2011 年 10 月 のアーカイブ

Bundesliga 9. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ヘルタ・ベルリン

2011 年 10 月 16 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 0 Hertha BSC Berlin
ヘルタにはレル、オットル、クラフトと多くのバイエルンの出身者がいる。他にもコビアシュビリやニーメイヤーなど、2部から復帰したばかりにしてはいい戦力が整っている。

開始早々から、ディフェンダーのミスをリベリーが奪い決定的な場面を得て、キーパーまでかわしたものの得点にはいたらず。集中してゴール前を塞いだディフェンスによってブロックされてしまった。しかしながら流れとしては決定的なもので、バイエルンが主導権を握り、それをヘルタが受け止める形になりつつある。ヘルタは左のコビアシュビリとベン=ハティラがサイドで起点を作り、キープをしてカウンターに繋げたいところだった。あるいはポゼッションでもよく、横へ動かして得点のチャンスを作るには十分だったはず。しかしながらそこをカットされてからのカウンターで一気にバイエルンが得点を取った。マリオ・ゴメスのシュートは十分なコースこそついていたものの威力は不十分で、クラフトの判断ミスの印象が強いゴール。

センターバックをハーフウェーラインに残すのみでバイエルンは全員で攻撃の形を作る。それをフォワード一枚を残してヘルタが守る。人数を残して守っているし、フォワードにはセンターバックがしっかりとついているものの、その一つ手前にあたるミッドフィールダーのポジションがボールサイドに大きく偏りやすく、さらに中央のセンターバック前を全く埋められていない。ボールをサイドに動かされるとバイタルエリアに侵入できるだけのスペースを得て、そしてボアテングのクロスから厚みのない中央でリベリーが得点を奪った。前へ入られてしまったレルのミスであるものの、サイドからのボールを中盤の誰もがケアに来ていない状況の方に問題がありそう。

三点目となる場面でも、サイドへボランチの二人ともが引き出されてしまい、狭い局面でボールを扱い奪われなかったバイエルンを褒めるべきだったとしても、4-2-3-1の要となる守備的ミッドフィールダーの二人が片側のサイドの為に中央のエリアを放棄すべきでなく、出るのであれば止める必要があった。リベリーのドリブルによって簡単に崩され、シュバインシュタイガーがバイタルエリアからシュートしてゴール。

ポゼッションを高めるバイエルンにヘルタの守備は混乱気味になっている。システムこそ保っているものの、フォアチェックは全く機能しておらず、フォワード一枚で向かっていってもセンターバックのもう一枚と中盤の二枚、そしてサイドバックのいずれもマークされておらず、連動してチェックを行っていない。その状態でフォワードが追いかけ回したとしても効果的ではなく、バイエルンはダイレクトパスで精度をそれほど必要とせずに簡単に逃れられる。せめてラファエルが戻りすぎずに前へ向かって守備をするべきで、彼は戻っても守備にまるで貢献できていない。エベルトやベン=ハティラは後方に引いて、サイドで数的有利の守備状況を作ろうとしているものの、ボランチがサイドのカバーへ簡単に出てきていることから必要性としては薄いものの、しっかりと埋めている。ただサイドバックと連携して縦と横を同時に閉じつつ、リベリーからボールを奪おうとする姿勢はなかなか見られず、限定しているのみに留まっているため、止め切れていない。
左サイドのベン=ハティラはしっかりと体をボアテングにつけて奪いに来ているものの、こちらはバイエルンがミュラーを中へ入れていることもあって一対一でしかないために数的有利は作れず、個人の頑張りだけでしか無くなっている。ただ彼の前へのチェックが他の選手の前へのチェックを促して、ある程度はフォアチェックの形になっているものの、ディフェンスラインがチェックの間に押し上げることが出来ず、結局後ろの持ち場に戻らなければならないため、一つ縦パスが入るだけで大きく縦に戻されてしまう。それでも守備が活性化した効果は大きく、それまでフリーだったバイタルエリアに入る選手たちが掴まえられるようになってしまい、オットルやニーメイヤーがしつこく追い回してくることで前を向いて扱いづらくなってしまった。

交代したエベルトが上手くいっていなかったのは確かなものの、前半終了間際まで前で二枚が守備をすることで上手くくいっていた守備組織を交代させ、4-1-4-1へと変更をしてきた。ディフェンスラインも押し上げて中盤との距離を縮め、そこの間をルステンベルガー繋ぐことで、囲んでも奪いに出られなかった守備を、囲んでぶつかれるまでに持ってこられた。攻撃から守備に移ったときにニーメイヤーも前へチャレンジできるようになり、バイエルンのプレイエリアを下げて、ボールを横へ動かす位置をハーフウェーライン上にまで押し下げられてしまった。
それまで空いていたバイタルエリアも比較的閉じ気味になったことで、ミュラーを始めとして外へ開いて相手を広げることよりも、中でゴールの近いポジションを取ることを優先しているバイエルンは縦パスを選択できるだけのコースを得られず、ヘルタにキープされる時間が増えてしまった。サイドを縦に使われ、サイドバックのオーバーラップを許すことでバイエルンの守備位置が下がり、フォアチェックで奪えず、ペナルティエリア内まで戻らなければならなくなり、攻撃に移るまでの時間が必要になった。

それでもディフェンスラインを前へ留めていることでバイエルンは相手の裏を使いやすく、バイタルエリアにさえ縦パスを入れることが出来れば、それと連動して下がっていかないディフェンスラインの前から裏へ精度の高いパスを送って、センターバックの背後を突いてゴールを脅かすことが出来る。長い距離であっても前へ向かってくる相手の逆を取れるため効果的で、それらを繰り返していくことで、ヘルタの守備位置を再び押し下げてバイエルンはプレイエリアを上げて、センターバックがハーフウェーライン上に位置するまでに戻すことが出来た。ヘルタのセンターバックも前で相手を掴まえるために動いているため、ディフェンスラインが不揃いで、より裏を使いやすくなってきている。そしてミスからリベリーにペナルティエリアへの侵入を許して、若干判定が甘いもののPKを得て4点目。

その後はミュラー、マリオ・ゴメス、ラームと続けざまに下げて、動きが落ちてきていたヘルタ相手に逃げ切るような戦い方を選択していたものの、バランスが変わって縦パスを入れられないことでヘルタを押し下げるには不十分になり、オリッチがサイドに流れることでゴール前に脅威を用意できないことで強くそれを意識させられなかった。いくつかフォアチェックを受けてカウンターにされることもあり、4点目によって落ちた相手の意識を利用しきれなかったのは残念なものの、チャンピオンズリーグを考えれば仕方のない範囲。

Liga Espanola Jornada 8. バルセロナ対ラシン・サンタンデール

2011 年 10 月 16 日 日曜日

■FC Barcelona 3 – 0 Racing Santander
バルセロナは苦手としている代表戦明けの試合ながら、アンカーを本職とする選手を置かないまま4-3-3を採用してチアゴ・アルカンタラにその役割を任せていた。ただ守備機会自体がそれほど多くなることは試合序盤からなく、ボールの引き出し方もシャビがいつものように下がってサイドへ動かすことから彼に大きな負担がかかることはない。立ち上がりは外へのボールを大きく使い、センターバックのピケからウイングへのフィードを多用し、ウイングに預けてからの展開に頼ることが多い。縦パスのコースも多く維持できているとは言い難く、足下へのボールを要求することが多く、スペースへ動きながら受ける姿は多くない。足下のボールを多用してダイレクトで動かそうとしているものの、相手は足下のパスではコースを読みやすく、マークについてパスカットを狙って来ている。

いくつかのミスから難しい対応を強いられていた場面はあったものの、フィードやパスによって試合を大きく助けていたピケが早々に怪我から交代し、アビダルが投入された。それまでも選手のパス精度が少しずつズレ、足下へぴたりと収まらず、少しのずれが体勢を悪くして、コントロールから次のパスへ移行するまでの時間を増やし、チェックによるプレッシャーからさらに少しずつミスを誘われてしまう。バルサの最後尾でのパスミスがいくつか続き、ラシンにチャンスらしきものを作られてしまったのも、そういった細かなミスの影響から。その状態を脱するためにメッシが外へ出てクリアボールの収め所となろうとしていたかのように見えたものの、そこからイニエスタと二人で得点を取って先制点にしてしまった。

失点以後のラシンの守備はそれまでのような統制の取れたものから悪くなり、センターバックとサイドバックの間から裏を取られ、二度もキーパーのニアサイドへ迫られる飛び出しから決定的な形を作られてしまったことから、ディフェンスラインが低くなり、前後の距離が少し伸びてしまった。その前をアンカーが埋めて中盤のラインがそれを支え、バルサの選手たちが中盤のラインよりも手前に入られないように押し下げておくことでプレイエリアを下げさせて守りを固めていたものの、後ろ向きに意識が守りに入ってしまったことで前へ向かうプレッシャーがかからず、中盤中央にもスペースが出来やすくアンカーが支えられなくなっている。バルサがそのバイタルエリアでボールを受けられることで、相手の中盤を押し下げられるようになり、プレイエリアをあげることに成功していく。ただ相手を押し下げるだけではせっかく出来ているスペースを潰すことになってしまうため、一時的に裏やバイタルエリアからの連携を目指せなくなった。それでも意図的に大きくバルサの選手が開いたポジションを取ってから動かし始めることによって、ラシンの中を固めようとする選手たちを広げて外へおびき出し、中との距離を広げてスペースを作り、横に動かしてから中へと進入することでマーカーが待ち構えられず追いかけなければならなくなる。そういった左右への揺さぶりを中心に外から中への動きを連続させたことで、ラシンの意識にそれが擦り込まれたように、ペドロのアシストを生んだ。中盤と二枚でコースを切りに向かっても外から中へボールを動かされることを嫌がるポジショニングになっていたし、センターバックのケアが期待できないほどにサイドへ引き出していた。

メッシが右サイドにポジションを取ってボールを収めてから相手のサイドバックの背後へと仕掛けていく。クリスティアン・フェルナンデスは迂闊に前へ出すぎて裏を何度も取らせてくれて、ドリブルからも利用できていた。ムニティスがカバーのために下がらざるを得ず、彼を下げることでカウンターの可能性を減らし、ラシンが彼の負担を考えればセンターバックを中央から引き出す、あるいはピボーテを外へ引き出せることに繋がり、中へ飛び込む選手を助けられる。何度も繰り返すうちにサイドバックのクリスティアン・フェルナンデスは出て行かなくなり、中央を固めるように残ってプレイするようになったものの、そうなれば中盤が外へ出て行かなければならず、縦のコースをより塞げなくなり、何よりそこへ向かってこられてからメッシへパスを出されるとどっちつかずに守らなければならなくなる。中途半端な守備位置では誰にもマークに向かえず、予め掴まえておくことが出来なくなり、ディフェンスラインと中盤との間にスペースが出来ている。そこで受けられるようになると相手の意識が前へ向かってしまってセンターバックの背後へスルーパスを通せるようになる。

ラシンの守備組織が崩壊してしまってからは、バルサの中盤へのマークも徹底されなくなり、フォワードのコネもアンカーをマークするために下がってしまってセンターバックへのチェックに来ない。十分にアンカーやシャビらをマークする人数がいながらも一枚しかいないフォワードがそれをやってしまうためにラシンはディフェンスラインを押し上げるタイミングを得られず、中盤もチェックのタイミングを得られずじりじりと下がる原因になっている。

後半スタート時には、センターバックへきっちりとマークに付こうとしているし、前線はチェックをしようとして前へ向かっていく。少し修正されたように見えたものの、それぞれがボールの動いた先に向かうだけで、マークの距離を縮めているわけではない。距離が開いてから向かうのでは遅く、他が連動性を欠く要因になり、一つ逃れるためのパスを出しただけでラシンは寄せてこられなくなる。バックパスのタイミングをフォアチェックへ切り替えるスイッチにも出来ておらず、バルサの後方を焦らせるほどではない。そして中盤が前へポジションをあげてもセンターバックがそれについてこず、裏を警戒するあまりに押し上げが不十分でスペースを作ったままにしてしまっている。そのため前半から継続して、ピボーテの裏側にスペースがあることには変わりがなく、アンカーがどっしりと構えているわけではないから余計に目立ち、繋ぐ役割を担えていない。

そしてセンターバックがボールを持って縦パスを狙っても全くプレスに来ず、バルサとしては余裕を持って扱えている。アンカーの所へ代わる代わる入ってくるシャビとチアゴにしてもプレスを受けない。ボールをラシンが持てば、いくらかサイドバックの裏を使ってカウンターを仕掛けようとするようになったものの、その分バルサは相手が攻撃に出ていなくなったスペースを突くことが可能になった。ラシンが選手を交代させてフォワードを投入したことでバルサのセンターバック二人にある程度プレスがかかるようになったものの、それもすぐにチアゴがセンターバックの間に入ってボールを受け、そのプレッシャーから逃れられるようにして、ボールを動かしたことで解消してしまった。

イニエスタの素晴らしいコントロールから三点目が入ると、ラシンはプレスにも出てこられず、足が止まりかけ、バルサがきっちりとボールを動かしつつ、所々で足を止め、特にサイドで相手の足を止めさせてしまう。

そしてフォワードに対してラシンのセンターバックが出て行くような守り方をようやくするようになり、縦パスを背後から抑えようとするようになった。パスカットを狙えるだけの動きをしてカウンターを少し出せるようになったものの、バルサはダイレクトで動かし、ワンタッチで抜いていく。向かってくることが解ってくれば、それを外すための動きをする。少しラフになった守備を受けながらも大きな問題が起こることなく、ピンチも作らなかった。

Liga Espanola Jornada 7. スポルティング・ヒホン対バルセロナ

2011 年 10 月 3 日 月曜日

■Sporting de Gijon 0 – 1 FC Barcelona
バルサは怪我人が多い中、新たにセスク・ファブレガスを怪我で欠くことになり、ここまで主に採用してきた3-4-3の鍵を失ってしまった。それでもこの試合は同様のシステムを採用し、セスクの役割をペドロへ任せ、アドリアーノを右のウイングに持ってくることで維持しようとしている。

ペドロが中央で動き、メッシが下がり気味に位置してプレッシャーのかからない場所を探し、プレイをする。ただバルサの立ち上がりはよくなく、ダイレクトパスを連続して出すことが出来ないほど運動量が少なく、ボールの出し所をヒホンに掴まれがちになるほど判断が遅い。特にショートパスを利用してそれらを交わせないことが大きく、パススピードが遅くスムーズに動かせないことで、より運動量を低下させている。パススピードの遅さがカットされる危険性を選手たちに考えさせ、前へ出ることを躊躇させているかのように、パスが前へ預けられたとしても他の選択肢を前へ用意することが出来ず、リターンのパスはバックパスになりやすい。前後への揺さぶりになるようなパスではなく消極的なバックパスでしかないため、しっかりと低めのバイタルエリアを守り、左右の揺さぶりにブロックを構築し直すヒホンの守備は崩れる様子はない。ウイングを早く利用し、そこに預けようとしてもそこにもマークがあり、全体をスライドさせることで数的有利にたち、複数で囲い込んできている。余計に奪われてしまう危険からバルサの全体が押し上げられず、ウイングからの横パスを受けるべきペドロやメッシ、チアゴらが前へ入れず、マイナスのパスを選択させるポジションで受け、勢いを殺してしまい、さらに後ろへ下げさせられてしまう。
徐々にウイングへ預けるパスも警戒され、中央、あるいは片側のサイドに相手をスライドさせて集めておかなければフリーで収めさせることも出来ない。中央でそのためにキープを行い、ウイングをカットインさせ裏を狙うような崩しを狙ったとしても、ペドロとメッシではセスクがしていたようなマークの受け渡しや、引きつけたマークの背後に出来るスペースの利用が出来ず、中央に入って両者共にマークをつけられてしまうことも多い。得点の場面になってようやくそれらが動いて出来たスペースと共にビジャが斜めのランニングから裏を狙い、ディフェンスラインを引っ張れた。そこにシャビが入ったことで倍足りエリアに空白が出来て、シュートを打てるだけの時間を与えてもらえた。

得点以後は、それ以前から少しずつ改善されていたのがより明確になり、メッシがアドリアーノ近くへ、チアゴがビジャの近くにポジションを取り、両者がサポートし合い、横に並んでパスを受けられる関係を作る。縦の連携が出来るほどの距離を保ち、孤立することが減っていった。ただウイングに収まった後の展開に関して改善されただけで、ウイングにまでスムーズにボールを運ぶことが出来ているわけではない。それでも外側に意識を向けさせ、ゾーンの構築をずらしてしまえるようになっている。メッシだけではなくペドロも下がってボールを受けるようにすることで、より相手を引き出してバイタルエリアを空けさせる。ビジャが中へポジションを移しやすく、飛び出しからゴールへ直結するプレイを選択している。

ヒホンは両サイドのセンターバックの外側を縦に強く意識して攻撃に入ってきている。ポゼッションはさせず、しっかりとそれをフォアチェック攻守の切り替えから抑えていたものの、バルサも全部を止められるわけではなく、元々少なかった運動量が影響をして徐々に奪えなくなってきている。ただ左はチアゴやブスケツがカバーに早くは入れているし、右も時間を稼げばアドリアーノが戻ってスペースを埋められる。最も重要な時間の稼ぎ方はマスケラーノを筆頭にアビダルも十二分出来ているために問題は少なく、ダニエウ・アウベスが後ろへの意識が薄く、抜けられそうになったときにファウル気味の対応をしてしまうことが問題なくらい。それでもボールを奪うための体の入れ方や相手を前で押さえる動きに関しては問題はなく、重要な役割を上手くやれているように思う。

試合が進んでもバルサの運動量の少なさは改善される気配が無く、特に中の動きが停滞をしている。シャビやブスケツが最小限の動きで隙間に入り、ボールを受けられるポジションこそ取っているものの、そこから次のプレイへと移行できるようなスムーズさはない。シャビとブスケツの縦の位置を入れ替えてみたり、ペドロが左に流れてチアゴとビジャと三枚の関係を作ってみることもあるが、ヒホンにとってはサイドのみの展開であれば数的に同数以下になることはなく、きちんと中盤を寄せて囲い込んで守られる。ビジャが中へと移動しつつ飛び出すことで、外を空けさせるような斜めの変化を多く作っているものの、それ以外の選手でそれが出来ておらず、一点にしか変化がないのが攻撃の幅を狭めている。
ただビジャの飛び出しと手前へ引き出そうとしているメッシやペドロの動きによってヒホンのディフェンスラインはフラットに整えられなくなってきている。縦パスのカットを狙う、裏へ抜けるビジャへのマーク、バイタルエリアに入るメッシを掴まえようと前へ重心をかけるセンターバックとそれぞれがばらばらになっている。ピボーテが本来であればバイタルエリアを埋めるべき役割を担っているものの、それが出来ていないことが多く、バルサは高く保たれたディフェンスラインの乱れをついて多く裏を狙っているものの、他の変化を用意してから選択しているわけではないために単調で、オフサイドに多くかかることでチャンスに仕切れていなかった。

後半にアビダルの負傷からマクスウェルとピケが投入されたことによって、従来の4-3-3のシステムへと変更をした。持ち味のスピードで外側と裏をケアしていたアビダルの役割をピケに担ってもらうには難しく、マスケラーノやダニエウ・アウベスのポジションも左側に持って来られないため、仕方のない処置なのかもしれない。
サイドバックんもオーバーラップからウイングとの連携を目指せるシステムになったものの、それらのオーバーラップは少なく、ウイングを中へ入れるためのオーバーラップにはならずダニエウ・アウベスは中へ入ってしまって攻撃の幅を狭めて勢いを止めてしまっている。せっかくの縦関係を活かせず、中盤で抑えにかかっているヒホンのプレスにかかり、中で試合を作ることが出来ず、特に後方からの組み立てが上手くいかなくなっていた。3-4-3の時よりもより中央に選手を失い、チアゴが外のサポートに専念せずに前へ出られる状況になっているはずが出てこられず、メッシの外からのプレイもビジャの徹底した飛び出しも活かせない。局地的にはショートパスで崩せる可能性を残しているものの、大きく利用するには幅が狭く、展開のパターンが少なく、縦へ急ぎすぎてゴールに近づくことを強く意識しすぎて、ヒホンを押し下げられず、押し下げたとしても相手は守備の形そのままに下がるだけで崩されていない。スペースを与えてもらえないことで押し下げたとしてもバルサの選手たちは足が止まり、サイドバックの押し上げを待つ間に足が止まり、よりスピードアップを出来ず、動きながらプレイできていない。静止状態からメッシがドリブルをしても複数を相手に抜ききることが出来ず止められてしまう。
足が止まっていることで守備に回ったときにはフォアチェックやプレッシャーをかけられず、ヒホンに繋がれてカウンターを少しばかり許してしまう。辛うじてビジャやチアゴが追いかけているお陰で、何度も放り込まれるような自体は防げているものの、コンディションの悪さを感じさせるには十分な状況だった。センターバック前で巻単位受けられて外やサイドバックの裏を狙われクロスを入れられる。センターバックもゴール前の選手に密着できておらず、精度の低さに助けられているという他なく、それ以外ではマスケラーノのカバーリングの速さが助けている。

チアゴをあげてケイタを後ろに投入させたものの、停滞した流れで効果的な役割を担うことは難しく、個人でフォアチェックからコントロールさせないようにしたり、飛び出しを狙って中のマークを引きつける、あるいは相手の投入されたフォワードへの意識や外の守備に対しての反応をしているものの、他がそれによって活性化することはない。ビジャが精力的に動いて裏へ飛び出しているものの、可能性のないポゼッションの方を選択してしまい、それがミスになってボールを失う。スローな展開のままテンポアップをすることはなく、ミスとファウルが増えただけで試合終了まで推移した。

Bundesliga 8. Spieltag ホッフェンハイム対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 10 月 2 日 日曜日

■TSG 1899 Hoffenheim 0 – 0 FC Bayern Munchen
ホッフェンハイムの守備組織は素早く構築されて、プレスの速度も速い。事前の寄せ方によるものではなく、ゾーンに入った選手をしっかりと追いかけていく。それを個人に頼むのではなく、組織として囲い込み、複数で追いかけるためにプレッシャーとしては強くかかり、バイエルンに構築させるパスを出させていない。運動量を多く必要とするが、キーパーやセンターバックにまでサボらずに向かうことで、一点でも収めるポイントを用意させないことで安定させ、バイエルンに浮き球やフィードを多用させて、より処理をスムーズにさせずボールコントールから次の行動に移るまでの時間を多くかけさせ、プレスに向かうための時間を稼いでいる。

その守備にかける人数と運動量の多さは、こぼれ球への反応を高めてオーバーラップの積極差にも繋がって攻撃面にも勢いを与えている。ただホッフェンハイムはパスを繋ぐことに関しては得意としていないようで、センターバックやルディがバイエルンのフォアチェックの緩さから時間をもらっていても、パスの距離が長く、直線的な動きでは隙間に入ってコースを作れず、ボールを出せずにいることも多い。

徐々にバイエルンは後方でのボール回しにダイレクトパスを利用し始め、少ないタッチでありながらボールを浮かせないよう早いグラウンダーのパスを利用してチェックを逃れるようになっていく。いくら運動量多くプレッシャーをかけられていても、マンマークで各選手を捉えているわけではないから素早く動かせばフリーになる時間を得られる。それを連続させていることでホッフェンハイムの陣形を崩して引き出し、バイタルエリアを空けさせ、クロースやマリオ・ゴメスがボールを受けやすいスペースを作っている。ホッフェンハイムはルディがセンターバック前を埋めるべき役割を担っているものの、ボールサイドの動きに釣られて中央を埋められず、クロースや他の選手の侵入を簡単に許し、センターバックが戻りながらそこへ入る選手を見ておかなければならなくなっている。そのため縦パスをセンターバックがきっちりと掴まえておくことも出来ておらず、その後の連携も許してくれている。

バイエルンがダイレクトで動かし続けられるだけのコースを維持するよう運動量を保てればホッフェンハイムの守備にかからず繋ぐことは出来るが、攻守両面で運動量を強いられて、それを維持できなくなってきている。相手に積極的な守備を成功させなくなれば、積極的なオーバーラップも難しくなり、狙い所を絞りやすい攻撃にバイエルンはマークをつけてしっかりと対応し、背後も取らせず縦パスには前を向かせない。ただそのマークをすべき対象に走られてセンターバックのヴァン・ブイテンもバドシュトゥバーも走らされているからその維持が難しい。そして攻撃時にダイレクトで動かすコースの維持も徹底できなくなり、上手く繋いで前へ運んでいた部分を失い、攻守両面の鍵になっているルディにボールを触らせ、効果的な働きを許してしまうようになった。バイエルンがいくらスピードのあるパスをしても距離が伸びることでカットされやすくなってしまい、運動量を維持して動き続けるホッフェンハイムにパスコースを作られて動かされて、ゴール前にまで入ってこられる。全体を押し下げられて前へコースを用意できなくなることで特に相手の背後へ出すボールの距離が伸びて繋がらず、手前で収められないことで変化が産み出しづらくゴールへ迫れない。

後半もバイエルンは一気に裏を使ってゴールに迫ろうとする意識が強くありすぎ、長い距離のパスを多用して、横のサポートを得られないままサイドアタッカーを走らせてしまっている。ロッベンにもボールを持たせてドリブルで中へのカットインを選択させず、走らせるだけでは交代をした意味が薄く、横と縦に広がったまま個人に頼る攻撃をしている。
守備にしても前半のように相手の背後を掴まえて自由にさせず、抑え込むことで攻撃を限定しようとする意識が薄く、ボールを奪うことを強く意識した守備をし過ぎて、足を簡単に出してはオバシやバベルにかわされ、スピードを落とさせることすら出来ずに外から中へと侵入され、選手同士の距離を縮めさせて横や縦パスから連携をさせている。

ホッフェンハイムの運動量が落ち、フォアチェックを出来なくなっていることで連続した攻撃を受けず、バイエルンがある程度ボールを前へ運べる要因になっているものの、バイエルンの運動量自体も上がっておらず、早めの交代もそれぞれの距離を縮める役にも立っていない。パスの距離も縮められず、フィジカルコンタクトが生まれやすい環境を作ってしまい、相手の方がそれに対する出足がいいためにバイエルンはファウルを繰り返してしまう。リスクを負って個人で持ち上がることで距離の問題を解消して、ペナルティエリア内でチャンスを得ることがあっても相手の高い集中力によってキーパーを脅かすところまでは行けず、コーナーキックからあったチャンスもオフサイドでふいにしてしまった。相手の裏へクロースが抜け出したプレイも、消極的なパスによって相手にカットさせてしまい、その後も積極的な選択を出来なくなってしまった。ロッベンが残り時間が少なくなってようやくボールを触り、中へカットインするドリブルを選択するようになったものの、密着してついてこられるほど他に選択肢が無い。

守備の人数もホッフェンハイムのスピードに対応するために残しすぎて、バベルやオバシ以上に引いてしまい、一人に複数で対応しながらもボールに寄せきれず、奪ったりコースを限定することも出来ていない。多くの人数を残している効果が無く、ディフェンシブ・ミッドフィールダー二枚とそれより前とを分離させ、間延びさせて攻撃の妨げにもなっている。ホッフェンハイムが逃げ切る姿勢を鮮明にしてからも押し上げることすらままならず、相手が非常に集中して運動量を維持し続けたとはいえ、交代を含めて変化を生み出せず、カウンターもポゼッションのどちらもさせてもらえなかった。