UEFA Champions League 11/12 -A- Matchday 1 ビジャレアル対バイエルン・ミュンヘン

■Villarreal CF 0 – 2 FC Bayern Munchen
バイエルンはポゼッションから試合に入ろうとしてビジャレアルのプレッシングに捕まりかけている。それぞれコースに入って受けて、パスをだし、少ないタッチで繰り返していけていても、ビジャレアルの的確な寄せによってコースを限定されて中央に入らせてもらえず、外へと追いやられている。バイエルンにとって難しいのはディフェンスラインから前へ運ぶ際の位置取りで、、そこを抜けてしまえば、左のリベリやラームは個人のドリブルを使って縦に進め、シュバインシュタイガーも流れてタッチライン際であっても仕事が出来る。高さの面でも有利に立っているお陰で縦に使えば相手も引き出されて止めに向かわなければならず、陣形を崩させることも出来る。ピボーテのマルチェナやマルコス・セナを引き出すことで中央を薄くし、それまで利用できていなかった中へスペースを作って、ゴール前へ選手を入れていく。
先制点はクイックリスタートのミスを突いて奪い、リベリの突破からマイナスのパスを合わせたクロースがゴール。

ビジャレアルは2トップに頼る部分が大きく、彼らのボールを引き出す動き方が非常に重要になってきている。センターバックと競り合いながら常に背後を意識して飛び出すタイミングを伺い、ポジションはサイドバックとの間を取る。ブルーノやデ・グズマンといったサイドアタッカーが相手のサイドバックを引きつけ、フォワードがrと微出しやすい状況を作る。ヴァン・ブイテンは徹底してマークしているためにその動きにポジションを大きく揺り動かされやすく、彼の動いた後のスペースへもう一枚のフォワードが飛び出せるように動かれている。そうやってセンターバックが常にフォワードを見る環境を作っておけば、受けに戻ったときにもバイエルンのボランチが見るようにならずセンターバックが見なければならなくなる。大きく引き出されてしまえば背後のスペースを突かれることでもあるから徹底することは出来ず、ポストプレイをしやすくする。それに加えてデ・グズマンがティモシュチュクが見なければならない位置にいることによって、よりセンターバックとフォワードの対決に持ち込んでいる。

ヴァン・ブイテンの負傷はもしかするとそういった過度の運動量と負担をロッシやニウマールに与え続けられたからかもしれず、ボアテングを中に入れてラフィーニャを投入しなければならなくなった。
ラフィーニャの投入は主に攻撃面で現れていて、それまではリベリとラームに頼って左から中へ入れることが多かったものの、彼が投入されてからは右へボールが運ばれる回数が増えた。シュバインシュタイガーやクロースも流れる左に比べると人数不足で、主軸にはできないものの、片側に寄ってピボーテを引き出したあとに反対サイドを使えるようになったことは大きく、ビジャレアルに中央のブロックを構築させず、左右へと動かすことによってディフェンスラインの足を止めさせ背後への意識を薄くさせて飛び出しを狙えるようになってきている。ラフィーニャが上がればその分デ・グズマンを戻さなければならず、カウンターで相手を上回る数を用意できない。
守備でもバイエルンはミュラーが対面するカタラを彼がマークして戻るようになったことでブルーノを抑える必要はあるものの、サイドバックが引き出されて裏へ飛び出される回数は減り、ピボーテを押し下げていることによって直接狙うパスも出させていない。ディフェ寸ラインの前で勝負する個人の技術さえ抑えてしまえば、バイエルンのマークの距離を近づけている守備は十分にビジャレアルの構築を防いでいて、セカンドボールを拾わせず、自分たちのポゼッションの方を上回らせている。

前半終了から後半開始にかけては、近く保ち、足を出し、強く当たることを利用されて何度もファウルを取られたり、足を出すタイミングでボールを動かされて抜かれ、次の対応に出てきたところで裏を取られる。サイドバックが上がらず、攻撃をアタッカーに任せっきりにしてしまうことでバイエルンはセンターバックが引き出されても背後に問題を抱えず、サイドの裏を直接取られてしまうことなく、むしろカバーリングを行えるようにして防いでいた。

後半すぐはビジャレアルの集中が保たれておらず、また攻撃に出るためにサイドバックを押し上げていたこともあって、スペースを用意してリベリーに大きく揺さぶられたりオフサイドを取り損なってペテルセンに決定的なシュートを二度も打たれた。バイエルンはあのどちらかを決めなければいけないほどの決定機で、よりゴールに近い位置で飛び出しを狙えるだけビジャレアルが前半固めていた中央のブロックがないのだから、その隙を突きたかった。その後のリベリが中へポジションチェンジしシュバインシュタイガーと中央で崩しかけた場面でも、シュートを打てる状態にありながらも消極的なパスで背後を取ろうと狙うなど、点差を考えればもっと明確な行動をすべき状況だっただろうし、相手の背後を取れる体勢なら、シュートのこぼれ球を押し込める可能性を考えてもよかった。ディエゴ・ロペスがいくつかキャッチをせず、弾いて逃げていることを考えれば、それだって十分に考えられるものだったはず。

残り時間が減っていき、ビジャレアルに得点を狙う意識が強まると、バイエルンはそれまでとは反対にビジャレアルが足を積極的に出して奪いに来るところをかわし、裏を取り、セカンドボールを拾って足を止めた相手の背後をさらに狙う。ラインも高くなっていて、前半のように狭いスペースに飛び出すわけではないため背後が狙いやすくなっていた。したたかに時間を使いながらも背後へ出て、横パスを連続させず、ビジャレアルに前へ出る守備をさせない。
ラフィーニャのゴールは理想的なタイミングで、中へのパスが続いて強く意識させた後だったから余計に個人の突破に対してカバーリングを用意させなかったのかもしれない。

ただマルチェナの試合を荒れさせるファウルに対してシュバインシュタイガーが飲まれて強く意識しすぎたのはよくなく、対抗してファウルをしてしまったり、無理に退場させようとしてわざと倒れたり抗議をしてカードを出されたのはマイナスでした。

動けず間延びし、サポートもカバーリングもなくなったビジャレアル相手にカウンターでもう一点を取れていればよかったものの、守備に関しては集中して相手のミスをきっちりと奪えていて、多少戻るスピードは落ちていたものの厳しい守備で一点も与えず完封できたのは大きい。

コメント / トラックバック 5 件

  1. もん より:

    いつも拝見させていただいてます。

    毎度の事ながら、細かくて説得力のある試合分析で
    とても勉強になります。

    いろんなサイトで、グループCの勝ち抜け予想が
    出ていますが、leiaさんはどのチームを予想しますか?

  2. leia より:

    >もんさん
    ありがとうございます。

    グループCはユナイテッドとベンフィカが堅いんじゃないかと思いますね。
    コエントランこそ失いましたが、補強も順調に行えましたし、成熟された印象があります。
    攻撃のバリエーションも豊富でミドルレンジからも戦えるので守備を固められても手詰まりにならないでしょうし、外側だけではなく中央の強さもありますからね。

  3. もん より:

    leiaさん

    ありがとうございます。

    グループAと間違えてしまいました。すみません。

    おしゃる通り、グループCはこの2チームで無難
    だと自分も思います。
    バーゼルも面白いと思いますが、チャンスは無さそうですね。

    話題は変わりますが、FIFA12のデモはプレイされましたか?

  4. leia より:

    >もんさん
    グループAならバイエルンが今季は堅いのではないかと思っています。
    昨季までのパスを繋ぐサッカーをベースに、ボランチ二枚に役割がはっきりしたことで守備が安定し、個々人がきっちりと守備の役割をこなしていれば失点をしない安心感があります。バイタルエリアを使われず、センターバックが前へ引き出される回数が減ったことでキーパーへの負担も減りましたから、ノイアーも経験を伴って加入しましたから弱点が大きく減りました。

    あともう一つの候補はビジャレアルでしょうか。
    ボルハ・バレーロが序盤にでられないのは痛く、フォワードへの負担が増大してしまっています。元々ディフェンスラインの前で変化を生みだして崩すことが必要なクラブでしたから、その選択肢が減ってしまっている現状ではきちんとした守備組織を作られてしまうと攻めきることが難しく、主導権を握れないのが致命的に見えます。ナポリとシティの守備がセンターバックの前にスペースを用意してくれれば話は変わってしまいますが、シティなら付け入ることが出来るかもしれません。

    自分はシティのディフェンスラインが若干低いように見え、センターバックの前が空きやすく、そこにつけいる隙があるように思えました。フォワードへのマークとカバーの関係が両センターバック間にないのはイングランドのスタイルとして当たり前なのかもしれませんが、役割だけでなくそこがしっかりと掴まえない中でセントラル・ミッドフィールダーの背後を取られるとスピードに乗られますし、カウンターを成功させやすくしてしまう。サイドの背後もここがしっかりしていないことで突かれやすく、攻撃力は魅力ですが、勝ちきることが必要な局面で人数と組織的なブロックを構築して守れないチームは苦しいと思います。

    ナポリは正直なことをいうと解りません。ビジャレアルとシティに弱点があると思ってますから、ナポリが勝ち上がる可能性は高いと思ってますし、自分が知らないナポリに大きな弱点があるのならビジャレアルが勝ち上がってくれれば、という期待も持ってますが、予想になってませんね、これ(笑
    こんなものでもいいでしょうか?

    >FIFA12
    デモはプレイしました。
    時間的な問題でまだ一度しか起動していないので操作方法の違いに戸惑ったことぐらいだけです。でも相手と正対してタイミングを伺って守備をこれまでもしていましたから、あまりプレス部分の変化は気になりませんね。セカンドプレスは多用していただけにボタンの配置を換えなければならないと思いますが、現実離れしたフォアチェックからのハードプレスで試合を動かされるのが減って、いいんじゃないでしょうか。個人的には歓迎したい変更です。AIもかなりポジショニングがよくなっている気がしました。

    それとこれは余談ですが、環境が変わったのでFIFAの動画はもうアップロードすることはないと思いますし、諸事情からゲームのことはブログに書くこともなくなってしまうかもしれません。

  5. もん より:

    予想ありがとうございます。

    バイエルン期待できそうです。守備が安定しているのは大きいですね。
    FIFAの件は少し残念です。結構楽しみにしていたので(笑)

    試合のレポート楽しみにしております。
    お忙しい中、ありがとうございました。