‘2010WC’ カテゴリーのアーカイブ

2010 FIFA World Cup記事まとめ

2010 年 7 月 13 日 火曜日
グループA
開催日 試合カード
6/11 South Africa 1 – 1 Mexico
6/12 Uruguay 0 – 0 France
6/16 South Africa 0 – 3 Uruguay
6/17 France 0 – 2 Mexico
6/22 Mexico 0 – 1 Uruguay
6/22 France 1 – 2 South Africa
グループB
開催日 試合カード
6/12 Korea 2 – 0 Greece
6/12 Argentina 1 – 0 Nigeria
6/17 Argentina 4 – 1 Korea
6/17 Greece 2 – 1 Nigeria
6/22 Nigeria 2 – 2 Korea
6/22 Greece 0 – 2 Argentina
グループC
開催日 試合カード
6/12 England 1 – 1 USA
6/13 Algeria 0 – 1 Slovenia
6/18 Slovenia 2 – 2 USA
6/18 England 0 – 0 Algeria
6/23 Slovenia 0 – 1 England
6/23 USA 1 – 0 Algeria
グループD
開催日 試合カード
6/13 Serbia 0 – 1 Ghana
6/13 Germany 4 – 0 Australia
6/18 Germany 0 – 1 Serbia
6/19 Ghana 1 – 1 Australia
6/23 Ghana 0 – 1 Germany
6/23 Australia 2 – 1 Serbia
グループE
開催日 試合カード
6/14 Netherlands 2 – 0 Denmark
6/14 Japan 1 – 0 Cameroon
6/19 Netherlands 1 – 0 Japan
6/19 Cameroon 1 – 2 Denmark
6/24 Denmark 1 – 3 Japan
6/24 Cameroon 1 – 2 Netherlands
グループF
開催日 試合カード
6/14 Italy 1 – 1 Paraguay
6/15 New Zealand 1 – 1 Slovakia
6/20 Slovakia 0 – 2 Paraguay
6/20 Italy 1 – 1 New Zealand
6/24 Slovakia 3 – 2 Italy
6/24 Paraguay 0 – 0 New Zealand
グループG
開催日 試合カード
6/15 Cote d’Ivoire 0 – 0 Portugal
6/15 Brazil 2 – 1 Korea DPR
6/20 Brazil 3 – 1 Cote d’Ivoire
6/21 Portugal 7 – 0 Korea DPR
6/25 Portugal 0 – 0 Brazil
6/25 Korea DPR 0 – 3 Cote d’Ivoire
グループH
開催日 試合カード
6/16 Honduras 0 – 1 Chili
6/16 Spain 0 – 1 Switzerland
6/21 Chili 1 – 0 Switzerland
6/21 Spain 2 – 0 Honduras
6/25 Chili 1 – 2 Spain
6/25 Switzerland 0 – 0 Honduras
ラウンド16
開催日 試合カード
6/26 Uruguay 2 – 1 Korea
6/26 USA 1 – 2(ex) Ghana
6/27 Germany 4 – 1 England
6/27 Argentina 3 – 1 Mexico
6/28 Netherlands 2 – 1 Slovakia
6/28 Brazil 3 – 0 Chili
6/29 Paraguay 0 – 0(PK5-3) Japan
6/29 Spain 1 – 0 Portugal
準々決勝
開催日 試合カード
7/2 Netherlands 2 – 1 Brazil
7/2 Uruguay 1 – 1(PK4-2) Ghana
7/3 Argentina 0 – 4 Germany
7/3 Paraguay 0 – 1 Spain
準決勝
7/6 Uruguay 2 – 3 Netherlands
7/7 Germany 0 – 1 Spain
3位決定戦/決勝
開催日 試合カード
7/10 Uruguay 2 – 3 Germany
7/11 Netherlands 0 – 1(ex) Spain

2010 FIFA World Cup Final オランダ対スペイン

2010 年 7 月 12 日 月曜日

■Netherlands 0 – 1 Spain(ex win)
スペインはこれまでと同じようにボールを動かしてい試合に入ろうとし、それを抑えてリアクションを取ろうとしていました。スペインはボールを動かすために選手が動き、パスを出すためのコースを作ろうとしていましたが、オランダは選手との距離を縮めマークを厳しくすることでそれをさせないように対応していくようでした。それぞれが密着して身動きを取れないようにするほどではありませんでしたが、マークの距離は近く非常に近く、寄せられるだけのポジションを取って早めに当たり、前を向いて自由にコントロールする時間を与えない。積極的にぶつかることで相手二試合をコントロールさせず自分たちの流れに持ち込もうとする狙いがあるようで必要以上に厳しくしてしまい、ファウルの多さとカードに繋がってしまっていましたが、序盤のそれに関してはスペインはファウルで止められることに慣れているために焦りはなく、相手に飲み込まれてしまうことはありませんでした。

オランダは前からぶつかる姿勢を出しているためにラインを高く保っておかなければならず、自分タッチの前でボールを回させる動きに対しては積極的な守備を行ってコントロールをしていましたが、スペインのビジャやペドロの飛び出しを期待するスルーパスを出されたときの対応はあまり出来ているとは言えませんでした。オランダはディフェンスラインこそ整えてはいるのものの飛び出しへの対応は全くしておらず、オフサイドにかけているというよりもかかってくれている印象が強くあるものでした。センターバックが対応に戻る気配も出しておらず、キーパーとセンターバックとの間にあるスペースを序盤は利用できる可能性がありました。

スペインは時間の経過と共に、それぞれの激しさをかいくぐってボールを持てるようになってきていました。オランダがファウルをし過ぎた影響が出て、運動量を継続できなくなっていたこともありましたし、体をぶつけてくるタイミングが解ればそこを逆に利用していくことも出来る。あるいはダイレクトパスで動かしたり、コントロールでかわして一人を抜いてしまえる。そして裏へ抜ける動きをフォワードがして、そこを狙うパスを何度か出したことでオランダのディフェンダーは前への意識と共に後方へのケアも頭に入れておかなければならなくなった。それがプレッシングの継続に少し影響を与えたようで、スペインがかいくぐりやすくしたようでした。
ただスペインにとって難しい処理を強いられていたのはセンターバックのプジョルのポジションで、ディフェンスラインに対してもオランダはチェックに来ていた。ピボーテ二枚のうちどちらかがセンターバックに吸収される形になれば無理なプレスはしてきませんでしたが、序盤はまだその形を作れておらず、センターバックがボールの出し所を全て抑えられても足される場面が見られた。特にプジョルには前に蹴るコースを切り、左足でボールを処理させようとして多くの時間を消費させ、正確な繋ぎをさせたりフィードをさせないようにしてマイボールへとしようとして、一定の成功を収めていました。

スペインはフォアチェックと共にオランダの縦パスをカットするための守備をしていましたが、オランダのようにファウルで止める意識はなく、コースを限定してパスの選択肢を徐々に削り、安易に前へ渡そうとしているところへ出てカットをする。オランダのディフェンスラインにはそれほどテクニックがあるわけではなく、視野も広いとはいえず、パスの距離もショートパスではなく少し距離を必要としていることもカットしやすい状況になっていました。
それは中央を利用してくれている場合には効果的でしたが、オランダがドリブルを含めてタッチライン際の展開をするようになったことで、スペインの守備ブロックの外側を利用されてしまうようになった。その状況へ対応するためにスペインは自分たちが構築したブロックを外に広げなければならず、ロッベンに二枚で対応していることもあって中央の人数を減らすことにも繋がってしまう。守備は抑えることが出来ていても、それが攻撃に回ったときも預けるポジションが外側になってしまい、サポートの距離が広がってしまう。オランダに縦と横の二つを塞がれて繋がせてもらえず、囲い込まれてパスコースを見つけられなくなってしまい、スペインは繋げない時間を向かえることになってしまっていました。オランダがファウルできる、体をぶつけられる距離で回すしか無く、外側で囲まれる前に出さなければならない。かといって中央へのコースはオランダが人数をかけて塞いでおり、ダイレクトで回すことが出来ずに球離れを早くすることが出来ずに、自分たちの時間を得るには多くの時間ときっかけを必要としていました。

きっかけを得られたのはオランダのファウルからでナイジェル・デ・ヨングがシャビ・アロンソにした蹴りのような悪質なファウルによって、オランダの激しい当たりは一時的に失われてスペインが前を向いたりボールを回せるだけの余裕を与えるきっかけになっていました。ボールを回す動きでスペインが一枚多く動いているような状態になり、それぞれのマークを引き剥がして中盤で多く回せるようになった。センターバックがボールを持つ時間を増やされてしまい、コースを限定されて不正確なボールを蹴らなければならなかった環境から、中盤の選手が中心となって触り、いつでも戻せて作り直せる環境での組み立てへとなっていました。

オランダが出てきていたものが出来なくなり、スペインの中盤、特にチャビが隙間を見つけて入り込めるようになり、そこへパスを出せるだけの状況をスペインが作れるようになっていました。ワイドな位置にサイドバックを押し上げて相手を広げさせた上で中に入っていく。そして中を利用するようになっていましたが、受けるファウルの種類がオランダが主導権を持ってファウルをしていたものが、少し遅れてファウルをさせられるような環境になっていました。
そのサイドバックを押し上げられる環境を作ったのはセルヒオ・ブスケツやシャビ・アロンソをセンターバックの間に下げた3バックに近い状態にすることで、後方の人数を整えたまま両サイドバックを上げられるようにしたことでしょう。これで相手の注意を分散させていたことでバイタルエリアにペドロが入れるようになり、そこを埋めているナイジェル・デ・ヨングの隣で受けられるようになっていましたが、まだそこから先に展開を求めるにはビジャがサイドへ開いているために難しく得点を取れるほどではありませんでした。

後半になるとスペインは前への守備を強め、攻撃にも運動量を出してカットを狙って連続して動き、それがオランダの前の人数を減らしてカットしやすい環境にし、そしてカットできているようでした。相手の裏へパスを出して後方へと走らせることでカウンターもさせないように務めているようでした。
オランダの守備はサイドバックを抑えておくために前へ三枚ないし四枚でブロックを作り、中盤中央にはあまり枚数がおらず、最後尾にまた四枚というぐらい。それぞれの隙間はあるものの、サイドバックを牽制されて隙間に上がれず引きつけておけないために、なかなかそれぞれの隙間に渡せず、徐々にスペインには疲れが見え始めてボールを動かすために必要な運動量を出せなくなってしまっていました。連続した素早いパスワークではなく、ボールをコントロールして奪われないためのキープをして、一つ時間のかかる攻めをしていかなければならなくなっていました。

オランダはロングボールや浮き球を利用して、スペインの中盤に競らせ、その後ろを利用して、センターバックの背後にある広大なスペースを利用しようとしていました。特のディフェンスラインで左右へ大きく揺り動かしてから縦に入れることでスペインのゾーンに隙間を作ろうとしているようでしたし、マークのズレを生じさせるようでもありました。それがロッベンの抜け出しに繋がったのかもしれませんが、カシージャスが一対一を止めたお陰で大事には至りませんでしたが、一点を決められてしまったようなものでした。

ヘスス・ナバスが一つ大きなチャンスを演出したことで、彼のドリブルとスピードを相手が警戒をしてくれるようになり、オランダを押し下げることが出来るようになった。お陰でチャビやイニエスタにボールを収める事が出来るようになっていましたし、それができることでオランダはそこに収めさせたくなく、前に出て行くようになる。それがディフェンスラインと中盤との間を広げる結果になり、ビジャへの縦パスを許してポストプレイをさせてもらえるようになり、可能性を広げるようになっていました。ただそれを追い越していったり近くでサポートをしていく選手がおらず孤立をしていて、もしその段階で近くを利用することが出来ていればもっと多くのチャンスを前線で作れていたのかもしれません。

スペインには疲労の色が濃く、イニエスタもボールをコントロールミスをしていましたし、前へ運ぼうとして失敗することも多くありました。オランダの選手が前半にスペインを翻弄できていたようにサイドを広く使うのではなく、中に寄せて得点を焦るようになってくれたお陰で掴まえやすく、後方から抑えて展開させなくしてから奪う、あるいは囲い込むことが出来ているのは大きくありました。
スペインが個人の技術で奪われなくなった事も大きく、体を寄せられてしまうことを利用したコントロールや、そういったパスをすることで寄せられなくなって、ロッベンもスナイデルも戻らざるを得なくなった。押し込まれてオランダはカウンターの可能性を残せず主導権をスペインが握ることで、よりファウルをさせられるようになっていました。

セスク・ファブレガスの投入によりスペインの中盤はより連動性を増し、フォワードとの関係を近くしていくことが出来るようになっていました。中盤のいずれかが同列になりながらボールを引き出し、残りの一枚がバイタルエリアには行って受けようとするポジションを取る。オランダは圧縮してそれをさせないようにしていましたが、下げてスペースを埋めることがスペインの中盤に自由を与えることにも繋がり、縦パスのチャンスを得る結果になっていました。

延長になってもオランダは奪ってもロッベンらを頼むしかなく、デ・ヨングでは途中まで持ち上がるのがやっとで、そこからどこかに預けて戻っていく程度で、リスクを冒してボールを追い越していく選手は殆どありませんでした。スペインははマークを集中させやすく、狙いを絞りやすく守りやすいものにしてくれていました。

よりスペインはバイタルエリアに選手を入れておくことを明確にしていき、イニエスタがそこに入る事を増やしていました。バイタルエリアに入った選手を掴まえておくためにデ・ヨングは必要でよく抑えることが出来ていたのかもしれませんが、そこにファン・デル・ファールトを投入したことが影響をしていたのかもしれません。延長後半になると、バイタルエリアのイニエスタとチャビやセスクとの関係を近く保つ場面は増えて、ダイレクトで動かすことも出来るようになりましたし、オランダはバイタルエリアに収めるその一点を狙って守備をしているようでもありましたが、デ・ヨングがいなくなったことでセンターバックが前に出て掴まえる必要がでてしまっていました。スペインはそれを逆手にとってダイレクトで動かして裏へ動き直す。センターバックが掴まえるために前へ出てしまったことが裏へのスペースを生んでしまい、イニエスタへそこへ抜け出されそうになった。その時点で退場させられるのは仕方が無く、オランダは数的不利を抱えることになってしまいました。

得点時にその数的に問題を抱えたことがカウンターを抑えられず、イニエスタをフリーにする要因になったのかもしれませんし、フリーキック後のコーナーキックを得られなかった審判の判断や、エリアがドリブル突破を狙い倒されたことに笛を吹いてもらえなかった苛立ちやファウルのアピールが切り替えの遅さに繋がったのかもしれません。あのゴールの場面もいくつもオランダの選手たちの足にボールが当たっていましたし、こぼれる位置に寄せることが出来ていればオランダは防ぐことが出来ていたかもしれません。ただイニエスタのボレーは見事でした。あのユニフォームを脱いだ後のメッセージはハルケへのものでしたか。そういうのをどこかで見た気がしましたが、ゴールだけで感動的なのに…。

2010 FIFA World Cup Match for third place ウルグアイ対ドイツ

2010 年 7 月 11 日 日曜日

■Uruguay 2 – 3 Germany
ドイツはメンバーを変えなければならなず、万全な状態で挑むことができていませんでした。クローゼはワールドカップ通算得点記録の更新を怪我によって狙えず、ラームやポドルスキは風邪の影響で外れた様子。それに加えノイアーに代わってブットが入っていました。

試合の序盤はウルグアイがドイツに上手く対応をさせずに試合に入っていました。それぞれが持つ縦のスピードと仕掛けに対してドイツは縦のコースを塞がず横のコースを塞いで中を固める守備をこれまでしてきた影響もあって塞ぎ切れておらず、縦の勢いを利用させる結果になってしまっていた。左はヤンゼンが入ったことで守備的な対応が出来るようになったものの、そのスピード面では相手に分があり、併走や追う展開になってしまっては止めきることは難しかった。それによって深くまで入り込まれて戻らなければならず、高く保つことが出来ていませんでした。

ウルグアイもドイツのボールを奪えていたわけではなく、ドイツの素早いパスや展開によってフォアチェックをさせてもらえませんでした。ドイツの動きはこれまで通り活発で、パスを出したら縦に走ることが徹底されているようで、それがウルグアイがセンターバックにまでプレスに向かいたがっている部分を削ぐことにも繋がり、ある程度安定して後方でボールを持てることにも繋がっていました。ウルグアイは前から奪う選択肢を残しながらも、基本的には引いてボールと相手を自分たちの前で捉えておくようにしておく。その形にしてしまうとドイツが自由に回せるだけの余裕を与えてしまっていましたが、きっちりと構築されたブロックの内部には容易には入らせていませんでした。

ウルグアイのカウンターには精度が無く、フォルランやスアレスらにボールを収めることがあまり出来ていませんでした。動きとパスが逆になってしまうことが多く、ロングボールやサイドチェンジもぴたりと合うことはありませんでした。ドイツが上手く縦のパスコースを塞いで、収めようとするターゲットには近くポジションを取る。フォルランらにはシュバインシュタイガーが受けに戻っても対応して、そういったプレッシャーがあるためにパスミスを増やす要因になっていました。

両者が相手を掴まえておく守備をし始めたことで構築の時間がかかる、あるいはミスになるパスが増えていました。特にドイツは構築の段階で動けていたものが若干少なくなり、一人が持っている時間が長くなっていました。それぞれがきっちりと走ってはいるもののウルグアイがきっちりと掴まえておこうとする意識があり、マークが近く、預けるパスが出せないでいる。わざと一度そこへ預けて中央に人を集めることで、フリーになったサイドを利用することはできていて、そこから縦への仕掛けからクロスを狙うこともありました。
得点はサイドを利用した後、クロスではなく大きくパスで戻し、ウルグアイはクロスの処理のために大きく引いて守ったことで、シュバインシュタイガーにミドルシュートを十分に狙わせるだけのスペースと精神的な余裕を与えてしまっていました。シュート自体はキーパーの正面に飛んだものの、ボールと雨の影響からキーパーはキャッチできずにこぼしてしまい、弾いたところにミュラーがきっちりと押し込んで先制点。全体がバックパス気味になったそれに対応するためにラインを押し上げようとしたギャップを利用しての飛び出しでした。

先制点を得たことは大きかったようで、それまできっちりと掴まえられていたドイツの選手たちに若干のスペースが与えられるようになり縦パスを入れやすくなっていました。パスコースを切られてパスを出すまでに多くの時間を要するようなことはなくなったのは大きく、前へ預けられるようになったことでケディラの積極的な飛び出しに繋がり、一つのドイツのパターンになっていました。

ウルグアイには正確な繋ぎをさせないよう継続できていましたし、フォルランが大きく下がらなければ縦パスを選択することも難しい状況を作っていました。ロングボールを出されてもドイツの手前で対応できるものが殆どで、裏を狙ったものを出されても、スピード勝負になるような展開はなく、主にアルネ・フリードリッヒが体を寄せて前へ入り、体で押し留めることも出来る程度の精度とタイミングでした。

同点に追いつかれてしまった場面では、上手く対応をしていたアルネ・フリードリッヒがボールを奪ってそのまま上がってしまっていましたし、奪われた場所がシュバインシュタイガーのポジションで、後方には二人しか残されていなかった。それに対して相手は三枚でのカウンターを仕掛け、足の遅いメルテザッカーに対してスピード勝負を仕掛けられてしまった。そのまま打たれることも計算しなければならなかったために余計に抜け出す選手に対応することは難しく、裏へパスを出されて一対一にしてしまい、カバーニに見事に決められてしまった。

ドイツはそこからセンターバックの腰が引けたように前後の分離をするようになってしまった。センターバックは相手を掴まえておくことはできていますが、抜けられる、パスが出る環境になれば少し下がって相手との距離を取って裏へ抜けられないことを優先してしまうようでした。ディフェンスラインが下がってしまったことでサイドバックがそれまでミュラーらと連動をして上がっていき、サイドを崩す要因になっていたんですが、それが難しくなっていました。左はヤンゼンは引き気味にプレイしているお陰でサイドバックの関係は近かったものの、アタッカーとは遠く、エジルが左に多く流れることで解消を目指していましたが、ウルグアイもディフェンスラインを低く設定していたためにカカウらもそれに引っ張られて上がってしまい、より前後の分離を加速させていました。

ウルグアイの狙いは徐々に明確になっていき、バイタルエリアを利用するようになっていった。シュバインシュタイガーとケディラの裏側でボールを受けると、ドイツのディフェンスラインはチェックにでられず、裏を使われないように下がってしまう。ひたすらリトリートして自由を与えてくれれば、その間に相手を押し込んでシュートを狙い、奪いに出てくれば裏を狙う。二つの選択肢を迫ることが出来るようになり、より裏を狙われる怖さからディフェンスラインを押し上げにくくなってしまい、よりそこの利用を促進させてしまっていました。

後半になるとプレスの目標もここへと狙いを定めるようになり、シュバインシュタイガーやケディラに収まった瞬間にプレスを強め、マークも予め寄せておく。ここで奪うことが出来れば、前半の得点の再現が出来ることもありますし、ドイツにとっては危険でした。そこを気にかけるあまりドイツの前への動きが減り、パスを出して前へ、ボールを追い越していく動きも動いているもののダイナミックさが無くなり相手を引きつけておく効果は減ってしまって、チェックを中盤から引き剥がす効果を得られるほどではありませんでした。ドイツはプレスにでることも繋ぐことも難しくなり、ウルグアイは徹底してドイツの手前で受けることを優先していた。そこでまず収めてから追い越していく選手たちが裏を使い、ディフェンスラインを押し下げる。飛び出される動きに弱く、それに集中しすぎた二失点目は、サイドを抜けられたことがプレッシャーになり、引いて守ってしまった。中に入ってきている選手がいないのに、視線を横に動かされたことで掴まえていられなくなってフォルランをフリーにして逆転ゴールを許してしまった。

ドイツは逆転をされたことで、焦ったように前へ飛び出していくようになり、それまでの相手を引きつけたりパスコースを作るための効果的な動きではなく、いたずらに前へ向かってしまうことでより前後の分離を加速させる要因になっているように思えましたが、ジェローム・ボアテングからのクロスがファーサイドのヤンゼンに合い同点ゴールになっていました。早い段階で追いつけたのは精神的に非常に大きく、動けてはいたものの精度の面ではよくなかったものが、そのゴールによってよくなりましたし、ウルグアイは動きを一気に鈍くしてしまいました。それまでディフェンダーの前で待ち構えておく余裕のあったフォワードたちが、下がってドイツの中盤の前にまで来てしまうようになっていた。ドイツの背後には入れず、センターバックを引き出した裏を狙えず、時間と人数が必要になっていっていまいましたし、ドイツは対応をしやすくなっていた。センターバックもそこまで距離があれば安心して出られ、前へ出てパスカットや振り向かせないようにチェックする勇気を与えてしまっていました。

徐々にウルグアイの守備は積極的になり、相手を目の前に捉えて待ち構えておくものからカットや奪いに出てくるようになっていきました。ボールへ対して当たりに来るようになっていましたが、激しくボールと人にぶつかることでそれがフォアチェックのような役割になって、カウンターを狙えていましたがファウルにもなっていて焦りを表してしまっているようでもありました。

途中交代で入ったキースリンクは裏へ抜けるスピードと運動量を持って、カカウがそれまでしていたような相手の前で受ける動きではなく、裏へ抜けて早めのパスを出させて、相手の裏で勝負を仕掛けようとしているようでした。その動きが、手前で掴まえておこうとしていたウルグアイからは止めづらく、しかも戻りながらの処理をさせられるために、コーナーキックや難しい処理をしてスローインに逃げなければならない場面が増えていました。処理を難しくさせることで得たコーナーキックのこぼれ球をケディラが決めて、ドイツは再びリードを奪い、残り時間を考えて決定的なものにしていました。

前に出てこようとするウルグアイ相手にドイツはボールを動かし、前から奪いに来る動きをかいくぐり、サイドへとボールを出しながら動かして、動く。それでも人数はかけず、センターバックがフォワードを掴まえておいて、あとはカウンターから一点を追加できればよしとするようでした、

ただドイツの守備は危なっかしく、中央を固めて縦のコースを切る事をあまりせず、外からのクロスを許しているような雰囲気がありましたが、その中央も万全な状態にはなく相手を掴まえ切れていませんでしたし、ニアやファーサイド、そしてマイナス方向へ戻されたときの厚みなどバランスが悪く、苦しいクリアや危ない場面が見られていました。

タスチを投入して逃げ切りを図って安全に逃げ切るかに思われましたが、ロスタイムに危険なフリーキックを与えてしまい、フォルランにあわやというシュートを打たれてしまった。ゴールマウスに助けられたお陰でなんとか勝利を収める事が出来ましたが、あの時間に一番してはいけないファウルでした。

2010 FIFA World Cup Semi final ドイツ対スペイン

2010 年 7 月 8 日 木曜日

■Germany 0 – 1 Spain
ドイツは出場停止のミュラーに代わってトロホウスキを投入し、スペインはこれまでコンディションを上げられずにいたフェルナンド・トーレスをデルボスケ監督が切り、ペドロを投入することで両者共に変化が生まれていました。

序盤はスペインがペースを大きく握り、ドイツは試合への入り方を緩やかにしてしまいスペインがキープしやすい環境を作ってしまっていました。フォアチェックこそ緩やかに行いつつもポジションを守ることを優先していてゾーンを構築していた。それによってスペインが回すパスコースを切る事に重点を置いて、ダイレクトパスを連続してスピードアップをさせなようにしていました。
スペインはパスを動かして逆サイドを利用することでそのゾーンの外側を使おうとしていてドイツのブロックを揺さぶり、試しているようでした。サイドから中へのコースは切られていましたが、引いて受けに戻る動きに対してドイツはゾーンを崩されないようにあまりついていこうとせず、それがスペインの狙い目となって縦パスを戻る選手に通すことで前を向いて中央を利用するようになっていった。ドイツはいくつか通されても密着して振り向かせないような守備をすることはなく、前を向かせることでバイタルエリアにも入られてしまい、最初のビジャの飛び出しとシュートをさせてしまった。バイタルエリアを防ぐにはシュバインシュタイガーとケディラは前へのケアをしなければならないために難しく、センターバックの二人がそこに注意を払わなければならなかった。そのため裏への意識が薄くなってしまって、後方へのスピードが遅れてしまって抜け出されてしまった。
すぐにドイツはそれを修正してメルテザッカーに主に後方への意識を強めさせて抜け出そうとする動きに対応して目の前に置くようにしていったことで同じような場面は作らせないようになっていきました。
中盤でスペインが繋げている部分に対しても、シュバインシュタイガーがイニエスタをきちんと掴まえへ前を向かせないようにし始めたことで簡単に前を向いてスルーパスを選択できなくなっていきましたし、それが後方の安定にも繋がっていました。

ただドイツの攻撃はこれまでのスムーズさが無く、噛み合わずにミスが目立っていました。守備にかかる時間が多く、これまではそれぞれの選手が連動して一気に攻め上がることで縦のスピードを出せていましたが、各ポジションによって守備を気にする度合いが違い、それがパスを受けようとする動きとパスを出す選手との狙いにギャップを生み出してミスにしてしまっていましたし、繋げないことでケディラもこれまでのように上がっていけませんでしたし、ドリブルの仕掛けもパスがずれることで足が止まって出来ていなかった。
もちろんスペインがきちんとパスコースを切る守備をしていることもドイツがこれまでのようなパスワークを出せない要因で、ロングボールを一時的に使うようになってしまっていました。それもクローゼへ合わせるものであればまだこぼれ球を拾う可能性があったのかもしれませんが、精度のないものばかりでした。

ドイツはスペインの攻撃を受け止められて安定をし始めたことで、徐々に前への意識がトロホウスキらの仕掛けに繋がり、ボールの保持時間の上昇に繋がっていました。キープが出来るようになれば他の選手も上がっていけるようになり、前に人数が増えればスペインのパスを抑えるために、それぞれの選手が掴まえるためのポジションと動きが出来るようになり、プレッシャーを与えられることに繋がり、自由にパスを回させる時間は減り、横パスを選択させるようになっていました。選手間にあるスペースへと出すパスコースを削ったことで、スペインの動き直しを減少させていました。縦へのスピードを失いましたが、それでもスペインはきっちりとしたコントロールからパスを選択して、雑に扱わないことでボールを失わないことでボールを失わず自分たちの形を作ろうとしていましたし、イニエスタとペドロのドリブルによって仕掛けを使うことで多少の変化をもつけてよりパスを活かそうともしていました。
ドイツはディフェンスラインの裏を狙われたために上げられず、それでもバイタルエリアを空けるわけにはいかない。そうなると中央を下げて固める形を取らざるをえず、スペインにその手前で回すスペースを与えてしまった。中央に集めていることで外を縦に使われることはあるものの、最後のパスを集中してカットしているお陰で大事には至りませんでしたが、見方によってはスペインは何処は通るのかテストしているようでもありました。

ドイツは中盤でのミスがなくならず、これまでの試合同様にカウンターにでようとしたときにまずドリブルで持ち上がっていくのではなく、預けるパスを選択して自ら大きく走ることで相手の陣形を崩す意図があった。この試合ではその預ける部分でのミスがそれ以外の選手たちのオーバーラップに影響をして、スペインの陣形を混乱させる影響を与えることが出来ていませんでした。なんとかコーナーキックを取ることが出来る程度で、シュートも打つところまではいかず相手に当てて外に出す程度でした。ただ可能性は少しずつ大きくなっていき、シュバインシュタイガーが中央にあるスペースを利用してパスを受けてスピードに乗ったままの展開が出来るようになっていましたし、それぞれがプレスを受けて焦る状態からは脱して、ボールをキープしたり仕掛けることもできるようになっていった。精神的な落ち着きが試合の安定を手に入れ始めて、パスミスも減って、スペインには前に人数を入れる余裕を与えなくしていました。

後半になるともう少しの改善が見られ、それまで縦パスを入れることが困難でいたが、クローゼやポドルスキ、エジルにもある程度入れられるようになった。後方から密着して抑えられていて、そこから再展開してスピードアップをすることは困難でしたが、ドイツがパスワークを発揮するかに思えました。しかしスペインはすぐにその縦パスのコースを切りましたし、サイドから中へのコースを切って同じラインでの横パスをも選択させてくれませんでした。

スペインはボールを多く保持していてもドイツのブロック構築は問題なく機能して、チャビはそのリーチの外側でボールを受けなければなりませんでした。パスコースを探さなければならず、ボールを動かすスピードも落ちていましたし、ブロックの外側を利用させられて中に入る人数が少なく、バイタルエリアやディフェンスラインと戦う選手が足りず、ドイツに裏への意識を植え付けることも出来なくなってしまっていました。そしてキープをしているが故にスピードに乗った状態で受けることが難しく、どこかで勝負を仕掛けたくてもなかなかできず、イニエスタとペドロが前半と同じくスピードに乗っていない状態でもある程度の仕掛けを見せられるぐらいでした。

ただ前半に散々チャレンジをしてリーチを図っていた効果が出てきたのか、いくつかの仕掛けと共にチャンスを作れるようになっていました。仕掛けによって中の人数を増やして惜しいシュートも打てましたしたし、それまでドイツの選手たちがパスやドリブルに対して立ったままカットすることができていたものが、スライディングのようにもう一歩伸ばさなければ足が届かず防げないようなところへできるようになり、守備が少し苦しさを見せるようになっていました。

両者共に徐々に疲れが見え始め、全体を活発に使うことが出来ず中盤での動きが鈍くなっていました。そこへ仕掛けていくことは有効だったんですが、スペインはそこまでは出来てもサイドをえぐってクロスの段階になってもセンターバックと競り合ってニアに入ったり、それらを抑えてしまうプレイをする選手がおらず、マイナス方向のボールを期待して下がってしまう選手ばかりで、ドイツに対応をさせやすくしていました。

流れの中では膠着をしていましたが、セットプレイの状況は別でした。ゾーンで守るドイツは中にいる選手にこそ厳しくマークにつけていましたがプジョルが大きく後ろにポジションを取っていてもそれを掴まえておく選手がいなかった。それがプジョルの弾丸のような飛び込みを妨害できなかった要因で、あれだけの勢いのあるヘディングをさせてしまって失点をしてしまった。

ドイツはそれ以後得点を狙うために前に出なければならず、サイドバックを大きく上げてワイドな展開からペナルティエリア内に人数を入れてそこへクロスを入れて得点を狙うようになっていましたが、人数を多くかけるその戦い方はカウンターに脆く、裏をビジャやペドロによってカウンターで狙われ、交代した後はフェルナンド・トーレスにも狙われていました。それでも失点をしなかったのはアルネ・フリードリッヒの上手い対応とスペインの選手たちが不完全な形からシュートを狙うのではなく、最後の一枚をかわしてからシュートをしようとする意識を強く持っていたお陰で、追加点を奪われてしまう可能性は強くありました。

スペインは上手くバックパスに圧力をかけて下げさせてドイツに連続してクロスを入れさせませんでしたし、マイボールにしたときにはパスで揺さぶり続けることこそ出来ませんでしたが、相手を押し込んでコーナーキックを得て、シルバ、チャビ、イニエスタと短く動かし続けて時間を消費して奪われないプレイを連続して苛立たせて精度を落とせていました。こうなったときにバルセロナがそうであるようにスペインも守備を固めて逃げ切れるようになっており、ドイツのクロスやフィードに対してもピケを中心にはじき返すことが出来ていた。初の決勝進出を危なげなく達成するには十分でした。

同じように攻撃をメインとしてパスで繋ぐスタイルであるが故に基礎技術と土台が違うスペインに流れの中では圧倒されてしまった印象がドイツにはありました。相手に合わせてスタイルを大きく変えて戦うことを選択していれば、あるいは違う結果が待っていたのかもしれませんが、個人的には対スペインの守備を固めたつまらないスタイルを見なくて済みほっとしていました。

2010 FIFA World Cup Semi final ウルグアイ対オランダ

2010 年 7 月 7 日 水曜日

■Uruguay 2 – 3 Netherlands
ウルグアイは当然のことながら前節のレッドカードによってこれまでフォワードとしてゴールに近い位置でプレイし続けていたスアレスが出場できず、オランダもブーラルーズとデ・ゼ・?ウが出場できない二人に変わって出場したことで、どちらも攻撃力の減少した感は否めませんでした。

それでもオランダは非常に悪かったブラジル戦の前半のようなものではありませんでしたが、後半にしていたような非常に運動量と効果的なオフ・ザ・ボールの動きをするものではありませんでした。積極的にボールに対してチェックに行き、奪うために激しく体をぶつけている。それはフォワードから行われていて、ウルグアイが早い段階から縦パスを入れて縦のスピードを出して一気に行こうとしているところを防ごうとする狙いがあったのかもしれませんが、積極的でした。

ウルグアイはそれよりは洗練された守り方をしていて、オランダはフォワードが戻りながらであってもチェックに向かって相手を追いかけるような守り方をしていたものの、ウルグアイは積極的にボールを奪いに行っているものの、素早く戻って自分たちの目の前に相手を置いてから守備を開始する。背後からボールに向かっても奪うことは難しくスピードも殺せるわけでもなく、ファウルをしてしまう可能性もある。きちんと捉えて、動向に合わせて奪うために囲む。自分たちの前で捉えてあることで、それが誰でどのコースを切らなければならないのかはっきりとしていて、ロッベンに対しては常に左を切る事で効果的な起点にさせていませんでした。

ウルグアイはオランダの積極的なプレスをかいくぐるように浮き球を多用し始め、センターバックから一気にサイドアタッカーやフォワードへのフィードを使うようになり、大きな影響を受ける中盤中央でのボール扱いを減らし、オランダのプレッシングからのショートカウンターをさせないようにしていました。それがオランダが中盤で構築を出来ない要因の一つでセンターバックに多くボールを持たせて停滞させることに成功をしていました。オランダもウルグアイにチェックをされることを嫌がっていて、ファン・ボメルがボールを持ち上がっていくことはあっても、デ・ゼーウはそれをしようとしないことで奪われる危険を減らそうとしていました。

ウルグアイは徐々に足を出さずに待ち構えておく守備になり始め、きっちりと囲い込んで縦を防いだり、パスコースを防ぐプレスをしていて、サイドを使われると二枚で前後を挟んでそれ以上のプレイはさせないようになっていく。オランダはポゼッションで崩すほどの運動量を出せておらず、ウイングに預けて中との連携をして相手を左右に揺さぶることもない。センターバックと右のサイドバックの展開力が乏しく、ファン・ボメルが持たなければ前へ繋ぐことすら難しい面があり、ウルグアイはそういう部分を利用して陣形を整える時間を稼ぎ中央を固めて外へ押し出していく。少ないパスコースを選択させてそこで奪い、少ない人数でカウンターをする。オランダはウルグアイの勢いと縦へ徹底された攻撃によって大きく入り込まれたところでしか奪えず、カウンターのパスを出してもウルグアイの守備は整っている。上手くオランダへポゼッションをさせることで彼らの得意なショートカウンターをさせないようにしていました。

本来であればウルグアイの狙い通りの展開だったはずで、崩せるような展開をオランダが作れていなかったんですが、ファン・ブロンクホルストの強烈なミドルシュートが決まってしまったことで状況を変えてしまいました。

オランダが先制点を取ったことでウルグアイは慎重な守りを続けることが難しく、どこかで攻撃をしなければならない環境に置かれてしまった。もし繋いでくるようなことがあればオランダの得意なショートカウンターを出来るようになり、オランダのポゼッションも余裕がうまれたことで機能し始め、タッチ数を少なくして早く動かせるようになったことでプレスに来ようとする選手たちを動かしてかわしていけるようになった。加えて前で支配できる時間が増えたことでプレッシングも機能するようになり、ウルグアイへ縦の展開をさせないようにしていく。センターバックからのフィードをさせず、中盤へ預けさせてそこで奪おうとして精度を落とさせることが出来るようになっていました。

それがデ・ゼーウが蹴られた一つのファウルで流れが変わり、ウルグアイが若干の勢いを取り戻しプレッシングから奪えるようになり、オランダは繋げなくなってバランスが崩れていました。繋げないことで高い位置にボールを運ぶには縦パス、もしくは持ち上がる必要が出てきたんですが、それをこの時間までしていたファン・ボメルがするのではなく、他の後方の選手たちが持ち上がってしまうようになった。多くの選手が持ち上がろうとすることで全体の距離が縮んで狭まい、ウイングが外に開いてボールを受けようとしなくなっていて中央で得点を狙うような姿勢をロッベンが出してしまい、広い展開で相手のゾーンを広げてしまえなくなったことも攻撃が上手くいかなくなった要因でした。相手を中央に集めてしまった後で外を利用できればよかったんですが、それをするためのサイドバックがブーラルーズで、オーバーラップに期待できないことも大きく影響をしていました。

そして流れを得ていたウルグアイが同点に追いついた。それまでが特にサイドのスペースを利用すべく出されるスルーパスを中心として、縦の勢いをそのまま利用していた。預けたり仕掛けさせたり、ディフェンスラインの前から勝負をするのではなく、パスによって裏を狙うことを中心として多くの展開を作っていた。それが大きなフェイントになって、フォルランにミドルシュートを打てるだけのスペースを与えてくれていました。

オランダは後半にファン・デル・ファールトを投入した効果を殆ど出せておらず、フォワードの近くにまでオーバーラップをさせていたとしても共存させることは出来ておらず、スナイデルと近く保ってお互いのマークを分散させる効果があったわけでもない。中央に二枚置いてウイングをサイドに残して厚みを作ったり、サイドでボールを持ったときにサポートをする役割も担えていない。多少の飛び出しをしていくことでボールを持っている選手を追い越していく攻撃を全体がするようにはなっていましたが、動きが直線的でチャンスになっていませんでした。
動きながらの展開もできていなくなり、ボールを足下で受けてからサポートを得て、そしてもう一度動き直すことでしかスピードを上げられず、一つ多くの時間を必要としていました。非常に慎重なプレイで、ウルグアイのスペースへのパスとは対照的でした。スペースのあるファーサイドに走ってもパスはなかなか出てこず、全体としてそれぞれが孤立をして個人の力で打開しなければならない。それがウルグアイに寄せられて奪われやすくして奪われそうになってファウルをしてしまう回数も増えていた。

やはりそれでも一人の選手が相手の注意を引きつけられることは大きく、ロッベンがドリブルで左から中へ入ることが出来たお陰で大きなチャンスを作っていました。それまでウルグアイは徹底して中のコースを切って左足を使わせない努力をしていましたが、その時には簡単に足を出してしまい、かわされやすい環境を作ってしまっていた。一度中に入られてしまえば、他の選手が左足のコースを切るためにサポートしなければならず、どんどんと人が引き出されていくために逆サイドにフリーな環境を作ってしまい、揺さぶられる原因になった。あとはちょっとした運でしょうか。シュートはディフェンダーの足に当たってコースが変わっていましたし、オフサイドの位置にいたファン・ペルシーは触らず、プレイに関与したと見なされなかった。あるいはオフサイドではないと判定をしてもらえた。それが追加点になってしまった。

残り時間が少ない中で再びリードを許したウルグアイは攻撃に出なければならず、オランダはそのお陰でようやく足下への止まるボールではなく勢いを殺さないパスを繋いでワイドに展開し、そこから再展開をして中を利用できるようになった。中央を固められた外側をきちんと利用をし、カイトがフリーでクロスを上げることが出来た。あれだけの余裕を与えてもらえばパスは出しやすく中も合わせやすかったのかもしれません。ロッベンのヘディングに繋がってさらに追加点を得ることが出来て、勝負を半ば決めることが出来た。

二点のリードを許したウルグアイの焦りがミスを生み、あまり攻撃に出られ無くさせ、オランダはボールを縦と横にひたすら動かして、ウルグアイを走らせるようになっていました。ウルグアイのフォワードはオランダのディフェンスラインと同じ所にいて足を動かしながら受けることが出来なくなってしまい、それがスペースへのパスや流れていく選手へのパスを出せなくし、高い位置の起点を失う原因になってしまった。残りの選択肢は放り込みのような形にしかなく、フリーキックのリスタートから一点は返したものの、それ以上の得点を取ることは出来ず、慌てさせることが出来ただけでした。

2010 FIFA World Cup Quarter final パラグアイ対スペイン

2010 年 7 月 4 日 日曜日

■Paraguay 0 – 1 Spain
スペインはメンバーを変えることなく試合に臨んでいましたが、パラグアイは大きくメンバーを変えて試合に臨んでいました。日本戦で見せたような守備的な入り方ではなく、前へ出ようとする意識の強いもので、スローインにしろパスにしろ、後方で横に動かして時間を使う場面は殆ど見られず、縦への意識を強くして裏を狙った飛び出しもさせていましたし、スペインがセンターバックから構築を開始して自分たちの流れを作ってきていましたが、それを防ぐためにフォアチェックを繰り返していました。スペインはパスを後方に戻して逃れたりサイドへは流れた選手へ出してプレッシングから逃れるためのパスしか出すことが出来ず、次に繋がるパスは殆ど出せず苦労をしていました。下げても下げた場所にまでプレッシングは行われていましたし、ある程度余裕を持たせてもらえていたのはカシージャスぐらいでしょうか。そこへバックパスが渡る機会が増えると余裕を持たせてもらえなくなってしまいましたし、バックパスを出した後にセンターバックが大きく開いて受けようとしても、そこにもマークがつくために出せず、判断が遅くなりよりマークに付かれて前へ出していくフィードも精度がないものを蹴るしかありませんでした。

連続して縦へ入れて戻して再び縦へ入れる。連続して行うことでどこかにスペースが出来たり、受けてから前を向けるチャンスを得ようとしていましたが、チャビもイニエスタも前を向かせてもらえず、受けた瞬間に複数枚で囲まれてしまい、ゲームを構築する二人にも考えてパスを出す余裕は殆どありませんでした。
中央を防ぐ一方で、これまで多くのチームが許していたセルヒオ・ラモスのドリブルやオーバーラップをもパラグアイは防ごうとしていて、彼に対しては縦のコースを塞ぐことで止めていましたし、ここを深い位置にまで入らせないことで、横に動かされるプレイを選択させず、揺さぶられないようにしていっているようでした。

フォワードへボールを預けることも難しく、中盤のプレスの外側から縦パスをようやくのことで出せたとしても、後方からぶつかられてしまって前を向くのは難しい。向けたとしてもフェルナンド・トーレスの近くにチャビやイニエスタが保てているわけではなく、ビジャも左に入っているために孤立していて単独で仕掛けていかなければならず、調子の上がらないフェルナンド・トーレスでは抜いていくことも相手の背後に出ることもかないませんでした。ビジャはこれまではボールを引き出す起点としてサイドの高い位置でボールを受けることが出来ていましたが、この試合右サイドバックに入ったベロンが高い位置で受けようとすれば掴まえてしまい受けさせず、低く下がって受けるしかありませんでしたし、ドリブルで中へ入ろうとしても、横へのコースは複数枚で防がれてビジャの左から中への動きも許してもらえなかった。

だがその運動量を高く維持し続ける形をずっと続けられるわけはなく、スペインが逆に高い位置からプレッシングをして徐々に自分たちの流れを取り戻していっていました。パラグアイほど賢明に追いかけているわけではないんですが、きちんとボールを持っている選手に向かい、繋いで縦への狙いをさせなくなり、ディフェンスラインの裏へ出そうとするボールの精度も落としてしまうようにした。それをスペインが奪えるようになり、奪えることでキープできるようになり、パスをある程度動かせるようになっていく。パラグアイの選手が向かってくることを利用してファウルを得ていく余裕も出来てきたし、サイドチェンジをしていくことでパラグアイがゾーンを作り直すための運動量を消費させるようにしていました。

パラグアイはスペインに持たれることで積極的な守備を若干弱めて、中を固めて横のコースを切る守備を選択していくようになりました。スペインがキープをして、ボールを動かしてもバイタルエリアには入らせず、裏を狙わせない。横に動かして相手を動かそうとしても、中央を経由するところで前に出てチェックをし、時間をかけさせないことでパラグアイは自分たちの守備構築を楽にしていましたし、中を固めていることでスペインはクロスを選択できなかった。

それでもスペインが前への勢いを出せるようになってきたことで、イニエスタやチャビの所を掴まられそうになったとしても、それをぶつかられる前にボールを離して動き直すことが出来、もう一度受け直して引き剥がしていけるようになっていった。囲い込もうとしてくるだけに人数が前へと引き出され、その裏、バイタルエリアを利用出来る環境になっていく。中がキープを出来るようになれば、抑えられていたセルヒオ・ラモスも上がれるようになり、利用も出来るようになっていく。

パラグアイは押し込まれるようになってからカウンターを中心とするようになり、アーリークロスからディフェンスラインの裏でキーパーとの間。そこへとボールを多く出して利用するようになっていました。足の遅いセンターバックの裏を巧みに利用をしていて、微妙な判定でオフサイドにこそなりましたが、アエド・バルデスがその形から決めたかに見えた。

後半開始時にはビジャがフォワードのポジションに移り2トップの形に変えてくるのかと思ったんですが、それは一時的なものですぐに左サイドへとポジションを移してしまってもとの状態に戻ってしまいました。フェルナンド・トーレスは中央で収めることが出来ず、縦パスをそこに選択して収めることを願うようなパスを後ろも選択をしなくなっていましたし、裏へ走るパスばかりになってしまっていた。あまりに単調で簡単に対応をさせていましたし、手前で受けるように動き、ディフェンダーに対してプレッシャーを与えて他が受ける助けになる選手がいればそれも成果を上げることが出来るのかもしれませんが、そうではないために効果的ではなくブレーキになってしまいました。

上手くいかないフェルナンド・トーレスに代えてセスク・ファブレガスを投入してスペインは中盤でボールを動かせるようにしてフォワードが収められない部分をカバーしようとして、攻勢に出ようとしたところへピケがカルドーソを掴まえてしまってPKを与えてしまった。完全に引き倒したわけではありませんでしたが、腕は掴んでしまっていましたし、ファウルを取られてもおかしくないものでした。しかしそのPKが決まることはなく、カシージャスが読んで止め、弾いて押し込まれることなく、キャッチをしたことで助けられました。

直後は反対側で起こり、ビジャが抜け出したところをアルカラスが後ろから押し倒しPK。ビジャは上手く相手の前に体を入れて体を押されたように見える環境を作りましたし、審判がバランスを取ってもう一方にPKを与えてしまいやすい状態のなかでそれをしてました。ただ、シャビ・アロンソが一度は決めたもののペナルティエリアに蹴る以前に入ってしまい蹴り直しで止められてしまった。
両者共に試合を決める可能性があった大きなチャンスをものにすることが出来ませんでした。

スペインはセスクを入れたことで中盤の人数が増えてそれぞれの距離が縮まってボールを動かしながら前に出て行っても人数の不足が発生することなく、サポートを使いながらボールを中央やサイドを利用して、パラグアイを揺さぶるようになってきた。パスのスピードも上がって、少ないタッチのパスで相手を動かしながら考える時間が減っていく。さらにペドロを投入して攻撃の人数を増やしていく。

パラグアイは中盤がきっちりとイニエスタらを抑えてけなくなってきていたし、そこに人数をかけて奪おうとしたりカウンターに出ようとすることで後方の人数が減っていってしまっていました。そこへ運動量を出せないほどの疲労も加わって縦パスに対してぶつかって収めさせないように出来ていたものが出来なくなり、スペインはともかく受けるところまではやらせてもらえるようになった。遅れが目立つようになったことでパラグアイのファウルが増え、スペインはきっちりと収めさせると進入していくことが出来る。
イニエスタが収めて中へドリブル。体力の切れてきたパラグアイは不用意に突っ込んでかわされてしまい、センターバックが対応するために寄せていかなければならなかった。それによってペドロがフリーになってボールを受け、シュートを放ったもののポストへ。当たり弾かれて、こぼれ球をビジャが決めた。それまでのように待つ、出て行く、二つの判断を間違わずに出来ていれば、この不用意なミスは生まれずにパラグアイは守り切れていたかもしれません。

ようやくリードを奪ったスペインは、フォアチェックから前へパスを繋がせずフィードもさせず、パラグアイが前に人数をかけて何とか点を取ろうとしているところを前に向かうことでそれをさせない。スペインがボールをキープして回して奪われないように動かしてどんどんとパラグアイを走らせて消耗させて、パワープレイをさせないようにしていく。本来ならそれで最後まで通していくことが出来ていたのかもしれませんが、完全できず、させてもらえなかったのはスペインも消耗していたからでしょう。裏に抜けられてシュートを打たれ、こぼれ球を押し込まれそうになった場面もありましたが、カシージャスが止めて同点に追いつかれることはありませんでした。

2010 FIFA World Cup Quarter final アルゼンチン対ドイツ

2010 年 7 月 4 日 日曜日

■Argentina 0 – 4 Germany
ドイツはこれまでのようにボールを動かすことに関して非常に長けていて、アルゼンチンのボールを奪う、パスをカットしてから味方へとボールを渡すところまでが早く、きっちりと奪うときにも味方が近くにいて受けられるポジションにいる。奪った瞬間に後方からの押し上げがあることで、最初のポイントを抑えられてもすぐ次にパスコースが出来ていく。アルゼンチンも寄せていましたし、それほどの緩さとスペースを与えてくいるわけではありませんでした。きちんと足を出せるくらいにマークには付いているものの、ドイツがきっちり選手の間に入り込んで受けているために、それをやりきれていないように見えました。

それ以外の点では両者とも仕掛ける意識と奪う意識が強く、特に縦へ仕掛ける意識は多く見せていました。サイドではドイツが仕掛けて深くまで入り込み、中のコースを切る事の多いアルゼンチンに対してさらに縦へと仕掛けてクロスのタイミングを伺い続ける。そういった仕掛けが奪えずにファウルをして止めなければならない場面が目立っていました。得点はあまりに早くその形から生まれ、シュバインシュタイガーのフリーキックにミュラーが合わせて先制をしていました。キックの精度が高くニアへの鋭いボールでしたが、相手の前に走り込んだミュラーも上手かった。アルゼンチンはニアにいたイグアインがコーナーキックに逃れるようなプレイをするほかにはあの状態ではチャンスがありませんでした。

ドイツはドリブルと動き直し、それらが連動をしていて、サイドでマークに付かれてもパスで逃げるようなことはせず、縦に仕掛ける意識を見せて上げられるチャンスを伺っていたり、足を止めてパスをするのではなく、仕掛ける姿勢を見せた上でパスを出していることで、アルゼンチンにパスコースを切る事に専念させず戻らせるように対応をさせた。仕掛ける意識を存分に植え付けたところで縦パスをだし、対応が遅れたりボールを持っていない選手へのマークが弱くなることろへダイレクトで回して崩していく。足下ではなくスペースを出していきながらポジションも変えていく。足を動かしながら展開をしていることで人数が前にかかっていましたし、こぼれ球への反応も先に出来て足下へ転がってきているように見える。

アルゼンチンもドリブルをしてパスコースを探している所まではよかったとしても、ボールを持っていない選手の運動量が少なく、パスコースを作るためであったり、受けるための動きをしてくれない。ドイツは守備を崩さなくてもドリブルを仕掛けてもくる相手を待ち構えておくだけでよく、それ以外のパスコースも動かないために掴まえておくことに苦労をしない。ドリブラーはパスを出せずに戻さなければならず、せっかくの仕掛けを周囲が活かせていませんでした。メッシが下がってボールを受けても同じ状況が繰り広げられて、前へボールを出してもそれだけしか効果が無く、そこから攻撃が始まるようなことはありませんでした。散発的にフォワードのテベスが動き飛び出したり仕掛けるところへ合わせるぐらいでした。メッシがパスを出しても、自分が上がっていく時間が必要で縦のパスでスピードを増加させると自分が攻撃に参加できない。チャンスがあるとすれば、ドイツが高く保っているディフェンスラインの裏側、特にサイドバックが上がった後にある裏だけでしょうか。そこを利用したとしてもドイツは中を固めて、サイドに収まってから寄せただけでもサポートが遠いために問題が無く防げていました。サイドのディ・マリアやマキシ・ロドリゲスとサイドバックが連携をしていくことが出来れば、そういった中とのサポートが遠くても問題のない状態を作れていたのかもしれませんが、それを出来るようになったのは前半終了間際から後半にかけてでした。

後半になってようやくアルゼンチンは連動性を増して、ボールを出してから再び動くようになりましたし、斜めに動いてスペースを作る動きもするようになった。前半は出来なかった連続したパスが何本も繋げるようになっていましたし、二人三人程度でボールを動かして構築していくのではなく、もっと多くの人数が攻撃に関与していくようになった。周りが動いてくれることでメッシもボールを前半よりは多く、高い位置で触れる環境になっていました。
アルゼンチンは攻撃に出たことで前に人数がいて、ボールをドイツが奪って中盤に預けても運ぼうとしても、人数がいるお陰ですぐに囲い込んでしまえるようになった。選択肢の少ない中でフォワードにロングボールを使って預けようとしても後方からデミケリスが抑え込め、明らかに状況はよくなっていました。中盤でボールを囲い込んで奪えることで裏へのパスを多く利用するようになった。そこへ預けるパスやドリブルを引っかけて、ショートカウンターで裏を狙う。ドイツが前へ出ようとした瞬間への切り替えのためにそれまでよりも簡単に使えていましたが、決定的な形を作るには至りませんでした。

その時間帯でアルゼンチンが大きなチャンスを作ってしまえば流れを持続させていくことが出来ていたのかもしれませんが、ドイツは徐々に修正をしていって切り替えを早くしていく。ボールを奪われてしまうと解った瞬間に縦を塞ぐ動きをすることでカウンターをさせないようにしてましたし、攻撃の選択肢を限定したところへ体を寄せてスピードを落とさせ、倒して奪う。
ドイツはドリブルに対して飛び込まず、足を出さずに陣形を整えて対処しようとしているようで、それがどこか奪えるチャンスが来るまで待つ粘り強さになっているものの、ディフェンスラインがずるずると下がってシュートレンジに自ら持っていかせてあげている事にもなっていました。そして裏を使われる原因にもなっていましたが、最後の部分で集中をして慌てずに対応していくことで防ぎきっていました。

ドイツは自分たちの流れではない時間帯を堪え忍んだことでチャンスを得て、追加点を奪ってしまった。アルゼンチンのディフェンダーにプレッシャーをかけることでフィードで繋がせず不安定なクリアをさせて拾い、右から左へとボールを動かし、最後は縦パスを入れた。パスから前へ向かう勢いを後ろから当たられても止めなかった事でそれがゴールに繋がっていました。

そこから再び試合はドイツが支配するようになり、きっちりとフォワードに預けてそこを追い越して、また攻撃に停滞を生まないようにしていった。ボールを動かしながらそれぞれがアルゼンチンの隙間に入って、そこで受けて相手をぎゅっと引き寄せて、そしてできたスペースへ別の選手が入って受ける。アルゼンチンの攻撃を受ける時間はありましたが、きっちりと攻撃の時間も作って逃げ切る姿勢だけを前面に出してしまうことはありませんでした。

三点目ははひたすらシュバインシュタイガーの状況判断が上回ってドリブルの進入からアルネ・フリードリッヒへとパスを出して決めさせた。

その後いくつかの交代がある頃にはアルゼンチンの動きは止まっていて、それぞれが守備に向かう気力も攻撃に出る気力をも失ってしまっていたかのようでした。それぞれがボールをキープできなくなっていましたし、ドイツの攻撃に対して複数で向かう事はあっても、裏や別の選択肢をケアするところまでいっていない。プレイはしているが雑になって抑えられないし、ファウルになってしまう。攻撃も守備もある程度動いているが故にドイツにスペースを与えてしまっていました。

ドイツは容赦なく四点目を決め、とにかく強く、試合を完全に決めて危なげなく試合を終わらせました。