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Bundesliga 20. Spieltag ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン

2012 年 2 月 5 日 日曜日

■Hamburger SV 1 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンはこれまで右サイドバックにラフィーニャが出場をしていないときにはボアテングが同ポジションに入り、ヴァン・ブイテンがセンターバックとして出場していたものの、彼が怪我をして出場できないため、ティモシュチュクが代わりに出場をしている。ただこれまでと違うのは、ボアテングが右へスライドするのではなく、ティモシュチュクが右のサイドバックとして先発をしているという点。

ハンブルガーもバイエルンもセンターバックのポジションを低く設定し、スピードを警戒するように距離を取っている。前へと人数を残しながらチェックとカウンターへのスピードを維持しようとしている。ハンブルガーはアンカーとしてリンコンを後ろに残して4バックの前を埋めてカウンターに備え、バイエルンはボランチの二枚がそこを埋めるタイプではないためにスペースは出来てしまう。ただアンカーを置いたシステムでは、バイタルエリアの左右にケアできないスペースが出来、ロッベンやリベリーが駆け上がるチャンスはある。ただそれをハンブルガーはアオゴやディークマイアーが積極的にオーバーラップすることでバイエルンのサイドを守備へと引き戻して、高い位置へ張らせないようにしてい、カウンターで利用できないようにしている。ロッベンには早めにヤンゼンが下がって二枚で内側のコースを切ってカットインを許さず、フォワードへのフィードで逃れようとすれば、ライコビッチが体を寄せて自由にさせない。バイエルンはタッチライン際にリベリーとロッベンの二枚を張らせるのではなく、リベリーが自由に中と低めにポジションを移し、シュバインシュタイガーを外へ近づけてリベリーを孤立させず、サポートを得られるようにして中への展開を作る。ロッベンも中へボールのない中で動きつつ、ミュラーと連携してさらに中央へと進出をしていく。上手く片側に人を集めて距離を縮めることでパスを回せるようになり、横への変化を作れるようになっていった。ディフェンダーの前で動かし、視線をマーカーから外して足を止めさせた上で裏を取る動きに合わせたパスも出せるようになり、横と縦の変化が合わさるようになってきた。

HSVはボールサイドに人を集めて素早く繋いでいくスタイルを中心としている。最後尾からは無理をして繋ごうとはしておらず、大きく左のヤンゼンを使ったりフォワードへのフィードを入れる部分はあるものの、ボールホルダーの近くに多くの選手がいて、追い越しながらそれを使い、ダイレクトで動かし変化をつけていく。ただバイエルンのプレッシャーには苦しんでおり、前へなかなかボールを出せず、出す先を先にとあえられて前を向いてボールを扱える状態でパスを出せずにいた。ショートパスを繋ぎながら前へ運べず、外のヤンゼンへも安定しフィードを出せなくなっていったことで、ダイレクトで繋いで変化を作れなくなってきていたものの、前がかりになって、フォアチェックに加えて相手を掴まえておくことで、自分たちの前で止められるようになってきていたバイエルンの逆を突き、フィードでセンターバックと競争することで中盤との距離をさらに広げ、セカンドボールをHSVが拾う。そしてボールサイドに人の多いHSVに合わせてブロックを寄せたバイエルンは、毎試合弱点となっているファーサイドをこの試合も空けてしまい、ボレーをサラに決められて先制点を許してしまった。

HSVは先制点以後はバイエルンの攻撃を防ぐために中盤が引き、アンカーとの距離を縮めてプレイする時間を増やしている。そのためボールを奪ったとしてもその後に繋いでカウンターのために人数をかけてスピードアップすることはできておらず、ゲレーロにフィードを入れて収めてもらわなければならなくなっている。バイエルンは直接は以後へ出されるものだけを警戒すればよく、深く守ることで背後のスペースを消し、前からプレッシャーをかけることで裏まで出されるよう距離から蹴らせていない。バイエルンは守備をディフェンスラインに任せ、前へと出てチェイシングをする。ロッベンもタッチライン際に固執をせず、マリオ・ゴメスの下についてセカンドボールを拾い、直接ドリブルやシュートへと持ち込んでいく。それをシュバインシュタイガーやクロースが支え連続して攻撃を続けていく。ただ右サイドバックの攻撃力不足は如何ともしがたく、ティモシュチュクの攻撃参加のタイミングが遅く、ポジションも後ろを気にしすぎて他の選手が求めているポジションよりも低く、パスを出そうとしても一歩遅れてしまう。特にロッベンが中へとポジションを移してしまうと右に選択肢を失うほどで、大きく相手陣内に入ればバックパスすら選択できないほど。

バイタルエリアをしっかりと閉じる意識を持ったHSVに対して、バイエルンは前へと出たボランチの背後へゲレーロやペトリッチにポジションを取られており、フィード後の押し上げに関しても戻るよりも早くさらやヤロリームに入られてしまっている。フィードにバドシュトゥバーが無理に出て行ってしまうため、背後を埋めるのがボアテングと両サイドバックだけになってしまい、数的にぎりぎりで防いでいる場面も見られ、サイドにセンターバックが簡単に引っ張り出されて中を中盤が埋められていないなど、きちんと形を作れていないのではないかと思える。

後半の立ち上がり、HSVはフォワード二枚のチェックに合わせて中盤がシュバインシュタイガーとクロースへとプレッシャーを大きく与え、バイエルンに構築をさせないよう試合に入った。ロッベンも前半ほど外に開いておらず、中央に入ってボールを受けようとしていたため、プレッシャーの中で扱わなければならなくなり、前を向いてドリブルをするようなスペースを得られていない。すぐにタッチライン際に開いて相手のゾーンを広げるポジショニングへと切り替え、リベリーもスタート位置を外へ、そこから中へと変化をつけることでマークを引きつけ逆サイドをフリーにするべく狙い始めた。中へ動くウイングと合わせて左はラームが上がってくるため、中と外でボールを動かして相手陣内へと入って隙間を広げようとしているものの、右のティモシュチュクに関しては前半からの改善は見られない。ラームとリベリーがサポートの距離を縮め、シュバインシュタイガーがそれに加わる。中と外にスムーズにボールを動かし、縦へ仕掛けられる場面も増え、それぞれが中へボールを運べる選手でもあるため、ゴールへ迫っていく場面も見られるようになった。ただそこから先にミュラーやマリオ・ゴメスがダイアゴナルに走ったり、囮となってスペースを広げる動きと連動していないため、中央に集まったブロックを相手にしなければならず、シュートコースを空けるのも難しい。

ティモシュチュクが下がると、アラバが左サイドバックに、ラームが右に入り、左右両方のバランスをある程度保てる布陣になった。ミュラーも中央から左右に動いてそれぞれのウイングと近い距離を保ってボールを動かし、自身も動くようになり、ウイングの二人を左右片側に寄せてバランスを変えることもできるようになった。ようやくバランスが改善され、フォワードとそれぞれの関係が近づき過ぎず、動きとパスの両面で変化をつけられるようになったと思ったところに低い位置からパスを供給していたクロースを下げ、オリッチを投入したことで左はオリッチとリベリーのポジションかがぶって蓋をしてしまう場面が見られるようになったり、シュバインシュタイガーが上がって距離を縮めていたからこその変化も見られず、単純に縦へ走って引き出していく単調な攻撃になってしまった。守備も、結果としてチェイシングから相手にバックパスを選択させることができているものの、ボールの支配を中盤の構成が低下したことで失い、HSVに距離の伸びた部分を狙ってカットされたり、孤立したところへ寄せられて失い、支配率を落としてしまった。人が増加したペナルティエリアへクロスを入れることで無理矢理チャンスを作れていたものの、それだけだった。ただHSVがコーナーキックという重要なタイミングで選手交代を行ってくれ、さらに交代投入されたソンがミスを犯してチャンスを広げてくれてバイエルンは同点に追いつくことが出来た。

その後はHSVが中盤の選手交代を行い、前後が分離しているバイエルンの中盤のコースを塞ぎ、パスコースを限定して攻撃に繋げようと動くようになった。ただバイエルンは4枚以上をを前線に並べて、そこに後方からの押し上げを加えていくため、前から抑えにかかればバイタルエリアに入り込まれ、サイドバックの外をも使われるようになる。HSVはそれを嫌がって引いて守りを固めながら中央に人を揃えてクロスへの対応とし始めた。外から中へのカットインを最も警戒し、そこからのパスコースを与えないようにした。その分攻撃は単調になるものの、こちらもサイドアタッカーを一列前へ上げてフォワードと同列に置き、バイエルンの薄くなった守備を突くようにしている。ゲレーロが最前線で走って体を張り、キープをして左右のクロスから得点を狙う。体を張るプレイをもう一枚のフォワードがしてこない、しようとしても簡単に前へ入らせてくれることでバイエルンは人数をかけるポイントをゲレーロに絞ることが出来、シュートまで持っていかれなかった。

バイエルンは何とか変化をつけようとしているものの、多すぎる最前線の人数は自らのプレイエリアを限定してしまい、一人一人がダイナミックな動きが出来ずに小さな変化をもたらすのみでしかない。左右へ大きく振ることは出来ても、薄いラインが横に広がっているだけで厚みが無く、波状攻撃で混乱させることも出来ていない。ペナルティエリア横へ深くスピードに乗ったまま入り込み、相手に戻りながらの守備を強いることもないため、HSVは待ち構えて守れるため、ゴールへ向かいながらクリアをするような危険な処理をさせることすらべきなかった。

Liga Espanola Jornada 22. バルセロナ対レアル・ソシエダ

2012 年 2 月 5 日 日曜日

■FC Barcelona 2 – 1 Real Sociedad
ここのところ結果が伴わないバルセロナは過密日程も考慮して大きくメンバーを変更し、中盤より前にはカンテラ出身者のみで構成し、テージョやジョナタン・ドス・サントスといった出場機会が豊富ではない選手を先発させてきた。

試合開始直後のバルサはポゼッションを高めるためにボールを動かしているが、選手の動きが活発であるとは言えず、ソシエダのディフェンスラインと中盤の二つのラインの間に選手が入り、止まってしまっている。ソシエダはラインを押し上げながら中盤との距離を縮め、バルサが安定したポゼッションから縦パスを入れればすっと下がる。その狭いエリアでボールを受けようと止まってしまうと、センターバックのチェックを簡単に受けてしまうほど近づいてしまう。ただ時間の経過と共にそこは改善されていき、中央でメッシだけではなくセスクやチアゴが近づいて、ボールホルダーへ注意が向かった裏を取れるようになり始めたことも好材料で、テージョのスピードを活かした突破も外から選べることで、ソシエダに待ちかまえる形を取らせず、引き戻しながらプレイさせて難しさを与え始めていた。ソシエダは中盤にアンカー気味に一人を残しているもののそれがフラットに見えるほどセンターバックの前を埋められておらず、中央を担当している間にメッシだけではなく、セスクやチアゴが入ってくることで、メッシに動かされてスペースを作り、他がカバーするために同列にまで下がることになっている。その中、メッシが相手アンカーの前でボールを受け、センターバックをはじめとする多くの選手の注意を引きつけ、テージョのスピードを活かして裏へのするーパスを決め、彼の先制ゴールをアシストした。タッチライン際でボールを待ち、足下でボールを受けてからの突破を強く印象づけていたテージョが、スペースへのランニングとゴールを決めたことで可能性が広がったように思う。

バルサはアンカーが変わった事によるスタイルの変化が多少あるのかもしれない。ジョナタンは前へ不用意に出て行くことが少なく、チェックに参加することはあってもセンターバックの前を埋めようとする意識が強く、攻撃時にはサイドのサポートへ大きく出ていくことも多い。ただ最も多いのが逆サイドへのフィードを中心としたワイドレンジの大きな展開。中央へのスペースとパスコースが少ないところを積極的に動かして狙っていこうというのではなく、相手のゾーンがボールサイドへ寄った反対側を使い、ウイングへとボールを移す。ただそこから中へのサポートのコースを封じられてすぐに横へ出して再展開を狙うことは難しく、ボールを下げなければならないことも多い。そのぶんソシエダはウイングにボールを触られることでサイドバックだけではなく中盤も下げて中へのコースを塞がなければならず、圧縮されて手前にスペースが出来てしまう。そこをダニエウ・アウベスやアドリアーノがドリブルをしながら中へとカットインをして中とフォワード、そしてウイングとそれぞれの距離を縮めながら向かっていくことで、ウイングに渡した後の展開を支えている。左のテージョに関しては最初のいくつかのプレイで意識づけられたスピードが相手の頭の中をお効く締めているようで、縦のコースを早く塞ぐためにサイドバックはポジションを取り、中盤のシャビ・プリエトが引いて二枚のサポートを必要とするようになり、ソシエダの攻撃も削ぎ、サイドバックを楽にしている。

バルサの守備もいくつか改善され、前線から攻守の切り替えが組織として行えており、相手のミスを上手くさせている。相手の中盤外側を守備に引き戻させることに成功しているため、カウンターに移ったときに外への選択肢が最初になく、ワイドな展開にバルサは引き出されることが無く、中央に絞っていける。ジョナタンがフォアチェックに三回してスペースを空けていたとしても、中央にしか選択肢がないのであれば、センターバックのプジョルが潰しに出て行くことも出来る。何度かサイドに起点を作られて深くまで入られることはあったものの、中盤がサイドバックのカバーをして個人に任せず、センターバックも引き出されないように守ることが出来、クエンカがこれまでであれば戻ってきていない深さまで戻って守備に参加をしている。外のケアをそういった選手がしてくれることによってサイドバックが外への守備のためにゾーンを広げておく必要が無く、中へ絞って狭くブロックを構築することも出来、センターバックが広大なエリアをカバーせずに済んでいる。

後半はソシエダは中盤を前に上げて、前からチェックをして攻撃へと繋げようと意識を強く出し始め、シャビ・プリエトがテージョに引っ張られないよう高く保ち、両サイドにカウンターの選択肢を作るようになった。外へ大きく開いたことでバルサは狙いを絞れず、センターバックがチェックとカバーの関係を作れず、プジョルが外へ引き出され、マスケラーノとグリーズマンの一対一の関係を作ってしまい抜けられてしまった。ゾーンを広げられてしまったことで、サイドバックが中へ絞ってサポートすることも出来ず、最初のボールに対応しなければならず、後ろのケアが十分に出来なくなってしまった。前半はバルサが攻守の切り替えからボールを奪い、守備の形にしていたものの、ソシエダが中盤を押し上げてアンカー一枚を残すのみになったことで、バルサがボールを奪われたときに守備に回ったときにチェックをできる位置に相手がおらず、追いかける形になりやすい。そのぶんバイタルエリアを空けているということではあり、アンカーの横でボールを受けるチャンスは広がり、テージョも二枚を相手にするのではなく、一枚を相手にするだけの時間が増えている。テージョがその状態で突破だけでなく、中への切れ込みとパスを何度か見せたことで再びシャビ・プリエトを引き戻し、アンカーやセンターバックをサイドに引っ張る場面が増えた。ソシエダの右の起点をカウンター時に使わせないようにした。テージョの二点目がダニエウ・アウベスに当たってオフサイドと消えてしまったのは残念な限り。代わりにメッシがようやくゴールを決めて二点差とした。しかしながら直後にミスから失点をしてしまい、ここのところ目立っている最後尾付近のミスを繰り返してしまったのがそのゴールの喜びを消してしまった。

セルヒオ・ブスケツが入ったことでショートパスでの繋ぎが増え、ワイドレンジに開いた状態から全てを始めるのではなく、中へ絞りやすい環境を作り、攻守両面での安定を目指した交代なのかもしれない。スピードに関する対応としてアビダルを入れたことで裏へ抜けられないような警戒をした様子。セスクをメッシと同列にまで押し上げて試合のコントロールをチアゴとブスケツの二枚が行うことでアンカーの隣にメッシとセスクを並べてバイタルエリアでボールを受けさせる。テージョを大きく広げながらも、中への枚数を維持して裏と手前を用意していく。形を作れ始めた中、セルヒオ・ブスケツが脚を踏まれて深い怪我を負ってしまい、すぐに交代をしなければならず、バルサのプランは変更を余儀なくされた。アンカーを中心としたショートパスでの繋ぎは難しくなり、ウイングを開かせてワイドな選択肢を低い位置から利用していくのは難しくなってしまった。テージョも中へ入ってボールを受けようとするようになり、チアゴやメッシが相手のプレッシャーの中でボールを動かしていかなければならない。そして低い位置でボールを動かしていこうとするものに関してもマスケラーノと準備不足のピケとでは苦しく、ソシエダはフォアチェックでそこからボールを奪ってしまおうとスピードと人数をかけ、そこからのクリアにしても拾えるようポジションを上げている。ソシエダはボールを繋ぐよりも裏へとフィードを入れて、コンビネーションと役割を明確にできていないアビダルとピケの所を突き、不安定なクリアから繋がせず、そのまま再び奪いに行く。バルサはそれをしのいで時間を進めていく以外になく、苦しい終わり方になってしまった。

Copa del Ray Semi Final 1stLeg バレンシア対バルセロナ

2012 年 2 月 2 日 木曜日

■Valencia CF 1 – 1 FC Barcelona
両者共にラインが高く、バレンシアは特にボールサイドに人数をかけて守ろうとしている。バルサの縦パスを警戒しながら、この試合は引き出すシャビがいないこともあって、後ろからの縦パスをメッシが引き出そうとしている。それを警戒し、横へ出させることで狙いを絞り、縦パスにも徹底してついて接触が起こるほどの積極性を持つ。パスカットを強く意識しながら守って、バルサに前を向くチャンスと時間を削っていく。ディフェンスラインに積極的なプレッシャーを与えてコントロールを乱そうという意図は少ないものの、ラインを高く設定しているため、バルサの中盤より前へだけではなく、そこへも向かうことも多く、バレンシアは奪ってから縦へという素早いカウンターに繋がる狙いを絞った守り方になっている。ただバルサのポゼッションに合わせてポジションを少しずつ動かしていく中でマンマーク気味に体を寄せきることは難しく、コースが読み切れない場合は追いかける形になってしまい、バルサはボールキープとコントロールによって引き出して裏を狙うところまで持って行き始めている。

バルサは守り方をフォアチェックにして、ポゼッションが上手くいっている間は相手を押し下げているのを利用して、センターバックにプレッシャーをかけてキーパーまで戻させる。上手くいけば奪ってショートカウンターという狙いがありながらしっかりと組織としてそれを行えている。ただそれを一つ抜けられたときにバレンシアの攻撃が裏へ早い段階からフィードを入れてくることで定まらず、中盤で囲い込むような形をさせてもらえない。フォアチェックから戻ってくるにはあまりにもバレンシアのフィードのタイミングが早く、中盤の高い位置で納めようとしていないため、センターバックもブスケツも前へと押さえにかかれず、限定をさせてもらえない。相手が狙えるエリアは広く、センターバックとサイドバックの裏側にボールを出されて競争になってしまう。何度かそれをされたことで予め裏を意識したポジショニングになり、プジョルを右サイドバックとして起用したことで彼の判断によってセンターバックよりも中に絞って守ってくれるお陰でゴール前を塞ぐ人数をそろえられており、フィードを入れられたからと行って人が足りずにキーパーと一対一になるような場面は作られていなかった。ただソルダードが抜け出し、ピケが追いかけている中でピントがペナルティエリアの外へ飛び出さなければならなかった場面、ああいった場面でのピントの判断とスピード自体の遅さに不安があり、バルサとしては裏を大きく開ける守り方に危険がつきまとう。そしてあのプレイはペナルティエリアの外で触っているように見え、退場になって当然だったかもしれない。

バレンシアは先のピントのプレイから組織化されたプレッシングの速さから、個人のプレスの速さが目立つようになってしまい、激しさもより増していくようになった。クイックになって攻守の入れ替わりが早くなり、試合展開をスピードアップさせているものの、雑さが目立つようになってきて、ミスも増えてきている。単純なパスミスからバルサにつけいる隙を与えたり、プレスの連動を欠いていることで一人が向かう、それをかわして、次がくるまでの間に前を向けるようになっていく。
しかし先制点を取ったのはバレンシア。ボールの保持がどちらにあるのかはっきりしない中でボールサイドはそれでもボールに向かっていかなければならなかった。その反対側をしっかりとアンカーであったり中盤が埋めることができていれば問題はないものの、バレンシアの方が人数が多く、前へ出ようとするバルサとギャップを利用して裏を狙っていた。特にプジョルへのサポートのためにセルヒオ・ブスケツが向かっていかなければならず、クエンカが大きく引いて守備に参加するほどの距離を保てていない。そのため彼らがチャンスになったときに何度もディフェンスラインにブスケツが入れず、アビダルを含めた三枚で同数のクロスを止めなければならず、幅広い対応を事前に取ることが出来ない。失点した場面もセンターバックの前に大きくスペースが空いており、プジョルが一人で埋め直そうとしなければならなかった。

得点によってプレスの組織化が再び戻ったように見えたものの、それぞれのスピードにはばらつきがあり、チェックのタイミングも整えられていないのは、先の雑になった時間帯から変化をしていない。ボールコントロールが上手くいけば二人目がくるまでの間に前を向くことが出来、それらをかわしてしかける事も出来る。仕掛けることが出来れば注意を引きつけてスペースを作れるようになる。バルサはセスクやブスケツが頻繁にランニングをして縦の変化を加えるようになったことで、キープから前を向く意味が出始め、バレンシアは高いラインの裏を少し気にするようになった。バルサが裏を使われ続けたことでラインを押し上げられず、すっとラインを整えたまま引くことで、少しだけ中盤が間延び気味に見え始めたこともバレンシアにとってはプラン通りに運ばなくなってきた要因でもある。そしてクエンカの仕掛けからアレクシス・サンチェスの惜しいシュート、そこからコーナーキックを得て同点に追いつくことに繋がった。

バルサは守り方をポゼッション後のフォアチェックもある程度は継続しながらも、後ろにスペースを作らないよう、ディフェンスラインが前へチェックに出ないようにしている。ブスケツも前へのオーバーラップとプレスのためのポジショニングから後ろを意識して、外へ引き出されないように中央に残ってきちんとラインを整えて引くようになった。きちんと4枚を残して引き、バレンシアはそれまでと同じように裏へのフィードで攻撃を形作ろうとしているものの、バルサが飛び出しのタイミングを見計らって引いているため、パスの距離が伸びてしまって精度を保てず、きちんと収まってドリブルで仕掛けるところまで持って行けなくなり、バレンシアはゴールチャンスをそれまでとは違って得られなくなった。

後半もメッシはセンターバックとピボーテに挟まれるようなポジショニングをせず、ピボーテの手前まで大きく引いてボールを触り動かしてからバイタルエリアへと進入をしていく。ピボーテがそれに引き出されれば、バイタルエリアにアレクシス・サンチェスやチアゴ、セスク辺りが進入することが出来る。一つピボーテをかわすことが出来れば、センターバックがそこへ集中しなければならず、裏への飛び出しを狙うチャンスが出てくる。クエンカも中央に近いポジションを取って相手を引きつけ、ゴールに近い位置へと選択肢を作り、メッシが受けた後の縦パスのコースを増やす。バレンシアが前半のような組織化したプレッシングをしておらず、前への勢いこそ持続しているものの、コンパクトには保てておらず、それぞれがボールを持って仕掛けられるようになってきている。一つの要因としてバルサがラインを押し上げきらず間延びをさせていることで、バレンシアはチェックをするためには前へ引き出されなければならず、その通りにしてしまっているため、打ち合いに近い展開になりチャンスは多く得るようになった。しかし守備の位置は上がったものの、囲い込み、バルサに仕掛けさせない前半のような狙いを得られない。攻撃で押し込み続ければバルサに攻撃をさせないとはいえ、ドリブルでの仕掛けによってバルサはチャンスを得られるようになり、前を向くことが容易になった。

チアゴが得たPKの判断自体はミゲウの足の出し方と接触があったことを考えれば仕方が無く、ただああいったファウルで得たものが決まらないのはよくあること。

バルサは右にダニエウ・アウベスを投入したことで右の守備に安定をもたらし、それまでプジョル一枚で二枚を相手にしなければならなくなっていたところを彼が大きく下がることでスペースを埋め、プジョルが中へ絞ったファーサイドを埋めることもやり、同じサイドを攻められたときにはブスケツがサイドのサポートに来なくてもいいよう、センターバックの前を埋めるポジションにも入っている。攻撃面で目立った活躍を見せることは出来ていないが、下がった位置で上手く相手を見て、バレンシアに左サイドを選択させなくなってきた。

アルベルダが下がったことでメッシに対する厳しさが影を潜め、ピボーテの手前まで下がって受けようとするのではなく、ピボーテの横であったり背後に入ってゴールに近くポジションを取るようになった。それまではピボーテがメッシに張り付くことで二枚を相手にさせて抜いた後の守備もしっかりしていたバレンシアが、センターバックがメッシを中心に見なければならなくなっており、縦パスが入ったときに引き出され、受けに戻る動きにもついていかなければならず、ギャップを作りバランスを崩している。ダニエウ・アウベスの惜しいシュートがあった場面でも、そのギャップを利用したチャンスだった。

中盤を大きく伸ばして前後を分離させたバルサの状態は、バレンシアに守備の形を取られなくさせ、縦パスを入れやすく、前を向きやすくして、消耗を強いてきたものの、前へ人数をかけて攻め立てるバレンシアに対応しているバルサも、中盤がそのたびに上下動しなければならず、攻守両面で中途半端なポジションしか取れず、カウンターになってもバルサは三枚で攻めなければならず、数的有利も作れないままスピードを活かさなければならず、変化を加えるには難しさを抱えてしまっている。ジョナタンが入ってからはクエンカを後ろに、ジョナタンがチェックに出て行くことでダニエウ・アウベスと共に最前線の守備が再び活性化して試合を引き締め、ある程度ラインを保ち、セスクを加えて攻撃を作れるようになってきたものの、一つのミスから大きく引き戻されるのは変わらない。むしろ前へと再び重心をかけたことで裏へ出される可能性が増え、対応に難しさを抱えるようになったものの、引いて守りを固めるよりは失点をせずに終えられる可能性を高め、得点の可能性を増やすものになっている。テージョを投入できたのもこの形を作れたからこそで、一度しか見せ場を作れなかったものの、意識付けをするには十分なプレイを出来たように思う。バルサの残り時間の使い方を見る限りでは、第二戦を強く意識した運び方で、引き分けでも良しとしているようだった。

Bundesliga 19. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ヴォルフスブルク

2012 年 1 月 29 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 0 VfL Wolfsburg
ヴォルフスブルクはゾーンの幅を狭く保ち、ボールサイドへと人を多く硬め、ボランチをきちんと下げてバイタルエリアを閉じる。中盤が引き出された際にはサイドバックがそこを埋める。そのため逆サイドに大きくボールを振られるとスペースが目立ち、大きな展開で振られると修正するまでの時間を必要とし、その間のばらつきがディフェンスラインの隙間を大きくしている。攻撃に移ったときには密集した部分がサポートとなり、距離を縮めているものの、バイエルンの守備陣形も近くなっているため、お互いにスペースが少なく、奪い、奪い返されたとしてもオープンスペースでの展開は望めず、つぶし合いに近くなっている。バイエルンは両ウイングのポジションへボールを預けて押し下げたり、リベリーがポジションを下げ相手サイドバックが釣られて出てきたギャップを利用して、裏側へマリオ・ゴメスやミュラーを走らせ、起点にしている。

ショートパスで繋いでチャンスを作ろうとしていた両者が大きなパスを利用することで展開を作り始め、バイエルンはニアサイドに人を集めながら、タッチライン際に残るロッベンへと出すことで一気に縦へ深く侵攻し、リベリーも同じような使い方をしてヴォルフスブルクのブロックを押し下げる。中央を経由すると、どうしてもパススピードの遅さから、相手のゾーンを左右へ走らせる効果はあっても、修正する時間を与えてしまうため効果が薄く、浮き球の展開の方が効果的に機能をしている。ヴォルフスブルクは両ウイングによって押し下げられた状態から、フィードをフォワードへ当て、裏へ走らせることでバイエルンの背後を伺い、二列目がセカンドボールを拾い、繋げていく。縦パスをフォワードへ入れようとしているものの、裏へのボールよりも前へ出て行くことを得意としているバイエルンの守備によって潰されやすく、落とすことが出来ない。バイエルンは二枚のフォワードに注目しておけばよく、ヴォルフスブルクの中盤が、攻撃的な選手を置かず、フォワードのサポートが出来る選手を中央に置いていないことも、マーク対象を限定しやすく、ぴったりと貼り付ける要因にもなっている。サイドのシェーファーや長谷部も単独で縦へ突破できるタイプではないことも、サイドバックへのカバーリングを最小限に留めて、中央に専念できる要因の一つ。

バイエルンは横へとボールを動かしていったことでヴォルフスブルクがゾーンを偏らせて密集させていた守備を外へと広げ、それぞれに隙間を持たせられるようになった。きちんとウイングに対してサイドの二枚で数的有利の状況を作りながら守っているものの、左右へと走らされ続けることを嫌って中央に残った守備ブロックは横へ動かされることを嫌って、パスカットや縦パスを抑えるために前への意識を強めており、前へは鋭く、粘り強く守れているものの、直接裏へと放り込まれるとセンターバックが反応できなかったり、裏へ動き直されてもそれへもついて行けていない。裏へ入れられることを嫌がってディフェンスラインが徐々に中盤との距離を広げてしまい、バイタルエリアが空きがちになっている。ただ、バックパスが多く、ディフェンスラインでボールを動かし、サイドバックに一歩目を任せることの多いバイエルンがそこを利用できるような展開を生み出せず、中央のクロースとシュバインシュタイガーにしても試合を支配できておらず、ボランチのプレッシャーがそこへ向かっていかないことで、縦パスを受ける体勢をフォワードが作れない。外から中、そして外へと動き、動かすことでスペースを作り出せるためチャンスをバイエルンが得ることは多くあるものの、ゴールに直結し迫って行けていない。さらに相手に動かされていたクリスが前半のうちに退き、持ち味を活かせていなかった長谷部が中央に移り、しっかりと状況に応じて前後に動けるようになったため、バイエルンの中央を使う選択肢はさらに限定され、外からの攻撃が単調になって、主導権を握った突破ではなく、孤立させられてサイドへ追いやられて見えるようになった。

後半に入ってポジションの変更から形を作れるようになったヴォルフスブルクは、中央のマンジュキッチへのフィードのみで組み立てるだけではなく、右へ移ったデヤガーを走らせて縦への突破を狙えるようになって、タッチライン際までセンターバックのバドシュトゥバーを引っ張り出せるようになった。守備を専門に行うボランチを持たないバイエルンは、センターバックが引き出されるとディフェンスラインがスライドして守らなければならず、中への人数に不安を抱えるようになる。クが動くだけでなく、ボールを収めてパスを繋げるようになれば、中と外の両方から攻撃を組み立てられるものの、それらを彼がこなせないため、マンジュキッチの左右へ流れて組み立てる動きを中心としなければならず、バイエルンは彼を抑えればひとまず安心して守れる。

外側にしか起点を求められないバイエルンは、攻撃に回ってもチャンスを得づらく、前半から引き続き二枚でコースを塞いでいるヴォルフスブルクを相手に中へカットインやパスを許してもらえない。デヤガーが回ったサイド、バイエルンから見て左側こそ、その徹底が図られておらず、縦と中、どちらかを選択することは出来ている。スピードアップをして仕掛けられるのはそのポイントしか無く、カバーに向かった長谷部が振り切られそうになったものをファウルで止め、そのセットプレイからバイエルンがようやく先制した。

これで守勢一辺倒から攻撃へと手を広げなければならなくなったヴォルフスブルクはボランチを含めて前へ押し上げて人数をかけるようにはなり、シオを投入してフォワードを増やした。長谷部とデヤガーの連携からサイドを切り崩し、ただでさえバイエルンのディフェンスラインが横からのクロスに対して人数不足に陥りやすいファーサイドへクロスを入れ、多くなったフォワードに釣られてファーサイドがフリーになり、チャンスを得たものの、クがそれを潰してしまった。
ヴォルフスブルクが前への意識を増加させてフォアチェックを行い、ディフェンスラインも以前よりも上げ、プレッシャーを与えながら前への勢いを保とうとしている。ただフォアチェックを行うことでディフェンスラインと中盤との距離は開いてしまっており、バイエルンにとってはカウンターのチャンスが多く広がっている。バイエルンにそこを利用するだけの余裕はなく、リベリーやロッベンを残したカウンターもしっかり掴まえられて一気に背後を取るにはいたらず、ルイス・グスタボを入れて守備に対応しようとしていることもあって、前線との距離が開いてしまった。フィードで直接裏へ放り込み走らせる回数が増えたものの、距離が開いてしまうと精度の面でも問題があり、タイミングも合わせられずオフサイドであったり、相手が先に反応していることも多くある。献身的に動き回れるオリッチが入ったことでウイングに集まってしまうマークを分散させ、自らがスペースを作り、受けることでカウンターへの移行もスムーズに行えるようになってシュートまで持っていき、再びヴォルフスブルクをペナルティエリア内に押し込めるようになった。

残り時間が少なくなってからは、相手の勢いに乗っからず上手く横にボールを動かしながらバイエルンは時間を使い、しっかりとしたキープからサイドを大きく使って縦へ入り込み、オリッチとロッベンの二枚をフォワードに置いて勝ちきるための戦い方も交えて、試合終了まで危なげなく運んだ。ロスタイムにはヴォルフスブルクが気を抜いた隙を突いてオリッチが見事な飛び出しとループシュートをし、結果的にはクリアがロッベンに当たってのゴールになったものの、駄目を押すゴールになった。ただこの試合通じてロッベンの過剰なファウルのアピールと要求、そして最後のゴールも手に当たっていて、ノーゴールにされてもおかしくはなかった。

Liga Espanola Jornada 21. ビジャレアル対バルセロナ

2012 年 1 月 29 日 日曜日

■Villarreal CF 0 – 0 FC Barcelona
バルセロナは通常通りの3バックであるものの、少し珍しい起用方法なのはセルヒオ・ブスケツとマスケラーノの併用をしていて、ドブレ・ピボーテのような形になっていること。センターバックの前にあるスペースをどちらかが埋めておくことで3バックが外へ引き出されたときに埋める役割を担いつつ、外に開いてサイドバックの代わり、ウイングの後ろをサポートもする。ポゼッションの際にも、フォアチェックを受ける中、そこを経由して横へワイドなパスを配球していく幅広い役割を担っていて、クイックな展開になっている中、有効に機能している。バルサはパススピードも問題なく、タッチ数が少なく左右へと頻繁に動かしている。特に横へのスムーズな展開は、ウイングの二人のポジショニングが、ディフェンスラインを引きつける動きではなく、受けられる開き方をしている事も影響をしている。ただ中央をへの積極的な縦パスを入れられないのは、ビジャレアルのマークが厳しさではなくクイックさを持って対応しているため囲い込まれやすいため。
セスクもシャビもピボーテが二枚いることで引いてボールを引き出す役割に専念をしておらず、ポジションを高く保って距離を縮めていられるため、サポートの関係を作りやすく、ボールさえ入れば近い距離の変化からマークを集めてフリーの選手へとパスを流し、シュートを狙うまで出来る。いつもであれば、ウイングがこれだけ大きく開いたまま残ってしまうと中の人数の低下から、中央からの攻撃を組み立てられないものの、この試合は中央からの切り崩しが時間の経過と共に目立つようになっていき、中央に集めた上でサイドを利用するようになっている。フォアチェックにもその人数の多さは役に立っており、囲い込み、追い込み、ボールを奪えば瞬時に数的有利に立てる。

バルサの守備は安定をしていて、クイックなビジャレアルのプレッシングとカウンターに対してもセンターバックが前へ出て縦への一本目のパスを止めようとしている。特に左右のセンターバックはその役割を担い、ボルハ・バレーロやカニといったところを抑えにかかるほど前へと出ている。その裏側に本来なら広大なスペースを作ってしまいがちで、中央のセンターバックがスイーパー気味にカバーリングポジションを取っても範囲が広すぎて難しい対応を強いられるものの、そこをピボーテが埋めているため、裏へと走られるような場面は見られず、ビジャレアルが直接裏へのフィードを多用せず、センターバックの前で一度納めることを目的としている影響もあり、十分にカバーが間に合っている。バルサは相手の攻め方に合わせてセンターバックの組み合わせを変えており、ピボーテの左右と共に頻繁なポジションチェンジが守備面においてもビジャレアルに狙いを絞らせていない。
ただ前半途中からは序盤の運動量とクイックな展開のツケがきたのか、バルサの運動量が減り、パスの段階でミスが増えてしまった。特に最後尾から前へと送るパススピードが上がらず、カットされるというよりもミスになる傾向が強く、そこからワイドな位置にボールが出ても、ピボーテを経由して再展開をすることも難しく、スムーズに中へとボールが入っていかずシャビやセスクが変化をつけるような状況も生み出せなくなった。メッシが右へ流れてプレイするようになっているのもその影響になっている。守備の機会が増え、ディフェンスラインの前で横にスライドされるようになり、失点の危機をいくつか迎えてから、マスケラーノを下げて4バック気味へとシステムを変化させて守備の安定を図るようになった。前で抑えられなくなったその変化の影響から、ピボーテがいなくなった中央でビジャレアルがボールを納めてフォワードを裏へ走らせ、センターバックの前でいったんボールを納めるのではなく、裏へと出して競争をさせるようにもなった。

後半は開始から完全に4バックへ変更したことでサイドバックが積極的なオーバーラップでボールを運び、ウイングが外に張り続けるのではなく、中へと絞って守備と攻撃の体形を整える。ただビジャレアルが外へ大きく広げながら、中盤のサイドに位置する二人を下げてバランスを取らせる必要が薄くなり、積極的なプレッシングへと繋がって、バルサに対してより狙いを絞ったプレスからカウンターを意識付けしてきている。ただビジャレアルは前半と比べるとラインの押し上げが少なくなり、中央に戻ったメッシへのマークとセスクの幕、そこで変化をつけられるバルサに対して、ピボーテが向かうのみでセンターバックが出てきておらず、バイタルエリアを広げてボールを受けやすくして、それ以上に押し下げられれば、全体が圧縮されるほど戻ってしまってカウンターのクイックさが失われている。しかしながらバルサも中央にメッシが戻っても、前半のようにシャビやセスクが最前線に近くゴール前まで迫ることが出来ておらず、中央からサイドを使い、クロスを上げられる体勢をアドリアーノやダニエウ・アウベスが再三作ったとしても、中で戦う選手が誰一人おらず、クロスを選択できずに攻めあぐねてしまう。中盤を大きく引き戻したビジャレアルを相手にマイナスのパスを選択してもコースはなく、ドリブルの仕掛けがバランスの悪さを感じさせるだけになっている。

アレクシス・サンチェスが投入されたことで、裏を狙われるという意識をビジャレアルに植え付けることが出来ると同時に、バルサが外へボールを動かしたときに、ダイアゴナルな動きでゴール前へと入り込んでくれるようになって、パスの選択肢が出来るようになってきた。メッシが中から右へと動きながら、アレクシス・サンチェスに引っ張られた反対側を利用しようと動くようになり、サイドバックの裏へと自ら動いてパスを引き出そうとしているが、そこへのパスも通りきらない。そうなると引いてもらってドリブルに頼らなければならず、アレクシス・サンチェスが引っ張って、メッシが受けるスペースをカウンターでも用意している。ただそこまで分離してしまうと連携していくことは難しく、どちらかを利用するのみに留まって、どちらも使えないのと同じ事になっている。近づいて連携をするとそこのみにしか選択肢が無く、ビジャレアルの守備が集中をしてブロックが狭まってしまう。

チアゴとテージョを入れたことで全体を活性化させて中盤から前への押し上げが薄くなっていた部分をカバーできるようになった。個人の力に頼るように見える部分は増えたものの、左はテージョのスピードに頼み、右からメッシが抜いていく。マルコス・セナのカバーリングが的確で、勝負をさせてもらっても最後の部分を閉じられてしまって、少しでもタッチが大きくなれば止められ、その後の展開にしても防がれてしまう。テージョの突破は終盤の運動量が落ちた中では大きな武器になっているものの、ゴンサロ・ロドリゲスに止められた場面のようにファウルで止められ、決定的な場面を作る機会を得ながらも、ゴールを奪うことは出来ない。ただそのスピードを大きく警戒させることでビジャレアルのバランスを後ろとサイドに動かしてメッシとアレクシス・サンチェスの連携からチャンスを得ることにも繋がる。それも決まらずその後のこぼれ球もセスクが外し、ゴールを得られない。テージョはドリブルとスピードを強く意識させたことで中へのパスコースを作れるまでになり、メッシのシュートを演出もしたが、ゴールチャンスはそこまで。運動量が落ちてパフォーマンスを発揮できなくなったセスクを援護するようにセルヒオ・ブスケツを押し上げ、守備のマイすゅうを削りながら攻撃をしたものの、最後はサンチェスを走らせ、フィードを入れ、こぼれ球を攻撃に繋げる形にしか手段を見いだせず、疲労が色濃くミスも多いまま試合を終えた。
試合序盤の非常に多い運動量と多彩な変化を見せていた時間帯に得点を取り、試合を決めてその後を上手く進めていくことがこの試合の目的だったのかもしれないものの、それ以降の運動量の低下は明らかで、明らかにミスも増えて今後の試合にも同様の影響が出るのではないかと思わせるほどだった。例年のバルサと違わず、コンディション調整の難しさを感じさせ、テージョの可能性が見えたことが怪我人の多い今の状況にあっては好材料だったものの、それ以外では光を見出しづらい終わり方だった。

Copa del Ray Cuartos de Final 2ndLeg バルセロナ対レアル・マドリー / クラシコ

2012 年 1 月 26 日 木曜日

■FC Barcelona(agg-win) 2 – 2 Real Madrid
第一戦とは大きくメンバーを変えたマドリーは積極的にチェイシングをしようとしているわけではないが、開始と同時にイグアインによって最初のチャンスを作られてしまった。その後はミス無く慎重なボール回しをしていくバルサは足下のパスを中心としている。マドリーはラインの設定を高くしながら、そこへのプレッシャーを強め、バルサへ自由なコントロールを許していない。パサーとなるセンターバックに対しても追いかけ回すようなやり方ではないものの、前線に攻撃的な選手を配していることで前へ向かいやすい状況を作って、前からのチェックと中盤に残る戦首都で囲い込める環境を作っている。
その効果は攻撃に特に現れていて、ボールを奪ってからカウンターになった際に、カカのスピードのあるドリブルやエジル、クリスチアーノ・ロナウドと外から中への変化をもたらせる選手がそろっている。守備時に引いて守るのではなく、前へ残しておくことでカウンターの開始位置を高め、クイックにチャンスを作れるようにしている。そして選択肢を中央にもサイドにも用意して幅を広げ、バルサが前後の関係を作って挟み込むことが出来ておらず、カバーリングの選手を用意できてもいない。そのためディフェンスラインの裏を取られやすく、競争になってしまいやすい。その状態はスピードのあるマドリーにとって効果的に働き、ドリブルとミドルレンジのパスによってそれを行いながら、近い距離でサポートを得られる環境が攻撃にスムーズさをもたらしている。

バルサは高いディフェンスラインの裏側をアレクシス・サンチェスが第一戦と同様にとり続けることで強く意識させ、バルサにとって生命線となるバイタルエリアを上手く広げている。メッシやセスクがそこへ入り縦パスを納められるようにしている。マドリーはピボーテを一枚減らした影響と共に、攻撃の枚数をそろえたことで守備の意識が前へのチェックに傾いているため、ピボーテの後ろへのケアが薄くなっているため利用しやすくなっている。そのカバーを行おうとサイドバックのアルベロアが特に前への意識を強めなければならず、縦パスに関して大きく張り出していく。センターバックが対応する回数も増えてしまうため、ディフェンスラインが不揃いになりやすく、左のコエントランは特に裏を警戒して下がりすぎている印象がある。バルサはダイアゴナルな動きを利用しながらそれらが動いた後のスペースへ動き直してボールを受けて背後を狙っている。マドリーはエジルとクリスチアーノ・ロナウドを下げて中盤に四人のラインを形成しようとして外側を埋めているものの、縦を止めるための守り方ではなく、外の起点から中へのパスを防ぐための守り方に近く、パスワークの限定であったり、中から外へのコースを限定するものに鋭く反応しているものの、後方からのドリブルでの持ち上がりには誰もチェックに行かずにするすると持ち上がらせてくれることもある。

バルサは序盤のバランスを取るための布陣、中盤に四枚を横に並べてポゼッションを高め、マドリーのフォアチェックに対応しようとしていた状態から、そのチェックに慣れて複数の選手が複数のコースを用意しなくても、それを逃れて反対側にまでボールを運べるようになったことで、相手のブロックの前でのみ選手を並べるのではなく、相手のブロックの中に入り、特にコエントランのポジショニングが不安定な部分を利用してそこの前を使うようになっている。そこへのサポートをするためにクリスチアーノ・ロナウドがきちんと戻って足を出さなければならなくなっており、大きな負担になっている。ただ上手く行きかけているものの、ミスが多くマドリーの選手へパスを渡してしまってバルサが自らのペースを保ち続けることは出来ておらず、徐々に遅れてきたマドリーのチェイシングをダイレクトに動かしながらあざ笑うようにかわせるようになってきた。イニエスタが負傷交代したものの、慣れとマドリーの消耗によって徐々ペースを取り戻し始めている。右の出てくる頻度の高いアルベロアの裏をペドロが狙い、右から中央にサンチェスが動いてゾーンを動かし、メッシがボールを触る。一枚少ないピボーテの中でメッシへラサナ・ディアラを注目させていることでより中央にスペースが出来やすくなっており、シャビやセスクが入れる要因になっている。ポジションが高くなれば、ポゼッションにおいてだけではなく、パスをカットされた後の切り替えにも大きな影響を及ぼし、すぐさま囲い込んでボールを奪い返す、パスコースを読んでカットを狙う、背後を抑えて前を向かせない、マドリーにカウンターの勢いを出させなくなってきた。

先制点はバルサ。深く入り込まれたところから大きくぽっかりと空いたバイタルエリアを作り出したのはサンチェスのランニングで、メッシがそこで受けてドリブルを始めてスピードアップするだけのスペースがあった。そこへ注意が集まってしまうのはマドリーの悪い部分で第一戦でも同じようにメッシにのみ視線を集めてしまったがために外へフリーの選手を作ってしまったものの、セスクが中に入ってマークの意識を引きつけていたとはいえ、その再現かのようにペドロが左でフリーになり、ゴールを決めた。
アディショナルタイムにラサナ・ディアラが余計なファウルをして揉めて試合が中断し、集中を切らせてしまったわけではないだろうけれど、バルサの方が優位に立つ状況でせっtぷれいを利用できた。それが残り時間がないことでの思い切りにも繋がり、ダニエウ・アウベスのミドルシュートから追加点を生んだ。
徐々に改善されてペースを掴んで、弱点を突き始めていたそのままを利用して前半の内に先制点を奪うことがいい流れを作ったように思う。

後半も前半途中からと同じペースで開始をした。マドリーはカウンターでこそ前半チャンスを作ったものの、その可能性を減らすボールの扱い方をバルサがするようになり、ミス無く集中するようになっている。マドリーのチェイシングにしても徹底を欠くようになって、前後の連動を失った。いくつかの選手が動くものの、ディフェンスラインを押し上げて圧縮するところまで持って行けず、ここの意識のばらつきによって前後に伸びてスペースが与えられ、そこでバルサがボールを失ったとしてもマドリーのカウンターのチャンスにはならず、マドリーはポゼッションをせずにフィードによって左右を走らせて納める以外の方法をとれていない。しかしながら個人のスピードと技術によって縦に突破を狙ってファウルを得るところまで持っていくところまではいけ、セットプレイからセルヒオ・ラモスが決めたもののダニエウ・アウベスへのファウルによってゴールは認められなかった。

その直前にラサナ・ディアラからグラネロへと選手交代をしてバイタルエリアを埋めるようにピボーテが残るようになり、前へ出すぎて状態を崩しがち、そしてボールを奪った後にパスを繋がなければならないが、そこで繋げないラサナ・ディアラを下げて繋げるグラネロを入れてカウンター以外の展開を作れるよう狙いを広げようとしている。ただバイタルエリアにはある程度シャビ・アロンソが残るようになったものの、センターバックのセルヒオ・ラモスが前へ出て行くことを抑えられてはおらず、フラットには保てていない。バルサは前半のようにディフェンスラインの背後を取ろうとする動きが減っており、またマドリーのラインが低くなっていることもあって効果的にそれを狙えていない。マドリーは前へ向かい続けることによって、後半開始直後のような不徹底なチェイシングではなく、コースを塞ぎ、交代したカジェホンも積極的に動いて人にぶつかり、余裕を削って限定していく。守備におわれることの多かったクリスチアーノ・ロナウドをカジェホンが左を埋めることでフォワードの位置に残せるようになり、マドリーは再びカウンターへの勢いを取り戻していく。バルサはベンゼマには背後からぴたりとつき振り向かせず、ラインをより高く設定してパスカットを狙えるだけ前へ出て、先に動いて先手を取る守備をしようとしている。ただ攻撃への人数を増やしたマドリー相手に先に動き、カットを狙うだけ距離を縮めてしまうと裏に動かれてしまい、自分たちがマークのために動いた反対側へ侵入されて裏を狙われている。そしてクリスチアーノ・ロナウドへ隙間を狙われて、裏を取られて一点を返されてしまった。
失点以後もバルサの守り方は後ろの埋め方に不安が残り、前へ残してチェイシングできるようになっているマドリーに対してバルサはきちんとセンターバックを残さず、バランスの悪いままセンターバックとサイドバックで二枚のフォワードを抑えるぎりぎりの守り方を選択していた。そしてバルサは相手の人数の増加によって最後尾から繋ぐことが難しくなっているにもかかわらず、慎重な繋ぎ方ではなく、注意を欠くような繋ぎ方をしてミスから失点を招いて同点に追いつかれてしまった。

焦りが見えるバルセロナは前後のバランスを整えられず、ディフェンスラインが見ておくべき対象を見つけられず、ワイドに開いたエジルらと、中央に残るベンゼマとロナウドをどう見ておくかを迷っているようにさえ見える。サイドからのクロスにしても先に触ったり、足下へのボールに対してカットを狙うべく出て行かず、消極的な姿勢が目立つようになってしまった。それと同時にベンゼマは積極的に裏を狙っていくことでバルサが前へも後ろへも対応を絞れず、チェックとカバーのどちらもが不十分になってしまっていた。そこで何度もチャンスを作られてしまい、マスケラーノの投入をしなければならなくなった。彼の判断スピードとカウンターを抑える能力を頼り、プジョルを右に回して彼をセンターバックに入れた。これによってきちんとした4枚のディフェンスをそろえて守るようにし、その前をブスケツが埋めてカウンターへ備える。前へのチェックに出て行けるだけの厚みを作りながら、裏へ抜けられる動きにも対応する。ワイドな選択肢もサイドバックできちんと埋め、センターバックがサイドへスライドしても中央にスペースを作らないようになって、一応の安定を見るようになった。
守備がきちんと形を作れるようになって積極性を取り戻したことでボールを奪える状況ができあがり、バルサの散発的な攻撃がしっかりとカウンターの形になるようになった。フォワード三枚だけで、それぞれが孤立をしていたものから、前へ向かいながら守備をして攻撃に加わることでその隙間を埋めて連携できるようにする。メッシを中心とした個人でのカウンターも含め、守勢一辺倒ではなく、攻撃も行いながらラインと陣形を整える時間を得るようになった。

残念だったのはセルヒオ・ラモスの退場で、最後まで同数で試合を運んで欲しいほど拮抗し、フェアな緊張感のある試合だった。それを崩すほどのファウルだったようには見えず、その後のグラネロのファウルもこの影響でフェアではなくなったし、いくつかのファウルも激しくなった。バルサはこれを利用して時間を進めようとするようになり、引くのではなく、前へ出て行くことで抑えて、ぎりぎりの所で守り抜いた。

Liga Espanola Jornada 1. マラガ対バルセロナ

2012 年 1 月 23 日 月曜日

■Malaga CF 1 – 4 FC Barcelona
マラガはディフェンスラインをある程度高く保ちながらワイドに開き、ウイングに対して自由を与えないようにしようとしている。攻撃に回ったときにも外側に広げているため、サイドアタッカーとサイドバックを連携させて、縦に追い越しながら切り崩しを狙うことも出来、個人のスピードや技術を活かしたタッチ数の少ない横への変化もある。パススピードも速く、連動したパスワークからスムーズに攻撃へと移っていき、そのパスワークを掴まえるのは難しくなっている。カウンターでそれを行われるとバルサはマンマークの守備体系を敷いて選手を掴まえているわけではないため、動かされてしまう。ただその一本目となるパスを抑えてしまえば限定することは出来るわけで、セルヒオ・ブスケツがその役割を担って前へ出て的確に抑えることで、最初の数本以降はスムーズな攻撃を許さなくなってきている。直接フィードを出して、ファン・ニステルローイへと当てようとするものに対してはピケとマスケラーノで前後に挟み込んでマークとカバーの関係を作れている。

マラガの守備はラインをある程度高く保ちながらも、積極的なチェイシングを攻撃陣がしておらず、イニエスタを掴まえておこうとする意識は強くあるものの、バイタルエリアを埋めようとする意識がそれほどあるわけではない。むしろ中盤の選手たちは足を出すためにチェックへと出てしまい、バイタルエリアを広げてしまうことも多くあり、メッシがピボーテとポジションをかぶらせながら、ボールタッチと共にその背後を取っていくのを警戒し切れていない。そのためメッシにはドリブルからセンターバックへのチャレンジを許してくれており、イニエスタにはセンターバックが出てきてラインを乱さなければならなくなっている。アドリアーノやアレクシス・サンチェス、ダニエウ・アウベスが外側の裏を使い、前へ出ることで守備をコントロールしているマラガの反対側を突いていく。ピボーテが後ろのスペースを意識してメッシがバイタルエリアに入れなくなってきているものの、それを気にしなければならないとワイドなディフェンスラインの状態を保てなくなってきており、バルサはサイドバックをオーバーラップさせて、中と外に人を用意した状態で試合を進められるようになった。そうなるとマークをすべき対象が常に入れ替わるようになり、ピボーテが再びメッシを中心に見られなくなり、デミケリスをが中心となってチェックとカバーの両面を行わなければならなくなってセンターバックにかかる負担が大きくなっている。そしてラストパスのチャンスも増えるため、キーパーのカバジェロも運動量を必要とし、飛び出しを狙った判断を迫られるようになった。

先制点を得たのはバルサ。バイタルエリアに入ったイニエスタが誰のマークも受けずにぽっかりと空き、そこに意識を引きつけられたマラガの守備がサイドバックを含めてその一点に視線を集めて守備も集まってしまった。大きく外に開いていたアドリアーノをフリーにしてしまい、全くプレッシャーを受けないままクロスを許し、メッシのヘディングゴールが生まれた。

マラガは奪うための組織作りを殆ど出来なくなり、足を出しに来る選手と連動してコースを塞ぎ、次のパスを奪う体勢が作れなくなってきた。ディフェンスラインとその一つ前に中盤のラインを用意することだけは出来ているものの、足を動かして変化についていこうとはしておらず、待つ時間が増えた。ワイドに開いたり、メッシのポジションに対応して、縦パスが来るであろうタイミングでセンターバックが一気に距離を詰めて体をぶつけて自由を奪おうとはしているものの、バルサはそこ以外にもコースを用意しながら縦パスを狙っており、狙い通りのパスカットはさせていない。

後半になってもマラガのシステムは変更されていないものの、それぞれが選手を掴まえようと足を動かして守備に待ちかまえる以外の運動量が増えたのは改善された点。バルサのダイアゴナルな動きやポジションチェンジにもしっかりと付いていこうとして足を出そうともしている。ワイドな攻撃にも対処しようとサイドバックも広げているものの、ヘスス・ガメスだけは中へ絞り、少し引き気味にポジションを取ってマークしづらくしているアドリアーノへ、どういった対応をするのか明確に出来ておらず、抜かれないようにするのか、クロスを上げられないようにするのか、それとも受けさせないようにするのかも不明なまま、追加点となる二点目もそこから生まれた。
失点から一気に足が止まってしまったマラガはバルサの攻撃だけではなく守備の切り替えにもついて行けなくなり、すぐさま奪い返されてしまい、メッシが三点目を決めて試合を決定づけた。

マラガは守備に労力をかけずにそれぞれがカバーリングとマークを不徹底にし始め、チェックに出ようとするのも個人だけであって、組織としての連動はなくなってバルサが簡単にボールを動かし続けられるようになった。チェックを受けても逃れる先は多くあり、逃れた先から再展開も簡単にさせてもらえる。あまりの余裕が相手が寄せていることに気づけずミスになることはあっても、組織として動いていないためカウンターに勢いが無く、バルサの抑えられる範囲での攻撃しかされず、カットされても再びバルサが拾えることも多い。そしてタッチライン際に起点を作ってリスクを抑えた試合運びをしつつ、外へ意識が向くとバイタルエリアにパスを入れる。

マラガがフォワード二枚を投入して前線からのプレッシングを活性化し、カウンターになったときに裏へと直結したパスを出し、スピードを活かす。ロンドンはアビダルの裏を多く狙い、マスケラーノがカバーのために左サイドへと大きく流れなければならなくなり、守備陣形を崩すことには成功されている。ただ外を切り崩す所までは持って行かれておらず、アビダルもすぐに修正をして裏を取られないように後ろを警戒し、特に中へのコースを切ったままマークをするようになり、外からのクロスやパスを選択させず、タッチライン際の攻防のみに抑えている。反対サイドでの攻撃にしても、しっかりとマークをして中へと切り込ませず、中央へと戻させてもそのまま縦パスを入れさせておらず、左右に揺さぶられてもいない。

マラガは引いて組織を作ることよりも遅れても個人がしっかりと体を寄せてぶつけようとするくらいの意識を持ち、綺麗な形を構築するのではなく、戦う意識を持ちながら守るようになったように見える。少しの雑さは見えるものの、それぞれの距離が縮まり、体を寄せていることでプレイをいくつか限定して、精度を落とさせることは出来ている。問題だったサイドバックの距離も向かっていくことで適切なものになり、バルサが相手ディフェンスラインの外側から簡単にクロスを入れられる場面は減った。しかしながら、バルサのセンターバックにも向かって守備をしていくということは、自陣にスペースを作り、それぞれのポジションにギャップを作りながら前へ出ているということでもあって、バルサが奪ってからカウンターへ出来るときに、メッシ、ペドロ、クエンカのいずれかを掴まえきれなくなり、前を向いてプレイをさせる事にも繋がる。そしてカウンターからメッシがハットトリックとなるゴールを決めた。

崩しきり以前からミドルシュートを積極的に狙われて、バルサはその後を埋める集中力を少し欠いていたのかもしれない。そのこぼれ球をロンドンに押し込まれて一点を返されてしまった。その後もセンターバックの裏を積極的に狙ってきているロンドンとフェルナンデスにバルサはケアし切れておらず、クイックに展開されることでより裏を取られやすくなっていた。それぞれの戦う姿勢と攻撃が上手くリンクし始めたマラガだったが、バルサはしっかりとアビダルやセルヒオ・ブスケツが後ろを気にしながらプレイするようになって防ぎ、パスをしっかりと繋いでポゼッションを高めることでクイックなカウンターを許さないようにした。
試合終了直前のプレイで再びマラガに得点チャンスを与えてしまったことに代表される守備の不安を感じさせるものの、攻撃面におけるメッシの復調のインパクトが強い試合だった。