2011 年 4 月 のアーカイブ

Bundesliga 29. Spieltag ニュルンベルク対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 4 月 11 日 月曜日

■1.FC Nurnberg 1 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンはいつものようにセンターバックからの展開に苦しみ、サイドバックへと積極的に預けることで前へボールを運ぼうとしていましたが、ニュルンベルクはそこに集中をして対策をしてきているようで、サイドバックのラームやプラニッチにボールが渡されるとすぐに縦のコースを切り、ウイングへボールを出させないようにしていました。特に相手に背中を向けてボールを扱わなければならない状況を多く作っていましたから、サイドでプレイする時には背後からきっちりと掴まえられ、無理向かせてもらえないほど密着した守備をされてしまいました。その守備は予め外に開いて縦を塞ぎ続けていたわけではありませんでしたから、外へ押し出される形になり、上手く相手に守りの形を作られてしまいました。

ただ先制点はあっさりと入り、相手のコントロールを奪ったロッベンに、それまでのように縦のコースを切ろうとした結果、陣形が整っていない状態で中へ誘う形になり、むしろロッベンにとって得意としている切れ込みを許してしまいました。その後は見事なスルーパスからミュラーのいい動きからのゴールをアシストして先制点になりました。
しかし先制点によって流れを手にしたとは言い難く、通常のパスでもマークを受けてしまって体を寄せられてしまっていますし、守備においてもフィードを放り込まれ、空中戦の処理が得意とはいえないルイス・グスタボは体を密着されてミスを誘われたりファルにしてしまっていました。裏へ直接出されてしまうと処理を仕切れずコーナーキックにしてしまいましたし、チェイシングをされてしまえばキーパーにまですぐにバックパスをしてしまう。相手の守備のスイッチになっているサイドバックへのパスも不用意に何度も出してはミスにしてしまっていました。

バイエルンはしっかりと攻守の切り替えから積極的にプレッシングをかけているものの、カウンターのドリブルに対しては全く効果が無く、むしろ逆効果になってしまっていました。事前に待ち構えているはずのセントラル・ミッドフィールダーの二人やディフェンスラインは、スピードを落とさせたりカットを狙うのではなく簡単にリトリートしてしまいましたし、それをアタッカーが背後から追いかけるだけで相手にとって強いプレッシャーにはなっていませんでした。裏に抜けられることを怖がって一気にリトリートしてしまっているだけで、ペナルティエリア内ぎりぎりにまで下がってしまっていましたから、むしろ相手にドリブルをさせるスペースを与えてスピードに乗れる状態を作ってあげてしまっているだけでした。プレスがきっちりとかからないからディフェンスラインが下がらなければならないという見方も出来ますが、そもそもの原因はセンターバックがパスを前へ運ぶことが出来ず、過度に相手のプレッシングを嫌がってポジションを下げている為に中盤とのスペースが出来、コンパクトに保てないことに繋がっているからでしょう。守勢に回るまでにそこを圧縮してしまえばそのポジショニングも問題にならないのかもしれませんが、バックパスを受けるために上げられていませんでしたから、中盤の選手の運動量や攻守両面の動きを中途半端にすらしてしまいました。だからこそプレスもかかりませんでした。

展開する先が見つけられず、ロングボールを飛び出そうとするリベリーらに徹底して出すだけしか出来ていませんでしたし、ルイス・グスタボは顕著にその傾向が現れていました。ただニュルンベルクはスピード警戒してディフェンスラインを下げてくれましたし、リベリーに集め、あるいは逆サイドへのロングボールを多用することによってニュルンベルクに守備を集中させないようにし、ウイングとサイドバックの連携が取れるほど距離を縮められましたし、サイドバックが追い越すことで中へ切れ込みやすい環境を作っていました。リベリーも中へポジションを移してバイタルエリアに入り、フォワードと距離を狭めてゴールに近い場所でバリエーションを増やせましたし、相手がそれによってより下がることでシュバインシュタイガーも上がり、バイタルエリアに多くの人数を入れてコンパクトに保ち、裏へのパスも近い距離で出せるようになり、形らしい形が作れるようになっていました。ただ常に中へのパスやドリブルのどちらかを用意できているわけではなく、むしろ切られている回数も多いのにもかかわらずクイックに展開しようとしていましたから、その有利な環境を生かし切れずに、いつものように裏へのクロス、あるいはスルーパスを連続するようになってしまいました。相手のキーパーがしっかりとセンターバックの裏をケアしていましたから効果は薄く、ゴールを脅かせませんでした。

押し込んでいることでニュルンベルクのディフェンスラインは下がって推移していくことが多くなっていましたから、バイエルンの全体を目の前に置くことになっていて、カウンターへでるときに相手の手前からしか展開することが出来なくなっていました。バイエルンがフォアチェックをすれば、それが上手くかかる位置からニュルンベルクは攻撃をスタートしなければならず、それによってバイエルンは奪い返しやすくプレッシャーもしっかりかかるようになっていました。ただそれだけ有利な状況でありながらもディフェンスラインは簡単に下がってしまいましたから、せっかくのプレスを活かしきれずに奪い返して何度も連続した攻撃をすることができませんでした。無理に押し上げると足の遅いセンターバックが簡単に裏を取られてクラフトが飛び出さなければならず、足下の技術が怪しい彼は空振りをしてコーナーを与えてしまいましたし、その戦い方に不安を感じさせるほどでした。
プレスをかけやすい環境にありながらかかり切らないのも、やはり相手の前にいる選手がしっかりと相手のスピードを落とすために足を出したり距離を縮めようとしておらず、ドリブルで突破を狙われては追いかける形にになっていましたから、複数で囲い込める状況にありながらも相手に脅威を与えていませんでした。そして簡単にセンターバックがサイドバックの裏をケアしに引っ張られて外へ出てしまいますから、中が薄くなって逆サイドバックがスライドして中に入ってしまう。サイドの守備をサイドの選手に任せて、セントラル・ミッドフィールダーがそれらのカバーリングを行っていない影響をセンターバックが受けていましたし、センターバックが自らサイドへ流れてもしまっていましたから、周りがその影響を強く受けていました。そして中盤が最後尾に入ることもしていませんでしたから、手薄になったままでした。

後半開始時に何故二枚を変えたのか理解できないものでした。プラニッチはリベリーと上手く連携をしていましたし、彼がいることでバイタルエリアの人数を増加させてバリエーションを増やすことが出来ていました。サイドアタックをしてくるニュルンベルクを警戒してのものならティモシュチュクの交代で済ませられるはずでしたし、センターバックの動きを改善すればよかったはずですから、不思議な交代でした。
ティモシュチュクは、前への守備意識と同時に、課題だったサイドへの守備に出て行っていましたから、センターバックが安易にサイドへ出てくるのを抑えておく効果を期待できましたが、ルイス・グスタボは彼の動きを信頼していないのか、ラームとティモシュチュクで挟んでボールへアプローチできていても外に出てきてしまっていましたから、効果を上げる交代にはなっていませんでした。

そして全体の流れにしても、バイエルンは前半にいい内容を作れていたのが嘘のように、何故か裏へのパスだけで試合を動かすようになってしまいました。前半にはコンパクトに保ち、ドリブルやショートパスを使って相手を押し下げてしまえていたのに、それを継続しようと全くしておらず、ロングボールを入れて孤立した選手に預けたり、ターゲットもなく蹴るばかりになっていまっていました。そうなってしまうと相手を押し下げる効果は得られず、プレッシングも機能するポジションで動かせませんし、ニュルンベルクにポジションを上げて攻撃に出られるようにさせてしまい、特にサイドアタッカーを高く保たせてしまいました。中盤中央もプレスを行えるほどの高さと活動量を取り戻させてしまいましたし、バイエルンは時間をかけてキープさせてもらえないことで、クリアを頻繁にしなければならず、余計にパスを繋げなくなってしまいました。ボールキープできたとしても、散発的で、前半のように追い越していこうともしませんし、飛び出していこうともしませんでした。バイタルエリアに入ってショートパスを繋いで裏へという狙いもありませんし、横のサポートもなくなってしまい、自滅の様相が濃くなっていました。

そしてクラフトは二つ目のミスをしてしまい、失点へとそれは直結してしまいました。なんてことはないただのロングボールをルイス・グスタボに処理をさせず出てきたまではよかったんですが、それを繋ぐのかクリアなのかもはっきりとしない軽率なパスで相手に渡してしまい、無人のゴールへと決められてしまいました。ルイス・グスタボもキーパーがでているにもかかわらずそれを助けるような動きをしていませんでしたし、両者の動きがどちらも中途半端なままでした。

失点後すぐに三枚目の交代でクローゼを投入しましたが、ここまでの時間でやはりコンテントは積極的に上がるわけでもありませんでしたし、プラニッチがしていたようなリベリーとの連携もしていませんでした。守備の強化を考えていたとしても中途半端なポジショニングで役に立っていませんでしたし、簡単に前へ非出されて裏を使われる要素を作ってしまっていましたから、センターバックが流れてしまうのを防げていたわけでもありませんでした。
同点に追いつかれてからはようやくサイドバックが再びオーバーラップをするようになり、セントラル・ミッドフィールダーもフォワードと絡めるほど上がり、バイタルエリアに侵入していくようになっていました。サイドからのパスを中で受けて逆サイドまでスムーズに運べるようになっていましたし、前半のよかった時間帯にあったプレイと同じように、またできるようになっていいました。ただミュラーが交代していなくなってしまったことで、フォワードと中盤の関係に厚みをもたらせておらず、飛び出しのタイミングもマリオ・ゴメス一枚に任されてしまったも同然でした。パスを出すのもクローゼが担当しなければならなくなっていましたし、ティモシュチュクの展開力ではそれも期待できませんでした。

ニュルンベルクはタッチラインいっぱいに開いてサイドバックからサイドアタッカー、そして縦の連携で崩しにかかり、バイエルンのセンターバックが簡単に引き出されてしまうのを利用をしていました。それほど多くがペナルティエリア内に入っているわけではありませんでしたから、得点に直結するわけではなく、フィードを競り合って落としたとしても、きちんと足下に収まらず、パスも合っていませんでしたから、間延びしたニュルンベルクにそれほど大きなチャンスがあるわけではありませんでしたが、バイエルンが防げていたわけでもありませんでした。
バイエルンとしてはフィードを跳ね返してカウンター、そして一気に裏側へボールを出していく。それだけでしかありませんでした。特に構築するようなパスを出すわけでもなく、フォワード二枚とサイドアタッカーを走らせる程度でしかなく、ニュルンベルクのディフェンスラインが整えられていたり、オフサイドを取ろうとしていませんでしたから、裏へ抜けるチャンスはあったんですが、ロッベンをゴールの近くに置く程度の工夫しかありませんでした。

この試合後にようやくファン・ハール監督が解任されましたが、今季に限らず昨季から解任するタイミングはいくらでもありましたし、それでもなお解任をせずに続投をさせ、チーム内の不和があってもそのまま押し通し、チャンピオンズリーグ出場圏内が一層危うくなったとはいえ、引き分けで解任をする。後任監督は結局来季のユップ・ハインケスが来るまではコーチに任せてしまうようですし、自分はこのフロントの決断力の無さが迷走を招いたとしか思えず、責任を取るべき人物が他にもいるのではないかと思ってしまいますね。

Liga Espanola Jornadas 31. バルセロナ対アルメリア

2011 年 4 月 10 日 日曜日

■FC Barcelona 3 – 1 UD Almeria
バルセロナは前節に累積警告を無理に得たことや次節以降のことも考慮してメンバーを入れ替えていました。久しぶりにガブリエル・ミリートが先発をし、それぞれのポジションにマクスウェルやピント、チアゴ・アルカンタラが先発をしていました。メッシとマスケラーノのが累積警告のリーチでしたが、そのどちらも先発出場をしていました。

アルメリアの守備は積極的で、中を固めるだけではなく大きく開いてバルサが外側へ預けようとしているものに対しても掴まえようとポジションを取り直していましたし、ボールを触る選手に関してはしっかりと付いて自由にさせず振り向かせていませんでした。その出足はバルサの選手のそれが遅かったこともありますが、同じスピードで付いて後手を踏むことはありませんでしたし、中盤と最後尾も連動させて上下動をさせていましたから、コンパクトに保てていました。ボールサイドにゾーンを動かして人数もかけていましたから、バルサが利用できるスペースは少なく、ボールと人の距離が近く、フィジカルコンタクトが発生していました。
バルサの動きはチャンピオンズリーグの試合とはうって変わってボールを動かすためのポジションの取り直しや、パスコースを作る動きが足りず、マークをされるままになってしまっていましたから、ダイレクトやテンポよくボールを回すことが出来ておらず、相手を揺さぶれていませんでした。マスケラーノがセンターバックの間にまで下がってボールを触らなければならなくなることも多く、シャビやチアゴ・アルカンタラとの距離が開いてしまいましたし、彼らも積極的に戻って引き出そうとしていませんでしたから、彼らにボールが渡ったとしても全体のスピードアップにならず、ペースを掴むまでに時間をかなり必要としてしまいました。パスコースを探す必要があるほどでしたから、ダニエウ・アウベスやマクスウェルがポジションを上げてタッチライン際に起点を作ろうとしたとしても足を止めた状態でしか受けられず、オーバーラップの勢いがありませんでしたから、チェックを許してしまいそこへ守備を集める結果になっていました。無理にスペースへのパスを出して走らせようとすることもありましたが、それは意図が合わずにミスになるだけでしたから、サイドバックと中盤の連携もなく、アルメリアに掴まえられるばかりでした。
ただアルメリアの守備は密集させて距離を縮め、そして奪ってカウンターにでようとするものでしたから、バルサの選手とも距離が近く攻守の切り替えからフォアチェックをされると影響を強く受けてしまっていましたから、プレッシャーによってミスになりやすくカウンターを成功させたり、人数をかけていくことまで繋げられていませんでした。それでもこの日はキーパーがビクトル・バルデスではありませんでしたから、裏側へ直接ボールを入れられてしまうとキーパーが飛び出して処理をせずに全てをセンターバックがしなければなりませんでしたから、センターバックにかかる負担が大きく、スピードの面で特にガブリエル・ミリートに不安がありましたから危険な場面もありました。それに加え、背後を意識することで相手を自分たちの前で押さえられませんでしたし、ダニエウ・アウベスの裏側を使われたときに予め抑えられず、両サイドをドリブルで仕掛けられ、押し下げられる原因にもなっていました。

前半の中盤になって改善され始めてからは、足下のパスの連続ではなく、ようやく相手の裏へと飛び出そうとするようになっていました。ダニエウ・アウベスもそうでしたし、ウイングに入っているイニエスタもそれをするようになっていましたから、パサーが動きに合わせてスルーパスを高く保たれたディフェンスラインの裏へと出し始めていましたし、ボヤンも斜めの動きを多用してそれらの助けを十分に出来ていました。
飛び出しを警戒させることが出来るようになると、アルメリアが設定していたラインは下がってしまうようになり、ゾーン全体を下げて、人についてくる守備に遅れが生じるようになっていました。シャビはその中でボールタッチの回数を増やせましたし、外から中へのボールの動きがスムーズになり、相手の視線を動かしつつ、ダイレクトでボールを動かし、パスカットを狙って出てこさせなくしていられるようになりました。アルメリアは特にバイタルエリアを広げてしまうようになっていましたから、メッシなどは意図的にピボーテの背後を狙ってポジションを取るようになり、前向きにプレイをするようになっていました。中央に起点を作られることでアルメリアはワイドに開いてサイドバックをも抑えていた守備を狭めざるを得なくなり、そこへのチェックが緩みバルサはタッチライン際を利用していくことが少し楽になっていました。バイタルエリアに入ったメッシに注意を払われていましたが、それでもサイドへ広げられたり横へ動かされることで徹底できませんでしたし、徹底しようとすればシャビやチアゴ・アルカンタラの進入を許していましたから、バイタルエリアの利用はバルサの意図通りに出来るようになっていました。ただ、終盤にはスローダウンをしてしまい、得点を取るところまでは持っていけませんでした。

後半になってもアルメリアの守備は変わらず、コンパクトに保ちつつ前から向かっていこうとするものでした。カウンターへの選手も残していましたから、センターバックとの競争も何度か行われていましたし、ショートカウンターなどもありましたから、裏を使われていました。ただ前半と比べるとピントが飛び出してケアを使用とするようになっていましたから、多少負担は減っていましたが、直接クリアをしたりパスで繋げるわけではありませんでしたから、時間がかかって攻撃に移れないことには変わりがありませんでした。

この試合通じて、バルサはマイナスのパスを狙われてしまっていることが多く、サイドから中央へ送られるパスはもちろんのこと、中央の構築の際にもいったん預けて前へ出て行こうとするときのマイナス方向の小さなパスであったり、バイタルエリアからドリブルで仕掛けようとするときに預けるものであっても狙われてカットされ、カウンターに繋げられることが多くありました。常にフォワードや背後の選手がそういったパスのカットを狙っていましたから、バルサの選手たちが上がった後のポジションでそれをうことになり、攻守の切り替えも追いかける形でしかプレッシャーをかけられず、満足に相手のミスを誘えなくなっていましたし、少ない人数でカウンターを抑えなければなりませんでした。だからこそ、完璧にカウンターを決められてしまって先制点を献上してしまいました。
直後にビジャがPKを得て、同点に追いつき、アルメリアに戦い方を変化させられる前に追いつけ、焦りを生むことはありませんでしたが、非常に危険でした。センターバックは背後に意識を向けなければなりませんでしたからっらいんせっていが低くなっていましたし、ポゼッションをする際にはマスケラーノが下がってディフェンスラインに吸収されなければ展開できませんでしたから厚みが無く、守勢に回ったときにチェックとカバーの関係が曖昧になってディフェンスラインに大きなギャップが生まれてオフサイドを取ることも難しくなっていました。

その後にガブリエル・ミリートを下げたのはスピード面で不安がある彼が大きく下がりすぎてラインを乱してしまっていたことも原因でしょうし、マスケラーノが下がって中盤に厚みを無くしてしまっていたことも原因だったのかもしれません。サイドバックの裏を大きく使われてしまっていたのも、マスケラーノのポジションが下がったことでそこへ集中して守れるようになりましたし、サイドバックがより攻撃に専念するポジションを取れるようにもなっていましたし、ディフェンスライン自体も高く保てるようになり、コンパクトになっていました。

イニエスタが中盤に入ったことも大きく、バイタルエリアを利用する選手が増えましたし、ウイングのペドロも中に入ることで、守備の改善もあってマクスウェルが高いポジションを取れるようになりましたし、アルメリアの守備を中へ絞らせてサイドへスペースを用意できるようになっていました。マクスウェルが上がったことで得たコーナーキックから逆転し、ようやくバルサは楽な展開に持ち込むことが出来そうでした。

アルメリアは逆転されてからは足が止まりかけている時間帯があり、カウンターにもでられず蹴り出すことしかできなくなっていました。バルサの裏へ飛び出してチャンスを得ようとしているようではありましたが、センターバックはしっかりとカバーへ入れるようになっていましたし、サイドバックを含めて前後に挟み込むことも出来るようになっていました。ゴイトムを投入されてターゲットになっても同じように出来ていましたから、比較的安定しました。ただ前線では、アルメリアの運動量が落ちて、人に向かえず、マークに付ききれなくなってこそいましたが、奪われるとすぐに蹴られてしまうこともあってフォアチェックから奪い続けられませんでしたから、連続して攻撃をし続けて相手を消耗させたり、攻撃をさせずに試合を終わらせることも出来ませんでした。その後のアルメリアは一度落ちた運動量も立て直してサイドバックを含めてサイドの切り崩しにかかってくるようになりましたし、一点を狙いに出てきていました。バルサはそれを受けてカウンターに頼らなければならないほど、状態はよくありませんでしたし、相手を走らせて消耗させる方法も採れませんでした。とどめを刺せたのはメッシが相手を追いかけ続けたからでしかなく、結果としての終わり方はよかったものの、安全な試合運びや圧倒とは遠い試合でした。この後の試合の重要性を考えれば、あの終了間際のゴールこそが重要だと思えるものでしたが、選手の怪我なども含めて万全とは言い難い状態だと示してしまったような試合運びでした。

マスケラーノが累積警告で出場停止となるイエローカードを受けてしまいましたから、次のクラシコはセンターバック、あるいはアンカーに不安を抱えてしまうかもしれませんね。

UEFA Champions League Quarter Final 1stLeg バルセロナ対シャフタール・ドネツク

2011 年 4 月 7 日 木曜日

■FC Barcelona 5 – 1 FC Shakhtar Donetsk
シャフタールはディフェンスラインからワイドに開き、タッチライン際いっぱいまで開いてボールを動かしていました。特にサイドアタッカーがバルサのサイドバックの所を突き、サポートを利用しながら縦の突破を狙っていました。バルサのシステム上サイドバックの所へ圧力をかけられると、上手くアンカーがサポートしない限り数的な問題を抱えますし、カウンターなら裏を取られやすくなっていました。

シャフタールの守り方は攻撃時のワイドなポジションから一転して、サイドバックを含めて中央に絞ってブロックを構築しようとするものでした。中盤はバイタルエリアを埋めるべく下がっていませんでしたし、外側のケアの為にでて、サイドバックの外を埋めるわけでもありませんでしたから、バルサにとってはサイドバックをオーバーラップさせるスペースをもらっているようなもので、中央へ人を集めて中へ絞る彼らのブロックをさらに中央へ寄せた後に、アドリアーノ・コレイアを利用することで中にギャップを作り、そして押し下げ、マイナスのパスで相手がラインを押し上げるところを狙った縦パスで一気に先制点を奪いました。

単純なスピードこそシャフタールの方が上回っているようでしたが、バルサのプレイスピードは先日のリーガでの鈍さに比べて大きく改善されて、ダイレクトで動かせる、パスコースを探す時間もそれほど必要としないほど早くなっていました。積極的に相手の背後へ飛び出すなど動きの変化もありましたし、シャフタールが積極的にボールホルダーへ向かってこず、マークにも消極的でコースを切っているだけでしたから、大きな苦労はありませんでした。バルサは両サイドバックを高く保ちながら、イニエスタを含めて中へ入り、サイドバックとの横の関係をしっかり作ってサポートを受けながら展開が出来る。相手のブロックは中央に固められていましたから、サイドバックをのパスコースや行動を制限されることはありませんでしたから、幅広くボールを動かせていました。

ただシャフタールのアタッカーにあるスピードは抑えづらく、特にバルサのサイドバックが攻撃時に高くポジションを保っている以上、その裏にはスペースがありましたからそこに飛び出されることも多くありましたし、センターバックの裏を直接取られることもありました。ドリブルを許してしまえば中途半端なリトリートから裏を取られてしまいましたし、相手のミスに助けられたからこそ失点しなかった場面がいくつもありました。ピケとセルヒオ・ブスケツのセンターバックでは背後へのスピードに難がありましたから、完全に振り切られてしまってもいました。
相手のスピードが上回ってのミスだけならまだ仕方がないと思えましたが、ダニエウ・アウベスのパスミスであったり、セルヒオ・ブスケツが不用意にも繋ごうとして相手に奪い返されることもあり、いくつかミスからピンチを演出してしまったことで、シャフタールにチェイシングをされるようになってしまいました。バルサの後方はこれによって時間的な余裕をもらえなくなりましたし、押し上げてコンパクトに保てなくもなりました。何よりシャフタールの面々にはドリブルでボールを運ぶ力がありますから、パスコースを塞ぎながらプレッシングをしても、それをドリブルでかいくぐられて背後から追いかける形になってしまいがちでしたから、苦労をさせられていました。単純なフィードであっても常に裏を狙われていましたし、センターバックとフォワードが同数で、カバーリングを行う選手を作れなかったり、シャフタールは競り合うところの背後やサポートに必ず選手を用意していましたから、一つの処理のミスが致命的になるほどでした。そのボールもフィードで行われていましたから、出所を抑えるのは難しく、どうしても競争になりがちで、その中でアドリアーノ・コレイアのスピードによって守備面で助けられていました。

チェイシングをしてバルサにプレッシャーをかけに来てくれるということは、寄せにくることで後方のブロックを構築している選手が引き出されることでもありましたから、バルサはパスを繋ぎながら動き直すことでそこへ入ってしまえましたし、新たにパスコースを用意して前へ進んでいけました。相手のゾーンの外側を利用するだけではなく、バイタルエリアにはメッシもビジャも入れていましたし、そこに縦パスを通してもいられました。だからシャフタールはサイドバックを中へ絞らせる守備を中断して全体へ広げて両サイドをケアできませんでしたから、ダニエウ・アウベスの二点目のように、逆サイドへの大きな展開を全く防ぐことも見ておくことも出来ていませんでした。

しかし徐々にバルサも相手のスピードを警戒した守備陣形を取るようになっていましたから、相手のフォアチェックもあって前後に距離が伸びてしまってビジャが孤立しがちになりましたし、ケイタが飛び出したとしてもそれぞれの距離は遠く別の動きでしたからなかなか収められていませんでした。メッシもイニエスタもバイタルエリアよりも下がってプレイしていましたから、両サイドバックがポジションをあげたとしても横パスを繋いで裏へ飛び出すところまで行けず、マイナスのパスで安定を求めなければならなくなっていました。
後半になるとそこは改善されて、しっかりとシャビやケイタもポジションをサイドバックと近くし、ダイレクトで動かせるほどの距離を保つようになりましたし、サポートが得られていなくても、サイドバックがすぐにマイナスに戻してしまうのではなく、同じ高さに上がってくるまで待てるようになっていました。それらにフリーランによってシャフタールを下げられてもいましたから、いい修正になっていました。

バルサのディフェンスラインはコンパクトに保てていませんでしたが、裏へ抜けられることを警戒してのもので、中盤との距離は開いてしまっていましたが、シャフタールがフォアチェックに出てきてくれる、あるいは絞った守備をしてくれていることで、フィードをワイドに散らすことで簡単に抜けられましたから、あまり大きな問題にはなっていませんでした。余裕を持って守るようになったことで、裏へのパス一本で裏へ抜けられることはなくなっていましたし、競争になったとしても予め対応していられるようになっていましたから、置いて行かれることもなくなっていました。チェックとカバーの二枚をルイス・アドリアーノに用意できるようになっていましたし、彼も消耗して一人で飛び出しを繰り返せなくなっていましたから、バルサの守備陣形が整う前でなければチャンスにならなくなっていました。それもバルサは遅らせて囲い込めるようになっていましたし、サイドに起点を作られてもゾーンを動かして対処も出来るようになり、サイドバックの裏を簡単には取られなくなっていました。

一失点はしてしまいましたが、その直後にはメッシのドリブルでシャフタール全員を集めた上で、逆サイドを利用できましたし、シャフタールは守備時に横の距離を狭めて選手間を突破されないようにしていたことが徒となったかのように、全体の外側を利用されて失点をする、それを繰り返していました。
シャフタールは攻撃に出るしか無くなっていましたから、それまで中へ絞っていたサイドバックもオーバーラップして裏へスペースを作っているようにもなっていましたから、バルサはそこへボールを送り込むことで何度も起点に出来ていました。

その頃にはメッシ、シャビ、イニエスタにマークがつかず、余裕を持ってボールを扱わせてもらえるようになっていましたかあら、バルサの後方が活発にボールを繋ぐ姿勢にはなくても、バイタルエリアにも入って仕掛けられていました。マクスウェルが入ったことでサイドバックの動きにも横の変化が出てきていましたから、外から中への動きがよりスムーズに出来るようになっていましたし、逆サイドまできっちりとボールを運べていました。ダニエウ・アウベスのクロスがちっとも合わないことが勿体ないほどの多くチャンスを作れていましたが、最後にきっちりとアシストを決めてくれましたし、十分に効果があったのかも知れません。

アウェーゴールがあるため万全とはいきませんが、それでも十分にリードを奪えましたから、第二戦を非常に楽にして終わることが出来ました。ただあのスピードは警戒し続けなければ簡単に裏を取られて失点をしかねないものでしたし、第二戦も十分な注意と対応が必要そうです。

UEFA Champions League Quarter Final 1stLeg インテル対シャルケ04

2011 年 4 月 6 日 水曜日

■Inter 2 – 5 FC Shclke 04
あっという間にインテルが先制点を取ったわけですが、あのショートカウンターで裏抜けられてしまえば、キーパーが飛び出して処理するのは当然ともいえ、あれを決めたスタンコビッチを褒めるべきなんでしょう。ただセンターバックが背後への意識を欠いていたのは確かで、ボールばかりを見てディエゴ・ミリートを見られていませんでした。

シャルケはカウンターを狙いたいようではありましたが、それをするためにはラウールが構築のために上下動を繰り返して、エドゥに頼らなければならない状態では数的に難しく、ファルファンはドリブルでの仕掛けは多少ありましたが、バウムヨハンはそれをしませんでしたし、後方からの押し上げもあまり期待できないため、パスを預けて時間をかけて停滞してしまっていました。特に外から中、中から外へのコースの作り方やサポートが遅く、オーバーラップも押し下げられてしまっていたために要するまでに時間がかかっていました。
インテルの攻撃も一人一人が持つ時間が長く、パスをダイレクトで繋ぐようなスタイルではありませんでしたが、サイドに流れて構築をフォワードが行う、あるいはスナイデルがそれをすることで起点を作り、サイドバックが上がる時間を稼げていましたし、それぞれが仕掛ける姿勢を強く見せていたことでシャルケの守備を押し下げることに成功をしていましたから、ボールを長時間持っていたとしても囲まれて足を出されにくく、むしろ押し下げることでシャルケのカウンターを鈍らせていました。シャルケはドリブルによって押し下げられながらも背後のスペースに対する意識は先制点を取られても全く変わることなく、非常に軽視していました。ディフェンスラインを一定に保って攻撃に出ようとしていたせいもあり、頻繁にミリートに抜けられてしまっていましたし、それを意識していないことでセンターバックはタイミングを逸して追いかけることすら出来ないこともあり、クロスを放り込まれるときでさえ、キーパーとセンターバックの間への意識が希薄で、そこを埋めようとしていませんでした。オフサイドに助けられていたからこそ追加点を許していませんでしたが、非常に危険な守り方を続けていました。
インテルが同点に追いつかれてからは、サイドへ起点を作り、相手を引き出して裏を狙っていたパターンを使わなくなり、サイドバックが攻撃参加できなくなっていましたし、直接は以後を狙うパスが増えて単発で終わることで連続した攻撃にもならなくなってしまいました。長い距離でありながら裏を狙ってしまうことでシャルケを押し下げられなくなってしまうようになりました。そのためシャルケには前線や中盤がチェイシングを行ってインテルに時間的な余裕をあえないような守備が出来るようになってしまい、バランスを取り戻させてしまいました。大きなサイドチェンジが出来ればそのチェイシングも簡単に抜け出せたのかもしれませんが、ロングパスでサイドを変えられる選手が限られていましたから、それが出来ずに時間がかかり、囲まれてしまうことも多くありました。

それでも裏へのケアを怠り続けたシャルケの守備は脆く、二点目を奪われた場面ではクロスの時点でも裏を取られていましたし、それを折り返されることを考慮してセンターバックがキーパーの前を埋めるのが当然なはずなんですが、それもしていなかった。この背後への意識の不徹底は驚くほどでした。センターバックは前へチェックにでることはありますし、フィードに対しての対応も出来ていてカットを狙ってこそいますが、特に裏へのボールに関しては両サイドバックがカバーリングをしなければならないほどでした。

インテルの守備も全く掴まえられておらず、ゾーンを構築しているだけでした。中盤もモッタがディフェンスラインに入ったときにはセンターバックがチェックに出る、あるいはカバーリングを行うか行動が出来ていましたが、それ以外の状態では自らのポジションを守るだけで、それ以外の行動をしていませんでしたから、シャルケのそれほど多いとは言えない動きにも揺り動かされ、中盤の選手たちは簡単に引き出されてバイタルエリアを空けてしまっていました。サイドに起点を作られたときも寄せてもいませんでしたし、足も出しませんし、オーバーラップをして追い越していく選手のコースも塞がない。クロスを入れられるだけの余裕を何度も与えていました。
二度目の同点を許したときにはバイタルエリアを埋めておくべき中盤の選手がおらず、ドリブルを簡単に許してチェックや裏へ抜けられるどちらにも意識をキヴは払えていませんでしたから、簡単にシュートまで許してしまっていました。パスコースを意識したリトリートをもしていませんでしたから、シュートまでの間に寄せてコースを限定することも出来ませんでしたし、本来バイタルエリアを埋めてディフェンスラインに吸収されていたモッタもそこにいませんでしたから、空白地帯が多くできてしまっていました。

後半になってシャルケの守備がそれほど改善されたわけではありませんでしたが、背後へのケアをサイドバックがすることで何とか防げていましたし、ノイアーのセーブのお陰で失点をしませんでした。センターバックも多少戻りながらプレイすることで飛び出しの効果を軽減させられるようになっていました。
ただインテルの守備は後手を踏むだけでしか無く、ラウールやエドゥがいてもそこにマークについて掴まえておこうとする意識が全くなく、ボールを持っている選手に視線と意識を取られてしまっていました。センターバックがでられないのであれば中盤こそ相手を囲い込むだけの動きやマークをして動きを制限してパスコースも減らすべきでした。それもモッタを始めとしてハルジャも誰も行っていませんでしたから、バイタルエリアにはぽっかりと穴が常に空いていて、そこへボールが入った後に後追いをするだけでした。センターバックにかかる負担は大きくなっていて、サイドバックが中盤とセットになってチェックに出て行く関係上その裏のケアも必要でしたが、それでもあまりにもセンターバックのプレイもお粗末でラウールに勝ち越しゴールを許してしまいました。そして厚みがないからこそ背後を取られたときの処理が間に合わずにオウンゴールでさらに得点を許してしまう。
シャルケはインテルのセンターバックが予め掴まえに来ない、中盤も積極的なマークをしないのを利用して、バイタルエリアで積極的にボールを受けるようになっていました。ラウールもエドゥも自由に受けさせてもらっていましたから、収めて前を向く余裕もありましたし、そこから再びウイングへボールは以後に出し、走らせることも出来るようになっていました。元々カウンターで直接裏を狙えていませんでしたから、フォワードにボールが収まる回数が多かっただけにきちんとした形になっていました。

キヴが二枚目のカードを受けたことで、ただでさえ守備も上手く行っていない中で数的不利を作られてしまったインテルはそれ以上のプレイをすることが出来ず、余計にシャルケにボールを動かされるようになってしまいました。ディフェンスラインの前はがら空き、中盤でボールを回されても誰も寄せようとしておらず、掴まえておくこともしようとしない。試合が止まっているかのように足を止めてしまっていましたし、自由に左右へボールを動かされてゾーンすら上手く構築させてもらえなくなっていました。その間にフリースペースを見つけて縦パスを入れられ、足も出していませんし、マークもありませんでしたから、センターバックの前でさえ自由があり、主導権は全てシャルケの選手に与えられていました。ドリブルをそこから初めても足が止まっているために抜けてしまいますし、ポストプレイをするだけの受け方であっても背後から圧力を受けないため、反転してシュートまで許してもらえる。5点目を奪うのに苦労はないようでした。

長友が投入されたのもあまりにも遅く、彼がチェックに向かうことで足を止めずに守る選手が出来て、シャルケのミスを誘えるようになりましたが、スコア上では第二戦を含めての結果が出ているようなものでしたから、それ以外の選手の足は止まって動きませんでした。長友が攻撃に積極的に走ったとしても集との連動を欠いた動きでしたから、チャンスに繋がるものではありませんでしたし、シャルケがそのサイドに人数をかけて守れましたから、パスを繋ぐことすらままなりませんでした。逆サイドを意識させられているわけでもありませんでしたから、周囲の問題もあり、交代の効果を出すには至りませんでした。

Bundesliga 28. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・メンヘングラッドバッハ

2011 年 4 月 4 日 月曜日

■FC Bayern Munchen 1 – 0 Borussia Monchengladbach
代表戦の疲れがあるのかもしれませんが、バイエルンは常にボールを前へ運ぶのに苦労をして、センターバック間でのボール交換や、それにキーパー、あるいは片方のサイドバックを加えたもので延々と回し続けている姿が目立っていました。中盤のクロースやシュバインシュタイガーは緩くマークを受けていましたが、グラッドバッハは積極的にプレッシャーを与えてそこで奪おうとしていませんでしたし、残していたのもフォワードのみで人数もかけていませんでしたから、受けようとする意識を持つか、センターバックがリスクを恐れずに出しさえすればスムーズに運べる状況ではありましたが、それをしようとせず、中盤のサポートがもの足りませんでした。
そのため、多くはリベリーやロッベンへサイドバックからボールを預け、後ろ向きでボールを受けなければならない状態にしてしまっていましたし、そうでない場合にはひたすら縦へ走らせるばかりで、いつものように展開に乏しいままでした。それ以外のパスも殆どが足下で行われていて、スペースへ出されず、ボールをコントロールしてからさらにパスコースを探すなど、一つ一つに時間がかかりすぎて、その間に体を寄せられたりコースを限定される要因になっていました。ウイングがサイドに固執する状態からは抜け出せていましたが、中央へポジションを移したとしてもそれぞれの足が止まっていて、渋滞を自らで作り出してしまっていましたし、スムーズにボールを展開してスピードを落とさずに攻めることが出来ていたのはカウンター時のみでした。

守備面では粗かいじめ相手を背後から掴まえておき、ラインを高くコンパクトに保とうとする意識はあったようでしたが、攻撃時にセンターバックが大きく下がってボールを動かし続けていることもあって中盤とセンターバックの距離は開いたままでしたから、守勢に回ったときにポジションを取り切れていないことも多く、中盤が掴まえられていたのに比べると、ディフェンス雷は遅れて向かってしまうためにファウルが多く、さらに前への意識を強めてしまっているために簡単に裏を取られてしまい、走られてしまっていました。相手のスピードであったり、ルイス・グスタボのスピードによって助けられていましたが、予め裏へ抜けられたときの対応を考えての動きというよりは、後手を踏みながらも何とか追いついて体を寄せられた結果、という守備でした。

グラッドバッハの守備はそれほど厳しくなく、フィジカルコンタクトも厳しいものではありませんでしたし、バイタルエリアを徹底して埋めようともしていませんでしたし、ロッベンやリベリーに対して頻繁にフィードで渡されているにもかかわらず、背後からプレッシャーを与えて振り向かせないようにする努力もしていませんでした。一つにバイエルンがサイドチェンジを利用してそこへボールを運んでいたこともありますが、そこ以外に構築できるポイントがありませんでしたし、中央のマリオ・ゴメスにも同じようにフィードばかりを繰り返してパスも預けられていませんでした。自由に受けさせてもらえることでいくつかのチャンスを作ることが出来ましたが、あまりにも距離が長いパスを中心とした試合構築でしたから、パスミスも多くなりタッチラインを頻繁にボールが割ってしまっていましたし、ウイングにボールが渡ってからそのままの勢いで仕掛けなければなりませんでしたから、サイドバックとの連動も極端に少なく、前後が分離しているようでした。左のリベリーに関しては彼が中へ入ることで出来たスペースへプラニッチが上がり、同様にサイドチェンジを受けていましたが、裏のスペースを何度も使われる原因になっていましたし、それが効果的だったかどうかも疑問符のつくものでした。

バイエルン守備は安定せず、中盤と最後尾の分離は大きな問題で、相手のフォワードのポストプレイに対してどのポジションで行われようともセンターバックがついていかなければフリーでされてしまいましたし、背後から強く抑えることしかしませんでしたからファウルでしか止められていませんでした。中盤が予め相手を掴まえておけたものも、徐々にできなくなりましたし、それができなくなると余計にディフェンスラインは待ち構える形を取ろうとしてペナルティエリア付近にまですぐに下がってしまい、中盤との距離を広げてしまいました。サイドバックの裏を使われたときにはセンターバックが引き出されてしまいましたし、サイドからのクロスには中盤が戻ってこないことで、中をフリーにしてしまっていることもありましたし、相手と同数でカバーを行うことすら出来ないこともありました。相手にクロスの精度があれば失点をしてもおかしくない場面がしばしば見られました。

後半になっても攻守両面の改善は見られず、ボールは一向に前へ運ばれる気配はありませんでしたし、グラッドバッハが積極的にチェイシングをしているわけでもないのに、一人一人がボールを持つ時間の長さがチェックを受けることにも繋がり、あまりの判断の遅さが単調な試合展開にしていました。
主にフィードでボールを前へ運んで、サイドに起点を設けて個人の力に頼ったドリブル、あるいはフォワード目がけてクロスを入れるだけ。パスやドリブルにしてもコースを探してからのものが殆どで、ダイレクトで動かしていませんでしたし、スペースも狙っていませんでした。中へ切れ込むドリブルは増えましたが、中央の人数の増加と距離を縮められたとしても、それぞれがゴールに近いポジションを取って待っているだけで、それぞれのバランスやおとりになろうとする動きやコースを作ろうともしていませんでしたから、相手のゾーンやマークはずれていませんでした。シュートの後のこぼれ球を押し込めればいい方で、パスもカットされ、シュートコースにも入られ、結局繰り返されることになったのは、サイドからキーパーとディフェンダーの間にクロスを入れることくらいでした。

グラッドバッハもカットして守れているものの何度も送り込まれるそれらに対応するだけになってしまい、徐々にカウンターに出られず、ただクリアをするだけになったり、ポストプレイも出来ずに押し上げられず、ボールを失うようになり、連続してバイエルンの攻撃が続くようになっていましたが、よくないチーム状況そのままでもゴールを脅かすだけのシュートを見せてきましたし、バイエルンの裏を何度も取っていました。

クローゼを投入してフォワードを二人にしても役割に変更があるわけではなく、クローゼがマリオ・ゴメスの下につき、ミュラーと同じ役割を担っていました。フィードの的にもなれず、マリオ・ゴメスが裏に走るサポートをバイタルエリアでするだけ。ボールへの関与も少なく、同時に投入されたオットルにしても、多少後方に残っているようではありましたが、センターバックの手前は埋めていませんでしたし、センターバックからボールを引き出すことも出来ておらず、何を目的としての交代かわかりませんでした。

幸運にも相手のパスミスからショートカウンターのチャンスを得たからこそ、ロッベンのドリブルで相手の陣形を崩してゴールを得られましたが、相手のミスがなければ崩して得点を得られるような試合展開ではありませんでしたし、代表戦があったとしてもフルメンバーで挑めていたわけですから、もっと有利に進められるべきしあいでした。結局は、最下位のチームを相手に苦しめられて、これまでと同じミスを繰り返すだけの試合でした。

Liga Espanola Jornadas 30. ビジャレアル対バルセロナ

2011 年 4 月 3 日 日曜日

■Villarreal CF 0 – 1 FC Barcelona
代表戦があり、スペイン代表はその中で非常にコンディションの悪いピッチでプレイをしましたし、下のカテゴリーでボヤンは怪我をし、メッシも負傷をして戻ってきてしまいました。シャビは前節の計画的出場停止によってこの試合出場できなくなっていましたから、それらと怪我人が合わさって非常に難しい先発起用をしなければならなくなってしまいました。その状態で強敵であるビジャレアルの本拠地、エル・マドリガルに乗り込まなければならなかったのは困難な状況ではありましたが、バルサに先んじて行われていたレアル・マドリーが敗北をしてくれたお陰で、心理的なプレッシャーは小さくなっていたのかもしれません。

ビジャレアルのプレッシングは積極的ではなく、一定のチェイシングこそしていましたが、ピケとセルヒオ・ブスケツの二人ならラインを上げずに行われるそれらに慌てることはありませんでしたし、マスケラーノもその環境に慣れてきていますから大きなミスをすることなく、少ないタッチで動かしながら足下へのパスで継続して繋いで、それらをかわしていられました。この試合シャビの代わりに入ったチアゴ・アルカンタラはよく動いてマークを外し、ボールを受けに頻繁に戻って多くボールに関与していました。ただ彼がボールを受けたとしてもイニエスタの基本ポジションはウイングでしたし、左のアフェライはタッチライン際に張りっぱなしで中へ入ってきませんでした。中央に入ったビジャもディフェンスラインと戦って距離が遠く、縦パスを入れる先がありませんでしたから、いつもとまるで違うバランスにボールを入れられずリズムを得ることは出来ていませんでした。

守備に回ったときには、攻撃が停滞しがちでパスを出す先に困っていましたから、それをサポートするためにセンターバックが上がってボールを受けなければならず、予め相手フォワードを掴まえたり、サイドバックの裏を使われそうになっているスペースを埋めておくことが出来ず、使われる原因になっていました。サイドバックも停滞して横パスが続いている最中でも上がらざるを得ませんでしたから、パスをカットされてしまうとその裏側を使われやすく、準備も出来ていないセンターバックも対応しきれず、裏を何度も取られていました。カウンターを遅らせようと攻守の切り替えから動いていましたが、バルセロナのパスは足下ばかりで自分たちが足を止めたまま試合が推移していましたから急には動けませんでしたし、ビジャレアルの陣形を崩すことも出来ず、押し下げ、戻りながらの処理を強いていませんでしたからカットにでやすくさせてしまっていましたし、カウンターにも出やすくさせてしまっていました。序盤にあった二つのピンチをビクトル・バルデスが止めてくれなければ、一方的な試合展開に持っていかれてもおかしくないほど状態はよくありませんでした。

イニエスタが中へ入って中盤と絡み、右のスペースを空けてダニエウ・アウベスをオーバーラップさせ中央にあるスペースと人数の問題を解決しようとしていましたが、チアゴ・アルカンタラとイニエスタは動いても他の選手に動きが足りませんでしたし、足下のパスを連続させているだけでは相手のゾーンを揺さぶれず、ドリブルも出来ていないことからスペースを作ることも出来ていませんでした。左のアフェライへフィードで逃れるケースが増えていましたが、そこから先の展開を考えてのものではありませんでしたから、止まりがちになってしまっていました。タッチライン際に最初からボールを受けた後も残っていたままでアドリアーノの上がるコースを塞ぎ続けていましたから、アフェライのところで止まっても飛び出しで流れを作るというわけにもいかず、中も信用して動くことも出来ていませんでした。
ビジャレアルがフォアチェックから守備を構築しようとしておらず、ハーフウェーライン付近にまで下がっていてくれているからこそ、ボールを奪われずにそういった大きな展開も許してくれていましたし、ポゼッションもさせてもらっていましたが、コースをうっすらと防がれるだけでパスを出せませんでしたし、パススピードも上がらずにカットされてしまってもいました。それだけバルサには相手を引きつけてしまうような動きもパスもありませんでしたし、横へもフィードを使ってすら揺さぶれていませんでした。相手の形を崩せないことで、ボールを奪われた時にはビジャレアルの形のまま展開されてしまっていましたから、フォアチェックをしても奪いきるまでに逃げられてしまい、押し下げられてしまうほどボールを動かされてしまいました。上手くプレッシャーがかかっているとは言えない中でもディフェンスラインは一定の状態を保とうと足を止めてしまっていましたから、何度も裏を取られることになり、誰か一人が抜かれたりミスをすれば失点に直結してしまうほど危うい状態で守り続けていました。

時間の経過と共にやっとダイレクトでボールを動かせるようになったり、相手サイドバックの裏にアフェライやダニエウ・アウベスを走らせるようになりましたが、チアゴ・アルカンタラの運動量は序盤に飛ばしすぎたのか大きく落ちてしまってボールに関与する回数を減らしてしまいましたし、相手の隙間に入ったり受けに行くこともなくなってしまいました。前への仕掛けや勝負のパスが出せるのではなく、ビジャの動きにも誰も合わせてパスを出せませんでしたから、それを囮として利用することも出来なくなっていましたし、アフェライは終始タッチライン際にいるばかりでドリブルも止められ、足下へのボールのみでスペースへのパスに対しての反応が鈍くチャンスにも出来ませんでしたし、効果的な働きがあったようには見えませんでした。ビジャレアルが構築したゾーンの外側をなぞるように展開しているだけで、中へ切れ込んだり飛び出すプレイが見られず、仮にしたとしてもパスが出てこず、横パスに終始してしまうため、パスを出したそのまま動きこともなく、停滞したまま前半を終えていました。

後半開始時には多少改善が見られ、イニエスタが中へ入ってドリブルを仕掛けることでビジャとの距離を縮めようとしていましたし、ビジャの動き出すタイミングに合わせてパスが出てくるようになっていました。彼がパスを引き出す動きをしっかりと後方の選手たちが見ていることで流れらしいプレイが見えられるようになりましたし、ビジャが相手を引っ張ることで相手のディフェンスラインを動かせましたから、サイドバックを含めて中へ入っていけるようになり、横の距離も縮まりサポートを得られやすくなっていました。

状態としてはよくなっていましたが、交代でメッシを投入したことでよりそれを確実なものにしようとしているようでした。ただアフェライを残したのはこの試合を考えると難しく、スペースへのパスに対して反応をできるようになったり、中へポジションを多少動かすようにはなりましたが、アドリアーノが上がって飛び出すべきスペースに蓋をし続けていることには変わりがありませんでした。それでもメッシがイニエスタやビジャとの距離を縮めることで、相手の注目を引きつけ、ドリブルをすることで中央にゾーンを狭めさせる効果がありましたから、多少効果的な働きが出来るようになり、持ち味のいくつかを出すことが出来ましたが、それを終始継続していくことは出来ていませんでした。
メッシのドリブルやパスも効果的にビジャレアルの目線を引きつけて動かしていられましたし、ボールを受けようと動くだけでマークがついていましたから相手のゾーンに変化を作り出せていました。彼が入ってドリブルでの仕掛けや小さなコントロールで一人をかわしてしまえることで、ビジャレアルの寄せは早くなっていましたが、その分バルセロナにの単調なパスワークにリズムをもたらしていましたし、オーバーラップする選手の勢いを持続させたままスペースへとパスが出せるようになっていました。

先制点は改善された流れの中ではありませんでしたが、この試合の状況から考えると得点を取れた結果こそが重要でした。流れが改善されて攻撃がスムーズに行えるようになっていることで守備にもいい影響が現れ、相手を押し込んでいられることでセンターバックが無理に上がらなくてもよくなっていましたから、フォワードを予め掴まえてフィードを跳ね返せるようになっていましたし、収めさせてしまったとしても押し上げを待つ余裕を与えずに囲い込めるようにもなっていました。マスケラーノのポジションも前へ出てサポートする必要が減ったことで後方のスペースを埋めてカウンターを抑えられるようになり、安定して防ぐことが出来ていました。

全体的には無理をせずにポゼッションをして飛び出しを控えてキープを中心としながら乗せ目になっているようで、二点を目を狙うチャンスがあれば人数をかける。勝ったと思って流している様子こそありませんでしたが、状況を考えて無理をせずに勝つ事を考えているようでもありました。
それでも迂闊なプレイから失点しそうになったのは悪く、失点こそしませんでしたが、ビクトル・バルデスの不用意なパスからピンチを招きながらも自身で防いでこの日三本目のビッグセーブにしましたが、そのまま試合を終える事が出来る流れだったものを、わざわざ危険なものにしてビジャレアルに攻める元気と勇気を与え、ラインを上げてチェイシングすらさせるようにしてしまっていました。その後は疲労を抱えている影響もあってか、一つミスをすれば失点に繋がるほど戻りきれず、スペースも埋められないままの脆さを抱え続けていましたが、ミスをしなかったお陰で何とかしのぎ切れていました。

あとはクラシコに向けた露骨な遅延行為でカードをもらっていましたが、クラシコの重要性を考えれば仕方のないことなのかもしれません。それでも決していいことだとは思いませんし、自分はできることなら避けて欲しく、あそこまで露骨なものはどうかと思っています。