■FC Barcelona 3 – 1 UD Almeria
バルセロナは前節に累積警告を無理に得たことや次節以降のことも考慮してメンバーを入れ替えていました。久しぶりにガブリエル・ミリートが先発をし、それぞれのポジションにマクスウェルやピント、チアゴ・アルカンタラが先発をしていました。メッシとマスケラーノのが累積警告のリーチでしたが、そのどちらも先発出場をしていました。
アルメリアの守備は積極的で、中を固めるだけではなく大きく開いてバルサが外側へ預けようとしているものに対しても掴まえようとポジションを取り直していましたし、ボールを触る選手に関してはしっかりと付いて自由にさせず振り向かせていませんでした。その出足はバルサの選手のそれが遅かったこともありますが、同じスピードで付いて後手を踏むことはありませんでしたし、中盤と最後尾も連動させて上下動をさせていましたから、コンパクトに保てていました。ボールサイドにゾーンを動かして人数もかけていましたから、バルサが利用できるスペースは少なく、ボールと人の距離が近く、フィジカルコンタクトが発生していました。
バルサの動きはチャンピオンズリーグの試合とはうって変わってボールを動かすためのポジションの取り直しや、パスコースを作る動きが足りず、マークをされるままになってしまっていましたから、ダイレクトやテンポよくボールを回すことが出来ておらず、相手を揺さぶれていませんでした。マスケラーノがセンターバックの間にまで下がってボールを触らなければならなくなることも多く、シャビやチアゴ・アルカンタラとの距離が開いてしまいましたし、彼らも積極的に戻って引き出そうとしていませんでしたから、彼らにボールが渡ったとしても全体のスピードアップにならず、ペースを掴むまでに時間をかなり必要としてしまいました。パスコースを探す必要があるほどでしたから、ダニエウ・アウベスやマクスウェルがポジションを上げてタッチライン際に起点を作ろうとしたとしても足を止めた状態でしか受けられず、オーバーラップの勢いがありませんでしたから、チェックを許してしまいそこへ守備を集める結果になっていました。無理にスペースへのパスを出して走らせようとすることもありましたが、それは意図が合わずにミスになるだけでしたから、サイドバックと中盤の連携もなく、アルメリアに掴まえられるばかりでした。
ただアルメリアの守備は密集させて距離を縮め、そして奪ってカウンターにでようとするものでしたから、バルサの選手とも距離が近く攻守の切り替えからフォアチェックをされると影響を強く受けてしまっていましたから、プレッシャーによってミスになりやすくカウンターを成功させたり、人数をかけていくことまで繋げられていませんでした。それでもこの日はキーパーがビクトル・バルデスではありませんでしたから、裏側へ直接ボールを入れられてしまうとキーパーが飛び出して処理をせずに全てをセンターバックがしなければなりませんでしたから、センターバックにかかる負担が大きく、スピードの面で特にガブリエル・ミリートに不安がありましたから危険な場面もありました。それに加え、背後を意識することで相手を自分たちの前で押さえられませんでしたし、ダニエウ・アウベスの裏側を使われたときに予め抑えられず、両サイドをドリブルで仕掛けられ、押し下げられる原因にもなっていました。
前半の中盤になって改善され始めてからは、足下のパスの連続ではなく、ようやく相手の裏へと飛び出そうとするようになっていました。ダニエウ・アウベスもそうでしたし、ウイングに入っているイニエスタもそれをするようになっていましたから、パサーが動きに合わせてスルーパスを高く保たれたディフェンスラインの裏へと出し始めていましたし、ボヤンも斜めの動きを多用してそれらの助けを十分に出来ていました。
飛び出しを警戒させることが出来るようになると、アルメリアが設定していたラインは下がってしまうようになり、ゾーン全体を下げて、人についてくる守備に遅れが生じるようになっていました。シャビはその中でボールタッチの回数を増やせましたし、外から中へのボールの動きがスムーズになり、相手の視線を動かしつつ、ダイレクトでボールを動かし、パスカットを狙って出てこさせなくしていられるようになりました。アルメリアは特にバイタルエリアを広げてしまうようになっていましたから、メッシなどは意図的にピボーテの背後を狙ってポジションを取るようになり、前向きにプレイをするようになっていました。中央に起点を作られることでアルメリアはワイドに開いてサイドバックをも抑えていた守備を狭めざるを得なくなり、そこへのチェックが緩みバルサはタッチライン際を利用していくことが少し楽になっていました。バイタルエリアに入ったメッシに注意を払われていましたが、それでもサイドへ広げられたり横へ動かされることで徹底できませんでしたし、徹底しようとすればシャビやチアゴ・アルカンタラの進入を許していましたから、バイタルエリアの利用はバルサの意図通りに出来るようになっていました。ただ、終盤にはスローダウンをしてしまい、得点を取るところまでは持っていけませんでした。
後半になってもアルメリアの守備は変わらず、コンパクトに保ちつつ前から向かっていこうとするものでした。カウンターへの選手も残していましたから、センターバックとの競争も何度か行われていましたし、ショートカウンターなどもありましたから、裏を使われていました。ただ前半と比べるとピントが飛び出してケアを使用とするようになっていましたから、多少負担は減っていましたが、直接クリアをしたりパスで繋げるわけではありませんでしたから、時間がかかって攻撃に移れないことには変わりがありませんでした。
この試合通じて、バルサはマイナスのパスを狙われてしまっていることが多く、サイドから中央へ送られるパスはもちろんのこと、中央の構築の際にもいったん預けて前へ出て行こうとするときのマイナス方向の小さなパスであったり、バイタルエリアからドリブルで仕掛けようとするときに預けるものであっても狙われてカットされ、カウンターに繋げられることが多くありました。常にフォワードや背後の選手がそういったパスのカットを狙っていましたから、バルサの選手たちが上がった後のポジションでそれをうことになり、攻守の切り替えも追いかける形でしかプレッシャーをかけられず、満足に相手のミスを誘えなくなっていましたし、少ない人数でカウンターを抑えなければなりませんでした。だからこそ、完璧にカウンターを決められてしまって先制点を献上してしまいました。
直後にビジャがPKを得て、同点に追いつき、アルメリアに戦い方を変化させられる前に追いつけ、焦りを生むことはありませんでしたが、非常に危険でした。センターバックは背後に意識を向けなければなりませんでしたからっらいんせっていが低くなっていましたし、ポゼッションをする際にはマスケラーノが下がってディフェンスラインに吸収されなければ展開できませんでしたから厚みが無く、守勢に回ったときにチェックとカバーの関係が曖昧になってディフェンスラインに大きなギャップが生まれてオフサイドを取ることも難しくなっていました。
その後にガブリエル・ミリートを下げたのはスピード面で不安がある彼が大きく下がりすぎてラインを乱してしまっていたことも原因でしょうし、マスケラーノが下がって中盤に厚みを無くしてしまっていたことも原因だったのかもしれません。サイドバックの裏を大きく使われてしまっていたのも、マスケラーノのポジションが下がったことでそこへ集中して守れるようになりましたし、サイドバックがより攻撃に専念するポジションを取れるようにもなっていましたし、ディフェンスライン自体も高く保てるようになり、コンパクトになっていました。
イニエスタが中盤に入ったことも大きく、バイタルエリアを利用する選手が増えましたし、ウイングのペドロも中に入ることで、守備の改善もあってマクスウェルが高いポジションを取れるようになりましたし、アルメリアの守備を中へ絞らせてサイドへスペースを用意できるようになっていました。マクスウェルが上がったことで得たコーナーキックから逆転し、ようやくバルサは楽な展開に持ち込むことが出来そうでした。
アルメリアは逆転されてからは足が止まりかけている時間帯があり、カウンターにもでられず蹴り出すことしかできなくなっていました。バルサの裏へ飛び出してチャンスを得ようとしているようではありましたが、センターバックはしっかりとカバーへ入れるようになっていましたし、サイドバックを含めて前後に挟み込むことも出来るようになっていました。ゴイトムを投入されてターゲットになっても同じように出来ていましたから、比較的安定しました。ただ前線では、アルメリアの運動量が落ちて、人に向かえず、マークに付ききれなくなってこそいましたが、奪われるとすぐに蹴られてしまうこともあってフォアチェックから奪い続けられませんでしたから、連続して攻撃をし続けて相手を消耗させたり、攻撃をさせずに試合を終わらせることも出来ませんでした。その後のアルメリアは一度落ちた運動量も立て直してサイドバックを含めてサイドの切り崩しにかかってくるようになりましたし、一点を狙いに出てきていました。バルサはそれを受けてカウンターに頼らなければならないほど、状態はよくありませんでしたし、相手を走らせて消耗させる方法も採れませんでした。とどめを刺せたのはメッシが相手を追いかけ続けたからでしかなく、結果としての終わり方はよかったものの、安全な試合運びや圧倒とは遠い試合でした。この後の試合の重要性を考えれば、あの終了間際のゴールこそが重要だと思えるものでしたが、選手の怪我なども含めて万全とは言い難い状態だと示してしまったような試合運びでした。
マスケラーノが累積警告で出場停止となるイエローカードを受けてしまいましたから、次のクラシコはセンターバック、あるいはアンカーに不安を抱えてしまうかもしれませんね。