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Liga Espanola Jornada 34. レバンテ対バルセロナ

2012 年 4 月 15 日 日曜日

■Levante UD 1 – 2 FC Barcelona
バルサは前節ヘタフェ戦と同じように3バックと4バックの中間を採用し、この試合はセスクを先発させてメッシに中盤の役割を担わせるのではなくフォワードとしての役割を担わせようとしている。そのためほぼ同じ布陣でありながらもメッシがシャビやチアゴと同列にまで下がってプレイする機会は多くなく、彼らよりも一つ前でボールを要求してゴール前へと動く。シャビがバイタルエリアにはいるのではなく、メッシやセスクが上下動することを考慮した少し低めのポジションを取っている。左のセンターバックを担当するアドリアーノはサイドバックを兼任しているため、ブスケツらと同列に並ぶことも多く、タッチライン際に開くことこそ少ないものの、攻撃を後ろから支えて支えられるポジションを取っている。バルサはウイングを大きく開かせてアンカーを含めて敵陣に入っていく。レバンテがボールホルダーや前に向かって守備組織を作っておらず、引いてプレッシャーをかけに行かずにペナルティエリア前へ張り付いて、そこからスタートを切ることもなく、バイタルエリアに入っているメッシすら予め掴まえようとしていない。そのため低めのシャビやブスケツの所で自由にコントロールすることが出来る。

攻撃に自由を多く持っていることもあってバルサは守備に残しているのはプジョルとマスケラーノの二枚だけでも、レバンテの残しているフォワード、アルナ・コネ一枚だけで二人で見ておくには十分な人数。カウンターに対しての警戒をしなければならず、特に直接裏へ出されて競争されてしまうと動き出しを早くしなければならず、ぎりぎりの対応をしなければならないが、レバンテはそれを多用するよりも、守備から攻撃に移るために少し引いて、押し込まれているところからなんとか抜け出そうと戻りながら足下へ受けられるようアルナ・コネが戻ってきてしまうことが多い。上手く納められればワイドに開いたアタッカーから中の押し上げ、コネの下に3枚のアタッカーを並べ、さらに押し上げるくらい、クロスを入れられるだけの人数と横の選択肢を用意できているものの、あまりにもバルサに攻撃を許しすぎている。徐々にバイタルエリアを意識してセンターバックと中盤が同列になるほどまで圧縮しているものの、ボールホルダーに対するチェックがあまりにも遅く緩い。鋭さが無く慌てさせる効果はないために、縦パスを警戒して守備のスタート位置としてはある程度の高さがあるディフェンスラインもずるずると下がってしまって、バルサがウイングを使ってワイドに使っていくとペナルティエリア内にも簡単に入ってしまう。正面からの攻撃であればそこに入らないよう踏みとどまることは出来ているものの、外からセンターバック裏へと出されるボールを嫌がっているようで、下がってしまう。中盤もそれに加わって攻撃に移る手段を失ってでも外から中へと入れさせないようにしている。
しかしながらカウンターから競争をされて背後からきちんと掴まえておけず、相手をスローダウンさせられなかったところから失点のきっかけが始まってしまった。それまではコネが足下へ受けようと戻ることでそういった危険はなかったのものの、プジョルとマスケラーノの外側から裏へ走られ、足下へ納められたところからオーバーラップを許してコーナーキックを与えてしまった。そのクロスから一度はビクトル・バルデスが弾いたものの、セルヒオ・ブスケツのハンドを取られてPK。体の正面ではあったものの手に当たったのは確かで、仕方のないファウルの判断。そしてそのPKを決められて先制点を許してしまった。

バルサはウイングを大きく外に開いて相手を広げるための選択肢として利用をしている。そこをフリーにするための中の組み立てはあるものの、外をフリーにしても中へ切れ込むことは難しく、やれることはクロスを入れることぐらいでしかない。サイドバックがおらず、左はアドリアーノがオーバーラップをしてサポートすることはあるとしても、ウイングの外側を駆け上がるスペースもタイミングもなく、ウイング一枚で状況を打開しなければならないため、展開が限られてしまう。失点以後はチアゴやセスクが外に出てウイングのサポートと代わりをしつつメッシが低い位置から縦へのパスを入れながらワンツーを使いつつ前へ出て以降とするように変化をし、左右を入れ替えたりプジョルがサポートのために上がるようにするなど、いくら変化をつけているものの、中央のブロックと守り方を変化させるほどの変化はなく、中央に入ったアレクシス・サンチェスが裏へと早めに走ってボールを引き出そうとしながら、センターバックを押し下げようとするようになったことくらい。それも連続しないことでスピードアップが出来ず、相手を消耗させるようなランニングもない。サイドからのクロスに備えて逆サイドが絞ったり中央に二枚の選択肢を用意しても、相手の高さと人数の方が上回り、メッシはゴールを狙うのか中盤に近くプレイするのかが明確ではなく、彼へのパスも少なく、メッシもドリブルで突っかけていったり、相手の注意を引きつけ他をフリーにするような動きが無く、小さい動きに終始してしまっている。

後半はシャビを下げてクエンカを投入し、彼をタッチライン際に置き、逆サイドペドロを置く。中に絞ってゴールに近づきたくなっていた両ウイングを徹底して外に置いて、ゴール前にはサンチェスを置いて、セスク、メッシ、チアゴが飛び出せるようにしていく。早めに中央へのパスを出して孤立させるのではなく、サンチェスが引っ張ってしメッシがドリブルできるスペースを作り、中央に集めて開いているウイングへ渡して中へと出す。それでもウイングの部分で一枚しかおらず、縦の変化がつけられないためレバンテは対応をしやすく、コースを限定し続けられる。外から中へとショートパスを出せるくらいにサポートがあればそれも違ってくるものの、ウイングにボールが出るとそれ以外の選手たちは、ゴール前に入ってしまって外のサポートに誰も出て行かない。イニエスタがスムーズに中と連携できるよう自ら近づいてゴールに向かっていく斜めの動きをするようになったことで多少外から中への変化をつけられるようになったものの、右はメッシが出てもそれが出来ず、ランニングによる変化もつけられていない。レバンテの守備もバルセロナの攻撃に動きによる変化がないことで守りやすく、中央のブロックが揺さぶられて引っ張られ、スペースを空けてしまうような場面はほとんど無い。クエンカは縦に固執してしまって相手に読まれていて、止められすぎて、バイタルエリアへのパスも裏へ走って囮をやる選手もいないため、センターバックの前で受けたがるメッシへのチェックになってしまう。それでも決めてしまうメッシの凄さの方が上回って同点にはなった。

同点になってからレバンテはそれまでのように中盤がディフェンスラインと同化するほどの密集を見せず、少しばかり攻撃に出られるように前へとポジションを移してしまった。カットやクリアボールを拾える位置にまで出ていることで、メッシがドリブルでスピードアップしたときの相手が複数のラインではなく、複数の選手を相手にするようになり、無理な勝負ではなく、スピードアップを出来るようになった。右のクエンカにしても、縦に固執していた姿から中へのパスを選択できるようになったことで中の選手がパスを意識したポジションを取れるようになって、ようやく右から中へのパスと連携ができるようになった。そしてパスの後の雨後木直で、ようやくバルサが組織として相手の背後へパスを出し、抜け出すことが出来た。結果として相手に手を使って押し倒された形になり、止められたものの、それがPKになって逆転に繋がった。ただファウルの判定としてはあまりに厳しく、手が確実に出ていたとはいえ、倒れ方も大げさでファウル笛が逆の判断でクエンカの倒れ方によって相手を倒してしまったことに寄るものかと思ってしまった。時債は逆だったのは厳しいとは思うものの、前半のブスケツのPKの判断が体の正面であったことを考えれば厳しい判断をする審判だと認識できるはずで、そういった厳しくファウルを取る審判を相手にするべきプレイでなかったのは確か。

リードしてからダニエウ・アウベスを投入して4バックへと変更をしたことで、サイドバックとウイングの縦の関係を作るのではなく、ダニエウ・アウベスも後ろへ残してバランスを取ることに専念させ、攻撃に出てくるレバンテの攻撃を受け止めるためにハーフウェーラインに留まるようになった。ウイングに関してのサポートの距離は逆転ゴール以前に改善されたものから差に改善をされ、外から中へのスムーズなポジションチェンジとゴールに無理に迫らなくてもいいという意識もあってか、中から外へと流れてきてパスを繋ぐためのポジションを取ってチェックをかわしていけるようにもなった。左右へスムーズにボールが流れるようになると、レバンテもボール奪いにチェックへ出ようとしても、左右へ修正しながら奪いに行かなければならず、狙いを絞れず、かわされて反対側までうごかされるようになる。フォアチェックに出て奪いに来ようとしても、バルサはバランスを取って後ろで距離を縮めているバルサを相手に奪いきるのは難しく、細かく繋いでチェックも外されてしまう。低い位置から反対側へサイドチェンジをしてかいくぐる大きな展開も増えて、追いかけるのを諦めさせて、足を止めさせてから縦パスを入れ、一気に少ない人数で引き戻す。バルサはもう無理はせず、守備に全力で戻ってオーバーラップをする相手について戻ってくる。縦のカバーリングを用意しながら守り抜き、攻勢に出たレバンテをきちんと受け止め、シュートまで殆ど持って行かせず、ぎりぎりで守りきった。

Bundesliga 30. Spieltag ボルシア・ドルトムント対バイエルン・ミュンヘン

2012 年 4 月 12 日 木曜日

■Borussia Dortmund 1 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルンが開始早々にピンチを作ったのはスローインからであったものの全くチェックがかからず、パスの出し手のギュンドアンに対してプレッシャーを誰もかけられず、ボランチのルイス・グスタボも見るだけで足を出そうとしなかった。ディフェンスラインも裏へ抜けるブワシュチコフスキに対して全くマークに付くどころか見ておらず、ドリブルで抜けてくることを考えてボールを見てしまっていた。その後もドルトムントのオーバーラップの勢いに押されてフォアチェックで押し込むことが出来ておらず、長短織り交ぜて展開されるパスにタイミングを掴めず、裏へのフィードを入れられることもあってセンターバックが大きく引いてしまうようになった。それに引っ張られるように全体が守備的になってしまい、特に両ウイングのロッベンとリベリーのポジションが大きく下がってしまって前へとボールに対して向かえなくなってしまっている。ドルトムントのディフェンスラインに対してプレッシャーがかからず、ミュラーやクロースも下がってしまってマリオ・ゴメスしか残らない。サイドバックに対してロッベンやリベリーが向かうのではなく、誰も来ていないラーム、アラバの前を埋めるだけに留まり、ピシュチェクやシュメルツァーを掴まえようとしていないことで、ドルトムントに縦パスを入れ、ポストプレイやダイレクトで動かす余裕を与えてしまっている。十分に引いて人数がいても、人を見ていないことでスペースは大きくあり、その隙間に入られて受けられてしまっている。レヴァンドフスキが左右へ流れて飛び出すだけではなく、センターバックを背負いながらでもボールを収められることでそれ以外の選手が躊躇なく動けるのも、それを助けている。
ドルトムントの守備はバイエルンとは大きく違い、前へ出た攻撃の人数をそのままフォアチェックへと回し、サイドバックもそれに参加させる。ボールをきちんと持たれてしまっても人を掴まえているためにパスコースは無く、フィードによって走らせる以外に展開を作れない。特にロッベンも最初のポジションが守備を意識して下がりすぎているため、中盤が引いてみられ、サイドバック一枚で対応することがない。リベリーにしても同じで、逆サイドから攻められているときにも、サイドバックの外にあるファーサイドのスペースを常に狙われてきたバイエルンの弱点を埋めるために引くことが多く、ドルトムントもそこを狙ったパスを出しているため下がらざるを得なくなっている。ただこちら側がスムーズに攻撃に出られているのはアラバのオーバーラップの影響が強く、リベリーが低い位置でボールを受けると彼が追い越していく。そのスピードを殺さないようにパスを出していることで前へとチェックに出ているドルトムントは勢いを止められず、追わなければならなくなる。加えてリベリーが中へと柔軟にポジションを移してバイタルエリアに入り込んで、アラバが上がるスペースを空けていることも大きい。ただセンターバックからボランチへとボールを上手く動かせなければサイドへの大きな展開を活かせられないが、ドルトムントはクロースへのコースを塞いで彼へと渡らないようにし、ルイス・グスタボにも余裕を与えず前を向かせないようプレッシャーをかけるのを忘れていないため、リベリーが下がって引き出さなければならず、守備と相まってポジションが低く、タッチライン際に残り続けるロッベンと共にフォワードとの距離を広げてしまって中央との連携を取れないのもドルトムントに主導権を取られる要因になっている。

時間が経過してバイエルンは多少改善されたものの、レヴァンドフスキをセンターバックに任せきりにしてしまっていることには変わりがなく、リベリーにファーサイドを埋めさせているのも変わっていない。特にボランチに背後への意識が薄く、クロースとルイス・グスタボで役割を分担し、チェックと背後へのカバーを同時に行っていれば、レヴァンドフスキに再三にわたってボールを収められて起点にされてしまう事態は避けられるはずで、リベリーがサイドバックの外側を埋めるほど下がらなくてもよくなるはず。辛うじて向かってくる相手にはボランチの二枚が待つのではなく向かっていけるようになっていることで守れるようにはなっているものの、根本的な改善には見えてこない。
攻撃面はずいぶんと改善をされていて、リベリーが自由に中へとポジションを移すようになったことでフォワードとの距離が縮まり、それに合わせてミュラーが左にでてバランスを取ることで中へブロックを集中させずに、ドルトムントのマークへ混乱を与えられている。リベリーが中へ距離を縮めていることでマリオ・ゴメスの落としを拾えたり、中へのパスを選択できるようになってきている。ミュラーが守備に戻りすぎず前へ残りフォアチェックを行えるようになったことも攻撃時に人数をかけられる要因で、ロッベンもそれに加わりミュラーとポジションを動かしていくことで、ドルトムントの守備が前へ向かえず後ろへ残るようになり、バイエルンはボランチのクロースが安定して前を向いてボールを扱えるようになり、左右へと揺り動かしてそれらを活かすことが可能になった。

後半からはロッベンのサイドも左と同じようにラームが彼を追い越してロッベンが中へ動き、縦の連動と変化を作れるようになったことで、バイエルンの攻撃が左に頼りきりだった状況から右も使えるように改善された。ただそのぶんだけラームが守備に戻るには時間がかかるようになり、ロッベンの外を駆け上がるだけではなく、ロッベンよりも内側に上がることで攻撃に参加する回数も増えたため、より守備にはリスクが生まれるようになった。ドルトムントの守備も前半の終盤は自陣に引いて前へのプレッシャーが少なくなっていたが、後半にはボランチに対して素早いプレッシャーを与えるようになって、バイエルンに中央からワイドな展開をさせず、下げさせ、横パスをカットしてカウンターへ繋げることも出来るようになっている。ただバイエルンがサイドから切り崩すチャンスを得て深く入り込めるようになったこともあって、前後にコンパクトさを保つことは出来ておらず、走る距離は広がって勢いは保つことが出来ていない。バイエルンも裏を取られることを怖がってセンターバックのポジションは低く、両者共に前後に伸びているため、密集地帯で奪い合うような厳しさがあるのは、ハーフウェーライン付近ではなくドルトムント陣内のペナルティエリア前。シュバインシュタイガーが入ってからはバイエルンのディフェンスラインとボランチの間でボールがスムーズに動きやすく、横へ大きく動かして、縦を狙えるように何度も作り直せるようになり、余裕を持ってボールを扱える時間が増えた。ボランチが前を向いて余裕がある状況ならばリベリーがボールを引き出しに戻る必要はなくなり、前へより人数がいる状態で動き始めてスピードアップを出来る。サイドバックのオーバーラップを待つ必要のないクイックな展開ができるようになって、ドルトムントがバイタルエリアを埋める前に仕掛ける事が出来て、センターバックがそこに対して出て行かなければならず、ディフェンスラインにギャップを作りながら守らせ、背後への飛び出しのチャンスを増やしている。ドルトムントは序盤のようにパスによってバイエルンを揺さぶることが出来ず、個人個人がドリブルによってボールを運んで、パスコースを十分に探してからでなければ展開できない。タイミングが遅れることでレヴァンドフスキの動きにも対応されてしまって収めきれず、そこからのスピードアップも難しくなってしまっている。

ドルトムントは香川とギュンドアンの二人を交代させたことで、それまで停滞してしまっていた前へのプレッシャーを復活させ、バイエルンの最後尾にボールを繋がせずボランチへと安定してボールを供給させなくした。単純なフィードであればマリオ・ゴメスを下げた以上、バイエルンが前線でボールを収めたり、セカンドボールを拾う可能性が低くなっているため問題にはならず、攻撃へと繋げるチャンスが増える。さらに前へのチェックに勢いをもたらせたことと跳ね返せる目処が立つ状態でバイエルンの攻撃を受けていることで、攻撃に切り替わったときに勢いを取り戻すことにも繋がった。そうやって得たコーナーキックからこぼれ球をシュート。レヴァンドフスキがキーパーの前で触ってコースを変えて先制点へと繋げた。ロッベンがサボらずきっちりと押し上げていれば簡単にオフサイドを取れていたはずで、勿体ない失点だった。

先制点を取られてからより両者共に積極的に球際でのプレイをするようになって、ボールを追いかけ回していくようになり、バイエルンはドリブルでの仕掛けからファウルを得られるようになったが、それでも中盤からの組み立てに関してはドルトムントの積極的なチェイシングによって上手くいかず、ドリブルは体を投げ出して守られて個人の力では打開できるものではなくなっている。バイエルンはフィードを中心としてフォワードに当てようとしたり、ドリブルからのパスを中へ預けて再展開やワンツーから抜け出そうとしているものの、マリオ・ゴメスであれば成功していたプレイであっても、オリッチに変えていては成功をせず、プレイスタイルの違いを活かしてあげられず、オリッチの求めているプレイとは違うものばかりを出して失敗をしてしまっている。ロッベンがPKを誘ったプレイに対して、それまで試合中にファウルを流し続けて接触に関して寛容だった審判が笛を吹いたのは意外だった。シミュレーションの判定を取られるとさえ思ったものの、誘いに乗っかってしまったヴァイデンフェラーは確かに触っていて、PKをとってもおかしくはなかった。ただそこまでして手に入れたPKをロッベンは決められず、同点にするチャンスを逸した。ロスタイムにあったオウンゴールによる同点のチャンスも、その後のこぼれ球もロッベンは決められず、ドルトムントにもう一点決められて突き放される危険すらあった。結局はその二つの決定機を逃したことで逃げ切られ、首位の座が大きく遠のくことになってしまった。

Liga Espanola Jornada 33. バルセロナ対ヘタフェ

2012 年 4 月 11 日 水曜日

■FC Barcelona 4 – 0 Getafe CF
バルセロナはピケとダニエウ・アウベスが怪我で出場できないこともあって、ただでさえ少ないディフェンダーでディフェンスラインを組まなければならなかったものの、モントーヤを先発させれば4バックを組むことは出来たものの、アドリアーノを左のセンターバックに据えて3バックを採用している。さらにフォワードも三枚置き、その下でメッシに自由を与えるような状況を作り、これまでであればセスクが出場しているときに多く採用されたシステムを彼無しで似たようなことを行おうとしている。

ヘタフェは下がりすぎず、ディフェンスラインをある程度の高さに残しつつ中盤との距離を縮めてコンパクトに保ち中央で相手を取ろうとしている。フォアチェックを無視した守り方ではなく、多少は行いつつも、バイタルエリアを埋めることを優先してポジションを取っている。特に中央にブロックを作って中盤の5人を引いて守らせていることが多く、フォワードのミクを残してボールへのアプローチと共に背後に入られる動きにはカバーを行っている。そのぶんヘタフェのサイドにはスペースがあり、ウイングがサイドバックの横へとポジションを取って中盤からワイドなパスを受けられるようになっているが、そこへ渡る斜めのパスをカットできるだけのパスコースの想定はされているため、同サイドでパスを続けていては止められてしまい、バルサは強く逆サイドを意識して動かしている。サイドにボールが渡るとヘタフェはサイドバックがウイングに対応しに出てくる。それへのサポートをバルサが行えばヘタフェも中盤が張り出してきて、サイドバックがおらず縦の関係で切り崩せないことがヘタフェに縦のスピードを意識させずに守れるような形を作らせてしまっているのかもしれない。
ヘタフェはミクへのフィードを中心として外に流れた彼にボールを預けてサイドから押し上げてバルサのプレッシャーにかかりづらいところからカウンターに出ようとしてくる。バルサはきちんとサイドバックがそれを背後から抑えて中盤が挟み込み奪う。そこからの攻守の切り替えはヘタフェは素早く前へとプレッシャーを与えに来るものの、守勢に回ったときのバイタルエリアの埋め方が緩くなってバルサに縦のスペースを用意してスピードアップさせてくれている。先制点の場面では攻撃に出るために片側に寄せたことでファーサイドだけではなく中央までもが空いて、バイタルエリアを埋められなかった。そこへ横のカットインからアレクシス・サンチェスが見事に決めて先制ゴール。その後もカウンターからスピードアップしてゴールを脅かし、ポゼッション時の横への幅広い動き、とタッチライン際まで開いたウイングへの対処にヘタフェのサイドバックを酷使し、中盤もポジションの修正に前後左右へ動かしてボールを奪ってもフィードをさせず、クリアに留めさせバルサが連続して攻撃できるようにする。ヘタフェはセットプレイからしか攻撃のチャンスを得られなくなってしまい、攻撃のメンバーを増やして左右のアタッカーのポジションを上げて、ミクを中央に残してクロスを中へ入れられるようにした。バルサは左右のセンターバックがそれを抑えて、ブスケツが後ろを埋めてい対処をする。ここが攻撃に出たことでバルサの攻撃を埋めたときにタッチライン際から逆サイドに動かされたときに、バイタルエリアに近い中央が空き、ポゼッションの中では序盤はブスケツがコントロールすることが多いほど低かった外へのパスを出すポジションがシャビの所で行えるようになった。バルサは守勢に回ったときにこそブスケツがディフェンスラインに入っているものの、攻撃時には左右のセンターバックと共に攻撃のサポートに出て縦への厚みにしているため、攻守の切り替えからプレッシャーをかけたときに奪うポイントになっていて、フォアチェックによって縦への精度を落とした後をきっちり奪えている。
メッシは中盤に下がってボールを扱っているときこそ前向きにボールを触らせてもらっているものの、バイタルエリアに入ってしまうと中盤の選手に密着して掴まれてフリーではボールを触れず、ワンツーでそこへ進入してもセンターバックとの距離が近いためにタッチから変化が作れず、さらに中央を絞られてしまうためプレッシャーが早く、裏よりも前を意識した状態で整えているため、体をぶつけられてしまって余裕を持てなかった。それを前半終了間際ではタッチライン際からボールを運んだことで中盤のブロックの横でメッシはボールを前向きに扱うことが出来、イニエスタがそこへの注意を利用してバイタルエリア内に入り、そしてセンターバックの前への意識を引きつけてメッシをフリーにした。綺麗な流れで二点目をいい時間に獲得した。

後半のヘタフェは二点を追わなければならないこともあって前半よりも中盤のポジションを上げた。バイタルエリアを埋めることに専念させるのではなく、アタッカー三枚が攻撃に出た後ろを支える形になって、中盤に下がるメッシにもマークに付くようになり、シャビやブスケツといったところにも早めのプレッシャーを与えに出てくるようになった。前半に比べるとその分だけ前に出てきているため、バイタルエリアを埋めていても前への意識が強くて中へ入られる動きに対してついて行けず、受けさせてくれるようになる。ただそこに至るまでにプレッシャーを受けることが増えて精度も高く、強いチェックを受けることで前半のようにそこへ人数をためるのは難しく、ウイングを使って左右へ揺さぶることも警戒してきているためマークが近く、逆サイドこそ空いているものの、勝負をしづらくなっている。しかしバルサのポゼッションと左右へ大きく動かすパスによってヘタフェは前半と同じようにゴール前に張り付くほか無くなってしまい、中盤が前後にばらけてしまうだけで効果的な守り方が出来ず、中央の縦パスすら、サンチェスの動きのお陰だとはいえ、通してしまうようになった。バイタルエリアで密着したマークを受けずにボールを触ることもできるようになり、カウンターへと移行しようとするパスも、バルサが引っかけて奪い返せるほど押し込んでしまうようにもなった。ヘタフェは消耗させられてしまったために細かな修正や一歩のスピードが出ず、カウンターへも走っていけず、パスが繋がった後も押し上げられずに囲まれるのを待つだけになってしまう。
選手交代をして二人を投入してヘタフェは押し上げられない部分は改善されて、人数をかけたオーバーラップを使って再びセットプレイを得られるほどにはなった。奪ってから前へ出始めるスピードも上がってようやく攻撃に出られるっようになり、押し上げるエネルギーも使いながら攻撃に出るようになったものの、ディフェンスラインが連動していない部分を変えることが出来ておらず、バイタルエリアはより広がってしまう。前へチェックに出て奪おうともしているため、そこによりスペースが生まれやすくなっている。クエンカは前半から中へブロックを作っているヘタフェに対して縦の仕掛けを多用しており、相手を縦に走らせる貴重な存在になっていた。中へ待ちかまえさせるのではなく引き戻しながら後ろ向きであったり横を向いてのプレイを強いることで不安定さを相手に作り出し、カットインではなくクロスを意識させてきた。それがヘタフェの中盤が戻れなくなったことでクロスへの対応が出来なくなって3点目を生み、彼の縦の意識がファウルを誘って4点目のきっかけとなるファウルを得ることに繋がった。

本来のポジションとは逆の左に入ったモントーヤは流れの中で仕掛けることもスピードを活かすことも難しくバックパスや横パスを多用してしまっていて、テージョとの連携や縦パスを彼に入れることも少なくオプションには慣れていなかったものの、右に回ってからはクエンカと近くたもって横並びの関係にもなれるようになった。明確に4バックにしたことでウイングとサイドバックとの距離が縮まって相手のマークがウイングに近づき、時にテージョに対して距離を近く見ているようにもなっているし、クエンカやサンチェスの右側にもサイドバックが開いてみる時間が増えている。そこにもサイドバックが上がることで数的に相手が止められない間kんようを作ることも出来る。他にもこれまでは両サイドのウイング共に開き続けて、相手のブロックを中に絞らせないようにしていたものの、サイドバックがいることでウイングが中へ絞ってゴール前へ入り、空けたスペースにサイドバックがオーバーラップすることもできるようになり、横と縦の連携を合わせられるようになった。ゴールに近い位置で変化をつけたり、パスを通せるようになったものの、強風の影響もあってかあと一歩が届かず、決めきれず、さらに追加点を得ることは出来なかった。

Bundesliga 29. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対アウグスブルク

2012 年 4 月 8 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 1 FC Augsburg
シュバインシュタイガーが先発に復帰し、クロースがここの所出ずっぱりだったこともあってベンチからのスタートになっている。開始30秒も経たずにバイエルンが先制点を奪ったが、左から突破を狙うリベリーに対してアウグスブルクはその縦の突破よりも中へのパスやスローダウンしてポゼッションを狙うことを考えていたようで守備の意識が甘く、5枚並べた中盤がしっかりとチェックとカバーの体勢を整えられなかった。リベリーのマークがフェルヘエフのものだとしても、中央に位置するいずれかがサポートする必要があり、最初はヌジェングが向かったものの後方に広大なスペースを用意してしまった。危険なパスコースが無くボールウォッチャーになってしまっていたクが引いて埋めていればよかったものの、細貝がマークを外して向かわなければならなくなり、バイタルエリアに入ったミュラーとマリオ・ゴメスの両方をセンターバックのみで見なければならず、クロスを警戒しながらポジションを取ってしまっていたため捉え切れていなかった。
その後はヌジェングとクの二枚でリベリーを交互に受け渡しながら見て細貝の横にスペースを作らないようにスペースを埋めるようになり、マリオ・ゴメスが引いてそこに出てこようとすればセンターバックが張り出して体をぶつけて防いでいる。ただリベリーが自由にポジションを動かして中に入り、左にミュラーが張り出してしまうとアウグスブルクの守備は慌てて修正が上手くいかない。左のミュラーはサイドバックが見ることで解決しているものの、中央のリベリーを見ておくのが細貝の役割になってしまって、バイタルエリアの真ん中でアンカーとしての役割を果たすのではなく、マークのために左右へ揺り動かされてしまって中央にそれ以外の選手が下がってサポートをしなければ、自由に使えるスペースが出来てしまう。バイアーがバランスを取ることで改善された部分は大きく、さらにはリベリーが通常通りに左サイドへと戻ってくれるとミュラーに加えて上がってくるシュバインシュタイガーも見ておけるほどの余裕になり、アウグスブルクに失点からしばらくの混乱が見られなくなっている。フォアチェックを殆ど行わず、ボールへのアプローチもそこそこに縦のコースを塞いで見ておくことが主な守備方法で、バイエルンの各選手に大して前を向く余裕は与えてくれる。それをそのまま前へ運ぼうとすると障害になる程度でしかなく、横に動かしながら動き直してポジションを上げるとマークがついてこずにリトリートもして簡単に前へ向かうコースも作れる。アウグスブルクは人がいるものの前へ向かっていないことで厳しさや嫌がられるような守備をしていない。

アウグスブルクはセットプレイのこぼれ球がゴール前にこぼれてくる千載一遇のチャンスを決めきれず、ボアテングによって防がれてしまった。アウグスブルクには目立った攻撃のスタイルはなく、ボールを奪ってからフィードを使って背後へと一気に競争させたり、サイドバックの裏を突くような狙いはあってもなかなか成功してこなかった。ただフォワードと中盤との距離は開きすぎておらず、ラファエルを左右のアタッカーが追い越したり、クとバイアーの部分が近づいてサポートする姿も見られ、孤立して奪われ、継続できなくなるような悪循環には陥っていなかった。それにアウグスブルクが守備時に下がって守り、そこから押し上げるためにバイエルンとしてはそれぞれを掴まえて密着しておくことが難しく、どうしても上がってくるスピードそのままを活かされてしまいやすい。同点に追いつかれた場面では、バックパスを挟まれることでベリンクハウゼンのオーバーラップに対応できず、ボアテングのカットミスもあったとはいえ、突破を許した。戻りながらの守備を強いられたバイエルンは過剰にカバーリングをしてサイドに出てきてしまうセンターバックによって中央の人数を維持できず、ティモシュチュクはしっかりと背後を気にして埋めたものの、マイナスのパスを捉えられるほどの厚みを用意できなかった。
同点に追いついたからといってアウグスブルクのスタイルが変わるわけではなく、フォワードへのフィードから左右のアタッカーが追い越してチャンスを作り、中が間に合わなければセットプレイを得ることに切り替えるだけ。守備時にもボールホルダーへの積極性が増すわけではなく、じっと目の前に立って見ていくだけ。ボールを受ける前の段階で相手を捉えておくことを考え、パスを躊躇させることで自分たちの形にしようとしているようで、ボールを引き出そうと動き相手に密着してついていったり、左右へ動かれてもそれについていくことはあっても、一度持たれるとスペースを埋めるためにすっと下がることも多い。足を出しに行かないぶん抜かれることは少なく、バイエルンとしても常に相手を前に置いてプレイすることはストレスにはなっている様子。ただ距離を置いて足も出してこないことはプレッシャーにはなっておらず、他の選手がランニングでポジションを動かしていくこと見ていられるし、見ていることでパスが出ることを期待して動き出してくれる。特に見ることが中心となっているため背後への飛び出しスピードに対応できないことも多く、ゴールに迫ることは出来ている。バイエルンはプレッシャーを受けないため攻撃に出て行き、前へ多く人数を溜めてしまっていることがマイナスに働き、カウンターを抑える選手が足りず、スピードアップからボアテングの裏を突かれてバドシュトゥバーが引き出されることが失点時以外にもありイエロカードを受けてしまった。後ろにボールを下げる必要が生じないことで、前へ前への変化はつけられるが、そこで足が止まってしまって守備にもそれ以上の攻撃にも対応できなくなってしまっている。

前半終了間際にはボールへのアプローチが増えたアウグスブルクにバックパスで下げられる回数も増えてしまい、それすらできなくなってしまった。後半もその姿勢を継続し、ボールホルダーに対しての距離を縮めて足を出せる距離へと接近し、縦を塞いでみるだけではなく奪う意識を出して体をぶつけるところまで持ってくるようになった。それだけバイエルンにはドリブルなどで抜き、揺さぶれば、新たなスペースが増えることでもあるものの、受ける段階で前を向けず、受けてからの余裕を削られて横への意識が増えてしまって縦へ勝負を仕掛けていかない。変化は増えてオーバーラップとスピードに乗った状態でパスを受けて足を出しに来た相手を置いていくことも出来るとはいえ、継続してそれが出来ない。クロースが入って前後左右に動きで変化をつけられるようになってもゾーンの隙間にはいってマークを受けずにボールに触ることは難しく、後ろから追い越していくアラバを多用しなければならなくなっている。ただアウグスブルクはボールを奪ってから前へ出て行く推進力を失いつつあり、ボールに向かうことでより守備において下がってしまい、前後に距離が伸びてしまった。そこから前半のように単純に前へ預けて追い越していくのではなく繋ごうとしてミスをして、中途半端なプレイからカウンターを受ける。自陣でボールを動かす時間が増えてそのまま奪われる回数も増え、バイエルンはショートカウンターを使う機会も多い。素早い展開にマークに付ききれず、スピードに乗られてファウルで止めなければならず、セットプレイが増える。単純なクリアでは押し上げることは出来ずバイエルンボールの時間が増える。じっくりと組み立て直すことが出来るだけの余裕をそれで与えてもらい、バイエルンはロッベンとラームの長いワンツーで抜け出して、最後はニアサイドにマリオ・ゴメスが入って決めた。それを止められるポジションの修正もアウグスブルクは継続していくだけの集中力を持てていなかった。

アウグスブルクが再び追いかける展開になっても、フォワードに入ったクにはキープ力が無く、前半のラファエルのようにいったんフォワードへ預けてその下の二枚がサポートに周り、サイドアタッカーが飛び出していく一連の流れは作れない。ボール出す先が無くなってしまったことで、後方の選手が躊躇なくオーバーラップできる機会を得られず、クは足下だけに専念してしまって裏へ抜けないためバイエルンも抑えやすい。そうなると繋いでから運ばなければならないが、パスを出して動き直すオフ・ザ・ボールの動きに乏しく、それが難しい。パスを繋げてパススピードを維持できる選手が細貝しかおらず、彼が多くボールを触って初めて鋭い縦パスを入れてポストプレイをさせたり、幅広い展開を作ることが出来るが、低い位置でなければボールを集められず、ポジションを上げるとそこに出してもらうことすら難しくなってしまう。アウグスブルクはディフェンスラインで数多くのパスを交換するようになってしまったが、あまりにも距離が近く、パススピードも遅い。相手を左右へ揺さぶる効果もなく、持たされてしまっているだけ。中盤の選手が受けに戻ってきても、プレッシャーに負けた結果でしか無く、ボールタッチも前を向ける体勢で行わず、始めから後ろを向くためのタッチをしてしまう。おして蹴る先を見つけられなくなってフィードし、跳ね返される。バイエルンはしっかりと下がって待ち、タイミングを計ってそれをカットするだけでいい。あとはマークしているという意識を勝手に相手が持ってくれるため、下げてチャレンジすらあまりしてこないのだから。
しかしバイエルンもつられてか攻撃に鋭さが無く、繋ぎのパスにスピードも足りない。パスの繋ぎにしても二つ三つと動きながら繋いでいかず、時折ドリブルで切り崩してゴールに迫るだけ。しかしそれを足がかりに、ボールを持たせていた状態から、自分たちがポゼッションをするために繋ぐやり方へと切り替えていき、時折スピードアップしてシュートを打つ場面まで見られるようになった。

Liga Espanola Jornada 32. レアル・サラゴサ対バルセロナ

2012 年 4 月 8 日 日曜日

■Real Zaragoza 1 – 4 FC Barcelona
サラゴサは出場停止で三人を欠きながらも、攻撃はスムーズに展開をしている。片側に人数を集めて、ボールタッチを少なくして素早く動かしていく。中盤の三枚を変えているバルサにとってその中でプレスをかけづらく、余計な繋ぎを入れずに素早く外、そして中へと最終的に動かしていく。それと同時に守備面でも前の人数を残していることと、片側に距離を縮めていることが活かされていて、攻守の切り替えがスムーズに行われていて、プレスに人数をかけられている。人数をかけてコースを限定した上で、体を寄せられるほどの距離を保ち、しっかりと体をぶつける。その激しい守備が片側へとゾーンを集めているからこそ行えるもので、中央への縦パスを許さず、そこにきっちりと意識を強く持ち、戻りながらも前後に挟み込むことをしている。ディフェンスラインが踏みとどまれるのも、そういった縦のコースを限定しているからこそで、中を捉えていることでバルサに外へボールを出させ、タッチライン際にしか選択肢を無くし、そこで中へのコースを奪って前へと運ばせない。パスコースを限定することでドリブルで強引に運ぶようにし向けて体をぶつけられる環境を作る。バルサの横パスやバックパスに対して出て行き、カットを狙う姿勢も持っていることで迂闊な横パスや時間を消費して揺さぶりブロックを修正させながら消耗をさせるプレイも選択させない。
バルサは接触を意識しながらプレイしなければならないことでそれぞれの距離をいつものように保てず、メッシも下がってボールを引き出す役割を担わなければならない。強烈な接触の中でプレイしたくないメッシの意識もあるのかもしれないものの、ディフェンスラインからボールをスムーズに引き出す選手がおらず、中央にケイタが下がって入り切れていないこともあり、ダニエウ・アウベスが縦ではなく、中に絞ってプレイしてしまうことも多い。距離を縮めてくる相手にワイドに開いて相手のゾーンを広げる陣形を取れておらず、中に絞って接触を許してしまっている。バイタルエリアに入り切れていないこともあって、フィードによって直接を狙って走らせることも多く、サラゴサのディフェンスラインへ裏への意識を植え付ける意味では効果的かもしれないものの、ポゼッションとは反対側にある。それを無理してポゼッションの形へともっていこうとすると、メッシが下がってボールの供給役になってしまい、サイドバックを押し上げて横に大きく開いて数多くの選択肢を前へ用意できるようになるものの、厚みが無く薄く横に広がっているだけで、何度も繰り返しボールを動かせる状況ではなくなってしまう。さらに前へ溜まってしまって足を止めている影響から、動きのあるプレイを選択できない。体の接触を図られやすく、カットも狙われてしまう。その後のプレイで攻守を切り替えてプレスをかけようとしても後ろに戻ることを優先しなけrばならず、かけられない。

バルサはいい形でボールを動かせない中、カウンターを受けて上がったサイドバックの裏へ走られ、そしてPKまで取られてしまった。ビクトル・バルデスがこの試合多くバルサの背後を使われながらも飛び出して処理できるポジショニングを取れておらず、その際も飛び出せず最初のものを防げず中途半端なプレイになってしまった。そして二つ目をファウルでとめてしまいPK。しかしビクトル・バルデス本人が止めて無事にそれを切り抜けた。
PK以後のバルサは注意を払ってサイドバックの裏をケアしていて、最初にそこへ走られることを阻止するためセンターバックがカバーリングの意識の意識を強め、中盤もサポートしていた。ただ、それが仇になったのか、アランダにマスケラーノの背後を取られてシュートまで守備が間に合わないほど綺麗に裏へ抜けられてゴールを決められてしまった。

失点後のバルサはそれまでと変わらず、外へ選択肢を用意できておらず、中央でポゼッションをしようとしてしまっている。いくつも裏へのフィードを入れたことでディフェンスラインの前へボールを入れやすくなっているものの、外へ引っ張れないことが影響をしてブロックに多く残しているため、縦パスからワンツーを狙っても引っかけられてしまう。サイドバックの上がるスペースはあるものの、中を固められていてクロスを決めるのは難しい。そこにそれまでとは違い、ケイタが上がれるようになっていることで得点の可能性は増えている。ボールを引き出す動きにしても、メッシが下がらなければならなかった状況を改善すべく、チアゴが下がってボールを引き出す回数が増えていることでケイタが上がれるようになっているようで、メッシのポジションを上げきるようにはなっていないものの、セスクも下がって引き出すようになり、中央にケイタの高さを用意して左右のサイドバックからのクロスへ意識を強めようとしているのかもしれない。バルサは幸運にも、コーナーキックからキーパーが判断を誤ってボールをこぼし、それをプジョルが押し込んで同点ゴールを奪った。そしてあっという間にカウンターからメッシがゴールを奪って逆転。アレクシス・サンチェスの運動量と縦への意識がボールを運び、メッシへとボールを出した。

逆転後もバルセロナはサイドバックのポジションを高く上げて、ウイングの外側へと利用を進め、相手のサイドバックが中へ絞って接触を中心とした守備をしようとしているブロックの外で起点を作って早く中へと運ぶようになった。ケイタはそのままポジションは高くメッシは低いままではあるものの、中の上がる速度は速く、外からのクロスもディフェンダーとキーパーの間を狙って相手へ後ろ向きの意識を与えている。前へのプレッシングを許さないように攻撃によってサラゴサの守備体系を崩そうとしている。その中で相手左サイドバックが二枚目のカードをもらい、退場をした。ファウルの判断も不思議な部分はなくカードも仕方がなかった。本人が一枚もらっていることを意識して、ユニフォームを掴まずクリーンにかつプロフェッショナルな止め方をしなければならなかった。

後半早々にタッチライン際でのプレイの中でヒメネス監督が退席処分になり、サラゴサはさらに不利な状況になってしまった。それでもバルサはアランダに手を焼いていて、彼の左右へのボールを引き出す動きを捉えられず、背後から掴まえて自由にさせないようにはできておらず、足下にフィードを納められがちになってしまっている。そこからの突破も囲い込まなければ止められず、一対一で止めきれない。難しい処理を強いられているものの、彼がゴールを強く意識し続けていればより苦しめられていたかもしれない。セットプレイからヘディングがケイタの手に当たったもののハンドは取られず。それ以前からもサラゴサが過剰に接触のアピールでファウルを得ようとしていることも、カードの提示を強く求めていることもあるいは審判への心証を悪くしてしまっているのかもしれない。アランダもそのファウルの要求をあまりにも多くしてしまっていることで、抜いていくチャンスを得ながらもファウルの要求に意識を使いすぎて自滅をしている場面も見られる。荒そうとする意識があまりにも強すぎて、接触だけではなく、セットプレイのボールの置き方一つであったり、全てのことに過剰にアピールをして試合が壊れかけてしまう。バルサはそれにあまり付き合っているとは言い難く、ブスケツを投入してからはサイドバックのポジションを上げすぎずに裏を使われないよう意識を強めて、裏を取られてもセンターバックがカバーに出た後をアンカーに背後へ走ってもらい埋めてもらう。そしてウイングに外でのプレイと中へのポジションチェンジを含めて行わせて、体やボールへのアプローチが減ったサラゴサを相手にポゼッションをしていく。チアゴが中へ飛び込んだところを体で止めたサラゴサにもPKと取られてもおかしくないファウルがあり、両者共に取ってもらえず、この試合はもうPKを審判が取るつもりはないのかもしれない。

バルサはブスケツを中心に中盤の底から縦だけではなくワイドにボールを動かして、相手のブロックの外へと出せるようになっている。チアゴが下がってそれに絡むことで出し所を一枚に限定せず行え、プレッシャーをかけられないように踏みとどまらせてフォアチェックを継続させない。パスの出所が安定していることで他がランニングをしてボールを受けやすいポジションに動けるようになって、サラゴサのチェックや体の接触を受けないところにポジションを取れるようになった。ただサラゴサは後ろに下がってマークを付けるのではなく、前へと積極的に出て行き、サンチェスのようにディフェンスラインと戦う選手にのみ前後で挟み込むようにして後はボールに向かっていく。ブスケツが背後を埋められるとはいえ、カウンターからセンターバックの横に走られると抑えきるのは難しく、ゴールに迫られてしまう。それを狙うために前へと向かった守備からその勢いを攻撃に繋げようとしている。ただメッシのポジションが前半と比べて大きく上がり、バイタルエリアに近く取れるようになっていることで、バルサはそこにボールを納めさせてディフェンダーの注意を集めてブロックを絞らせ、外や裏をフリーにしていくことも出来るようになっている。ただゴール前に集めて外の裏へ出し、そこからクロスやパスでゴールを奪える状況を作っておきながら、合わずに得点を取れず、あってもきちんとゴールを決められない。メッシの飛び出しからのループも決まらず、サラゴサのディフェンダーは特に足が止まっており、前へ奪いに行くことは出来ても裏には対応できなくなっている。それでもゴールを奪えないことで楽な試合展開に出来ず、サラゴサにカウンターを受けてバルサは引き戻されて運動量が必要になってしまう。楽な試合展開にしてもらえないが、アランダがいなくなったことでキープをされる心配も足下で納められて飛び込めない状況も作られず、止められる範囲の動きでしかない。バルサは引き戻されつつも足が止まって待ちかまえることが多くなったサラゴサを相手にバイタルエリアでドリブルを仕掛けて変化を使えることが出来るようになった。狭い中で勝負のパスやドリブルをしてゴールを狙いに行き、最終的にはアレクシス・サンチェスがPKをもらった。最初にあったPK以降に二つあったものは取らず、このPKは取る審判の基準がよくわからないものの、PKになった二つのファウルは取られても仕方のないものだったように思える。三点目が入ったことでサラゴサは勢いが衰えてボールへ向かう一部の選手のみは動けていても他が動けず、プレッシングにしてもカウンターにしても、背後へのカバーリングにしても個人の頑張りでしかなくなってしまっている。組織的に動けないことでボールを動かされてしまうだけに留まらず、ゴールに迫られても誰もカバーリングを行わないことで一人かわされてしまうと次にいけず、フリーの選手を二人も作ってしまってペドロにゴールをプレゼントしてくれた。

UEFA Champions League 11/12 Quarter final 2ndLeg バイエルン・ミュンヘン対マルセイユ

2012 年 4 月 4 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 0 Olympique de Marseille
バイエルンは前線の動きが活発でボールを引き出す動きによってパスを呼び込めている。特にオリッチが出場していることで彼の裏へのランニングの豊富さや、サイドに流れてフィードを引き出す動きが、リベリーが受けに戻ってマークを引きつける裏を突くことにもなり、中で動けばクロースが飛び出すスペースを空けることにも繋がっている。ロッベンが出場せずミュラーが右にいることもそれに多少のプラスの効果を与え、上下動の多くないミュラーとは違い、横のサポートに加えて上下の幅の多いクロースがフォワードの後ろにいることで、そのオリッチの動きを活かしやすい環境が出来ている。
マルセイユはバイエルンの最後尾に対してプレッシャーをかけ切れておらず、ボランチへのパスコースを塞ぐことは出来ていても、ウイングへのコースを防げていない。斜めにボールを出せることは大きく、サイドバックから縦にウイングへと出すパスであれば背後から密着して抑えられるものも、斜めに出されることで掴まえづらく、背後を抑えられないためにコースを作ってしまう。プレッシャーを与えてバックパスを誘うともしてきているものの、サイドバックへのコースをケアせず、バックパスからセンターバックに直接プレッシャーをかけてゴール迫ろうとする意識が強すぎるため、ボランチ二人が横パスをしてサイドバックに逃れられるため、あまりチェイシングが脅威になっていない。ボランチに余裕を持たせて縦パスをバイタルエリアに入れさせた結果、早々に先制点を得る事に繋がった。

守備でもバイエルンは集中をして、前へと向かって相手をしっかり掴まえてボールを収めさせていない。攻撃で相手を走らせて、前後左右へとポジションを動かしていることもあってカウンター時に体勢を整えられずに背後から掴んだ状態で守備をスタートできている。センターバックにはプレッシャーをかけずに自由にボールを持たせてしまっているが、そこからマルセイユが一本のフィードで直接裏を取ろうとすることはなく、繋いで崩そうとしていることでバイエルンは裏への意識をディフェンスラインが持つことなく前へ出られることで安定に繋がっている。ただ問題はアラバのポジションが不用意な高さにあり、密着したマークという点では文字通りにできているものの、自身の背後を意識したポジショニングを取っておらず、バドシュトゥバーやボランチのどちらかに頼らなければならない。そこに飛び出されて引き出され、中央が薄くなったところにもう一枚が入ってこられると先制点前にあったピンチのようにあっさりと崩されてしまう。右サイドのラームの後ろも大きな違いはないが、中央に絞った守備の時に両サイドバックの違いが現れてしまい、ファーサイドのスペースも違ってくる。マルセイユがその逆サイドが見えていないお陰で助けられているのに加え、バイエルンのボランチもしっかりと背後の意識を持って埋めようとしていることでなんとか中央ががら空きにある事態は避けられている。
しかしサイドバックの裏へ何度もボールを出されてしまったことが影響をして、バイエルンは徐々にディフェンスラインのポジションが下がってしまい、前で抑えようとするサイドバックとのギャップが明確になり始め、よりそこを使われやすくなってしまう。マルセイユにはフィードで一気に外側へと運ばれ、センターバックはスピードを怖がって下がってしまう。前後に伸び始めると、パスの出所を抑えて後ろに戻るのを最小限に抑えたい攻撃陣の散発的なプレッシングでより前後に伸びてしまう。攻撃で何度もゴールを脅かしているお陰で目立つことなく、連続で攻め込まれることはないものの、スムーズな流れからは遠ざかりつつあり、オリッチのボールを引き出す動きを利用した左右へのポジションチェンジからの揺さぶりではなく、フィードやポストプレイをオリッチにさせてから左右へ展開するマリオ・ゴメスの代役としてのプレイを求めることが増えてしまっている。

徐々にバイエルンも全体を後ろに下げて中途半端なプレッシングをしなくなったことでサイドバックの裏側を使われなくなり、コンパクトに保って前後にスペースを用意せずに守れるようになった。間延びをするようになったのはマルセイユの方で、バイエルンのカウンターを警戒しなければならず、攻めるにもサイドバックの裏や前に起点を作れず、センターバックの裏をつけない。アラバのカバーにバドシュトゥバーが引き出されることも減り、中の人数を減らせなくなったことも大きい。そしてきっちりと外で奪いきってからカウンターで一気にスピードアップし、リベリー、アラバ、オリッチの三人でゴールを奪った。

後半もバイエルンのディフェンスラインは低く、オリッチが前から追いかけ回してフォアチェックの体勢が整ってもフォワードを掴まえたまま前へ出てくることはなく、後ろで待ってしまっている。マルセイユがきちんと中盤を経由し、追い越して縦へと試合を作っているわけで、一つ省略して攻めてきているわけではなく、ラインを押し上げられる部分は多い。それをボランチの二人がサイドバックの後ろや外側をケアする必要もあり、前へ出て行かないことでバランスは取れているものの、フォワードとの分離を生んでしまっている。特に前半のうちにミュラーが退いてラフィーニャが右に入っていることで、攻守両面において明確ではないポジショニングによって右に起点を作ることが出来ず、カウンターではクロースとオリッチ、そしてリベリーの左側に偏らなければならない。ラームのオーバーラップによってポジションとスペースをつぶし合う場面もあり、アラバを一列あげてラームを左に回すことで対応することも出来るはずで、アラバの外側や裏を再三にわたって狙われていることを考えれば、ポジションの変更を考えてもいいはず。

センターバックから斜めの展開で外へボールを運べなくなったバイエルンは、サイドバックからウイングへと縦パスを多く使って最後尾から前へとボールを動かすようになった。マルセイユはそれに対応するため外へマークを広げて背後を捉え、センターバックにもプレッシャーをかける。ただその分中央が手薄になってしまい、バイエルンは簡単にボランチや一列前のクロースまで縦パスを入れてプレッシャーをかいくぐれるようになっている。そしてそのパスによってマルセイユの陣形を押し下げた上でサイドバックをオーバーラップさせ、ワイドな位置にも中にも選択肢を作りつつ、ペナルティエリア横まで進入している。バイエルンはそれ以上の崩しや追加点を望んでいないようで、クロースを下げてプラニッチを投入し、そのまま二列目の中央に彼を据えた。一部の選手を休ませることを考えた交代にしても、役割やポジションを意識したものであるべきで、縦パスすら満足に引き出せず、リベリーが全てをコントロールしなければならなくなっている。だがそれもリベリーがサイドを突破しても中に入ってこず、タイミングも合わず、せっかく作り上げたチャンスを潰してしまう。オリッチが下がったことで、アラバ、オリッチ、リベリー、プラニッチと左サイドに殺到してしまう状態は避けられ、スタミナの切れているアラバの運動量を抑える効果はもたらせているものの、それ以上の役に立っているようには見えない。

残り時間が少なくなってからのバイエルンは最後尾で動かし、バックパスで戻し、フィードを蹴って中盤を省略し、カウンターの危険を減らす戦い方を選択するだけになった。フォアチェックのために出て行くことはなく、中盤を下げて攻撃に残るのはマリオ・ゴメスとリベリーぐらい。引いて待ち構えすぎてマルセイユに繋がれて動かされることもあったものの、二試合合計のリードも大きく彼らが集中を欠いて精度を保てなかったこともあって、失点する危険は殆ど無かった。

UEFA Champions League 11/12 Quarter final 2ndLeg バルセロナ対ACミラン

2012 年 4 月 4 日 水曜日

■FC Barcelona 3 – 1 AC Milan
バルセロナはコンディション面で不安を抱えるシャビやセスク・ファブレガスを先発させながらも、ここのところずっとハードワークを強いてきたアレクシス・サンチェスを外してスタートしている。ミランは怪我から復帰して合流したパトを先発させず、第一戦からスターティングメンバーを殆ど変更していない。

バルセロナはキックオフの瞬間こそ4バックの姿勢をとっていたものの、ボールを下げてすぐピケを中心とした3バックへと変更をした。ダニエウ・アウベスを右のウイングへと押し上げて左にはクエンカが大きく開く。中央にメッシとセスクを近づけそれらがサイドのサポートへと大きく張り出しながら中盤と絡んでいく。横に大きく広げたウイングによってミランのディフェンスラインをコンパクトに保たせず広げようとしているのに加え、中の人数をその最中も保ち、横パスから繋いでシュートまで持っていこうともしている。ただ大きく広げて前へ集めている以上、攻守を切り替えてフォアチェックをミランの最後尾に殺到させることは出来ても、それをかわされてしまったときに縦パスの先を抑える選手がいなくなってしまう。中盤で掴まえづらくなってしまうと、次のセンターバックの部分で補わなければならないものの、それがイブラヒモビッチとロビーニョを掴まえていて離すわけにはいかない。特に両サイドにスペースが空きやすく、ブスケツがセンターバックへスライドし、マスケラーノやプジョルがストに流れやすい状況を作ることでチェックを早く、マークとクロスへの対応も残せているものの、カウンターへの脆さを感じさせる。
ただ効果的に働いている部分は多く、ミランの三角形にも見えるシステムの関係上、左右のセンターバックが攻撃時に上がってパスを受けやすく、ウイングが引っ張っているために低い位置でより外側にスペースが出来る。徐々にそれを前へと運んでいってウイングや中盤がそこに参加をして、最終的に中へと運ぶ。この試合はタッチライン際からペナルティエリア横へ入る回数が多く、横パスのような小さな変化だけではなく、クロスや縦の仕掛けといった大きな変化を使うことが出来る。

先制点を得たのはメッシがボールを奪ってカウンターにし、最後のところでシュートを打たずにシャビへ渡したために起こったPK。シャビのパスが明確にメッシを狙っていなかったとはいえ、ポジションはオフサイドであって、相手が触ってコースが変わったからこそ彼の所にきた。アントニーニのスライディングは確かにボールに当たっておらずメッシの足にかかっていて、メッシもPKを得るためだけのプレイを選択したのではないのはよく解る。ただ疑問が残り議論の対象になるかもしれない。

バルサが先制点を得たことで楽になったのは攻撃に対してリスクを負いすぎずにボールを動かせるようになったこと。ミランが作るディフェンスラインと中盤を近づけたブロックの中へ、積極的にパスと人を入れて仕掛けてゴールへ迫らなくてもよくなり、その一つ手前で彼らを圧縮して自陣深くに押し込みながらも徐々に距離を縮めていく。ミランがラインをフラットに守備を後ろに作りいったん中盤を含めて大きく下げてからでなければ前へと奪いに来られないことを利用してボールを動かし、体勢を整えて受けられる。ミランはそれに対して読んで前へ出て行かなければならず、パススピードが違えば遅れてファウルになる。加えてそれまでのように一気に距離を縮めてゴールへと迫っていないため、仮にボールを奪われたとしても、大きく薄く広げたフォアチェックを抜けられて縦に繋がれるという心配が少なくなり、しっかりとした厚みを持って中盤を構築し、それぞれに対してプレッシャーをかけていける。ディフェンスラインに圧力をかけて縦のフィードを正確に蹴らせず早い球離れも許さない。考える時間を持たせてフォアチェックのために全体をボールサイドに寄せておくこともできるし、フィードを跳ね返すためにフォワードを掴まえておくことも出来る。守備に押し下げていることもあってボアテングは目立たず、イブラヒモビッチやロビーニョがセンターバックを混乱させるような横のポジションチェンジもできず、マークし続けられる程度の変化でしか無くなっている。

バルサのボールをカットしなければ攻撃へと移れないミランはディフェンスラインはあくまでフラットに保ってリトリートし、中盤はそれとの距離を縮めたまま変わっていない。ただ中盤がボールを動かされ続けていることに意識がいきすぎているため、どこかでパスカットを狙い、奪おうとする意識が高くなっていて、入ってくるのを待つのではなく出てくるようになってボールホルダーを追うようになった。ただ基本ポジションを下げているためにパスコースに対して全てを抑えることができておらず、連動して囲い込むことも出来ていない。一人のチェックをかわせばパスコースを作ることが出来る。ボールを強く見過ぎているために他の動きについて行けておらず、バイタルエリアを空けて進入を容易くしてくれるようになった。

ただバルサがフォアチェックで奪うことが出来ず、ミランの後方に余裕を持って繋がれると危険な状況を作ってしまっていた。ボアテングによって右を縦に引っ張られ、バルサの中盤がそれぞれ距離を保ってブロックを作り待ち構えることが出来なくなり、センターバックにチェックをかけることも出来なかった。自由にパスコースを選べる状態の中で受けに戻ったロビーニョに対応出来ずドリブルを許し、前を向かれたことでピケやブスケツといったところがフォワードを背後から密着して掴まえておけず、縦パスを受けて余裕持ってプレイさせてしまった。その余裕がノチェリーノの飛び出しからのゴールを生み、アウェーゴールの影響からバルサは一転して敗退の危機に陥ることになってしまった。バルサの守り方が3バックを中心としているため、ミランがワイドに開いた中盤を使いながらボールを展開できる体勢を整えてしまえば、中盤が引いてそれに対応しなければならない。そうすると真ん中を埋める選手を用意できず、ぽっかりと空間が空いてしまう。それを維持しようとすれば最後尾が薄くなっていそれぞれが止めなければならない。4バックのようにしながらも少しバランスを崩してしまっているように見える。

ミランの守備はそれまでと違って前へ出られるようになっており、アンブロジーニがメッシを中心に見ているためポジションを下げていることに変わりはないが、センターバックの前に張り付くのではなく、一列前でボールを奪うために出てきている。引きこもられて中央のブロックをこじ開けなければならないのではなく、出てきてくれているお陰でドリブルで仕掛けられるとはいえ、ボールへ向かってくるためそれまでのように横へ大きく揺さぶりながら走らせることが出来ず、よりクイックに中へ入らなければならない。早く展開したとしてもセンターバックがしっかりと残っているため、最終的にそこを抜かなければフリーでシュートを打つことは出来ない。ただ得点はまたしてもPKから生まれた。コーナーキック時にブスケツをネスタが引っ張り続けて倒されて得たもの。崩す場面がいくつかあったものの、ディフェンダーの圧力を排除してのシュートは少なく、そういった意味ではコースを限定されてディフェンダーとキーパーの連携によって止められていた。

前半途中からサイドを利用され続けたこともあって後半は開始から4バックへとシステムを明確にし、タッチライン際を縦へ使う動きに対応するようになった。中央ではフォワード二枚に対してセンターバック二枚で対応しなければならないが、逆サイドからサイドバックが絞ることでそれまでの関係を維持しつつ、アンカーが下がれるために中への対応が減るわけではない。むしろバランスよく左右と前後に人が残ることでボールを持たれて縦に走られると全体を下げなければならなくなっていた前半とは違い、状態を崩すことなく保てるようになった。ポゼッション時にも、左右へ大きく開き中への人数と同時にそれを保つことは難しくなったものの、右サイドではクエンカとダニエウ・アウベスの連携が見られるようになって、縦と横へスライドする動きの二つを選べるようになった。

後半早々の追加点はメッシのドリブルに対してミランがディフェンダーを集中させて守り、外を空けてしまった。アンブロジーニはそれまでと同じようにメッシを見ていたものの、セットプレイからのカウンターであったことも影響をして、前へ出たセンターバックのカバーのためにラインへ入ってしまった。動きが逆になったことに加えてセスクのランニングで引っ張られ、メッシに二枚のラインを相手にさせることができず、スライドするドリブルに全員が対応しなければならなかった。お陰でメッシのシュートはそれまでと同じようにディフェンダーの前で打つしか無く、キーパーにまで届くことはなかったものの、こぼれ球へイニエスタの方が先へ反応することが出来た。

下がってプレイするようになったメッシに対してミランは誰がつくのかが明確ではなくなり、代わりに上がってくるシャビやセスクに対してのパスを警戒することで何とかメッシにスピードアップをさせないように守ろうとしているものの、パスコースとスピードを限定できず、余裕も削れていない状態ではパスカットはままならず、センターバックが勢いよくでて体をぶつけようとしても、それよりも早く動かれてしまう。ミランはボールを奪うためにラインを下げて待ち構えるのではなく、全体が連動して前への意識を強めてチェックを行い、パスカットと足を出して奪い、カウンターへと直結させる狙いを持ったプレイをするようになった。センターバックにも時間を与えないことでミスを誘うようになり、バルサはポゼッションを保てずミランにボールを動かされてペースを握られてしまうようになったものの、バルサは前後にバランスよく人を残していることで早くボールを動かされても修正をしてチェックし続けることが出来、後ろのバランスを崩すことなく前へ出られる。バイタルエリアに入られてボールを受けられてもきちんとケアをしてチェックとカバーリングの二つを用意したまま守ることが出来ている。人を掴まえきるのではなく、素早い動きとパスに対応できるポジショニングを優先しているよう。背後へ走られて押し下げる場面は減り、しっかりとそれ以前に掴まえてカットし、ミランのペースを持続させなかった。ショートパスで繋ぎきることこそ難しくなったものの、そのぶん浮き球やフィードを使った大きな展開で斜めに動かしてミランが狙うパスカットの頭上を越えた展開を狙うようになった。フィードはバルサに高さが無く跳ね返されることが多いとはいえ、それを正確に返されることは少なく、返されることを前提として既に守備のポジションを取っていることで、バルサは再びボールを奪い返している。

ミランはパトのスピードを活かすことと得点を急ぐあまりに、直接ディフェンスラインの背後へとフィードを入れて競争させることも増え、それまでのようにバイタルエリアでボールを収め、左右のオーバーラップを待ち、背後を取るやり方よりもシンプルに縦へと急ぐようになった。外に起点を作ってクロスや中への展開を狙うことはあっても、前半とは違ってきちんとそこも掴まえているためにタッチライン際でキープされて縦に走られることもない。球離れが早く横へ大きく動かしてもバイタルエリアの動きが伴っていないことで掴まえられる。
時間の経過と共にファウルが増えているものの、この試合通じてバルサはファウルになるプレイを選択して相手にファウルをさせることはあっても、ファウルを貰うために倒れることは非常に少ない。非常に早く勢いのあるプレッシングに対してもバルサはそれで時間を稼ぐのではなく、それよりも早いポジション修正とダイレクトでのパスワークを使い、ロングボールを使って逃れなければならなくなっていた状態から抜け出してきっちりと繋ぐようになった。

終了間際になってミランの猛攻をうけることになったものの、フォワード三枚をきっちりと抑えてパスコースを塞ぐ、コントロールが少しでも大きくなれば足を出してカットする。バランスよく守備陣形を取れていることでそのセカンドボールをバルサが拾って、ミランに連続した攻撃をさせたり、攻撃へと切り替えた瞬間に奪い返されて裏を取られるような場面を作らない。カウンターへと引き戻し、ファウルをさせ、安定して残り時間を使い切った。