■Inter 2 – 5 FC Shclke 04
あっという間にインテルが先制点を取ったわけですが、あのショートカウンターで裏抜けられてしまえば、キーパーが飛び出して処理するのは当然ともいえ、あれを決めたスタンコビッチを褒めるべきなんでしょう。ただセンターバックが背後への意識を欠いていたのは確かで、ボールばかりを見てディエゴ・ミリートを見られていませんでした。
シャルケはカウンターを狙いたいようではありましたが、それをするためにはラウールが構築のために上下動を繰り返して、エドゥに頼らなければならない状態では数的に難しく、ファルファンはドリブルでの仕掛けは多少ありましたが、バウムヨハンはそれをしませんでしたし、後方からの押し上げもあまり期待できないため、パスを預けて時間をかけて停滞してしまっていました。特に外から中、中から外へのコースの作り方やサポートが遅く、オーバーラップも押し下げられてしまっていたために要するまでに時間がかかっていました。
インテルの攻撃も一人一人が持つ時間が長く、パスをダイレクトで繋ぐようなスタイルではありませんでしたが、サイドに流れて構築をフォワードが行う、あるいはスナイデルがそれをすることで起点を作り、サイドバックが上がる時間を稼げていましたし、それぞれが仕掛ける姿勢を強く見せていたことでシャルケの守備を押し下げることに成功をしていましたから、ボールを長時間持っていたとしても囲まれて足を出されにくく、むしろ押し下げることでシャルケのカウンターを鈍らせていました。シャルケはドリブルによって押し下げられながらも背後のスペースに対する意識は先制点を取られても全く変わることなく、非常に軽視していました。ディフェンスラインを一定に保って攻撃に出ようとしていたせいもあり、頻繁にミリートに抜けられてしまっていましたし、それを意識していないことでセンターバックはタイミングを逸して追いかけることすら出来ないこともあり、クロスを放り込まれるときでさえ、キーパーとセンターバックの間への意識が希薄で、そこを埋めようとしていませんでした。オフサイドに助けられていたからこそ追加点を許していませんでしたが、非常に危険な守り方を続けていました。
インテルが同点に追いつかれてからは、サイドへ起点を作り、相手を引き出して裏を狙っていたパターンを使わなくなり、サイドバックが攻撃参加できなくなっていましたし、直接は以後を狙うパスが増えて単発で終わることで連続した攻撃にもならなくなってしまいました。長い距離でありながら裏を狙ってしまうことでシャルケを押し下げられなくなってしまうようになりました。そのためシャルケには前線や中盤がチェイシングを行ってインテルに時間的な余裕をあえないような守備が出来るようになってしまい、バランスを取り戻させてしまいました。大きなサイドチェンジが出来ればそのチェイシングも簡単に抜け出せたのかもしれませんが、ロングパスでサイドを変えられる選手が限られていましたから、それが出来ずに時間がかかり、囲まれてしまうことも多くありました。
それでも裏へのケアを怠り続けたシャルケの守備は脆く、二点目を奪われた場面ではクロスの時点でも裏を取られていましたし、それを折り返されることを考慮してセンターバックがキーパーの前を埋めるのが当然なはずなんですが、それもしていなかった。この背後への意識の不徹底は驚くほどでした。センターバックは前へチェックにでることはありますし、フィードに対しての対応も出来ていてカットを狙ってこそいますが、特に裏へのボールに関しては両サイドバックがカバーリングをしなければならないほどでした。
インテルの守備も全く掴まえられておらず、ゾーンを構築しているだけでした。中盤もモッタがディフェンスラインに入ったときにはセンターバックがチェックに出る、あるいはカバーリングを行うか行動が出来ていましたが、それ以外の状態では自らのポジションを守るだけで、それ以外の行動をしていませんでしたから、シャルケのそれほど多いとは言えない動きにも揺り動かされ、中盤の選手たちは簡単に引き出されてバイタルエリアを空けてしまっていました。サイドに起点を作られたときも寄せてもいませんでしたし、足も出しませんし、オーバーラップをして追い越していく選手のコースも塞がない。クロスを入れられるだけの余裕を何度も与えていました。
二度目の同点を許したときにはバイタルエリアを埋めておくべき中盤の選手がおらず、ドリブルを簡単に許してチェックや裏へ抜けられるどちらにも意識をキヴは払えていませんでしたから、簡単にシュートまで許してしまっていました。パスコースを意識したリトリートをもしていませんでしたから、シュートまでの間に寄せてコースを限定することも出来ませんでしたし、本来バイタルエリアを埋めてディフェンスラインに吸収されていたモッタもそこにいませんでしたから、空白地帯が多くできてしまっていました。
後半になってシャルケの守備がそれほど改善されたわけではありませんでしたが、背後へのケアをサイドバックがすることで何とか防げていましたし、ノイアーのセーブのお陰で失点をしませんでした。センターバックも多少戻りながらプレイすることで飛び出しの効果を軽減させられるようになっていました。
ただインテルの守備は後手を踏むだけでしか無く、ラウールやエドゥがいてもそこにマークについて掴まえておこうとする意識が全くなく、ボールを持っている選手に視線と意識を取られてしまっていました。センターバックがでられないのであれば中盤こそ相手を囲い込むだけの動きやマークをして動きを制限してパスコースも減らすべきでした。それもモッタを始めとしてハルジャも誰も行っていませんでしたから、バイタルエリアにはぽっかりと穴が常に空いていて、そこへボールが入った後に後追いをするだけでした。センターバックにかかる負担は大きくなっていて、サイドバックが中盤とセットになってチェックに出て行く関係上その裏のケアも必要でしたが、それでもあまりにもセンターバックのプレイもお粗末でラウールに勝ち越しゴールを許してしまいました。そして厚みがないからこそ背後を取られたときの処理が間に合わずにオウンゴールでさらに得点を許してしまう。
シャルケはインテルのセンターバックが予め掴まえに来ない、中盤も積極的なマークをしないのを利用して、バイタルエリアで積極的にボールを受けるようになっていました。ラウールもエドゥも自由に受けさせてもらっていましたから、収めて前を向く余裕もありましたし、そこから再びウイングへボールは以後に出し、走らせることも出来るようになっていました。元々カウンターで直接裏を狙えていませんでしたから、フォワードにボールが収まる回数が多かっただけにきちんとした形になっていました。
キヴが二枚目のカードを受けたことで、ただでさえ守備も上手く行っていない中で数的不利を作られてしまったインテルはそれ以上のプレイをすることが出来ず、余計にシャルケにボールを動かされるようになってしまいました。ディフェンスラインの前はがら空き、中盤でボールを回されても誰も寄せようとしておらず、掴まえておくこともしようとしない。試合が止まっているかのように足を止めてしまっていましたし、自由に左右へボールを動かされてゾーンすら上手く構築させてもらえなくなっていました。その間にフリースペースを見つけて縦パスを入れられ、足も出していませんし、マークもありませんでしたから、センターバックの前でさえ自由があり、主導権は全てシャルケの選手に与えられていました。ドリブルをそこから初めても足が止まっているために抜けてしまいますし、ポストプレイをするだけの受け方であっても背後から圧力を受けないため、反転してシュートまで許してもらえる。5点目を奪うのに苦労はないようでした。
長友が投入されたのもあまりにも遅く、彼がチェックに向かうことで足を止めずに守る選手が出来て、シャルケのミスを誘えるようになりましたが、スコア上では第二戦を含めての結果が出ているようなものでしたから、それ以外の選手の足は止まって動きませんでした。長友が攻撃に積極的に走ったとしても集との連動を欠いた動きでしたから、チャンスに繋がるものではありませんでしたし、シャルケがそのサイドに人数をかけて守れましたから、パスを繋ぐことすらままなりませんでした。逆サイドを意識させられているわけでもありませんでしたから、周囲の問題もあり、交代の効果を出すには至りませんでした。