‘Football 08/09’ カテゴリーのアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 33. セビリア対レアル・マドリー

2009 年 4 月 27 日 月曜日

■Sevilla 2 – 4 Real Madrid
クラシコ前だからというのがあって、マドリーの試合を見たんですが、それ以上に大きな要素を占めていたのは、バルサが前日に引き分けて、マドリーとしては差を縮めるためには何としても勝たなければならない、という部分。個人的には、セビリアに勝って欲しく、その願望に満ちあふれた見方をしているのを(いつものこととはいえ)予め白状しておきます。そしてそのことをご了承ください。

両者共に出足は、ボールを収めるところを潰す意識を出していて、特に中盤のつぶし合いから前へ展開する、というよりも、まず潰すだけというようでした。セビリア側は多少攻撃のことを意識こそしていましたが、守備自体のスタイルは前で如何に相手にプレスをしボールを前に出させないかに終始して、ポストプレイこそ封じていましたが裏へ抜けられることに関しては全く注意を払っていないと思えるほどに薄いものでした。オフサイドになったものの、最初にイグアインに抜けられたところで意識の変化をして修正をしていくかと思いきや、その後も姿勢としては変わりませんでした。ただ、マドリー側が高い位置でボールを収められず、近い距離からディフェンスラインの裏側へスルーパスを出せないでいたのも変わりませんでしたから大きな問題にはならないようでした。主に攻撃はセルヒオ・ラモスの右サイドのオーバーラップから縦へ向かおうとするもの(それもうまくいっているとは思えず中途半端なポジショニングで終わっていた)や、後方からのクリアをロングフィードにして一発で相手の裏を狙う、リスクを大幅に軽減した攻め方だけで、繋ぐことをせずに収めることも出来ず、攻撃のスタイルとしては単調で、裏のケアが出来ていないセビリアであっても、それだけの滞空時間のあるものであれば対応は問題なく、得点の匂いは全くしなかった。

セビリアの攻撃は、レナトとカヌーテが左右に動きつつもボールを中央で収めるもので、中盤のつぶし合いの一歩先にボールを収めることで、ある程度スペースのあるところでボールを受けられる状況になることが多く、前がかりになっている中盤の守備と後方で待ちかまえなければならないディフェンスラインとのギャップから、受けられるだけのスペースが出来ていたのも事実でした。オーバーラップするセルヒオ・ラモスの裏側や、スピードで圧倒されているミゲル・トーレスの裏側をカバーするためにもセンターバックは裏の意識を持っていなければならなかったために、ポストプレイに対して強く当たることが出来ず、それらが左右に展開される要素にもなっていて、ラサナ・ディアラが動き回ってサイドのケアまで走り回って対応していましたが、それらも中央から引きずり出されて居る側面の方が強く出ており、上手く立ち回っているとは言いがたいものでした。それに両センターバックの特徴が、対人能力よりもカバーリングの人たちでしたからスピードに難があることもあって、そう守る姿勢になるだろうというのは見えていました。ですから、セビリアの攻撃のやり方は非常によかった。先制点の場面を含めてよかった。ただもう少し何かしらの要素があれば、追加点を奪えて流れを決めるだけの要素になれたのかもしれませんね。

マドリーの攻撃は、本当に裏を狙うスルーパスが中心になったもので、どの位置からでもスルーパスを狙い続ける、ともすれば単調で退屈なサッカーだったんですが、セビリアの守備も攻撃も前への意識を強くしているために、セビリアのボールを高い位置で奪ったときや、妙なエアポケットが出来てしまった瞬間などは裏一本であっても十分に得点できるだけのチャンスを演出できていましたし、実際に得点を得るだけの場面を作り出していた。どれもセビリアの不注意によるものでしたが、マドリーの選手たちがする同一の動きは、得点に焦りすぎているからのもので、個々に多様性がないためにパスコースが限定されていたり、裏へ抜けた後の展開にもバリエーションを付けられませんでした。それ以上に得点を取らなければならない焦りが、いくつも正確性のないプレイを生んでしまい、なかなか得点には結びつきませんでしたね。セビリアのように味方を信じて動き続けていれば、もう少し違ったバリエーションがあったのかもしれませんが、同点のゴール自体は、常に裏を狙い続けたからこそ生まれたもので、状況の修正から打開していくものではなかったのでがっかり。

そしてセビリアも守備の修正をしなければならないのを無視続けた結果の失点で、ある種ミスといえる失点で、その後の失点も、状況が決していた4点目以外は、ほぼ全てミスによるもので、セビリアのここ最近の不調をうかがい知ることが出来るような自滅っぷり。
マドリーは得点前後にはしっかりと中盤の高い位置でボールを受けられるようになっていましたし、近い距離のパスも出せるようになり、こぼれ球のサポートも得られるようになっていた。単調な中に改善があったのも事実で、マドリーの勝利は試合の推移を見れば妥当なもの。

クラシコの持つ意味合いが大きくなったことを考えると、リーガ全体としてはいいことであっても、バルサを応援する身からすると冷や汗もの。日程の厳しさが同じなら大きくアドバンテージがありそうな内容でも、そうではないので地獄ですよ。本当に。

Liga Espanola Jornadas 33. バレンシア対バルセロナ

2009 年 4 月 26 日 日曜日

■Valencia 2 – 2 FC Barcelona
一番苦手なタイプ相手と対戦するのにこの日もまたローテーションを使わなければならないのは、この先の日程を考えると仕方が無く、そして辛い要素ですね。この日はマルケスとアンリ、トゥーレ・ヤヤが休みですが、その辺の起用の都合はイエローカードの累積の多さから直接対決のクラシコへ出場できない選手が出てしまうと困るから、というのがある程度は含まれていそうです。

開始直後は、バルサは前から異様なほどに勢いよくチェックをし、それで一気に流れを持っていきたがっているように見えました。ここの所のバレンシアの勢いを見ていれば、先に主導権を握ろうとするのも悪くなく、バレンシアの守備でも攻撃でも勢いを削ぐことが出来れば、構築能力に関しては、まだ以前ほどの所にまで戻ってきていませんから、有効だったのかもしれません。上手くその間は、バレンシアのチェックも苦にせずボールを回していましたが、特に中盤高い位置、シャビの居る高さあたりでの当たりが厳しいもので、バルサの苦手な喧嘩サッカーにも似たようなものから、一歩ずつバルサの選手たちがひいてしまっていくのが見えているようでした。怪我が出来ないのは解ることですが、そこで立ち向かうことが出来れば、開始直後の流れを失うことはなかったのかもしれません。

バレンシアの当たりの激しい部分はその中盤が中心となっていて、ディフェンスラインと中盤の部分の人数の揃え方はさすがに守備のクラブだと思えるほどで、それだけなら苦労はしないんですが、しっかりとビジャが労を惜しまず、テクニックのないプジョルにチェックを欠けることで構築の一段階目を抑え、それ以外にもピケやビクトル・バルデスにまでそれをすることで、見事に目標を達成していましたね。本来であれば、アンカーの所にいるセルジ・ブスケツがそれらのサポートを行い、構築の手助けを大きくやらなくてはならないんですが、守備に戻るときにもディフェンスラインの一部になることが出来ず、高い位置を取りがちで裏を取られやすく、裏にボールを出させてしまいそうなポジショニングをする。そういったアンカーとしては高いポジショニングが、構築の第一段階でも高すぎてセンターバックを抑えられたときの選択肢として成り立っていませんでした。トゥーレ・ヤヤであれば、低い位置のカバーとボールを受けてからの展開に関しては問題ないんですけどね。どちらの選手にも一長一短な部分はあり、この試合に関しては、セルジ・ブスケツは向いていなかったのは確か。
バレンシアの狙いで言えば、それ以外にもサイドバックの裏側の部分がありました。特に引いて守っているバレンシアの陣形を崩すためにはバルサはサイドバックを上がらせなければならず、さらに中央にはビジャが居るためにセンターバックを大きくサイドにカバーさせるわけにもいかない。その状態で、押し込んで深い位置まで入り込んでからダニエウ・アウベスがボールを奪われるのであれば問題ないんですが、待ちかまえているところにぶち当たって奪われてしまうのだから、カウンターの時にサイドバックの裏側を狙われるのは定石。プジョルはスピードがある程度あるのでともかくとして、ピケにはスピードがありませんからカバーは遅れ、セルジ・ブスケツも埋められない。マタ、シルバ、パブロ・エルナンデスが高い位置を保つため、数的不利ができあがり、苦手な戻りながらの守備を強いられる。個人的には、その中で失点しなかっただけでも儲けものだと思ってます。
あるいは、クリアを一本のカウンターにしてビジャが抜け出していく、一発カウンターでも失点はしませんでした。一度あった、ビジャの悪質なシミュレーションにはカードが出されて然るべきだとは思っていましたが、それはともかく。

攻撃で言えば、いくら裏を狙われようが、ダニエウ・アウベスは上がり続け、クロスを入れ続ける。その姿勢は間違ってないとは思うんですが、この試合に関しては左側にイニエスタが入っていることもあって、クロスを上げても対応する選手が一人しかいない。左から攻めた場合にはメッシやシャビが入り込めることもあって中に人数が居るんですが、右からのクロスには期待できるはずもありませんでした。単純なクロスよりも、いくつかの崩した展開を期待したいんですが、シャビの動きが悪く、さらにシャビの所を囲い込むようにボールを納められないようにして囲い込んでいるため、ボールを収めたところでいつものように連動したパスが出せる環境にありません。流れの中で前を向きながらパスを繋いで構築していけるだけのスペースが与えられておらず、ポジショニングも、オフ・ザ・ボールの動きに関しても苦しいものでした。アンリを投入したことでシャビの位置を一枚下げ、イニエスタが一つ前で構築することから縦のスムーズさが出るのを期待したんですが、シャビの調子の悪さは如何ともしがたかったですね。

バレンシアの守備は、引いて守り、ディフェンスラインと中盤の間を作らないようにし、ドリブルで駆け上がってくる選手に対し、ディフェンスラインは下がり、中盤は戻る。囲い込む形を作り、前後左右に動きの取れない状況を作りミスを待つもので、ファウルを犯すこともあまりしないようにしていました。二つのライン集めて密集した地帯を作り出し、パスもドリブルも動きの取れない状況にする。徹底して全員で下がって守り、もう大渋滞を作り出すことで守るやりかたで、後半途中からの全員守備は、攻撃とファウルの多さに見られる守備の激しさと、判定に対する審判への圧力のかけ方、それら全てに共通するように、手段問わずに勝ちに拘っている姿勢が見られました。気持ちの点ではバレンシアの方が遙かに上を行ってましたね。ええ、まぁ、チーム事情が大きく異なるわけですが。

ただ、どうにもならないかと思えるぐらいの試合だったのを引き分けられたのは大きく、これで勝ち点差が縮まる危険性が高くなったとはいえ、こういった非常に困難な試合で勝ち点を広うか失うか、それらは大きな意味を持つことが多いので、好材料として捉えておくことにしておきます。
ただ、二つの失点は頂けなく、点の取られ方が悪すぎた。チェルシーにも似たような形で得点を取られる姿が透けて見えるようです。

Liga Espanola Jornadas 32. バルセロナ対セビリア

2009 年 4 月 23 日 木曜日

■FC Barcelona 4 – 0 Sevilla
ここから強豪クラブとの連戦に次ぐ連戦になるんですが、それを考慮してか、セビリアを相手に回してもメッシとプジョルを休ませるのだから驚き。メッシは過労気味だったので休ませられてちょうど良かったんですが、メッシ不在の時の得点力の低下からすると、この試合も苦しむことになるのかと思っていたら、この結果。いくつか重要な選手が不在だったとしても、どちらにとっても同じ事ででしたから、それが勝負を左右したとは言えないはず。

あまりに早い先制点がこの勝負を決めてしまったのかもしれませんね。高くいい場所で奪い、ショートカウンターになった。エトーがディフェンスラインで戦うことから、裏側を狙われることを意識して左側からは出てこられず、中央と右側から最低でも向かう意識を見せなければならなかった。もちろん中盤がいれば彼らがすべきことなですが、奪われた位置と相手がそうでしたから、それは望むべくもなく、チェックもなしにリトリートしてしまった判断の悪さが、あの見事なシュートのアシストでしょう。

レクレアティボとの対戦の時は、あまりに早い先制点からバルサがペースを落としてしまい、追加点を奪うに奪えず、全体の勢いも落としてしまっていたんですが、この試合は多くの観客の後押しもあって、鈍ることなくやれたのは嬉しい部分でした。ただ、バルサはゆっくりとスタートしてしまい、観客に押されて前に出てきた、という感じでしたね。
ボールが前に出るタイミングは早くなく、後方で回すことも多く、セビリアのプレッシングもきっちりと中盤とサイドバックにかかり、前へ出す前に勝負をかけて一気にやってしまいたいという意識が見えました。が、それを上手くいなせていて、後方で回すボール展開から一気に前へパススピードを上げて納める。もちろん受け手に余裕はそれほど無く、厳しい状態にあるにしろ、それが通るわけで、その要因としてあるのがイニエスタの動きかもしれません。本来ならメッシの代わりとして右サイドに一度っているはずの彼が、縦横無尽に動き中央へ進出してくる。そして前へのプレッシングを強めようとするセビリアの中盤と、ディフェンスラインとの間に入り込みボールを納める役目を担えるようになる。右のアタッカーでありながら構築の手助けもすることによって、手間取りかけていた構築と、より高い位置へ飛ばして行えるようになり、セビリアの意図は、そこで挫けてしまったのかもしれません。

セビリアが左右のアタッカーを入れ替えておくのは、最近のやり方からすると通常のスタイルで、あまり多いとは言えない攻撃の中でも、その二人だけは辛うじて活躍している姿を見ることが出来ました。本来であれば、左右のっききあしの応じた配置をすることで、バルサの苦手な戻りながら処理しなければならない早いタイミングでクロスを入れてしまう方がいいのかもしれませんが、この利き足の配置ではそれが出来ず、逆に深い位置まで切れ込んだ後に、持ち直して角度のあるクロスを入れさせることで、キーパーとディフェンスラインの間にボールを入れる、つまりバルサの苦手とする形で入れることが出来るようになっていました。ただ、ヘスス・ナバスに関しては、ダニエウ・アウベスが右足のコースを消していたお陰でそれをやられることはなく、ディエゴ・カペルにのみ、不徹底なアビダルがやられてしまっていました。本来なら、ディエゴ・カペルの右足はまるで使い物にならないために、左のみを警戒していていいんですが、バレンシア戦のように非常に消極的ではなかったディエゴ・カペルの意識とスピードを恐れてしまったんでしょう。その必要はなかったのに。

バルサの守備は攻撃と連動していて、試合の早い段階では、高い位置で奪い、高い位置で相手にプレスを仕掛け、ボールの配球をする第一段階のロマリッチやマレスカを抑えてしまうことで試合の組み立てを始めさせず、他の選手の上がりを抑制し、さらに押し込める環境を作ることをメインとしていました。その後は押し込み終わった環境から延々と攻め続けるだけで、ボールを奪われたとしても、セビリアが前に繋いだボールにサポートの選手が近づくまでにかかる時間の多さを利用して囲い込み奪って、また攻撃へ。その繰り返しによって押し上げもさせなくしてしまいました。さすがに後半途中からはそういった意識はなくなってしまいましたが、勝負が決していたので、もう関係のないところで。

とにかくこの試合のバルサは、ドリブルでこじ開けなければコースを見つけることが出来ないような調子の悪さを出してしまうことは何もなく、パスとオフ・ザ・ボールの動きだけによって殆どの部分を構築し、チャンスを作り、点を決めている。個人の力に頼っている部分は少なく、組織の動きで勝負を決めてしまった印象が強く、もちろん、個人技術の高さがあってこその組織の動きですが、どこぞのクラブとは状況と環境の良さが違うことを見せていますね。

悪い部分を書くとすれば、油断をしすぎて、バックパスの処理と最後尾の危険な部分でミスを犯して失点をしそうになったところ、クリアを選択せずに繋ごうとしたり、ペナルティエリア付近の狭い地域で明確なクリアかパスなのかすらも判断不可能なボールのやりとりから、危険を招きそうになったところ、ディエゴ・カペルへの対応の不徹底。いくつか運良く失点しなかっただけ、という場面があったのは事実で、完璧な試合だけど、そういった部分に目を向けていないと、チェルシーなんて見事にそこを突いてくるから、しっかり修正していかないとね。

Liga Espanola Jornadas 31. バレンシア対セビリア

2009 年 4 月 20 日 月曜日

■Valencia 3-1 Sevilla
バレンシア勢は調子が上向いてきたとはいえ、各選手ここの縦のスピードに依存しているように見えますね。この日は出場したホアキンを始め、ビジャ、マタ、シルバなど、縦のスピードとドリブルに関しては事欠かない選手が揃っていますから、攻撃に関しては十分な人数と、クラブとしての持ち味のカウンターを活かせるだけの状況にある。ただし、守備に関しての不安定さはあり、序盤からいくつも見せていたキーパーとディフェンダーの連携の悪さや、セサル・サンチェスの衰えから来る、読みに頼り切った不用意な飛び出しに始まり、徹底的に入れられる左右からのクロスへの対応がおかしく、前を向いてクリアできなかったり、中に入り込まれている人数に対して過剰なまでの人数を割き中央に密集を作ってしまったり、守備戦術の不明確さはあまりにも酷い状況ですね。

対するセビリアはその部分をきっちりと突いてきており、中央からサイドに展開するだけでなく、サイドからサイドを利用し続け、ワイドに利用してクロスを徹底してあげるなど、横への意識よりも縦への意識を強めてクロスを上げ続け、コーナーを得続けました。あれだけのクロスを中央へ送り続けることが出来れば、相手の対応も判り、自分たちのやるべきことも見えてくるわけで、エスキュデのゴールが生まれたのも、当然の成り行きでしょう。
バレンシアはあまりにもサイドで収まるボールに対して、後ろに下がりつつ対応をし続けてしまいました。本らにならどこかで奪いに言ったり、奪えないにしろ、当たって前への意識をそぐ努力をしておくべきだったんですが、サイドの守備をミゲルとアレクシスに任せっきりで、サポートのことをあまり考えていない守り方でしたから、その状況で当たりに行くのは難しい。バラハとアルベルダのベテランでお互いのプレイを知り尽くしている選手が二人もいながら、そのケアが出来ないのはお粗末でしかありません。
サイドバックにしてもセビリアがそうしていたように、ボールを収める瞬間に強く当たることも必要でしょう。セビリアがそれをできたのは、バレンシアの面々にパワーがなかったからではありますが。

というところでまでが、試合について書ける部分でしょう。

審判があまりにも両チームに対して不信感を持たれるような判断を連発し、プレイの中断ごとに選手たちの不満が審判へぶつけられ、観客席からも盛大なブーイングが浴びせられるばかり。どれか一つの重大な判断がそうさせたのではなく、一つ一つの細かい判断があまりにも駄目だからそうなるようになってしまい、審判の判断のばらつきは酷く、何のファウル化すらはっきりしないほどでした。

審判の影響で荒れた時間帯に乗じて、バレンシアが攻勢をかけ始め、状況が動き始めていました。。サイドをワイドに、両サイドを押し上げてしまう戦い方をするようになったんですが、サイドチェンジをして色んな攻め方が出来ていれば、凄く効果的に数的有利を作ることが出来るんでしょう。ただセビリアがきっちりと守備の意識を持ち、クロスを単純には上げさせないように守っていることで、それらが得点へ結びつくとは思えませんでした。辛うじて得点できるとすれば、ケアできていないファーサイドへ展開していくことかもしれません。

ようやく一方の構成によって事態の打開が図られるかと思ったら、その時点でも審判は流れを変える判断をしてしまい、アドリアーノの退場は納得がいかない。最初の一枚目の所では彼に何故カードを出されたのか理解することが出来なかったもののイエローカード。二枚目となったレッドカードはイエローカードに相当するようなプレイであってレッドカードを出すようなプレイではなく、即ち、一枚目が一枚目ならイエロー一枚目となるはずで、退場には値しなかったのではないか、という思いがぬぐい去れませんでした。どちらにしろ一枚目次第では退場は免れていないわけですが、一発レッドに該当するプレイでなかったことだけは確かでしょう。もちろん、あそこであのプレイをしたアドリアーノが軽率だったのは間違いなく。審判が試合を荒れさせた結果、その直後にもバレンシアに相当有利な笛からPKを与えて、審判が同点を演出してしまい、完全に試合は壊れてしまいました。しかもバレンシアに有利な笛ではありますが、PKを蹴るために必要な笛をいつまで経っても吹かないなど、不満はいっぱい。

見ている側とは違い、後半の選手たちの気持ちの入れ替えは上手くいっていたようで、攻守に苛立ちを見せる場面はあまりありませんでした。セビリアはカヌーテへ納めて展開する。一回納めてからワイドに、というのがあるけれど、カヌーテが受けきるのが強み。しかし、それをすることによって裏への脅威が減ってしまい、代わりに入れられたディエゴ・カペルのへたれっぷりから、ファウルを得てセットプレイで勝負するチャンスも得られず、カウンターの鋭さも全く出てこず、あのスピードを生かせる場面は当分訪れそうになく、将来を嘱望される才能の持ち主だったはずが、オドンコール以下(オドンコールを馬鹿にしているわけではなく)の選手に落ちぶれてしまったことに失望を隠しきれません。

バレンシアは、下手にポゼッションしようとせず、バレンシアのアイデンティティー通りにカウンターを仕掛けられるようになって、数的有利からいくつものチャンスを作り出して、スピードを生かしたものからシュート数も大きく増えましたが、後一歩のところが決まり切らない。ドリブルで切れ込んだり切り崩したりする場面は多いんですが、余計なことをしている印象が強く、セビリアは引いて守り引き分けを狙い始めているのに、時間をかけて中を固める時間を与える必要はないでしょう。持ち味ではあるけれど、それをやり続けていい状況ではないんじゃないかと、その辺にもバレンシアの現状を見ていました。

が、最後の最後で、フェルナンド・ナバーロがPKを与えてしまいましたね。これは大きく手を伸ばして、ボールへ手で触る意図があったのは間違いないでしょう。あれは弁明の仕様のない行為でしたが、実際にボールへ手が触れているとは思えない。あれで本当にPKが与えられるべきかどうかに関しては、正確な判断を出せそうにはありませんが、非常にがっかりとするようなジャッジで、さらにその後、監督をも退席処分にしてしまい、バレンシアの得点は、はっきりとするものではない審判が演出してくれたPK二つ。最後の最後に得点を決めて何とか、審判の演出から逃れた印象を与えて試合を終えてくれましたが、それだけ。

せっかくの素晴らしい対戦カードなのに、こんな理不尽なことがあるか。勿体ない。

Liga Espanola Jornadas 31. ヘタフェ対バルセロナ

2009 年 4 月 19 日 日曜日

■Getafe 0 – 1 FC Barcelona
試合序盤はかなりのスローペースで展開し、両者とも出方をうかがっているようにさえ見えました。ヘタフェは中盤の所に人を置き、バルサのディフェンスラインにまでチェックをかけて動き回るような真似をせず、最後尾でのパス回しこそさせているものの、一つ前へボールを出し、そこからさらに前を振り向けるほどのスペースを与えないように気を配っているようでした。そういったある種消極的な追い回さない守り方からシステムが崩れることは相当に少なく、自分のエリアにボールと選手が入ってきてから行うために、効率的でもありました。しっかりとチェックはしていて、後ろに引いてしまうわけではないから、パスで崩されてしまう可能性は低く有効であるように思えましたが、後方からボールを持ち上がられたり、ドリブルで入り込まれてしまうと、それぞれのマークにズレが生じ、密集地帯が減ってしまい、脅威が小さくなってしまっていましたね。縦へのスピードアップをさせない、という点では十分だった気もします。
例えばスペースの少なさと、ボールサイドの片方に寄せて守ろうというのではないヘタフェの守り方では、相手を横に動かせない。そのため中長距離のパスを出せる機会が少なく、サイドチェンジをしようにも、そのチャンスを得ることも殆どありませんでした。その時間帯を大きく動かしたのはやはりドリブルで、イニエスタのドリブルが効果的に相手のマークをずらせて、注意を引きつけていました。実際にアンリのチャンスも演出しましたし、キーパーのストイコビッチが孤軍奮闘しなければ、前半で大きく得点をし、試合を決めてしまうほどでしたから。

ただ、先制点をバルサが決めてから、思い切りが良くなってダニエウ・アウベスのオーバーラップを見て、大きくサイドを変えるボールが出来るようにはなりましたし、ドリブル時の相手の対応も見えてきていました。ヘタフェの守り方は数的有利でパスを防ぐものであって、数的有利でドリブルを防ぐために陣形を整えているわけではなかったようです。ドリブルをする選手相手に二人でチェックをし、一気に寄せてしまう場面は殆ど見られず、チェックする選手の近くにディフェンダーがいたとしても、そのカバーをするかのように一歩離れたところにいて、一度に多くの選手を相手にするわけではないから、ドリブルで相手を押し込んでいける場面が多く作れたようです。

バルサは、チャンピオンズリーグのセカンドレグで、バイエルン相手に、ディフェンスラインの所で誰も戦わず、裏を狙うこともしなければポストプレイもせず、得点を取る意識の薄さを見せてしまい、不安視していたんですが、そういった心配は杞憂で、この試合でいえば、常に誰かがディフェンスラインに入り、裏を狙う姿勢を見せつつスルーパスを誘発させたり、その前でポストプレイもしてボールを収めてみたり、と様々なことが出来ていました。それだけで、状況の改善は明らか。大きく手を抜いていないのは十分に解りました。ドリブルと、裏へのパスと、ポストプレイのバランスがよく、どれかに固執していませんでしたしね。

後半途中からは、日程の厳しさと疲労から、オフ・ザ・ボールの動きが減り、ボールを引き出せなくなり、圧倒的な支配率だったものも失い始め、幾つかのピンチも招きましたが、その辺はもう仕方のない部分だと捉えて批判はしません。ただセルジ・ブスケツには不満があり、頭の中がお留守になっている瞬間があったようで、タッチミス、動きのミス、パスミス、チェックで軽すぎる、チームの中では相当にミスが目立っていました。失点の原因にならなかったのは運が良かった、と思うほどによくない状態を晒してました。彼だけはちょっと批判しておきたい。

この点差になってしまったのは、ここ二試合のようにバルサが悪かったのではなく、十分にバルサらしさを発揮し得点できるチャンスがあったのに、ただ単に相手キーパーのストイコビッチがよかったこと、運が悪かったこと、審判が得点機会を阻止しまくっただけのことです。

メッシが倒されたのも、エトーが倒されたのもPKを取ってもらえなかった。それらは得点に直結するプレイだから慎重になることは別に悪いことではなく、イングランドの某審判がしたように、シミュレーションという異常なジャッジをしなかっただけでもまともな方でしょう。ただし、メッシがオンサイドで抜け出したのもオフサイドを取られ、80分のゴールもまったくのオンサイドをオフサイドで得点にしてもらえなかった。お陰で試合の行方は最後まで解らなくなりましたし、リーガ全体を考えるとマドリーに多少のアドバンテージがあり、追いつける可能性があった方がいいのかもしれませんが、キーパーがファインセーブを連発し、いい試合にしていたものを審判が無下にしてしまった印象を植え付けるには十分です。
イニエスタには特に厳しく、もっとカードが出されていないと行けないくらいのファウルを受け続けたのに出されたカードは少なく、ダニエウ・アウベスのイエローカードは相手が勝手に転んだだけなのに出される異常さ。

もちろん、これはバルサ側を応援する人間が見た視点によるものなので、一方的な不満に他なりませんが。

それにしても、ここからの日程の厳しさは理不尽なほどで、セビリア、バレンシア、チェルシー、マドリー、チェルシーと続くわけです。コパ・デル・レイの決勝も来月にはあり、一つ派手に転げると、それがずっと続いてしまいそうなくらいに馬鹿かと思えるほどの日程ですヨ。全てを勝てたら奇蹟のようなものだなぁ。

UEFA Champions League Quarter-finals 2ndLeg アーセナル対ビジャレアル

2009 年 4 月 16 日 木曜日

■Arsenal 3 – 0 Villareal
マルコス・セナの負傷欠場の影響は大きく、返す返すも、サンティ・カソルラも含めて怪我人の多さが悔やまれ試合でした。アーセナルはギャラスこそ負傷してしまいましたが、シルベストルという経験のあるディフェンダーによって、それほど大きな遜色なく穴を埋められましたし、アルムニアの所もファビアンスキが十分な働きをしている。何よりもファン・ペルシーが戻ってきたという好材料がありましたが、ビジャレアル側にそれを見つけることは非常に困難でした。

第一戦同様に、ビジャレアルがショートパスを繋ぎ、試合を動かしつつ構築していくスタイルに変化は見られませんでいたが、後方でボールを回し構築し始めていくときに、アーセナルは当然縦のコースを切りに来る。スピードアップさせ変化に富んだ動きをされてしまえば、抑えきることは困難になるわけで、当然の予想もできることなんですが、その際にビジャレアルは横のパスでマークをずらしつつ、新たな展開先を探さなければならない。マルコス・セナであれば、パスミスは多少あるにせよ、広い視野からいくつものコースを見つけることが出来、他の選手たちも信頼して動き始めることが出来るんですが、それがいない。エグレンやブルーのが代わりを務めるのは酷で、攻撃面だけでなく守備面でも、マルコス・セナのセンターバックと中盤の間を埋めたり、左右のバランスを取る動きを真似することは出来ず、存在の大きさを改めて感じさせるだけでした。

ビジャレアルの序盤は特に悪く、サイドバックが上がれるだけの溜を作ることが出来ず、不必要なところでボールを奪われてしまい、攻撃を急がなければならなくなり四枚程度の攻撃でやらなければならない場面が幾つかありました。それだけの枚数ではワイドに使うことは出来ず、どうしても中央に寄りがちな攻撃は、パスコースを読まれやすく、預ける先も読まれ、潰しやすいものでした。この形はリーガで調子を崩している試合でよく見られるものだったんですが、いち早くピレスがそれに気付き、ボールを受けに下がり、意図的にゆっくりとボールを回させることでサイドバックの上がる時間を作り、サイドの枚数を増やしたことによって、先細りしていた攻撃からワイドに使えるように戻っていきましたが、ピレスがその影響から高い位置を保てないことで、預け先の狙いをさらに絞り込ませる結果になったのは、この試合通してフォワードに収まりきらなかった要因になったのではないでしょうか。

いくらビジャレアルがサイドバックを上げたとしても、横の動きが少ないことには変わりなく、ポジションチェンジをする量も、レンジも狭く、サイドバックが上がるようになってからは、サイドチェンジの長いボールで横への揺さぶりをかけるようになりましたが、それだけで、人が動いて横への揺さぶりをかけていた第一戦から見ると不満の残る動きであったのは確か。
サイドバックを上げることはもちろんその裏を狙われることでもあり、右はナスリやアデバヨールに狙われ、左はウォルコットにやられる機会が多く、どちらもサポートに回っていたゴンサロ・ロドリゲスの消耗も激しく見えました。無理して攻めているしわ寄せがそこに来るのは否めず、先制点を与えたのもそういったもののようでした。
もし高い位置にイバガサがいれば、ピレスが下がったとしても、ロッシに預けるしかないという状況を作ることなく、低い位置と高い位置の両方でキープ力と展開力を発揮し、相手に脅威を与えられたのかもしれませんが、残念ながらそういった選手起用がなされたのは、二点目を失ってから。ずっとロッシ一本に絞られたポストプレイやそれ以外のボールもアーセナルとしては読みやすく、近づいてからのパスも少なくロングレンジのパスも多く、ピンポイントで合わせられるはずもなく、得点の匂いは殆どしませんでしたね。

最後のPKの判断は納得するのは難しいかもしれません。エグレンが抗議をして二枚目のカードを貰ってしまうほどだったのも理解できるぐらいのもので、残念でした。あのまま退場者が出なくとも、三点目を決められなくても、ビジャレアル可能性はなかったと思っていますが、あれで完全に試合は壊され、ビジャレアルにはもう何も残されていなかった。撃ち合いを演じて豪快に撃沈されるか、それ以上の失点を避けて傷つきながらもプライドを守る方を優先するのか。そういう選択すら出来ないくらいになっていて、ただ時間が過ぎていくだけで、三点目以降は余分でしかありません。

やっぱりイングランド勢二つが抜け出したのか。これでまたイングランドだらけの大会となるわけですね。恐らくバイエルンがイングランド勢と当たっていても敗退していたでしょうし、バルサが事前に当たっていたとしてもどっちに転ぶか解らないほど。それぐらいイングランドの状態がいいとしても、せっかくのチャンピオンズリーグなのだから、多種多様な展開を望みたいところです。

UEFA Champions League Quarter-finals 2ndLeg バイエルン・ミュンヘン対バルセロナ

2009 年 4 月 15 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 1 – 1 FC Barcelona
バイエルンの形としては、直前のブンデスリーガの形をひとまず踏襲したもので、ファーストレグの形をそのまま持ち込みはしなかったので、ひとまず安心しました。詳細は、ラームが復帰して左のサイドバックに入り、ゼ・ロベルトが一枚上がって本来の役割をこなせる位置に入り、オットルをアンカーに据えたようなもの。ファーストレグ後半に、ある程度修正をしてバルサを抑えられた形の採用とでも言うべきかもしれませんが、鍵となるオットルのアンカーを明確化している点では、その試合の後半からブンデスリーガ、そしてこの試合と、クリンスマン監督としては珍しく継続しているようです。
バルサは、アンリとマルケスを休ませ、ケイタとピケがスタメン。左サイドバックとして、ようやくアビダルが復帰を果たし、全体的な印象はローテーションを取り入れているように見えますね。それだけのことができる点差ですから、仕方のないことだと思うしかありません。

バイエルンがシステムを変えたことによって、左がリベリー一枚でカウンター時のスピードを活かした攻撃しかできなかった一戦目とは違い、リベリーをある程度フリーに動かしつつ、ゼ・ロベルトがワイドに開いてサポートをしながら追い越していく動きもする。ラームのオーバーラップの回数は非常に少なく、メッシを抑えることを最優先にしているようでしたが、それでも、ゼ・ロベルトのバランス感覚のお陰で、左の攻撃力を十分に発揮できるようにはなっていました。
同時に攻撃の主軸になったのはトニで、ボールを左右に出て受けようとしていた一戦目とは違い、中央で体を張ってボールを収めることに集中し、ポストプレイで徹底して相手前で受け、体でディフェンダーを押さえ、左右に展開する。役割の明確化は十分に効果があり、そこから中央を突破することもありましたし、惜しいチャンスを迎えることが出来た。体格とパワーで劣るバルサ相手にはとても有効だったのは間違いないでしょう。

守備面も一通り改善してきており、ディフェンスラインとキーパーにプレスを積極的にかけ、中盤の所に人数を割き、スペースを与えずアンカーに余裕を持ってボールを展開させない。セオリー通りの守り方をするようになったお陰で、大きな崩壊をする気配もなく、多くの時間帯を、バイエルンとしてはオーバーペース気味でありながら続けられたのは、今後のブンデスリーガの行方を左右することにもなるのかもしれません。
肝心のアンカーに据えられたオットルは、常にボールを持つ選手に対してプレスに向かい、高い位置であればファーストチェックとして、サイドであればプレスの二枚目、カバーとして存在するなど、常にボールの近くにおり、バランスを取る役目に徹していて、後半に少しだけ見えた、ファン・ボメルに指示されて前に出た場面以外は徹底して役割をこなせていました。
あとはポストプレイ、メッシに入るところには、ラームがきっちりとついていき、一戦目のように、楽に振り向かせるような真似をせず、イニエスタは振り向ける受け方をしているけれど、振り向いたときには間合いが狭まっており、彼の間合いではなくなっている状態を作れていました。ドリブルもパスも選択できないように詰めておくことで、サイドの攻撃も防げて、とりあえずはバルサの守備を抑えることは出来ていた。これがファーストレグでもできていれば崩壊などしなかったのに。

ただ、忘れてはいけないのは、バルサは攻撃面に重点を置いていなかったことでしょう。中盤の運動量とボールを引き出す動きの少なさ、歩きながら受けに戻る場面と、ディフェンスラインから前へボールを出せないくらいの状況、縦へのスピードアップをできない状態を自ら作っていました。先のレクレアティボ戦といい、どうにも悪い癖が出始めているようで、これからの日程を考えれば一番集中しなければならないのに、これでは…。

少しだけ崩そうという意識は見え、イニエスタやメッシが中央にポジションを移すことで、密着していたサイドバックを引き剥がす試みをしていた部分がそれ。バイエルンのサイドバックはアビダルやダニエウ・アウベスの警戒もあって中央へ絞られても、自分がちがそのままついていくことは出来ず、マークをオットルやセンターバックの二人に受け渡さなければならない、そうなってくると後方のリスクやプレスの枚数と位置がずれ、二人が前を向いてプレイできるようになるんですが、この日のバルサにはそれをするぐらいしかありませんでした。
殆どの場面において誰もペナルティエリアに飛び込もうとしないのが象徴で、それどころか、誰もディフェンスラインと戦おうともしていませんでした。特に遅攻になった場合には、バイエルンのディフェンスラインと中盤のラインが引いて守り、二つのラインが出来ている前でしかボールを回さず、間に入り込もうとする選手も、第一戦であれだけ裏のスペースを利用していたのに、それすらする気配がありません。リードされていても相手を目の前に置いてボールを回すだけ。
何としても勝つ、何としても引き分ける、その意識を強く持てないくらいの点差だから仕方ないのかもしれませんし、バイエルンがひっくり返すだけの試合をしようとしていれば、点を取りに行かざるを得ない試合をしたんでしょうが、バイエルン自体も勝利であればスコアに拘らない、その姿勢しかありませんでしたから。もう一つの試合のように、派手な打ち合いを演じるぐらいの覚悟で挑んでいれば、見る側としては楽しいことになっていたんでしょうが、両者共に体面を保てるスコアで終われるだけで、若干の満足があったようです。

他に書くことがあるとすれば、バルサは守り、得点を取る意識をあれだけ出さずに戦うのなら無失点で終わらなければならず、バイエルンの失点がオットルが吊り出されてしまったことによるものなのが不満点。バイエルンには、オットルのアンカーをブンデスリーガでも是非継続して欲しい所。不必要なタイミングでレンジンクをスタメンから落としたのだから、それくらいはして貰わないと。