたような形で、トルコの布陣もメンバーはそうでなくとも守備的でしたからね。
これまでは失うものが何もなかったトルコにグループリーグを突破してトーナメントに進出してしまったが故に失うものが出来た。だからリスクを冒せなくなってしまって、攻撃をするチャンスが多くありながら攻撃が出来なかった。それはクロアチアも同じで3枚の司令塔を用意しながら誰一人ゲームを作ることなく走ることも追い越すこともなかった。ペトリッチ投入後も彼本来のポジションであるフォワードのファーサイドの位置を使わせてあげることなく、トップ下に置いて守備を重視させた。両者共に全くリスクを冒さずに攻めようとしていて、それが解消されるまでに80分を要していました。見ている側からするととんでもなくつまらない試合だったのはそのせいです。
リュシュトゥのミスは相変わらずで、延長に突入する前にも飛び出しの判断を誤りピンチになったのもありましたし、味方からのバックパスをコントロールミスして自陣ゴール方向に転がしてしまうなんていうのもありました。結局の所、彼は全く成長をしていないわけで、延長のところでも飛び出しの判断を誤ってモドリッチに先に拾われ失点。バルセロナに所属していたときの絶望的なまでの酷さを思い出すには十分だったんですが、彼が幸運だったのは味方が延長後半ロスタイムという状況で得点を取ってくれたことでしょう。ビリッチ監督からすると交代も認められずプレイを切るタイミングをいくらでも見いだせる中での失点でとんでもなく不運だったわけですが、延長に入る前にもっと攻撃的に行かせるようにし向けるとか、交代のタイミングをスルナが足をつったタイミングで交代しておくとか方法は色々ありましたし、それよりもまずトーナメントに入った途端に消極的になったチームに問題があるわけで、グループリーグ三戦目のBチームがした試合で前からのチェックを失ってしまっていたのをそのまま引き継いでしまったのが一番の問題でしょう。そのサッカーをするための構成になっていないんだからしてはいけない。あれは三戦目のメンバーだからこその戦い方で、一、二戦目のメンバーに近い形でするのであれば、その時にした戦い方にしておくべきでしょう。選手たちが悪いのかそれとも監督が悪いのか。少なくともトルコのやりたい形が見えないサッカーよりは上をいってくれるはずだと期待していたんですが、こんなくだらなくつまらないサッカーをするなんて…。
トルコが奇跡を起こしたのではなく、クロアチアが自滅したと取る方が自然です。