‘Football 10/11’ カテゴリーのアーカイブ

Bundesliga 33. Spieltag ザンクト・パウリ対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 5 月 8 日 日曜日

■FC St. Pauli 1 – 8 FC Bayern Munchen
ザンクト・パウリはカウンターを狙っておらず、パスを繋いで構築することを目指していました。そのパスがセンターバックからスムーズに出されればもう少しバイエルンを崩すためのスピードを手に入れられたのかもしれませんが、パススピードも展開もそれほど早くなく、揺さぶる効果も薄く、バイエルンの陣形を崩すほどではありませんでした。縦パスに関してはアサモアが起点となろうとしているようでしたが、ヴァン・ブイテンを中心としてバイエルンは背後から激しく当たり、前を向かせないようにコントロールしていましたから、繋ぐこともままならない様子でした。他の選手もパスを後ろ向きでコントロールしなければならない状況が続いていましたから、プレッシャーを感じたり、実際には受けていなくとも前を向こうとせずに処理しようとしていましたから、より手数をかける結果になっていました。ただ徐々にそれに慣れていったことで、ダイレクトで落とし再展開を狙う、サポートを近い距離で得られるようになっていましたから、勢いを持続させられるようには徐々になっていました。

バイエルンの中盤もザンクト・パウリに積極的に寄せられることで使えず、フィードを中心としなければなりませんでした。セントラル・ミッドフィールダーの二人は前後で挟まれて前を向くためのスペースをもらえませんでしたし、そこへ縦パスが入る以外にパスコースを用意できていませんでしたから、パスのタイミングを見計らって寄せられることで予め近づかれていなくとも、勢いよく寄せられるだけで封じられてしまっていましたから、ウイングへの斜めのフィードを入れ、彼らに頼まなければなりませんでした。ただ一度収めてしまえば相手は踏みとどまって囲もうとはせずに、ディフェンスラインを下げてドリブルするスペースをくれましたし、背後に抜けられないことを意識するあまりリトリートしすぎてマイナスのパスをもゴール前で許してくれていましたから、バイエルンとしては封じられている印象はそれほど受けませんでした。ただバイエルンは中盤からの構成が全くありませんでしたから、攻撃としては単調でしたし、崩せていたわけではありませんでした。

ザンクト・パウリのお粗末なミスがなければもう少し苦しんでいたのかもしれませんが、このキーパーのケスラーは背後を使われ続けながらも前へ出る勇気に乏しく、その後も含めてゴールに張り付くことしか考えていませんでしたから、ディフェンダーにのみ責任を負わせるのは酷な失点でした。

ザンクト・パウリは攻撃に出なければならず、縦パスを入れて繋いで試合を構築することよりもフィードを入れる回数を増やし、裏へ抜けるフォワードにフィードを合わせ、こぼれ球を得ようとする戦い方へ変化していました。ただフォワード一枚のみが裏へ抜けるのみで、こぼれ球を拾うための中盤との距離が遠すぎるために拾えず、単発の攻撃になってしまっていました。しかし多少の効果はあり、それまではバイエルンのディフェンダーが前へ向かって相手を掴まえることで試合をコントロールしていましたが、後ろへ走らされることでコンパクトに保てなくなりましたし、前へ出続けることも出来なくなり、フィードでの点kないいごは、手前でパスを繋ぐことが容易になってきていました。ヴァン・ブイテンもルイス・グスタボも掴まえられていないのに無理に出てきてしまい、簡単に背後を取られる場面が目立つようになり、ウイングが積極的に下がって守備をしなければならなくなっていました。

バイエルンは少しばかり押し込まれたことでカウンターを中心として展開しなければならなくなってしまいましたが、シュバインシュタイガーもマークやプレッシャーをあまり受けなくなり、ボールを触れるようになっていましたし、前も向けるようになっていました。守備に下がったリベリーやロッベンがカウンターに出るスピードと勢いをもたらしてくれるようになっていた効果はしっかりと出ていましたが、それらもそれ以外もドリブルで仕掛けるか、裏へ直線的に飛び出すのみで、誰かが相手を引きつけるための囮になっておらず、スペースを作るための動きをしようとしていませんでしたから、相手の守備を中央に集めてしまい、外側が大きく空いていても誰も開こうとしませんでした。スペースを作り出せていないことで崩せたように見えてもぎりぎりで対応されてしまいましたし、得点に至らなかったのもその盛況を受けていました。

コーナーキックからヴァン・ブイテンが決めて二点目としたことでザンクト・パウリのバランスはさらに崩れ、一方的な試合展開になりつつありました。中盤にこそまだボールを預けるには彼らが動いてプレッシャーを与えてきていましたが、直接裏へフィードをすればスピード勝負で有利にたち続けられましたし、ケアするディフェンダーが少ないことでぎりぎりの処理を強いることが出来ました。相手キーパーはこの時ばかりは飛び出して処理する勇気を持ってプレイしていましたが、守り方としてはぎりぎりでした。

後半はザンクト・パウリが大きなサイドチェンジを利用しつつ、バイエルンのサイドの埋め方が中途半端になっているところを狙って来ていました。前半のように繋ぎすぎず少ない手数で横へ大きく振ることを意識していることで、バイエルンは左右へ動いてもサイドバックの所へ複数を用意することまではできませんでしたから、中央を埋めるべく陣形を整えるだけになってしまっていました。背後へ抜ける動きを同時にされてしまうことでリトリートしてしまい、それまでのように、前で相手を全く掴まえられなくなってしまいました。それが余計に相手の横パスをスムーズにさせてしまい、流れを持っていかれてしまいそうでした。

しかし流れが相手へ移りきる前に、マリオ・ゴメスが裏へ抜けて三点目を挙げ、一気に引き戻しました。相手キーパーは前半は一時的に出来ていた飛び出しを忘れてしまったかのように、飛び出しに全く反応せずにゴールに張り付くばかりでこのゴールを許してしまいました。彼に飛び出す勇気とスムーズさがあれば防げている失点でした。
そして四点目もすぐに入り、勝負は完全に決まってしまいました。

ザンクト・パウリはバイエルンの中盤を掴まえられなくなりましたし、何より運動量が落ちたことでチェックも遅れてしまい、ファウルを取られやすくなりました。そしてバイエルンには前を向く精神的な余裕が出来ていましたから、中途半端なチェックでは効果が無く、ある程度近づかれていても振り向いてプレイできましたからザンクト・パウリの守備は全く機能しなくなっていました。
守備だけに留まらず、ザンクト・パウリはパスミスが非常に多くなり、サイドチェンジや浮き球はタッチラインをわり続け、少しプレッシャーを受ければ逃げる姿勢になってしまい、向かっていかず、パスを出した後に前へ動き直すことで何度も形を作れていましたが、それすらもなくなり、消極的な姿勢がよりボールを奪われやすくして、バイエルンのカウンターが何度も行われるようになりました。ロッベンにすら全くマークがつかずフリーのまま右から中央を自由に使わせていましたし、そこにボールが入って初めてセンターバックが向かうため、マリオ・ゴメスはすぐに裏を取れました。裏へフィードを入れられて背走させられているため前へ出るのが遅れるのは理解できますが、さらに多くの追加点を許す環境はこの時出来上がっていました。

5点目もキーパーのミスでしたが、その少し前にはシュートを打てるまでに彼らはある程度攻められていたわけですし、バイエルンの中盤が緩くなったことである程度繋げてもいました。この試合中何度も流れを得られるようなプレイはあったんですが、その度にバイエルンが得点することによって流れを断ち切ってきたところに自力の差があるのかもしれず、その後はザンクト・パウリが中途半端に得点を狙い、チェイシングをしつつも簡単に諦めてしまう緩さや緩慢さが有り、裏へ抜けられないように、ということのみを考えたディフェンスラインによって、バイエルンにはどのポジションにもスペースがあり、殆どを余裕を持って狙わせてくれましたから、最終的に8点というスコアにまでなってしまいました。

前節には順位が入れ替わっていましたし、今節のこの大勝とハノーファーの敗北によってバイエルンは三位以内が確定しました。二位のレバークーゼンが引き分けたことで、次節の結果によってはチャンピオンズリーグ本戦に直接入れる可能性も得られましたが、それは最終節に興味を繋ぐおまけのようなものでしょう。

UEFA Champions League Semi Final 2ndLeg バルセロナ対レアル・マドリー

2011 年 5 月 4 日 水曜日

■FC Barcelona(agg-win) 1 – 1 Real Madrid
勝利を必要とするレアル・マドリーはペペが出場停止になっていたこともあってピボーテをシャビ・アロンソとラサナ・ディアラの二枚に減らし、カカとイグアインを先発させて得点を狙うために攻撃陣の人数を増やしていました。
前の人数の増加はそのまま守備のしかたにも影響を与えていて、これまでのように自陣にブロックを構築して待ち構えるのではなく、積極的なプレッシャーをバルサ陣内に大きく踏み込んで行っていました。センターバックにもしっかりと向かって時間を与えず、中盤も掴まえておく。バルサのポゼッションや組み立てを防ごうとする意図があり、深い位置で奪えばそのままカウンターで得点を狙おうとしているようでしたが、マドリーのそのやり方はディフェンスラインを押し上げ続けられないことでスペースを作ってしまっていました。ディフェンスラインはバルサのフォワードを掴まえ、裏を取られないように気を配ることでハーフウェーライン付近や、それを越えるほどの勢いをもたらしていませんでしたから、ゾーンが縦に伸びてしまい、バイタルエリアを空けてバルサのドリブルを許してしまっていました。リカルド・カルバーリョが前へ出てチェックすることによってそこを防ごうとしていましたが、セルヒオ・ラモスに比べてスピードがありませんでしたから、バルサの方が先手を取りやすい環境になっていました。

マドリーはそれぞれがフォアチェックから攻撃に出るために駆け上がってスピードを活かしたドリブルやサイドの切り崩しも狙って来ていましたし、タッチライン際も積極的に利用してサイドバックの背後を取ろうとしていました。カウンターも人数の増加から個人の突破力に頼る割合が減り、ドリブルで仕掛けてディフェンダーの足を止めさせ、その間にもう一枚が裏へ飛び出すなどの縦の連携を中心とした崩しを狙い、ドリブルを意識した攻撃で効果的に仕掛けようとしてました。しかしそのいずれもがカウンターに依存した直線的な動きでしかなく、横への変化に乏しいまま裏を取ることに終始していましたから、バルサとしては守備ブロックを乱されることなくそれぞれがカバーリングとマークを徹底していればシュートまで持っていかれることはありませんでしたし、崩される恐れもほとんどありませんでした。

バルサは第一戦のようにウイングを大きく広げて相手のゾーンを外へ広げようとする意識はそれほどありませんでした。それよりもポゼッションを重視し戦い方で、中央にあるスペースや、相手が仕掛けた背後のスペースを利用しようとしていました。中央で受けて前を向かせてもらえるスペースがあり、そこで受けられていましたが、最後尾では安定して回せていませんでしたし、チェックをそれぞれが受けて、緩やかながらマークにも付かれていましたから、ペドロがしっかりと中への動きをして受けようとしていたことで大きく助けられていました。
一度マドリーのプレッシングをかいくぐり、ポゼッションの姿勢に入ると、人とボールを動かしてマドリーのマークを外せましたし、背後から強烈にぶつかってこず、これまでの試合に比べてフィジカルコンタクトを前面に出されませんでしたから、動かし続けることに苦労はそれほどしませんでした。フォアチェックこそしてもマドリーは徹底して終始追いかけることは出来ませんでしたから、バルサが動かし始めると一部の選手しかプレッシャーを継続し続けられず、徒労に終わるのを前提としてまで追いかける覚悟を持った選手はそれほどいませんでした。そのため、動く選手と動かない選手との間にギャップが出来、そのスペースを多いに利用させてもらえましたし、そこでボールを受けてファウルを貰えるボールの持ち方をしてファウルを貰うことでマドリーに苛立ちを与えていました。

マドリーはプジョルに持たせることで中へのパスコースを切り、限定したコースからカットを狙っているようでしたが、もたつきこそしてもプジョルはしっかりと状況判断をしてパスを選択せずに自分で持ち上がることでカウンターを防ぎ続けていましたから、マドリーはボールを奪うポイントを定められず、カウンターの起点を作れていませんでした。
右サイドではメッシがスタート位置を右に持っている関係上渋滞が起こりがちでしたが、マドリーは囲みこそしてもマルセロ以外は積極的に寄せて足を出そうとしていませんでしたからボールを動かせましたが、突破をするにはゾーンが偏りすぎていました。

マドリーがポゼッションをしても、ボールをもらうための動きがありませんでしたし、せっかくアタッカーの人数を増やしても個人が裏を狙うしか無く、一度足を止めてしまうと全体の足も止まって、サイドバックが追い越してマークを鶴動きもありませんでしたから、ばるさのまーくをずらすうごきがなく、 ディフェンダーの間で裏を狙っているだけでした。誰が起点となってパスを出すのかもはっきりとしていないため、裏を抜け出す準備をしながらもボールを見続けてしまっていましたし、足が止まっているために背後を取り切れず、ビクトル・バルデスもそれを前提としたポジショニングを取れていましたから、捉えるのは容易でした。ディ・マリアが横にフリーランをすることで変化が出来ていた程度でしょうか。

マドリーがスペースを用意してくれていたことでスピードのある展開になりがちで、メッシはピボーテの背後を取れていましたし、、そこで受けてドリブルで仕掛けていけました。マドリーはブロック構築ではなく、センターバックがリトリートして時間を稼いでいる間にピボーテが戻り、潰していく守り方になっていましたから、バルサのフォワードは皆、ディフェンダーに掴まれないように中盤の背後にポジションを取ろうとし、特にペドロはマルセロを動きで牽制して自分の形を取れていました。そしてメッシが下がったり変化を与えて、チャビやイニエスタはピボーテの横にポジションを取ろうとしていました。正面で捉えられないところに常に入っていましたから、マドリーはそこに遅れて当たらざるを得なくなり、ファウルを増やしていました。相手を戻りながら守備させることでバルサはフォアチェックをしやすくしていましたが、相手も非常にテクニックのある選手が揃っていましたからそう簡単には奪えませんでしたし、ミスもそれほど誘えていなかったのかもしれません。ただ狙い自体は絞りやすく、ピボーテを経由しなければ攻撃になりませんでしたし、守備においてもそこがメインとなって働くため、彼らがボールを触る機会が多く、特にラサナ・ディアラの球離れの悪さやボールを奪われない技術の低さを狙って囲い込むことで奪い返してチャンスを作ろうとしていました。マドリーはサポートを早めていればラサナ・ディアラも逃げるパスを出せていたのかもしれませんが、サポートが見られませんでしたから、何度かそこからショートカウンターを仕掛けられていました。

時間の経過と共にマドリーのブロック構築は曖昧になって、よりチェックに行く選手と、自分のマークすべき相手を掴まえようと動く選手、どちらもせずに余ってしまい待ち構えるディフェンスラインと分離し始め、序盤のようなチェックも不徹底になってしまったことで全体を押し上げられなくなってバルサの動かし方に対応できなくなっていました。フリーになる選手を使うことでマドリーは走らなければならず、より消耗させられることでパスコースを十分に作り主導権を握るようになっていました。マドリーは特ニラ卯ばかりを気にしていましたから、ゴール前にもこれまでのようにブロックを構築して二つのラインを形勢できず、厚みを無くしてしまっていましたから、中へのカットインもマイナスのボールも使わせてくれていました。
いくら攻撃のメンバーを揃えていても、中途半端なプレッシングに寄って守備の形を作れなければ、攻撃の人数を割いて守備に戻らなければならなくなってしまいましたし、戻っても動かされることで消耗してカウンター時に参加しきれずバリーションをもたらせない。ラサナ・ディアラが動きすぎてスペースを作りすぎている影響をセンターバックがもろに受け、守備エリアを広げなければならなくなっていましたから、カルバーリョが出て行かなければならず、ファウルを増やし、カードを要求される事態にまで至っていました。

後半はマドリーはより前がかかりに前へ人を置こうとし、戻りすぎないようにしているようでしたが、フォアチェックも自分のマーク相手を掴まえていたり、パスコースの限定などをするために動いていませんでしたから、あっという間にバルサはその背後を取りやすく、中盤をフリーにしてくれていました。特にイニエスタはピボーテの横へポジションを取らせてもらっていましたから、楽にファウルを貰えていました。

一度失点したかに思えた場面はありましたが、クリスチアーノ・ロナウドが倒れながらマスケラーノの足に当たっていたお陰で助けられました。疑問の残る判定かもしれませんが、ああいった場面でオフェンス側のファウルを取られることはリーグ戦でも何度も起こっていることですし、バルサもリーグ戦ではそういったファウルを何度も取られていましたからマドリー側には厳しいものの、それほど問題のあるジャッジだとは思いませんでした。

ただマドリーの攻撃が前半よりも改善されていたのは確かで、無理にドリブルに頼りのではなく、ボールを動かしてポゼッションの形を作り、ボールを横に多く動かすことによってバルサのプレッシングから逃げ、走らせて自分たちのペースでボールを扱おうとしているようでした。全体が上手く連動して動いているとは言い難いもので、センターバックとピボーテを中心に動かしていましたが、フォワードが受けに戻る動きが足りず、横に動いたり斜めに動いてマークをずらそうとしていませんでしたから、リズムを変える縦パスが入ることはそれほどありませんでした。
守備で目立ったのはプジョルで、サイドをえぐられた際に追いかけるスピードこそ足りませんでしたが、そこから中へのケアでパスコースを防いだりスペースを埋め、カウンターとなれば本来のポジションから大きく外れて中で潰しに向かい、相手がカウンターの横にポジションを取ろうとすればそれもしっかり潰し、ファーサイドになったときにもきちんと処理をする。幅広い横のカバーリングが守備に安定をもたらし、攻撃時の状況判断もボールを奪われるのを防いでいましたから、非常に重要な働きをしていました。

マドリーが攻撃に出ているということは後方によりスペースがあるということでもあり、ダニエウ・アウベスが持ち上がったことでマルセロが簡単に引き出され、カルバーリョも戻ることよりも対応を優先してしまい、ペドロを飛び出させてくれました。もちろんイニエスタの見事なパスがあってこそでしたが、重要な試合でいい動きをし続けていたペドロが貴重な先制ゴールを決めてくれたお陰でバルサのリードを広げて楽にしてくれました。

追いかけなければならないマドリーは消耗したイグアインに代えてアデバヨールを投入することで、さらに中央へ集めてフォアチェックに勢いを出そうとしてきたようでしたが、アデバヨールはラフなプレイをして試合を壊すばかりで、囲い込める局面を作りながらもファウルで逃げる口実を与えてくれていましたし、あまりにラフでしたからカードをすぐに出されてもおかしくなく、試合を通じてみれば退場をどこかでさせられてもおかしくないほどでした。第一戦の時もそうでしたが、交代する人選を誤ったとしか思えないほど酷いものでした。

マドリーは前へ人数をかけるだけで後方をもう埋められなくなっていましたから、バルサのカウンターを受け続ける状態で、ポゼッションをしようとしていたものも頓挫せざるを得なくなっていました。前傾姿勢になりすぎたバランスはボールを動かすには悪すぎ、前へ運びづらくさせて、それまでよりも攻撃の形を作れなくしていました。
バルサはしっかりと間延びしてスペースのある中盤でボールを動かせばより消耗させられてセーフティに試合を運べたはずですし、フォアチェックも継続させられないように出来たはずでしたが、この試合も油断をし過ぎて失点をしてしまいました。自陣ゴール近くで全員にマークをつけられてパスコースが得られていないのに繋ごうとしてしまった。それがミスになり、ショートカウンターから失点をし、無駄な得点を献上してしまいました。あの場面で大きく蹴り出しても、フォアチェックを徹底しても奪えないという意識の方がマドリーには働いていたでしょうし、前向きにボールを扱えないのであれば、自陣深くで繋ぐ必要はないはずでした。

マドリーは同点になったことで一時的に息を吹き返して、カットのために足を出したり、カウンターに走れるようになり、メッシをマンマーク気味に掴まえてバルサに起点を作らせないようにし、ルーズボールへの反応も早くなって足を動かせるようになってしまいました。ただ一度足が止まるとマドリーにはボールのないところで動いて変化をつけようとする選手がいませんでしたから詰まってしまい、バルサが戻って陣形を整える時間を十分に与えてくれましたから、崩されるほどではありませんでした。
そうして持ちこたえるうちにバルサはポゼッションとボールを奪われない持ち方をできるように回復しましたし、マドリーを動かすことでペースを取り戻すことが出来ました。
その後はメッシへ激しく当たって止めようとするだけで、バルサはそれを理解してダイレクトでボールを離すことでそれもさせていませんでしたし、カードが多くの選手に出ていることもあってそれ以上のプレイをさせていませんでした。

きちんとしたプレッシングでマドリーの攻撃を遅らせていましたから、その後の逃れ方は十分で、アビダルがベンチ入り出来ていたことも驚きでしたが、出場を出来たことがさらに驚きでした。体も細くなってしまっていましたし、今季に全力を出せる状態にあるようには思えませんでしたが、それでも彼が無事に帰ってこられたことは嬉しい出来事です。

Bundesliga 32. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対シャルケ

2011 年 5 月 1 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 1 FC Schalke 04
シャルケは守備を幅広く構成しているものの、ディフェンスラインは引いていて、タッチライン際まで広く使われることよりもバイエルンが裏を狙ってくるのを警戒しているようでもありました。ただ裏を警戒するのであれば、外へ広げず中央に厚みを持たせた方が、パスの出所を防げるでしょうし、前からチェックも多少していましたが、センターバックには自由にボールを持たせていましたし、ちぐはぐな印象が強くありました。特に中盤が前へ向かうにしても後ろへ下がるにしても遅く、バイエルンの選手を予め掴まえておこうとしていませんでしたから、中盤でパスを繋がせてしまっていましたし、中央にスペースがあることで、広がった守備も相手をスペースのある中へ招き入れることにしかなっていませんでした。内田もリベリーとの距離を広げすぎていましたから、簡単に振り向かれてしまいましたし、ドリブルで仕掛けられてカットインをも許してしまいました。

バイエルンはセンターバックを自由にしてもらっているお陰で、その間に時間をもらったサイドバックをオーバーラップさせ、ウイングの外側にも選択肢と作れましたし、飛び出させることで相手の背後をも突けていました。タイミングを合わせてフィードできていましたから、精度もタイミングも十分に整えて出せていましたから十分に合いましたし、ポストプレイをして落とすのも容易に出来ていましたし、ヴァン・ブイテンが持ち上がってもチェックすら受けず、縦パスも入れられていました。パスの出所が常にフリーであることで裏を意識した攻撃を続けられましたから、シャルケには裏へ抜けられる恐怖を定着させられましたし、ディフェンスラインが一気に戻ってより厚みのない守備にしてしまうことが出来ました。さらにシャルケの各選手たちの動きは非常に重たく、守備も攻撃も運動量がありませんでしたから、深くまで戻されてしまうと、マイナス方向のパスを警戒して埋められず、チャンスを与えてくれていました。ロッベンもリベリーもそのチャンスを逃しませんでしたし、シャルケのミスからカバーリングも不十分で足が動いていませんでしたから、あっさりと先制点を奪うことも出来ました。

シャルケは直後にショートコーナーから同点に追いつけたことで、少しだけ改善が見られ、横に広がりすぎて縦に伸びていた守備陣形に多少の厚みがでるようになり、ドリブルに対してみて下がるだけでなく、足を出せるようになりました。パスの出所になるバイエルンのセントラル・ミッドフィールダーにチェックに行き、動き直しにもマークを継続していけるようになっていました。ただセンターバックのポジションが中途半端で、裏へ抜けられないためにコンパクトに保つのか、それともカバーリングを中心として抜ける動きについていくのかが明確ではありませんでしたから、フォアチェックを行えばそれだけディフェンスラインと中盤の間にスペースが出来ていましたから、ミュラーとロッベンがそこを積極的に使い、裏へ飛び出しチャンスを作れていました。そしてそれで得たファウルから二点目を奪い、リードを手にしました。

シャルケは全く集中しておらず、運動量も足りていませんでしたから、バイエルンのクイックリスタートにもついていけず、自由にボールを扱わせて走られて縦にも崩されてしまいましたし、マークすべき相手を見ていませんでした。
攻撃に回ってもボールホルダーを誰も助けようとしておらず、ボールのみしか見ておらず、周囲に誰がいるのか、何処にパスコースが作れるかを意識しておらず、足が止まって待ち構えているだけで、常にバイエルンの選手のマークを受け、チェックを受けていましたから、縦パスを含めてボールを運ぶ手段がありませんでした。シャルケの選手たちは背後を掴まえられ、後ろ向きのままボールを扱うことしかできませんでしたから、バックパスを常に考えていましたし、バイエルンはそれを狙ってカウンターを仕掛けようとしていましたから、後方の数人だけでスピード勝負を強いられ、三点目を得るきっかけになっていました。

一部でシャルケの選手が激しく背後から掴まえ、バイエルンのパスの出し手にプレッシャーを与えようとするようになってきていましたが、バイエルンは上手くそれをかいくぐっていて、手前に受けに戻ってくる動きとセットで必ず裏へ飛び出させていましたから、激しく来る素振りを見せれば見せるほど裏を意識させられましたし、裏を意識させられるとシャルケのディフェンスラインがコンパクトに保てず、スペースが広がっていました。
バイエルンが最後尾で横に動かすだけでもシャルケはゾーンの修正が追いついていませんでしたから、その間にサイドバックのラームがオーバーラップしても対応できていませんでした。セントラル・ミッドフィールダーの二人にも明確なチェックやマークがありませんでしたから、より横の変化を明確に出来ていました。そのためシャルケは全体が引いて人数が十分にいるものの、多くが見ているだけで寄せてもおらず、抑えるポイントを絞れないから向かうことすら出来ず、ふわふわとしていました。足を出さずにボールを見ているだけでしたから、簡単い前を向かせていましたし、ドリブルをされてよりボールに集中してしまい、簡単にランニングで背後を取られていました。

シャルケの攻撃はラウールの他に明確なフォワードがおらず、フラドを左に限定していることでプレイエリアが狭く、中の運動量が全く足りていませんでした。起点とできそうなポイントは右のファルファンらしかなく、そこへのパスが来ることさえ解っていれば、コンテントもパスカットのために出て行けましたし、裏へ動き出すこともありませんでしたから、より狙いを絞りやすいようでした。内田がオーバーラップをしてファルファンと連携しようとしても横並びの関係にすぐなってしまっていましたから、バイエルンは対応する人数を増やさずに抑えられ、リベリーを守備に引き戻して奔走させる効果も得られませんでしたし、むしろバイエルンがカットしてカウンターで内田の裏を使いやすくしているだけでした。

前半終了間際にバイエルンが運動量を落として、予め掴まえて前を向かせないようにしなくなったことでシャルケがようやくボールを動かして相手陣内に多くの選手を入れられるようになっていましたが、シャルケ自身に攻撃のポイントが解っていませんでしたから、ゴール前までボールを運ぶこともままなりませんでした。
後半になってからはラウールが下がり、エドゥが投入されたことで攻撃のスタイルを明確化でき、ファルファンも中へ入れたことでフォワード同士が近くサポートしあえるようになりましたし、フラドも中央にポジションを移したことでボールにからめるようになりパスを供給できるようになってきていました。ただ依然としてフォワードはしっかりとヴァン・ブイテンを始めとした守備陣が背後を抑えて自由を全く与えていませんでしたから自分たちの形を作らせていおらず、バイタルエリアも埋めていましたから安全に推移していました。

バイエルンの後半は前半よりも攻撃に出ている印象があり、前へ多くの人数をかけるようになっていました。ウイングだけでなく、セントラル・ミッドフィールダーの二人もポジションを上げて相手陣内に入っていましたから、ウイングと横並びになり、パスをスムーズに中と外へ振り分けられるようになっていました。シャルケも多少、バイタルエリアで相手を掴まえるために体を寄せてくるようになっていましたし、センターバックのチェックも間に合うようになっていて、時間を与えすぎなくなってきていました。
バイエルンはサイドバックの裏を直接狙う回数を増やすことで、シャルケが前へ押さえに出てくる反対側へ意識を向けようとしていましたが、シャルケの運動量が増加していたことで、自由にボールを扱うエリアが下がり精度が落ちてきていましたが、未だ安定してウイングを中心に中とのバランスを保てていました。

しかし守備は徹底を欠いてきて、徐々に引いて守ってしまうようになっていました。相手の背後を掴まえられているのはフォワードだけでしたから、中盤には前を向かれてしまうようになり、パスをサイドに振り分けられてしまうようになっていました。中央に二枚のフォワードとフラドがいることもあってそれへの対応のためにバイエルンは中へ絞っていましたから、横いっぱいに開いたポジショニングに対応しきれず、フリーでボールを扱わせてしまっていましたし、リベリーやミュラーが大きく下がって守らなければならなくなっていました。ただシャルケには左右への展開力に乏しく、スムーズにタッチライン際からのクロスを入れられず、入れたとしても中のターゲットを増加させられませんでしたから助かっていました。

守備で大きく下げられることが連続してしまうと、攻撃ではカウンターしか選べなくなってしまいましたから、横の関係を保ったまま相手陣内で展開できなくなりましたし、パスコースが限られていることからカットやマークを受けやすくなっていました。それだけシャルケが人数をかけて攻撃しているということでもありましたから、きちんとカウンターの形さえ作ることが出来れば、数的有利を作りやすく、得点のチャンスはしっかりありました。守備にしてもしっかりとバイエルンはバイタルエリアに人数を置いていましたから、4点目のゴール後こそ、そこが緩んで横にずらされてゴール前を空けることもありましたが、それまではしっかりと閉じて使わせてもいませんでした。

残りの時間はバイエルンが上手く時間を使いながら試合を動かし、瞬間的なスピードアップと飛び出し、それとドリブルを使ってリズムに変化をもたらしながら追加点を狙いながら上手くプレイしていました。徹底的にキープすることこそありませんでしたし、セカンドボールを拾われてからのプレッシングも遅く引く姿勢がこびり付いてしまっていましたからシャルケにも攻められましたが、迫力はなくそれだけでした。

Liga Espanola Jornadas 34. レアル・ソシエダ対バルセロナ

2011 年 5 月 1 日 日曜日

怪我でチャンピオンズリーグへの出場すら危ぶまれる報道がなされたメッシですが、その報道の後には練習にも参加していましたし、この試合にも出場をしていました。ただイニエスタやプジョルらは帯同をしませんでしたし、いくつものポジションで選手を温存していました。先発ではフォンタスとモントーヤ、チアゴ・アルカンタラが出場していましたし、ピケ、シャビ、メッシ以外は通常のメンバー構成ではありませんでした。

ケイタがアンカーに入るのかと思えるようなメンバー構成でしたが、実際にアンカーに張ったのはシャビで、慎重なボール回しをするディフェンスラインにポジションを近づけてボールを扱って試合に入っていました。ソシエダはシャビにマークをつけるつもりでいたようで、低く保っていても一定の距離を保とうとしていましたが、アンカーに入っていることでそれも徹底することは出来ず、何度もそこを経由することが出来ました。ただ構成上、モントーヤもフォンタスも攻撃的なサイドバックとしてプレイ出来る選手ではありませんでしたから、シャビを経由してワイドに展開することが出来ても、それだけでしかありませんでした。ウイングへボールを預けている間にサイドバックがオーバーラップをして追い越していられれば、大きく揺さぶるボールが効果的に働いていたのかもしれませんが、ウイングは先日のチャンピオンズリーグの試合のように大きく外に張り出して、中へ相手の守備を集めないようにしているかのようでしたから、サイドバックが上がるためのスペースを用意するどころか蓋をしてしまっていましたし、中との距離を広げてしまっていましたから、ポゼッションに参加することもままならず、ボールを受けてもバックパスを選択することしかできませんでした。

チアゴ・アルカンタラやケイタは徐々にポジションをあげて後方のボール回しから積極的に飛び出して相手のゾーンに変化を与えようと動くようになり、特にケイタが飛び出すことで中央に変化を与え、メッシがそのこぼれ球を狙ったり、引っ張ったディフェンスラインの前を利用できるようになりましたし、前後に伸ばすことでジェフレンがドリブルでカットインを選べるようになり、こちらもメッシとの距離を縮めて変化を与えられるようになっていました。チアゴも徐々にポジションをあげられるようになり、ジェフレンとボールを動かせるようになりましたし、ワイドに広がっただけの攻撃から横へボールを動かして、相手ピボーテの背後に三枚が入る姿も見られるようになりました。
バイタルエリアの利用は効果的にゴールへ迫る形を作れそうでしたが、何度かそこを利用してもウイングが中へ絞って中央の厚みと人数の増加を助けるわけではありませんでしたから、ソシエダはピボーテを下げてスペースを埋めることで簡単にそこを閉じられましたし、警戒をさせて中盤が前へチェックへで来なくなっていきました。バルサはフォアチェックやマークを簡単に外せるようになったことで後方で安定してボールを持てるようになり、ボールの支配率こそ上がっていきましたが、チアゴもケイタも縦にパスコースを得られませんでしたから変化を与えるようなパスを出すことが出来ず、ただボールを動かしているだけ、という時間が長くありました。

モントーヤが怪我をしたことでダニエウ・アウベスが予想外の早さで入らなければならなくなったのは、休ませる上では誤算でした。コンディションや運動量の面でもあまり良くありませんでしたから、この試合の中でもそれほど重要な役割を担えそうでもありませんでした。
メッシの方から左右に流れてウイングの両名と近い位置に動くことでパス交換できるようにし、変化を産み出そうとしていましたし、ジェフレンは自分のランニングでマークを外そうとし、アフェライはケイタの飛び出しに助けられて徐々にマークから解放され始め、ある程度前を向いてボールを扱えるようになっていました。チアゴとシャビが近く保つことで、センターバックに下げずにボールを前へ出せるようになりましたし、左右へ運べるようになりましたが、チアゴにはまだリズムを変える鋭いパスを期待できるほどではなく、慎重さは前を向く姿勢が足りませんでした。

ダニエウ・アウベスが後方にいることでジェフレンが中へ入り気味にプレイするようになりましたし、ソシエダも中盤が見ておくべき相手が増え、バルサも安定した支配率から見ておくべき相手が中央に増えていることで、ソシエダは中へ絞って守らなければならなくなっていました。中盤と最後尾の距離こそ縮めてスペースを消していましたから、中へ切れ込んでも複数を相手にしなければならず、ジェフレンもアフェライも外でボールを受けて仕掛けられるようになったとしても苦労をしていました。特に縦へ仕掛けて相手のディフェンスラインをゴール前へ押し下げようとする姿勢に乏しく、バックパスやマイナス方向のパスを多用していましたから、何度もディフェンスラインを整えて、押し上げさせてしまっていましたし、厚みのある中央にカットされてしまっていました。もっと縦を意識させてしまえば、ドリブル時に中央を切らずに縦を切らなければならず、それが中央に集まっている相手をのゾーンを広げることに繋がるはずなんですが、それはありませんでした。シャビのパスから先制点を得られたことは非常に良く、中盤でボールをもらう動きこそ十分に出来ていたチアゴでしたが、この得点のようなゴールへ直結する動きをしたのは珍しく、それがしっかりと出来、尚かつ得点にまで繋がったのは今後の彼のプレイスタイルにもいい影響を与えるのではないかと期待をしています。

得点から一定のリズムを得て、状況を楽に動かせるようになったことで、ジェフレンとメッシがポジションチェンジをしてみたり、メッシが右に移り、そこから中をイメージしたドリブルをしてみたり、前後に動きつつ連動をしたり、ボールを動かせるようになりましたが、ソシエダがバイタルエリアを閉じていましたから、その手前で展開することが多く、センターバックを引き出せていませんでしたから、パスの交換やドリブルでも切り崩しきる場面は見られず、手詰まりを感じさせていましたが、ソシエダにボールを扱わせていませんでしたから、それでもいいと思える内容でした。

しかし後半開始時からはバルサのボール支配はポゼッションとしても不十分なほど緩んでしまって、ボールを受けるための動き直しが減り、タイミングも遅くスピードも足りなくなってしまっていましたし、ソシエダが引いてスペースを埋めるのではなく、前から奪うために出てくるように変わったことで、二つの要因からバルサには明確に支配することが出来なくなりつつありました。特にセンターバックがスムーズに前へボールを動かせなくなり、焦りを伴った処理をするようになり、シャビがマークを外していましたし、マークを受けていたとしても奪われませんでしたから、そこへ預けてしまえば自由に動かせましたが、後方から前へボールを動かすことに手間取ることでスムーズに攻撃へ移行できなくなってしまいましたし、ウイングへ預けるにしても、それまでであればボールを受けてから対峙する形だったものが、ボールを受けるときにチェックを受けられるようになってしまいましたし、足を出されて奪われるようにもなってしまいました。
ソシエダが前へ向かいながら守備をし、高い位置から奪い返そうとすることで、奪ってからすぐにカウンターをされ、スムーズにそれらをやられるようになりましたし、バルサは緩慢な動きでそれを後ろから追うしかありませんでした。攻守の切り替えも曖昧でしたし、足が止まっている状態で奪われていましたから、守勢に回ったときにどうしても先手を取られ、ドリブルもされましたし、それを見るばかりで背後も取られてしまいました。シャビがきちんとセンターバックが動いた後を埋めてくれていましたから問題を大きくしていませんでしたが、サイドバックが簡単に裏を取られ、センターバックが引き出されてしまっていました。
一度はキーパーにまで戻すことで安全にボールを動かすことでソシエダのチェックに対する意識を削る事が出来ましたが、バルサもどんどんとボールを受けるための動きをしなくなって緩んだ動きしかしませんでしたから、背後へ抜けられてもしっかり追いかけず、スペースを埋めてクロスを未然に防ぐことも出来ていませんでしたし、マーカーが抜かれた後の対応をできる形にもなっていませんでしたから、足を止めた状態のまま全力で向かってくる相手に対応できるわけもなく、ファウルにしてしまい、セットプレイから同点に追いつかれてしまいました。一度リードしたことでペースを落としてしまって、そこから自分たちの形を失い、相手の勢いに押し負けて失点をする。今季に何度も見たミスをこの試合でも繰り返してしまいました。

バルサは同点にされてからようやく動きに緊張感を取り戻してきたかに見えましたが、十分ではありませんでした。同点にい追いついたことで仕切り直しでソシエダが一時的にゾーンを構築してくれたからこそ、そう見えただけで、一度緩んでしまったことでパススピードも不十分でしたし、ポジションの取り直しもまだまだ足りていませんでした。ただ中盤の飛び出しから攻撃に何とか繋げようとしていましたし、ウイングとサイドバックの距離を縮めて連動を目指していましたから、その時間帯に得点を取れていれば立て直せていたかもしれませんでした。実際にフリーキックからガブリエル・ミリートのゴールが認められていれば、そうなったのかもしれませんが、オフサイドの判定を取られたことでリードできませんでした。

メッシを頼んでボールをそこに集めようとしていましたが、本来は温存されるべきコンディションですから、瞬間的にスピードアップすることが出来ず、ドリブルのスピードもキレも本来のものではありませんでしたから、他のパススピードの遅さや、ダイレクトで与える変化、リズムの変化もないことで助けにならず、ゴールに迫ったとしてもそれ以上を彼一人に頼ることは出来ず、守備を引きつけたとしてもアフェライは縦を意識せずに中へ入りすぎていましたから、せっかく相手を引きつけてもそこへ突っ込んでしまっていました。

そして守備陣の気の緩みも問題で、フォアチェックを受け、バルサの選手たちがそれを受けるためのポジションの取り直しに時間がかかるにもかかわらず、後ろで無理に繋ごうとしてしまっていましたし、ピントの足下の技術ではそれも困難だったんですが、それでもしようとしてしまっていました。それが深い位置で奪われることに繋がり、PKを与えることにもつながり、逆転を許してしまいました。

その後もバルサは選手交代を後方の選手たちのために使い切ってしまっていましたから、攻撃にかかる交代が出来ず、変化も与えられませんでした。アフェライは終始ドリブルから戻す、あるいは中へカットインしてスペースのないところへばかり向かってしまっていましたし、右はメッシと絡んだとしてもそこへゾーンを集められていましたからスペースがなく、サイドバックがウイングを追い越していく姿がなかったことに象徴されるように致命的なまでに縦への仕掛けがありませんでした。まるでチャンピオンズリーグ第二戦への予行演習でもしているかのように崩す気迫を感じられない試合でした。

幸運だったのはこの試合で勝ち点を落としたにもかかわらず勝ち点差が縮まらなかったことで、もしかするとこの試合の前にそれが行われていたことでバルサの選手たちに油断が出来ていたからこそ、この試合展開になったのかもしれません。ですが勝ち点が縮まらなかったとしても、リーガの行方が決まっていたとしても、それで仕方ないと出来るほどの内容ではなく、相手がバルサを上回って防ぎようのない敗北ではなく、同じミスの繰り返しでの自滅でしたから、そこだけは何とかしていないといけないと思える試合内容でした。

UEFA Champions League Semi Final 1stLeg レアル・マドリー対バルセロナ

2011 年 4 月 28 日 木曜日

■Real Madrid 0 – 2 FC Barcelona
バルセロナは怪我人が多く、特に左サイドバックに出場を本職とする選手がいなくなっていましたから、誰が出場するのか懸念されていましたが、プジョルがこの試合に間に合わせたことでここに入り、マスケラーノをセンターバックに入れることでディフェンスラインを構成していました。イニエスタが欠場したポジションにはケイタが入り、ここは順当なものでした。マドリーも出場停止でリカルド・カルバーリョを欠いていましたから、センターバックにはアルビオルとセルヒオ・ラモス、怪我のため離脱したケディラのポジションにはラサナ・ディアラを入れて運動量をより高めていました。

マドリーの中盤はラサナ・ディアラとペペを前に、シャビ・アロンソを三枚の中央で後方に残すような形と言ってもいいようでした。運動量があり、対人線に強い二枚が前でプレッシングをし、積極的に体を寄せて奪いに来ていることでマドリーはディフェンスラインを高く保ちやすく、コンパクト二試合を運ぼうとしていました。特にラサナ・ディアラのチェックは素早く、ファーストディフェンダーとしても機能していましたし、ケイタやチャビなどを的確に捉えて、これまでペペが一人で担っていたような役割を分散することでより強固になっていました。シャビ・アロンソはメッシを主に見ているようで、左右に流れる彼についていくことも多くありましたが、徹底したマンマークではなく、左右へ引っ張られ続けることはありませんでした。

マドリーの中盤に豊富な運動量とフィジカルがあることでボールを運ぶ難しさは変わりませんでした。バルサのディフェンスラインとアンカーには一定の猶予を与えてくれているものの、そこから持ち上がろうとしたr、受けに戻る中盤に対してはしっかりとマークがついていて、チェックも受ける。バルサはフィードでペドロに渡すことでアルベロアの横を使おうとしていましたが、左サイドバックがプジョルで、オーバーラップも控えていましたから、ウイング一枚で勝負しなければならず、サイドバック一枚で対応されてしまっていました。バルサは左だけではなく、右のダニエウ・アウベスにもオーバーラップをさせずに自重させていましたから、左右両方でウイングがタッチライン際に開いて相手のゾーンを広げようとしているかのようにいるばかりでした。ただマルセロもアルベロアも無理にはそこへ開いてゾーンを広げてしまいませんでしたし、バルサのパスコースがそこにしかない以上、タイミングを見計らって寄せるだけで限定できましたから、バルサもそこを起点にして収めようとすることはありませんでした。
バルサがサイドバックをあげて二枚で切り崩しにかかっていないことで、ディ・マリアもそれほど戻りませんでしたし、マドリーのピボーテもディフェンスラインと距離を縮めて二枚で対応するような場面が少なく、中のコースを切りきれずにビジャにカットインを許すなど、バルサは自重することに寄ってできるスペースを利用する目的があったようでした。

バルサは徹底して無理に上がらず、ケイタ、チャビ、メッシに相手のピボーテ三枚のマークを集中させながらも、後方でボールを扱う回数と時間を増やして、効果的ではないパス回しをすることによってフォアチェックの労力を相手に与えて左右へ揺り動かしていました。特に中盤のマークは厳しくフィジカルコンタクトも生まれていましたから、チャビが下がることで相手を引っ張れる状況でしたし、それを利用してブスケツが出てきたピボーテの背後を取る素振りもあり、ゾーンではあるもののマンマーク気味に掴まえようとするそれと、近い距離を保とうとしているからこそ徹底しなければならない守備を、パスを繋ぎ続けることで不徹底にまで持ち込もうとしているようでした。この試合のバルサのパススピードは素早く問題のないもので、カットを狙われるようなものではありませんでしたし、無理に縦へ入れようともしていませんでしたからポイントも絞られなかった。無理にコントロールしようとせず、ダイレクトでも動かしていましたから、徐々に苛立ちを与えていました。特にクリスチアーノ・ロナウドはチェックをパスで逃げられることを露骨に嫌がっていましたから、一人が徹底しなくなれば、そこを中心に動かすことで自由な時間を増やせますし、自由な時間が増えれば、ここまでの二戦よりも自由にポジションチェンジをしているメッシがサイドバックの前であったり、ピボーテの裏、あるいは横にポジションを取れるようになっていく。
マドリーはディフェンスラインを前へ押し出すことが出来ておらず、タッチライン際に開いたウイング高さを合わせていましたから、フォアチェックに労力を傾けているピボーテとの間にはスペースがあり、セルヒオ・ラモスも距離が伸びているために出てこられず、バルサはそこを利用することでスピードアップすることが出来ていました。ただゴールに迫ろうとする気迫や、得点を取るために人数をかけているわけではありませんでしたから、チャビやケイタのボールを触る位置が上がったとしても、相手陣内で推移する時間が増えただけでした。無理にサイドバックらを含めて押し上げないことでスペースを埋めさせないようにして、4枚のディフェンスライン横にサイドアタッカーを戻らせて6枚、そしてピボーテ3枚がその前を埋めてパスもドリブルも出来ない環境を作ってしまわず、引き出しながらプレイしているようでもありました。

徹底して動かすことでダイレクトで離さなければならなかったチャビがコントロールして前を向ける様になってきていましたし、ペペやシャビ・アロンソ、ラサナ・ディアラも徹底してつくのではなく、少し距離を置いてパスを出された後に対処するように姿勢が変わってしまい、メッシの中へスライドするドリブルを許してくれるようになっていましたし、チャビがフォワードの位置にまで飛び出すのを許してくれるようにもなっていました。
セルヒオ・ブスケツに至っては歩いて持てるほどになっていましたし、チャビが戻って受けてもマークは付いておらず余裕になっていました。徹底して付いていけば引き出されること、アンカーらが持ち上がってくるものにチェックすれば背後を取られること、そういった状態が作れるようになっていましたから、背後を取らせてもらってパスやドリブルも出来るようになりましたし、スピードアップも出来る。ただそれを作るためにバルサは間へへ人数をかけず、全体を下げてプレイしていましたから、3トップで勝負してもらわなければならず、数的に依然として不利でしたから崩すのは難しいままでした。

マドリーはそれらとバルサのファウルの要求に苛立っていましたから、バルサがこれまでの試合で苦手としていたセットプレイをクイックに始めて処理をしやすくしてくれましたし、ボールを動かし続けられることで得カウンターに鋭さが無く、それぞれの縦を塞ぐことで抑えられましたし、弱点となっていたファーサイドのケアもプジョルがいることでしっかりと止められていました。
バルサはよりファウルを誘い、カードを審判に出させようとプレイしていましたから、その苛立ちがマドリーのプレイ精度を落とすことに繋がっていましたし、ボールを左右に動かし続けたことで修正の速度が落ち、マークもチェックも不徹底になり、ディフェンスラインもペナルティエリア付近に張り付き、コンパクトに保てなくなっていました。ディ・マリアもエジルも距離が遠く、マークすべき相手が上がってこないことでこれまでのように戻ってこられませんでしたからスペースは依然としてあるままでした。

ただファウルの要求と過剰な倒れ方、それに対する抗議や小さな報復も繰り返されていましたから、ハーフタイムには乱闘じみた状態になり、レッドカードも出てしまいました。

後半開始時にアデバヨールを投入したマドリーは、カウンターには依然として鋭さを出せていませんでしたが、明確なポイントを与えることで、そこにフィードを出させて落とさせていましたし、少ない手数でバルサのセンターバックを慌てさせようとしていました。バルサも狙いを絞って守らなければならなくなっていましたから、他にスペースが空きやすく、クリスチアーノ・ロナウド相手には不徹底になりがちでしたが、プジョルがいることで三枚できっちりと守れましたし、ダニエウ・アウベスも上がっていないことで裏を取られてもすぐにカバーできて問題は大きくなりませんでした。ただペペもそのフィードを落とすべく高い位置を取り、アデバヨールと二枚で高さの勝負を仕掛けることで難しくされてしまいましたが、それはマドリーにとっては守備のコンパクトさを失うことでもあり、マルセロも攻撃に出てこようとしていましたから飛び出しやすい環境を作ってくれていました。ただフォアチェックに勢いと徹底、それと人数が加わったことでバルサが安定して利用できていた最後尾でのボール回しにミスが伴うようになったことのみが不安材料でした。

バルサのポゼッションへの対応はあまりされておらず、マドリーは嫌がってチェックに出てきていましたが、ディフェンスラインは連動してあげられていませんでしたし、ピボーテとセンターバックの高さが曖昧になり、メッシがバイタルエリアで受ける手助けをしてくれていましたし、そこで受けることが出来れば戻りながらの処理をして、チェックとカバーの明確な関係も作り切れていませんでした。メッシはピボーテの背後でボールを受け、前向きでプレイする回数を増やしていましたし、すぐにチェックに来られないことでパスとドリブルの選択肢を得ながらプレイできていました。無尽蔵に動けるかのようなディ・マリアはチェックに出られても、他の選手は消耗が激しく、バルサの縦のスピードに対応できなくなってきていましたから、ゾーンがずれて選手間も距離を保てずばらばらになっていました。

その中でペペが退場になり、モウリーニョも退席処分になったことで一気にマドリーのバランスは崩れてしまいました。ペペがそれまで参加していたフォアチェックにまるで勢いが無くなり、中盤の構成も一枚減ったことでピボーテの横に広大なスペースが存在するようになった。チャビに寄せにくるのはラサナ・ディアラだけになっていましたし、一人だけでは、近くにいるケイタやセルヒオ・ブスケツとの細かなパス交換だけで簡単に外されて追いかけることすらさせてもらえなくなっていました。むしろピボーテの背後に入られるスペースを空けてくれるだけで、ドリブルの持ち上がりに対してもスピードを落とすべく動き選手が少なくなり、ずるずると下がっていくようになっていました。下がってブロックを構築し、待ち構えようとするだけでしたから、バルサは全体を押し上げて連動することすらできるようになっていました。

やはりマドリーにとって致命的になったのはピボーテの横にあるスペースで三枚であれば何とか対応できていましたが、二枚になったことでメッシを掴まえておくにはあまりにも距離を空けすぎてしまうようになり、ドリブルを簡単に許してしまいました。一度は中を切りつつ寄せたことでなんとか守ることが出来ましたが、スピードに乗られてしまったことでセンターバックとは別の動きをしなければなりませんでしたし、サイドバックのマルセロも中へ引っ張られてしまい、アフェライをフリーにしなければならなくなっていました。一度は止められたものの、アフェライの突破からメッシが中で合わせて先制点。

バルサは一枚少ない相手を揺さぶり続け、左右を幅広く保ち、パススピードも落とさず、相手の出てこれないようにタッチライン際いっぱいまで使い、中央を経由してサイドチェンジをする。出てくればその背後を使ってボールを扱い、押し戻す。走って寄せるのが無駄になるように延々とボールを動かす。寄せては外し、戻らせて、戻す。相手を消耗させるための戦い方に専念しているようでした。
消耗して足が止まったところへメッシが仕掛けたドリブルには対応しきれず二点目。

バルサは効果的ではないポゼッションを効果的に動かし続けることによってマドリーに消耗を強い、自重することによってスペースを作りだし、忍耐強く、長いスパンを見てチャンスを得ようとしていたのかもしれません。待ち構えてカウンターを狙うマドリーに、待ち構えるだけでは試合を動かせず、出てくる必要性があることを示しているかのようでもありました。

Bundesliga 31. Spieltag フランクフルト対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 4 月 24 日 日曜日

■Eintracht Frankfurt 1 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンのボールの動かし方は前節よりも明確になっていました。ティモシュチュクがシュバインシュタイガーと横並びにならず、彼よりも後ろにポジションを取ることでセンターバックとの距離を縮めて、そこからのボールを受けて前を向きやすくしていました。サイドバックへ預けてフランクフルトはそこへも素早く寄せて縦のコースを塞いで前を向かせないようにしていましたから、サイドバックからではなかなか展開するポイントを見つけられませんでした。そこで安定して中盤の底へ預けることによってディフェンスラインのみでボールが交換されるだけ、という状況を作らずに済みました。しかしながらそこから先というのが見つからず、ウイングにしてもボールを受けられず、マリオ・ゴメスの下にクローゼを置いていましたが、彼も縦パスを受けられるような動きをしておらず、センターバックにしてもポゼッションを使用とするよりも単純なフィードによって裏を取ろうとしていました。
前との距離が開いていることで、ウイングへボールを預けられたとしても、中でボールを受けられるようなポジションに選手が足りず、サポートを得られませんでしたから、タッチライン際に押し出されて窮屈なプレイを強いられていました。ただここもバイエルンは改善できていましたから、ウイングが外に張り続けず、中へポジションを柔軟に移すことでサイドバックを高く保ち、幅広い選択肢を得たまま中へのサポートも得られるようにしましたし、横の選択肢を確保できたことでバイタルエリアでクローゼらもボールに触れるようになりました。クロスに対応する人数の増加にも繋がっていましたし、スルーパスにしてもミュラーはサイドバックとセントなーバックの間を割れる動きが出来ていましたから、ゴールに直結する動きになっていました。
もう少しティモシュチュクとそれより前のポジションが縮まれば、ワイドレンジにボールを配球して相手に的を絞らせず素早い展開が出来ていたのかもしれませんが、現状ではフィードやサイドチェンジに頼らざるを得なくなっていることがバイエルンの攻撃のバリエーションとスムーズさを減少させていました。

守備時にもティモシュチュクがセンターバックの前を埋めている時間が長いことで、ヴァン・ブイテンもルイス・グスタボも前へ引き出されて裏を取られる回数が減っていましたし、彼が縦のコースを切る事でドリブルをされてもチェックとカバーの関係が出来上がり、サイドバックの裏を取られても適切なタイミングでカバーリングが出来、戻りながら窮屈な処理を強いられることなく、中央を空けてしまうこともありませんでした。
ただ前節に比べればディフェンスラインの押し上げが遅く、低く保たれてしまっていました。ティモシュチュクを含めたディフェンスラインとそれより前のアタッカーとの間に距離が出来てしまっていることが構築の時にパスを繋げない要因になっていましたし、守備に回ったときには分離したそのスペースでドリブルをされ、スピードアップするポイントとして利用されてしまっていました。一人がアンカー気味に残っていたとしても、その両脇にはスペースがあるわけですから、アタッカーの協力が必要になってくるんですが、それがこの試合は足りずに後ろに任せっきりになってしまっていました。サイドバックがそのスペースを埋めようとでてしまえば、引き出されてしまうことと同じことになり、裏に広大なスペースを用意してトップスピードの相手に飛び出されてしまう。一同らへボールを出されて飛び出されてしまうと、クロスの対応のために下がらなければならず、守備のメンバーはペナルティエリア付近にまで簡単に戻されてしまう。そうなれば前後の分離が一段と進んでしまう。

裏へ飛び出され、セントラル・ミッドフィールダーでは抑えられないポジションに侵入されることが繰り返されると、スピードアップしたドリブルを掴まえられなくなり、センターバック両名が後方に残って対応できていたものが、引き出されてしまうようになり、サイドバック裏へのボールにカバーリングも出来なくなっていきました。フランクフルトはバイエルンのセンターバックの背後にもフィードを入れて競争させていましたから、走らされることで、バイエルンはせっかく整えられるように改善されつつあった守備を全く活かせず、戻りながら処理するようになり、ずるずると下がってより前後の間延びを生じささせてしまうようになりました。
間延びさせないように中盤がフォアチェックが出来ていればよかったんですが、ディフェンスラインが下がっていることでコンパクトに保てず、それが出来ませんでしたし、中盤の選手たちもそれぞれを掴まえ、素早く寄せられるようなポジションも取らず、フォワードもチェイシングを徹底していませんでした。コースを塞ぎながら連動して寄せられておらず、一人が向かっても、それによって出来る新たなコースに簡単に逃れられてしまっていました。一度前へ展開されると戻る距離が長く、サイドバックの手助けになるほど大きく戻ろうともしていませんでした。それらはフランクフルトが手数をかけず素早く攻撃を使用としている影響もありましたが、追いかけないことで苦しくさせているのは事実で、クロスを上げさせない守備は出来ておらず、クロスは簡単に上げさせてしまっていました。ただセンターバックが予め外へ引き出されてしまう守備だけはきちんと改善されていますから、クロスを上げられてもニアで先に触れましたし、抜けたとしても数的な問題を抱えているわけではありませんでした。

攻撃面にも徐々に間延びの影響が大きく響くようになり、それまではミュラーのドリブルの仕掛けに合わせてラームが追い越しマークを分散させることも出来ていましたし、リベリーの中へのランニングにコンテントが合わせるなど、縦の連携が横の変化を作って相手を混乱させることが出来ていましたが、間延びからスムーズにボールがでなくなるとシュバインシュタイガーにマークをつけられてキーパーに下げる回数が増えましたし、そういった状況が作られてしまうと、サイドバックは思い切ったオーバーラップが出来ず、ウイングの仕掛けに間に合わなくなっていきました。
連動が出来なくなると、ウイングの外から中への動きに対して相手が揺さぶられなくなりましたし、フォワードへ預けて相手センターバックの前でパス交換から裏へ抜け出そうとするパターンもきっちりと押さえられてしまうようになりました。フランクフルトの守備陣に背後からきちんとマリオ・ゴメスを始めとしたアタッカーを徹底して掴まえられてしまうことで振り向けず、ポストプレイこそ出来てもその後動き直すことが出来ず、裏へも度日出せず、窮屈にプレイさせられ囲い込んでカットされるようになってしまいました。もう少しサイドバックが上がり、ラインを押し上げるだけの時間をかければその問題が出ることはなかったのかもしれませんが、あまりにもクイックにカウンターへ急ぎすぎているように見えましたから、単調なフィードも増えて手詰まりな状況を作っていっていました。

守備もボールを受けに戻っていくフォワードに合わせて、ヴァン・ブイテンがマークの受け渡しをせずに個人でどんどんと上がって自分のエリアをオープンにしてしまう回数が増えてきていました。そこをティモシュチュクが埋められるわけでもありませんし、ラームも自分のマークすべき相手がいるために出来ず、センターバックの一枚が空いてしまっていました。非常に危険で、そのタイミングでラームの裏を使われるとカバーリングもなくなってしまう。常にその状態というのでなく、ティモシュチュクが相手を掴まえて抑えられていましたし、フォワード一枚をセンターバック二枚で見ている状況もあるから、問題は大きくはありませんが、前節のような守備の必死さはまるでなく、囲い込んだり、足を出して守る、フィジカルコンタクトをいとわないような守り方は確実に減ってしまって、ドリブルに対しても足を出して止めにいくとか、スピードを落とさせるための守り方ではなく、見ているだけになっていました。

後半開始時がバイエルンにとって最も大きなチャンスになっていたのは、フランクフルトの守備ブロックが大きく下がったことが原因でした。前半はディフェンスラインに対してもプレッシャーがいくらかありましたし、サイドバックに時間を与えることも少なかったんですが、立ち上がりはまるでチェックに行かず、自陣に入っても待ち構えているだけで、縦のコースやパスコースも限定せずに、ただひたすら待つだけになっていました。ウイングへのマークも遠く、狙いすましてフィードを出せる時間を与えてくれていましたから、マリオ・ゴメスが得点機となる飛び出しができるほどの余裕が全体にありました。

この緩さは、バイエルンが裏へより抜けやすい環境を作り、フランクフルトが裏を警戒してさらに下がり、自分たちの前へフォワードを置いて守ろうとしたことで、よりバイエルンが有利になっていました。トップスピードで走る選手に一瞬の加速で勝てるはずもなく、ディフェンスラインをどんどんと下げなければならなくなり、ペナルティエリア内に簡単に入って守るようになっていました。バイエルンはあまりにも下がった相手に対してフォワードがしっかりと向かってしまったため、スピードを活かせるほどのスペースを失ってしまい、深い位置で停滞してしまいやすくなって、動きによって変化をもたらしづらくなってしまいました。足が止まったところで受けたとしても、パスの距離も同じく伸びてしまっていましたから、受けるまでにでてこられて寄せられてしまいましたから、ドリブルで変化をつけてマークを振り切る、そして相手の視線を引きつけてしまわなければ崩すのは難しくなっていました。しかしそれは後方の選手がフォワードと同じ位置にまで上がってしまうことでしたから、攻撃の厚みを失って中央に殺到する戦い方で、渋滞にバイエルンの選手が殺到し、相手のブロックに突っ込んでいるようなものでした。
厚みを失った攻撃では一度跳ね返されると守備陣との広大なスペースを利用され放題になっていましたから、カウンターから一気に裏を取られかねず、バイエルンのディフェンダーは踏みとどまって対応することが出来ず、リトリートしてしまう。オーバーラップのスピードと戻るスピードでは明らかにフランクフルトの方が有利に立っていましたから、ファーストディフェンダーがかわされてしまえばファウルで止めざるを得ず、そのセットプレイから先制点を許してしまいました。

バイエルンの攻撃は失点以前から単調になり始めていましたが、フランクフルトの不味い守備もあって目立つほどではありませんでした。先制されてからはフランクフルトの守備が立て直されて、センターバックにも自由を与えないほどチェイシングをするようになっていましたし、サイドバックにも前を振り向かせてしまっていましたが、きっちりとチェックに行くことでミスを誘い、バイエルンは無理に展開しようとすることで失い続けていました。
ロングボールでサイドを変えるのは悪いことではありませんでしたが、中央を経由しないゆっくりとしたロングパスではあまり効果がありませんでしたし、それよりも多い単調なフィードを相手の裏へ放り込むだけでは、リードしている相手に時間を使う手段を与えているようなものでした。

守備でもゲカスやハリル・アルティントップらに引っ張られてセンターバックの二枚はオフサイドを取れず、一気に引っ張られてペナルティエリア前まで戻らされて、たった一本のフィードで攻撃が作り直しになってしまっていました。そして間延びした最後尾から攻撃を作らなければならりませんが、ティモシュチュクが一枚で支えている中盤にシュバインシュタイガーは参加してもそれ以外が連動することは希で、リベリーは苛立ちから相手にラフプレイもしていましたし、選手の殆どは審判の判定に文句を言うことにのみ全力を使うようになっていました。
少しずつフランクフルトが前で守備を出来なくなり、フォアチェックが自陣内に戻ってからしか行えなくなったことでバイエルンの最後尾には時間が与えられました。それでもフィードでそのポイントが下げられてしまうのは帰られませんでしたから、一気に戻されて焦りからクイックに展開しようとしてボールを失い、フォアチェックをしやすい状況を作られてしまう。
バイエルンの焦りがファウルとなって試合が途切れ続けていましたから、フランクフルトにボールへ対してしっかりとプレッシャーを与えに向かう集中力を取り戻させてしまっていました。ディフェンスラインはフラットで厚みを持てていませんでしたが、縦パスが入りそうな瞬間には前へ出てチェックに来ていましたし、ドリブルをする相手にはボールに向かって奪取を狙う、足を出していく。パスコースまでもを防げているわけではありませんが、きっちりと体をぶつけてコースを限定していることでプレッシャーにしていました。バイエルンはドリブルが中へ中へと向かっていくばかりで、外へ開いて相手を広げる努力をせず、得点に焦ってしまい過ぎていましたから、フランクフルトの守備が厚みを失って、中へ集められても、そこへ向かっていってしまう。フィードにしてもクロスにしても、中央へ人数が集まっているところへ出していましたから効果的ではなく、ファーサイドにまで持っていって初めてチャンスになるくらいでした。如何に素早くその形に持っていけるかということだけでしかなく、ドリブルへの警戒も少しずつ必要としなくなっていましたから、フランクフルトが少しずつゾーンとして形を取り戻していく手助けをしていました。中央の三枚も縦パスを受けて振り向いて仕掛けるわけでもなく、相手の背後へボールを出すだけ、あるいは、相手ディフェンダー前を横にボール動かすだけで、引き出してギャップを作ろうという動きも足りていませんでした。殆どパワープレイでしたから、キーパーやセンターバックがそれを意識していれば、余程のピンポイントでなければ通らない状況になっていました。

その間にもフランクフルトにはカウンターをされ、バイエルンの守備はそれを容易にさせるほどマークが緩く、相手に走られていました。攻撃のみしか考えられておらず、守備で奪い返すことで連続して押し込み続けることを意識していませんでしたから、必死さはまるでなく、走られるままに許していましたから、ゲカスさえミスをしなければ勝負が決まる形をも作られてしまいましたし、その後も何度もあり、試合が中断しているのかと思うほど守備に走らず歩いている姿すら見られました。

ただ審判に対してのみ必死にアピールをし続けたことが実ったのか、コーナーキックからPKを得て同点にすることができましたが、その後、さらにパワープレイからゴールに直結するプレイを狙ったものの、それ以上のおまけを得ることは出来ず、勝ち点を落としてしまいました。この試合より前にチャンピオンズリーグ出場権を争うハノーファー96は勝利を決めていましたから、順位が入れ替わりバイエルンはチャンピオンズリーグ圏内から転げ落ち、自力での出場権獲得が不可能になりました。

Liga Espanola Jornadas 33. バルセロナ対オサスナ

2011 年 4 月 24 日 日曜日

■FC Barcelona 2 – 0 CA Osasuna
バルサはミッドウィークの国王杯を戦い次のミッドウィークにチャンピオンズリーグを控えている関係上メンバーを変更して試合へ挑むことになっていました。さらにアドリアーノの怪我から左サイドバックに関しては変更が必須になっていましたから、マクスウェルを起用する以外の選択肢を持ちませんでした。先発から外れたのはピケ、イニエスタ、シャビ、メッシ、ペドロ。交代で入ったのはガブリエル・ミリート、チアゴ・アルカンタラ、アフェライ、ジェフレン。メンバーを大きく変更したこともそうですが、重要な試合の谷間であることも難しくした要因だったのかもしれませんが、スタジアム全体を含めた雰囲気もどこか緩いものでした。

バルセロナの立ち上がりは慎重でもありましたし、気持ちが入ってもいませんでした。オサスナが待ち構えず、フォアチェックをかけてミスを誘おうとしているのも影響していましたが、気の緩みやコンディションの悪さも強く影響しているようでした。パススピードが上がらず、プレッシャーに簡単に負けてバックパスをしてしまう、それをオサスナに狙われてカットされてカウンターも受けてしまう。オサスナは前へ人数をかけてフィードを入れてセンターバックと競らせたり、そこにチェックを書けて最後尾からの構築をさせない、サイドバックの前を塞いでしまう。守備を構築するための一通りの形を実践していました。バルサの中盤ではセルヒオ・ブスケツが出場していましたから、彼が展開を出来ればスムーズにボールを運ぶことが出来ていたのかもしれませんが、この試合の彼の出来はかなり悪くボールを失うポイントにもなっていましたから、それらのプレッシャーをかいくぐれていませんでした。サイドバックの前を塞がれることでテンポを上げられず、オーバーラップも出来ないことで前へ人数を増やすことも出来ませんでした。ただオサスナの守備は、前へ向かってこそいるものの、体を密着させるマークや足を出して積極的にボールを引っかけようとしていませんでしたから、その部分で助けられていました。

バルサはディフェンスラインとキーパーでボールを動かすことにも苦労していましたが、オサスナのフォアチェックが前向きに書けようとしている関係上、中盤にスペースが空きやすく、さらに彼らのディフェンスラインはフォアチェックに連動して押し上げようとしていませんでしたから、ドリブルで進入しやすくスピードアップしやすい環境を作ってくれていました。アフェライやジェフレンにはそのスペースでのドリブルを期待して突破することで、フォアチェックをしている選手たちをも押し下げることを期待したいところでしたが、ジェフレンは対面しているサイドバックに完璧に抑えられてしまいましたし、仕掛けるタイミングとバックパスで戻すタイミングが不明確で、フリーであっても下げてしまっていましたし、後ろが窮屈であっても仕掛けられないなど、思い切りと試合勘の無さが目立っていました。チアゴやケイタは縦パスを入れてスピードアップさせようとすることこそありましたが、回数はそれほど置くありませんでしたから、それほど全体に変化をもたらすことは出来ていませんでした。ビジャもアフェライもバイタルエリアに入って、縦パスを受けられていましたから、もっと多く利用できていれば、スピードアップするきっかけに出来ていたかもしれません。

バルサのポゼッションが上手く行かない理由として、ボールを受けるためのポジションの取り直しが少なく、ダイナミックにする必要はありませんでしたが、小さく相手のゾーンの隙間に入る動きもありませんでした。特に中央でそれがなく、外へ出さなければならなくなっていましたが、外へ開いても中へ戻す先が見つけられず下げられる原因になり、ミスの多いセルヒオ・ブスケツが触る回数を増やす原因にもなっていました。ケイタが中でしっかりとポジションを取ってサイドからリターンを受けられるように動いていましたが、彼にマークをつけられてしまっていたことで、なかなか利用することが難しくなっていました。
奪われる位置が悪いことでバルサも攻守の切り替えからスムーズにフォアチェックに移行することが出来ず、自分たちの間合いとペースで守備が出来ていませんでした。オサスナがカウンターを目的とした奪い方をして、そのままカウンターにでられていましたし、背後を取りやすく、そこへボールを出せるほどプレッシャーをかけられませんでした。センターバックが相手を掴まえるよりも早くパスやフィードをされてしまいましたし、落とされて拾われてもしまっていました。ディフェンスラインも整えきれず、オフサイドを取れない状況で背後を取られていることも頻繁にありましたし、マスケラーノのカバーリングとチェックの的確さが無ければ異常に危険な守り方でした。

流れを全く掴めず、リズムの変化をもたらせない中で先制点を奪えたのは大きく、焦りが出てしまってからでは試合そのものを落としかねない内容でした。得点自体もここの所ゴールから遠ざかっていたビジャが決めましたし、今後の試合に向けてこれで一つ吹っ切れれば、と思えるゴールでした。
しかし攻撃面でいえば、ジェフレンはドリブルで抜けませんし、セルヒオ・ブスケツも一向にプレイ精度が上がらず、アフェライは得点に繋がるドリブルこそよかったものの、ゴールに近い付いてしまうとボールを受けた後の動きにアイデアが無く、すぐにパスを出してしまいますし、チアゴはミスを恐れて積極的な縦パスもドリブルでの仕掛けもなく、横へボールを動かすだけになっていましたし、フリーランニングで飛び出すわけでもなくなっていました。ケイタが球際の激しさをもたらしながらミスを減らすボールタッチもしていましたが、彼一人が安定していたとしてもどうしようもありませんでした。

バルサは守勢に回ったときにバイタルエリアを埋める選手がおらず、ディフェンスラインはリトリートしてしまい気味でした。後ろへ下がるセンターバックの前で相手の勢いを殺し、ラインを踏みとどまらせる役目の選手がおらず、自由に利用させてしまっていました。そうなると余計プレッシャーが相手にかかっていないことからディフェンスラインが足を止めるポイントを失ってずるずると下がってしまう。セルヒオ・ブスケツの横の運動量が少ないことがディフェンスライン前を使われる要因にもなっていましたし、チアゴの守備貢献が少ないことも彼の負担を大きくさせてしまっていました。ジェフレンやアフェライにしてもビジャとペドロほど深く戻ってきませんでしたから、クロスを入れられる場面があれば、ファーサイドに人が足りず触られてしまいますし、中央にも厚みをつけられず、先に触られる要因になっていました。フォアチェックはビジャを中心に出来ていましたが、後方の対応は悪く、ビクトル・バルデスが止めたからこそ同点に追いつかれませんでしたが、セットプレイやクロスから危険な場面を度々作られてしまっていました。

後半開始時にイニエスタを投入したものの、大きな変化をもたらすことは出来ず、ダイレクトでボールを動かそうとするようにこそなりましたが、それも上手くいっていませんでした。交代した位置がそこではありませんでしたから、守備の問題点も依然としてあり、アンカーが埋めるべきスペースが多すぎて埋め切れていませんでした。そこで自由に持たれて裏へパスも出されていましたし、フィードを受けられてしまうこともありました。ドリブルの仕掛けもキープも許していましたから、緩さが最も出ている部分でした。

前半から多少はチアゴがサイドバックのサポートのために外へ出て行くようになりましたが、それでも一度パスを交換すれば終わってしまっていましたから、連続して中と外でボールを動かして相手ゾーンを動かしてテンポアップすることが出来ておらず、チアゴは特に勝負をしない横パスばかりを出すようになってしまっていて、全体へボールを配球しているようでもありましたが、縦パスを入れて勝負を仕掛けられるタイミングを何度も逃してしまいましたし、奪われる責任を回避しようとしているかのような消極的な姿勢に見えました。

メッシが入ってからは、ようやくそこへ収めることで起点として使い、スピードアップすることも可能になりましたし、全体がメッシにボールを預けることを目的としてパスを動かすようになったことで、狙いを持ったパスが出来るようになり、パススピードも上がったようでした。カウンターの際にもそこに収めてしまうことで、一気にゴールに向かっていけるようになりましたし、縦パスも入るようになっていました。前へスムーズに向かっていけることでバルサの選手たちの足が動くようになっていましたから、攻守の切り替えもスムーズになり、フォアチェックがかり、後方も一定の高さを保てるようになり、ある程度コンパクトに、使われるスペースを減少させられました。

ガブリエル・ミリートの負傷交代は誤算だったはずですが、シャビが入ったことでスムーズにボールを左右へ動かせるようになり、ポゼッションも安定していきました。チアゴを一列あげてイニエスタとポジションチェンジをしながら利用することで中盤では奪われない形にすることができましたから、両サイドバックを高くワイドな位置に置いて、左右へ展開先を用意できるようになりました。特にマクスウェルが上がってくることでマークを分散させられましたし、いつでも戻して組み立て直せるようになりましたから、パススピードを上げて勝負を仕掛けることも出来るようになっていました。

ただミス自体を減らすことは出来ておらず、カットされてカウンターやフィードを入れられてしまうことも多く、攻守の切り替えが機能しきれなくなっていました。ビジャがいなくなったことでスイッチの役割を果たせなくなったことも影響しているのかもしれませんが、フォアチェックが機能していないことでディフェンスラインを押し留めておく効果も薄くなってしまいましたから、プレッシングが再びかからなくなってしまいました。サイドを破られてクロスを入れられることも多く、オサスナはパンディアーニを入れて中央に高さを入れてきていましたから、バルサはそれに対応しなければならなくなっていました。マクスウェルのコンディションが悪化したようでもありましたから、ケイタが下がってセンターバックと同列に入って対応しなければならなくなっていましたから、より中盤でスペースを埋める存在がいなくなり、オサスナのプレッシングにばたつき、ミスをして奪われてポゼッションができず、ディフェンスラインの前を使われて囲い込めていませんでした。

そのまま推移していれば一点差を守りきれるかどうか怪しくなっていましたが、メッシがゴールを決めたお陰でようやく勝負を決めることが出来、守備面のばたつきは減りましたし、オサスナの足が止まって勢いを失いました。バルサは逃げ切れるだけの余裕を持てましたから、中盤とディフェンスラインの構成で不安定だった部分がようやく解消され、相手を走らせるようなパスも、この時間になってようやく見られるようになって試合を終えられました。

この試合の通してパーフェクトだったのはマスケラーノで彼のお陰で勝てたと言っても過言ではない働きでした。