‘Football 11/12’ カテゴリーのアーカイブ

UEFA Champions League 11/12 First knockout round 1stLeg バーゼル対バイエルン・ミュンヘン

2012 年 2 月 23 日 木曜日

■FC Basel 1893 1 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルンはボランチのところで上手く構築を出来る選手がおらず、クロースも一列下げて起用できるほど前の層が厚いわけでもない。アラバは積極的に高い位置を取ってクロースやリベリーとの距離を縮めて前線と分離しない距離は保てているものの、バーゼルが低く保っている中盤に自ら入って、戻したり構築し直す選択肢から外れてしまっている。バーゼルはラインを高く上げず、中盤を押し下げ、バイタルエリアをきっちりと閉じて守っている。左右へ動かされてもゾーンの修正をきっちりと行いつつも、幅を狭めては守らない。バイエルンがロッベンやリベリーに頼って試合を作らなければならない以上、タッチライン際に開いて縦を塞がなければならない。そこを自由にさせるつもりはないようで、両サイドバックがきっちりと開いて対応に出て、中盤の外側がそれをサポートをする。あるいはサイドバックをカバーリングに回す。きちんと足を止めて前向きに対応しようと組織作っていることが仇となっているようで、何度か裏を取られてキーパーの働きに助けられなければならなかった。

バーゼルの攻撃が外から中へとクロスを入れつつ起点を作るもので、バイエルンのバイタルエリアにアレクサンダー・フライとシュトレラーの二人のフォワードがセンターバックを背負いながら収め、裏を取る。バイエルンはボランチの二枚がそのどちらかでも掴まえていられればバドシュトゥバーかボアテングがカバーリングに専念できるものの、それをさせてもらえず、無理につかなければならず、サイドバックのどちらかを絞らせて対応することも多い。サイドバックが引き出された裏を取られてしまうと、外に引き出されて中に人がおらず、サポートもなく守らなければならない場面も見られた。しかし中央に起点を作ることのみがバーゼルの戦い方ではなく、スピードのある両サイドから縦に切り崩してクロスを入れ、ペナルティエリア内で強いフォワードを中心として勝負をする。そしてクロスを強く意識づけたところでカットインをしてシュートを狙う。そのいずれの形でも決定的な場面を作り、ノイアーに防がれる、あるいはゴールマウスによって防がれ得点には至らなかったものの、バイエルン以上に多彩で、ゴールに迫っている。

バイエルンは後ろから形を作れないことと、深く攻め込まれてしまうとゴール前の動きに対応できないこともあって、フォアチェックに勢いをもたらし、前から相手の攻撃を封じ、奪ってショートカウンターをしようと狙っているものの上手くいっていない。バーゼルにミスや焦りを誘って前へ繋がれる回数は減ったものの、フォアチェックを成功させるためにボランチも含めて前へ向かっていかなければならず背後を意識して守れなくなってしまう。センターアックがボランチの後ろを見なければならず、ただでさえセンターバックと相手フォワードとの関係が悪いにもかかわらず、それでも出て行かなければならない。ポストプレイのため戻るフライとシュトレラーに何処までセンターバックが付き、サイドバックにスイッチするのかも明確ではないまま向かっているため、引き出されている印象が強くなっている。

バイエルンの攻撃はショートカウンターを除けば手詰まりの印象が強く、タッチライン際でリベリーやロッベンに持たせたとしても、きちんと縦のコースを切られ、マークの距離を縮められたことで、前への仕掛けが見られず、横へも動かせずにサイドバックを上がらせなければ相手を引き戻すことも難しい。次第に外と中央のマリオ・ゴメスとの距離は開き、クロースもボールを触れなくなり、アラバのポジションもそれらを補える距離になくなった。支配率はバーゼルよりも高くとも有効な展開が出来ずに持たされているだけでしかなく、単純なクロスやフィードで裏を取ることでしかゴールに迫れず、いくつもの選択肢を考えさせているわけでもなく、体を寄せられてフリーになることもできていない。前を向く余裕であったりスペースを与えてくれることは多いため、個人がドリブルで仕掛けて抜くことでチャンスを作ることはできるものの、チャレンジをする選手は少なく、味方を待つあまり相手の陣形が整ってからしてしまっているため、一人抜いたとしても大きな変化を生めていない。

後半開始後もバイエルンの攻撃は改善されておらず、ディフェンスラインから先にボールを出すのを苦労している。アラバは引き出しに戻って受けているし、一列先のクロースへ渡すこともある。クロースにはマークが付き前を向かせてもらえず、アラバにもゾーンマークがついている。渡せたとしてもそこから先にコースが無く、サイドバックのラームが中へ入っていったり、アラバとリベリーが横にポジションを動かして変化を斜めに、横にと作り、ドリブルのコースも縦だけではなく横へも狙い始めて、ようやくバーゼルの守備を少し焦らせることが出来る程度。外から中へ切れ込むことを中心とするならバーゼルはディフェンスラインを横に広げずに中へ絞って待てばいいわけで、中盤とサイドバックの二枚で外へ張り出していたものをサイドバック一枚に任せて、中のコースへセンターバックと中盤を並べて止める。深くえぐってクロスを入れることも、スピードアップしてバーゼルに自陣ゴールへ向かいながら守備を強いることもなく、アーリークロスやフィードでしかゴールへ近づけないのは変わらない。フリーランニングの動きにしても徹底がなく、パスがカットされるかもしれない、ボールが来ないかもしれないというタイミングで止めてしまい、実際にそこまでボールが届いたとしても止めたり緩めた動きで間に合わず、決定的なチャンスを潰している。

バイエルンはバーゼルのスピードの速いパスにフォアチェックの意識を削られ、徹底を欠いて狙いを絞れなくなった。その分を後ろに残して待ち構えることで必ず入れられる縦パスやフィードを跳ね返すことを中心として、バドシュトゥバーが大きく前へ出ないことで安定をするようになった。しかし止められるようになっても攻撃が改善するわけではなく、ロッベンやリベリーを中心として正当な守備にも過剰なファウルの要求をアピールして、止められるのを覆い隠そうとするばかり。マリオ・ゴメスとリベリー、ロッベンのどちらかが横の距離を縮めてチャンスを作ることは希にあるものの、すぐに大きく開いてその形を継続せずに孤立してしまうため、狙って崩しているとは言い難い。ミュラーが入ってもそのポジショニングは変わらず、流れの中でロッベンが流れてくるとか、ラームがカットインしてこなければチャンスにすることもボールを上手く動かすことも出来ない。片側に選手を集め、数的有利を作ればフリーになる選手は出てくるが、ボールを満足に横にも動かせず、バイエルンのファウルが目立つだけになってしまった。バーゼルにはサイドバックの裏へ簡単にフィードを通され、スピードアップしながらクロスを入れられる。外に簡単に起点を作られ、何度もクロスを入れられる。跳ね返してもクロスへ対応するために引いていてセカンドボールを拾えず、再展開をされて繰り返される。そうなればクロスを入れた選手は中に入り、ペナルティエリアの人数は増加して、全員を掴められなくなる。ただでさえバイエルンはボランチがセンターバックの隙間に入ることをせず、サイドバックが絞ってその代わりとしているためファーサイドが空いてしまう、そこをきちんと突かれてしまっている。失点した場面では、クロスを意識させられた上で中へのカットインを許したことでそれが顕著に表れ、ティモシュチュクが入っていてもバドシュトゥバーが無策に出て行ってしまえば同じことで、外側にフリーの選手を作ってしまった。

バイエルンは最後こそワイドに開きすぎて距離が遠く繋げなかった前線にオリッチを入れて改善し、ゴール正面の人数を増やして強引なクロスにも可能性を増やそうとしたものの、カウンターで一度押し下げられてしまうと上手くタッチライン際で時間を使われてしまい、それを活かすチャンスすらもらえなかった。

Liga Espanola Jornada 24. バルセロナ対バレンシア

2012 年 2 月 20 日 月曜日

■FC Barcelona 5 – 1 Valencia CF
この試合もシャビを先発出場させておらず、右サイドバックにも出場停止のダニエウ・アウベスではなくモントーヤが入っている。マスケラーノも同じく出場停止になっていなければ彼がセンターバックに入ってプジョルが右にスライドしていたのかもしれず、気になるところ。

バレンシアは積極的にプレッシングをしてバルサに対して余裕を与えずポゼッションを自陣府各区でさせている。ディフェンスラインの設定も高く、攻撃にかける四枚をそのままプレッシングのために前へ残してパスコースを塞いで横へも自由に動かせないようにしていく。ただボールホルダーがそのまま持ち上がる部分に対しては厳しく行っておらず、横パスによる揺さぶりや変化に関して厳しく見ている印象が強い。そのためピケやブスケツがチェックされるリスクを冒しながら運ぼうとすれば寄せきれずに後追いに近くなり、別の選手がチェックへ出なければならず、フリーの選手を作ることもある。

バレンシアが前へ守備に残しているアタッカーは攻撃時にも高いポジションを取る。前へ向かう守備を連続させて、前向きに動いていることでボールを奪えたときにはその勢いのまま背後を取る動きへと変えられる。バルサが上手くラインコントロールをして押し上げ、前へ多く残っている全てを掴まえるのではなく、オフサイドにかけてしまうことで多い相手の数へ対処をしていた。外だけでなく中央も狙ってきていたものの、起点となったのはやはり外で、セルヒオ・ブスケツがサポートに向かって中へのコースを塞いでいた。ただ滞空時間の長い緩いクロスが生んだ戻りながらの処理でモントーヤは、決めたピアッティを褒めるべき部分だとしても、彼につききれずに先制ゴールを許してしまった。

バルサは上手く攻撃をスタートさせられず、ディフェンスラインで横に動かしてコースを見つけることもままならない。サイドバックへ出してしまうとよりプレッシャーを受けてパスコースの幅を狭められてしまい、タッチライン際をそのまま縦に使うか、サイドチェンジのパスを狙われてしまう。なんとかセンターバックからそのまま縦に入れたいものの、イニエスタやセスクはきっちりとマークされており、セルヒオ・ブスケツへのパスコースは切られている。バレンシアが前へ人数をかけていることもあってピボーテ横のスペースであったり、バイタルエリアにスペースが出来、メッシが受ける回数を増やしている。メッシは中央のプレッシャーが激しい位置ではなく、少し余裕があり、前を向けるスペースを探してボールを受けようとしていることが多い。それをアルベルダが見ておく形になって前後や横など二人で挟み込むことによってドリブルをスピードアップさせず、横にスライドさせて、ゴールへ向かうパスではなく外へのパスを選択させていた。ただメッシが何度も受けることによって陣形を作りづらくさせ、ウイングへの警戒とタッチを厳しくマークできなくしていた。前からの積極的なディフェンスではなく、高い位置でのキープが出来るようになったバルサは、攻守の切り替えでも前で取り戻し、バレンシアの守備を後ろへ引き下げられるようになり、十分な変化を作れるようになった。そしてメッシがいい流れを作り始めた中でゴールを決めて同点にした。ミゲウの負傷から交代した右サイドを同じように引き戻して厚みを失わせた上で裏を使い、一点目のペドロの仕掛けと同じく、アビダルのスピードそのままにバレンシアへ戻りながらの守備を強い、メッシがファーサイドから押し込んで逆転ゴールを決めた。

バルサも攻撃面でずっと改善が見られるようになり、それまで停滞した状態からファーサイドへのフィードを含めて足下のパスを使い、バレンシアに前へカットを狙い、抑えにかかるチャンスを与えてしまっていたものが、アレクシス・サンチェスやペドロが裏を狙って飛び出すようになり、バレンシアの高く設定されたラインへ後ろ向きの意識を与え、高く保てないようにしていく。マシューは度々前へカットの意識を見せながらも背後へ抜けられることでアレクシス・サンチェスをフリーにしており、そこがフリーになっていることでセンターバックはカバーを意識しなければならなくなっている。ラインコントロールはある程度出来ていても、一度ラインが下がってしまったため、後手に回って自由に動かれてしまっている。バレンシアのアタッカーが依然として前への意識を持っている中、ピボーテも前へそのサポートのため、それまで通りのポジションを取る。ディフェンスラインは裏へ直接フィードを入れられることを怖がって連動したポジションを取れず、スペースを広げてバルサの選手を予め掴まえて自由を奪えなくなってきている。足を止めて待ちかまえるだけになってしまっており、ドリブルには対応できずにスピードへ乗られて抜かれた後も止められない。自由に動けて自由にタッチして前を向ける。その余裕はバルサに攻撃にリズムとスピードを与えている。

バルセロナの守備も、相手をオフサイドにかけられるほどコントロールしていることによってバレンシア側にそれを強く意識させて上手くやれるようになっている。攻撃で相手を引き戻していることも人数をかけきれない要因にさせ、マークすべき対象を減らしていく。オフサイドを意識させることでアタッカーの出足を鈍らせ、ポジションの取り直しに労力を使わせ、直接裏を一本のパスで取られるようなことはなくなっている。それを狙ったとしてもアタッカーの出足が遅く、ディフェンダーが先にさわれたり、ビクトル・バルデスが先にさわれる程度の合わせ方にしかならない。スピードのあるピアッティにしてもタイミングの遅さからピケやプジョルのマークが間に合い、止められる。裏へのタイミングを意識したマークの距離を取り、縦パスで納めるタイミングであれば密着をしてカットすら狙える。モントーヤとアビダルのポジションがアンカーと並ぶほどの高さを保てていることが状況の良さを感じさせている。

バレンシアは後半開始時には守備の緩さを修正しようとしてセンターバックへのプレッシングとラインの高さを取り戻そうとしてきた。積極的なチェックによってコースを限定させたとしても足を出すところまでは来ないことをバルサは知ってしまったため、ピケも余裕を持ってボールを扱うことが出来、アレクシス・サンチェスやペドロを掴まえようとしていても背後へ動き出す動きについてこられないことも同じ。それぞれが裏を気にしていたり、コースを気にしていたり、目の前の選手に対して集中し切れていないことが伺える守備の仕方になっており、それが特にドリブルに対して囲い込んでも誰も足を出さない環境に繋がっている。激しさを出せるのはドリブルを真っ先に考えているメッシぐらいなもので、ファーストディフェンダーがセンターバックだったときにのみという条件もさらに付く。バルサにとって相性の悪いマシューは、それらのバランスを取るために外を埋めたりピボーテの所へ入るなどするばかりで攻撃へ出てこられないようにしていることも、バルサが攻撃に思い切り出られる要因にもなっているが、彼のカバーリングの的確さによって防がれている攻撃も多くある。

バルサは安定したポゼッションを繰り返しながら、バレンシアが上下共に中途半端な状況を作っていく。ピケとプジョルのポゼッションに関しても誰も寄せられないようになって自由に縦パスを中盤に入れられるようになっている。パスの出所を自由にさせてもらっていることで、ボールをドリブルで動かしてから渡すことも出来るし、受け手がマークを受けながらも相手を抑えてコントロールできる状態の時にパスを出せる。サポートの距離も近く、それぞれの足も止まっていない。そしてバレンシアの密着したマークが次のパスコースにきているわけでもなく、動き直してフリーになろうとするのに対しての意識の遅れがバルサのパスを通してくれる。スペースの多さができあがるとバルサはカウンターを多く使って決定機を作り上げたもののゴールを奪うことは出来ず、ヂエゴ・アウベスに防がれ、ゴールマウスにも嫌われて、セスクのシュートは枠の遙か上に飛び、追加点を入れることは出来ていない。

バレンシアはジョルディ・アルバが投入されたことで攻撃面が活性化され、バルサは慎重に対応しなければならなくなった。実際にすぐに決定機を作られたためそれが顕著に出るようになってしまい、バレンシアは守備の積極性を取り戻させてしまった。バルサが縦パスを入れるのに対して密着したマークはおろかパスカットすら狙えなくなっていたバレンシアに、マークの距離を縮めさせ、それを狙えるほどの距離を保たせるようになり、フォアチェック
がある程度復活したこともあってパスコースを読んで対応されるようにもなった。パスカットを狙えるほど前への意識が出ていると、攻撃へと移られたときにもスローダウンすることなく前へ出てこられてしまう。中央にソルダードだけではなく二枚で裏を狙って飛び出されるとオフサイドを取るにはリスクが高く背後を抑えておくにもカバーのない状態では難しい。そしてサイドへ振り分ける人数を用意できずに外側をフリーにしてしまう。そこで納められてしまうと、押し込んでいる間は選択させずに済んでいた裏へのフィードを度々許してしまう。バルサはなんとか全体が引いてしまわないよう、中盤から守備をして、前へと追いかけ、押し上げる時間を稼いでいられる。
バレンシアの攻撃が活性化しながらも、それを継続させなかった。そのことが得点に繋がったのかもしれず、ティノ・コスタの所で奪い、ショートカウンター。テージョの仕掛けからシュート、こぼれ球をメッシが押し込んでようやく二点差としてバレンシアが掴み抱えていた流れを完全に断ち切った。

バレンシアはそれまで裏を取ることで流れを引き寄せてチャンスにしていたが、飛び出そうとするよりも足下で一度ボールを納めて展開しようとする意識の方が強くなってしまい、バルサとしては守備の狙いを前へと絞ることが出来るようになった。コントロールしながらボールを下げさせて前へ運ばせずスピードアップもさせない。中盤でボールを奪ってスペースの中スピードアップをして攻撃に繋げる。カウンターから一気にメッシが抜け出して四点目。最後にメッシが引きつけた後、パスのこぼれ球をシャビがきっちりと決めて5点目。先制点を与えてしまった以外では緩むことなく、しっかりと引き締めたまま試合を締めくくることが出来た。

Bundesliga 22. Spieltag フライブルク対バイエルン・ミュンヘン

2012 年 2 月 19 日 日曜日

■SC Freiburg 0 – 0 FC Bayern Munchen
フライブルクは引いて守ろうとラインを下げているのではなく、フォワードの位置も高く、ディフェンスラインの位置もある程度の高さを保っている。中盤もそれに合わせた高さになっており、バイタルエリアを埋めるためだけに大きく引いているのではない。縦の長さはコンパクトではないものの間延びしているわけでもない。フォワードはしっかりとハーフウェーラインを越えてバイエルンのボランチやセンターバックにプレッシャーを与え、サイドバックに流すことの多いボールを追いかけて、適度に関係を保った中盤と挟み込む形を作る。追いかけ回しているわけではないが、ゾーンが開きすぎていないことでプレッシャーとしては早く、ボールを受けるときに前からではなく、背後からも挟み込まれることでバイエルンはミスを誘われている。余裕を与えてもらえない距離感は苛立ちに繋がっているようで、序盤から接触によるファウルとそのアピールが頻発している。縦のコースを塞ぐことを優先していることで、さらにスピードアップをさせず、そういったものが発生しやすくなっている。

フライブルクの攻撃はフィードをフォワードに当て、中盤が落としたボールを拾ったり、あるいはサイドバックの裏へ流れてボールを受け、センターバックを外へ引きずり出して薄くなった中への展開を狙う、対バイエルンのセオリー通り。この試合のルイス・グスタボとアラバの二人とも後ろを気にしてポジションを取り直す、スペースを埋める意識を持っているため、バドシュトゥバーが頻繁に外へ引き出されたとしても、その後のクロスに対応を出来ている。時間をかけて戻ることが出来れば、そこを埋めることはできるものの、センターバックの前を埋めるに留まることも多い。フライブルクがバイエルンに対して高くラインを保っているものの、セットプレイからオフサイドだったとはいえ一度ゴールネットを揺らされたことが影響をし、裏を頻繁に狙われたことも加えて踏みとどまりづらくなった。それがバイエルン側にとっては中盤の上下動を増やして後ろを埋められなくしている。フライブルクはバイタルエリアを埋められていないバイエルンのボランチを挟んで攻撃を組み立て、彼らの手前で浮き球を処理して頭越しにフォワードへとボールを運ぶ。処理のためにセンターバックを引き出し、動き直して背後を取ろうとサイドではなくセンターバックを狙うこともし始めた。

守備面でフラブルクの修正は早く、ラインコントロールをしてオフサイドポジションにおいて裏を狙わせないようにし、前へはしっかりと体を寄せて自由を奪う。ウイングやクロースに対しても出足が早く、足下のボールへパスカットを狙えるほどの寄せ方で合うことでバイエルン側は自由を与えてもらっておらず、ボールを後ろ向きで受けて背後から抑えられた状態で展開先を探して動かさなければならなくなっている。ボールホルダーを前後から挟み込む形こそ取れなくなっているものの、きちんと相手を掴まえている効果は大きく、ウイングに預けられたボールをラームやラフィーニャが追い越して引き出そうとしても、精度の高いボールを出せず、マークに出てきたディフェンダーの背後を突くには至らない。特にミュラーはマークを嫌がって満足なプレイが出来ず、背後を狙ってもタッチライン際から全体が見える状態にあるながら何度もオフサイドにかかっている。パスも精度を保てず、不調そのままの出来でしかない。
バイエルンはマークから逃れるためにラインを大きく下げてボールをプレッシャーのかからない自陣で横に動かし、ウイングも大きく下がってボールを受けるようになる。特にミュラーはマークがついてこられない位置まで下がってからボールを触ってから上がる。前を向いてボールを扱えるようになっているものの、プレイの精度や中央のボランチがそれに連動しているわけではなく、マークの距離が開いているのもそのポジションのみに過ぎない。ミュラーがボールを持ち上がっても何度も奪われ、中へのパスもカットされてボールを失い続ける。リベリーも本人がボールを失うことこそ少ないものの、きちんと収めて起点になれるわけでもなく、前向きに働くフライブルクの守備を後ろ向きに走らせる縦の突破も狙えていない。フィードやアーリークロスでマリオ・ゴメスを飛び出させることぐらいしか走るプレイを選択できていない。後ろ向きに走ってはいるものの変化のない単調なものでしかないため、フライブルクにセンターバック二枚で挟み込まれて対応され、飛び出しは成功をしていない。可能性があったのはサイドで二枚を並べてリベリーへのマークを徹底でき無くさせ、そしてフリーになって逆サイドまでクロスを入れることぐらいだろうか。

後半開始時からロッベンを投入し、ミュラーを中央へ、クロースを一列下げてアラバを左サイドバックへ、ラームを右に回した。下げられたラフィーニャがそれほど悪かったようには見えず、同サイドのミュラーのプレイの問題によって攻撃に参加できなかった印象の方が強かった。

フライブルクの守り方は前半と大きく変わっておらず相手との距離を縮めて背後を抑えて前を向かせない。多くの部分でそれは成功したままで、背後を抑え続けられるということはそれだけフライブルクが頻繁に守備のポジションを修正していることでもあり、バイエルンが変化を生み出すようなランニングをしていないことでもある。ただロッベンを警戒する意識は強くでており、彼に密着しに出て行ってしまうと反転されて背後を取られかねない。戻るスピードも早くついていけないことも加わって背後を捉えきれず、前を向くスペースを与えてしまいがちになっている。あるいは背後をきっちりと掴まえられず、縦も切れずに内側へと切れ込むコースを塞いでしまってスピードアップの可能性を与え、他が前への守備を保てなくしてしまっている。フライブルクはロッベンが持つと全体を引いてしまうようになり、クロースからミュラーになってマリオ・ゴメスと近い距離を保ち、抑えづらくなった中央を加えてバイエルンは相手を引き戻すことも可能な状況になってきた。
ただそれでもフライブルクは運動量をベースにして前へ出てバイエルンのサイドバック裏や外へと起点を作って攻撃に出、守備時には引きすぎないよう、フォワードはハーフウェーラインよりも前を保ち、中盤もそれに合わせる。ディフェンスラインが裏へのフィードを警戒して下がってしまえばバイタルエリアが空き、ボールを収められるようになるものの、そこもきちんと押し上げて空けてくれない。ロッベンのスピードこそ警戒しているものの、マリオ・ゴメスやミュラーのそれであればフィードの緩さと合わさって追いつける。前へ人を残して自由なタイミングで蹴らせていないこともセンターバックが背後の処理が楽になっている要因で、ボールをなかなか前へ運べないことでボランチが前へ出て行けず、むしろ引き出しに戻らなければならない。サイドバックもきちんとボールを収めてもらえないことで上がるタイミングを掴めない。

バイエルンは相手に掴まえられるよりも早く攻められるカウンターでしかチャンスを作れず、あとは個々人の強引な突破からファウルを貰えれば御の字というような攻撃を繰り返している。タッチライン際すら縦に使えなかった前半から比べると、その部分では縦に仕掛けて相手を引き戻すことも少し見られるようになり、ウイングとサイドバックのポジションが同列にまで上がれば、フライブルクはマークの対象を絞りきれず距離を取ってくれるようにもなった。それを継続していくことが出来ずに、せっかくできはじめた綻びをつくこともできない。むしろフライブルクの攻撃の方がスムーズにいっており、それはバイエルンが守備を疎かにしていることに原因がある。全く連動をしておらず、パスの受け手に対して猛然と寄せても他の選手は歩いてだけで、収まればパスコースになってしまう部分も梅酢、他の相手選手を掴まえようともしない。ボールに対して向かって囲い込むわけでもなく、攻撃が失敗したことを見ているだけに過ぎない。攻守の意識を全く切り替えられておらず、自由に走らせてしまってオーバーラップも許して、バイエルンのディフェンスラインは下がったり、無理に遅れて接触を狙って止めなければならなくなっている。オリッチが入ったことでその切り替えに関しては集中しやってもらえ、改善したように見える。ただ攻撃に関しては足を止めてボールを要求するだけで、動き直して変化をつける選手がおらず、クイックリスタートをしても相手を慌てさせることすら出来ない。単調な攻撃を最後まで続ける以外に何もなく、ゴールが生まれそうな気配すらなかった。

UEFA Champions League 11/12 First knockout round 1stLegレバークーゼン対バルセロナ

2012 年 2 月 15 日 水曜日

■Bayer Leverkusen 1 – 3 FC Barcelona
バルセロナは4バックで試合に入り、アンカーのセルヒオ・ブスケツを中央にセンターバックを下げながら慎重に試合に入った。積極的に前へボールを運ぼうとせず、レバークーゼンのプレッシングのスイッチを探っているよう。レバークーゼンはバルサがディフェンスラインでボールを回してもプレッシャーを与えに上がってこず、アンカーに対しても同様に自陣で待ち構えている。ディフェンスラインの設定が高く、ブロックを中へ絞り気味に構築をし、外を空けている。バルサはポゼッションの間に中央へ中盤を寄せるのではなく、4-1-4-1に近く設定されたレバークーゼンのブロックに対し、アンカーの横のポジションへイニエスタやセスクが入るように動き、4枚に並んだ中盤がマークの対象を見失うようにしている。サイドバックのオーバーラップによってその4枚の外側が中へ絞ってイニエスタらのマークに向かえないようにしながら縦への切り崩しを狙う。ここの所あまり見られなかったサイドバックとウイングの連携、あるいはサイドバックがウイングの外側にポジションを取る姿が多く見られ、中盤に縦パスを入れやすくしながらレバークーゼンが当初のブロック設定から外へ修正できないようにもして、4枚がフラットに守れていた立ち上がりからすぐにアンカーの隣にまで下がって埋めなければならなくなり、アンカーがディフェンスラインに吸収されて5バックにもなっている。

レバークーゼンは奪えば速攻を狙うだけの準備を整えており、プレッシングからのクイックなものではないにしろ、間延びさせずきっちりと閉じたバイタルエリアでボールを奪い、バルサが高く上げているサイドバックの裏側に飛び出そうとしている。個人のスピード出たてに運ぶシンプルなもので、フィードも使ってくる。プジョルやマスケラーノがしっかりとサイドに出てフォワードが流れて受けようとしてもへ体を寄せて自由に受けさせるようなことはしておらず、きちんと制限をしている。前を向いてプレイさせることは殆ど無く、外へボールを流させることも、そこから先の流れを作られることもしていない。カウンターではない単純なフィードに関してはバルサは中盤が競り、センターバックのプジョルが無理に出て行かないことで背後へそらされたとしても問題が無く、きちんとカバーリングを行える状況を作って守っている。

5バック気味に守ることも出てきたレバークーゼンはサイドバックがバルサのウイングに張り付くような形を取り、彼らのポジションの移動に合わせてラインの幅を動かしている。ただタッチライン際まで開くことはなく、その変化は主に内側へのもの。アレクシス・サンチェスだけではなくアドリアーノも中へ絞ってセンターバックとの駆け引きをし、特にアレクシス・サンチェスは高く設定されているラインの背後を取る動きをする。それに密着してついていき、センターバックと挟み込むことで裏への動きを制限しようとしており、空いてしまう外側に関しては中盤のサイドアタッカーが埋め、ダニエウ・アウベスやアビダルのオーバーラップを見ておくようになっている。ただバルセロナはサイドに細かくボールを繋ぎながらサイドチェンジを何度も行い、中盤と絡めてサイドに数的有利を作ろうとしている。揺り動かすことで相手のサイドアタッカーが守備に専念しなければならず、カウンターを受けてもフォワードのサポートに上がってこられなくなる。
守備面でも安定をもたらしているものの、人数をかけた中央のブロックに対して決定的な手段が無く、動かすばかりで勝負を仕掛けられていない。中へのカットインも中盤が引いてバイタルエリアを埋めているために狙えず、サイドバックもウイングの外にまで開いているため外に厚みが無く、縦のみの単調なランニングになってしまう。レバークーゼンが積極的に守備を行ってくれるようになっても、前にスペースを置いてドリブルを開始する選手がいないことで状況が停滞してしまい、マークを引き連れたままボールを受けに戻ってしまう。プジョルやマスケラーノ、セルヒオ・ブスケツが持ち上がったときには足を止めている相手の注意を引き、他をフリーに出来る可能性があるにも関わらず、ボールを引き出す動きが足りていない。メッシは中央で複数を相手にドリブルをし、イニエスタやセスクはドリブルを選択しない。バイタルエリアでボールを受けてもチャレンジしようと前を向こうとすることすら少なく、その手前から、前に立たれるだけでバックパスを選択し続けている。チャレンジをすれば、ファウルを取りやすい審判の影響もあってフリーキックを得ることも多く、チャンスを広げることになるものの、それを選択するのはアドリアーノくらいか。

状況の停滞はレバークーゼンに攻撃へのチャンスを与えている。フォワード一枚が前線に残り、クリアやフィードを収めて攻撃へと移行しなければならなかったのが、三枚を前へ残して受け止めることも出来るようになってきた。多くの時間帯で押し込まれたままだとはいえ、状況に慣れてきたことは確かで、バルサのアンカーの横であったり、ブスケツが出てきた背後で受けて、センターバック二枚が出てこられないバイタルエリアから攻撃をスタートさせることもできるようになってきた。それだけ攻撃への人数をかけるようになってくると、バルサもフィードにセンターバック後ろに残して対処し続けることは難しく、戻りながらリスクのある守備をどうしても選択しなければならず、安全に再び攻撃へと戻すことが難しくなってきていた。
ただ守備に引き戻されたことがバルサに取ってはプラスに働き、レバークーゼンは攻撃のために人数を割いたことで後ろのスペースを埋め続けていた選手たちがいない状況を作ってしまった。バルサは前へ針続けて足下でのプレイが連続し、変化のないプレイに終始していたのが、守備から攻撃への大胆な動きによってマークを引き剥がし、ペースの変化を作れた。手数を必要としないカウンターからのゴールだったことがそれまでのやり方が上手くいっていなかったことを象徴しているかのよう。ゴール以後はゴールへ向かったドリブルも見られるようになり、無くなっていたディフェンスライン背後への飛び出しも、縦の連携も少し見られた。

後半はレバークーゼンも守備をする位置が上がり、特にセルヒオ・ブスケツに近くポジションを取って彼に自由にボールを動かせないようにしている。センターバックにもプレッシャーを与えるべく寄ってきており、バルサはポジションを下げられている。サイドバックやウイングに関してもそれらの影響を受けており、追い回すほどではないにしろチェイシングによって横へ自由に動かす時間は限られ、前半のように延々とショートパスを横に運ぶような場面は見られなくなってきている。それだけではなく、レバークーゼンが前へ守備のゾーンをあげたことで、フォワードと限られた選手だけがフィードに対応して外を利用して組み立てなければならなかった前半とは変わり、中で組み立てを行えるようになった。特にフィードに対して中央で三枚のアタッカーが近い距離を保ちながら競り、こぼれ球を拾う理想的な形になっており、拾えればバイタルエリアからペナルティえらへとその人数がそのままゴールを狙う選手へと切り替わる。攻守の切り替えも素早く激しくなり、バルサがその変化に対応仕切る前に勝負を仕掛けられ、多く入り込んだペナルティエリア内の相手に対応できずに失点をした。得点を決めたのがサイドバックのカドレツだということがレバークーゼンがどれだけ攻撃に力を入れてきたかを表している。

ただ積極的な守備は前半の終了間際もそうであったように、バルサにとってはスペースを与えてくれることでもある。前半苦しめられたのはウイングとサイドバックが横並びになって、レバークーゼンが中央のブロックを閉じてスペースを与えなかったため。だが積極的にプレッシングに出てきてくれれば、中央のブロックを埋める人がいなくなり、さらに前へと向かって引き出されてくれることで、バルサは相手の背中へとポジションを取り直すことでフリースペースを得て、前へと向かっていける。ドリブルや飛び出しを狙える環境を得られれば、前半は選択できなかったそれらを狙うことはできる。あっという間に再びアレクシス・サンチェスが飛び出しからゴールを決め、再びリードを手にした。

この試合を通じてボールキープのために体を張ることもチャレンジのドリブルも選択できず、コンディションの悪さを露呈していたイニエスタが下がり、チアゴが入ってドリブルで仕掛けたり、前と運ぼうとする勢いはバルサに増えたものの、バランス感覚という点ではマイナスになってしまった。セルヒオ・ブスケツが守備へサイドや前へ出た後のスペースをセスクやイニエスタがこれまで埋めていたことで守備に脆さを見せていなかったものの、チアゴは背後への意識が薄く、マスケラーノが前へ出てサポートをしなければならない。背後のスペースを増加させたり、ディフェンスラインの横幅を失うプレイを選択しなければならず、攻撃に人数を増加させているレバークーゼンを相手にバイタルエリアを埋められないのは致命的になりかねず、ゴールポストに助けられるシュートを打たれてしまった。その後もプジョルが前へ出なければならない場面が増え、4枚のラインの前をアンカーが埋め、それ以外の中盤がサポートする形を作れず、崩れたラインの裏を取られそうになったり、紙一重のカットでしのぐ場面も見られた。

ペドロの投入で時間と落ち着きを得て、再びしっかりとしたポゼッションによって自分たちのペースを保とうとし始めた。センターバックのポジションを上げずにプレスを受けない場所で横に動かしていく。前半と違うのは、ボールホルダーがそれぞれ横や後ろを気にしてパスを繋ごうとしているのではなく、まず前を向いて視野を広げることから入っており、そこから相手が前へ守備をしてきていることもあって広がっているバイタルエリアに入っていく。しっかりと縦パスを入れながら、ランニングによる変化も加えて相手の背後へと飛び出す。停滞した足下のみのボールを繰り返すのではなく、縦やドリブル、ダイアゴナルな動きを意識したものになって、上手くスピードアップしてゴールに迫ってチャンスを作っている。

試合へ入ったばかりの頃は背後への意識に問題を抱えていたチアゴも時間が経過していくに従ってアンカーのサポートを行えるほど後ろ警戒し、横へ引き出された後を埋めるべく戻ってきてもいる。フォワードが増えてマークの対象が増えたが、しっかりと中央を閉じて守っており、中盤のバランスもセスクがきちんと取っていて問題は殆ど無い。フィードへの対応とカバーの役割分担も取り戻し、ラインコントロールとバイタルエリアの閉じ方もしっかりとしている。

最後はメッシがバイタルエリアでしっかりと仕掛け、ダニエウ・アウベスがスペースへと飛び出し、形を作って最後はメッシに得点を取らせる余裕まであった。

Bundesliga 21. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対カイザースラウテルン

2012 年 2 月 12 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 0 1.FC Kaiserslautern
カイザースラウテルンはバイエルンに対してフォアチェックをセンターバックにかけてくる様子はなく、ハーフウェーライン付近から後ろに陣形を整えて待ち構えている。その付近で横パスを行えばプレッシャーを与えに出てくることはあるものの、奪われた瞬間から切り替えてチェックに連動して出てくることもなく、奪われれば戻って陣形を整えるのを優先させているよう。ラインの設定もフォアチェックを前提としないため深く整えたままで、中盤にスペースは多くある。それぞれがチェックには来るものの、寄せた後のコースを塞ぎに来ておらず、連動しているとは言い難い。それにタッチライン際の攻防やゴールの近くでも、繋いだり前へ何としても蹴って陣地を回復するのではなく、とにかく外へ出すだけで、個人の頑張りはあったとしても消極的な姿勢が色濃く、バイエルンの先制点があっという間に入っても驚きはせず、当然だと思えるほどマークもきちんと距離を詰めておらず、ボールの周囲だけが動いているだけで人も見ていなかった。

先制点を取られてからようやくカイザースラウテルンも前へ向かう守備の意識を出し始め、一人一人がばらばらに動くのではなく、プレッシャーを与えてコースを限定し、その先にパスカットを狙えるだけ後ろから出てくることも、囲い込んでボールを奪おうともし始めた。奪われた後も奪い返そうと向かっていくようにもなり、ボール以外の所もしっかりとスペースを埋め、人を見ようと首を振って確認もするようになって、ようやく目が醒めたような印象を受ける。ただ前提としてハーフウェーラインを越えないのは変わっておらず、バイエルンはサイドバックにも自由に持たせてもらっている。サイドバックからの選択肢が豊富にあるわけではないものの、ウイングが下がってボールを引き出そうとした際に相手はサイドバックをぴったりと付けず、距離を空けながら追いかけるだけで、裏を取られないように密着をしてこない。そのためリベリーが中へ入ってラームが上がっても裏や外側を自由に利用させてもらえるわけではないが、サイドバックからウイングへと一度縦へ入れさせてもらえることで少し陣形を動かすことは出来ており、バイエルンとしてはボールを動かす助けになっている。何度もそれを行っていくことで、縦パスへのマークの緩さを認識するようになり、収めてからダイレクトに戻すだけではなく、周囲を見て中へ動かしていく余裕にも繋がっていく。バイエルンはボランチの二人も受けては戻すだけで前へ仕掛けたりフォワードへ収めるようなパスを中央に通したり、チャレンジしてもいないものの、サイドバックのポジションを押し上げてウイングとの距離を縮めていくことで、その代わりとしている。

しかしバイエルンもバイタルエリアでの変化や相手ゾーンの中へ縦パスを入れるリスクのあるプレイを全く使用としておらず、直接ディフェンスラインの背後へフィードを入れるばかりで単調な攻撃を繰り返してはセカンドボールを拾われ、スペースのある中盤を駆け上がられるようになってしまい、センターバックの前でボールを要求するアラバも、裏へ出すだけで策はなく、アタッカーも積極的に飛び出してそれを助長するばかり。バイエルンのディフェンスラインがポジションを押し上げて全体をコンパクトに保って間延びをしないよう意識を持てばフィードも減っていくのかもしれないが、プレッシャーを受けることを嫌がり、カウンターでスピードに乗られるのも警戒をして全く押し上げようとしないのもロングボールが行き交う原因になっている。二点目のきっかけになった場面のように、ドリブルで仕掛ければ相手は足を止めてパスに対応しようとしているのだからファウルを得られる可能性は高く、陣形も揺さぶれる。直後からクロースが引いてドリブルをしてみたり、アラバがポジションをあげてそれをサポートしたり、その勢いのまま攻守を切り替えてフォアチェックを連続してかけていくことにも繋がっている。

痺れを切らせてセンターバックにまで圧力をかけに向かうようになったカイザースラウテルンに、バイエルンはしっかりとセンターバックが中盤へと繋ぐことが出来ていれば、相手が前へ出てくるギャップを利用して一気にスピードアップしてパスをスムーズに繋げられるようになるものの、ボランチの二人がその時にコースを作る動きをあまりしておらず、バドシュトゥバーやボアテングに前へ繋ごうとする意識が殆ど無く、簡単にノイアーまで下げてしまっていることで、せっかく相手が動いて作ってくれたギャップを利用し損ねている。

後半になるとよりカイザースラウテルンは前から守備をする意識を出し、引いて受けようとするウイングに対してのマークも距離を縮めて中のコースを切るつつ行えるようになった。緩く、ボールを見てしまいがちだった前半と比べるとボールのないところのマークも距離が縮まって見ていられるようになり、距離が縮まったことで足を出したりカットを狙うような積極的な姿勢が球際でも出せるようになった。前線からのプレッシャーによってバイエルンのセンターバックはさらにポジションを下げて攻撃に繋がるパスを出せるような位置ではなくなり、プレスのお陰で相手が動いてくれるため、ショートパスをサイドバックが運べる環境が出来ているとはいえ、センターバックからそれが出来ないのはマイナスで追いかけ回され、少ない選択肢の中をせわしなくボールを回さなければならなくなっている。余裕が削られフォワードへのマークの距離が縮まると、フィードを裏へ直接放り込み、競争をさせてゴールへ直結するプレイを選べないため、カイザースラウテルンは裏を恐れずに前へ絞れるため、プレスを強化できている。ただ前へ出る分ドリブルで一人抜かれると一気に背後へスピードアップできるため、時折見せるドリブル突破は効果的にバイエルンのチャンスに繋がっている。ロッベンの投入でそれをさらに多く狙っていくのかと思ったものの、タッチライン際に残って中央に絡んでこず、相手に縦のコースを徹底して切られてスピードアップさせてもらえず、ロッベンの持ち味であるカットインするドリブルすら選択できていない。

ボールを動かして相手のプレスをかわしてポジションを取り直し、パスを入れて戻す。支配率は高まって、相手のゾーンも押し下げてはいるものの、シュートに持ち込めるようなチャンスを作れておらず、崩しもリベリーを頼む左サイドからのものしかない。全体が左に寄っているため、サイドチェンジをしても必死に中盤が右にスライドしなければロッベンも何も出来ずに、パスを選択するか、サイドバックの裏へ飛び出すか、反対側からのクロスにゴール前へ飛び込む以外に出来ない。サイドチェンジが効果的に相手を揺さぶれておらず、むずからの労力を増やしている印象でしかない。

徐々にカイザースラウテルンの得点を取らなければならない状況と、運動量を必要とするプレッシングも継続しきれなくなってきて、さらに効果的ではないにしろサイドチェンジで走らされることも加えて、バイエルンのボールホルダーから余裕を奪えなくなってきている。バイエルンは一つのプレッシャーを抜ければバイタルエリアに広がるスペースを利用でき、パサーが余裕を持ってセンターバックの背後へと出せるようになった。カウンターのチャンスが増え、ようやくロッベンにも前方にスペースがある状態でボールが渡るようになり、彼自身もタッチライン際に張り続けるのではなく、中へとポジションを移して流れに関与できるようになった。

だがバイエルンは焦りではなく、単純なパスミスを繰り返して味方に当ててボールを失うような姿も多々見られた。相手に勢いを与えるような悪い失い方を繰り返し、センターバックが相手フォワードを予め掴まえて置けず、裏を怖がって下がって距離を取ってしまうようになった。フィードにルイス・グスタボが体を寄せ、対応できていることで、センターバックが引き出されず、こぼれ球で裏を取られるような事態になっていないことが好材料で、緩みかけている守備をバイタルエリアを埋めて助けている。

Liga Espanola Jornada 23. オサスナ対バルセロナ

2012 年 2 月 12 日 日曜日

■CA Osasuna 3 – 2 FC Barcelona
天候や気温の影響から芝のコンディションが悪くパススピードが上がらない。あるいはパススピードが落ちずに思った位置で止まらずに流れてしまうこともある。そしてボールもバウンドが高くなりやすく、浮き球の処理が難しくなっている。立ち上がりからプジョルはそのバウンドの処理に苦労をしていて読み切れていなかった。先制点を取られる以前にも裏へのスルーパスを通されてボールが芝の影響を受けて流れていたから助かっていただけで、その時点で失点していても当然だった。ボールのバウンドだけではなく、裏へのパスも通されてしまっていたとなると、出所をきちんと抑えられていないことでもあり、センターバックはマークの距離を縮めて背後から掴んでいられず自由を与えてしまっていた。直後にあったアレクシス・サンチェスの飛び出しがオフサイドを取られたことが残念で、芝の模様と位置を見る限りではオンサイドだった。

スタートはぴりっとしなかったプレッシングも徐々にバルサは体が動くようになって行われるようになり、中盤でボールの出所を抑えてセンターバックの所で処理しなければならないような縦パスを入れさせなくなってきた。ピッチコンディションにかかわらず抑えられる方法を採れるようになり、中央に入れさせず、ボールを送られたとしてもサイドバック、その裏へのフィードのみに留め、ゴールへ直結させるようなパスを選択させなくなった。ここであればセンターバックがカバーに出ることが出来、アンカーに入っているマスケラーノがスペースを埋めることも、サイドに出て行くことも出来る。外へ預けられたり抜けてくる分にはバルサは止められる。

バルサの攻撃は中央に集まっていて、ワイドに開いた状況を作れず相手のブロックを中へ構築する手助けをしてしまっている。メッシが右にポジションを取っていることで右側に起点を作っても中へとカットインをしてしまい、外から縦へ崩す形にはならず、ダニエウ・アウベスが追い越していくほどの連携も見せられていない。左側のペドロにしても中盤との連携が不十分で孤立してしまって、預けて再展開を狙えない。まずボールを奪ってからも、中盤でボールを動かして変化をつけられておらず、ディフェンスラインとアンカーでボールを回してしまって縦パスを入れられない。そこから縦に入れるためにアンカーが前へ出て行かなければならないがそこが下がっているため、セルジ・ロベルトとチアゴ・アルカンタラの二枚で下がってきて引き出さなければならない。ただその二枚の引き出し方も不十分で横に並んでしまって同じ選択肢を左右に用意しているだけで、前後関係でもなく、高さの変化もない。そのため、そこへ通ったとしてもフォワード三枚との距離が開いて繋げない。

バルサはカウンターからさらに失点をしてしまった。センターバックが前後の関係を作りながらも挟み込めず、ダイアゴナルな動きによってマークにつけず受け渡しも不十分になり、ピケがきちんと最初の展開を止められなかった。サイドバックが埋めても三枚で三枚を止めなければならず、スピードに乗った状態を相手に足を出していくのは難しかった。途中の縦パスがオフサイドだったのかもしれないものの、審判が確実にとってくれるのを前提とした守り方をしてはいけないわけで、中に出来たスペースをプジョルが戻って埋めきれず、外へアビダルが出て行ってコースを塞ぐ守備をする余裕を奪っていた。クロスに対しても中で相手をしっかりと見ておらず、失点しても当然の状況だった。それまで抑えられていたのは中盤で奪えていたからで、最後尾が改善されたわけではなかったようだ。

中盤が下がってしまって攻撃が組み立てられず、サイドバックも押し上げるには不安が残って重心を前にかけられない。フォアチェックを受けながら横の変化がつけられない状態が続き、横パスが出来るのは低い位置でのみでしかない。メッシが下がってチアゴとセルジ・ロベルトをサポートしなければボールを動かすポイントを作れず、下がることで前への選択肢が一つ削られてしまって、ペドロもサンチェスも中へ絞ってしまって相手の人数が最も多いところでボールを受けてしまっている。プレッシャーの中でも落ち着いてキープを出来る選手が足りず、スペースへのポジションを取り直す動きがゆっくり出会ったり、そもそも無かったり、オサスナが作るブロックの隙間に入りながらも変化がない単調な動きのためにゾーンを狭められてボールを受けたからと行って勝負を出来ない。スピードに乗りながらボールを受けられないことがその要因にもなっており、ゆっくりと狭い幅の攻撃をしていたのではゴール前を閉じられてしまってシュートブロックに体を張られてしまう。チャンスを作ったとしても相手を抜いてフリーになるチャンスではなく、常に相手を前に置いたチャンスでしかない。前半終了間際になってようやく全体が走りながらパスを動かせるようになったものの、そこから先のアイデアをもたらせる選手がいない。

後半開始からクエンカとテージョの二人を投入しなければならず、プジョルとペドロが下げられた。4バックのシステムを変化させることはしておらず、マスケラーノをセンターバックに下げることでピボーテにチアゴと・セルジ・ロベルトを置いて最後尾からの展開を助けるようにして前へとスムーズに出せるようにする。チアゴをアンカー気味にしながら前へと運んでいく。それと同時にワイドな選択肢を失って中へ絞って守られていた前半から、後半は外に起点を置いて相手のゾーンを広げてしまおうとする狙いがある。外、中、外へと最前線でスムーズにボールが動くようになり、相手のディフェンスラインの前で横に変化をつけながらシュートコースを探せるようになる。ピボーテから縦へボールを出せやすいよう前へ多くの選択肢があり、パスを出せる選手と、パスを受けられる選手が増えている。前へ起点が作れるようになったことで、ダニエウ・アウベスがポジションを大幅に上げられるようになっており、タッチライン際から横に動かす崩しが増え、中央から中央のパスしかなかった前半とは違いパターンが増えた。それが早々に実って、相手のミスも加わりながら一点を返せた。そこから追い上げに向かえる状況を作りながら、オサスナのプレッシャーに負けてそれぞれがミスを繰り返して最終的にはビクトル・バルデスがミスをして繋げず、ピケがマークをまた寄せきれずシュートを許して、流れそのものを失ってしまった。

三点目は大きく、外に大きく開きながら変化をつけ始めていたバルサに対して、オサスナは引いて待ちかまえるのではなく、ディフェンスラインも前へ向かっていく守備で積極的にプレッシャーを与えてボールを動かせないように守れるようになってしまった。下がって組み立てに参加するメッシにも体を寄せてスピードアップさせず、フォアチェックも混ぜ、奪ってから前へフィードをして向かっていける守備体系を作る。オサスナは夕刊に自分たちの形を作り続け、ペースを保って自分たちのプラン通りに進めているため、大きく消耗させられるような後手に回るような守り方にならずに止めている。

バルサは得点を焦り、得点を取るために必要な崩しを選択せずにゴールへと向かうパスを選択する傾向が強kまってしまった。外に大きく開いたウイングを利用せず、オサスナの守備を広げてから中へ入れて崩そうとするのではなく、中へ入れて直接ゴールを狙ったり、アーリークロス、フィードを入れるなど崩しとは無縁なプレイも多くなった。ただ外で追い越していくプレイも増えたし、中盤から前へスムーズに運べるようにもなった。カウンターの危険も減らして、セスクが投入されて3バックにして攻撃の枚数を増やしてからはよりその傾向が強くなり、ペナルティエリア中央に人数を多く入れながら、外をフリーにも出来るようになった。中へ相手を集めた上でゴールへ向かえるパスを外へ出し、テージョがゴールを決めて一点差へと再び迫った。前半の低調な運動量とは違い、それぞれが前へ向かいながらボールを受けて勝負をしながらパスを選択肢をしていく。ドリブルの勝負とパスの二つを意識づけられるようになるとオサスナも守備の狙いを絞りにくくなり、向かってこられず、足を止めて待って守らなければならなくなる。
バルサがセットプレイから三点目を決めて同点に追いついたはずだったが、これも前半と同じくオンサイドをオフサイドと判断をされてゴールを取り消されてしまった。二度もゴールを取り消されてしまえば、バルサが良くなかったからこその展開だとはいえ、非常に苦しくなるのは当然。

残りの時間のバルサはパワープレイに訴えるようなことはせず、パスを繋ぎながらダイアゴナルな動きをして中央に相手を集めて外側をフリーにして利用をする。クエンカからのクロスはファー再度ゴールへ向かうものを入れ続けて変わらず、中央チアゴやセルジが持ち運びながら縦へ入れていく。そして中から外へと何度もパスを出して陣形の乱れをついていく。オサスナのマークが遠くなって寄せる勢いもなくなり、足を止めて待ちかまえるようになっていることで、バルサはそういった動かし方は出来る。ただ中を固められているため、単純なクロスでは難しく、ペナルティエリア内に高さもない。突き崩すためには守りを固めた相手にバリエーションが足りず、止めきられてしまった。

DFB Pokal Viertelfinale シュツットガルト対バイエルン・ミュンヘン

2012 年 2 月 9 日 木曜日

■VfB Stuttgart 0 – 2 FC Bayern Munchen
バイエルンはようやく守備を専門とするボランチを置いて試合に臨んだため、センターバックが孤立をしてスペースを大きく作ってしまうような場面を向かえず序盤を進めている。ルイス・グスタボもきっちりとセンターバックの前に残ってスペースを埋め続けるような選手ではないが、シュツットガルトもイビセビッチとカカウを残して二枚のラインを敷いて守る姿勢が強いため、センターバックと片側のサイドバックで人が足りている。ただセカンドボールを拾う動きであったり、センターバックが引き出されたときに埋める動きはクロースとシュバインシュタイガーのコンビの時よりも安定しており、ボランチの背後で受けられて裏へという展開は少ない。センターバックが引き出されても人数は足りており、岡崎が猛然とオーバーラップを仕掛けても、それに対応するだけの体勢も整えられている。シュバインシュタイガーが怪我をして以降は、全力で走れず、スペースの埋め方も不十分で、セカンドボールを拾えない。センターバックの前を埋めきれずにクロスの対応も危なく、バイエルンがゾーンを中へ絞ったときにラインが整わない原因の一つになっている。そういったことを考えればアラバと交代になったのは仕方が無く、むしろ準備が整っているのならもっと早く下げるべきだったと思えるほど、プレイを再開した後のパフォーマンスは悪く、チームに負担をかけていた。

攻撃面ではバイエルンはいつものミュラーがマリオ・ゴメスの周りに位置するのではなく主に右サイドを担当しているため、中央とサイドのバランスの悪さが改善されている。左からリベリーが仕掛けるときには絞って中へポジションを取れるため、クロースを含めてペナルティエリアの選択肢を増加させ、ただ余っているだけの状態を回避できる。それと同時にクロースはミュラーよりもウイングに対してのサポートの意識が強く、外へ流れて再展開も出来、マリオ・ゴメスが引っ張った後ろのスペースも使える。ミドルシュートでゴールを脅かしたような場面も、ミュラーであれば前へと向かってしまうために作りにくく、前線の厚みを損なっていたものが、彼になって厚みになり、左右を絞らせての連携も加えて、散発的な攻撃にならず、組織としての流れが少し見えるようになった。ただ交代で入ったアラバはそれらの横や斜めの変化に則したポジションの変化に加われておらず、オーバーラップも開けてもらったスペースへ入れていない。ルイス・グスタボと明確に前後になりながらも役割は似たようなことをしてしまっていて、あまり効果的ではなかった。ただ中のサポートを得られることでウイングはプレイをしやすく、ボールを持てればサイドバックも攻め上がるチャンスは増える。左のラームは積極的に上がって中へのカットインをしており、右のラフィーニャはなかなか追い越していくほどのオーバーラップを見せられなかったものの、得点の場面では後ろから支え、ミュラーの飛び出しを利用した。合わせたのは左から中へ入っていたリベリーで、通常ならミュラーが潰してしまっているエリアだが、ダイアゴナルな動きが出来るだけのスペースを味方が潰していないことで入れて、ゴールへと繋げられた。

アラバは時間の経過と共に試合に馴染んでいき、ポジションの変化にも加わるようになり、左右のサポートにもでられるようになった。クロースとポジションが被ったり、彼に助けられている側面が強いものの、攻撃面では足を引っ張ってはいない。問題は守備面で、ルイス・グスタボにしても前へ出てパスを中盤の段階で潰してしまおうとする意識が強すぎ、前へどんどんと出てしまう。サイドバックの裏を埋めるのはセンターバックの役割だが、センターバックがでた裏を序盤は埋められていたルイス・グスタボが埋めずに前へ残るようになり、アラバもその動きはしないため、ディフェンスラインの前にぽっかりとスペースが出来やすく、フィードのセカンドボールを拾われたり、センターバックが外に引っ張り出されてファーサイドをを狙われるように。ただシュツットガルトがフォワード二枚にきちんとボールを収められず、ワイドな位置にアタッカーを置ききれず、縦へ勝負できる選手がいないことでバイエルンは大きく助けられている。

後半早々に二点目が入った場面でも、カウンターではあったものの、リベリーが中へとダイアゴナルに動いたことでマークの意識がそちらに動き、ファーサイドにアラバが上がってきたことでより選択肢が増えた。結果としてマリオ・ゴメスがフリーになりゴールを決めることになった。

バイエルンがシュツットガルトの攻撃を縦のコースを切る事で限定し、縦の連携をさせずにスピードアップも許さず、特にサイドを封じることでコントロールしているのに対し、シュツットガルトの守り方が横のコースを切る事を意識しており、タッチライン際から縦への突破が目立つようになっている。特にダイアゴナルの動きやカットインを前半から行い、外から内側へ入り込むことでチャンスを作ってきており、上手く意識づけられたこともあるのかもしれないものの、シュツットガルトは簡単に縦のドリブルからクロスを選択させてくれており、バイエルンはリベリーとラームを中心に切り崩してクロスから決定機を何度も作っている。マークの距離も遠く、前にいるものの、体を寄せられていないことでコースの限定に繋がらず、最初のポジションが遠いためにパスカットや足を出すところまで持っていけず、守りの緩さが生まれている。バイエルンは後ろではきっちりと最初の距離を縮め、体を寄せ動きそのものを限定していることで、パスでそこを使わせず、預けたとしても次のプレッシャーをかけやすくしている。シュツットガルトが岡崎を下げハルニクを入れてからは前線の人数が増加してマークすべき対象も増え、フィードを中心とした組み立てに出て行ききれなくなった。ルイス・グスタボがセンターバックが出ずに済むよう、バイタルエリアへのフィードを掴まえておく必要があるものの、相手を掴まえられておらず、一歩遅れてぶつかることでセンターバックらはより前へ出て行けず、マークの距離が広がり、バイタルエリアも広がる悪循環になっている。

両者共に組み立てらしいパスワークが少なくなり、ミスからボールを失ってカウンターをファウルで止め、フィードを送る繰り返し。バイエルンはまだサイドバックのオーバーラップと中と外のパスで横へ動かせているだけよく見えるものの、ファウルを貰うためのプレイを繰り返し、崩して点を取ることよりも、相手を苛立たせ時間を稼ぐことを優先している部分がある。シュツットガルトからいくつかファウルがあったとはいえ、ファウルを貰いに行くことに加えて、ボールへの執着心を失って簡単なコントロールミスをしたり、失っても投げやりに歩いて守備への切り替えをしないなど、雑な試合運びになってしまった。シュツットガルトも集中を切らしてしまっているかのように緩くなってしまっていたため、どちらも試合を動かすことなく浪費して終わった。