Liga Espanola Jornada 1. マラガ対バルセロナ

■Malaga CF 1 – 4 FC Barcelona
マラガはディフェンスラインをある程度高く保ちながらワイドに開き、ウイングに対して自由を与えないようにしようとしている。攻撃に回ったときにも外側に広げているため、サイドアタッカーとサイドバックを連携させて、縦に追い越しながら切り崩しを狙うことも出来、個人のスピードや技術を活かしたタッチ数の少ない横への変化もある。パススピードも速く、連動したパスワークからスムーズに攻撃へと移っていき、そのパスワークを掴まえるのは難しくなっている。カウンターでそれを行われるとバルサはマンマークの守備体系を敷いて選手を掴まえているわけではないため、動かされてしまう。ただその一本目となるパスを抑えてしまえば限定することは出来るわけで、セルヒオ・ブスケツがその役割を担って前へ出て的確に抑えることで、最初の数本以降はスムーズな攻撃を許さなくなってきている。直接フィードを出して、ファン・ニステルローイへと当てようとするものに対してはピケとマスケラーノで前後に挟み込んでマークとカバーの関係を作れている。

マラガの守備はラインをある程度高く保ちながらも、積極的なチェイシングを攻撃陣がしておらず、イニエスタを掴まえておこうとする意識は強くあるものの、バイタルエリアを埋めようとする意識がそれほどあるわけではない。むしろ中盤の選手たちは足を出すためにチェックへと出てしまい、バイタルエリアを広げてしまうことも多くあり、メッシがピボーテとポジションをかぶらせながら、ボールタッチと共にその背後を取っていくのを警戒し切れていない。そのためメッシにはドリブルからセンターバックへのチャレンジを許してくれており、イニエスタにはセンターバックが出てきてラインを乱さなければならなくなっている。アドリアーノやアレクシス・サンチェス、ダニエウ・アウベスが外側の裏を使い、前へ出ることで守備をコントロールしているマラガの反対側を突いていく。ピボーテが後ろのスペースを意識してメッシがバイタルエリアに入れなくなってきているものの、それを気にしなければならないとワイドなディフェンスラインの状態を保てなくなってきており、バルサはサイドバックをオーバーラップさせて、中と外に人を用意した状態で試合を進められるようになった。そうなるとマークをすべき対象が常に入れ替わるようになり、ピボーテが再びメッシを中心に見られなくなり、デミケリスをが中心となってチェックとカバーの両面を行わなければならなくなってセンターバックにかかる負担が大きくなっている。そしてラストパスのチャンスも増えるため、キーパーのカバジェロも運動量を必要とし、飛び出しを狙った判断を迫られるようになった。

先制点を得たのはバルサ。バイタルエリアに入ったイニエスタが誰のマークも受けずにぽっかりと空き、そこに意識を引きつけられたマラガの守備がサイドバックを含めてその一点に視線を集めて守備も集まってしまった。大きく外に開いていたアドリアーノをフリーにしてしまい、全くプレッシャーを受けないままクロスを許し、メッシのヘディングゴールが生まれた。

マラガは奪うための組織作りを殆ど出来なくなり、足を出しに来る選手と連動してコースを塞ぎ、次のパスを奪う体勢が作れなくなってきた。ディフェンスラインとその一つ前に中盤のラインを用意することだけは出来ているものの、足を動かして変化についていこうとはしておらず、待つ時間が増えた。ワイドに開いたり、メッシのポジションに対応して、縦パスが来るであろうタイミングでセンターバックが一気に距離を詰めて体をぶつけて自由を奪おうとはしているものの、バルサはそこ以外にもコースを用意しながら縦パスを狙っており、狙い通りのパスカットはさせていない。

後半になってもマラガのシステムは変更されていないものの、それぞれが選手を掴まえようと足を動かして守備に待ちかまえる以外の運動量が増えたのは改善された点。バルサのダイアゴナルな動きやポジションチェンジにもしっかりと付いていこうとして足を出そうともしている。ワイドな攻撃にも対処しようとサイドバックも広げているものの、ヘスス・ガメスだけは中へ絞り、少し引き気味にポジションを取ってマークしづらくしているアドリアーノへ、どういった対応をするのか明確に出来ておらず、抜かれないようにするのか、クロスを上げられないようにするのか、それとも受けさせないようにするのかも不明なまま、追加点となる二点目もそこから生まれた。
失点から一気に足が止まってしまったマラガはバルサの攻撃だけではなく守備の切り替えにもついて行けなくなり、すぐさま奪い返されてしまい、メッシが三点目を決めて試合を決定づけた。

マラガは守備に労力をかけずにそれぞれがカバーリングとマークを不徹底にし始め、チェックに出ようとするのも個人だけであって、組織としての連動はなくなってバルサが簡単にボールを動かし続けられるようになった。チェックを受けても逃れる先は多くあり、逃れた先から再展開も簡単にさせてもらえる。あまりの余裕が相手が寄せていることに気づけずミスになることはあっても、組織として動いていないためカウンターに勢いが無く、バルサの抑えられる範囲での攻撃しかされず、カットされても再びバルサが拾えることも多い。そしてタッチライン際に起点を作ってリスクを抑えた試合運びをしつつ、外へ意識が向くとバイタルエリアにパスを入れる。

マラガがフォワード二枚を投入して前線からのプレッシングを活性化し、カウンターになったときに裏へと直結したパスを出し、スピードを活かす。ロンドンはアビダルの裏を多く狙い、マスケラーノがカバーのために左サイドへと大きく流れなければならなくなり、守備陣形を崩すことには成功されている。ただ外を切り崩す所までは持って行かれておらず、アビダルもすぐに修正をして裏を取られないように後ろを警戒し、特に中へのコースを切ったままマークをするようになり、外からのクロスやパスを選択させず、タッチライン際の攻防のみに抑えている。反対サイドでの攻撃にしても、しっかりとマークをして中へと切り込ませず、中央へと戻させてもそのまま縦パスを入れさせておらず、左右に揺さぶられてもいない。

マラガは引いて組織を作ることよりも遅れても個人がしっかりと体を寄せてぶつけようとするくらいの意識を持ち、綺麗な形を構築するのではなく、戦う意識を持ちながら守るようになったように見える。少しの雑さは見えるものの、それぞれの距離が縮まり、体を寄せていることでプレイをいくつか限定して、精度を落とさせることは出来ている。問題だったサイドバックの距離も向かっていくことで適切なものになり、バルサが相手ディフェンスラインの外側から簡単にクロスを入れられる場面は減った。しかしながら、バルサのセンターバックにも向かって守備をしていくということは、自陣にスペースを作り、それぞれのポジションにギャップを作りながら前へ出ているということでもあって、バルサが奪ってからカウンターへ出来るときに、メッシ、ペドロ、クエンカのいずれかを掴まえきれなくなり、前を向いてプレイをさせる事にも繋がる。そしてカウンターからメッシがハットトリックとなるゴールを決めた。

崩しきり以前からミドルシュートを積極的に狙われて、バルサはその後を埋める集中力を少し欠いていたのかもしれない。そのこぼれ球をロンドンに押し込まれて一点を返されてしまった。その後もセンターバックの裏を積極的に狙ってきているロンドンとフェルナンデスにバルサはケアし切れておらず、クイックに展開されることでより裏を取られやすくなっていた。それぞれの戦う姿勢と攻撃が上手くリンクし始めたマラガだったが、バルサはしっかりとアビダルやセルヒオ・ブスケツが後ろを気にしながらプレイするようになって防ぎ、パスをしっかりと繋いでポゼッションを高めることでクイックなカウンターを許さないようにした。
試合終了直前のプレイで再びマラガに得点チャンスを与えてしまったことに代表される守備の不安を感じさせるものの、攻撃面におけるメッシの復調のインパクトが強い試合だった。

コメントは受け付けていません。