2011 年 9 月 のアーカイブ

UEFA Champions League 11/12 -A- Matchday 1 ビジャレアル対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 9 月 15 日 木曜日

■Villarreal CF 0 – 2 FC Bayern Munchen
バイエルンはポゼッションから試合に入ろうとしてビジャレアルのプレッシングに捕まりかけている。それぞれコースに入って受けて、パスをだし、少ないタッチで繰り返していけていても、ビジャレアルの的確な寄せによってコースを限定されて中央に入らせてもらえず、外へと追いやられている。バイエルンにとって難しいのはディフェンスラインから前へ運ぶ際の位置取りで、、そこを抜けてしまえば、左のリベリやラームは個人のドリブルを使って縦に進め、シュバインシュタイガーも流れてタッチライン際であっても仕事が出来る。高さの面でも有利に立っているお陰で縦に使えば相手も引き出されて止めに向かわなければならず、陣形を崩させることも出来る。ピボーテのマルチェナやマルコス・セナを引き出すことで中央を薄くし、それまで利用できていなかった中へスペースを作って、ゴール前へ選手を入れていく。
先制点はクイックリスタートのミスを突いて奪い、リベリの突破からマイナスのパスを合わせたクロースがゴール。

ビジャレアルは2トップに頼る部分が大きく、彼らのボールを引き出す動き方が非常に重要になってきている。センターバックと競り合いながら常に背後を意識して飛び出すタイミングを伺い、ポジションはサイドバックとの間を取る。ブルーノやデ・グズマンといったサイドアタッカーが相手のサイドバックを引きつけ、フォワードがrと微出しやすい状況を作る。ヴァン・ブイテンは徹底してマークしているためにその動きにポジションを大きく揺り動かされやすく、彼の動いた後のスペースへもう一枚のフォワードが飛び出せるように動かれている。そうやってセンターバックが常にフォワードを見る環境を作っておけば、受けに戻ったときにもバイエルンのボランチが見るようにならずセンターバックが見なければならなくなる。大きく引き出されてしまえば背後のスペースを突かれることでもあるから徹底することは出来ず、ポストプレイをしやすくする。それに加えてデ・グズマンがティモシュチュクが見なければならない位置にいることによって、よりセンターバックとフォワードの対決に持ち込んでいる。

ヴァン・ブイテンの負傷はもしかするとそういった過度の運動量と負担をロッシやニウマールに与え続けられたからかもしれず、ボアテングを中に入れてラフィーニャを投入しなければならなくなった。
ラフィーニャの投入は主に攻撃面で現れていて、それまではリベリとラームに頼って左から中へ入れることが多かったものの、彼が投入されてからは右へボールが運ばれる回数が増えた。シュバインシュタイガーやクロースも流れる左に比べると人数不足で、主軸にはできないものの、片側に寄ってピボーテを引き出したあとに反対サイドを使えるようになったことは大きく、ビジャレアルに中央のブロックを構築させず、左右へと動かすことによってディフェンスラインの足を止めさせ背後への意識を薄くさせて飛び出しを狙えるようになってきている。ラフィーニャが上がればその分デ・グズマンを戻さなければならず、カウンターで相手を上回る数を用意できない。
守備でもバイエルンはミュラーが対面するカタラを彼がマークして戻るようになったことでブルーノを抑える必要はあるものの、サイドバックが引き出されて裏へ飛び出される回数は減り、ピボーテを押し下げていることによって直接狙うパスも出させていない。ディフェ寸ラインの前で勝負する個人の技術さえ抑えてしまえば、バイエルンのマークの距離を近づけている守備は十分にビジャレアルの構築を防いでいて、セカンドボールを拾わせず、自分たちのポゼッションの方を上回らせている。

前半終了から後半開始にかけては、近く保ち、足を出し、強く当たることを利用されて何度もファウルを取られたり、足を出すタイミングでボールを動かされて抜かれ、次の対応に出てきたところで裏を取られる。サイドバックが上がらず、攻撃をアタッカーに任せっきりにしてしまうことでバイエルンはセンターバックが引き出されても背後に問題を抱えず、サイドの裏を直接取られてしまうことなく、むしろカバーリングを行えるようにして防いでいた。

後半すぐはビジャレアルの集中が保たれておらず、また攻撃に出るためにサイドバックを押し上げていたこともあって、スペースを用意してリベリーに大きく揺さぶられたりオフサイドを取り損なってペテルセンに決定的なシュートを二度も打たれた。バイエルンはあのどちらかを決めなければいけないほどの決定機で、よりゴールに近い位置で飛び出しを狙えるだけビジャレアルが前半固めていた中央のブロックがないのだから、その隙を突きたかった。その後のリベリが中へポジションチェンジしシュバインシュタイガーと中央で崩しかけた場面でも、シュートを打てる状態にありながらも消極的なパスで背後を取ろうと狙うなど、点差を考えればもっと明確な行動をすべき状況だっただろうし、相手の背後を取れる体勢なら、シュートのこぼれ球を押し込める可能性を考えてもよかった。ディエゴ・ロペスがいくつかキャッチをせず、弾いて逃げていることを考えれば、それだって十分に考えられるものだったはず。

残り時間が減っていき、ビジャレアルに得点を狙う意識が強まると、バイエルンはそれまでとは反対にビジャレアルが足を積極的に出して奪いに来るところをかわし、裏を取り、セカンドボールを拾って足を止めた相手の背後をさらに狙う。ラインも高くなっていて、前半のように狭いスペースに飛び出すわけではないため背後が狙いやすくなっていた。したたかに時間を使いながらも背後へ出て、横パスを連続させず、ビジャレアルに前へ出る守備をさせない。
ラフィーニャのゴールは理想的なタイミングで、中へのパスが続いて強く意識させた後だったから余計に個人の突破に対してカバーリングを用意させなかったのかもしれない。

ただマルチェナの試合を荒れさせるファウルに対してシュバインシュタイガーが飲まれて強く意識しすぎたのはよくなく、対抗してファウルをしてしまったり、無理に退場させようとしてわざと倒れたり抗議をしてカードを出されたのはマイナスでした。

動けず間延びし、サポートもカバーリングもなくなったビジャレアル相手にカウンターでもう一点を取れていればよかったものの、守備に関しては集中して相手のミスをきっちりと奪えていて、多少戻るスピードは落ちていたものの厳しい守備で一点も与えず完封できたのは大きい。

UEFA Champions League 11/12 -H- Matchday 1 バルセロナ対ACミラン

2011 年 9 月 14 日 水曜日

■FC Barcelona 2 – 2 AC Milan
バルセロナはこの試合、ピケを欠き、プジョルもベンチ。アビダルをサイドバックとして先発させているため、本来はアンカーを担当するセルヒオ・ブスケツとマスケラーノの二枚でセンターバックを担当している。開始早々に、その二人の動きが被り、センターバックとしてのチェックとカバーの役割分担を出来ず、バイタルエリアに切れ込んできたパトに対してケイタも埋められず、パトのクレバーなプレイの前にあっという間に先制点を許してしまった。

ミランのライン設定は低く、ペナルティエリアに入らない程度に抑えているものの、バルサに対して積極的なプレッシングを行う気配もない。シャビやイニエスタのようにボールを動かそうとする選手に対しても厳しく当たるわけでもなく、時間的な余裕や前を向かせないような距離を保つわけでもないバルサの選手たちがそれほど活発に、ディフェンスラインの裏、あるいは手前で積極的に動いてゾーンの隙間に入り切れていないことも、ミランがパスの受け手にマークに付き、抑えられる形を作っている要因なのかもしれない。バルサの運動量は非常に少なく、先日のレアル・ソシエダ戦でもそうだったようにオフ・ザ・ボールでの変化に乏しく、相手を混乱させられていない。

バルサは守備時にダニエウ・アウベスが戻って4バックの形になることこそあるものの、殆どの時間で右サイドバックが一列上がり、アビダルがバランスを取って左のセンターバックの役割を担う3バックになった。得点を取るためにウイングが中へ寄り気味の状態にあってダニエウ・アウベスが高いポジションを取れることで攻撃の幅が狭まらず、横にボールを動かせることは大きいものの、ミランの構築するブロックの手前や外側でボールを横へ動かすことが中心になってしまって、ファン・ボメルとセードルフに埋められている中央で縦パスを入れられない。メッシも下がってボールを触り、ビジャやペドロはラインと戦うことが中心であったり、ゾーンの外側に残ってしまって試合の流れから取り残されている。
徐々に改善されてシャビやイニエスタのポジションを押し上げるようにケイタやセンターバックの二人がハーフウェーラインを越えてボールに関与するようになってくると、狭いバイタルエリア内でシャビが受け、イニエスタが飛び出す、ペドロが試合の流れに戻ってくる。それまでゾーンの外側でのみ動いていたボールが、ゾーンの中へと積極的に入っていくようになり、ラインと戦うばかりだった二人のフォワードも、飛び出しを囮に受けに戻り、一人で縦の変化をつけてマークを剥がしていけるようになった。ミランの守備が運動量を必要とせず受け手を掴まえられていたものから、動かなければ相手を掴まえられないほどに活性化して、狭いディフェンスの背後を突いてシュートまで持っていけるようになった。
ミランは攻撃に出られず、パトが主に担当していた的確に背後へ出るクイックな展開も狙えず、キープもままならなくなっていた。アンブロジーニを入れてセードルフから守備の負担を減らすことで、運動量を必要とし始めた守備を再構築する狙いがあったのかもしれないが、横に圧縮と展開を繰り返され、メッシの突破からペドロの同点ゴールを許した。

バルサの守備も序盤はパトのボールタッチのリズムやスピード、カッサーノやセードルフのキープからボールを奪えなかったものの、きっちりとそれを掴んでファウルをせずに奪えるようになっているし、そこに収めさせなくもなった。相手もゆっくりとキープし続けられず、展開を焦らなければ前へボール出すことが出来なくなったことでミスが増え、バルサは後ろへ引き戻されないことで攻撃の人数を維持し、アンカーやセンターバックが攻守両面で支えられる状況を作った。

後半になってミランは細かく繋ぐことよりも、大きく蹴り出して前後を分離させながらも前で収める方法を選択していたが、それは守備の形が戦後にばらけてしまい、延々とバルサの攻撃を受け続けることにはならず一度リセットできる効果を持っていたものの、バイタルエリアのブロックを埋めていた選手が前後に動き、ディフェンダーの前から離れ、いくらかの時間を必要としてバルサがつけいる隙を与えてくれた。何よりバルサの攻撃に対して戻りながら守備をするようになったことで、それまで待ち構えて先手を取れていた守備が後手に回り、カッサーノのファウルからビジャのフリーキックゴールへと繋がって逆転。

バイタルエリアを埋めている相手の中盤にはセスクが入ることでそれに注意を払わなければならなくなり、メッシがディフェンスラインの注目を引きつける。シャビがゴールの近くのスペースを見つけて入り込み、マークの距離を保てなくなっていく。ネスタはメッシにかかり切りにならなければ、彼を見られていない中盤の背後に入られてスピードアップされるために出て行かなければならず、出て行けばスピードに対応しきれずにファウルで止めなければならなくなる。ペナルティエリア内のゴールへ向かうコースだけを切り続けるのであれば、メッシを止めることが可能であっても引き出されてしまうと途端に厳しくなる。ゴール前と同じ距離を引き出されたときに保てないことも大きく影響しているのかもしれない。

ミランはパスの出所を抑えるべくフォアチェックをして下げるボールに関しては追いに出てきて、シャビに時間を与えないようにチェックにも出てくる。エマヌエルソンを投入するなど守備の人数を増やしながらも、ボールに対するアプローチを増やしていく。攻撃に対する積極性も併せてもたせたものの、ラインの押し上げが伴わず、前後の距離をいたずらに引き延ばしている印象だった。そのため、バルサが押し下げられて自陣に戻る回数こそ増え、後方でボールを持っている時間も長くなったものの、そこより先のコースや収め所を掴まえられているわけではなく、動き出しにもついて行けていない。バルサのポゼッションのリスクこそ増えたものの、慌てさせたりミスを誘うものではなく、いつもの戦い方に戻させた印象が強い。久しぶりの実戦となったプジョルに、その中での展開力を求めるのは酷で、キーパーへのバックパスが増えてスムーズに前へボールを出し続けるわけにはいかなかったが、判断は間違わず、アンカーにポジションをあげているブスケツやシャビへとしっかりとボールを出せている。押し込まれたときの判断や、瞬間的なスピードこそ本調子にほど遠く見えるものの、はっきりとした動きは守備に安定感を与えていた。

アフェライにしても、アレクシス・サンチェスが負傷離脱して前線の枚数が減った中で、また毛色の違うプレイが出来る彼の復帰はバルサにとっては大きくプラスとなるはず。気にかかるのはイニエスタとアビダルの怪我の具合で、交代枠を使い切っていて彼を引っ張らなければならなかったことが同点のコーナーキックを与えた要因でしたし、十二分に勝てるはずの試合をまた落としたのは痛く、それ以上に選手の運動量が同点ゴールを決めるまで上がらなかったことが気にかかる内容だった。選手のコンディションが上がらなければ、今の崩すアイデアが足りていない状態からは抜け出せそうになく、守備も安定を欠くままになってしまう。

Bundesliga 5. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対フライブルク

2011 年 9 月 11 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 7 – 0 SC Freiburg
セントラルからサイドへスムーズにボールが流れてさらに中へ戻して再展開をして外へ戻す。その一連の流れがスムーズに行われていて、グスタボとラームのポジションが横に並んで、サイドバックが下がりすぎることなく上手く横の関係を作れている。そこへリベリーが下がって受け、シュバインシュタイガーが流れ、上がってくるリベリーと連携する。中盤の底を担当するグスタボに守備を専念させることで、シュバインシュタイガーが昨季のようなバランスを取るための動きに苦労させられることなく躍動できているのが試合の流れをスムーズにしている。シュバインシュタイガーが上手く絡むのは左だけではなく、右でも同じようにクロースと共に動き、近い位置でサポートを得られるウイングにとっては相手の裏を取る動きもしやすい。横にサポートを得られることでもあるから、高い位置で横の変化をパスやドリブルによってつけやすく、サイドに相手のゾーンを集めた上で逆サイドまで運び、フリーになる選手を作れる。マークから外れる動きを助け、早々の先制点へと繋げたのも少ないタッチで近い距離のままパスを繋げたから。

前へ攻めていく人数の増加はフォアチェックへの切り替え時のスムーズさに繋がっている。仕掛けた後やパスを跳ね返されたセカンドボールに対しての反応も前向きに向かっているために早く、バイエルンが拾う可能性を増やしていて、相手が拾ったとしてもその勢いのまま守備に加われるためフォアチェックのスムーズさになる。停滞状態にある相手に闇雲に向かって仕掛ける守備ではなく、キープされればハーフウェーライン付近で待ち、縦パスを受けに戻る選手たちを背後からきっちりと抑えておく。振り向かせず、コントロールをさせず、中盤が挟み込むことでディフェンダーがコントロールを乱させた後を利用して奪う。守備の役割がはっきりしていることで、昨季加入後不安定な守備を連発していたグスタボも、きっちりと背後への意識を持って守備が出来ているし、戻りながらの処理になったとしてもセンターバックのケアも出来ている。
フライブルクが縦へ繋げないことで、ディフェンスラインでボールを持つ時間が長く、横に単調な動かし方をしているだけで変化がない。変化が無ければ、バイエルンのマークを外せるわけもなく、縦パスを入れられず、長い距離のパスを入れようとして精度が足りずに奪われる。バイエルンが攻撃にスムーズさがあるために前へ人数がかかりすぎて厚みを失ったときに、フライブルクは攻撃のチャンスを得られるものの、カウンターへ移行するには押し込まれて足を止められ過ぎてスピードアップできず、バイエルンの戻るスピードとフォワードへのマークによって形すら上手く作れない。むしろカウンターに無理にでようとボールを動かせない段階で前へ人数を上げてしまうことによって、バイエルンのカウンターを呼び込むことになり、センターバックの隙間に入り込まれて二点目のゴールを許してしまった。ただし、マリオ・ゴメスがそのまま決めていれば文句なしのゴールだったものの、リベリーのポジションは本来であればオフサイド。審判に助けられたゴールだった。

その後も形が整わない中で無理に攻め、サイドバックを押し上げてもセンターバックを押し上げられず、ボールを奪われてはバイエルンのサイドアタッカーたちに裏を取られてペナルティエリア内へクロスを放り込まれ、ヘディングから失点しそうになったり、中へ切れ込む動きにマークの受け渡しが出来ず、右サイドバックをフリーにしたままオーバーラップさせてクロスがそのまま入りそうになったり、攻守両面においてちぐはぐなまま進み、フライブルク側がフォアチェックを行おうとしても、個人の動きだけで連動しているとは言い難く、むしろチェックによって自らの背後にスペースを作ってしまっていた。そしてキレているリベリーが個人技からゴールを決めて三点目。前半だけで試合の行方を決定させてしまった。

後半も変わらずワントップを維持していたため、フライブルクはカウンターへ出ようとしてもパピス・シセ一枚が残り、バドシュトゥバーとボアテングの二枚に前後に挟まれたままプレイするほか無く、彼を走らせても前で受けさせようとしても、前の起点とするには非常に難しい。その一枚を残してほぼ完全に引いて守らされるフライブルクを相手にすると、バイエルンはサイドバックの位置もセントラルミッドフィールダーの二人よりも前へ持っていっても問題なく、その二人も大きくポジションをあげて相手の中盤のラインにまで肉薄してもカウンターを受ける危険が少なく、パスを横へ上手く動かせていた。万が一カウンターを収められたとしてもバイエルンの前へ向かいながら抑える守備のやり方であれば、相手にボールを下げさせ、ディフェンスラインにまで戻させた上で停滞したボール扱いを強いることも出来、速攻の形を徹底して作らせていなかった。
そしてせっかく奪ったボールも不用意なミスからフライブルクは失いやすく、攻撃へでるために足を止めていた不揃いなディフェンスラインの裏を取られて4点目。前後左右に揺さぶられて足が動かず、ファウルでしか相手を止められなくなりつつあり、足を止めたままプレイしてしまい、クリアがマリオ・ゴメスに当たった不運なゴールとはいえ5点目。

吹っ切れたフライブルクが攻撃人数をかけ、バイエルンが攻撃の手を緩めてポジションを大きく崩し、大きく間延びした中盤が出来上がり、組織だった崩しというよりも個人のドリブルによってボールを運ばれるようになり、縦へのスピードのあるドリブルから中へのカットイン。ゾーンを集められて反対側を使われ、PKまで献上してしまって6点目。

残念ながらこの大きく点差が開いた状態で起用されたのはアラバとペテルセンで、プレッシャーが少ない中で宇佐美を見ることが出来ませんでした。
間延びが酷く、バイエルンから攻守共に緩みきったプレイも見られるようになったため、フライブルクに攻められて繋がれるようにもなったし、前へボールを運ばれる回数が増え、バイエルンが崩す回数が減ったものの、決定的な機会自体はバイエルンが多く作り続け、コーナーキックから7点目を奪い、流れ自体が変わる事はなかった。

Liga Espanola Jornada 3. レアル・ソシエダ対バルセロナ

2011 年 9 月 11 日 日曜日

■Real Sociedad 2 – 2 FC Barcelona
バルサのメンバーは代表戦とチャンピオンズリーグの谷間に当たる試合だからかいくつか落としている部分が見られ、セントなーバックにはフォンタス、左にアドリアーノ、メッシとビジャも出場させていなかった。セスク加入前であれば、代表戦後のメッシを休ませることも少なく、休ませたとすれば大きくクオリティが落ちて試合を作れなかったが、セスクがプレシーズンで同じポジションを十二分にこなしていたことから、こういった先発起用が出来るのは大きいのかもしれない。

序盤からソシエダの守備ブロックの構築は堅くラインが高く設定されていた。シャビは相手ゾーンの中に入っていこうとはせず、ケイタと並列に並び中盤の底でボールを動かしつつ、チアゴがそのぶん多く前へと出て行き、セスクと並びながら変化を与えようとしていた。ただその中央の二人に上手くボールが回っておらず、サイドバックもウイングを助けられるほどの高さに上がれていない。シャビやケイタからのボールをサイドバックが受けてスムーズに前を向いて扱えておらず、ウイングの二枚もタッチライン際に立つことよりも中へ入ってしまっているため、そこへのパスも上手く出せずにいる。パスを受ける際にマークに付かれたままプレイする必要があり、中央の高い位置に起点が出来ていないこともあって低い位置から斜めのパスを通す必要がある。ただそれはソシエダのゾーンを通す必要があるために、相手がしっかりと中盤でコースを塞いでくると通すことが出来ず、サイドバックにチェックを与えられるとウイングへのコースしか残されておらず、カットやチェックを明確に受けてしまうために出せず、パススピードも上がらないことから、無理をしてそこを使うことも出来なかった。

ソシエダの守備としては中盤とディフェンスラインの距離を縮め、フラットな二枚のラインを中心にきっちりと高く保ち、パスコースを塞ごうとするものだった。バルサの縦パスを中心に防げていたことから成功しているように見えていたものの、アレクシス・サンチェスの度重なる飛び出しと、セスク、チアゴと次々に飛び出して高く保たれたディフェンスラインを使い始めたことで上手く防げなくなってきていた。バイタルエリアを利用されないように塞いでいた守備によってそこに人を入れられることこそ無かったものの、コンパクトに保ちすぎたが故にそれより一列下がったシャビから直接裏へボール出しても精度が落ちず、十分にゴールを狙える飛び出しをさせてしまっていた。
バルサは上手く相手の視線を中央に戻ってきたセスクであったりシャビに集中させ、ボールへの意識を増やしていた。ウイングは中央にブロックを作るソシエダの外からゴールへ向かってダイアゴナルに飛び出すことで、相手の視界の外から飛び出してマークを受けずに飛び出せていた。ソシエダも前へ集中してラインを整えていたものの、横をしっかりと見ていられなかったことでオフサイドラインを整えられず、バルサの飛び出しを助けていて、先制点と二点目を立て続けに許した。
ソシエダはブロックの構築と維持をメインに考えすぎ、自分たちの前でのみ相手を掴まえようとする意識が強すぎたために、外に出ている選手への意識が甘く、通常時でも対応をサイドバック一人に任せていたことで、中央へ寄せられてしまうと彼らをフリーにしてしまっていた。

三点目を奪える場面もあったものの、バルサはそれを決めきることが出来なかった。二点を取ってしっかりとパスを回せるようになっていったものの、細かい中央でのパス回しが出来ず、ポジションを常に動かしながら相手の隙間に入っていくことも出来ていなかった。ソシエダの構築したブロックは二点を失っても崩れておらず、バルサの運動量が少ないことと相まってピボーテの横や裏を取れず、ボールを戻すことが中心になってしまい、フィードによってそれらを一気に飛ばしてウイングに渡して構築していかなければならなかった。中央で回そうとすれば激しいチェックと体の寄せ方によって動きを限定されてものの、サイドへボールを展開した後もバイタルエリアに入っていこうとしていないのは流れを作る上でよくなく、ウイングから中へとスムーズに動かせないことでワンツーから裏を取るような展開を見ることもなく、中へのドリブルから相手のゾーンを崩して固めてしまうことも見られなかった。

それまで飛び出しとドリブルで流れを作っていたアレクシス・サンチェスが負傷退場をしたのは大きく、途中投入されたビジャではその流れの中で有効な働きは期待できなかった。ビジャはよりタッチライン際に立ってボールを引き出すことは出来ても、サポートを必要としながら裏を取る動きをする選手で、中へカットインするにも中盤のサポートがあった方がより活きる。バイタルエリアに入るチアゴやセスクが彼と近いポジションを取っていられれば、もっと変化を作ることが出来ていたかもしれないが、全体が右側に寄っている中でそれは難しい。ビジャの飛び出しは縦へ出られてもアレクシス・サンチェスのようにスピードとドリブルによって個人で運べるわけではなく、何よりソシエダが飛び出しを警戒していることもあって以前よりも難しくなっていた。上手く預けられたとしても孤立させてしまうために判断が難しく、有効にビジャを使えなかった。

後半になるとよりソシエダの守備は飛び出しに対して修正を行って対応してくるようになり、しっかりと飛び出す動きをしている選手を見て、ブロックを崩してでも徹底してついていくようになった。ボールを受けるウイングにしてもサイドバックが大きく張り出したり、戻る動きにもついていくようになったことで、ブロックの構築を最優先にするのではなく、動きの変化に対してついていくことを優先させるようになった印象だった。ただペドロの動きにそれだけ翻弄されてサイドが空くことでもあるから、バルサはダニエウ・アウベスのポジションを上げて、ペドロを追い越すように彼を飛び出させ、パスの収め所としても使って前へと向かうプレイをさせられるようになった。
前半はソシエダの中盤がフラットなラインを形成してディフェンスラインとの距離を狭めて中央にブロックを作っていたが、後半は中盤がディフェンスラインとの距離を狭めず、より前へチェックに向かう意識を強めていて、ディフェンスラインは裏を警戒して前半よりもラインを下げていた。バイタルエリアには入り込んで受けられるスペースが増えて、セスクやチアゴが入って、サイドからのボールを受けて反対側まで回せるようになってきていた。流れ自体は出てきていたものの、ソシエダのパスコースの切り方はしっかりと対応するもので、サイドに動かしつつ飛び出しを使うパスを出せるほどではなかった。

アギレチェには苦労をさせられて、ペナルティエリア内でボールを持たれてしまえば、背後を抑えることは出来ても、それ以上に挟み込むことが出来ておらず、バルサは縦に厚みのある守備が出来ていなかった。そこへボールを渡される要因になっていたサイドからの攻撃に関しても、積極的に前へ出てくる相手の守備からその勢いのまま上がられることで、素早く使われ方側に少ない人数を集めて守らなければならず、逆サイドをフリーにしてしまうことも多かった。積極的に上がるダニエウ・アウベスの裏側を取られることも増えていたし、ケイタも前へ攻守両面で出ることが中心となってセンターバックの前を埋められていなかった。クロスからアギレチェに決められたときもセンターバックと相手フォワードが同数で誰も余っておらず、カバーを必要としていたが、誰もカバーに行けなかったことで得点を許してしまった。
さらに悪いことにその直後のバックパスミスから同点ゴールを決められ、二点のリードがあっという間に消えてしまった。不用意なパスで同点に追いつかれてしまったものの、その最中にしたセルヒオ・ブスケツのハンドが審判に見られていなかったのは幸運でしか無く、同点に追いつかれた上に一人少なくなってしまうことだけは避けられた。しかしブスケツがした行為は当然のことながらPKに相当するもので、あのままゴールが認められたとしても得点機会の阻止で退場になるのが当然の悪質なプレイだった。

同点に追いつかれたことでメッシを投入したが、人の多い中央に起点を求めるのは難しかった。まず外のビジャにボールを預けて起点にしようとしているものの、ソシエダは前半とは違い、そこに人数をかけ、サイドバック一枚ではなく複数枚で寄せてコースを奪って下げさせる、あるいは奪ってしまうほどになっていて、中央だけではなく外の守りも堅固になっていた。唯一預けられていたポイントを楽に使えなくなったこともあって、バルサは攻め手を失いがちではあるものの、バイタルエリアの少し横にスペースがあり、メッシがそこで受けようとしているし、セスクも同じようにゴールへ近づこうとしていた。ただそこに入ったとしても上手くスピードアップできず、メッシのドリブルがスピードに乗りそうになれば体を掴まれてファウルで止められてしまい、センターバックが一気に寄せて中央のコースを消されてしまう。左のビジャと連動することが未だままならず、メッシも足下で受けようとすることが多く、相手のマークにさらされる中のそれでは安定しない。飛び出しから得点を狙っても前半のように足を止めてくれないためにフリーになることはなく、足が動いておらず、飛び出しに対して誰もサポートをしないことでこぼれ球を拾えず、二次攻撃も出来なかった。パスミスも多く、一方的に動かし続けるには至らず、ビクトル・バルデスがボールを見ていなかった場面に代表されるような、集中を欠いている印象を受けるプレイの方が多く見られた。

イニエスタを投入し、メッシが受けに戻る回数が増えたことで、横や縦でしっかりと足下に納められるようになったが、相手の勢いを持った守備によってぶつかられてしまうために上手く作れず、ラインも下げられているため裏を使えない。足下へのパスが中心になるためソシエダの出足のいい守備によってフリーにはしてもらえず、むしろ体の強さで先手を取られてしまっている。変化を生み出せそうなものはなく、むしろ守備でも足が止まっていて、相手に攻められてビッグチャンスも作られてしまう。カウンターへ移行しようとしても出所を相手に潰されてスピードアップすることもままならず、前へ人数を用意することも追い越していく人数も増やせなかった。