2011 年 9 月 のアーカイブ

UEFA Champions League 11/12 -H- Matchday 2 BATEボリソフ対バルセロナ

2011 年 9 月 29 日 木曜日

■BATE Borisov 0 – 5 FC Barcelona
バルセロナはセスク・ファブレガスも先発していないこともあってか、リーガでの3-4-3から従来の4-3-3のシステムへと変更している。試合開始からポゼッションの意識が強く、ボリソフは積極的には出てこない。ペナルティエリア前まで一気にラインを下げて、その前に中盤を並べる。早い段階でビジャを使うときにはサイドバックが早めに出て潰す、あるいはパスカットを狙ってくるものの、外側をケアする意識は薄く、全体のブロックを中へ絞って構築をする。
メッシはいつものようにボランチの背後を狙ってバイタルエリアへ相手の注意を引きつけるために中央へポジションを取れず、引いて相手ブロックの手前でボールを触り、パサーとしてサイドバックのオーバーラップを利用する、あるいは自身が外へ出て、ドリブルのカットインからシュートを狙ったり、ワンツーを使って背後にでようとする。ただペナルティエリア内にまで下がることをいとわない相手の背後にスペースは無く、サイドへスペースを空けてサイドバックのオーバーラップを許してくれているとはいっても、そこから中へのクロスにコースもない。メッシのドリブルも大量にいるディフェンダーに捕まってしまう。ケイタを一列上げアンカー気味にポジションを移したシャビにも十分な時間を与えてくれていることで様々なパスを狙えても、明確なスペースが無く、ビジャが何度も早く飛び出しを狙っていても、あまりに狭く、そこに出していくのは難しい。

ボリソフの攻め方は、あれだけの人数を引いて守っていることもあって、攻撃に十分な人数を用意しないカウンター。一人でタッチライン際を駆け上がってスピードを持ってカウンターにしてしまう。あるいは最前線に残った一人がフィードを収めて、駆け上がるそれらを使っていく。その徹底とスピードは脅威で、バルサが多くの人数を前へかけなければならなくなっているために、全力で駆け上がられると守備が追いつかず、少ない人数のまま対応しなければならくなっている。

バルサにとって少しずつ光が見え始めていたのはボリソフが立ち上がりのように一気に引いてしまうだけではなく、ラインコントロールをしてペナルティエリアの外でポジションを保とうとし始めたこと。一度ビジャやサイドバックの利用によって押し下げられたものを、ボールが横に動いている間に押し上げてフラットなラインを形成しようとコントロールし始めていた。そのお陰でバルサにとっては横にボールを動かした後に、相手の背後へ飛び出せるチャンスが生まれ、動き直すことで相手の密集してスペースを与えていなかった盾のブロックを引き延ばすことが出来た。それだけではなく、前へ押し上げるためには前を向く必要があり、ファーサイドや裏への意識が少なくなる。ダニエウ・アウベスのアーリークロスから、ファーサイドのメッシが飛び出して得点に繋がったのも、二点目のペドロのゴールに繋がったのも、大きくラインを下げるのを辞めようとしているが故に、飛び出していく選手に背後を取られて視界から消してしまっていた。

ボリソフは失点によってそれまでのように守れなくなり、守備組織の作り方がずれていってしまっている。それまで自由にさせていたサイドバックやサイドのビジャに素早く寄せて中の枚数を減らし、シャビやメッシのキープに対してもチェックに出て行ってしまう。横の距離が伸びたことでビジャは中へボールを運びやすく、密集して狙いようがなかったセンターバック前にも僅かながらスペースが出来て、ケイタを始めとした多くの選手が入れるようになっている。

ボリソフはボールを持ったときにも十分に攻撃できるだけの要素を持っていて、パススピードは速く、個人のスピードもある。逆サイドへも強く意識を持ってタッチライン際に開いた選手が、中へ相手を集めている最中も狙い、意識して中央から外への大きな展開を使っている。五分のボールだと思えば躊躇なく前へ奪いに出てくる姿勢も脅威で、バルサにとっては押し込みスローダウンした展開を続けていくことによって、それらを抑え込んでおきたく、飛び出しを積極的に使うよりも横に動かし、ゾーンが崩れるのを待つことを優先しているようだった。その中でも相手キーパーのミスから3点目を奪えたのは幸運だったように思う。

ここまでのリードが出来てしまえば、ボリソフは出てくるほか無く、ディフェンスラインこそ低く設定されたままだとしても、中盤は大きく前へ出てパサーに対して一定のプレッシャーと攻撃に参加する意識を見せていかなければならない。その分バイタルエリアにはスペースが出来て、序盤は利用できなかったワンツーなども相手をドリブルで引きつけてから行えるし、引きつけることが出来れば、単独で抜いていくことも可能になっている。

後半開始と共にボリソフはディフェンスラインの位置を上げ、プレッシャーをかけ始める位置も大幅に上げてスタイルを変更させてきた。それまでは一切かけてこなかったセンターバックへのプレッシャーも行い、アンカーに入っているシャビにも下がったメッシに対しても寄せてくるようになり、それぞれに時間を与えなくなってきている。開始位置の高さは攻撃にかける人数の増加にも繋がっているため、バルサは守備のことを考えて試合を動かしていかなければならず、前半のような積極的なサイドバックのオーバーラップを中心にサイドを揺さぶることは出来ない。彼らを後方に残しておかなければならず、横方向の高いポゼッションよりもフォワードのみで縦方向へのプレイが増えている。

ボリソフのプレスに慣れてくるとバルサは低く保ったシャビを中心にチアゴ、ケイタ、そしてサイドバックへと横へボールを動かし、ボリソフの守備を引き出してしまえるようになった。前から奪いに来る相手をかわして早いタイミングで縦パスを入れて速攻にしてしまうのではなく、十分に相手を引きつけてポゼッションの形にしつつサイドバックが上がるタイミングを作りながら攻める。狭い範囲しか用意できていなかった攻撃にきちんと幅広さが戻り、縦の連携にも繋がってフォワードのキープからサイドバックが飛び出す、そして十分に引きつけた上でマイナスのクロスからさらに追加点を決めた。
一度縦の連携が決まると片側のサイドを気にして縦の厚みを持たせようとし、逆サイドから絞って守るようになる。あるいはサイドにばかり視線がいって、バイタルエリアに入る選手をボランチもセンターバックも見ていなくなる。

セスクが中盤最後尾に入っているときはカウンターの抑え方が不十分で、センターバックに負担がかかっている場面が見られたものの、ケイタがアンカーに戻ってからはそういった場面は見られず、センターバックの関係もプジョルが前へ出て対処する一方、マスケラーノがしっかりとカバーリングをして後ろに対する意識を持って守り、ボリソフは中央を使えなくなっている。前半は真ん中で収めることで左右へ大きく振ったときにフリーになれるスペースを作って縦へスピードを活かしたカウンターを見せていたものの、それに対してバルサはフォアチェックを行うことで前へ蹴らせず、コースも限定して外へ押し出している。多く利用されるようになった単調な裏へのフィードもボリソフはフォワードと両サイドに人を置くだけで、跳ね返されたセカンドボールを拾う人員を配していないことで活かせていない。バルサはフィードに対応すべくラインを下げているため、全体のコンパクトさはなくなったものの、フォアチェックからの守備はある程度機能し、間延びした部分もバルサの方に有利に働いていた。5点目となるビジャのゴールもその守備の意識が最後まであったからこそ。

UEFA Champions League 11/12 -A- Matchday 2 バイエルン・ミュンヘン対マンチェスター・シティ

2011 年 9 月 28 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 0 Manchester City
バイエルンの立ち上がりはよくなく、マンチェスター・シティの方がパスワークを中心に上回っているように見える。外から中へダイレクトで動かし、カットインも狙う。あるいはジェコを走らせてフィードを当て、バイエルンのラインを下げさせた上でセカンドボールを使い、二列目からの飛び出しを促す。下がるシルバが最後尾からボールを引き出し、縦パスを入れて構築をし、中央にバイエルンの守備を集めてすぐに外へ動かす。中へ集めさせた上で崩し、外からのクロスやパスを狙う。バイエルンはルイス・グスタボが中央を上手く埋められていないことでサイドバックが中に絞りやすく、クイックな展開に前後どちらを取るか明確ではなく止められなかった。センターバックのヴァン・ブイテンにしても、相手を前で押さえようとするあまり、アグエロに釣られて出てしまい、動き直されて背後を取られるときにはスピードで劣る彼は追いかけてもコースを塞げ無くされてしまう。

守勢に回っていることでバイエルンはパスを使った構築が出来ず浮き球を中心に使わなければならない。足下へきちんと収まらず、競り合いになればディフェンスラインを押し上げきることができずに繰り返しになってしまう。特にバイエルンは素早いプレッシングによって苦しめられ、縦パスを入れようとしてもセンターバックに掴まえられ、最後尾でゆっくりボールを持てばアグエロに追い立てられる。中盤もナスリを除いて運動量豊富に守り、パスの出し手には時間を与えず、受け手をしっかり掴まえていられる。
それでもリベリのポジションがここ数試合で自由になった効果は大きく、ミカ・リチャーズに縦を切られて待ち構えられても中へのカットインが狙え、その対峙してスローダウンさせられている間にシュバインシュタイガーがパスコースには入れる。ただ押し込まれていることもあって外からのカットインに時間がかかり、中央に人を集めている間にシティのセンターバック前が埋まってしまう。逆に外をミュラーやリベリが意識させ、縦の突破を狙えば中央を埋めるはずのトゥーレ・ヤヤやバリーを引き出してしまえる。そうなればクロスに対応するのがフラットな一枚だけになる、マイナス方向もニアで触るのも狙える。バイエルンが上手くいっていないのは、一対一の勝負で仕掛けられずパスを選択し、リベリーとミュラーが共に中への意識を持ってしまっているため、相手のサイドバックを中へ入らせてしまいブロックの隙間を縮めさせてしまっているからかもしれない。ゴールを急ぐあまり、ゴールへ近づこうとし過ぎることでスペースを消している印象を受ける。

シティの対応は基本的には一対一で、それは外でも同じ。リベリーにはリチャーズが、ミュラーにはクリシーが対応し、サポートが来れば、同じように守備にもサポートが来る程度。特にクリシーのサイドは彼が対面したときには距離を取り、ポジションを動かせば距離を縮めて寄ってきてくれるお陰でポジションを空けてクロスを入れやすい環境にある。リチャーズはリベリーが自由にポジションを動かしていることで孤立しがち。ナスリは守備に積極的ではない右側へシュバインシュタイガーも合わせて流れて重心をそちらにかけることで崩しを狙っているものの、サイドに人数を集めることは出来ても中に人を用意できずに、クロスも変化も作れるほどではない。
シティのディフェンスラインの位置は低く、マリオ・ゴメスが引っ張っている間に時間をかけずバイタルエリアに入ってしまえば、トゥーレ・ヤヤ一枚のみを相手にすることに繋がり、バリーもいない状態を作れる。その一枚をリベリやクロースなりが引っ張ってしまえば、センターバックの前を誰も埋められていないことも多い。ただそれを巧みな守備で外へ追い出されて中へ出させ無くされてしまっているところに崩しきれない要因があるように見える。トゥーレ・ヤヤがフォアチェックに来たときこそ裏にスペースがあり、シティは連動して追ってこようとはしてこないため、パスを出せばチャンスになるはずが、バイエルンはそこを突こうとはせずにボールを下げてしまう。

バイエルンの守備は徐々に改善されていったものの、パスで揺さぶられることによって早いタイミングのパスを警戒してしまってパスコースに先に体を入れて奪いに行こうとしてしまっている。ゴールと直線を結ぶ位置に体を入れて、まず縦のスピードアップをさせないように、という守り方をしていない。パスカットからカウンターへの意識が強く、足を出しやすく奪いやすい位置に体を置いて、縦を空けているために切り返されて縦パスのコースを空けてしまったり、ドリブルでスピードアップされて対応に苦慮させられることになっている。特にパスを受けに戻る相手に対してスピードで負け、先手を取られては追いつけるはずもなく、スピードダウンさせることもかなわず、ボールとは関係のないところに体を入れて止めてファウルにするしか無くなってしまう。ヴァン・ブイテンがキーパーの前をしっかり埋めに戻っているおかげで何とか防げているし、ジェコには満足にプレイをさせていないという点で問題なく、外や手前に戻らせて、あるいは背後を抑えて前を向いてプレイさせない。持ち味をしっかり消していることでペナルティエリアへ向かってくる勢いこそ持たせてしまっているものの、ゴールを狙う形は作らせていない。

サイドを中心に一対一で守る相手を抜ききる必要はなく、仕掛けてパスコースさえ作ってしまえばチャンスは広がる。ディフェンスラインの裏へマリオ・ゴメスが飛び出し、そこへ早くパスを出す。その意識付けが出来ると、ディフェンスラインが下がりやすくなり、バイタルエリアを埋められていないままシティはプレイしなければならない。ディフェンスラインをコントロールしてオフサイドを取るのではなく、飛び出しに合わせて早くから下げてしまうのだから、時間をかけずに飛び出し、もっと揺さぶりをかけたいところ。しかしバイエルンは横パスを繋いで縦には仕掛けず、時間をかけながらも、後ろからの押し上げが無く、シティの守備にかける人数以上のものを用意できず、ペナルティエリア内に侵入することすら出来ない。センターバックの前で仕掛けるのがマリオ・ゴメスでは抜けるはずもなく、彼がディフェンスラインを混乱させる役割を担えばチャンスは増えるはずで、トゥーレ・ヤヤのパスを奪って仕掛けたようなクイックなショートカウンターがベストかもしれない。

得点を得た場面では、中央を埋めていたトゥーレ・ヤヤを外へ引き出し、センターバックの前を明確に埋めさせなかった。そしてリベリーがカットインすることでさらにコロ・トゥーレを引き出し、中央に二枚しかいない状態にした。パスによる崩しではなく、これまでと同じようにシュートを選択したものの、バイエルンはそれまで出来ていなかった中へ入る人数の増加をここで見せ、数的有利の状態を作り、こぼれ球を先に触って押し込むことが出来た。

得点を取ってからは不安定だったルイス・グスタボの守備が安定を見せ始め、センターバックの前を埋め続けるわけではないものの、前へ出て守備をしたときにも、サイドへのパスを警戒するのではなく、しっかりとゴールとの直線上に立ち、スピードに乗らせずドリブルを選択させないようになり、周囲を守りやすい環境にしていた。
バイエルンの後方も、攻撃に回ったときにも慣れが見え、シティの守備が囲い込むようなプレッシングではなく、一人また一人と、常に一対一の環境が作られるようなチェックに焦ることなくしっかりとグラウンダーのパスを繋げるようになったことで、連続して攻撃を受けることなく、しっかりとバイエルンの攻撃として繋げるようになっていた。
そして前半終了間際にフリーキックからニアで触り、二点目。

後半はリードしている余裕もあって、前半のように持たされているような回し方ではなく、しっかりとボールを左右に揺さぶるようになった。時間をかけて相手にゴール前を埋められたとしても、二点リードしている環境でて得点を急ぐ必要がないために問題はない。むしろそれまでの過程でシティが今までよりもチェックに出てくる意識が強く、センターバック間にギャップを作ってまで出てくるようになっていた。前へ前へと守備方法が変わったことで中盤にスペースが空きやすくなっていたり、そして攻撃にも人数をかけていて、中盤の構築がなおざりになっている。前半のバイエルンと同じようにパスコースへの意識がいってしまってスピードアップできるようにコースを譲ってくれていたりもする。ファウルの多さも、囲い込まず一対一の守備方法でリベリのような選手を抑える必要に迫られているのがシルバでは仕方がなかった。

キープ時間の長さがシティに前へボールを運ばせず、トゥーレ・ヤヤがボールを持たなければ前へボールが出ずに横へ回すだけになる。そこに緩やかながらマークをつけていることでスムーズに前へ出させず。ジェコは下がってプレイしている間は何も脅威にならず、交代によって下げさせるまでに至った。

マンチェスター・シティはトゥーレ・ヤヤに多くの役割を求めすぎて、彼が攻守両面で鍵になっていることをアピールしすぎているのかもしれない。それの解消のためにデ・ヨングを入れて、トゥーレ・ヤヤから守備負担を取り除いてセンターバックの前をデ・ヨングに埋めてもらおうとしている様子。ただサイドを主戦場としているバイエルンに有効な守り方ではなく、中に入るシュバインシュタイガーをマークしていても、他が一対一でしか来ず、マークについておらず、囲い込まないことでそこを飛ばしてパスを出すことも容易で、デ・ヨングが明確にマークをしていても、その反対側を使って逃れる事も出来るし、彼をマークにつかせて関係のないところへ走らせてしまうことも出来る。

シティがフォアチェックをして抑えにかかっても、低いディフェンスラインとの兼ね合いから徹底しきることが出来ず、どこかでポジションを修正するために止めなければならなくなる。それまでバイエルンはボールを動かして下がるのを待てばいいだけになってしまっている。前へ出せなかったとしても問題が無く、徹底できないシティの方に苦しさがある。せめて囲い込まなくても、パスコースをしっかりと切り、受け手を掴まえようとする動きが出来れば違うのかもしれないが、最後尾の押し上げがない以上、前へ人数をかけて潰すのは期待できない。一人また一人と順番に寄せてくるのではコントロールミスを誘っても奪えない。

一対一の対応に無理がでて、コースもスピードも限定できずに攻め続けられるものに対応できず、ボールを触れないことでシティにはファウルが増えていく。コロ・トゥーレがどんどん前へ出てきているのは引き出されているというほかなく、連動して押し上げられれば効果が現れていたかもしれないが、一人では効果が現れない。攻撃時にはサイドバックを押し上げてデ・ヨングとセンターバック二枚で支えるようになったとはいえ、それでもしっかりとそれぞれを掴まえ、パスコースを限定した上でカットをしていくバイエルン相手には効果的な働きは期待できない。
バイエルンは直前のブンデスリーガとは違い、しっかりと守りきるための戦い方を選択して隙無く守備をして、試合を締めくくった。

Bundesliga 7. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対レバークーゼン

2011 年 9 月 25 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 3 – 0 Bayer Leverkusen
攻撃時のバイエルンは4-1-4-1に近く、センターバックからのボールをサイドバックとアンカーの役割を果たすティモシュチュクが受け、横へスムーズにボールを動かしつつ、緩やかなチェックを続けるレバークーゼンのプレッシャーを外し、前へ展開するポイントを探す。サイドバックが積極的に仕掛けても守備的な一枚がサポートをしていることで支えてくれる。シュバインシュタイガーとミュラー、クロースは横にポジションチェンジをしながらマリオ・ゴメスの下に位置してバイタルエリアを狙い、フォワードにボール当てれば飛び出して最前列に出る。中央への人数の増加は、外に開くリベリへの対応を甘くさせ、立ち上がりにあった二枚でカットインするコースを塞ぐ徹底したマークから開放をして、縦や横の変化を生みやすくする。先制点は正に理想的な形だった。

先制点を得たバイエルンの守備は緩く、外から攻撃を仕掛けるレバークーゼンに対応し切れているとは言えない。サイドバックがそれぞれサイドアタッカーを抑えているときに中からのサポートが少なく、距離も遠く抜かれてしまうとすぐに対応できるポジションにいない。センターバックとサイドバックの隙間を狙われてしまうと、他に誰もサポートできる選手が近くにおらず、選手間を突かれ、逆サイドが埋めなければならなかった。中盤中央の二人が戻ったとしてもセンターバックのリトリートが早く、大きく下がって抜かれることに対応しようとしているため、中盤が戻っても間に合わず、大きくラインを下げがちで奪うポイントを絞れないことも多い。ここが下がってしまうとボールを奪って攻撃に回っても、前後の距離が開いてしまってスムーズにボールが出ず、サイドバックが仕掛けながら上がることも、後ろのサポートがないことで選択しづらくなっている。レバークーゼンがもう少しラインを押し上げて中盤の背後にスペースを作らないような陣形を取っていれば、バイエルンはよりボールを出せなくなっていただろうし、バイエルンもそこを空けていてバドシュトゥバーが大きく前へ止めに出なければならなくなっていたから、押し上げて早めに抑えにかかられていれば、カウンターを受けていたかもしれない。シュバインシュタイガーが下がってバランスを取っていることで守備の人数を揃えてカバーリングを行っているものの、そのことが役割を不明確にしてセンターバックの前を埋められなくしている様子。

バイエルンの守備が低く、レバークーゼンが間に入ってボールを受けられることで、前に出てきてセンターバックと競り合うシーンも増え、サイドバックも押し上げてサイドからの切り崩しも狙っていることで、バイエルンがきちんとした形で奪えればカウンターで相手の背後を突いたり、スピードアップして数的有利のまま攻めることもできるものの、奪いきるほど体を寄せて勢いを奪い、挟み込むことが出来ていなかったため、そういった崩せるカウンターは殆ど見られなかった。

サイドバックが上がりを自重することによって、センターバックが前へ出て処理をした裏側をサイドバックがケアするために残り、守備を安定させようとする姿が見られ、ティモシュチュクも早めにサイドへ出てサポートをするようになっていた。サイドバックがオーバーラップを控えることで攻撃面で人数が減ってしまうものの、そこはリベリ、クロース、ミュラーのうち二枚が近く保って同サイドに移動することでサイドバックの押し上げが不足しているのを補ってもいた。ポゼッションとクイックな展開を使い分けながら防戦一方にならないようにしていても、サイドバックが上がらなければ攻撃の幅が狭まってしまい、前半のようにクロスを入れられるほどサイドをえぐることが出来ず、中へ切れ込んだり飛び出しを狙うことで、選択肢の幅が狭まって、レバークーゼン陣内のペナルティエリアに入れても、そこからシュートまでは持っていけずに対応されてしまっていた。

バイエルンは攻撃陣が前へ残って守備時にはチェックを書ける素振りをしているものの、それが組織として徹底されておらず、パスコースの限定も考える時間の減少の効果もなくばらばらに向かうのですらなく、一人がチェックに行っても後が立っているだけ、というのも多く見られた。センターバックは引いてフィードに対応しようとしているため、前後の分離が止められておらず、前で立ち止まっているだけならば、全体を下げて対応した方がスペースを与えず、セカンドボールを安定して収められるのではないだろうか。マリオ・ゴメスに代えてルイス・グスタボを入れ、中盤の底に入れたのはそういった意図があるのかもしれず、シュバインシュタイガー、ティモシュチュク、ルイス・グスタボの三枚でセンターバック前のバランスを取っている姿も見られた。ルイス・グスタボがフィードに対して競られるようになると、後ろへそらされたとしてもセンターバックが十分にカバーでき、裏へ抜けられる心配は減る。ボールを動かすときも、三枚が横に並ぶことで、それまでよりも一列高い場所でボールを動かせるためにチェックを受けてミスもリカバリーできる、前との距離も縮めやすく、長い距離のパスに頼らなくてもいい。
ただ試合終了まできっちりとセンターバックの前を埋め、サイドバックのカバーをしきることはできず、センターバックが相変わらずサイドバックの側に寄っていかなければならなかったし、センターバックが出て行った後のスペースも埋められず、クロスに対して数的不利になっていることもあった。バドシュトゥバーが周囲の状況に関係なく出て行ってしまうことがそうしていた主な原因だったとしても、中盤の底に並んだ3人のうち、誰かがしっかりとそれを抑えるなり、埋めるなりしなければならないはずで、失点せずロッベンが3点目を取って試合を決めたからいいものの、相手が勢いよく出てきている間は守備の穴を塞いで勝ちきらなければ。

Liga Espanola Jornada 6. バルセロナ対アトレチコ・マドリー

2011 年 9 月 25 日 日曜日

■FC Barcelona 5 – 0 Atletico Madrid
この試合の3バックは明確なセンターバックを三枚揃えるというよりも、ダニエウ・アウベスをそこに加えているために2バック+1という印象が強く、より攻撃的に相手を押し込もうとしているように見える。イニエスタ、アレクシス・サンチェスに加え、アフェライも怪我をしたために攻撃のオプションと慣れる選手がいないことで中盤以降を使い相手を圧倒しなければならないのかもしれないけれど、ダニエウ・アウベスを先日のようにウイングに使うオプションもあるのだから、と思ってしまう。

バルサは中盤と最後尾を含めて圧倒的な人数でポゼッションをして試合に入った。特にディフェンスラインにボールを扱える選手を揃えているため、プレッシャーを受けても問題なく繋ぐことが出来、焦ることも少ない。アトレチコは陣形を引き出されかねないそこに対しては積極的にボールを奪いに行こうとはせず、そこより先に出たボールに対して人数を置いておき、パスコースを切って対応するためのポジションを取っていた。ただ受け手に対してしっかりとマークについて潰そうとしているのではなく、ボールに対して視線を動かされてしまって選手の動きをあまり見ていなかった。パサーとなる選手に対しても積極的に行動を起こすこともなく、受け手となる選手は、いくらでも動き直してパスコースを作ることが出来、パサーはパスコースを簡単に得て行けた。アトレチコのサイドバックが特に縦を塞がず、マークをしない。中のゾーンへ入った選手へチェックに行く形しかしていないため、ビジャはペレアの外側を使った飛び出しを狙い、動きを限定されることなくそれを使えていた。先制点の時にはパサーにもプレッシャーがかからず、サイドバックのペレアも自身の後ろを意識していなかったことで自由にしてもらい、ゴールを奪えた。せめてアトレチコはサイドバックを広げてケアするエリアを広げ、ウイングの縦を塞ぐよう見ておく必要があり、それをせずにゾーンを縮めてしまっていたことでよりゴールに近い位置でサイドバックの裏への飛び出しを許してしまった。

バルサの問題は守備面で少し現れている。攻守の切り替えからフォアチェックをして、前で奪ってしまうことはある程度出来ていて問題は少ないものの、相手に収められ、前へボールが出来た時には問題が広がっていた。アビダルやダニエウ・アウベスが攻撃時のサポートのために前へ出ることが多く、フォアチェックに参加して後ろへ戻ることよりも前へ押さえにかかることが多いことから後方へ残る選手が足りない場面が見られた。マスケラーノとどちらかのセンターバック、それとアンカーだけが対応する形になりやすく、攻守の切り替えから奪いきれなければ、後ろに残るそれらの選手が対応するエリアが広くなってしまう。マークすべきファル顔やヂエゴの動きに合わせて左右へ動き、ただでさえ少ない人数でスペースが出来やすい中スペースを多く作ってしまう。その二人に収められるとアトレチコがスピードアップして次々と上がろうとしているために数的不利になってしまう可能性がある。そうならないためにフォアチェックによって前から奪おうとしているものの、一点に複数の人数をかけて囲い込めていても他のパスコースを塞げず、奪いきるための足が出せていなければそこへ逃れられてしまう。切り替えやチェックに向かおうとする意識は十分あるものの、パスコースの限定もあまり出来ていない中で前へ前へと向かってしまうために距離を走らなければならず、運動量を消費するような守り方になっている。狙いこそ合えば奪ってからショートカウンターも出来るわけで、二点目の場面のように奪えるものの、あの場面もパスコースや選択肢を塞げていないわけで、リスクの大きなプレイだったように思う。

バルサが大きく助けられたのはアトレチコの守備の緩さで、得点を取ったパターンすらも警戒しておらず、さらに悪いことに中央のメッシをピボーテのマリオ・スアレスが見ることもしていない。ポゼッションの形になると余計にボールに視線を動かされて選手を見ておらず、システム通り守るポジションへ居ても、ボールを見てしまっていることで入り込んでくる選手見ていない。特にピボーテはメッシを見ずに、ボールに向かうわけでもなく、居るだけになってしまっていることが多く、その左右にメッシだけでなくチアゴ・アルカンタラやセスクが入っても対応できていなかった。
途中からそこではなく、パスの出し手に対してプレッシャーをかけるようにして、パスコースを探す時間を減らし、パスの選択肢を削ろうとし始めたものの、全く受け手を見ていないために削りきれず、バルセロナのポゼッションを限定できていない。そして選手を見ていないことでさらに追加点を与えてしまった。スローインからメッシがボールを持って切れ込んでもペナルティエリアの中には選手が入ってきておらず、メッシにのみ注意をしておけば他へ出されたとしてもリカバリーできる時間があったはずなのに、メッシのスローダウンしたボールの持ち方に油断したのか、誰もマークすべき相手も居ないままゴール前をディフェンダーが埋めようとしていなかった。

アトレチコはチェックも遅れてコースを限定できておらず、マークも遅れて掴まえられていないままだったものの、足を出しに積極的に向かおうとし始めた。しかしそれぞれの動きがバラバラで、組織として抑えに向かっておらず、アフター気味に足を出してファウルになる。それでもボールの受け手を抑えようとする意識が出てきたのはアトレチコの守備を安定させてきた要素で、それぞれが掴まえられることでバルサは相手中盤の中でボールを動かせず、ディフェンスラインで回す必要が出てきた。ただボールサイドの人をしっかり掴まえようとすることで反対側にスペースが空きやすく、バルサの陣形が大きく開いてポジションチェンジも多用しながらいるために反対側までボールを運んでスペースを使ってしまえる。

後半になると選手交代を含めてさらに修正してきて、組織としてパスの出し手と受け手を抑えるために動き始め、時間とコースを与えないように厳しくぶつけて選択肢を抑えようとしていた。バルサのメッシらを交代したピボーテがしっかり見るようにしてコースを切ろうとしているし、センターバックが前へスムーズにチェックに出られる姿勢を常に取るようになった。ウイングに対しては開いて縦を塞ごうとし始め、上手くバルサの縦の勢いを殺していくようになった。
積極的に前へ奪いに行けていることで攻撃面でもショートカウンターを狙って出てこられるようになってきているし、バルサの3バックでは対応しきれない人数と幅を用意されるようになった。バルサは相手にチャンスを許したものの3バックに固執することなく4バックへと移行したことですぐに対応して安定させ、アンカー不在でディフェンスラインの前を埋める動きこそ不明確だったものの、カウンターに対して人数を揃えて守れるようになった。人数がいることで再びアトレチコの選手に対してしっかりと背後から付いて前向きにボールを受けさせず、カウンターの勢いを持たせなくなった。中盤が後ろへの意識を増やして守るいつもの体勢になっていることから、そうやって遅らせる事が出来れば戻ってきた選手と挟んで奪える。ピケが本調子ではなく、ぎりぎりの所に向かっていかずリトリートしてしまったり、スピードを必要とする守備が出来ていないのが問題だとしてもカバーが出来ていることでそれほど問題ではなく、無理をする必要のない試合展開だったことから、これで良いのかもしれない。

バルサの攻撃は4バックになったことでそれまでの中盤の多彩なポジションチェンジによるものではなくなり、しっかりと中央のメッシやセスクへボールを預け、そこからサイドへと流してサイドバックのオーバーラップを含めて使うように変化していく。中から外へのスムーズな展開を中心として揺さぶり、横の連携から縦を狙って背後を取るのが中心となっていて、細かい動きによって相手のマークを揺さぶって逆を突くのが中心となり、フリーになっている選手を使うのではなく、フリーになる動きを中心にするようになっていた。

積極的にアトレチコが奪いに来るようになったことでバルサが奪われる場面が増えた。ただアトレチコはディフェンスラインが押し上げられていないことでバルサのボールを奪いきれず、奪ってもサイドバックが上がってこられず厚みを用意できない。横パスを何度も奪われた不用意さは注意しなければならなかったが、バルサは4バックにしたことでフォアチェックからの流れ自体は安定してきていた。一人に対して人数をかけて囲い込むような場面こそ見られなくなったものの、一人に複数をかけても奪い切れていなかったために問題はなく、むしろ一人に対して一人だけ向かうことでパスコースを埋めるための選手を残せるようになり、しっかりと限定していけるようになった。サイドバックがいることで、サイドの守備に厚みがあり、フォアチェックで外に押し出しながら無理に縦を狙わせることで全てを抑えた上でパスカットを狙って奪えるようになっている。

4点目をメッシのゴールによって決められるとアトレチコは自分たちで奪いに出て行くことが少なく、リトリートしてスペースを与え、集中を失ったようだった。試合自体も緩んでスペースが出来て動き直しもあまり必要なくなったようだった。それぞれの厳しさも少なくなり、スピードアップをして試合を動かす必要が無い。一部の選手だけがゴールを決めようと瞬間的なスピードアップをすることはあるものの、アトレチコの緩さを利用してバイタルエリアに簡単に入れることがその要因で、メッシが5点目を決めた。

Liga Espanola Jornada 5. バレンシア対バルセロナ

2011 年 9 月 22 日 木曜日

■Valencia CF 2 – 2 FC Barcelona
バルセロナは前節に続きこの試合も3バックを採用して試合をスタートしている。ただこのメンバーであれば流動的に4バックへとシステムを動かしていくことが出来るわけで、状況よって対応できるのが強みだろうか。バレンシアの持ち味としてサイドからの切り崩しがあり、スピードがあるパブロ・エルナンデスや、それに加えてパワーを持つマテューがいる以上、サイドを空けておくのは得策ではないように思えるものの、ダニエウ・アウベスをあげておくことで相手を押し下げてオーバーラップさせないようにというような狙いがあるのかもしれない。ただそれも左に二枚を用意しているバレンシアを抑えるには十分には思えない。

バレンシアはフォアチェックをしてバルサにボールを持たせないようにしている。それぞれに対して近く保ち、寄せる距離を縮め、運動量を多量に使わなくとも厳しく当たれるようにしている。それが寄せの早さを生み、バルサに多くの選択肢を与えずコースを限定させ、馬連債は狙いを絞って守りやすくしている。特にきっちりと縦を塞ぎ、中へのコースを意識して体勢を整えることで外へと押し出していく。
バレンシアは前から守備をしていることで、バルサを引き出した上でのカウンターは使えず、高いラインの裏を一気に使うようなパスを出してサイドを切り崩せず、3バックの欠点でもあるディフェンダーの外側を使えていない。スローダウンをして落とし、ポゼッションを作らなければならないようバルサに守られ、ある意味ではバルサのセンターバックが三枚いてアンカーとケイタがカバーできる環境は、従来の4バックのシステムよりも守備に対応できる人数が多くなっている。フィードに対応し背後へ直接出させず、手前で止められるのもその人数が揃っているから。失点をしてしまった場面では手前で抑えられず、3バックの外側を突かれてクロスを入れられたものの、対応に問題は多くなく、囲い込みながらもパスを出させてしまったことは問題だったとしても、クロスへの対応もケイタがしっかりセンターバックが足りなくなっているところを埋めて、相手が余り、フリーになるような状況は作っていなかった。

同点後に二点目を決められた場面で問題だったのは最初のフィードをマシューの体の強さによって落とされてしまったこと。一点目とは違い、対応していたマスケラーノが落としたボールに反応して前へ引き出される形になり、横を駆け上がられるのではなく裏を明確に使われてしまった。そのためセンターバックとして中を埋めなければならなかったプジョルが外にサポートへ出なければならず、それに加えて最初のフィードからその形を作られてしまったためにアンカーが戻れなかった。サイドバックがいればそれがスライドしてファーサイドを埋められるものの、それがいないためにアンカーやケイタが戻れなければ相手の人数の方が上回ってしまい、誰も何も障害がなく決められてしまった。
その後も何度もマスケラーノの所をドリブルや飛び出しで狙われているものの、彼の対応に問題があるわけではなく、体制が整っていないうちに利用されることで問題ができてクロスまで持ち込まれただけといっていいかもしれない。対応の距離も悪くなく、止めるべき部分を止められているものの、あまりにも多く狙われて中盤からのサポートを得られないことで多くの選択肢への対応を迫られながら全てに対応しなければならないのが状況を難しくしている。一度致命的なミスをしてしまったものはソルダードのミスによって助けられたものの、もっと早い段階でマスケラーノを助ける体勢を整え、前半のうちに4バックへと移行してもよかったのではないだろうか。

バレンシアはフォアチェックの回数こそ減らしたものの、きっちりと距離を縮めたマーク自体は変わらず、バルサの縦パスの受け手を掴まえて抑え、縦パスを選択させてカットをする。体を預けて自由がないため、受けられても受け手がフリーの状況で受けていないせいで、後ろがスピードアップして追い越していくことが出来ず、奪われることを前提としたポジショニングを取ってしまって変化を与えられていない。そのことがよりマークに付きやすくしてしまい、バルサはポゼッションを高められず、中途半端な高さでゴールに迫るプレイを演出できなかった。

後半になってようやくバルセロナはシステムを本来の4バックへと戻してダニエウ・アウベスを右サイドバックにした。それまでバレンシアに縦を塞がれて得られなかったウイングへのパスコースをペドロが大きく開いて作り、サイドバックがオーバーラップを仕掛けることでマークに付ききれない状況を作る。サイドバックとウイングの二枚でサイドを使うことで、時間を得れば高い位置に横の関係を作れるものの、そこを連動させることが難しく、マークの距離を縮めてチェックを素早く行うバレンシアのブロックにかかりやすく、縦パスを中央に入れられないため、ウイングへのパスの距離が長くなりやすく、何度も利用できるほどではなかった。

守備は4バックにしたことで一応の安定を取り戻し、サイドバックがいることでディフェンダーの横を使われにくくなったものの、前へ引き出してしまえば裏を取ることは難しくない。ただバルサは積極的にセンターバックがサイドバックのカバーのために大きく出てこないようになり、ファーサイドもサイドバックが絞ることで埋めやすくなっているために、パスを通されることはあっても数が足りずに問題になることはなくなった。

バルサはメンバーを変更してより通常の4-3-3の形に近くなるようメンバー交代をしたが、ウイングへの斜めのパスはサイドバックにパスカットを常に狙われ、シャビにはマークを付けて前を向かせずタイミングを計らせない。明確な収め所を用意できない環境の中では、体重が後ろに残り常にカットされることを意識させられてバルサはプレイしなければならず、足を止めてボールを受けるために追い越せない。バレンシアはそうすることによってパスコースを減らして限定させることで狙いを絞って寄せやすくする。パスカットが上手くいけばよりバルサはでられず、その繰り返しによってバレンシアは守備組織を固めてバルサを抑えているようだった。

チアゴ投入後のバルサの変則的な3バックは中盤の増加に繋がっていた。それまでマークをされて人数を削られ、カットされることででられなくさせられていたが、中盤に人数を増やし、ダニエウ・アウベスとアビダルもサポートのために上がることでよりパスコースを増やしている。人数が増加してパスコースが増えればマークに付ききれず、パスカットを狙うポイントを絞れない。バルサがきちんと収められるようになると、チアゴが個人で持ち上がる力もあり、パスのみに絞らせなくなってきているのに加え、メッシが右にポジションを移すことで、よりマークを受けずにボールを扱えるようになり、彼が収めてボールを奪われないことでオーバーラップを促し、相手を押し込んでいく。それまでの密着したマークによって前を向けず、パスカットされて上がれないという流れから抜け出し始めていた。ただメッシが外から中へ入っていかなければ中へ選手がおらず、いくら外で試合を作ったとしても得点へ直結しない。そのメッシのカットインにはセスクのサポートが必要で、バレンシアはそのセスクがボールを受けたときにはメッシを注視しているようで、彼らがワンツーを行う、足下へパスを交換することは読まれているようだった。

ただバレンシアはチェックから相手のパスコースをコントロールすることが出来なくなってきていたため、パスカットを中心とした守備には綻びが見え始めていた。それまでであればパサーへのチェックによって限定されたコースをしっかりと埋めていれば止められていたバルサの攻撃が、パサーを自由にしているために左右から縦に様々なコースが出来て、何処を埋めていいのか解らなくなっているように見える。そこへ引いたメッシがボールを持っても誰も向かっていけず、シャビとセスクと共に同列になられてしまうと一気にそれらを抑えなければ徒労に終わってしまうわけで、誰もコースを限定しようとしなかった。セスクが裏を狙って動き出してものに対して、それまでのように足下へパスが送られ、それをパスカットするかのように、コースが限定されていない中でディフェンダーが動いてしまい、自らの裏へスペースを用意してセスクを自由にしてあげて同点ゴールをプレゼントした。
その後のバレンシアの守備には常にリスクがつきまとい、パサーを抑えられていないにもかかわらず、パスカットを狙うために飛び出してしまう。ディフェンスラインを整えられず、大きく乱しながら出て行き、背後を許してしまう。辛うじてパスを足に当て上手く抑えられているからいいものの、不用意に出て行きすぎている。メッシのカットインにもマーカーが追いかけていかなくなり、バルサが決め切れていないことで助けられている。

バレンシアの攻撃も、マシューがいたときのように前で体を張って納め、ディフェンダーを前へ引き出した上で裏を使うことが出来ておらず、素直にサイドの突破を狙っているため裏を取れなくなって、バルサは前を向いて対応して止めることが出来るようになった。背走さられて、難しいクロスへの対応を強いられておらず、スピードに乗られるとファウルにさせられることもあるものの、マテューがいた時の攻撃に比べれば対応しやすくなっていた。

終了間際にジョルディ・アルバが退場になったものの、映像もリプレイもなかったため退場理由は不明で、試合終了もロスタイムを消費しきらず、退場分の追加時間を取ることなく早く終了した。

Bundesliga 6. Spieltag シャルケ04対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 9 月 19 日 月曜日

■FC Schalke 04 0 – 2 FC Bayern Munchen
バイエルンはマリオ・ゴメスではなくペテルセンを先発させただけで後は大きな変更はなく、ローテーションをしているセントラル・ミッドフィールダーの部分だけがルイス・グスタボへになっている程度。ここの出来でバイエルンの守備の安定が決まる戦い方をしていて、この試合のグスタボは少し前へ出すぎて相手の背中を押さえられず追いかける体勢になってしまうことがあったものの、多くはきちんとセンターバック前のスペースを埋め、縦の突破を許さないように塞ぎ続けていた。

バイエルンは低いラインを整えるシャルケの裏側を積極的に使えず、相手の前でボールを扱う必要があった。カウンターになればその裏側を使える可能性は広がるものの、中心となるのはシャルケがディフェンスラインの押し上げへ積極的ではないことを利用すること。中盤とディエンすらインの間にスペースが出来ながらもシャルケはそこを埋めるためにセンターバックが上がらず、スピードとペテルセンの飛び出しを警戒するように下がっていた。それに加えて中盤より前は、バイエルンのポゼッションに対してプレスをかけに出てくるため、背後に対する意識が乏しくよりバイタルエリアが空きやすくなっていた。バイエルンは積極的にそこへ入り込みたかったが、左のリベリーが内田に掴まえられてなかなか使えず、ミュラーとのポジションチェンジや、彼が左に流れることでタッチライン際にサイドバックの気を引き、リベリーが動けるスペースを用意する必要があり、上手くバイタルエリアに入って相手のラインを乱すことが出来ていなかった。

シャルケは積極的なプレッシャーも効果は少なく、一点にしかかからず、バイエルンがボールを動かしてプレスから逃れる先を予め掴まえられていない。むしろその中へパスを出させているかと思えるほど足が動いておらず、サイドの縦パスに関してはサイドバックがきちんと抑えているものの、横パスへの反応が鈍い。ただ試合の経過と共にファウルの回数が増え、試合に熱さが出てくると運動量が発揮されるようになり、徐々にバイエルンはボールを持たされるようになって、自ら動かしているのではなく、時間をかけてパスコースを探さなければならなくなっていった。近くのパスコースを選択しても前向きにボールを扱えなくなり、消極的な選択か、あるいは大きく展開して反対サイドまで運ばなければならず、ポゼッションから形を作るのが難しくなってきていた。

得点を得たのはカウンターからで、セットプレイ後も人数を前へ残していたシャルケに対してリベリのスピードによってカウンターを仕掛け、チャンスを得た。最初のファルファンが守備の対応を誤り、前を塞がず体を掴みに行ってしまったところで勝負があったも同然で、リベリーのスピードもそれ以外の選択肢のいずれも削れず得点を許してくれた。

シャルケの攻撃がタッチライン際に偏り、中央に縦パスを収めて展開できる選択肢がないことは大きく、両サイドアタッカーの二人が外から中へポジションを移していくこともできていなかった。お陰でバイエルンはサイドバックが目へでた裏を突かれてもセンターバックをカバーリングに走らせることで十分に対応できていたし、中央も中盤を下げることで埋められ、クロスへの対応も問題がなかった。バドシュトゥバーのスピードこそ問題になった場面はあったものの、セントなーバックの動きとしては問題ない。しかし全体が相手を掴まえているように見えながらも、チェックによって選択肢を奪えているわけではなく、縦のコースを切り切れておらず、裏へ走られることを想定していないような守り方に見え、前へプレッシングをして奪うのではなく、守備組織を整えることを優先しているかのようだった。選手を掴まえておくことばかりに意識が向かっているため、落とされたボールやその手前の変化についていけず、シュートを打たれてしまう。相手の決定力の問題から助けられたのかもしれない。

リードしているとはいっても一点しかないが、バイエルンのポゼッションにかける動きはどんどんと少なくなり、相手の隙間にはいって動くこともなく、前へボールを運ぶのに時間を必要とするようになってしまった。序盤であればシャルケが前へ出るばかりで後ろへ戻ろうとしなかったお陰でバイタルエリアがそれでも空いていたが、きちんと戻るようになっていたために、ポジションチェンジもなくなった状態で時間をかければ、相手の守備組織が整ってしまう。リベリも速攻の選択肢になれず、スピードアップもしようとしなかった。内田が徹底して縦を封じて来ることと、距離を取らず詰めてこようとしていることを嫌がっている様子で、リベリ自身が仕掛けないことでより窮屈な環境を自ら作ってしまっているというのに、センターバックとサイドバックの間に入ろうとしてバイエルンの攻撃の幅を狭めてしまっていた。幅が狭めればシャルケは中へ人数を固めて守ることが出来、リベリ自身もボランチとセンターバック、あるいはサイドバックの二枚を相手にしなければならなくなり、より可能性を小さくしていた。バイエルンとしてはリベリが低くポジションを取り始めたことで内田を前へ引き出し、その裏をシュバインシュタイガーなり誰かが飛び出していきたかったが、バイエルンの中盤の底と前線との距離が開いているために時間が必要で、バイエルンもカウンターに頼らなければならなかった。

後半になってもシャルケの攻撃は中の狭い地域で試合を作れる選手がおらず、縦パスをそこへ収めることも少ない。主に外側を縦に連携しながら突破することが多く、バイエルンの守備はそれに対応するために外へ出てしまいやすく、片側に寄せられて引き出されてしまっていると言っても良いのかもしれない。外から中へとボールを動かされていれば困難な局面を作られていたかもしれず、ゴールに近い位置で裏を取られていたかもしれないものの、中へパスを出すことすら少なくフリーになるための動きもあまりしていないことで、バイエルンの守備が大きく片側へ寄せられてサイドチェンジをされたとしても、時間を必要とするため、しっかりと守備を構築し直せている。

ただバイエルンも攻撃面では同じ状態に近く、中央で構築できていない。浮き球をの処理を強いられることが多く、そこら中で競り合いが発生する。体を寄せられた後の勝負ではなかなか動かせず、運動量の足りていないバイエルンには外から中へのコースを用意できていない。その動きは個人のカットインに頼るしか無く、中央のバイタルエリアが空き、ペテルセンへセンターバックがマークをしておらず、中盤にマークを任せているためある程度の自由があるものの、そこを起点として使えず、クロースも彼と同じようには受けられていなかった。

空中戦の接触に苛立ち、ファウルが多くなってバイエルンは攻守両面でボールを笛によって失いやすく、対応の雑さが目立つようになってより攻撃らしい攻撃が無くなっていった。きちんと競り合わない場面も増え、攻撃自体はリードしていることを考えれば積極的に出続ける必要はないものの、前へ押し上げ、相手に蹴らせず、競らせない工夫はすべきだった。

ペテルセンを下げてアラバを入れたことで中央にミュラーが入った。不用意に下がっていたリベリはそこから意識して下がるようになり、動き直してフリーになろうとするようになった。攻撃の起点を右側に設けた上で左に運ぶことでシャルケのブロックをずらしてしまおうとする意図があるように見え、リベリを左に起き続けるのではなく、中央や右にまで動けるよう自由を与えていた。度々味方とポジションが被ったり、上手く隙間に入り切れていない姿が見られたものの、結果的にはそれが相手のミスを誘って追加点を得た格好になった。

シャルケはラウールを中心に縦パスを収められるようになって、サイドからだけではなく中央に動き直すだけの勢いを持って崩しを狙えるようになり、中央を経由したサイドチェンジや、そこから左右への散らしも狙えるようになった。攻撃の選択肢は増えたものの、自分たちがボールを動かしているだけで、バイエルンの守備を左右へ動かしたり、センターバックの背後を突いて、スペースを作る、囮となる変化はつけられていない。足下のパスを連続して受けようとするばかりで、誰もスペースへ走りながら受けようとしないために攻撃の流れは切れがちで、突き崩せるようには見えなかった。パスの受け手がマークにぴたりと付かれてもなおボールを足下へ受けに戻ってきてしまう。ショートカウンターにしか活路が見いだせず、それをしたとしても相手の前で受けてワンツーで抜け出すことぐらいしか選択できない、それを多用し続けたことでバイエルンは惑わされなくなっており、最後まで危なげなくバイエルンは守りきることが出来た。

Liga Espanola Jornada 4. バルセロナ対オサスナ

2011 年 9 月 18 日 日曜日

■FC Barcelona 8 – 0 CA Osasuna
バルセロナの先発メンバーにはプジョルの名前があり、アビダル、マスケラーノ、ダニエウ・アウベスも先発し、十分に4バックを組めるメンバーを用意していた。最初はチアゴかセスクを一列前へ上げるのかと思っていたものの、試合が始まってみると3バックを採用し、ダニエウ・アウベスを中盤ではなく右のウイングとして起用していた。

右のダニエウ・アウベスに対してはメッシが特に近く保ちサポートを行い、特に構築をスタートさせた段階でその形が多く、バルサが採用する3-4-3-では縦の連動したサポートがなかなか得られないマイナス点を横に近くいることで解消して収めやすくしていた。ダニエウ・アウベスは高い位置に張り続けることで起点となりつつ相手を外へ開かせる。サイドバックがついてこなければフリーでいられ、ボールを収めてからの展開も彼に頼ることが出来たし、自由に動かして相手ゾーンの外側からディフェンスラインの背後へ出てゴールへ迫ることも出来た。オサスナとしてはアウベスを気にしなければならないのは理解していながらも、中央にメッシ、チアゴ、シャビ、セスクと進出されることでピボーテとセンターバックだけでは対応しきれず、カバーリングを行うためにサイドバックが中へ絞らなければならなくなる。バルサとしては思い描いたとおりに相手の意識を中央に集められ、逆サイドまでボールを運んだ後にダニエウ・アウベスをよりフリーにして利用し、裏への二度目の飛び出しから先制ゴールへの展開を作った。

ここの所、前線での運動量が少なく、外に開いているウイングへのサポートが出来ず、さらに得点を急ぐあまりウイングが中へ絞ってしまい、タッチライン際と中の人数のバランスが悪くなっていたものの、この試合ではそういった状況は見られず、右はメッシが、左はセスクがサポートを行えている。ビジャを追い越し、あるいはマイナス方向ではなく横に動かせるポジションを取り、スムーズに外から中への動き直しが出来るようにしている。外を大きく意識させて開かせていることによって、ピボーテを外へ引き出し、その間にメッシがセンターバックの前へ入り、中央で受けられるポジションを取る。中盤の厚みを気にしてオサスナの中盤が引き出され、フォアチェックをして抑えようとしていたこともあって、バイタルエリアを埋めるべきブロックの構築が不十分になっていた。メッシは特にカウンターの時にマークを受けておらず、センターバックが予め寄せて前を向かせない努力をしていなかった。ポゼッションに入れば、メッシへのパスカットを狙おうと早めに動き出しをしているものの、距離を縮めてからカットに動いているわけではないため、パススピードに対応し切れておらず、対応できるタイミングがあったとしてもパサーにばれてメッシではなく別のコースへ出されてしまう。そのため、センターバックはメッシへの対応を誤っているために引き出されているだけでしかなく、メッシへの対応のために引き出された裏側をセスクに飛び出されて利用されてしまい、二点目のゴールを奪われた。

オサスナは前からプレスを積極的にかけて、バルサのサイドバックを置かないシステムを突き、大きく開いた状態でボールを扱えないところを狙っているものの、バルサには中盤にボールを引き出せる選手が豊富におり、狙いを絞らせずにスムーズに動かせていた。ボールを引き出せるだけではなく、中盤の豊富さは高い位置の収め所とワイドな位置にも同様のものを用意できる。そこにサイドアタッカーではなく、中央でプレイできる面々を配していることから外から中への展開がスムーズになる。オサスナはボールを奪いに出てくるものの、バルサの少ないタッチでスムーズに動かす展開にマークに付ききれず、頻繁なポジションチェンジにマークの受け渡しもままならなかった。オサスナがブロックを作って中央を固めるとバルサはバイタルエリアを利用できなくなってしまうが、次々に進入しては離れていく選手たちによってブロックが乱れ、バックパスに合わせて出て行ってしまうと、簡単バイタルエリアへ入って行けてしまう。バックパスを含めたパスの本数を必要とする攻め方になるとそれまでセンターバックの一角のため出てこなかったアビダルがポジションを上げ攻撃に参加してくるようになる。3-4-3-のシステムでは前がかりになって後ろが手薄になりやすい部分を3バックの左右が臨機応変に出て行き埋めていくことが必要で、アビダルはそれを完璧にこなしていた。そして相手の背後を取っていたビジャが、アビダルのパスを受けて三点目のゴールを決める。

三点目以後前半の残りは運動量が減って、動き、変化し続けていたポジションが固定されてしまった。ボールをリズムよく、少ないタッチで動かし続けることが出来なくなっていたが、ビジャへの一本のロングパスで裏を取って、シュートこそ防がれたものの跳ね返りがディフェンダーに当たってオウンゴールによって4点目。そのあとはオサスナの運動量が落ちてしまってバルサを捕まえられなくおり、高い位置で素早く動かすのを許してしまう要因になった。人数こそいても厳しさが無く、囲んでいても足が出ない。セスクの上手いプレイがあったものの、オサスナの気持ちが落ちているのが現れているようで5点目。

後半開始時にアビダルを下げてアドリアーノを入れたことでシステムが4-3-3に戻るのかと思ったものの、アドリアーノがそのままアビダルの担当していたポジションに入り、ダニエウ・アウベスが右のウイングに入っていることに変更はなかった。セルヒオ・ブスケツを積極的に守備に戻らせることで、ディフェンスラインの不慣れな部分を補っているようで、アドリアーノもオーバーラップを積極的にして攻撃に参加していくのではなく、後ろに残ってバランスを取ることに注力している印象を受ける。

オサスナは前半のようにはどんどんと前へ向かっていくことはせず、ハーフウェーラインを一つのスイッチとしてそれ以上前へ向かって奪いに行こうとはしていない。ブロックを構築してゾーンを乱されないように気をつけ、隙間に入られても素早く寄せて前を向かせないようにする。使われても二枚を相手にさせることで縦への突破を防ごうとしている様子。メッシに対しては早めに付くようになって、前半からの修正をしたようだった。ただ最初のタッチにのみ気をつかっていて、一度そこへパスが出なかったときにマークを徹底することが出来ず、ボールへと視線が移ってしまって動き直しに対応できていない。左右へ動かされてセスクが上がってきたときにそこへ集まってしまって、ピボーテが左右へスライドし、その反対側に出来るスペースへメッシが入っても誰もつけない状況が多い。メッシがフリーになっていることで中盤から誰でも飛び出せ、そこに対する意識もなくなって、シャビが飛び出してループシュートから6点目。

プジョルからマクスウェルに代えたことで今度こそ4バックへ移行するかと思ったものの、やはり基本としては3バックのままだった、セルヒオ・ブスケツに後方への意識を強めさせて、スペースを埋めるようにしながらもマスケラーノ一人が中心に残っているだけ。両サイドは守備の意識を大きくしてバランスを取りつつ、必要に応じてサポートのために中盤の横くらいにまで出て行く。オーバーラップをするほどではなく、守備のバランスを取るために左右へ開いたり縮めていた。後方への意識を強く持っているものの、本職ではなく、やっていることはセルヒオ・ブスケツがいるとはいっても1バックのようだった。オサスナが縦パスを入れたときにサイドバックはパスを収める選手を抑えるために前に出て行ってしまう。その裏のケアをする選手がおらず、センターバックのマスケラーノが全てのエリアで裏に抜ける選手を見ておかなければならず、彼の負担がとても大きく、彼が抑えられる範囲ではなかった。決定的な場面を作られ失点しかけたのもそのためで、その際に多くの選手がカバーをしてパスコースを防げるほど戻ってきていれば、このやり方でも問題ないものの、それがないために大きく問題がある。ラマーをアドリアーノが抑えられるようになったことで多少マシになったが、この戦い方をするのであればボールを失ってはいけないわけで、何度かミスからボールを失いカウンターを受けてしまったのはマイナスで、アフェライのミスは致命的だった。よりセルヒオ・ブスケツがディフェンスラインに吸収されることで4バック気味に守る形が増えたものの、それよりもミスを減らすことで守備機会を減らすことで安定させた印象が強かった。

この試合は、ダニエウ・アウベスが高いポジションを取り続けることによって、多くのクロスが彼から入れられ、いつもよりも精度の高いものが連続していた。多くのアシストを奪えるほどで、彼の持ち味である飛び出しも長い距離を走らず、タイミングを伺えることや、オーバーラップの時間を待つことなくクイックに使えるのが大きい。

その後は全体に緩さが出て、ディフェンスラインが高くなったオサスナの背後を単純に突くパスが増え、それに加えてバルサの面々が外に相手を開かせる努力をしなくても中央から崩してしまえるくらい厳しさが無くなっていて、セスクの仕掛けからビジャのゴール、メッシとの細かいパス交換から彼が突破しハットトリックを決めたものなど、最終的に8点まで取ってしまった。

その後の守備の緩さがあったのはスコアを考えれば仕方が無く、失点せず体を張って止めていた部分は非常にいいプレイだった。