‘Football 08/09’ カテゴリーのアーカイブ

Copa del Rey Final アスレティック・ビルバオ対バルセロナ

2009 年 5 月 14 日 木曜日

■Athletic Bilbao 1 – 4 FC Barcelona
よりにもよってこの決勝戦を怪我人だらけで挑まなければならないのは不運でしかありませんでした。イニエスタとアンリを欠いた左側は特に苦しく、この試合はプジョルが左サイドバックを務め、トゥーレ・ヤヤがセンターバックに入ったことから、より左側の攻撃力の減退を感じさせていました。ボヤンが左に回るにしろ、エトーが左に回るにしろ、それぞれの特性からして、イニエスタやアンリほど縦の突破で深くえぐり、そこから中を向いてドリブルで抜き去ることは殆ど出来ない。キープ力にしても二人ほどあるわけではなく、最初からゴールを意識した中へのものになりやすい。となると、ワイドに開いた展開を左側に求めることは難しく、サイドバックもプジョルだからオーバーラップからクロスも望めなかった。

開始早々のバルサは後方で回し展開先を見つけられなかった。ビルバオの守備が早い段階から連動して行われていて、シャビやメッシを囲い込む守備をされていたことから、展開先を見つけられず、アンカーのセルジ・ブスケツの所にも背後に一人は位置されていて、ボールが前へ出ない環境は十分にありました。ですが連動性は問題なくあり、相手のプレッシャーに気圧される部分はあったとしても、まだ勢いで負けることはなかったように見えました。相手のラフ気味に来るものに関しては警戒しているようでしたが、全体の密度を上げて、自分たちのパスが通る距離感を保つことが出来ていた。失点するまでは。

あっという間にコーナーキックから先制点をトケーロに決められたことで流れは一旗に立ちきられてしまいました。ケイタがマークに付いていたものの、バルサのこれまでの守り方同様に、この場面でもゾーンで守っていましたが、ニアサイドのケアは十分に出来ていてもファーサイドのケアは相変わらず甘い。キーパーに頼る部分が大きく、キーパーがケアできないスピードであったり、場所に落とされてしまえばこの有様になる。ジェステのボールもよかったし、トケーロのポジショニングもヘディングもよかった。だけどそれ以上にこの守り方の限界が見えてますね。コーナーキックに限らずセットプレイを得て、キーパーが躊躇する位置にクロスを上げて高さで競り勝てばいい。どのクラブと対戦したとしても得点を取られかねない弱点になってます。

バルサが勢いを失ったのとは対照的に、ビルバオは勢いをどんどんと増して、プレッシャーを与える速度は大きく増していました。シャビを抑えることに成功し、パスが回らないことからアンカーの横に並ぶまでの位置にまでシャビを押し下げていましたし、メッシにボールが入ったときには三人で囲い込んで潰している場面も多くありました。ボールを前に収めることが出来ず、その二人を抑えられてしまえば、欠場している選手らのように展開力ある選手が足りないために、バルサのディフェンスラインを押し上げることはリスクを考えると困難で、後方から押し上げが聞かないということは得意の前からのプレッシャーも機能しないことを意味し、相手に気圧されたように前が守備にいけず、後方は下げられ、前後に伸びきって戦わざるを得なくなってしまっていました。もちろん、ビルバオのディフェンスラインが低い位置を保っていることもあってフォワードがそこに留まり、シャビが下げられたこともあってロングレンジのパスが増えてしまい、ワイドに使えているわけでもなかったので、余計に後方から上がってくる選手が追い越せたり、連動した攻撃が出来なくなっていました。シャビが引いてこなければ、ボールの引き出しと展開がうまくいかないのだから仕方のないことで、それに合わせてメッシが近い距離を保つために下がってきては囲まれてしまい、上手く展開できないまま特にシャビ、メッシが上手く近い関係を保てず、パスが裏へ裏へと単調なものになっていました。もし、トゥーレ・ヤヤのゴラッソがなければ、疲弊していき、自滅していたかもしれませんね。
ディフェンスラインから、相手が引いで守っているところ、そのスペースが広大な部分を一人でドリブル突破し、ミドルシュート。バルサの面々が、誰一人裏へ抜けようとしていなかったのはとても問題でしたが、だからこそ彼がミドルシュートを撃つことになったんでしょう。これは功を奏したものの、本来ならそれに合わせて誰かが裏を狙う意識を見せてラインを押し下げつつ狙わなければならないんですが、誰もそれを見せなかった。なのにビルバオのディフェンスラインが、誰か裏に抜けようとしているかのように、リトリートしてくれたお陰であのシュートが打てただけで、半分はトゥーレ・ヤヤの素晴らしいプレイのお陰、もう半分はビルバオのミスのお陰でしょう。時間稼ぎも含めて、意識が後ろ向きになってしまっていた影響かもしれません。

後半になってからプジョルが上がる頻度が増えたのは象徴的な部分で、前線がボールキープしている間に上がることは少なかったんですが、それが上がれるようになっているということは、前でボールをキープできるようになってきているということでしょう。相手のプレッシングが上手くかからなくなり、ボールを回せるだけの時間が得られるようになったのもある。後方からの押し上げが、相手を押し下げ、一方的な形を作りつつありました。相手のプレッシャーも前半の消耗から緩んできていましたし、得点を取って以降は、バルサ側が開始直後のような勢いを取り戻しつつありました。そして伸びきっていた部分が解消され、それぞれの距離感が戻っていて、特にシャビからボヤンとメッシの距離が縮まり、ロングレンジのパスを出すことも減り、それらから前へ展開、横へ展開がスムーズに行われるようになり、相手のプレッシングも疲弊から少なくなり、ボールを回せるだけの時間を得られるようになった。
代わりにビルバオ側が押し込まれて前と後ろの距離が開いてしまい、ロングボールが増えてピケとトゥーレ・ヤヤに跳ね返される場面が多くなってましたね。

それらから予測のつくとおりの展開になり、コーナーキックのこぼれ球から展開して、最後はメッシ。三点目はカウンターからダニエウ・アウベスとメッシが相手を引っ張り、ボヤンが裏へ抜けて上手くゴールを決めて、殆ど勝負ありでした。ただ、先日のビジャレアル戦でそうだったように、二点差は安全な得点差ではないので、もう一点の追加点が必要だったんですが、今回はきっちりシャビがゴールを決めて勝負あり。
四点目がはいるとさすがにビルバオは目に見えて動きが落ちたわけで、先日のビジャレアル戦は、この三点差にするゴールが決められず後に追いつかれたわけですが、上手く教訓として出来たようで安心しました。大きく苦しみましたけどね。

試合以外の部分では、三点目の後に観客席から物が投げ込まれ、ダニエウ・アウベスに当たった場面がありました。スローインの最中で当たった物が何だったのか解りませんでしたが、プレイ続行できたわけで、大きな怪我にならなかったのは幸いでした。物が投げ込まれた周囲はアスレティック・ビルバオのサポーターしかいない場所で、得点差など状況を考えればどちらの陣営が投げ込んだのか明らかでしたが、投げ込んだ奴は即座に周囲のサポーターに囲まれ、警備員に連行され、ビルバオのサポーターたちは、そいつに向けて「出て行け」のコールを浴びせていました。投げ込んだ奴は最低で、周囲の人たちはそれを許さなかった。
自浄作用があるのは素晴らしいことで、悪いことが起こったにしろ、素晴らしいビルバオのサポーターたちの対応のお陰で大きな問題にならず終えられたのは喜ばしいことでした。まぁ、言葉を全て理解しているわけではないので、自分の勘違いが含まれている可能性がありますが、バルサのタイトル獲得も嬉しいことですが、こういった”いい対応”ってのも嬉しいことです。

Liga Espanola Jornadas 35. バルセロナ対ビジャレアル

2009 年 5 月 11 日 月曜日

■FC Barcelona 3 – 3 Villareal
何故かお祭りムードのカンプ・ノウにまったく溶け込めなくて、前日に自分がうっかりと立ててしまったフラグが自分自身をそうさせているのかと思っていたんですが、最後には引き分けて優勝できず。バルサならやりかねないとは思っていたけれど、見事な引き分け、だめぽっぷり。だけどほっとしたのは何故だろう。

ビジャレアルは2トップとイバガサとピレスを同時起用し、攻撃的な布陣で臨んでいました。形としては不タルのフォワードの下に三枚が並ぶことが多く、それらがポジションを動かしながら縦関係を作り、ワイドな攻めをするよりも中央を射抜くようなスタイルに見えました。ビジャレアルのスタイルからすると、不調時に陥っていることの多い形を自ら選択したようにも思えていたのですが、バルサを相手にした際のやり方としては正しかったようです。
アンカーのトゥーレ・ヤヤの両脇を利用してくるのはビジャレアルの恒例のやり方でもあって、センターバックが前に出てカバーをしたり、中盤のケイタ、シャビのエリアを下げて対応しなければならなくなるんですが、この日はフォワードに二枚を置くことでセンターバックを前に出てこさせない環境を作ってました。マルコス・セナ不在時には縦の関係が作れず苦労をしていたところに、イバガサとピレスでその関係を構築して、両脇を利用しつつ縦の関係で繋ぎ、センターバックの前への意識を利用して裏を狙う、理想主義的にみえるビジャレアルのサッカーからすると効率的なものでした。
ただ、そこにかけられる人数の多さは、対バルサとして考えてくるクラブからするとあまりに多く、ペナルティエリアに入り込む人数もサイドから攻めることが出来れば、バルサの守備の人数よりも多い瞬間があり、ファーサイドにまでボールを回すことが出来れば、必ずフリーになるほどリスクを冒した攻撃でもありました。

守備の部分でも、素早いチェックを利用し、特に左のサイドバック、アビダルがボールを持ったときのパスコースを大きく限定することで前へのスピードを遅らせることに成功していました。アビダル自体に大きなプレッシャーは与えられていなくとも、パスコースの先となる全員をしっかりと捕まえておいてパスを出せないようにし、センターバックがボールを持った時にも同様にする。バルサの選手たちが動けていないからというよりも、ビジャレアルがよく圧縮をし、短いパスを速いテンポで出させなかったというべきでしょう。

高い位置からボールを奪いにこられていたこともあって、ボールを受けようとするバルサは、止まった状態の足下でボールを受けようとすることが多くあり、前を向きながら、動きながらの展開をすることは二点目を取るまでは困難な状況にありました。ビジャレアルとしては、後方からプレッシャーを与えることは容易く、それ以上にパスカットを狙うことも出来る状態になっていて、素早いカウンターを狙うチームであれば狙えていたんでしょう。バルサは動きながら前を向いてボールを受けなければならないんですが、短いパスはきっちりとマークをされていて、動きながら前を向いて受けようとすると、ミドルレンジからロングレンジのパスになってしまう。そうなると精度は落ちるし、サポートの距離も離れていて、パスを回すことで相手の陣形を崩すことは難しい。それをイニエスタが溜を作ったことからショートパスに切り替えていけるようになり、それらからファウルをもらえたことでゴールが生まれ、一気にスピードの緩急を大きくつけるようになりました。
その変化はとてもよく、ポゼッションも上げることができるようになった。ビジャレアルの守備もきっちり付ききることが出来なくなり、ディフェンダーから展開するときもサイドバックから展開するときも、ボールの受け手をきっちりと蓋をしてロングレンジのパスを出すしかない状況を作れなくなった。中盤後方からシャビ、イニエスタ、トゥーレ・ヤヤ、ケイタらの所でパスを回せるようになり、前を向けるようになり、ワイドに展開できるようになり、相手のディフェンスをコンパクトに保てさせなくし、ワイドに開かせ、スペースを作り出して、いくつものチャンスを演出するようになった。
そうなると今度はビジャレアルが、前半途中までのバルサがそうであったように、ロングレンジのパスを使わなければならなくなった。精度を欠きやすいそのプレイのお陰で、バルサが今度はパスカットを狙えるようになり、追加点こそなかったものの、大勢は決したはずで、ペースダウンも容認できる状況になったはずでした。

ただ、それらを一気に変えてしまったのが、アビダルの退場でしょう。チャンピオンズリーグに引き続き、彼は必要以上に厳しい判断によって二試合連続の退場をさせられてしまったわけですが、恐らくあればPKであるべきでしょう。そこに全くの文句はなく審判の判断も正しいとさえ思っています。ただ、レッドカードを出すほど危険なプレイもなければ、明確に得点を取れる状況にはなかった。むしろ、アビダルが触れなかったとしても届かなかったのではないかと思っています。プレイ自体はファウルでしょうから、PKを与えるだけで十分な罰になったはず。あるいはイエローカードであってもよかったはず。
次の試合をチャンピオンズリーグ決勝のように両サイドバックを欠いて戦う予行演習だと思えということなのかもしれませんが、この試合に関して言えば、大勢が決して緩めていたバルサが、大きく蓄積された疲労も加わっていて、そこからもう一度引き戻すことは非常に難しく、たとえ疲労が無くても、こういった場面で集中を完全に元に戻すことは困難で守備的な交代をするほか無かった。
ただ、こういった自分たちの専門外、そして付け焼き刃な交代ほど裏目に出る可能性が高い交代はなく仕方のないものだと思っています。スタジアムが早い段階で優勝を煽りすぎ、ペースを緩めるきっかけを与えてしまったのも悪かった。あの状況なら仕方ないと思いますけどね。

負けを覚悟していない相手に対して、勝ったという意識を先に持ってはいけません。

Liga Espanola Jornadas 35. バレンシア対レアル・マドリー

2009 年 5 月 10 日 日曜日

■ Valencia 3 – 0 Real Madrid
先日のクラシコの結果から、レアル・マドリーがこの試合に勝たなければ翌日にもバルサの優勝が決まってしまうかもしれない。そんなプレッシャーやクラシコで負けたダメージが何処にあって、あの時の戦い方がクラシコ用だったのか、それとも残りのシーズンをあの戦い方で続けるのかを見たかったんですが、それも見られませんでした。フエラであることもそうですが、ラサナ・ディアラが出場できていないことも大きく影響していましたし、バレンシアがチャンピオンズリーグ出場権を得るために勝ち続けなければならないことと比較をすれば、レアル・マドリーがモチベーションを保つ難しさが前面に出ていた試合でしたね。

レアル・マドリーは前で繋ごうという意識を見せたり、バレンシアの裏側を狙っているのが、試合序盤こそありましたが、全体的には少なく殆どの時間帯を押し込まれて向かえていました。あの勝ち続けていたときのようなきっちりとした印象を受けるプレイは少なく、トリッキーなプレイでボールを繋ごうとするなど、最初からふわふわとした意識が見られたんですが、それが多少繋がりを生んで見えたのはそれぞれの位置が近かったことによるもので、バレンシアの攻撃を多く受けるようになり、それぞれの距離が開いてからは見られなくなりましたし、繋がらなくなりました。
バレンシアの攻撃を受ける際に、主にカウンターを利用され、ディフェンスラインが戦いを強いられていた部分が多く序盤にはあったんですが、それらを跳ね返すことはカンナバーロとメッツェルダーなら簡単にできる。それでも跳ね返した先のボールを、本来ならピボーテの選手がスペースを埋めて相手に触らせないようにしなければならないにもかかわらず、戻りが遅く相手に先に触れられてしまい二次攻撃を受けていましたし、そのスタイルの守り方というのは、不調だった頃そのままでした。ラサナ・ディアラではなく、ハビ・ガルシアそれぞれのプレイスタイルからすれば仕方ないことではあるのかもしれませんが、必要なスペースを埋められないのは致命的で、それがディフェンスラインの裏を狙ったボールだけならともかく、ポゼッションのようにボールを繋がれるようになってからも、ディフェンスラインの一枚前にいてスペースを消していなければならないガゴも前に引っ張り出されてしまい、それらのスペースを利用され、センターバックが対応しなければならない場面が多くありました。本当ならピボーテが最初にチェックに行くことでディフェンスラインの負担を減らし、カバーの得意な二人の持ち味を活かすべきであるんdねすが、ピボーテの戻りが遅くチェックも遅いためにカンナバーロが前に出てファーストチェックを行わなければならい、マドリーの悪癖が出てしまっていました。一つ届かなかったり一つミスをしただけで失点に繋がってしまい、バレンシアの攻撃は鋭くその部分を突いて得点を挙げていました。入ってくる人数に対して守る人数が足りていない。数的不利のカバーは、センターバックが前に出てしまえば難しい。失点していたときのように、アンカーがセンターバックの隙間を埋めなければならないが、そこを埋められない。ガゴも、ハビ・ガルシアも中途半端な動きしかできていませんでした。そこだけが全ての原因ではないにしろ、ラサナ・ディアラが加入してから改善されて失点が減った要因はそこに求められるのだから、彼が出られなくとも徹底すべき部分でした。

バレンシアの両サイドの選手が攻撃に鋭さを発揮できたのも、もしかするとマドリーの両サイドバックの対応が軽かったことにも影響しているのかもしれませんし、モチベーションの低さが影響しているのかもしれませんが、バレンシアがここ最近の(前節負けたにしろ)好調さをそのまま発揮したと捉えることも出来る。マドリーの攻撃が単調であるが故にチェックのポイントを前に上げることが出来ていましたし、奪い所をしっかりと狙いを定めてぶつかり、マドリー側にサポートの選手が居ないことから、ずらされてかわされる危険性もなく、当たるだけではなく遅らせることも十分に出来てしまっていました。そういったプレイから連続した攻撃ができるようになり後方に余裕を生んで、何度も構築し直せる強みもありましたが、基本的に守備のチームであるべき彼らがここまでポゼッションをし、支配できたのはマドリー側大きな問題があったともうしか――。

優勝の望みがほとんど無くなり、チャンピオンズリーグ出場権は安泰。それ以外のモチベーションを保てそうなピチチだとかサモラだとか、そういったものに関係している選手もおらず、エアポケットのような状況に入り込んでしまっていることが色濃く出てしまっていましたね。今後残りの試合――例えばバルサの優勝が延びたとしても――レアル・マドリーのサッカーに期待はせず、見ることもないでしょう。

UEFA Champions League Semi-Finals 2ndLeg チェルシー対バルセロナ

2009 年 5 月 7 日 木曜日

■Chelsea 1 – 1 FC Barcelona
大きな部分ではバルサにはセンターバックがピケしかおらず、この試合のセンターバックを務めるのは左のアビダルなのか、それともカセレスなのかと言われていたところに、トゥーレ・ヤヤを起用する辺りには不安でした。マルティン・カセレスが信頼されていないというよりも、チェルシーと戦うときに必要な高さとパワー、それと足下の技術面に大きな問題があるのは確かで、そちらをグァルディオラが重視したためにトゥーレ・ヤヤになったのかもしれません。試合開始当初からボールをポゼッションしていく展開を見る限りでは、その思惑は正解だったように見え、相手のプレッシャーを苦労することなくいなすことの出来、クリアすることなく前へ繋げる二人のセンターバックは有用でした。バルサのセンターバックとしての守り方、例えばサイドバックを押し上げた後サイドに開いてケアしなければいけない部分に関しても、中央にドログバが居ることから困難であったにしろ不満はそれほどありませんでした。第一戦のようにあからさまなマンマークは存在しなかったのも影響していましたが、効果的にフィジカル・コンタクトを避けられる状況を作れていました。

そしてアンリは怪我の影響から外れ、イニエスタが左を担当することになっていましたが、この形になった時にはペナルティエリア内に入る選手の定価や体を張れる選手の減少から引いて守る相手に苦労することが多いんですが、試合の流れを見る限りではエトーが左に張る回数を増やしてアンリの代わりをしようとしているようにも見えていました。メッシが中央に入り、マルダとアシュリー・コール二枚のマークに苦労しない方策をとっても、エトーが左にいる影響から中央にパスコースが存在せず、右側にイニエスタが回ることよりも中央にいることもあり、右からの攻撃力を削ぐ結果になり、アンバランスさは効果的であるとは言えず、むしろ停滞を招いて、エトーの突破もマルデできず前半のある時間までを無駄にしてしまったと言えるかもしれません。

ただそれもあの事故のような失点さえなければ、いつかは実を結んでいたのかもしれません。不運なディフレクションによって、エッシェンのミドルシュートを生んだのは誰の責任でもなく、あれを止められなかったビクトル・バルデスにも責任はなく、エッシェンが上手くダイレクトで叩いただけ、彼が上手すぎただけで防ぎようのないものでした。ただ、これが全体に影響した効果は大きく、ファーストレグほどのマンマークではないにしろ、全体から引いて守られ、それを突き崩すために動き続けるバルサ、という第一戦同様の展開になってしまったのは非常に残念でした。

チェルシーの守り方で特徴のあった部分は、バラックがある程度シャビに対してマンマーク気味に突くことと、中央に多くの人材を置いて、ポストプレイに対して必ず誰かが密着したマークを行い、落としのパスや左右への展開すらろくにさせないようにしていたこと。それと入れ替わるように裏へ飛び出しをされないように、他の選手たちの意識は後ろにありディフェンスラインの位置は低く、ペナルティエリアに入ることもいとわない消極的な守り方でした。
その守り方へ向かうようにして、エトーが左からドリブルを仕掛けたとしても、右はボシングワとアネルカの二枚のサイドバックによってスペースを埋められ全く効果的ではなく、中央でメッシがボールを受けたとしても裏へ抜けられるほどのスペースや、選手との距離感がなく、手詰まりの光景が多く見られていました。改善するために途中からエトーが中央へ戻りましたが、メッシが右に回っても、アシュリー・コールとマルダの二枚のサイドバックによって中央へ向かうドリブルが効果的に行えないのには変わりがなく、縦へのスピードで相手を抜き去ってクロスを上げることしか出来ず、右足で上げざるを得ないその形では得点の匂いを感じ取ることも出来ませんでしたし、同じように右サイドを上がるダニエウ・アウベスは、集中力を大きく欠いているかのようにクロスを終始上げ続けるだけで、まったくこちらも効果的ではなかった。

チェルシーの中央には四人のディフェンダーが居て、ディフェンスラインのテリーとアレックスの前に、エッシェンとバラック、もしくはランパードが入り、四人のボックスを作り出していました。その部分が大半のクロスを跳ね返し、ポストプレイを防ぎ、スペースを徹底して埋める役割を担っているようでしたが、あまりに引いて守るためにその前には多少のスペースがあることが多く、後半からはその部分を上がり気味に設定されたセルジ・ブスケツが利用したり、ケイタがフォワードの人数が足りない部分を補うために善戦で張ることによってそれらの注意を別に向けようとしていましたが、カウンターのリスクは明確に増えているだけで思ったような効果は上げられませんでした。
ダニエウ・アウベスの精度のないクロスもその四人のボックスを避けるようにファーサイドを狙い続けてのものでしたし、狙いはあったにしろ、崩しきるためのアイデアが枯渇している印象は拭えませんでした。

繰り返し続けていくことで、中央のポストプレイに対するチェックは遅れてくるようになり、前を向くことは難しくとも、ボールを正確に落としたり、左右へ流すことが出来るようになってきたのは好材料でもありました。退場さえさせられなければ、前を向きながらの可能性を探りつつ、得点の機会を演出できるチャンスが訪れるかもしれない、と思えるだけにはなっていたんですが。

得点後のチェルシーの攻撃の大半はカウンターで、それ以上の表現は必要ないものでしたが、後半からはアネルカが中央に入ったり幾つかのパターンを増やしたことと、バルサが攻撃のために大きくリスクを冒し始めたこともあって、一時的にチェルシーが数的有利を作る場面もありましたし、得点を決められてもおかしくない場面がいくつもあった。ビクトル・バルデスが防いでくれなければ、勝てないところまで失点をしていた可能性は否定できませんでしたが、試合を大きく動かしていたのは残念なことに審判でした。
バルサ側が助けられたのはこの試合だけで言えば、PK3?4つ分のファウルを見逃してもらえたことかもしれません。ファーストレグの審判の多くの不手際を考えれば、それらの一つぐらいは相殺できるのかもしれませんが、疑問符の付くジャッジが目立ち、アビダルが退場にさせられたプレイに関して言えば、まったく退場に値しないものだったとしか思えませんし、見えませんでした。
自分にはファウルだとすら思えず、ピケとドログバの接触を取るならともかく、あれは妥当だとは一切思いません。が、その後の二つのハンドを見逃して、帳尻あわせはして欲しくない。どちらかといえば、最初のPKを見逃した帳尻あわせとして退場をさせてしまったが、あまりにも大き過ぎたためにその後の二つも見逃したと言ったところでしょうか。何にせよ、審判によって大きく勝敗を左右され、振り回された二試合でした。

同点のゴールは奇蹟の一発かもしれませんが、その瞬間のチェルシーの守備陣形の乱れを見る限りでは、奇蹟でも何でもなく、それまで四人のボックスがありその外側にサイドバックが配置されていて整然としていたものが、この瞬間は形をなしておらず、徹底して狙い続けたファーサイドに三人も入り込んでいました。最後の最後で狙った形になり、引いて守る悪い部分が出てしまい手前が空いてしまった。ただ、それだけなんですが、喜びすぎて泣きそうでした。

後味の悪い審判のミスもその後にあったり、チェルシーのファンがこれで納得をするとはまったく思えませんが、そのことに関して言及できる側にいないのです。恐らく今後問題になるんでしょう。バルサにだって幾つかの言い分はありますが――それはそれ。これはこれ。それはまたそのうち。

Bundesliga 30. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・メンヘングラッドバッハ

2009 年 5 月 3 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 1 Borussia Monchengladbach
監督が替わったことで何が大きく変化をしたか、大きな変化はそれほどありませんでした。そもそもリベリが出場停止でこの試合に出られず正確な判断をすることが出来ないので「変わっていないようです」としか言えません。例えば、ここで対戦する相手が高い得点能力を持つ攻撃的なクラブであれば戦い方を変えていたのかもしれませんが、降格圏まっただ中のボルシア・メンヘングラッドバッハでしたから、クリンスマンがやっていた攻撃的に向かおうとするスタイルを守備の方向へベクトルを向け直して修正を図ることも必要が無く、やるべきではない方向でしたから仕方のないことですね。準備期間もなければ、これから先も短いわけですし。

システムは、リベリ不在からシュバインシュタイガーが左側に回り、アルティントップを右に置いているとするよりも、4-1-3-2のような形である程度の流動性を持たせつつ、右にゼ・ロベルト、中央にアルティントップと表記をした方が正しいのかもしれません。クリンスマンが指揮していたときには、ファン・ボメルが中盤で主導権を握り、それ以外の選手がバランスを取って上下を繰り返す節があり、その部分の連携を失敗したときにディフェンスに誰も入れない状況になっていたんですが、この試合の大部分はファン・ボメルを後方に押し留めておくために、ゼ・ロベルトの位置を上げ、前をアルティントップで蓋をしているような印象さえ受けました。
こうしておくことで、フォワードの近くに人を置くことができ、孤立しがちだったフォワードとの間を取り持つことが出来るという計算も出来ますし、中央の高い位置でボールを扱え、最後尾からの構築を安定して行えるというのもあるのかもしれません。
ただし、左利きのゼ・ロベルトが右側に進出することによって、縦への突破を期待できなくなりますが、視野の広さを活かしたキーパーへ向かっていくボールだとか、外から中へ配球して揺さぶるためのボール運びが出来るようにはなる。ランニングで追い越してもその後の展開に詰まるため、ゼ・ロベルトがフリーランから裏へ抜ける動きをすることはほとんど無く、縦への動きに関しては、もう一枚前のフォワードやサイドバックに任せっきり。

ボルシア・メンヘングラッドバッハがペナルティエリア内に入り込むことをいとわない守備を前半途中まではしていましたから、エリア内の人数では勝てない。裏へ出そうとしている回数も多かったんですが、いくら高い位置でボールを扱えるようにシステムが若干変化していたとしても、裏のスペースがほぼ存在しないため、パスを裏に出してそこで抜け出して勝負することは出来ない。ディフェンスラインの前で勝負せざるを得ずポストプレイを要求するパスをトニへ多く出しているようでした。ただ、時間をかければかけるほどスペースを失っていくことに嫌気がして、早い段階でフォワードへボールを収めようと長いパスが増えてしまい、単調な縦のボールを繰り返すばかりで全く効果的でもなければ、相手にねらい所を絞らせて守りやすくさせてしまい、ペナルティエリア内で何度も倒れるトニもPKになるはずのない倒れ方ばかりでした。
中央の数的な問題から、サイドへトニが逃げてきてしまうこともあるんですが、トニが流れる代わりに、シュバインシュタイガーがサイドでドリブルを仕掛けて、縦への突破を見せてディフェンダーをサイドへ吊り出してしまうことが出来れば多少違うんだろうけど、以前のような思い切りの良さはなくなってしまっていて、バランサーとして小さくまとまってしまっている印象が強いですね。その分、ラームのドリブルが引っ張っていくしかないんですが、リベリがおらず高い位置からのドリブルは望めませんから、縦へのスピードのある展開が出来ない。パスで展開していかなければならないけれど、引いて守られているため、高い位置で回すことが出来ない。低い位置なら余裕を持って回すことが出来るから、そこから一気に長いボールでフォワードへ、と打開策が見いだせないまま同じ事の繰り返しばかり。この短期間で、エース抜きの状態のまま修正しろとはいいませんが……。

守備の問題は、前述の通り、明確ではないにしろファン・ボメルの前に三人を配する形を作っていたために、不用意なオーバーラップを避けることが出来、後方にファン・ボメルを起き続けることにより多少改善されたようにも見えました。が、攻撃に詰まったときに、最後尾から構築し直すために、ゼ・ロベルトやアルティントップがバランスを取るために下がってしまうと、やはり上がっていってしまうために空白地帯が出来てしまい、カウンターを受ければピンチになる場面が幾つか見られました。当然のようにファン・ボメルが全速力でリトリートするディフェンスラインの前のスペースを埋めようとすることはなく、全ての負担が後方にかかってしまうのは相変わらずですね。

クリンスマンからユップ・ハインケスになって多少改善された部分があるとすれば、ボールを持っていない選手の動きの幅が広がったように見えることと、ファン・ボメルを後方に押し留める時間が増えたことぐらいでしょうか。ボールを追い越す動きだとかその辺も増えたように見えなくもありませんが、ボールと人との距離感がまだ離れすぎていて、サポートが出来ない状態のまま攻撃をしていることも多い。ボールを追い越したら追い越したままになってしまって前方にたまっていくだけで変化がつけられないのもそのまま。
バイエルンに華麗な攻撃を求めているわけではありませんが、チームの方針として攻撃重視でいくのであれば、もっと徹底していかないと、いくら暫定監督だったとしても何も残りません。初采配で初勝利も、それ以上のものはほとんど無く――。

メディアの評価を見たら、「攻撃的布陣」とか「猛攻」とか。難なく勝利したとも言えず、躓く要素はたっぷり含まれていたようにしか見えませんでしたけどね。他が不甲斐ないので恐らくチャンピオンズリーグ圏内は維持できるんでしょうが、それだけ。万が一優勝でもしようものなら、ライバルと共にリーグ自体にも失望するしかありません。

Liga Espanola Jornadas 34. レアル・マドリー対バルセロナ / クラシコ

2009 年 5 月 3 日 日曜日

■Real Madrid 2 – 6 FC Barcelona
勝てば勝ち点差7になり、負ければ1に縮まる。引き分けは言わずもがなで、いずれの結果が訪れるにしろ、マドリーの自力優勝が存在しないことは変わらなかったんですが、今後どれに集中すべきなのかを決める試合にはなりそうでした。そしてどちらに大きなプレッシャーがかかりこれからかかっていくのかを推し量っていく試合だと、そう思っていました。

レアル・マドリーは出場が危ぶまれていたロッベンを先発させて、序盤のプレッシャー位置の高さと素早さを含め、最初から様子見の時間を作ることなく仕掛けてきていました。これまでの引いて守り、カウンターをして戦うスタイルを徐々に変化させてきたとはいえ、ここまで勝ち続けられたのはカウンターを中心とした戦い方をしたをしたことによるもので、失点をしないことから個人技で得点を奪い勝利してきた。それをこの試合になって豹変させたのは奇襲としては大きく役立ったとしても一試合通してするには無理がありました。特にディフェンスラインを高く保つことは、過去に何度か試してことごとく失敗しているように、この試合も怪しく、何度か裏を狙われているケースが目立ちました。オフサイドで辛うじて回避している場面もあれば、カシージャスの判断によって救われている場面もある。少なくとも言えるのはラインを整え裏への意識を持ちながらラインを押し上げているのではなく、中盤の守備へ連動性を持たせ、フォアチェックを機能させなければならないから押し上げているだけで、アンカーがスペースを埋めたり、後方に抜け出す選手にマークしたり、という後ろへのリスクマネージメントをしながらのものではないようです。カンナバーロにしろメッツェルダーにしろそれほどスペースがあるタイプではなく、カバーリングの上手い選手たちですが、それは低い位置で効果を発揮するものですから、非常にミスマッチだった。

中盤のチェックは、後方のラインよりはうまくいっていましたが、同じくフォアチェックを徹底しているバルサのものとは違い、コースを限定して後方の守備をやりやすくするものではなく、ボールを高い位置で奪い、そのままカウンターを狙ったものが多く、人数をかけてプレスをかけては居ますが、一つかわされてしまえばパスコースが存在し、一気に人数が減りそのしわ寄せがセンターバックに向かってしまうようなものでした。中盤でパスを構築する人材が相次いで怪我で離脱しているため、後方で奪い構築し得点を狙うよりも、ウインガーを配して高い位置でボールを奪ってカウンターで得点を取る方が望ましいのは理解できましたし、そうあるべきだとは思いますが、シャビやイニエスタのように殆ど苦にすることなくキープし続けられてしまえば、成り立っていないどころか傷口を広げているようでもありました。

序盤の奇襲の部分では、ロッベンには縦のスピードがあり、スピードに乗れる状態でボールを渡せる状態にあって、再三アビダルの所を脅かし、ロッベンではなかったにしろセルヒオ・ラモスのクロスからそのサイドを破った。ただそれもグァルディオラがプジョルに修正を指示した辺りからうまくいかなくなり、セオリー通り二枚以上でロッベンの進行方向を塞ぐことにより、スピードを落とさせ中へのパスを選択させるようになった。その徹底からラサナ・ディアラからしかパスが出てこなくなり試合から存在感を失い、バルサの攻撃が左に寄っていることも影響して守備にも戻らなければならずスタミナを消耗し、怪我明けの整わないコンディションもあって、途中からは全く使い物にならなくなってしまっていましたね。

バルサの攻撃が左に寄ったのはメッシが中央に入ってきたことによるもので、エトーが右に押し出される形になっていたことも多少ありましたが、多くの時間はエトーの下にメッシがつく形になり、イニエスタやシャビにかかるフォアチェックのその後を上手くメッシが利用して中央の収め所として機能し、左のアンリや中央のエトーと近い関係を保ちつつ、高いディフェンスラインを狙いやすく正確なパスが出せる距離を取っていました。それらは中盤の消耗を減らす意味でも役に立っていましたが、右側の攻撃力の低下は際だっていました。ダニエウ・アウベスが前半は消極的だったこともあり、さらにエインセとマルセロの二枚が守備に参加できる環境にあり、ガゴやラサナ・ディアラがサポートに来ればメッシとダニエウ・アウベスの二人であってもスペースを消されてしまって上手く動けなかった。メッシが中に入った後のエインセとマルセロの消え方を見る限りでは、そこを意図して使わないことで彼らのもっていたプランを崩壊させる事が出来ており、重要なことでした。

あとはラサナ・ディアラは守備の貢献が大きく、彼が多くボールを触り単純にさばくのはマドリーの攻撃にとっても守備にとっても非常に重要なことなんですが、いつもボールの近くに居る彼をリバプールがそしたように、バルサの守備のやり方ではラサナ・ディアラがボールを触る位置が既にプレッシャーのエリアにかかっており、ノンプレッシャーから前を振り向いてボールを配球することをさせてもらえない。テクニックが無いわけではないんですが、プレッシャーのある中でのボールの処理は上手くなく、ここを抑えておくことでバルサがボールを得る確率はどんどんと上がっていく。さらに彼がマークをしている相手がシャビやイニエスタですから、ボールを奪われた後にはすぐにプレッシャーに来られる。近くにグティやスナイデルのように預けられる選手がいれば、そちらにすぐ預けることによって回避できたんでしょうけどね。

バルサではエトーが目立たなかったことが非常に大きく、彼が得点を取るための動きに終始したのは試合の行方が決した後ぐらいなものでした。それ以外はメッシが中央によってマドリーの左サイドの守備を無意味なものにしてしまった後のケアをエトーが行い、中央に絞ってこさせないようにしたり、サイドの守備に奔走したり、ゴールを得なくとも、チームの勝利を最優先にしたプレイをしていたように見えました。自分が得点を取れなくとも納得をしているような表情とプレイをしていて、目立たなかったからこその貢献があったんじゃないかと思っています。

あとは、レアル・マドリーの得点がバルサの本気を呼んでしまい、付け焼き刃のような高く保たれたディフェンスラインがバルサに有利な形をいくつも作ってしまい、がむしゃらなチェックが傷口を広げた。そんな印象でした。

ただ、次のチェルシー戦に向けては大きな弱点を露呈してしまい、先制点を与えたクロスは、トゥーレ・ヤヤとロッベンがぶつかって倒れたことに意識がいっていたのかもしれないけれど、プジョルのポジショニングが非常に悪く、二失点目のセットプレイの守備もニアサイドだけのケアしかできておらず、左利きのキッカーが蹴るボールに対する守備陣形の整え方とは思えないほどお粗末なものでした。セットプレイと高さに関してはチェルシーの方が得意なのは第一戦でも明らかだったように、徹底したクロスを上げられてしまえば、このギャップを利用されてしまうのではないかと思えるほどお粗末な守備でした。どちらの失点も勝負が決する以前の重要な部分ですから、気を抜いていたわけでも手を抜いていたわけでもない。ならなおさら危険だとしか思えませんね。

この試合に関しては、あえて口の悪い言い方するなら――というのは削除しておきます。浮かれすぎていたとはいえ、よくなかったので。

とりあえずヽ( ゚∀゚)/な状態で浮かれすぎで、何を書いているのか解らない。

UEFA Champions League Semi-Finals 1stLeg バルセロナ対チェルシー

2009 年 4 月 29 日 水曜日

■FC Barcelona 0 – 0 Chelsea
試合序盤は、マルダを徹底的にダニエウ・アウベスと競り合わせて、ボールを積極的にそこに入れて主導権争いをさせてみたり、シャビにオビ・ミケルをマンマークで尽かせ、前を振り向けないように様々な策を練っている様子がうかがえました。前者はバルサの右サイドの攻撃力を削ぐための方策で、メッシ一人であれば他とのサポートで抑えきる方法もあるが、そこにダニエウ・アウベスが入り込んでくることで選択肢が増え対応が難しくなることを警戒してのものでしょうし、後者は、言わずとしれたバルサの鍵ですから、シャビからのボールの配球をストップしてしまえば攻撃のスムーズさが落ち、裏側を狙われる危険性を減らすことが出来る。そういったところだったんでしょう。

他にもマンマークを中心とした守備の構築が見られ、トゥーレ・ヤヤにはドログバやランパード、イニエスタにはエッシェンやバラックなど、シャビほどの明確化はされていないにしろ、近代的な守備組織の作り方ではないようで、その影響から一時は変則的に4-3-1-2のスリーセンター気味に見えることもありました。それに加えて、センターバックが持ち上がったときに、マンマークからゾーンへの変化がうまくいかず、不自然なほどぽっかりとスペースを与え、誰もチェックに行かない瞬間も出来ましたし、一部では成功も、全体ではそうも言えないようでした。

次第にシャビは上下動を頻繁に行うことでマンマークのやり方を把握し、ポジションチェンジからオビ・ミケルを吊り出してスペースを作り出すことにも成功しましたし、大きく下がってマークを受けずに前を向くようにもなり、前半の終了前にはもうすでにマンマークを取りやめ、ゾーンでの守り方へと全体が変化をし、シャビのみを抑えることに固執していなくなっていました。それ以外の部分でも、マンマークでこちらも同じようにメッシをおさえておくはずのボシングワも、メッシの度重なる中へのポジションチェンジとダニエウ・アウベスが早々にマルダとの主導権争いに勝利してしまったことから、密着したマークを行うことが出来ずに二人を見なければならず、得意とするセンターバックとのワンツーからのシュートをフリーの状態で許してしまったり、中へのドリブルを簡単に許してしまっていました。メッシがそれに固執しなければ、もっと多くの選択肢を得られたのかもしれませんが、選択肢を与えないように中のドリブルを許しつつ裏と中へのパスコースを消す渋滞を作り出したチェルシーの守備が、その部分では勝っていたと言えるでしょう。

中央に渋滞が出来た要因の一つとしては、メッシが中に入ってくることがそうですが、エトーがポストプレイを中心とした組み立てを選択したこともその影響でしょう。シャビが序盤は高い位置で前を向けなかった影響から、高い位置からボールを出せないために裏を直接狙うことが出来ず、チェルシーのライン設定が低いこともあって、まず高い位置でボールを収める必要があった。だから中央でボールを収めていたんでしょうが、それが攻撃のリズムを一つ落とす結果になり、停滞は人数の増加を招き、渋滞が発生した。もちろん、それによってシャビが下がっていくことも出来たため、オビ・ミケルのマンマークをすり抜けるためにはこれが必要だったわけですが。

チェルシー側のことを書くことはとても難しく、最初から最後まで守り抜くことを貫いているようにしか見えませんでした。殆どの場合は、ロングボールを一本蹴り、それをドログバがポストプレイで後方の選手に落とすだけ、あるいは自分自身で前を狙う、ただそれだけの単調なものでした。センターバックの心理的な負担にはなっても、特に単調な攻撃はいい攻撃にもならずディフェンスラインを押し上げる力もなく、試合が荒れて冷静さを失い両チームが攻守両面の異常なスピードアップをした前半の終盤ぐらいなものでしょう、まともに攻撃をしたのは。

本来攻撃の選手をそこまで守備に徹底させてしまうのだから、ランパードが目立つわけもなく、右サイドに追いやられていたエッシェンも不思議なほどに目立たず、持ち味のプレイを監督に許されなかったバラックは、下手をすれば退場にされてもおかしくないプレイを連発していました。運がよかったのはチェルシーが審判に愛されていたというぐらい。
あと書くとすれば、マルケスの不用意なバックパスから失点しかけたけれど、ビクトル・バルデスが神懸かりで防いでくれただけ。

後半開始直後にまたマルダとダニエウ・アウベスの攻防が始まり、マルダの逆襲から全体が攻勢に出るのかと思いきや、それもまた一瞬で勝負が決してしまってチェルシーが攻撃に出てくることはありませんでしたが、守備のやり方は前半開始の時とは違い、最初からゾーンマークを中心としたものに変わり、中盤にスペースが出来るようになっていました。ディフェンダーとセントラルミッドフィールダーとの間にイニエスタ、メッシ、シャビが入り込めるだけの余裕があったのも事実ですが、中央に寄りすぎて活用できず、中央の渋滞に引っかかる結果を生んだのもまた事実。
サイドから中央を利用したり、中央からサイドに展開してバランスよくワイドに攻めることが出来れば、もっと多くのチャンスを得られたのかもしれませんが、チェルシーほどのクラブに最初から最後まで引き分けるという決意をされてしまえば、崩すのは非常に難しい。

それにしても、バルサにとってこの審判の判断は納得のいくものではなく、プジョルにはあっさりとイエローカードを出しておきながら、バルサの面々がドリブルで何度倒されようが笛は吹かれず続行されるだけ、その中にあったいくつもの危険なプレイにもイエローカード所かファウルの笛すら吹かれず、反対にチェルシーの選手が倒れればすぐにファウルの笛が吹かれる。ここ最近はよく審判が敵に見えるくらいに色々とありますから、もう慣れては居ますが、セカンドレグにはプジョルも怪我のマルケスも出ることが出来なくなり、クラシコを挟み、非常によくない状態になりつつありますね。

パスの回数も成功率も大きく違い、スタイルの違いというよりも意識の違いからまるで話にならない数値に留まったチェルシーには失望しかなく、コーナーにも人が上がってこないなんて、得点を取る意志がないとしか思えない。アウェーだからとしてもあまりに酷い姿勢ですよ。審判の笛次第では試合を壊しにかかっていたとも受け取れる結果になっていたかもしれず、好きじゃない。パーフェクトではなかったにしろ、いい守備だったのは間違いありませんが。

シュート数:18-3、支配率:65-35、コーナーキック:10-2、ファウル:7-20。
点を取れるチャンスはいくつもあった。でも取れなかった。致命的だなぁ、これ。