■Uruguay 2 – 3 Germany
ドイツはメンバーを変えなければならなず、万全な状態で挑むことができていませんでした。クローゼはワールドカップ通算得点記録の更新を怪我によって狙えず、ラームやポドルスキは風邪の影響で外れた様子。それに加えノイアーに代わってブットが入っていました。
試合の序盤はウルグアイがドイツに上手く対応をさせずに試合に入っていました。それぞれが持つ縦のスピードと仕掛けに対してドイツは縦のコースを塞がず横のコースを塞いで中を固める守備をこれまでしてきた影響もあって塞ぎ切れておらず、縦の勢いを利用させる結果になってしまっていた。左はヤンゼンが入ったことで守備的な対応が出来るようになったものの、そのスピード面では相手に分があり、併走や追う展開になってしまっては止めきることは難しかった。それによって深くまで入り込まれて戻らなければならず、高く保つことが出来ていませんでした。
ウルグアイもドイツのボールを奪えていたわけではなく、ドイツの素早いパスや展開によってフォアチェックをさせてもらえませんでした。ドイツの動きはこれまで通り活発で、パスを出したら縦に走ることが徹底されているようで、それがウルグアイがセンターバックにまでプレスに向かいたがっている部分を削ぐことにも繋がり、ある程度安定して後方でボールを持てることにも繋がっていました。ウルグアイは前から奪う選択肢を残しながらも、基本的には引いてボールと相手を自分たちの前で捉えておくようにしておく。その形にしてしまうとドイツが自由に回せるだけの余裕を与えてしまっていましたが、きっちりと構築されたブロックの内部には容易には入らせていませんでした。
ウルグアイのカウンターには精度が無く、フォルランやスアレスらにボールを収めることがあまり出来ていませんでした。動きとパスが逆になってしまうことが多く、ロングボールやサイドチェンジもぴたりと合うことはありませんでした。ドイツが上手く縦のパスコースを塞いで、収めようとするターゲットには近くポジションを取る。フォルランらにはシュバインシュタイガーが受けに戻っても対応して、そういったプレッシャーがあるためにパスミスを増やす要因になっていました。
両者が相手を掴まえておく守備をし始めたことで構築の時間がかかる、あるいはミスになるパスが増えていました。特にドイツは構築の段階で動けていたものが若干少なくなり、一人が持っている時間が長くなっていました。それぞれがきっちりと走ってはいるもののウルグアイがきっちりと掴まえておこうとする意識があり、マークが近く、預けるパスが出せないでいる。わざと一度そこへ預けて中央に人を集めることで、フリーになったサイドを利用することはできていて、そこから縦への仕掛けからクロスを狙うこともありました。
得点はサイドを利用した後、クロスではなく大きくパスで戻し、ウルグアイはクロスの処理のために大きく引いて守ったことで、シュバインシュタイガーにミドルシュートを十分に狙わせるだけのスペースと精神的な余裕を与えてしまっていました。シュート自体はキーパーの正面に飛んだものの、ボールと雨の影響からキーパーはキャッチできずにこぼしてしまい、弾いたところにミュラーがきっちりと押し込んで先制点。全体がバックパス気味になったそれに対応するためにラインを押し上げようとしたギャップを利用しての飛び出しでした。
先制点を得たことは大きかったようで、それまできっちりと掴まえられていたドイツの選手たちに若干のスペースが与えられるようになり縦パスを入れやすくなっていました。パスコースを切られてパスを出すまでに多くの時間を要するようなことはなくなったのは大きく、前へ預けられるようになったことでケディラの積極的な飛び出しに繋がり、一つのドイツのパターンになっていました。
ウルグアイには正確な繋ぎをさせないよう継続できていましたし、フォルランが大きく下がらなければ縦パスを選択することも難しい状況を作っていました。ロングボールを出されてもドイツの手前で対応できるものが殆どで、裏を狙ったものを出されても、スピード勝負になるような展開はなく、主にアルネ・フリードリッヒが体を寄せて前へ入り、体で押し留めることも出来る程度の精度とタイミングでした。
同点に追いつかれてしまった場面では、上手く対応をしていたアルネ・フリードリッヒがボールを奪ってそのまま上がってしまっていましたし、奪われた場所がシュバインシュタイガーのポジションで、後方には二人しか残されていなかった。それに対して相手は三枚でのカウンターを仕掛け、足の遅いメルテザッカーに対してスピード勝負を仕掛けられてしまった。そのまま打たれることも計算しなければならなかったために余計に抜け出す選手に対応することは難しく、裏へパスを出されて一対一にしてしまい、カバーニに見事に決められてしまった。
ドイツはそこからセンターバックの腰が引けたように前後の分離をするようになってしまった。センターバックは相手を掴まえておくことはできていますが、抜けられる、パスが出る環境になれば少し下がって相手との距離を取って裏へ抜けられないことを優先してしまうようでした。ディフェンスラインが下がってしまったことでサイドバックがそれまでミュラーらと連動をして上がっていき、サイドを崩す要因になっていたんですが、それが難しくなっていました。左はヤンゼンは引き気味にプレイしているお陰でサイドバックの関係は近かったものの、アタッカーとは遠く、エジルが左に多く流れることで解消を目指していましたが、ウルグアイもディフェンスラインを低く設定していたためにカカウらもそれに引っ張られて上がってしまい、より前後の分離を加速させていました。
ウルグアイの狙いは徐々に明確になっていき、バイタルエリアを利用するようになっていった。シュバインシュタイガーとケディラの裏側でボールを受けると、ドイツのディフェンスラインはチェックにでられず、裏を使われないように下がってしまう。ひたすらリトリートして自由を与えてくれれば、その間に相手を押し込んでシュートを狙い、奪いに出てくれば裏を狙う。二つの選択肢を迫ることが出来るようになり、より裏を狙われる怖さからディフェンスラインを押し上げにくくなってしまい、よりそこの利用を促進させてしまっていました。
後半になるとプレスの目標もここへと狙いを定めるようになり、シュバインシュタイガーやケディラに収まった瞬間にプレスを強め、マークも予め寄せておく。ここで奪うことが出来れば、前半の得点の再現が出来ることもありますし、ドイツにとっては危険でした。そこを気にかけるあまりドイツの前への動きが減り、パスを出して前へ、ボールを追い越していく動きも動いているもののダイナミックさが無くなり相手を引きつけておく効果は減ってしまって、チェックを中盤から引き剥がす効果を得られるほどではありませんでした。ドイツはプレスにでることも繋ぐことも難しくなり、ウルグアイは徹底してドイツの手前で受けることを優先していた。そこでまず収めてから追い越していく選手たちが裏を使い、ディフェンスラインを押し下げる。飛び出される動きに弱く、それに集中しすぎた二失点目は、サイドを抜けられたことがプレッシャーになり、引いて守ってしまった。中に入ってきている選手がいないのに、視線を横に動かされたことで掴まえていられなくなってフォルランをフリーにして逆転ゴールを許してしまった。
ドイツは逆転をされたことで、焦ったように前へ飛び出していくようになり、それまでの相手を引きつけたりパスコースを作るための効果的な動きではなく、いたずらに前へ向かってしまうことでより前後の分離を加速させる要因になっているように思えましたが、ジェローム・ボアテングからのクロスがファーサイドのヤンゼンに合い同点ゴールになっていました。早い段階で追いつけたのは精神的に非常に大きく、動けてはいたものの精度の面ではよくなかったものが、そのゴールによってよくなりましたし、ウルグアイは動きを一気に鈍くしてしまいました。それまでディフェンダーの前で待ち構えておく余裕のあったフォワードたちが、下がってドイツの中盤の前にまで来てしまうようになっていた。ドイツの背後には入れず、センターバックを引き出した裏を狙えず、時間と人数が必要になっていっていまいましたし、ドイツは対応をしやすくなっていた。センターバックもそこまで距離があれば安心して出られ、前へ出てパスカットや振り向かせないようにチェックする勇気を与えてしまっていました。
徐々にウルグアイの守備は積極的になり、相手を目の前に捉えて待ち構えておくものからカットや奪いに出てくるようになっていきました。ボールへ対して当たりに来るようになっていましたが、激しくボールと人にぶつかることでそれがフォアチェックのような役割になって、カウンターを狙えていましたがファウルにもなっていて焦りを表してしまっているようでもありました。
途中交代で入ったキースリンクは裏へ抜けるスピードと運動量を持って、カカウがそれまでしていたような相手の前で受ける動きではなく、裏へ抜けて早めのパスを出させて、相手の裏で勝負を仕掛けようとしているようでした。その動きが、手前で掴まえておこうとしていたウルグアイからは止めづらく、しかも戻りながらの処理をさせられるために、コーナーキックや難しい処理をしてスローインに逃げなければならない場面が増えていました。処理を難しくさせることで得たコーナーキックのこぼれ球をケディラが決めて、ドイツは再びリードを奪い、残り時間を考えて決定的なものにしていました。
前に出てこようとするウルグアイ相手にドイツはボールを動かし、前から奪いに来る動きをかいくぐり、サイドへとボールを出しながら動かして、動く。それでも人数はかけず、センターバックがフォワードを掴まえておいて、あとはカウンターから一点を追加できればよしとするようでした、
ただドイツの守備は危なっかしく、中央を固めて縦のコースを切る事をあまりせず、外からのクロスを許しているような雰囲気がありましたが、その中央も万全な状態にはなく相手を掴まえ切れていませんでしたし、ニアやファーサイド、そしてマイナス方向へ戻されたときの厚みなどバランスが悪く、苦しいクリアや危ない場面が見られていました。
タスチを投入して逃げ切りを図って安全に逃げ切るかに思われましたが、ロスタイムに危険なフリーキックを与えてしまい、フォルランにあわやというシュートを打たれてしまった。ゴールマウスに助けられたお陰でなんとか勝利を収める事が出来ましたが、あの時間に一番してはいけないファウルでした。