2011 年 12 月 のアーカイブ

Bundesliga 15. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ヴェルダー・ブレーメン

2011 年 12 月 4 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 1 Werder Bremen
バイエルンがボールをなかなか縦へと出せないのは、センターバックの二枚が深く位置し、ボランチがボールを受けに下がったとしても、それと連動してフォワードが下がるわけではなく、縦の距離を縮められず、ボランチ同士が縦関係になったとしてもパスコースの選択肢になっていないため。クロースが一列下がってボランチと同列にまで下がることで、前を向いてサイドバックやサイドアタッカーへスムーズにパスを出せるくらいに改善される。ようやくそこから攻撃がスタートし、ブレーメンの守備を押し下げてバイエルンはセンターバックを押し上げて全体をコンパクトに出来るようになるものの、その形を作るまでが長い。ブレーメンがセンターバックにまでプレッシャーをかけに出てこず、ハーフウェーラインを越えるまで自陣に残っているのだから、個人で引きつけて持ち上がってもいいはずだが、それもせずにパスを受けてパスコースを探すのみに留めてしまっていることが、状況をより難しくしてしまっている。
ブレーメンはドリブルに注意を払わなくても守れることでパスコースを切る事に専念して前を塞げばよく、パスカットからのカウンターも、バイエルンのパスの位置が低いことで高くから行える。カウンターもゾーンをボールサイドへ寄せてパスコースを限定するバイエルンの外側、逆サイドへのサイドチェンジを強く意識したボールを何度も出していて、バイエルンを横へ走らせようとする意図が見える。速攻を封じられても、ピサロとアルナウトビッチのフォワード二人が、縦関係になって引いて受ける、飛び出しを狙ってセンターバックを引っ張るのを同時に行うため、バイエルンは両センターバックが得意としている体をぶつけて動きを限定することもパスカットを狙うことも出来ていない。無理に遅らされながらも向かうことでファウルになってしまっており、フォワードにボールが収まることを警戒すれば、センターバックが中盤のサポートやサイドに流れる判断も遅れて、ブレーメンの押し上げに対応できなくなっていき、前を塞いでくれないことでバイエルンの中盤は戻りながら守備を強いられ、先手を取られている。

パスでリズムを作れないバイエルンの生命線はカウンターで、前に残したリベリーのテクニックとスピードを活かしたものになる。ブレーメンが積極的にオーバーラップをさせていることもあって、カウンターになれば数的にも同数以上を用意することは難しくなく、先制点を得られた場面では、縦への鋭い動きだけではなく、ダイアゴナルな動きを加えることで、リベリーのシュートコースを空けられるほど数に余裕があった。

先制点を得たことでバイエルンは攻撃面でリスクを冒せるようになったのか、パスからパスを続けるのではなく、少しであっても前を向いてボールを持ち上がろうとする姿勢を見せ始め、ボールを出してからすぐに動き直す姿も見られるようになった。動きながらボールを扱うようになれば、ブレーメンが塞いでいたパスコースにもずれが生じ、オーバーラップを加えることで縦とパスコースを塞ぎ続けられなくなり、複数で囲まれにくくなる。フォワードの二枚がセンターバックに積極的にプレッシャーをかけようと出てくることや、サイドバックの上がりや中盤の押し上げによってブレーメンの前線を減らすことが出来れば、バイエルンのセンターバックも二枚のフォワードへの距離を縮めて狙いを絞れる。縦関係を取らせず外を狙わせることでセンターバックが外へ張り出してケアをしてもきちんと抑えられていて、ブレーメンの縦の勢いを落とさせることで中盤の守備も高い位置で前を向いて行える。

ただバイエルンのセンターバックがスピードに乏しく、裏へ抜けられることを怖がっている点は変えられず、ブレーメンにきちんとした形でボールが収まってしまうと、一気に引いてしまう。ブレーメンが、待ち構えず、積極的に縦パスに対して体をぶつけようとし、コントロールを乱させて奪い、一気にカウンターへ繋げようとするような積極的な守備をしていることと、攻撃になればセンターバック二枚だけを残して押し上げていることも影響をしている。自らスペースを与えていることを加えてカウンターを受けやすくしてしまっているのが深くまで攻め込まれる原因にはなっているものの、守備をさぼらず球際をしっかり締めていることでペースは与えず、むしろ攻守に素早い切り替えが連続することで、バイエルンはカウンターをしやすく、パスで動かす問題点を隠せている。

後半も両者とも球際の激しさや速さは変わらず有り、特にバイエルンは守備への切り替えが早くなった。ブレーメンのボールを引き出すポイントがフォワードではなくサイドへ移行すれば、すぐに縦を塞いで足を止めさせ、その間に囲い込んで奪い返し、すぐに攻撃へと戻れるようになっていた。入り方自体は問題なかったものの、フォワードへの縦関係の対応を誤り、同点に追いつかれてしまった。起点になったピサロこそ抑えていたものの、もう一枚のローゼンベリを掴まえられていなかった。選手交代をしたとはいえ、前半からこのフォワードの縦関係からの崩しを狙って来ていたのだから警戒して置くべき部分だった。

攻守共にスピードアップした試合展開の中で、両者共に不必要に体を寄せていったり、球際の激しさを増やしたり、あるいはファウルを貰うためのプレイを増やすことで、熱くなりやすく精彩を欠いている。クイックに展開することでスピードがありカウンターも迫力があるものの、コントロールを疎かにして次のプレイに繋げられなかったり、無理に向かいすぎて逆を取られたり、両者の攻守共に雑に見えてくる。時間は多くあるにもかかわらず、バイエルンの攻撃は焦っているように見え、守備で積極的に追い回すことは本来の守備の形から大きく外れているわけではないものの、後方との関係を疎かにしてバイタルエリアに入られてしまっている。
幸運だったのはブレーメンも攻撃に出るあまり、パスカットを優先してしまって裏へ抜けられるリスクを軽く見てしまっていたこと。それによってマリオ・ゴメスが囲まれることなく一枚でボールを収められ、ミュラーが飛び出してPKを得たように、単純に裏を使ってもブレーメンは追わなければならなかった。PKを途中交代のロッベンがきちんと決めて勝ち越し。

守備を崩壊させてでも攻撃に出ようとしているかのようなブレーメンは、あまりにも縦への意識を強め、急ぎすぎて試合を構築していくことが出来ていなかった。前へ全力で走る選手はいても、サイドで起点になっている選手がマークを受けて抑えられていてもサポートに近づく選手がいない。横への展開先がないことでプレッシングから逃れられないにもかかわらずオーバーラップをしていくことで、後ろの枚数が極端に減ってしまってバイエルンの選手たちはボールを囲い込むだけで抑えられるのだから大きく引き戻されることはない。そこからカウンターを仕掛ければ、ブレーメンの重心が前へ傾いているため、守備の形を作る前に仕掛けることが出来、ディフェンダーの隙間が大きく空いてしまっているそこを突くことが出来る。そうやって三点目を取り、ブレーメンはそれまでの球際の激しさに加え、苛立ちを募らせ、アーロン・ハントが危険なタックルをして退場。この退場によって一気にブレーメンの勢いは削がれ、それまでのクイックすぎる展開から一転してバイエルンのボール支配を許し、積極的に前へ出ることこそやめたものの球際のラフさ自体は変わらず、再びPKを与えて四点目。途中投入だったローゼンベリを下げてまで中盤の構成を戻さなければならなかった。ウェズレイ投入直後にはワーグナーがしっかりと得点機を得て、守備のためだけの交代ではにと示したものの、精神的にも落ち、低下した運動量を取り戻すことはできなかった。

Liga Espanola Jornada 15. バルセロナ対レバンテ

2011 年 12 月 4 日 日曜日

■FC Barcelona 5 – 0 Levante UD
クラシコを次節に控えてもメンバーを落とすことなく、むしろベストメンバーに近い構成で3-4-3を選択している。ミッドウィークにあるチャンピオンズリーグで休養を挟む予定なのかもしれない。

レバンテは全体を引き気味に、シャビ・トーレスをアンカーに置き、その前にウイングを下がらせて四枚を並べた形に近くしている。アルナ・コネを前へ残しているものの積極的にセンターバックへのプレッシングにはせず、ディフェンダーからフォワードまでをコンパクトに保って、中盤のスペースを消しにかかっている。潰しに素早く出るのは、中盤にボールが入った時。シャビが少し引き気味に相手の中盤の前でボールを受けるとスイッチが入り、セスクやイニエスタは、相手のウイングの背後、中盤の外側にポジションを取り、ディフェンスラインの前にあるスペースを使い、サイドバックが出てこられないよう、ウイングがしっかりと張ってゾーンを広げさせている。センターバックはメッシがピボーテの背後に入っていることで注意を払わなければならず、ピボーテの横にあるスペースへと大きく出ることが出来ない。メッシが下がってボールを扱っても、そのポジションと中央に誰もいなくなることはなく、シャビであったりセスクであったり、彼らがそこへ入ることでセンターバックを引っ張り続けている。先制点もその中で生まれた。シャビ・トーレスがもっとアンカーとして下がってそれを見て、センターバックの間を埋めていくのかと思っていたものの、ピボーテとして前へ積極的に出ようとして背後の埋め方が不十分で、アレクシス・サンチェスのダイアゴナルの動きや中盤からのポジションチェンジで入れるスペースを、センターバックとの間に作っている。

中盤に人数を多く置いてスペースを潰しながらも、ボールホルダーに厳しくチェックに行くのではなく、ボールを見ながらもブロックを構築するために残っている。そのためバルサはボールを動かすことに専念を出来て、マイナスのボールであったり、引けば自由に扱わせてもらえる。中へのコースを切るべくしっかりとゾーンを締めて、中央を埋めようとしているものの、ボールホルダーを多く自由にさせていることでパス自体は自由に選択できるため、窮屈であっても中を選択することは難しくなく、ただ選択できたとしても中に絞って守られていることでスペースはない。クエンカが中へ入らず右に残り続けることで閉じられたゾーンの中でしかプレイできないのではなく、大きくスペースのある右側を利用してクロスを相手の頭に残すことが出来る。対応するのは相手のウイングで、大きく引き戻すことでカウンターのチャンスも減らしていく。

センターバックには持たせてくれるのは変わらないものの、アンカーのセルヒオ・ブスケツから前のシャビら中盤に対しては、それまでボールホルダーに対してプレスをせず、自由に持たせる時間を減らしている。後ろに残ってスペースを潰すのではなく、人に向かうことで余裕を減らし、前を向いて立てパスを入れさせないようにした。ウイングが中へ絞るための時間や、中盤が下がったメッシの代わりに上がる時間も得づらくなる。そういった中でそれまでとは違い、少し上手くいっていなかった時間帯に、セスクのヘディングゴールが決まり、二点目。
そしてクエンカがメッシとイニエスタで相手を中へ集めた外からゴールを決めて三点目。

後半開始時に、イエローカード累積出場停止の可能性があったセルヒオ・ブスケツを下げてケイタを投入。
バルサは前半までは中盤の人数を中央へ集めて相手の守備を中へ集めていくことが多かったものの、後半になってからは中盤も相手のブロックの外へポジションが多くなった。アレクシス・サンチェスが中央にポジションを動かしてメッシが右に出るようになったことも影響し、レバンテはピボーテの背後に意識を集中することなくセンターバックに中央を任せてサイドバックが外に出てマークに付く、中央にサンチェスが残っていることで中盤からバイタルエリアに飛び込むスペースが無く、前後の入れ替わりが無くなっている。それが中央に人を集められず、相手も集められず、外にフリースペースを作れなくなった要因かもしれない。ただ、メッシが右から中へ、サンチェスが中から外へと動くことでマークを交換して外の仕掛けを作ることは出来ている。
コーナーキック後の展開からメッシが抜け出してゴール。

レバンテはサイドをしっかりとサイドバックが開いて守るようになっていることで、中央のディフェンダーの間が開いているものの、ウイングが戻ってサイドを埋めていた前半と比べるとウイングのポジションを高く保ち続けることが出来、攻撃に回ったときにアルナ・コネ一枚だけではなく、フォワードとして二枚以上を残していられるようになった。カウンターをする際にある程度勢いやスピードが出せるようになったものの、バルサのセンターバックを務めている三枚は、縦パスのカットを得意としているため、そこに収まるまでに奪うことも問題なく、サイドへ引っ張られて裏を使われてもスピード面でも問題ない。時間をかけることが出来れば、バルサのウイングがしっかりと戻ってサイドを二枚で抑えられるため、サイドを使われても数的不利に陥ることは少ない。

時間の経過と共に全体がばらけてそれぞれの隙間が開くようになった。細かなパスを連続させるよりも、縦パスを勢いよく入れられるだけ、パサーに対してチェックが遅くなる。ただ受け手が足下へ納めようとすれば、それをカットするだけの集中は相手も保ってきている。サンチェスの5点目となるゴールが決まり、ペドロ投入後のバランスの変化もあって、ワイドから中への展開が増えたものの、4トップに近づいてしまったことが縦の厚みを減らしてこぼれ球を拾い続けることを難しくさせ、レバンテにボールを拾わせてしまっている。

レバンテが攻撃に出て一点でも取ろうと、攻撃にかける重心を増やしてきているように見えるものの、それをケイタが下がってセンターバックが引き出されたあとをしっかりと埋め、3バックの状態をしっかりと維持している。その手前をシャビであったりイニエスタがリスク管理をして守備に戻り、ウイングの二人も外へと戻る。多少攻撃の選手が戻るには距離が開いているため遅れているものの、集中自体はきっちりと続いていて、攻守の切り替えもしている。ただ足を止めてから反転して戻るクイックさが落ちてしまうのは仕方が無く、動き直して上がっていくレバンテに先手を取られている。

イニエスタのゴールが取り消されたものの、最初のパスが出た段階では間違いなくオンサイドであって、その後に触ったのは全てレバンテの選手のみ。イニエスタの所にボールがこぼれてきたのもただのクリアミスであってバルサの選手は関与しておらず、オフサイドになる要素は何もなかった。他にもオンサイドのものをオフサイドの笛を取られたり、細かなポジショニングのミスであったり、ファウルの判断であったり、最後の部分でもそうだったように、審判に対しては不満の残る試合だった。