Liga Espanola Jornada 19. バルセロナ対ベティス

■FC Barcelona 4 – 2 Real Betis
ベティスもラインを高く設定してフォアチェックから試合へと臨んできている。3トップ気味のウイングのどちらかを大きく開かせてサイドへとセンターバックを引き出しながら、戦うことを考えているようで、カウンターからドリブルに入ったときも、中央から外へと押し出されながら、それでもいいとしているようで、バルサのセンターバックを引き出し、中央を経由して逆サイド、あるいは高い起点から裏を狙う。
ベティスは攻撃時こそ3トップの形にして、それぞれの距離を縮めてサポートを得られるようにし、ディフェンダーを引きつけ、それが動いた背後へと飛び出せるよう狙いを絞ってきている。中央のマスケラーノは直接カウンターを抑えるための前後の動きは非常に優れているものの、自分のポジションを保ってカバーリングを行わなければならない3バックの中央、特にベティスがサイドのセンターバックに対してしかけているため、チェックに力を割けない。常に背後を気にするあまり持ち味が出ず、ピンチも作られてしまった。

先制のバルサの攻撃はプジョルの守備から始まった。それまでサイドに開かれて前向きにボールを納められて引き出されてしまっていたtが、ポジショニングの距離を縮めて、外へ押し出すのではなく、パスカットをし、奪うためのポジショニングに切り替えていた。整えていた中盤のラインをそのカウンター気味になったものによって整えられず、ダイアゴナルなバルサの動きによって大きく乱れ、オフサイドを取ることもかなわなかった。そしてシャビが押し込んで先制点。

ベティスは守備時にラインを高くしているディフェンスラインの前にピボーテを置いてバイタルエリアを埋めさせるのではなく、フォワードを一列下げて四人の中盤をフラットに保つことによってバルサの攻撃をしのいでいたものの、一度チャンスを得てから攻撃に重心を置いてしまって中盤に四枚をそろえることなく三枚のまま対処する事が増えた。ピボーテの横、バルサから見て左サイドを埋めていた選手が戻ってこなくなったことで、イニエスタがフリーになる機会が多くなり、中央をピボーテが埋めていたとしても、その横、そしてサイドバックの前で自由にボールを受けて仕掛けることが出来るようになった。そこから二点目は生まれ、その後右サイドバックが前へ張り出すことによってその代わりを務めようとしたものの、ディフェンスラインを乱してまで出て行くことで、サイドへ広大なスペースを作ることに繋がって余計にバルサの攻撃に余裕を与え、全体がスペースを持って自由にボールを回せるようになった。バルサがしっかりとしたポゼッションに入ると立ち上がりのように一枚フォワードが右の中盤にはいってスペースを埋め、チェックと両面を行うようになったものの、スコア面でも余裕を持ったバルサはポジションチェンジを多用しながら左右に揺さぶるほどのこともできるようになり、フォワードが下がってしまえば、3バックの両サイドを務めるセンターバックも攻撃のサポートをするため、ハーフウェーラインを大きく越えてボールを扱えるようになり、数的有利を作って動かせている。フォアチェックによってクイックな展開こそさせてもらえないとしても、しっかりと前を向けるだけの状況を動き直して作れるようになっている。

バルサの両サイドをベティスが狙ってきていることに変化はなく、ドリブルで大きく押し下げてからクロス、あるいはプルバックのパスを出してシュートを狙う事が多くなった。序盤のようにサイドで引き出して中央の裏を取る戦い方が出来なくなってきているのは、セルヒオ・ブスケツが下がって、サイドを使われた際にニアサイドをしっかりと埋めて中へのパスを選択させなくしている。マスケラーノはそのお陰で前へのパスカットを考慮せずに、裏への選択肢を削ることのみに専念すればよく、安定したポジショニングを取れるようになった。特にブスケツのポジショニングに寄るところが大きく、ここが安定しているお陰で、ブロックを左右へ大きくスライドさせても、中央を経由して反対側まで持って行かれることはない。ただここのポジショニングでサイドの選択を失敗すると、マスケラーノの役割が序盤と同じく不安定になってしまい、一点を返された場面のようになってしまう。

ベティスは一点以前からフォアチェック時にマークの距離を縮めて密着して前を向かせないよう激しさをもたらすようになってきていた。フォアチェックでプジョルやアビダルを外へ押し出し、中へのコースを限定した上出たてへの選択肢をマンマークする。それで前を向かせず、一度下げさせることでスピードアップをさせない。ただディフェンスライン自体は高く保ち切れておらず、最初のチェックさえかいくぐってしまえば、一歩遅れてパスを受ける選手に対して向かってくるため、先に触ることさえ出来れば、動いて向かってくる選手がいたエリアにスペースがあり、スピードアップするためのスペースはある。ただそこへ一本目のパスを入れてベティスを押し下げられておらず、ディフェンスラインの裏を狙って押し下げようと飛び出す選手もいないため、バルサの攻撃は単調になり、反対に押し下げられてベティスのペースを作ってしまった。

後半開始とともにバルサとベティス両者ともに選手交代を行い、サンタ・クルスがベティスのフォワードとして入ったことでシステムは少し変わり戦い方も少し変化が出てきた。2トップ気味に中央に二枚のフォワードが残り、それまで効果的に使えていたサイドのスペースに対して誰も出て行かなくなり、早い段階で外へ起点を作ることが難しくなってきた。ただサンタ・クルスのポジショニングはポストプレイに活き、裏へ抜けてクイックな展開よりも、前でいったん納めて再展開を狙うのを容易にしている。そして彼がプレッシャーの中で失わずにプレイしたことで同点ゴールへの流れを作った。

ダニエウ・アウベスはワイドに開いて外の起点として残り続け、中央にブロックを集中されないようにしながらも、状況によっては引いて前のサポートに徹しながらオーバーラップをしてメッシへのマークを引きはがす役割も持っている。ただアレクシス・サンチェスは飛び出しを中心とした動き出しに躊躇が見られ、ダニエウ・アウベスとの連携も上手くいかず、左に回ったイニエスタやセスクとメッシの距離が遠く、細かくワンツーで崩す時にも足を出されやすい。特にメッシとセスクがマークの受け渡しをしながらフリーの方を利用するような形が見られず、バイタルエリアでの勝負ができていない。そのため、縦パスをピボーテの背後で受けようとするとセンターバックが猛然と出てきてタックルを仕掛けてこられる。二人が近く保てていれば、裏を取られることを考え、その思い切りを与えずに済んでいるかもしれない。特にセスクはこの試合中精彩を欠いていて、狙いとずれたキックも多く、得点に繋がるポジションも取れていない。取れていたとしてもシュートがミートすることも少なく、変化を与えられるランニングも少ない。

ダニエウ・アウベスがディフェンスラインの裏を狙って飛び出していくことはあっても、4バック気味にプレイをすることが多く、常にそれを狙うことは出来ず、相手のラインに与える変化はそれほど多くない。ただベティス自体は前から守備をすることができずに引いて守ることが増えている。サンタ・クルスがフォアチェックに向く選手ではないため、そういった方針に切り替えざるを得ないのかもしれなかったものの、プレッシャーを与えなくなったことで、メッシが相手のピボーテの前からドリブルを仕掛ける回数が増え、そこをかわしてセンターバックにまで突っかけられるようになった。そこから相手を退場に追い込むファウルを生み、ベティスはゴール前に張り付くようになった。バルサはサイド、中央、裏と変化をつけて猛攻を加え、最後にはそれまで少なかった中央の背後を取ったことで勝ち越しゴールに繋がった。センターバックが退場によって交代をしていたことも、ここの対応を不十分にしたことに繋がったのかもしれず、大きな退場だった。大きく下がって守っていることでパスの出し手にプレッシャーがかかっておらず、そういった状況がアレクシス・サンチェスの裏への飛び出しをさせる要因になっている。

ベティスはパサーを自由にさせすぎないようにチェックへと出ようとしているものの、バルサが横に多く並べてブロックに入っていかず、その手前で横に動かして走らせ続けるために徹底することは出来ず、足が止まってからバルサは前へと変化をつけていく。ベティスが下がったことで両サイドバックが高いポジションを取ることが出来、彼らに大きく外側のスペースを使わせる。中央に集まって守るベティスの外と裏をしっかりと使い、縦のスピードを維持したままワイドに使う。最後のPKは少し厳しいように感じたものの、相手のスペースをしっかりついた結果だった。

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