2011 年 8 月 のアーカイブ

Bundesliga 2. Spieltag ヴォルフスブルク対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 8 月 14 日 日曜日

■VfL Wolfsburg 0 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンの立ち上がりは緩慢で、早々に失点の危機を迎えるほど集中力を欠いていました。ヴォルフスブルクの集中した攻守の切り替えから、カウンターを許さないように縦をきっちりと塞いでいたものに比べると狙いもはっきりとせず、サイドに起点を作ろうとする意図が見える相手に対して、対策が無いように見えました。
ヴォルフスブルクの守備はリベリーやミュラーに対して、スピードに乗らせないように体を寄せ、縦を塞ぐことを中心としてカウンターをさせず、マリオ・ゴメスに対してもきっちりと体を寄せて自由を奪い続けていましたし、厳しさを持っていました。
バイエルンはそれをかいくぐるためにパスを連続して使い、動きに変化を与えつつ逆サイドへ大きく揺さぶり、相手のゾーンを左右へ走らせることで陣形を崩してしまおうとしていました。ヴォルフスブルクが縦を塞ぐことを徹底し、複数で囲い込めるようボールサイドに人数をかけようとしていましたから、左右へボールを動かすことでオープンスペースを作らないように修正しなければならず、バイエルンの狙い通り横へ走らせることが出来ていました。横の変化を見ている間にマークの距離がずれ、カバーリングのために引いてしまい、バイエルンの中盤に対してのマークが甘くなってスペースが出来てしまっていました。バイエルンは連続してその状態を維持したいところでしたが、ディフェンスラインからのボールの引き出しこそ、シュバインシュタイガーとルイス・グスタボが相手の隙間に入る動きをしつつ出来ていましたが、そこより先が上手く連動しているとは言い難く、セントラル・ミッドフィールダーより前と後ろで分離をしている印象が強くありました。早い展開を狙えば狙うほど顕著にその分離が表れ、マークを引きはがせず前を向かせてもらえず、ヴォルフスブルクのフォアチェックに押し下げられてしまってもいました。
ただバイエルンも一定以上へ入り込むことが出来れば、動きの面で上回ることが出来ていましたし、パス&ゴーの徹底が相手の裏を取る動きになり、マークもそれによって引き剥がされていましたし、注意もそちらに向き、中へカットインするだけのスペース与え、変化ももら足せていました。問題はその時に多くのパスコースを中へ用意できていないことで、パスとドリブルを併せた二つ以上の選択肢を抱えることが出来ていれば、相手に混乱を与えて一歩遅らせる事が出来るはずなんですが、現状ではそれが無く、飛び出しもクロスのコースも防がれるほコースを用意できていませんでした。

ヴォルフスブルクの攻撃はサイドに寄り、外側から崩しを狙ってくることもあって、バイエルンは対応をサイドバックとカバーリングのセンターバックに任せてしまわないといけなくなっていました。特にバドシュトゥバーはサイドへ流れることに積極的で、中の人数が足りなくなる。ボアテング一枚が中で待っているだけになることも多々あり、ルイス・グスタボやシュバインシュタイガーが中へ入れていないところに不安を感じましたが、そこを使われるところまではいかず、助けられました。マンジュキッチのポストプレイも背の低いラームを狙って来ていましたから、バドシュトゥバーはそれにも引き出されていましたし、ファウルを重ねることにもなっていました。

長谷部はサイドバックとしてリベリーと対面する機会が多くありましたが、密着してきっちり抑えているようでした。体をひっつけて縦のコースを切り、後ろ向きに受けさせ、前を向かせずスピードに乗らせない。そして他と共に囲い込み、奪おうとする。苛立ちを与えることには成功していて、序盤は特に球離れを早くさせ、変化を作らせず怖い存在にはしていませんでした。サポートのためにクロースが流れてもオフスがしっかりと帰ってきてくれていましたし、周囲のサポートもあって十分に守れていました。前後の分離があったバイエルンでは、サイドバックがそこへ絡むことが出来ていませんでしたから、数的有利を作れず、構築の面でもクロースらが下がってきてボールを引き出そうとしても、それと連動してマリオ・ゴメスやミュラーが下がってきてくれるわけでもありませんから、距離が縮むわけではなく、入れ替わりで前へ出て行けるようになったとしても相手のゾーンの中で停滞してろくにパスを出せない。クロスやフィードを入れても、前で戦えるのはマリオ・ゴメスとミュラーだけで二枚でたたけるような受け方をせず、センターバックと中盤に挟まれるような形でしかできていませんでしたし、左右への揺さぶりがないことでそれらを引きはがせなかった。明確に二枚でカウンターを仕掛けようとしていたヴォルフスブルクとは違い効果的ではありませんでした。

運がよかったのはコーナーキックから失点したように見えましたが、オフサイドの笛と判定に助けられ、失点をせずに済み、直後にはクロースの酷いシミュレーションがありましたが、そちらは審判の判断が正しくカードが提示されました。この一連の流れによって両者にスペースが出来、バイエルンのサイドバックが仕掛けられるほどになりましたし、パスに頼らず個人での仕掛けがようやく見られるようになり、セントラル・ミッドフィールダーの二人も上がり、前後の距離が縮んで左右への揺さぶりが戻りましたが、いい流れを継続させるには残り時間が余りに少なく、前半終了までにチャンスを作れませんでした。

後半になっても前半の流れを維持できたのは好材料でしたし、より修正をしてシュバインシュタイガーが一列前のポジションを取ることも多くなり、パスを左右へ配球することに加え、自身の仕掛けで中央にも選択肢が増えたのはプラス材料でした。そしてルイス・グスタボも左右のアタッカーに対してサポートへでられるようになりましたし、外で攻撃絡む枚数が増え、マークの対象が増えたことでフォワードがセンターバックの隙間から裏を狙えるようになり、前後の距離が縮まった効果が見られるようになっていました。

守備でも孤立気味の相手を前後から挟んで奪ったり、中盤で絡め取れるようになってきていましたし、ポジションが上がって相手を押し込めているからでしょうし、センターバックgさが利、サイドバックがフォワードの前へ入るようにしてパスコースを塞げるようになったのも大きいようで、人数もパスコースも少ないヴォルフスブルクの攻撃をきっちりと止められるようになってきていました。それまでハードワークをしてきた疲れがあったのかもしれませんが、それぞれの反応が遅れてボールロストが増えましたし、リベリーもサポートを得て長谷部のマークから外れてプレイできるようになり、中へのカットインが出来るほどのスペースを得ましたし、ドリブルでの横の変化は相手の陣形を崩して裏へ抜ける助けになっていました。ディフェンスラインが整わず裏を取りやすくなり、センターバックに対してバイエルンが二枚三枚と人数をかけて仕掛けることで、センターバックがバイエルンのアタッカーに挟まれながらクリアを目指さなければならず、繋ぐことも出来なくしていましたし、シュバインシュタイガーがバイタルエリアに入ってもセンターバックが出て行けず、ヴォルフスブルクの中盤は以後への意識が少なく掴まえていなかったことでそれらをさせてくれていました。

両チームとも選手交代から共に前への勢いを出し始めましたが、上手く回っていませんでした。ヴォルフスブルクのクは運動量こそありましたが、プレッシャーの中で前へ繋げませんでしたし、あまりに酷いダイブと相まって攻撃の流れを止めがちでした。
バイエルンはパスで崩せるような飛び出しと関係を維持しつつも、カウンターのロングボールに頼らなければならず、実際にパスでの崩しは横の距離が遠くワンツーを通しきれない。裏を狙って停滞していないのはいいことでしたが、全体を通してダイレクトで動かせていないために修正が間に合ってしまい、停滞しがちでした。またバイエルンの攻撃は左からが中心となって人数もそちらに偏っていたこともあって、孤立した右へ入った宇佐美はボールへ関与しづらく、ボールを持てたとしてもサポートを得られずに苦しみましたし、彼の仕掛けからロストすることも多く、右での溜めから左右へ揺さぶる役に立てていませんでした。ゴールを狙う姿勢はよかったと思いますが、守備の集中を欠かなければ、度々あったクのコントロールが大きくなるミスを奪えていたかもしれず、攻撃では流れに取り残され、左偏重の流れの中でポジションを柔軟に中へ動かしてもよかったでしょうし、それをせずに待ち続けるだけではチャンスを得られそうにはありませんでした。ロスタイムに得点を得られた場面でも、左のリベリーが持ち続けている間、中に大きくスペースが空いたままでしたし、逆サイドにまでボールが来る状況ではありませんでしたから、中へ入ってきても良かったはずですが、結果としてルイス・グスタボのミドルシュートからのゴールが決まったことで勝ちに繋がりましたが、もっと動くべきかもしれません。

宇佐美はバイエルンの先制後には守備固めのためにヴァン・ブイテンと交代されてしまい、残念な公式戦デビューとなってしまいました。

Bundesliga 1. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・メンヘングラッドバッハ

2011 年 8 月 8 日 月曜日

■FC Bayern Munchen 0 – 1 Borussia Monchengladbach
バイエルンは積極果敢なプレッシングはせず、中途半端な守備体系を敷いているようでした。ハーフウェーラインより自陣で相手をしっかり掴まえ、縦パスを出させないようにしているわけでもなく、それより内側に入れば囲い込むわけでもありませんでした。相手センターバックに十分な時間を与え、縦パスのコースを探させた上で受けても掴まえ切れていないため通される。積極的にプレッシングに向かえば相手はミスをしてくれていましたし、縦パスに対しても相手のボランチはマークを受けながら上手く捌けるわけでもありませんでしたから、フォアチェックを行っていれば効果的に相手の攻撃を潰せていたのかもしれません。しかしそれは選択されませんでしたし、中盤のマークの緩さや縦パスをフォワードにまで通すことを許しているのは、ルイス・グスタボの中途半端さに他ならず、彼が相手の動きに対して修正せずボールばかりを見ていることで中盤の裏を簡単に取られてしまっていましたし、センターバックの前を埋められないことでバイタルエリアへ大きなスペースを用意してしまっていました。シュバインシュタイガーが前でパスの供給源としてプレイしている以上、後ろでカバーをするのが彼の役目であるはずでしたが、サイドから攻められたときにもサイドバックのサポートにでないことでセンターバックが引き出されがちでしたし、引き出された後の中央もグスタボは埋めない。人数のバランスが崩れて、アランゴやハンケの受け方の上手さもあって利用されていました。

バイエルンの攻撃は縦に早く、センターバックやセントラル・ミッドフィールダーから一気に前へと出されていました。タッチ数も少なく、早いタイミングでパスを入れていることで、左右への雨後歌詞から一気に仕掛けることになったとしても、横から縦へのリズムの変化で相手を翻弄することが出来ていました。ただタッチ数を少なくクイックにプレイしようとするあまり、ミスが増え、相手の足にかかることも多くなっていましたし、単純なパスミスも増えていました。相手が前へ出て中盤のプレッシングでそれを封じようとしてくれればもっと大きな効果をあげられたのかもしれませんが、グラッドバッハは特に引きの早いチームであることもそれ以上の効果をあげられない要因になっているようでした。そのためマリオ・ゴメスが相手が引くよりも早く裏へ飛び出して、相手の背後を突こうとすることが多く、それ自体は相手の待ち構えるブロックの範囲外でしたからよかったんですが、クイックに展開しようとする中でそれを連続してしまったことで単調さを感じさせていました。

中央こそ裏を急いでいましたが、バイエルンはタッチライン際にミュラーやクロースを開かせ外に大きな選択肢を得つつ、右はロッベンを置いて、大きく外側を使う方法も用意していました。左をタッチライン際に張らせ続けないことで、外で孤立することを防ぎ、状況に応じて中へ入ってくるなど、個人の突破に頼むのではなく、サイドバックや中盤のいずれかが近く保ってパスを動かせるようにしていました。外の利用の仕方も縦パスをマリオ・ゴメスやミュラーへ入れてから外へ動かすことで、相手を中央へ寄せてから外へ動かし対応を遅らせましたし、サポートが近いことでドリブルを仕掛けて奪われても、切り替えさえ上手くいけば奪い返すのは難しくなく、素早い寄せ方でミスを誘うことも出来ていました。グラッドバッハは全体が下がって守ることでカウンターパスをすぐに出せるポイントを持っていないことも、それをしやすくしている要因の一つのようで、バイエルンが押し込める要素はありました。

しかし徐々にタッチ数が増え、考える時間が増え、単純にロッベンも飛び出しに合わせて裏へ出さなくなっていました。グラッドバッハの攻撃が特にハンケに収まり、バイエルンが押し下げられるようになったこともあり、後ろからのサポートが減り、早く押し上げて人数をかけて左右へ展開できず、ウイングが孤立して個人の打開かバックパスを選択する割合を増やしていました。中へのパスが使えたとしてもフォワードとの間に入る選手がおらず、距離が伸び、ダイレクトで動かすような揺さぶる効果は薄くなっていました。変化をつけるべき横パスに求められているほどのパスや動きでの変化がなく、左からは中へパスをしてペナルティエリア外からディフェンダー越しにシュートを狙い、右からはクロスを入れてマリオ・ゴメスに合わせるだけ。縦パスを入れて相手の意識を中央に集めてから外を利用しているのでもありませんでしたから、ウイングへ出すパスもカットされるようになり、リズムのよかった頃の攻撃はなりを潜め、相手に守りやすさを与え、ポイントを絞らせ、体を寄せて守られるようになりました。

後半になっても上手く修正は出来ておらず、前半のいい時間帯のように外と中がスムーズに繋がっていませんでした。外からパスをフォワードに入れても相手に囲まれた状態から打開できない。後ろから出されるパスも距離が伸び、中盤が受けに下がったり、マークを外そうと動くことも少ない。センターバックが出し所に困り、横への展開が増える。前線は前線で、相手の裏や縦への意識が強すぎて、横に動かしてゲームを組み立てることを考えていないため、人数かかった相手を押し込むための攻撃を出来ておらず、ウイングもサイドバックの前や横で受けることがメインになって、相手のセンターバックとサイドバックの隙間から裏へ飛び出すような、よりゴールに近い位置でのプレイを出来ていませんでした。中盤をその位置に飛び出させることも出来ておらず、二枚のフォワード以外の選択肢が無く、手詰まりの印象はぬぐい去れません。クイックにプレイするのも焦りすぎに見えてくるほどでした。

ルイス・グスタボはポジショニングや動きの面での問題だけでなく、前半からあまりにも不用意なファウルが多く、競り合いや対人能力に優れているのはいいんですが、浮き球のセリア維持にヘディングする意志を全く見せないまま体をぶつけて相手の体勢を崩すことしかせずにファウルを取られたり、足アフターであげてファウルを取られ、そのファウルが致命的なピンチを呼び込むこともあり、流れを切ってしまってもいました。ポジショニングのミスで後方が空くのも、アランゴが選択ミスをしたり、グラッドバッハが積極的なシュートよりもパスを選択してくれなければ、より失点のピンチが増えていたかもしれません。

失点をしたプレイは、バドシュトゥバーの状況を理解していないようなコーチングと、ボアテングのはっきりしないプレイが合わさっての失点でした。ペナルティエリアの外側でしたからノイアーが処理できるものではありませんでしたし、彼とボアテングのコミュニケーションが上手くいってなかったとしても、あまりにもお粗末な失点でした。

ロッベンが下がってパスをで動かしても縦の選択肢がないためにサイドバックに外のボールをカットされてしまいましたし、リベリーが投入されてもアーリークロスをマリオ・ゴメスへ入れるだけで、リズムの変化をもたらすほどのものは彼らにも期待できず、唯一ロッベンのドリブルだけが変化と言える変化でした。しかし、ロッベンのカットインからのシュートに頼りっきりになってしまうと、チームとして崩すことよりも個人が躍起になって崩そうとするだけで、他の選手も似たように個人の仕掛けから打開を図るだけで、チームとしての崩しが無くなり、運良く繋がるのを待つだけになっていました。全体を押し上げてのプレイではなくなっていましたから、リズムが単調で、ペースの変更もよりきかなくなっていました。

時間が経過して中央を経由したサイドチェンジも出来るようになりましたが、タッチ数が多く体をぶつけられるほど時間を必要としていましたし、ペテルセンが投入されて2トップになってからは幅が狭まってそれすら消えてしまいました。

明確に2トップに変えたことで前へターゲットを二つ用意し、フィードやアーリークロスに対応しやすく、相手のセンターバックが対応しづらい状況を作るのが目的だったようでした。無理に前を増やしたため後方が薄く、中盤で組み立てる手段に乏しくなったことで単調さに拍車がかかりましたが、グラッドバッハのサイドバックとセンターバックの隙間からミュラーやリベリーが飛び出しやすくはなり、よりゴールに近い位置で相手の裏を取り、クロスも近距離で行えるのはプラスでした。決まれば一点ものというプレイは増えましたが、中央からの崩しがないために狙いを絞りやすく、いくら外を使われても中のコースを切ればいいだけでした。リベリーとロッベンが同サイドに来ることで相手のゾーンが大きく偏っても、それ以上の変化を他が作れず、攻撃の幅を狭めて相手のゾーンを狭めるだけでした。

また、守勢に回ったときに中央をきっちり埋めてくれる役割を誰もが担えておらず、グスタボが前へ張り出して抑えなければならず、ディフェンスラインにスペースが空き、人数が足りていなくなっていました。グスタボがすぐに戻れれば、また違うのかもしれませんが、出たあとの戻りの遅さが、ディフェンスラインを崩して相手に隙間に入られる要因になって、カウンターからキープされ、ゴール前まで何度も運ばれてしまいましたが、カウンターの危険を抱えながらも、グラッドバッハがシュートで終わらず、パスを何度も選択してくれたお陰で助かっていました。お陰でプレイが途切れず連続して攻められましたが、カウンターもスピードが出ず、変化に乏しいまま、中央に放り込んでは跳ね返せてしまう。開幕戦からパワープレイによる単調な攻撃を見せられるとは思いませんでした。

ちなみに大津、宇佐美両名の出番はありませんでした。

Friendly Match クラブ・アメリカ対バルセロナ

2011 年 8 月 7 日 日曜日

■Club America 0 – 2 FC Barcelona
先発メンバーはカンテラを除く選手たちで構成されていて、これまでとは違い、一軍メンバーに近い構成になってきていました。スーペル・コパへ向けて南米選手権へ参加していたアドリアーノも右サイドバックとして出場していましたが、オフの間に横に膨らんだように見えるのが少し気がかりですね。

クラブ・アメリカは積極的で、フォアチェックから抑えにかかってきていましたが、この試合のバルセロナの構成には大きな問題が無く、運動量も多くそれらをかわしていられました。キーパーもビクトル・バルデスでバックパスを処理させることに問題はありませんでしたし、ブスケツとピケのコンビはボールの扱いに長けていましたから、プレッシャーを受けても焦ることはなく、十分に前へ運ぶことが可能でした。
この試合の前線の構成はこれまでと比べると変則的で、イニエスタが左右どちらかのウイングに入るのかと思っていたんですが、どちらにも入らず中盤として終始プレイし、フォワードに入ったのはチアゴの方でした。左右のウイングとしてプレイさせるのではなく、中央引き気味の位置に彼を置き、メッシに担わせていた役割に近いものを彼へ求めているようでした。自分は彼をゴールに近い位置でプレイさせた方が、より持ち味を発揮すると思っていたので、この起用は歓迎するものでした。
中盤の高い位置に三枚を置き、プレッシャーを受けても三角形を作って逃げられるのが強みで、相手を中央へ集めつつ、左右へ展開してウイングを使えましたし、引き気味に回せば相手のディフェンシブ・ミッドフィールダーを引き出し、ペドロとビジャを中央へ呼び込める、あるいはパスを動かし、動き直して受ける一連の動きの間に三枚のうちのいずれかがバイタルエリアへ入れていて、メッシがいるときの形に近く出来ていたように思いました。ただフォワードがそのぶん中へ絞り気味にいる時間が長く、左右どちらにも高い位置に収め所を用意できず、左は特にアビダルのオーバーラップに助けられなければならなくなることもありました。アドリアーノは序盤こそ運動量が少なく、駆け上がってくれず、ドリブルでも変化をつけられませんでしたが、左のアビダルが積極的に駆け上がり、パスで変化をつけていくことが中心になっている中、ダイナミックな動きで相手を引きつけましたし、中へ入っていくことでゾーンを崩していき、クラブ・アメリカの意識を左に引きつけることが出来たためか、アドリアーノのポジションも高くなり、アシストになるクロスまで入れることができていました。

相手の得意な戦い方は解りませんが、バルサの守備はきっちりと背後を抑えて前を向かせず、攻守の切り替えを早く、コースを限定しながら寄せて、ロングボールも後ろが狙いを絞って守れる形を作れていました。アンカーの部分で若干の緩さが残るのは仕方がなく、寄せきれずに裏へ抜けられる場面もありましたし、センターバックの間に入ってくる相手に対して、誰がマークに付くのか、陣形を崩してでも付くのか、という点で不明確でした。それ以外にもドリブルで仕掛けられた際にボールへ注意が向かいすぎて、ファーサイドのマークが甘くなって前へ入られてしまっていましたし、マークも不十分なままでした。サイドを使われたときにセンターバック前のスペースを埋められているとは言い難く、ボールサイドに人が集まりすぎて、スペースを別の場所に作ってしまっていました。センターバックのブスケツが前へ引き出される形で対応をすることも多く、その分よりファーサイドは中へ絞るぶん空きやすくなっているようで、イニエスタとシャビがきっちりと戻れるようになったことで時間の経過と共に改善され、ケイタが中央に専念できるだけになりましたが、序盤は不安定さがありました。

前半のバルサの動きは非常によく、動き直しとダイレクトパスを併せて多用できるほどでしたし、ポジションの修正をサボらずに徹底できていました。相手が陣形を整え、きっちりとマークをする以前に動かしてしまえるようになり、それぞれが前を向いて受け、様々な選択肢を得ながらパスを使えるようになってきていましたし、アドリアーノもそれらの動きによって相手の陣形が崩れ、スペースが出来たところへ飛び出していけるようになっていました。ダイレクトで左右に幅広く動かせることで、相手のマークは徹底できず、反応が遅れてラフになりがちでしたし、手前で回されるパスに注意が行き、ビジャの早い飛び出しのように後ろ向きの対応を強いられるものを捉えられず、何度も通してもらえていました。相手のチェックはそれでも素早く、局面での激しさも前半終了までありましたが、ポゼッションを保つだけに下げ続けることも、最後尾で横に回し続けることもありませんでしたし、チアゴを含めた三枚が囮となってウイングまで飛ばせられましたし、縦へのパスを常に意識した処理の仕方をしていましたから、公式戦でも通用するような戦い方でした。

後半はいくつか選手交代をしつつ試合に入り、全体的に運動量が落ち、ポジションの取り直しの面で相手の隙間に入ろうとしなくなり、力を抜いているように見えるようになっていました。その結果、修正されていないセンターバックの間を抜けられそうになりましたし、選手同士の隙間に入られたときに誰がマークをするのかはっきりとしないまま推移し、不用意なバックパスで失点しかけるなどピンチの演出もありました。集中していたアビダルによって何度も助けられましたが、裏への対応に甘さが残るのは次の試合を考えると不安になある要素でした。

攻撃面のポジションの取り直しが遅れているのは善戦だけではなく、キーパーへバックパスをした後の処理にも現れ、ビクトル・バルデスが何度も浮き球を使ってサイドへ出さなければならなくなっていましたし、ダイレクトでボールを反対側へ持っていけなかった面でも現れているようでした。
シャビが下がり、フォワードの構成がここまでのプレシーズンと同じものになったこともあって、中央を空けた上で入ってきていた前半とは違い、最初から相手のマークに付かれた状態で中央を利用しなければならず、マークに付かれたままで先手を取ることが難しくなってしまいましたし、ポジションチェンジの幅も狭まってしまい、中に人がいて、そこを利用することを前提として攻めなければならず、左右からパスを入れるだけになってしまっていました。
それでもケイタやアビダルを含め、イニエスタとチアゴが横に動かし、徐々に前へと進出していくことはできていましたし、その横への動かし方でマークを外し、前を向きながら受けられるようになっていました。前を向きながら展開をすることで左右への押し上げも出来るようになり、徐々に攻撃のバリエーションを増やし修正していけました。

チアゴのボールキープも十二分に効果がありましたが、彼のボールの持ち方はボールを晒して相手の足を出させてかわしていく、ドリブラーがするような意味でのキープ力であって、中盤では少しリスクがありファウルを貰うことができても、判定に見放されれば危険でしたから、やはり前でプレイさせたいと思うような部分がありました。自分の懐へボールを入れて、相手に触らせない持ち方、体を使って相手の届かない所に起き続ける意味でのキープができるのであれば、低い位置でコントロールさせられるのかもしれませんが、少し厳しいのかもしれません。ただ、特徴のある持ち方だからこそ、相手のチェックをかわして前を向くことを意識し続けられますし、押し下げられているような窮屈な空間でも前を向けますから、嵌れば大きな強みとなるのかもしれません。

試合は時間の経過と共に、動き直して相手の隙間に入り込む回数が減り、そういった所に運動量や労力を割かなくなっていました。よりクイックな試合展開を両者の思惑により多用されるようになっていましたし、相手選手も多くが入れ替わっていることでプレッシャーを維持し続けてきていましたから、キープする難しさもあって、それを選択しているようでした。バルサは裏を狙われ、通されていることがそれまではありましたが、途中で投入されたゴメスは、裏へ抜けられないよう十分に距離を取った守備位置にいて、直接裏へ出されないようにしていましたし、それだけではなくマーク対象の選手へのチェックも行い、判断もいいものでした。高さにも対応できているため、素早い展開になっても安定が増したように見えていました。
いくつか裏を取られることはありましたが、全員が集中してペナルティエリア内でも仕事をしていましたし、前の試合のような緩さはそれほど見られませんでした。

最後はジェラール・デウロフェウの突破からケイタが決め、二点目を得て試合終了。

Friendly Match バルセロナ対グアダハラ

2011 年 8 月 4 日 木曜日

■FC Barcelona 1 – 4 Chivas Guadalajara
このプレシーズンマッチ前にジェフレンのスポルティングへの移籍が内定したようですが、昨季復帰後であったり、プレシーズンマッチとはいえ、この数試合の出来があまりに酷いことを考えれば、バルサに留まるべきではなかったでしょうから、彼のキャリアを考えればいい移籍だったのかもしれません。期待をしていた選手だけにクオリティの低下にはがっかりさせられましたが、これで選手として成長して戻ってくることを願っています。

この試合ではシャビが出場をしており、チアゴはシャビがいることで、より前での仕事に集中しているようでした。ポジションも高く、ドリブルで仕掛けつつ左右と前後にボールを運び、フォワードを追い越していくこともある。ペナルティエリア内に入る回数も多く、コンディションの良さを感じさせました。
先制点のビジャの飛び出しに代表されるように、前半はフォワードの役割がはっきりとしていて上手く機能していました。ビジャが相手のディフェンスラインを飛び出しによって押し下げ、カルモナがボールを引き出すために下がって相手を引き出し、クエンカがサイドに開いてディフェンスラインのゾーンを広げる。それらの役割にグアダハラは対応できずにディフェンスラインを整えることもマークすることもかなっていませんでした。相手のゾーンが不安定になることでサイドバックも高く保ち、相手を外へ引きつける役割を担えましたし、守備時にはフォアチェック要員にもなり、高い位置で奪いやすくもなっていました。シャビを注視していた相手に、それでもシャビをフリーにさせることが出来たのも外側へ相手を引きつけられたからで、アンカーのケイタがスムーズにセンターバックを広げさせたのもその要因でしょう。

ただ守備の不安定さは序盤から常にあり、キーパーのピントの所へ戻して組み立て直すことが出来ないことで、パスを無理にでも前へ運ばなければならなくなることもありましたし、サイドへ相手を寄せてバランスを崩させることができていたものの、それは不用意な奪われ方をすればバルサ側の守備バランスも片側に寄ってしまっていることでもあり、タッチライン際を駆け上がられて、ファーサイドからゴールチャンスを作られてしまうこともありました。バルサはその際に中へのマークも徹底できませんでしたし、クロスを上げさせない守備も出来ず、中央に厚みも用意できず、失点してもおかしくないほどでした。

ジョナタンはサイドバックとして起用され続けていますが、守備面では課題が多く、特に相手と対峙したときに露呈しがちでした。スピードに不安を抱えているためか、ボールを先に奪いたがる傾向が強く、不用意に足を出してかわされる要因を作ってしまったり、ファウルにしてしまうことも多くありました。それに加え、裏へボールを出されたときにセンターバックに頼りすぎている傾向が強く、ピケらに処理してもらうことが多すぎるようです。センターバックがサイドへ引き出されたときに中央へ入ることは出来ていますが、依然として裏を警戒したり、さらにカバーリングのために下がる必要があることを考えたポジショニングではありませんし、挟み込むことを優先して守備に穴を空けることもありました。

徐々に相手には縦のコースをそれぞれに切られ、前へ向かった展開ができなくなっていきました。シャビを経由してサイドに振り分けていくことで解消していたそれも、チアゴと共にマークされると上手く回らなくなりましたし、個人の打開を頼らなければなりませんでした。キーパーを使えないのもマイナスの要素になっていましたが、バックパスからダイレクトに動かし、後ろ向きではなく、前を向けるよう半身で受けることで何とかそれを切り抜けることができましたし、前へ抑えに出てきていることもあり、一度それを抜けられるとフリースペースが広がり、時間と人をかけられました。チアゴとシャビがバイタルエリアに侵入するとジョナタンが上手くバランスを取って中盤の底に入るようポジションを中へ移して配球する辺りはとてもいい流れでした。

後半はシャビがいなくなったことで左右へボールを散らす役割を担う選手がいなくなり、チアゴのポジションが下がるようになってしまいましたし、飛び出しでディフェンスラインを押し下げていたビジャもいなくなったことで、相手が守り方を変えられ、混乱をしなくなっていました。ペドロの飛び出しでは相手を下げきれず、受けに戻るカルモナにマークがつきやすくなってしまいましたし、クエンカにしてもサイドバックがマークをしたままいられましたから、大きな展開でそこへ預けられずカットされてしまうようになっていました。
ただ前へ向かって勢いよく守備をしてくるお陰で、前半よりも縦のふさぎ方が緩く、ボールへ意識や視線が向いて、パスコースへの配慮があまりされなくなっていました。そうなればチアゴのドリブルでかわすことも可能でしたし、センターバックを始めとした後ろの選手たちが前へ運ぶことでマークがズレ、攻撃に繋げやすくなっていました。しかし前に幅が持たせられず、キープする時間が少ないのは変わらず、相手を押し込むには不十分で、バルサが縦へコンパクトに保つ運動量を発揮できませんでした。交代選手とアビダルの運動量によってゴールに迫るものの、ゴール自体は決められず、前半のビジャと合わせて多くのチャンスを無駄にしてしまいました。

バルサが何度もチャンスを迎えながら決められないうちに、イニエスタに狙いを絞られて奪われるようになり、相手の交代して入ったフォワードのスピードを警戒して下がったために前後に間延びがより起こりやすくなり、外で止められなかったことでバイタルエリアへ簡単に入られ、あまりにも長い時間フリーにしてしまいました。誰もチェックに行かず、行けないだけの状況だったとはいえ、同点ゴールをプレゼントしたような緩すぎる守備でした。そしてその後の選手交代から状況が変化する前に追加点を奪われ逆転を許してしまいました。

その後は攻めに入ったものの相手の狙いはそのままイニエスタを潰せばいいだけで、その状況を変えられず、前後に挟み込まれてしまっていました。マーカーが付いていることもあって、ボールを展開できず、交代で入った選手たちは中央へ入りたがり、横や前に幅広い選択肢を用意するよりも密集地帯の中へと潜り込んでしまい、前半にあったような、相手の守備に様々な判断を迫るようなことはありませんでした。全員が受けに戻ってしまうため、相手は前だけに集中して守っても問題なく、潰しに出るスピードのままカウンターへと移行できる。相手にとって守りやすい環境を作り、カウンターをから三点目を献上してしまいました。

エスピノサもリベロラもいいプレイヤーで、受ける動きの上手い選手ではあるんですが、イニエスタとケイタが既に居て、ディフェンスラインを押し下げる役割がいない中でそれをやってしまうと、相手に躊躇なく前へ出てこられてしまう。ジェラールもドリブルで仕掛けるのはいいんですが、時間を無駄にかけすぎてしまって相手に固められ、バルサの重心が前へかかったあげくバックパスを選択して、手薄になった後ろの人数で対応しなければならなくなるなどどうにもなりませんでした。そしてドリブルに固執するあまり、判断が遅れてしまってサポートを得られなくなっていましたし、ペドロが動き出しで変化をつけようとしても一人で状況を変えられるものではありませんでした。クリエイティブな選手を揃えても、相手が前一方向に守備の動きを絞れれば、当然守りやすく勢いをつけて止められやすいわけで、さらに後ろに人数を揃えて守ってもいい点差にされてしまっていましたから、相手を崩せる要素を見いだせないほどでした。

最後にミスから4点目を奪われて終わり。