2011 年 5 月 のアーカイブ

UEFA Champions League Semi Final 2ndLeg バルセロナ対レアル・マドリー

2011 年 5 月 4 日 水曜日

■FC Barcelona(agg-win) 1 – 1 Real Madrid
勝利を必要とするレアル・マドリーはペペが出場停止になっていたこともあってピボーテをシャビ・アロンソとラサナ・ディアラの二枚に減らし、カカとイグアインを先発させて得点を狙うために攻撃陣の人数を増やしていました。
前の人数の増加はそのまま守備のしかたにも影響を与えていて、これまでのように自陣にブロックを構築して待ち構えるのではなく、積極的なプレッシャーをバルサ陣内に大きく踏み込んで行っていました。センターバックにもしっかりと向かって時間を与えず、中盤も掴まえておく。バルサのポゼッションや組み立てを防ごうとする意図があり、深い位置で奪えばそのままカウンターで得点を狙おうとしているようでしたが、マドリーのそのやり方はディフェンスラインを押し上げ続けられないことでスペースを作ってしまっていました。ディフェンスラインはバルサのフォワードを掴まえ、裏を取られないように気を配ることでハーフウェーライン付近や、それを越えるほどの勢いをもたらしていませんでしたから、ゾーンが縦に伸びてしまい、バイタルエリアを空けてバルサのドリブルを許してしまっていました。リカルド・カルバーリョが前へ出てチェックすることによってそこを防ごうとしていましたが、セルヒオ・ラモスに比べてスピードがありませんでしたから、バルサの方が先手を取りやすい環境になっていました。

マドリーはそれぞれがフォアチェックから攻撃に出るために駆け上がってスピードを活かしたドリブルやサイドの切り崩しも狙って来ていましたし、タッチライン際も積極的に利用してサイドバックの背後を取ろうとしていました。カウンターも人数の増加から個人の突破力に頼る割合が減り、ドリブルで仕掛けてディフェンダーの足を止めさせ、その間にもう一枚が裏へ飛び出すなどの縦の連携を中心とした崩しを狙い、ドリブルを意識した攻撃で効果的に仕掛けようとしてました。しかしそのいずれもがカウンターに依存した直線的な動きでしかなく、横への変化に乏しいまま裏を取ることに終始していましたから、バルサとしては守備ブロックを乱されることなくそれぞれがカバーリングとマークを徹底していればシュートまで持っていかれることはありませんでしたし、崩される恐れもほとんどありませんでした。

バルサは第一戦のようにウイングを大きく広げて相手のゾーンを外へ広げようとする意識はそれほどありませんでした。それよりもポゼッションを重視し戦い方で、中央にあるスペースや、相手が仕掛けた背後のスペースを利用しようとしていました。中央で受けて前を向かせてもらえるスペースがあり、そこで受けられていましたが、最後尾では安定して回せていませんでしたし、チェックをそれぞれが受けて、緩やかながらマークにも付かれていましたから、ペドロがしっかりと中への動きをして受けようとしていたことで大きく助けられていました。
一度マドリーのプレッシングをかいくぐり、ポゼッションの姿勢に入ると、人とボールを動かしてマドリーのマークを外せましたし、背後から強烈にぶつかってこず、これまでの試合に比べてフィジカルコンタクトを前面に出されませんでしたから、動かし続けることに苦労はそれほどしませんでした。フォアチェックこそしてもマドリーは徹底して終始追いかけることは出来ませんでしたから、バルサが動かし始めると一部の選手しかプレッシャーを継続し続けられず、徒労に終わるのを前提としてまで追いかける覚悟を持った選手はそれほどいませんでした。そのため、動く選手と動かない選手との間にギャップが出来、そのスペースを多いに利用させてもらえましたし、そこでボールを受けてファウルを貰えるボールの持ち方をしてファウルを貰うことでマドリーに苛立ちを与えていました。

マドリーはプジョルに持たせることで中へのパスコースを切り、限定したコースからカットを狙っているようでしたが、もたつきこそしてもプジョルはしっかりと状況判断をしてパスを選択せずに自分で持ち上がることでカウンターを防ぎ続けていましたから、マドリーはボールを奪うポイントを定められず、カウンターの起点を作れていませんでした。
右サイドではメッシがスタート位置を右に持っている関係上渋滞が起こりがちでしたが、マドリーは囲みこそしてもマルセロ以外は積極的に寄せて足を出そうとしていませんでしたからボールを動かせましたが、突破をするにはゾーンが偏りすぎていました。

マドリーがポゼッションをしても、ボールをもらうための動きがありませんでしたし、せっかくアタッカーの人数を増やしても個人が裏を狙うしか無く、一度足を止めてしまうと全体の足も止まって、サイドバックが追い越してマークを鶴動きもありませんでしたから、ばるさのまーくをずらすうごきがなく、 ディフェンダーの間で裏を狙っているだけでした。誰が起点となってパスを出すのかもはっきりとしていないため、裏を抜け出す準備をしながらもボールを見続けてしまっていましたし、足が止まっているために背後を取り切れず、ビクトル・バルデスもそれを前提としたポジショニングを取れていましたから、捉えるのは容易でした。ディ・マリアが横にフリーランをすることで変化が出来ていた程度でしょうか。

マドリーがスペースを用意してくれていたことでスピードのある展開になりがちで、メッシはピボーテの背後を取れていましたし、、そこで受けてドリブルで仕掛けていけました。マドリーはブロック構築ではなく、センターバックがリトリートして時間を稼いでいる間にピボーテが戻り、潰していく守り方になっていましたから、バルサのフォワードは皆、ディフェンダーに掴まれないように中盤の背後にポジションを取ろうとし、特にペドロはマルセロを動きで牽制して自分の形を取れていました。そしてメッシが下がったり変化を与えて、チャビやイニエスタはピボーテの横にポジションを取ろうとしていました。正面で捉えられないところに常に入っていましたから、マドリーはそこに遅れて当たらざるを得なくなり、ファウルを増やしていました。相手を戻りながら守備させることでバルサはフォアチェックをしやすくしていましたが、相手も非常にテクニックのある選手が揃っていましたからそう簡単には奪えませんでしたし、ミスもそれほど誘えていなかったのかもしれません。ただ狙い自体は絞りやすく、ピボーテを経由しなければ攻撃になりませんでしたし、守備においてもそこがメインとなって働くため、彼らがボールを触る機会が多く、特にラサナ・ディアラの球離れの悪さやボールを奪われない技術の低さを狙って囲い込むことで奪い返してチャンスを作ろうとしていました。マドリーはサポートを早めていればラサナ・ディアラも逃げるパスを出せていたのかもしれませんが、サポートが見られませんでしたから、何度かそこからショートカウンターを仕掛けられていました。

時間の経過と共にマドリーのブロック構築は曖昧になって、よりチェックに行く選手と、自分のマークすべき相手を掴まえようと動く選手、どちらもせずに余ってしまい待ち構えるディフェンスラインと分離し始め、序盤のようなチェックも不徹底になってしまったことで全体を押し上げられなくなってバルサの動かし方に対応できなくなっていました。フリーになる選手を使うことでマドリーは走らなければならず、より消耗させられることでパスコースを十分に作り主導権を握るようになっていました。マドリーは特ニラ卯ばかりを気にしていましたから、ゴール前にもこれまでのようにブロックを構築して二つのラインを形勢できず、厚みを無くしてしまっていましたから、中へのカットインもマイナスのボールも使わせてくれていました。
いくら攻撃のメンバーを揃えていても、中途半端なプレッシングに寄って守備の形を作れなければ、攻撃の人数を割いて守備に戻らなければならなくなってしまいましたし、戻っても動かされることで消耗してカウンター時に参加しきれずバリーションをもたらせない。ラサナ・ディアラが動きすぎてスペースを作りすぎている影響をセンターバックがもろに受け、守備エリアを広げなければならなくなっていましたから、カルバーリョが出て行かなければならず、ファウルを増やし、カードを要求される事態にまで至っていました。

後半はマドリーはより前がかかりに前へ人を置こうとし、戻りすぎないようにしているようでしたが、フォアチェックも自分のマーク相手を掴まえていたり、パスコースの限定などをするために動いていませんでしたから、あっという間にバルサはその背後を取りやすく、中盤をフリーにしてくれていました。特にイニエスタはピボーテの横へポジションを取らせてもらっていましたから、楽にファウルを貰えていました。

一度失点したかに思えた場面はありましたが、クリスチアーノ・ロナウドが倒れながらマスケラーノの足に当たっていたお陰で助けられました。疑問の残る判定かもしれませんが、ああいった場面でオフェンス側のファウルを取られることはリーグ戦でも何度も起こっていることですし、バルサもリーグ戦ではそういったファウルを何度も取られていましたからマドリー側には厳しいものの、それほど問題のあるジャッジだとは思いませんでした。

ただマドリーの攻撃が前半よりも改善されていたのは確かで、無理にドリブルに頼りのではなく、ボールを動かしてポゼッションの形を作り、ボールを横に多く動かすことによってバルサのプレッシングから逃げ、走らせて自分たちのペースでボールを扱おうとしているようでした。全体が上手く連動して動いているとは言い難いもので、センターバックとピボーテを中心に動かしていましたが、フォワードが受けに戻る動きが足りず、横に動いたり斜めに動いてマークをずらそうとしていませんでしたから、リズムを変える縦パスが入ることはそれほどありませんでした。
守備で目立ったのはプジョルで、サイドをえぐられた際に追いかけるスピードこそ足りませんでしたが、そこから中へのケアでパスコースを防いだりスペースを埋め、カウンターとなれば本来のポジションから大きく外れて中で潰しに向かい、相手がカウンターの横にポジションを取ろうとすればそれもしっかり潰し、ファーサイドになったときにもきちんと処理をする。幅広い横のカバーリングが守備に安定をもたらし、攻撃時の状況判断もボールを奪われるのを防いでいましたから、非常に重要な働きをしていました。

マドリーが攻撃に出ているということは後方によりスペースがあるということでもあり、ダニエウ・アウベスが持ち上がったことでマルセロが簡単に引き出され、カルバーリョも戻ることよりも対応を優先してしまい、ペドロを飛び出させてくれました。もちろんイニエスタの見事なパスがあってこそでしたが、重要な試合でいい動きをし続けていたペドロが貴重な先制ゴールを決めてくれたお陰でバルサのリードを広げて楽にしてくれました。

追いかけなければならないマドリーは消耗したイグアインに代えてアデバヨールを投入することで、さらに中央へ集めてフォアチェックに勢いを出そうとしてきたようでしたが、アデバヨールはラフなプレイをして試合を壊すばかりで、囲い込める局面を作りながらもファウルで逃げる口実を与えてくれていましたし、あまりにラフでしたからカードをすぐに出されてもおかしくなく、試合を通じてみれば退場をどこかでさせられてもおかしくないほどでした。第一戦の時もそうでしたが、交代する人選を誤ったとしか思えないほど酷いものでした。

マドリーは前へ人数をかけるだけで後方をもう埋められなくなっていましたから、バルサのカウンターを受け続ける状態で、ポゼッションをしようとしていたものも頓挫せざるを得なくなっていました。前傾姿勢になりすぎたバランスはボールを動かすには悪すぎ、前へ運びづらくさせて、それまでよりも攻撃の形を作れなくしていました。
バルサはしっかりと間延びしてスペースのある中盤でボールを動かせばより消耗させられてセーフティに試合を運べたはずですし、フォアチェックも継続させられないように出来たはずでしたが、この試合も油断をし過ぎて失点をしてしまいました。自陣ゴール近くで全員にマークをつけられてパスコースが得られていないのに繋ごうとしてしまった。それがミスになり、ショートカウンターから失点をし、無駄な得点を献上してしまいました。あの場面で大きく蹴り出しても、フォアチェックを徹底しても奪えないという意識の方がマドリーには働いていたでしょうし、前向きにボールを扱えないのであれば、自陣深くで繋ぐ必要はないはずでした。

マドリーは同点になったことで一時的に息を吹き返して、カットのために足を出したり、カウンターに走れるようになり、メッシをマンマーク気味に掴まえてバルサに起点を作らせないようにし、ルーズボールへの反応も早くなって足を動かせるようになってしまいました。ただ一度足が止まるとマドリーにはボールのないところで動いて変化をつけようとする選手がいませんでしたから詰まってしまい、バルサが戻って陣形を整える時間を十分に与えてくれましたから、崩されるほどではありませんでした。
そうして持ちこたえるうちにバルサはポゼッションとボールを奪われない持ち方をできるように回復しましたし、マドリーを動かすことでペースを取り戻すことが出来ました。
その後はメッシへ激しく当たって止めようとするだけで、バルサはそれを理解してダイレクトでボールを離すことでそれもさせていませんでしたし、カードが多くの選手に出ていることもあってそれ以上のプレイをさせていませんでした。

きちんとしたプレッシングでマドリーの攻撃を遅らせていましたから、その後の逃れ方は十分で、アビダルがベンチ入り出来ていたことも驚きでしたが、出場を出来たことがさらに驚きでした。体も細くなってしまっていましたし、今季に全力を出せる状態にあるようには思えませんでしたが、それでも彼が無事に帰ってこられたことは嬉しい出来事です。

Bundesliga 32. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対シャルケ

2011 年 5 月 1 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 1 FC Schalke 04
シャルケは守備を幅広く構成しているものの、ディフェンスラインは引いていて、タッチライン際まで広く使われることよりもバイエルンが裏を狙ってくるのを警戒しているようでもありました。ただ裏を警戒するのであれば、外へ広げず中央に厚みを持たせた方が、パスの出所を防げるでしょうし、前からチェックも多少していましたが、センターバックには自由にボールを持たせていましたし、ちぐはぐな印象が強くありました。特に中盤が前へ向かうにしても後ろへ下がるにしても遅く、バイエルンの選手を予め掴まえておこうとしていませんでしたから、中盤でパスを繋がせてしまっていましたし、中央にスペースがあることで、広がった守備も相手をスペースのある中へ招き入れることにしかなっていませんでした。内田もリベリーとの距離を広げすぎていましたから、簡単に振り向かれてしまいましたし、ドリブルで仕掛けられてカットインをも許してしまいました。

バイエルンはセンターバックを自由にしてもらっているお陰で、その間に時間をもらったサイドバックをオーバーラップさせ、ウイングの外側にも選択肢と作れましたし、飛び出させることで相手の背後をも突けていました。タイミングを合わせてフィードできていましたから、精度もタイミングも十分に整えて出せていましたから十分に合いましたし、ポストプレイをして落とすのも容易に出来ていましたし、ヴァン・ブイテンが持ち上がってもチェックすら受けず、縦パスも入れられていました。パスの出所が常にフリーであることで裏を意識した攻撃を続けられましたから、シャルケには裏へ抜けられる恐怖を定着させられましたし、ディフェンスラインが一気に戻ってより厚みのない守備にしてしまうことが出来ました。さらにシャルケの各選手たちの動きは非常に重たく、守備も攻撃も運動量がありませんでしたから、深くまで戻されてしまうと、マイナス方向のパスを警戒して埋められず、チャンスを与えてくれていました。ロッベンもリベリーもそのチャンスを逃しませんでしたし、シャルケのミスからカバーリングも不十分で足が動いていませんでしたから、あっさりと先制点を奪うことも出来ました。

シャルケは直後にショートコーナーから同点に追いつけたことで、少しだけ改善が見られ、横に広がりすぎて縦に伸びていた守備陣形に多少の厚みがでるようになり、ドリブルに対してみて下がるだけでなく、足を出せるようになりました。パスの出所になるバイエルンのセントラル・ミッドフィールダーにチェックに行き、動き直しにもマークを継続していけるようになっていました。ただセンターバックのポジションが中途半端で、裏へ抜けられないためにコンパクトに保つのか、それともカバーリングを中心として抜ける動きについていくのかが明確ではありませんでしたから、フォアチェックを行えばそれだけディフェンスラインと中盤の間にスペースが出来ていましたから、ミュラーとロッベンがそこを積極的に使い、裏へ飛び出しチャンスを作れていました。そしてそれで得たファウルから二点目を奪い、リードを手にしました。

シャルケは全く集中しておらず、運動量も足りていませんでしたから、バイエルンのクイックリスタートにもついていけず、自由にボールを扱わせて走られて縦にも崩されてしまいましたし、マークすべき相手を見ていませんでした。
攻撃に回ってもボールホルダーを誰も助けようとしておらず、ボールのみしか見ておらず、周囲に誰がいるのか、何処にパスコースが作れるかを意識しておらず、足が止まって待ち構えているだけで、常にバイエルンの選手のマークを受け、チェックを受けていましたから、縦パスを含めてボールを運ぶ手段がありませんでした。シャルケの選手たちは背後を掴まえられ、後ろ向きのままボールを扱うことしかできませんでしたから、バックパスを常に考えていましたし、バイエルンはそれを狙ってカウンターを仕掛けようとしていましたから、後方の数人だけでスピード勝負を強いられ、三点目を得るきっかけになっていました。

一部でシャルケの選手が激しく背後から掴まえ、バイエルンのパスの出し手にプレッシャーを与えようとするようになってきていましたが、バイエルンは上手くそれをかいくぐっていて、手前に受けに戻ってくる動きとセットで必ず裏へ飛び出させていましたから、激しく来る素振りを見せれば見せるほど裏を意識させられましたし、裏を意識させられるとシャルケのディフェンスラインがコンパクトに保てず、スペースが広がっていました。
バイエルンが最後尾で横に動かすだけでもシャルケはゾーンの修正が追いついていませんでしたから、その間にサイドバックのラームがオーバーラップしても対応できていませんでした。セントラル・ミッドフィールダーの二人にも明確なチェックやマークがありませんでしたから、より横の変化を明確に出来ていました。そのためシャルケは全体が引いて人数が十分にいるものの、多くが見ているだけで寄せてもおらず、抑えるポイントを絞れないから向かうことすら出来ず、ふわふわとしていました。足を出さずにボールを見ているだけでしたから、簡単い前を向かせていましたし、ドリブルをされてよりボールに集中してしまい、簡単にランニングで背後を取られていました。

シャルケの攻撃はラウールの他に明確なフォワードがおらず、フラドを左に限定していることでプレイエリアが狭く、中の運動量が全く足りていませんでした。起点とできそうなポイントは右のファルファンらしかなく、そこへのパスが来ることさえ解っていれば、コンテントもパスカットのために出て行けましたし、裏へ動き出すこともありませんでしたから、より狙いを絞りやすいようでした。内田がオーバーラップをしてファルファンと連携しようとしても横並びの関係にすぐなってしまっていましたから、バイエルンは対応する人数を増やさずに抑えられ、リベリーを守備に引き戻して奔走させる効果も得られませんでしたし、むしろバイエルンがカットしてカウンターで内田の裏を使いやすくしているだけでした。

前半終了間際にバイエルンが運動量を落として、予め掴まえて前を向かせないようにしなくなったことでシャルケがようやくボールを動かして相手陣内に多くの選手を入れられるようになっていましたが、シャルケ自身に攻撃のポイントが解っていませんでしたから、ゴール前までボールを運ぶこともままなりませんでした。
後半になってからはラウールが下がり、エドゥが投入されたことで攻撃のスタイルを明確化でき、ファルファンも中へ入れたことでフォワード同士が近くサポートしあえるようになりましたし、フラドも中央にポジションを移したことでボールにからめるようになりパスを供給できるようになってきていました。ただ依然としてフォワードはしっかりとヴァン・ブイテンを始めとした守備陣が背後を抑えて自由を全く与えていませんでしたから自分たちの形を作らせていおらず、バイタルエリアも埋めていましたから安全に推移していました。

バイエルンの後半は前半よりも攻撃に出ている印象があり、前へ多くの人数をかけるようになっていました。ウイングだけでなく、セントラル・ミッドフィールダーの二人もポジションを上げて相手陣内に入っていましたから、ウイングと横並びになり、パスをスムーズに中と外へ振り分けられるようになっていました。シャルケも多少、バイタルエリアで相手を掴まえるために体を寄せてくるようになっていましたし、センターバックのチェックも間に合うようになっていて、時間を与えすぎなくなってきていました。
バイエルンはサイドバックの裏を直接狙う回数を増やすことで、シャルケが前へ押さえに出てくる反対側へ意識を向けようとしていましたが、シャルケの運動量が増加していたことで、自由にボールを扱うエリアが下がり精度が落ちてきていましたが、未だ安定してウイングを中心に中とのバランスを保てていました。

しかし守備は徹底を欠いてきて、徐々に引いて守ってしまうようになっていました。相手の背後を掴まえられているのはフォワードだけでしたから、中盤には前を向かれてしまうようになり、パスをサイドに振り分けられてしまうようになっていました。中央に二枚のフォワードとフラドがいることもあってそれへの対応のためにバイエルンは中へ絞っていましたから、横いっぱいに開いたポジショニングに対応しきれず、フリーでボールを扱わせてしまっていましたし、リベリーやミュラーが大きく下がって守らなければならなくなっていました。ただシャルケには左右への展開力に乏しく、スムーズにタッチライン際からのクロスを入れられず、入れたとしても中のターゲットを増加させられませんでしたから助かっていました。

守備で大きく下げられることが連続してしまうと、攻撃ではカウンターしか選べなくなってしまいましたから、横の関係を保ったまま相手陣内で展開できなくなりましたし、パスコースが限られていることからカットやマークを受けやすくなっていました。それだけシャルケが人数をかけて攻撃しているということでもありましたから、きちんとカウンターの形さえ作ることが出来れば、数的有利を作りやすく、得点のチャンスはしっかりありました。守備にしてもしっかりとバイエルンはバイタルエリアに人数を置いていましたから、4点目のゴール後こそ、そこが緩んで横にずらされてゴール前を空けることもありましたが、それまではしっかりと閉じて使わせてもいませんでした。

残りの時間はバイエルンが上手く時間を使いながら試合を動かし、瞬間的なスピードアップと飛び出し、それとドリブルを使ってリズムに変化をもたらしながら追加点を狙いながら上手くプレイしていました。徹底的にキープすることこそありませんでしたし、セカンドボールを拾われてからのプレッシングも遅く引く姿勢がこびり付いてしまっていましたからシャルケにも攻められましたが、迫力はなくそれだけでした。

Liga Espanola Jornadas 34. レアル・ソシエダ対バルセロナ

2011 年 5 月 1 日 日曜日

怪我でチャンピオンズリーグへの出場すら危ぶまれる報道がなされたメッシですが、その報道の後には練習にも参加していましたし、この試合にも出場をしていました。ただイニエスタやプジョルらは帯同をしませんでしたし、いくつものポジションで選手を温存していました。先発ではフォンタスとモントーヤ、チアゴ・アルカンタラが出場していましたし、ピケ、シャビ、メッシ以外は通常のメンバー構成ではありませんでした。

ケイタがアンカーに入るのかと思えるようなメンバー構成でしたが、実際にアンカーに張ったのはシャビで、慎重なボール回しをするディフェンスラインにポジションを近づけてボールを扱って試合に入っていました。ソシエダはシャビにマークをつけるつもりでいたようで、低く保っていても一定の距離を保とうとしていましたが、アンカーに入っていることでそれも徹底することは出来ず、何度もそこを経由することが出来ました。ただ構成上、モントーヤもフォンタスも攻撃的なサイドバックとしてプレイ出来る選手ではありませんでしたから、シャビを経由してワイドに展開することが出来ても、それだけでしかありませんでした。ウイングへボールを預けている間にサイドバックがオーバーラップをして追い越していられれば、大きく揺さぶるボールが効果的に働いていたのかもしれませんが、ウイングは先日のチャンピオンズリーグの試合のように大きく外に張り出して、中へ相手の守備を集めないようにしているかのようでしたから、サイドバックが上がるためのスペースを用意するどころか蓋をしてしまっていましたし、中との距離を広げてしまっていましたから、ポゼッションに参加することもままならず、ボールを受けてもバックパスを選択することしかできませんでした。

チアゴ・アルカンタラやケイタは徐々にポジションをあげて後方のボール回しから積極的に飛び出して相手のゾーンに変化を与えようと動くようになり、特にケイタが飛び出すことで中央に変化を与え、メッシがそのこぼれ球を狙ったり、引っ張ったディフェンスラインの前を利用できるようになりましたし、前後に伸ばすことでジェフレンがドリブルでカットインを選べるようになり、こちらもメッシとの距離を縮めて変化を与えられるようになっていました。チアゴも徐々にポジションをあげられるようになり、ジェフレンとボールを動かせるようになりましたし、ワイドに広がっただけの攻撃から横へボールを動かして、相手ピボーテの背後に三枚が入る姿も見られるようになりました。
バイタルエリアの利用は効果的にゴールへ迫る形を作れそうでしたが、何度かそこを利用してもウイングが中へ絞って中央の厚みと人数の増加を助けるわけではありませんでしたから、ソシエダはピボーテを下げてスペースを埋めることで簡単にそこを閉じられましたし、警戒をさせて中盤が前へチェックへで来なくなっていきました。バルサはフォアチェックやマークを簡単に外せるようになったことで後方で安定してボールを持てるようになり、ボールの支配率こそ上がっていきましたが、チアゴもケイタも縦にパスコースを得られませんでしたから変化を与えるようなパスを出すことが出来ず、ただボールを動かしているだけ、という時間が長くありました。

モントーヤが怪我をしたことでダニエウ・アウベスが予想外の早さで入らなければならなくなったのは、休ませる上では誤算でした。コンディションや運動量の面でもあまり良くありませんでしたから、この試合の中でもそれほど重要な役割を担えそうでもありませんでした。
メッシの方から左右に流れてウイングの両名と近い位置に動くことでパス交換できるようにし、変化を産み出そうとしていましたし、ジェフレンは自分のランニングでマークを外そうとし、アフェライはケイタの飛び出しに助けられて徐々にマークから解放され始め、ある程度前を向いてボールを扱えるようになっていました。チアゴとシャビが近く保つことで、センターバックに下げずにボールを前へ出せるようになりましたし、左右へ運べるようになりましたが、チアゴにはまだリズムを変える鋭いパスを期待できるほどではなく、慎重さは前を向く姿勢が足りませんでした。

ダニエウ・アウベスが後方にいることでジェフレンが中へ入り気味にプレイするようになりましたし、ソシエダも中盤が見ておくべき相手が増え、バルサも安定した支配率から見ておくべき相手が中央に増えていることで、ソシエダは中へ絞って守らなければならなくなっていました。中盤と最後尾の距離こそ縮めてスペースを消していましたから、中へ切れ込んでも複数を相手にしなければならず、ジェフレンもアフェライも外でボールを受けて仕掛けられるようになったとしても苦労をしていました。特に縦へ仕掛けて相手のディフェンスラインをゴール前へ押し下げようとする姿勢に乏しく、バックパスやマイナス方向のパスを多用していましたから、何度もディフェンスラインを整えて、押し上げさせてしまっていましたし、厚みのある中央にカットされてしまっていました。もっと縦を意識させてしまえば、ドリブル時に中央を切らずに縦を切らなければならず、それが中央に集まっている相手をのゾーンを広げることに繋がるはずなんですが、それはありませんでした。シャビのパスから先制点を得られたことは非常に良く、中盤でボールをもらう動きこそ十分に出来ていたチアゴでしたが、この得点のようなゴールへ直結する動きをしたのは珍しく、それがしっかりと出来、尚かつ得点にまで繋がったのは今後の彼のプレイスタイルにもいい影響を与えるのではないかと期待をしています。

得点から一定のリズムを得て、状況を楽に動かせるようになったことで、ジェフレンとメッシがポジションチェンジをしてみたり、メッシが右に移り、そこから中をイメージしたドリブルをしてみたり、前後に動きつつ連動をしたり、ボールを動かせるようになりましたが、ソシエダがバイタルエリアを閉じていましたから、その手前で展開することが多く、センターバックを引き出せていませんでしたから、パスの交換やドリブルでも切り崩しきる場面は見られず、手詰まりを感じさせていましたが、ソシエダにボールを扱わせていませんでしたから、それでもいいと思える内容でした。

しかし後半開始時からはバルサのボール支配はポゼッションとしても不十分なほど緩んでしまって、ボールを受けるための動き直しが減り、タイミングも遅くスピードも足りなくなってしまっていましたし、ソシエダが引いてスペースを埋めるのではなく、前から奪うために出てくるように変わったことで、二つの要因からバルサには明確に支配することが出来なくなりつつありました。特にセンターバックがスムーズに前へボールを動かせなくなり、焦りを伴った処理をするようになり、シャビがマークを外していましたし、マークを受けていたとしても奪われませんでしたから、そこへ預けてしまえば自由に動かせましたが、後方から前へボールを動かすことに手間取ることでスムーズに攻撃へ移行できなくなってしまいましたし、ウイングへ預けるにしても、それまでであればボールを受けてから対峙する形だったものが、ボールを受けるときにチェックを受けられるようになってしまいましたし、足を出されて奪われるようにもなってしまいました。
ソシエダが前へ向かいながら守備をし、高い位置から奪い返そうとすることで、奪ってからすぐにカウンターをされ、スムーズにそれらをやられるようになりましたし、バルサは緩慢な動きでそれを後ろから追うしかありませんでした。攻守の切り替えも曖昧でしたし、足が止まっている状態で奪われていましたから、守勢に回ったときにどうしても先手を取られ、ドリブルもされましたし、それを見るばかりで背後も取られてしまいました。シャビがきちんとセンターバックが動いた後を埋めてくれていましたから問題を大きくしていませんでしたが、サイドバックが簡単に裏を取られ、センターバックが引き出されてしまっていました。
一度はキーパーにまで戻すことで安全にボールを動かすことでソシエダのチェックに対する意識を削る事が出来ましたが、バルサもどんどんとボールを受けるための動きをしなくなって緩んだ動きしかしませんでしたから、背後へ抜けられてもしっかり追いかけず、スペースを埋めてクロスを未然に防ぐことも出来ていませんでしたし、マーカーが抜かれた後の対応をできる形にもなっていませんでしたから、足を止めた状態のまま全力で向かってくる相手に対応できるわけもなく、ファウルにしてしまい、セットプレイから同点に追いつかれてしまいました。一度リードしたことでペースを落としてしまって、そこから自分たちの形を失い、相手の勢いに押し負けて失点をする。今季に何度も見たミスをこの試合でも繰り返してしまいました。

バルサは同点にされてからようやく動きに緊張感を取り戻してきたかに見えましたが、十分ではありませんでした。同点にい追いついたことで仕切り直しでソシエダが一時的にゾーンを構築してくれたからこそ、そう見えただけで、一度緩んでしまったことでパススピードも不十分でしたし、ポジションの取り直しもまだまだ足りていませんでした。ただ中盤の飛び出しから攻撃に何とか繋げようとしていましたし、ウイングとサイドバックの距離を縮めて連動を目指していましたから、その時間帯に得点を取れていれば立て直せていたかもしれませんでした。実際にフリーキックからガブリエル・ミリートのゴールが認められていれば、そうなったのかもしれませんが、オフサイドの判定を取られたことでリードできませんでした。

メッシを頼んでボールをそこに集めようとしていましたが、本来は温存されるべきコンディションですから、瞬間的にスピードアップすることが出来ず、ドリブルのスピードもキレも本来のものではありませんでしたから、他のパススピードの遅さや、ダイレクトで与える変化、リズムの変化もないことで助けにならず、ゴールに迫ったとしてもそれ以上を彼一人に頼ることは出来ず、守備を引きつけたとしてもアフェライは縦を意識せずに中へ入りすぎていましたから、せっかく相手を引きつけてもそこへ突っ込んでしまっていました。

そして守備陣の気の緩みも問題で、フォアチェックを受け、バルサの選手たちがそれを受けるためのポジションの取り直しに時間がかかるにもかかわらず、後ろで無理に繋ごうとしてしまっていましたし、ピントの足下の技術ではそれも困難だったんですが、それでもしようとしてしまっていました。それが深い位置で奪われることに繋がり、PKを与えることにもつながり、逆転を許してしまいました。

その後もバルサは選手交代を後方の選手たちのために使い切ってしまっていましたから、攻撃にかかる交代が出来ず、変化も与えられませんでした。アフェライは終始ドリブルから戻す、あるいは中へカットインしてスペースのないところへばかり向かってしまっていましたし、右はメッシと絡んだとしてもそこへゾーンを集められていましたからスペースがなく、サイドバックがウイングを追い越していく姿がなかったことに象徴されるように致命的なまでに縦への仕掛けがありませんでした。まるでチャンピオンズリーグ第二戦への予行演習でもしているかのように崩す気迫を感じられない試合でした。

幸運だったのはこの試合で勝ち点を落としたにもかかわらず勝ち点差が縮まらなかったことで、もしかするとこの試合の前にそれが行われていたことでバルサの選手たちに油断が出来ていたからこそ、この試合展開になったのかもしれません。ですが勝ち点が縮まらなかったとしても、リーガの行方が決まっていたとしても、それで仕方ないと出来るほどの内容ではなく、相手がバルサを上回って防ぎようのない敗北ではなく、同じミスの繰り返しでの自滅でしたから、そこだけは何とかしていないといけないと思える試合内容でした。