2011 年 4 月 のアーカイブ

UEFA Champions League Semi Final 1stLeg レアル・マドリー対バルセロナ

2011 年 4 月 28 日 木曜日

■Real Madrid 0 – 2 FC Barcelona
バルセロナは怪我人が多く、特に左サイドバックに出場を本職とする選手がいなくなっていましたから、誰が出場するのか懸念されていましたが、プジョルがこの試合に間に合わせたことでここに入り、マスケラーノをセンターバックに入れることでディフェンスラインを構成していました。イニエスタが欠場したポジションにはケイタが入り、ここは順当なものでした。マドリーも出場停止でリカルド・カルバーリョを欠いていましたから、センターバックにはアルビオルとセルヒオ・ラモス、怪我のため離脱したケディラのポジションにはラサナ・ディアラを入れて運動量をより高めていました。

マドリーの中盤はラサナ・ディアラとペペを前に、シャビ・アロンソを三枚の中央で後方に残すような形と言ってもいいようでした。運動量があり、対人線に強い二枚が前でプレッシングをし、積極的に体を寄せて奪いに来ていることでマドリーはディフェンスラインを高く保ちやすく、コンパクト二試合を運ぼうとしていました。特にラサナ・ディアラのチェックは素早く、ファーストディフェンダーとしても機能していましたし、ケイタやチャビなどを的確に捉えて、これまでペペが一人で担っていたような役割を分散することでより強固になっていました。シャビ・アロンソはメッシを主に見ているようで、左右に流れる彼についていくことも多くありましたが、徹底したマンマークではなく、左右へ引っ張られ続けることはありませんでした。

マドリーの中盤に豊富な運動量とフィジカルがあることでボールを運ぶ難しさは変わりませんでした。バルサのディフェンスラインとアンカーには一定の猶予を与えてくれているものの、そこから持ち上がろうとしたr、受けに戻る中盤に対してはしっかりとマークがついていて、チェックも受ける。バルサはフィードでペドロに渡すことでアルベロアの横を使おうとしていましたが、左サイドバックがプジョルで、オーバーラップも控えていましたから、ウイング一枚で勝負しなければならず、サイドバック一枚で対応されてしまっていました。バルサは左だけではなく、右のダニエウ・アウベスにもオーバーラップをさせずに自重させていましたから、左右両方でウイングがタッチライン際に開いて相手のゾーンを広げようとしているかのようにいるばかりでした。ただマルセロもアルベロアも無理にはそこへ開いてゾーンを広げてしまいませんでしたし、バルサのパスコースがそこにしかない以上、タイミングを見計らって寄せるだけで限定できましたから、バルサもそこを起点にして収めようとすることはありませんでした。
バルサがサイドバックをあげて二枚で切り崩しにかかっていないことで、ディ・マリアもそれほど戻りませんでしたし、マドリーのピボーテもディフェンスラインと距離を縮めて二枚で対応するような場面が少なく、中のコースを切りきれずにビジャにカットインを許すなど、バルサは自重することに寄ってできるスペースを利用する目的があったようでした。

バルサは徹底して無理に上がらず、ケイタ、チャビ、メッシに相手のピボーテ三枚のマークを集中させながらも、後方でボールを扱う回数と時間を増やして、効果的ではないパス回しをすることによってフォアチェックの労力を相手に与えて左右へ揺り動かしていました。特に中盤のマークは厳しくフィジカルコンタクトも生まれていましたから、チャビが下がることで相手を引っ張れる状況でしたし、それを利用してブスケツが出てきたピボーテの背後を取る素振りもあり、ゾーンではあるもののマンマーク気味に掴まえようとするそれと、近い距離を保とうとしているからこそ徹底しなければならない守備を、パスを繋ぎ続けることで不徹底にまで持ち込もうとしているようでした。この試合のバルサのパススピードは素早く問題のないもので、カットを狙われるようなものではありませんでしたし、無理に縦へ入れようともしていませんでしたからポイントも絞られなかった。無理にコントロールしようとせず、ダイレクトでも動かしていましたから、徐々に苛立ちを与えていました。特にクリスチアーノ・ロナウドはチェックをパスで逃げられることを露骨に嫌がっていましたから、一人が徹底しなくなれば、そこを中心に動かすことで自由な時間を増やせますし、自由な時間が増えれば、ここまでの二戦よりも自由にポジションチェンジをしているメッシがサイドバックの前であったり、ピボーテの裏、あるいは横にポジションを取れるようになっていく。
マドリーはディフェンスラインを前へ押し出すことが出来ておらず、タッチライン際に開いたウイング高さを合わせていましたから、フォアチェックに労力を傾けているピボーテとの間にはスペースがあり、セルヒオ・ラモスも距離が伸びているために出てこられず、バルサはそこを利用することでスピードアップすることが出来ていました。ただゴールに迫ろうとする気迫や、得点を取るために人数をかけているわけではありませんでしたから、チャビやケイタのボールを触る位置が上がったとしても、相手陣内で推移する時間が増えただけでした。無理にサイドバックらを含めて押し上げないことでスペースを埋めさせないようにして、4枚のディフェンスライン横にサイドアタッカーを戻らせて6枚、そしてピボーテ3枚がその前を埋めてパスもドリブルも出来ない環境を作ってしまわず、引き出しながらプレイしているようでもありました。

徹底して動かすことでダイレクトで離さなければならなかったチャビがコントロールして前を向ける様になってきていましたし、ペペやシャビ・アロンソ、ラサナ・ディアラも徹底してつくのではなく、少し距離を置いてパスを出された後に対処するように姿勢が変わってしまい、メッシの中へスライドするドリブルを許してくれるようになっていましたし、チャビがフォワードの位置にまで飛び出すのを許してくれるようにもなっていました。
セルヒオ・ブスケツに至っては歩いて持てるほどになっていましたし、チャビが戻って受けてもマークは付いておらず余裕になっていました。徹底して付いていけば引き出されること、アンカーらが持ち上がってくるものにチェックすれば背後を取られること、そういった状態が作れるようになっていましたから、背後を取らせてもらってパスやドリブルも出来るようになりましたし、スピードアップも出来る。ただそれを作るためにバルサは間へへ人数をかけず、全体を下げてプレイしていましたから、3トップで勝負してもらわなければならず、数的に依然として不利でしたから崩すのは難しいままでした。

マドリーはそれらとバルサのファウルの要求に苛立っていましたから、バルサがこれまでの試合で苦手としていたセットプレイをクイックに始めて処理をしやすくしてくれましたし、ボールを動かし続けられることで得カウンターに鋭さが無く、それぞれの縦を塞ぐことで抑えられましたし、弱点となっていたファーサイドのケアもプジョルがいることでしっかりと止められていました。
バルサはよりファウルを誘い、カードを審判に出させようとプレイしていましたから、その苛立ちがマドリーのプレイ精度を落とすことに繋がっていましたし、ボールを左右に動かし続けたことで修正の速度が落ち、マークもチェックも不徹底になり、ディフェンスラインもペナルティエリア付近に張り付き、コンパクトに保てなくなっていました。ディ・マリアもエジルも距離が遠く、マークすべき相手が上がってこないことでこれまでのように戻ってこられませんでしたからスペースは依然としてあるままでした。

ただファウルの要求と過剰な倒れ方、それに対する抗議や小さな報復も繰り返されていましたから、ハーフタイムには乱闘じみた状態になり、レッドカードも出てしまいました。

後半開始時にアデバヨールを投入したマドリーは、カウンターには依然として鋭さを出せていませんでしたが、明確なポイントを与えることで、そこにフィードを出させて落とさせていましたし、少ない手数でバルサのセンターバックを慌てさせようとしていました。バルサも狙いを絞って守らなければならなくなっていましたから、他にスペースが空きやすく、クリスチアーノ・ロナウド相手には不徹底になりがちでしたが、プジョルがいることで三枚できっちりと守れましたし、ダニエウ・アウベスも上がっていないことで裏を取られてもすぐにカバーできて問題は大きくなりませんでした。ただペペもそのフィードを落とすべく高い位置を取り、アデバヨールと二枚で高さの勝負を仕掛けることで難しくされてしまいましたが、それはマドリーにとっては守備のコンパクトさを失うことでもあり、マルセロも攻撃に出てこようとしていましたから飛び出しやすい環境を作ってくれていました。ただフォアチェックに勢いと徹底、それと人数が加わったことでバルサが安定して利用できていた最後尾でのボール回しにミスが伴うようになったことのみが不安材料でした。

バルサのポゼッションへの対応はあまりされておらず、マドリーは嫌がってチェックに出てきていましたが、ディフェンスラインは連動してあげられていませんでしたし、ピボーテとセンターバックの高さが曖昧になり、メッシがバイタルエリアで受ける手助けをしてくれていましたし、そこで受けることが出来れば戻りながらの処理をして、チェックとカバーの明確な関係も作り切れていませんでした。メッシはピボーテの背後でボールを受け、前向きでプレイする回数を増やしていましたし、すぐにチェックに来られないことでパスとドリブルの選択肢を得ながらプレイできていました。無尽蔵に動けるかのようなディ・マリアはチェックに出られても、他の選手は消耗が激しく、バルサの縦のスピードに対応できなくなってきていましたから、ゾーンがずれて選手間も距離を保てずばらばらになっていました。

その中でペペが退場になり、モウリーニョも退席処分になったことで一気にマドリーのバランスは崩れてしまいました。ペペがそれまで参加していたフォアチェックにまるで勢いが無くなり、中盤の構成も一枚減ったことでピボーテの横に広大なスペースが存在するようになった。チャビに寄せにくるのはラサナ・ディアラだけになっていましたし、一人だけでは、近くにいるケイタやセルヒオ・ブスケツとの細かなパス交換だけで簡単に外されて追いかけることすらさせてもらえなくなっていました。むしろピボーテの背後に入られるスペースを空けてくれるだけで、ドリブルの持ち上がりに対してもスピードを落とすべく動き選手が少なくなり、ずるずると下がっていくようになっていました。下がってブロックを構築し、待ち構えようとするだけでしたから、バルサは全体を押し上げて連動することすらできるようになっていました。

やはりマドリーにとって致命的になったのはピボーテの横にあるスペースで三枚であれば何とか対応できていましたが、二枚になったことでメッシを掴まえておくにはあまりにも距離を空けすぎてしまうようになり、ドリブルを簡単に許してしまいました。一度は中を切りつつ寄せたことでなんとか守ることが出来ましたが、スピードに乗られてしまったことでセンターバックとは別の動きをしなければなりませんでしたし、サイドバックのマルセロも中へ引っ張られてしまい、アフェライをフリーにしなければならなくなっていました。一度は止められたものの、アフェライの突破からメッシが中で合わせて先制点。

バルサは一枚少ない相手を揺さぶり続け、左右を幅広く保ち、パススピードも落とさず、相手の出てこれないようにタッチライン際いっぱいまで使い、中央を経由してサイドチェンジをする。出てくればその背後を使ってボールを扱い、押し戻す。走って寄せるのが無駄になるように延々とボールを動かす。寄せては外し、戻らせて、戻す。相手を消耗させるための戦い方に専念しているようでした。
消耗して足が止まったところへメッシが仕掛けたドリブルには対応しきれず二点目。

バルサは効果的ではないポゼッションを効果的に動かし続けることによってマドリーに消耗を強い、自重することによってスペースを作りだし、忍耐強く、長いスパンを見てチャンスを得ようとしていたのかもしれません。待ち構えてカウンターを狙うマドリーに、待ち構えるだけでは試合を動かせず、出てくる必要性があることを示しているかのようでもありました。

Bundesliga 31. Spieltag フランクフルト対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 4 月 24 日 日曜日

■Eintracht Frankfurt 1 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンのボールの動かし方は前節よりも明確になっていました。ティモシュチュクがシュバインシュタイガーと横並びにならず、彼よりも後ろにポジションを取ることでセンターバックとの距離を縮めて、そこからのボールを受けて前を向きやすくしていました。サイドバックへ預けてフランクフルトはそこへも素早く寄せて縦のコースを塞いで前を向かせないようにしていましたから、サイドバックからではなかなか展開するポイントを見つけられませんでした。そこで安定して中盤の底へ預けることによってディフェンスラインのみでボールが交換されるだけ、という状況を作らずに済みました。しかしながらそこから先というのが見つからず、ウイングにしてもボールを受けられず、マリオ・ゴメスの下にクローゼを置いていましたが、彼も縦パスを受けられるような動きをしておらず、センターバックにしてもポゼッションを使用とするよりも単純なフィードによって裏を取ろうとしていました。
前との距離が開いていることで、ウイングへボールを預けられたとしても、中でボールを受けられるようなポジションに選手が足りず、サポートを得られませんでしたから、タッチライン際に押し出されて窮屈なプレイを強いられていました。ただここもバイエルンは改善できていましたから、ウイングが外に張り続けず、中へポジションを柔軟に移すことでサイドバックを高く保ち、幅広い選択肢を得たまま中へのサポートも得られるようにしましたし、横の選択肢を確保できたことでバイタルエリアでクローゼらもボールに触れるようになりました。クロスに対応する人数の増加にも繋がっていましたし、スルーパスにしてもミュラーはサイドバックとセントなーバックの間を割れる動きが出来ていましたから、ゴールに直結する動きになっていました。
もう少しティモシュチュクとそれより前のポジションが縮まれば、ワイドレンジにボールを配球して相手に的を絞らせず素早い展開が出来ていたのかもしれませんが、現状ではフィードやサイドチェンジに頼らざるを得なくなっていることがバイエルンの攻撃のバリエーションとスムーズさを減少させていました。

守備時にもティモシュチュクがセンターバックの前を埋めている時間が長いことで、ヴァン・ブイテンもルイス・グスタボも前へ引き出されて裏を取られる回数が減っていましたし、彼が縦のコースを切る事でドリブルをされてもチェックとカバーの関係が出来上がり、サイドバックの裏を取られても適切なタイミングでカバーリングが出来、戻りながら窮屈な処理を強いられることなく、中央を空けてしまうこともありませんでした。
ただ前節に比べればディフェンスラインの押し上げが遅く、低く保たれてしまっていました。ティモシュチュクを含めたディフェンスラインとそれより前のアタッカーとの間に距離が出来てしまっていることが構築の時にパスを繋げない要因になっていましたし、守備に回ったときには分離したそのスペースでドリブルをされ、スピードアップするポイントとして利用されてしまっていました。一人がアンカー気味に残っていたとしても、その両脇にはスペースがあるわけですから、アタッカーの協力が必要になってくるんですが、それがこの試合は足りずに後ろに任せっきりになってしまっていました。サイドバックがそのスペースを埋めようとでてしまえば、引き出されてしまうことと同じことになり、裏に広大なスペースを用意してトップスピードの相手に飛び出されてしまう。一同らへボールを出されて飛び出されてしまうと、クロスの対応のために下がらなければならず、守備のメンバーはペナルティエリア付近にまで簡単に戻されてしまう。そうなれば前後の分離が一段と進んでしまう。

裏へ飛び出され、セントラル・ミッドフィールダーでは抑えられないポジションに侵入されることが繰り返されると、スピードアップしたドリブルを掴まえられなくなり、センターバック両名が後方に残って対応できていたものが、引き出されてしまうようになり、サイドバック裏へのボールにカバーリングも出来なくなっていきました。フランクフルトはバイエルンのセンターバックの背後にもフィードを入れて競争させていましたから、走らされることで、バイエルンはせっかく整えられるように改善されつつあった守備を全く活かせず、戻りながら処理するようになり、ずるずると下がってより前後の間延びを生じささせてしまうようになりました。
間延びさせないように中盤がフォアチェックが出来ていればよかったんですが、ディフェンスラインが下がっていることでコンパクトに保てず、それが出来ませんでしたし、中盤の選手たちもそれぞれを掴まえ、素早く寄せられるようなポジションも取らず、フォワードもチェイシングを徹底していませんでした。コースを塞ぎながら連動して寄せられておらず、一人が向かっても、それによって出来る新たなコースに簡単に逃れられてしまっていました。一度前へ展開されると戻る距離が長く、サイドバックの手助けになるほど大きく戻ろうともしていませんでした。それらはフランクフルトが手数をかけず素早く攻撃を使用としている影響もありましたが、追いかけないことで苦しくさせているのは事実で、クロスを上げさせない守備は出来ておらず、クロスは簡単に上げさせてしまっていました。ただセンターバックが予め外へ引き出されてしまう守備だけはきちんと改善されていますから、クロスを上げられてもニアで先に触れましたし、抜けたとしても数的な問題を抱えているわけではありませんでした。

攻撃面にも徐々に間延びの影響が大きく響くようになり、それまではミュラーのドリブルの仕掛けに合わせてラームが追い越しマークを分散させることも出来ていましたし、リベリーの中へのランニングにコンテントが合わせるなど、縦の連携が横の変化を作って相手を混乱させることが出来ていましたが、間延びからスムーズにボールがでなくなるとシュバインシュタイガーにマークをつけられてキーパーに下げる回数が増えましたし、そういった状況が作られてしまうと、サイドバックは思い切ったオーバーラップが出来ず、ウイングの仕掛けに間に合わなくなっていきました。
連動が出来なくなると、ウイングの外から中への動きに対して相手が揺さぶられなくなりましたし、フォワードへ預けて相手センターバックの前でパス交換から裏へ抜け出そうとするパターンもきっちりと押さえられてしまうようになりました。フランクフルトの守備陣に背後からきちんとマリオ・ゴメスを始めとしたアタッカーを徹底して掴まえられてしまうことで振り向けず、ポストプレイこそ出来てもその後動き直すことが出来ず、裏へも度日出せず、窮屈にプレイさせられ囲い込んでカットされるようになってしまいました。もう少しサイドバックが上がり、ラインを押し上げるだけの時間をかければその問題が出ることはなかったのかもしれませんが、あまりにもクイックにカウンターへ急ぎすぎているように見えましたから、単調なフィードも増えて手詰まりな状況を作っていっていました。

守備もボールを受けに戻っていくフォワードに合わせて、ヴァン・ブイテンがマークの受け渡しをせずに個人でどんどんと上がって自分のエリアをオープンにしてしまう回数が増えてきていました。そこをティモシュチュクが埋められるわけでもありませんし、ラームも自分のマークすべき相手がいるために出来ず、センターバックの一枚が空いてしまっていました。非常に危険で、そのタイミングでラームの裏を使われるとカバーリングもなくなってしまう。常にその状態というのでなく、ティモシュチュクが相手を掴まえて抑えられていましたし、フォワード一枚をセンターバック二枚で見ている状況もあるから、問題は大きくはありませんが、前節のような守備の必死さはまるでなく、囲い込んだり、足を出して守る、フィジカルコンタクトをいとわないような守り方は確実に減ってしまって、ドリブルに対しても足を出して止めにいくとか、スピードを落とさせるための守り方ではなく、見ているだけになっていました。

後半開始時がバイエルンにとって最も大きなチャンスになっていたのは、フランクフルトの守備ブロックが大きく下がったことが原因でした。前半はディフェンスラインに対してもプレッシャーがいくらかありましたし、サイドバックに時間を与えることも少なかったんですが、立ち上がりはまるでチェックに行かず、自陣に入っても待ち構えているだけで、縦のコースやパスコースも限定せずに、ただひたすら待つだけになっていました。ウイングへのマークも遠く、狙いすましてフィードを出せる時間を与えてくれていましたから、マリオ・ゴメスが得点機となる飛び出しができるほどの余裕が全体にありました。

この緩さは、バイエルンが裏へより抜けやすい環境を作り、フランクフルトが裏を警戒してさらに下がり、自分たちの前へフォワードを置いて守ろうとしたことで、よりバイエルンが有利になっていました。トップスピードで走る選手に一瞬の加速で勝てるはずもなく、ディフェンスラインをどんどんと下げなければならなくなり、ペナルティエリア内に簡単に入って守るようになっていました。バイエルンはあまりにも下がった相手に対してフォワードがしっかりと向かってしまったため、スピードを活かせるほどのスペースを失ってしまい、深い位置で停滞してしまいやすくなって、動きによって変化をもたらしづらくなってしまいました。足が止まったところで受けたとしても、パスの距離も同じく伸びてしまっていましたから、受けるまでにでてこられて寄せられてしまいましたから、ドリブルで変化をつけてマークを振り切る、そして相手の視線を引きつけてしまわなければ崩すのは難しくなっていました。しかしそれは後方の選手がフォワードと同じ位置にまで上がってしまうことでしたから、攻撃の厚みを失って中央に殺到する戦い方で、渋滞にバイエルンの選手が殺到し、相手のブロックに突っ込んでいるようなものでした。
厚みを失った攻撃では一度跳ね返されると守備陣との広大なスペースを利用され放題になっていましたから、カウンターから一気に裏を取られかねず、バイエルンのディフェンダーは踏みとどまって対応することが出来ず、リトリートしてしまう。オーバーラップのスピードと戻るスピードでは明らかにフランクフルトの方が有利に立っていましたから、ファーストディフェンダーがかわされてしまえばファウルで止めざるを得ず、そのセットプレイから先制点を許してしまいました。

バイエルンの攻撃は失点以前から単調になり始めていましたが、フランクフルトの不味い守備もあって目立つほどではありませんでした。先制されてからはフランクフルトの守備が立て直されて、センターバックにも自由を与えないほどチェイシングをするようになっていましたし、サイドバックにも前を振り向かせてしまっていましたが、きっちりとチェックに行くことでミスを誘い、バイエルンは無理に展開しようとすることで失い続けていました。
ロングボールでサイドを変えるのは悪いことではありませんでしたが、中央を経由しないゆっくりとしたロングパスではあまり効果がありませんでしたし、それよりも多い単調なフィードを相手の裏へ放り込むだけでは、リードしている相手に時間を使う手段を与えているようなものでした。

守備でもゲカスやハリル・アルティントップらに引っ張られてセンターバックの二枚はオフサイドを取れず、一気に引っ張られてペナルティエリア前まで戻らされて、たった一本のフィードで攻撃が作り直しになってしまっていました。そして間延びした最後尾から攻撃を作らなければならりませんが、ティモシュチュクが一枚で支えている中盤にシュバインシュタイガーは参加してもそれ以外が連動することは希で、リベリーは苛立ちから相手にラフプレイもしていましたし、選手の殆どは審判の判定に文句を言うことにのみ全力を使うようになっていました。
少しずつフランクフルトが前で守備を出来なくなり、フォアチェックが自陣内に戻ってからしか行えなくなったことでバイエルンの最後尾には時間が与えられました。それでもフィードでそのポイントが下げられてしまうのは帰られませんでしたから、一気に戻されて焦りからクイックに展開しようとしてボールを失い、フォアチェックをしやすい状況を作られてしまう。
バイエルンの焦りがファウルとなって試合が途切れ続けていましたから、フランクフルトにボールへ対してしっかりとプレッシャーを与えに向かう集中力を取り戻させてしまっていました。ディフェンスラインはフラットで厚みを持てていませんでしたが、縦パスが入りそうな瞬間には前へ出てチェックに来ていましたし、ドリブルをする相手にはボールに向かって奪取を狙う、足を出していく。パスコースまでもを防げているわけではありませんが、きっちりと体をぶつけてコースを限定していることでプレッシャーにしていました。バイエルンはドリブルが中へ中へと向かっていくばかりで、外へ開いて相手を広げる努力をせず、得点に焦ってしまい過ぎていましたから、フランクフルトの守備が厚みを失って、中へ集められても、そこへ向かっていってしまう。フィードにしてもクロスにしても、中央へ人数が集まっているところへ出していましたから効果的ではなく、ファーサイドにまで持っていって初めてチャンスになるくらいでした。如何に素早くその形に持っていけるかということだけでしかなく、ドリブルへの警戒も少しずつ必要としなくなっていましたから、フランクフルトが少しずつゾーンとして形を取り戻していく手助けをしていました。中央の三枚も縦パスを受けて振り向いて仕掛けるわけでもなく、相手の背後へボールを出すだけ、あるいは、相手ディフェンダー前を横にボール動かすだけで、引き出してギャップを作ろうという動きも足りていませんでした。殆どパワープレイでしたから、キーパーやセンターバックがそれを意識していれば、余程のピンポイントでなければ通らない状況になっていました。

その間にもフランクフルトにはカウンターをされ、バイエルンの守備はそれを容易にさせるほどマークが緩く、相手に走られていました。攻撃のみしか考えられておらず、守備で奪い返すことで連続して押し込み続けることを意識していませんでしたから、必死さはまるでなく、走られるままに許していましたから、ゲカスさえミスをしなければ勝負が決まる形をも作られてしまいましたし、その後も何度もあり、試合が中断しているのかと思うほど守備に走らず歩いている姿すら見られました。

ただ審判に対してのみ必死にアピールをし続けたことが実ったのか、コーナーキックからPKを得て同点にすることができましたが、その後、さらにパワープレイからゴールに直結するプレイを狙ったものの、それ以上のおまけを得ることは出来ず、勝ち点を落としてしまいました。この試合より前にチャンピオンズリーグ出場権を争うハノーファー96は勝利を決めていましたから、順位が入れ替わりバイエルンはチャンピオンズリーグ圏内から転げ落ち、自力での出場権獲得が不可能になりました。

Liga Espanola Jornadas 33. バルセロナ対オサスナ

2011 年 4 月 24 日 日曜日

■FC Barcelona 2 – 0 CA Osasuna
バルサはミッドウィークの国王杯を戦い次のミッドウィークにチャンピオンズリーグを控えている関係上メンバーを変更して試合へ挑むことになっていました。さらにアドリアーノの怪我から左サイドバックに関しては変更が必須になっていましたから、マクスウェルを起用する以外の選択肢を持ちませんでした。先発から外れたのはピケ、イニエスタ、シャビ、メッシ、ペドロ。交代で入ったのはガブリエル・ミリート、チアゴ・アルカンタラ、アフェライ、ジェフレン。メンバーを大きく変更したこともそうですが、重要な試合の谷間であることも難しくした要因だったのかもしれませんが、スタジアム全体を含めた雰囲気もどこか緩いものでした。

バルセロナの立ち上がりは慎重でもありましたし、気持ちが入ってもいませんでした。オサスナが待ち構えず、フォアチェックをかけてミスを誘おうとしているのも影響していましたが、気の緩みやコンディションの悪さも強く影響しているようでした。パススピードが上がらず、プレッシャーに簡単に負けてバックパスをしてしまう、それをオサスナに狙われてカットされてカウンターも受けてしまう。オサスナは前へ人数をかけてフィードを入れてセンターバックと競らせたり、そこにチェックを書けて最後尾からの構築をさせない、サイドバックの前を塞いでしまう。守備を構築するための一通りの形を実践していました。バルサの中盤ではセルヒオ・ブスケツが出場していましたから、彼が展開を出来ればスムーズにボールを運ぶことが出来ていたのかもしれませんが、この試合の彼の出来はかなり悪くボールを失うポイントにもなっていましたから、それらのプレッシャーをかいくぐれていませんでした。サイドバックの前を塞がれることでテンポを上げられず、オーバーラップも出来ないことで前へ人数を増やすことも出来ませんでした。ただオサスナの守備は、前へ向かってこそいるものの、体を密着させるマークや足を出して積極的にボールを引っかけようとしていませんでしたから、その部分で助けられていました。

バルサはディフェンスラインとキーパーでボールを動かすことにも苦労していましたが、オサスナのフォアチェックが前向きに書けようとしている関係上、中盤にスペースが空きやすく、さらに彼らのディフェンスラインはフォアチェックに連動して押し上げようとしていませんでしたから、ドリブルで進入しやすくスピードアップしやすい環境を作ってくれていました。アフェライやジェフレンにはそのスペースでのドリブルを期待して突破することで、フォアチェックをしている選手たちをも押し下げることを期待したいところでしたが、ジェフレンは対面しているサイドバックに完璧に抑えられてしまいましたし、仕掛けるタイミングとバックパスで戻すタイミングが不明確で、フリーであっても下げてしまっていましたし、後ろが窮屈であっても仕掛けられないなど、思い切りと試合勘の無さが目立っていました。チアゴやケイタは縦パスを入れてスピードアップさせようとすることこそありましたが、回数はそれほど置くありませんでしたから、それほど全体に変化をもたらすことは出来ていませんでした。ビジャもアフェライもバイタルエリアに入って、縦パスを受けられていましたから、もっと多く利用できていれば、スピードアップするきっかけに出来ていたかもしれません。

バルサのポゼッションが上手く行かない理由として、ボールを受けるためのポジションの取り直しが少なく、ダイナミックにする必要はありませんでしたが、小さく相手のゾーンの隙間に入る動きもありませんでした。特に中央でそれがなく、外へ出さなければならなくなっていましたが、外へ開いても中へ戻す先が見つけられず下げられる原因になり、ミスの多いセルヒオ・ブスケツが触る回数を増やす原因にもなっていました。ケイタが中でしっかりとポジションを取ってサイドからリターンを受けられるように動いていましたが、彼にマークをつけられてしまっていたことで、なかなか利用することが難しくなっていました。
奪われる位置が悪いことでバルサも攻守の切り替えからスムーズにフォアチェックに移行することが出来ず、自分たちの間合いとペースで守備が出来ていませんでした。オサスナがカウンターを目的とした奪い方をして、そのままカウンターにでられていましたし、背後を取りやすく、そこへボールを出せるほどプレッシャーをかけられませんでした。センターバックが相手を掴まえるよりも早くパスやフィードをされてしまいましたし、落とされて拾われてもしまっていました。ディフェンスラインも整えきれず、オフサイドを取れない状況で背後を取られていることも頻繁にありましたし、マスケラーノのカバーリングとチェックの的確さが無ければ異常に危険な守り方でした。

流れを全く掴めず、リズムの変化をもたらせない中で先制点を奪えたのは大きく、焦りが出てしまってからでは試合そのものを落としかねない内容でした。得点自体もここの所ゴールから遠ざかっていたビジャが決めましたし、今後の試合に向けてこれで一つ吹っ切れれば、と思えるゴールでした。
しかし攻撃面でいえば、ジェフレンはドリブルで抜けませんし、セルヒオ・ブスケツも一向にプレイ精度が上がらず、アフェライは得点に繋がるドリブルこそよかったものの、ゴールに近い付いてしまうとボールを受けた後の動きにアイデアが無く、すぐにパスを出してしまいますし、チアゴはミスを恐れて積極的な縦パスもドリブルでの仕掛けもなく、横へボールを動かすだけになっていましたし、フリーランニングで飛び出すわけでもなくなっていました。ケイタが球際の激しさをもたらしながらミスを減らすボールタッチもしていましたが、彼一人が安定していたとしてもどうしようもありませんでした。

バルサは守勢に回ったときにバイタルエリアを埋める選手がおらず、ディフェンスラインはリトリートしてしまい気味でした。後ろへ下がるセンターバックの前で相手の勢いを殺し、ラインを踏みとどまらせる役目の選手がおらず、自由に利用させてしまっていました。そうなると余計プレッシャーが相手にかかっていないことからディフェンスラインが足を止めるポイントを失ってずるずると下がってしまう。セルヒオ・ブスケツの横の運動量が少ないことがディフェンスライン前を使われる要因にもなっていましたし、チアゴの守備貢献が少ないことも彼の負担を大きくさせてしまっていました。ジェフレンやアフェライにしてもビジャとペドロほど深く戻ってきませんでしたから、クロスを入れられる場面があれば、ファーサイドに人が足りず触られてしまいますし、中央にも厚みをつけられず、先に触られる要因になっていました。フォアチェックはビジャを中心に出来ていましたが、後方の対応は悪く、ビクトル・バルデスが止めたからこそ同点に追いつかれませんでしたが、セットプレイやクロスから危険な場面を度々作られてしまっていました。

後半開始時にイニエスタを投入したものの、大きな変化をもたらすことは出来ず、ダイレクトでボールを動かそうとするようにこそなりましたが、それも上手くいっていませんでした。交代した位置がそこではありませんでしたから、守備の問題点も依然としてあり、アンカーが埋めるべきスペースが多すぎて埋め切れていませんでした。そこで自由に持たれて裏へパスも出されていましたし、フィードを受けられてしまうこともありました。ドリブルの仕掛けもキープも許していましたから、緩さが最も出ている部分でした。

前半から多少はチアゴがサイドバックのサポートのために外へ出て行くようになりましたが、それでも一度パスを交換すれば終わってしまっていましたから、連続して中と外でボールを動かして相手ゾーンを動かしてテンポアップすることが出来ておらず、チアゴは特に勝負をしない横パスばかりを出すようになってしまっていて、全体へボールを配球しているようでもありましたが、縦パスを入れて勝負を仕掛けられるタイミングを何度も逃してしまいましたし、奪われる責任を回避しようとしているかのような消極的な姿勢に見えました。

メッシが入ってからは、ようやくそこへ収めることで起点として使い、スピードアップすることも可能になりましたし、全体がメッシにボールを預けることを目的としてパスを動かすようになったことで、狙いを持ったパスが出来るようになり、パススピードも上がったようでした。カウンターの際にもそこに収めてしまうことで、一気にゴールに向かっていけるようになりましたし、縦パスも入るようになっていました。前へスムーズに向かっていけることでバルサの選手たちの足が動くようになっていましたから、攻守の切り替えもスムーズになり、フォアチェックがかり、後方も一定の高さを保てるようになり、ある程度コンパクトに、使われるスペースを減少させられました。

ガブリエル・ミリートの負傷交代は誤算だったはずですが、シャビが入ったことでスムーズにボールを左右へ動かせるようになり、ポゼッションも安定していきました。チアゴを一列あげてイニエスタとポジションチェンジをしながら利用することで中盤では奪われない形にすることができましたから、両サイドバックを高くワイドな位置に置いて、左右へ展開先を用意できるようになりました。特にマクスウェルが上がってくることでマークを分散させられましたし、いつでも戻して組み立て直せるようになりましたから、パススピードを上げて勝負を仕掛けることも出来るようになっていました。

ただミス自体を減らすことは出来ておらず、カットされてカウンターやフィードを入れられてしまうことも多く、攻守の切り替えが機能しきれなくなっていました。ビジャがいなくなったことでスイッチの役割を果たせなくなったことも影響しているのかもしれませんが、フォアチェックが機能していないことでディフェンスラインを押し留めておく効果も薄くなってしまいましたから、プレッシングが再びかからなくなってしまいました。サイドを破られてクロスを入れられることも多く、オサスナはパンディアーニを入れて中央に高さを入れてきていましたから、バルサはそれに対応しなければならなくなっていました。マクスウェルのコンディションが悪化したようでもありましたから、ケイタが下がってセンターバックと同列に入って対応しなければならなくなっていましたから、より中盤でスペースを埋める存在がいなくなり、オサスナのプレッシングにばたつき、ミスをして奪われてポゼッションができず、ディフェンスラインの前を使われて囲い込めていませんでした。

そのまま推移していれば一点差を守りきれるかどうか怪しくなっていましたが、メッシがゴールを決めたお陰でようやく勝負を決めることが出来、守備面のばたつきは減りましたし、オサスナの足が止まって勢いを失いました。バルサは逃げ切れるだけの余裕を持てましたから、中盤とディフェンスラインの構成で不安定だった部分がようやく解消され、相手を走らせるようなパスも、この時間になってようやく見られるようになって試合を終えられました。

この試合の通してパーフェクトだったのはマスケラーノで彼のお陰で勝てたと言っても過言ではない働きでした。

Copa del Rey Final バルセロナ対レアル・マドリー

2011 年 4 月 21 日 木曜日

■FC Barcelona 0 – 1 Real Madrid
リーガのクラシコとはメンバーが違ったため当然でしたが、布陣としても変化をしていました。ペペをアンカーに固定気味に起用していた先日は違い、この試合はシャビ・アロンソをアンカー気味に起用しつつ、ペペに自由を与えて一列前で積極的なプレッシングを求めてきているようでした。主にチャビがそのターゲットになっているようで、積極的にアプローチを受けていましたし、掴まえようとされていました。それがハーフウェーラインを越えているところに特徴があり、クリスチアーノ・ロナウドが中央に入っていることで守備を免除されていることで両サイドに守備の運動量を保てることで、ディフェンスラインを上げて守勢に回ったとしてもサイドを自由にさせず抑えられるため、マドリーはそれを実現していました。

ペペがアンカーにはいっておらず、バイタルエリアを埋め続けていないことで、比較的そこは空いていましたし、シャビ・アロンソが埋めていたとしても、彼に幅広い守備エリアは求められませんでしたから、横にもスペースが出来ていましたし、背後にも十分には入れるはずのスペースがありました。バルサのテンポの悪いパスであっても横に揺さぶることは出来ましたし、ポジションチェンジによって構成を変えさせることも出来ていました。ただそこへバルサの選手が入っていけなかったのは、ペペやけケディラの積極的な守備によって安定したポゼッションが出来ていませんでしたし、テンポも築けなかったことで動き直して入っていくだけの運動量を用意できませんでいた。バイタルエリアでペドロが受けようとしても、この試合はセンターバックに入っているセルヒオ・ラモスが前へ出て牽制していましたから、ピボーテが埋めていなくとも塞ぐ方法を用意していました。
ピケがボールを持ち上がることは許してくれていましたが、それは囲い込んでパスカットを狙うための方法でしたし、それ以外の選手は前でブロックを構築して強く当たることでそれをさせてくれませんでした。バルサはそれに押し戻される形で高い位置に起点を設けられませんでしたし、ウイングやサイドバックにもマークがついていましたからそこも利用できませんでした。メッシが下がってボールに絡もうとする影響もあってダニエウ・アウベスをあげていましたが、ディ・マリアとエジルがハードワークをして戻っていましたから、そこを起点とも出来ず、ビジャが飛び出しを狙いつつ、相手のラインを押し下げようとし始めるまで待たなければなりませんでした。

バルサの守備には少しの問題があり、背後へ直接ボールを出されて走られてしまうことを怖がっていました。キーパーがピントだということもあって飛び出しのタイミングがビクトル・バルデスのようにはいきませんでしたし、センターバックが対応しなければならない場面も増えるはずでした。そのため、ディフェンスラインが背後を気にしてラインを下げ、中盤がそれのケアの為に下がって距離を縮めすぎているために厚みが無くなり、フィードを跳ね返したとしても、積極的に前へ出て守備をするマドリーにこぼれ球を拾われてしまいました。それでも裏を取られてしまっていましたし、下がることに意識を取られてドリブルに対して向かっていけず、足を止めてしまってパスのタイミングを計られて飛び出しを許してしまうなど、難しさを抱えていました。特にクリスチアーノ・ロナウドが攻撃と飛び出しに専念していることで彼を気にしすぎているようで、足下でも受けさせてしまっていましたし、裏へも飛び出させてしまっていました。いつものように背後から掴まえて自由を与えなければポストプレイから変化を許すことはなかったはずですが、それをさせてしまっていることがより飛び出しに脅威を感じるようにしてしまっていました。ワイドレンジにスピードのある選手を置きながら、中央にクリスチアーノ・ロナウドを配して専念させてシンプルにしているからこそ、活きる戦い方ではありました。

バルサがビジャの飛び出しからボールを扱えるゾーンを広げられるようになると、ようやくメッシらが前を向いてボールを扱えるようになりましたし、アンカーを担当していたシャビ・アロンソを引っ張り出していけるようになっていました。一人が引き出されても残り二枚のピボーテが埋めようとしていましたが、ポジションチェンジに強く影響されてしまうために不明確になり始めていました。ビジャが飛び出しを狙うことでセルヒオ・ラモスは前へのチェックに集中出来づらい環境になり始めていましたし、メッシとイニエスタはピボーテの外側に入ることで少しずつボールを受けて変化を与えられるポジションを取り始めていましたが、それでもボールを回すだけのテンポは得られませんでしたし、安定したポゼッションにもならずミスも多くありました。
バルサは大きく開いたサイドバックに預けて中へパスを動かしながら横へ揺さぶってしまうことで、マドリーのブロックを崩して自分たちの形を作りたいところでしたが、エジルとディ・マリアによってサイドバックの縦のコースは着られ続けていましたし、ウイングもサイドバックのマークを受けていることで中へのパスは選べませんでしたし、中盤とメッシも相手三枚のピボーテによってマークをされて上手くダニエウ・アウベスとの連携が出来ないことでスムーズさを欠いていました。ピケのドリブルの持ち上がりは状況が見えてきたお陰で、パスカット狙われている以外へ出すことで少しずつマドリーの狙いを外せるようになっていました。
ただテンポが悪いことで体を寄せられやすく、それぞれが奪われない持ち方を優先させなければなりませんでしたから、パスコースがあっても使えませんでしたし、探す余裕もあまりありませんでした。ダイレクトで動かせる場面の少なさがそれを物語っているようでしたし、ビジャが背後に動いてもパスが出ないことで効果を半減させてしまっていましたから、チェックに来続けるマドリーの狙い通りになってしまっていました。それでもバルサは徐々にチェックをかわすこともできるようにならいましたし、体を入れ替えて前をも向けるようになっていました。一度それが出来るとカバーを使用と別の選手が寄ってくることで他にスペースが出来、バルサは新たに出来たスペースに人を入れて利用することで徐々に相手陣内に入っていけるようになりましたし、ディフェンスラインが受けるプレッシャーを減らしていけました。

一度失点のピンチを迎えましたが、ピントはいつもよりも高いポジションを取ってディフェンスラインの裏側をケアしようとする意識を出していましたし、しっかりと飛び出してクリアも出来ていました。もっとスピードがあれば安定してそれが出来ていたのかもしれませんが、それでも十分に出来ていました。
後半にはしっかりとクリスチアーノ・ロナウドへの対応が出来るようになり、バルサのセンターバックはそれぞれ彼へマークに付き自由を奪うものと、裏へ抜けられる可能性を考えたカバーに役割を分担できるようになっていました。お陰で、ロナウドには自由を与えないことで足下で受けさせてもミスを誘えましたし、コントロールミスの間に囲い込んで奪えるようになり、ファウルをもしなくなっていました。

バルサは攻撃面で前半は目立たなかったメッシとイニエスタがボールを多く触ることで流れを生み出せるようになっていました。前半は全くと言っていいほどでなかった縦パスもビジャ向けて出せるようになりましたし、縦パスをフォワードが収めている間にイニエスタがそれを追い越して飛び出せるようにもなり、縦の連携が見られるようになりました。何よりもマドリーのブロックの構築が、前半のように高くなく、体にも密着しなくなったことでそれらを許してもらえるようになっていました。ハーフウェーライン上での攻防が出来ずディフェンスラインの設定位置も下がっていましたから、全体として下がり気味に推移するようになり、イニエスタはよりフリーでボールを扱えるようになり、ワイドにパスを出せるようにもなりました。一度押し下げてしまえば、ペドロもアドリアーノもスピードに乗った状態でボールを受けられますから、ドリブルで仕掛ける意識をももたらせるようになりました。例えマークに付かれていても、バルサの選手たちはマークを意識したボールの扱い方をすることができるようになっていましたから、ボールを失う回数を減らせていましたし、センターバックへの圧力をかけられなくなったことで何度でも作り直せることで、安心してオーバーラップできるようになったのが影響しているのかもしれません。

前半から空いていたマドリーのバイタルエリアですが、メッシとチャビがそこの利用を始めていました。メッシのポジションが中央から右気味に移ったことで本来見ておくべきピボーテの三枚が見るべき相手を失ってゾーンを崩してしまってサイドへ引き出される回数が増えていましたから利用しやすく、メッシがマルセロを引きつけることでバルサが注意しなければならなかった彼のオーバーラップをも封じ手守備を楽にしていました。マルセロが上がれなくなり、マークに集中しなければならなくなると、ダニエウ・アウベスのマークのためにディ・マリアはそれまで以上のハードワークを強いられることになりましたから、攻撃に出るには距離と労力が必要とされすぎていました。メッシが中へ動くことでマルセロは簡単に引っ張られて不安定なポジションをするようになりましたし、ダニエウ・アウベスも中へ入ることで誰が捉えるのかはっきりとしなくなっていました。それがバイタルエリアで受けられる要因のようでした。マドリーの中盤の守備は消耗から非常にマークが緩くなり、サポートも遅くなって囲い込めなくなっていました。寄せようと動くペペ一人でケアできるエリアは限られて、他との連動が出来ないまま彼が動くことで新たに出来るスペースを埋められず、間隔が開いていました。バルサが前へ人数がっかり寄せられないことでどんどんとワイドな選択肢を用意しながら攻めていけるようになり、ドリブルでも持ち上がれるようになっていました。ビジャへのボールを出せることで飛び出しに引っ張られてディフェンスラインを満足に上げられず、コンパクトに保てなくもなっていましたし、バルサのテンポはよくなっていました。

相手のサイドを封じることでマドリーのカウンターを許さなくなりましたし、クリスチアーノ・ロナウドは掴まえられるようになっていましたから、そこを起点に押し上げることも出来なくなっていましたから、マドリーは散発的にロングボールを放り込む以外なくなっていました。アデバヨールを投入した後もそれほど中盤のプレッシングを活発化させるわけではありませんでしたし、特にマドリーは左サイドを押し下げられ続けたことで攻撃に出られず、むしろカルバーリョを左に引っ張られる要素にもなっていて、逆サイドにスペースを作ってしまいがちになってました。一度それをメッシのドリブルで崩せましたが、オフサイドで得点に至らなかったのが最も大きなチャンスだったかもしれません。
マドリーはなんとか状態を取り戻そうと前からのプレッシングをしようとしていましたが、それもあっという間にかわされて押し下げられてしまう。マドリーは足を止めて下がりながら待つディフェンスに変わってしまっていましたから、カウンターにかかるにしてもボールを奪う動きが後ろ向きでしたから、奪った勢いのまま前へも出られませんでした。守勢に回り続けることで横に揺さぶられてゾーンを作り直すまでも遅くなり、中央に選手が集まりがちになっていました。バルサもそこへメッシ、チャビ、イニエスタと入れてしまっていましたから、渋滞になることも多く、突っ込んでしまってもいました。

流れを得ていた後半のうちに得点を取れなかったのは大きく、延長戦に入るタイミングで交代を選べず、一気に勝負をかけることができなかったのかもしれません。
それでも流れはバルサが持っていましたし、マドリーは前からの守備をし続けることが出来ず、バルサはマドリーのピボーテが追いかけます外側を使い、それらを外に引き出させて走らせ、逆サイドを使っていけていました。ただバルサも消耗してきていましたからスピードアップもしていけませんでしたし、引いて守られてしまっていることでポジションが上がりすぎて、オーバーラップそのままを使えず、スピードを活かせない環境にされてしまっていました。
全体が動かず停滞した流れになってしまうと、マークをされてパスも自由に動かせなくなってしまいましたし、中へ集まってしまっていることで相手にも寄れる状況を作ってしまいましたし、サポートを近くしてそれらをかわすほどの距離も保てなくなっていました。
交代を早く行い、その状態を打破できていればよかったんですが、バルサが疲労からリズムを逃すことに繋がってしまい、失点をしてしまいました。

延長後半に入って選手交代を行いましたが、その時には既に運動量は大きく落ちて、マドリーには逃げ切るための集中力を取り戻させてしまった後でした。サポートもしづらく、運動量も落ちてドリブルも、相手の横を利用することも出来ませんでした。全員で守備をして、引いて守られる。ゴール前をきっちりとディフェンスラインで固められ、サイドアタッカーがその外側を埋め、三枚のピボーテが前を埋める。バルサが利用すべきスペースはタッチライン際にもありませんでしたし、引かれていることで裏のスペースもなく、斜めの動きもしづらいほどでしたから、パスも出せませんでした。ボールを引き出す動きもつかまれ、最前線へ預けてもそこから先が使えませんでしたし、最後にピケをあげてのパワープレイも相手を背後へ引っ張る効果が足りず、これまでモウリーニョが指揮したチェルシーやインテルを相手にしたときと同じように、バルサがこじ開けられない、最も苦手とする形となってしまい、封じ込められてしまいました。

Bundesliga 30. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対レバークーゼン

2011 年 4 月 18 日 月曜日

■FC Bayern Munchen 5 – 1 Bayer Leverkusen
バイエルンはファン・ハールが解任されて初めてヨンカー監督が采配を振るう試合でしたが、キーパーは前節解任のきっかけを作ったクラフトではなく、ブットを先発させ、出場停止になっているロッベンの代わりにはクローゼを起用していました。センターバックにもヴァン・ブイテン、中盤にティモシュチュクを起用していましたが、それぞれ怪我や病気のために出場出来ない選手がいるためなのか、彼らを信用してのものか、現状では判断しかねますが、変化があったのは確かでした。

バイエルンの全体の流れはスムーズになっていて、スタート時こそ目立つことは多くありませんでしたが、サイドバックを押し上げ、ディフェンスラインも高く保ち、中盤はボールを引き出すために多く戻り、後方でボールが動くだけにならず、前へと運ぼうとする意志が感じられていました。
守備の問題も立ち上がりこそ、センターバックがサイドバックの裏側のケアの為に引き出されてしまい、フィードに対しても前へ出てしまい、その後ろを埋める選手がおらず、中を薄くしてしまっているのも変わりませんでした。ドリブルによって簡単に引き出され、逆サイドまでボールを運ばれることもありましたが、時間の経過と共に中盤の主にシュバインシュタイガーがサイドバックと共に二枚で対応しようと距離を縮めていくようになりましたし、以前であればその状態にあってもセンターバックがさらに抜かれたときのために出て行ってしまっていたのが、出て行かず、中央に残るようになりつつありました。徹底はできておらず、デルディヨクにヴァン・ブイテンが引っ張られて背後にスペースを作ってしまい、そこにルイス・グスタボがスライドして、ディフェンスライン同士の距離が開いている隙間を突破されかねない場面も一部ありました。レバークーゼンもそこを狙って攻撃を仕掛けているようではありましたが、バイエルンが、コーナーキックからオウンゴールによって先制点の得たことで、バイエルンは安定感を増したようでした。

クローゼが先発しているお陰もあり、フォワードからのフォアチェック速度が速く、勢いがありました。相手センターバックに自由を与えず、組み立てる余裕を与えないことでパスコースを限定してしまえましたし、後に続く選手がプレスの形を取りやすくして、こぼれ球を拾える確率を高くしていました。
徐々にオーバーペース気味だったそれを落ち着かせ、形を作って守るようになりましたが、守備ブロックの構築がしっかり出来ているため、問題にはなりませんでした。サイドバックが簡単に前へ引き出されてしまうこともなく、中盤の底を担当している二人がそれらのケアに出て対応できていましたし、サイドバックが裏を使われそうになったとしてもそこで対応してしまい、センターバックを中へ押し留めていられるようになり、逆サイドや中央を使われることもありませんでした。お陰でドリブルでカットインされてもセンターバックがきっちりと中のコースを塞げましたし、クロスにも対応できていました。特にシュバインシュタイガーがサイドへ多く流れることで安定をもたらしていました。

レバークーゼンは形を作れず、バイエルンのフォアチェックとカウンターの鋭さによって押し戻され、センターバックを押し上げられずフィードに頼らなければならなくなっていました。中盤にはしっかりと人数を揃えられていましたし、バイエルンは一度ブロックを構築してしまえば、不用意に出て行くのではなく、待ち構えることでパスコースを限定してコンパクトに保って数的優に立っていました。プレッシングもそれまでであれば、囲い込んでも、それだけでしかなく、ドリブルのスピードを落とせませんでしたし、カットするために足を出しているわけでもありませんでした。それがこの試合では体をきっちりと寄せてスピードを落とさせていましたし、囲い込んでもきっちりと足を出しながらそれぞれがカットを狙っていました。それらはきっちりと相手のプレッシャーになってミスをさせましたし、カットからショートカウンターにもでやすくさせていました。バイエルンは高い位置からしっかりと体を寄せてパスを出させていないことでディフェンスラインを高く保てましたから、サイドバックとサイドアタッカーの連携も多く見られていました。

幸運にも二点目をヴィダルの安易なミスのお陰で得られたことで、より流れは明確になっていました。バイエルンのサイドアタッカーはそれまでのように、サイドに固執するばかりで中へ入っていかなかったものから、フリーランの段階から中へ動くようになりましたし、ボールを持ってカットインもするようになり、ミュラーもリベリーもバイタルエリアでボールを受けられていました。サイドバックの攻撃参加と合わせて、横へ相手の視線を幅広く動かすことでバイタルエリアへ進入しやすくさせていましたし、そこでの勝負もしやすく、バリエーションを増やしていました。

何よりも守備の改善が大きく、センターバックのみが責任を負うような場面が殆ど無く、押し込まれたとしても中盤の選手たちがバイタルエリアを閉じて、接近してサポートできる状態を常に作っていましたし、中盤の守備では複数が絡んでいました。時間の経過と共にセンターバックが無理に出て行くことも少なくなりましたし、縦パスに中盤の選手が予め掴まえて背後を抑え、振り向かせないようにもしてました。中盤が相手を限定していることでパスカットを他の選手も予測しやすくスムーズな攻撃に繋がっていました。裏へのボールを出されたとしても簡単にリトリートしてしまわなくなっており、むしろ前向きにでて出所を抑えて精度を落とさせるようにもなっていましたから、攻撃に繋がる守備になっていました。そして中央にしっかりとした厚みが出て、積極的に当たられることによってレバークーゼンは積極的にそこを使わず、そとから切り崩しにかかっていましたから、バイエルンは中から外へ押し出すようにプレスをかけることで相手に組み立てをさせ、そこからも戻すように当たれていました。三点目も四点目しっかりとした守備からの組織的なカウンターで、個人技に頼らず、多くの選手が共通の理解を持って攻められているようでした。

後半はさすがに大量リードのためにペースが落ちてしまい、レバークーゼンのセンターバックにゆっくりとボールを持たせてしまうようになり、バイエルンはフォアチェックからコースを限定できていないことでパスカットにでるポイントを失ってしまいましたが、それ以外の修正点は持続させていました。サイドをドリブルで切り崩されそうになっても、しっかりと体を寄せている間に中からカバーに向かってセンターバックは出てきませんでしたし、足を出せていました。レバークーゼンはそれでもサイドに起点を求め、外から中へ、アーリークロスや裏のへフィードで勝負しようとしていましたが、枚数は十分に足りていましたから、跳ね返すことは容易でした。
サイドへ人数をかけ、サイドバックと連動されるようになり、二枚でそこを崩されそうになったとしても、バイエルンはシュバインシュタイガーとティモシュチュク、あるいはサイドアタッカーのどちらかやクローゼまで戻って守備をしていましたから、クロスまで持っていかせることは多くありませんでした。

後方の形は持続できていても、フォアチェックが機能しなくなったのは影響をして、全体が下がるきっかけになってしまいました。クローゼが後方に戻るkとお出マリオ・ゴメスリベリーがプレッシャーを与えなければなりませんでしたが、どちらも徹底せず緩やかにコースを切っているだけで足を出せるほど近づきませんでしたから、相手には多くの時間が与えられました。繋ぐためのコースを見つけられましたし、サイドを切り崩しにかかることも出来るようになり、バイエルンは受け身に回ってしまいました。フォアチェックが出来なくなれば、それまで一定の高さを保っていられたディフェンスラインも押し上げるタイミングを作れませんし、ペナルティエリア付近にまで簡単に下がってしまい、受け身に回ってしまったことで一失点をしてしまいました。

バイエルンは相手中盤のボールを受ける選手に対して激しくぶつかることが出来ず、相手の動きにこそついているものの、体を寄せてはいませんでしたから、脅威を与えるほどではなく、焦りを生むほどではなくなっていました。フィードを限定せずに出されるようになってしまったことで、バイエルンのセンターバックが前へ狙いを絞って出ることも出来なくなりましたから、裏へ出されて後方を意識したポジショニングをしなければならず、ずるずると下がってしまいやすくなっていました。サイドバックの裏への対応こそ依然として守られていましたが、ディフェンスラインの高さが保たれなくなったことで、中盤のプレッシングも機能しなくなり、押し込まれる回数が増え、サイドバックのサポートにセントラル・ミドフィールダーのどちらかが出ていたのもでられなくなって、体をぶつけてもファウルになってしまうことも増えていましたが、そのいずれにしても大量点差によって焦りを生むことはありませんでしたし、レバークーゼン側にも勢いや逆転の可能性をもたらすものではありませんでしたから、この試合に限っては大きな問題にはなりませんでした。

大量点差があったからこそ緩んでしまっただけかもしれませんが、前半の内容を後半も継続でいていれば完璧な試合でした。あれほどまでにファン・ハール監督時代に修正されなかった守備がたった一週間の間に大きく修正されましたから、残りの試合を期待できるものになりましたし、個々人のパフォーマンスすら上がったように感じました。ようやくの解任も効果があったようです。

Liga Espanola Jornadas 32. レアル・マドリー対バルセロナ

2011 年 4 月 17 日 日曜日

■Real Madrid 1 – 1 FC Barcelona
層が薄く、マスケラーノの出場停止もあって懸念されていたセンターバックでしたが、プジョルがまさかの復帰を果たして先発出場をすることでそれを解消していました。ただぶっつけ本番でしたからコンディション面での不安はあり、いくらかそれが表に出てきたようではありましたが、それでもこの先発出場はバルサにとっては非常に大きな材料になっていました。

マドリーはペペをアンカーにあげて彼の幅広い守備範囲とスピードを活かした守備方法をとり、ブロックを構築していました。スタート直後こそベンゼマが一人でアプローチに向かい、ボールを追いかけ回していましたが、それ以外の選手が連動しているとは言い難く、マドリーの基本方針としては、中盤の重要な選手が持つまではブロックの構築に重きを置いているようでした。チャビがプレッシングのスイッチになっているようで、彼がボールに触れる瞬間には複数枚でプレッシャーを与えてボールを動かせないようにしてきましたし、ボールを持っていなくとも、三枚のピボーテで受け渡しながら彼のマークをし続けていました。バルサもそれを理解した上でボールを動かしつつ、様子見の傾向が強くリスクを冒していませんでした。ショートパスを繋ぐよりもフィードでウイングまで渡してしまおうとしていましたが、マドリーはそのウイングにまでサイドバックを広げてマークさせていましたから、ピケやセルヒオ・ブスケツからであっても通ることはありませんでした。バルサの選手たちが相手陣内へ多く入っていませんでしたから、サイドバックを中へ入れることも出来ず、ディフェンスラインも高く保てていましたから、マドリーはフィードに対しても出足よくカットしてきていました。

マドリーは奪ってからカウンターを強く意識した戦い方で、逆サイドへと大きくボールを振ることでより、バルサの視線を左右に揺り動かし、オーバーラップしていく選手に対する注意を削ごうとしているようでした。少ないタッチから出されるフィードは競争させる目的であることが多く、バルサのセンターバックには大きな負担がかかっていましたし、怪我から復帰した直後のプジョルにとっても難しく、ピケはそのカバーリングを意識せざるを得ず、上手くいっていましたが、背後を意識することでバルサはディフェンスラインを高く保ち続けることが出来ず、押し下げられては構築を一からやり直さなければなりませんでした。長いパスを入れても合わないことも多く、チャビが下がって扱い、メッシも下がってボールを受けていく必要がありました。

メッシはこれまで相手ピボーテの背後を取れるようにポジションを取ることでバイタルエリアでボールを受け、そして前を向いてプレイをしていましたが、このアンカースタイルを取られることで中央にそれをするためのスペースを得られず、常に相手背後を取れず、正面で捉えられてしまうためボールを受けることもままなりませんでした。そのため、サイドへ移動し、アンカーの横にあるスペースでボールを受けることでドリブルや縦への切れ込みを狙い、あるいはパスを使った変化を産み出そうとしていましたし、イニエスタも同じくポジションを取ろうとしていましたが、アンカー一枚で守っているのではなく、残り二枚のピボーテがサイドバックの前を埋めていましたから、スペースを埋めるスピードが速く、メッシのドリブルも三枚を常に相手にしなければならずコースを作れませんでした。

バルサはカウンターによって押し下げられることもあって全体を下げてポゼッションの姿勢を出していっていました。。ポゼッション阻止、あるいは特定の選手へのマークを目指してマドリーの守備が出てこようとするところへダニエウ・アウベスを飛び出させてバランスを崩させようとしていました。あるいはメッシはセンターバックに近づくことでペペのゾーンから離れてその背後を取りやすくしようとするなど、変化を加え始めていました。
マドリーがウイングを予め掴まえておくマークを中心とした守備をしていたことを利用して、ペドロとビジャを中へ入れ、サイドバックが中へ絞ったところへイニエスタやダニエウ・アウベスをオーバーラップさせることで、外側に起点を作るようになりました。横の動きでスペースが作れるようになると、ダニエウ・アウベスへ預けてマドリーのディフェンスラインを下げられましたし、中と連携をして短い距離でテンポよくボールを動かすことで、それぞれが掴まえられて窮屈にプレイしていたそれまでとは違い、マークよりも素早くボールを動かすことでフリーの状態を作り続けてボールを動かし続けられましたし、メッシもスピードアップして三枚のピボーテを相手にしなくてもよくなっていました。マドリーは左右へ走らされ、チェックに出て、ゾーンに戻り、縦パスこそを塞げるようにバイタルエリアを閉じていましたが、ボールホルダーへ満足にプレシャーをかけられなくなっていましたから、裏へ通すようなパスを許してもらえるようになっていきました。

バルサのその間にバイタルエリアに入って中央を強く意識させることが出来ればよかったんですが、ピケやブスケツのドリブルこそチェックをされなかったために入っていけましたが、それを変化に繋げることは出来ませんでしたし、サイドの利用をし続けたため、ディ・マリアらを下げてダニエウ・アウベスに対応し始めたマドリーによって、サイドバックのオーバーラップも縦を閉じられてしまうようになりましたし、手詰まりから後ろでボールを回すようにもなってしまいました。安定していたポゼッションに再びマドリーがプレッシングできるようになると、バルサは何度もミスをしてしまい、カウンターを受けましたし、ピンチを作られてしまいました。
マドリーはバルサのサイドバック裏を狙って来ていましたから、プジョルやピケが外に出て対応しなければなりませんでした。それでもマドリーのカウンターに人数がかかっていたわけではありませんから、数的有利や変化をつけて翻弄するところまで持っていけず、個人技に頼る部分が強くでていました。そしてゴールから遠いサイドバックの裏でしたから、シュートにまでは直結しませんでしたし、時間をかけている間にオーバーラップを促したとしてもそれよりも早くバルサの方が戻って囲めましたし、停滞してからは特にクリスチアーノ・ロナウドが裏を意識したプレイをせずに足下でのプレイを従っていることで、足を止めて対応できたのが大きかったのかもしれません。

後半開始時のマドリーは大きくボールを蹴り出してわざとバルサの最後尾にボールを持たせているようでもあり、そしてプジョルに多くボールを触らせて、チャビのポジションを下げさせているようでした。そこから前へボールを運ばせず、ベンゼマにパスカットを狙わせているようでもありましたが、バルサはセルヒオ・ブスケツとチャビで横に動かし、ペドロとメッシが受けに戻ることでそれを脱していました。前半の基本形のようにウイングを中に入れ、サイドバックを押し上げていくことはできていませんでしたが、それでもサイドバックと中との連携は十分に出来ていましたし、後方に持たされたとしてもそれほど大きな問題にはなっていませんでした。

試合を大きく動かしたのはアルビオルがフィードの処理をミスしたことで、ビジャに体を入れられて引き倒してしまい、退場になったことでしょう。前半にも一つビジャが倒されながらPKを取られず、逆にシミュレーションを取られた場面はありましたが、あの判定は仕方ないとしてもこれは擁護のしようがないほどでした。そのPKをメッシが決め、先制点。その際に観客席から当てられていた緑色のレーザーは非常によくないものでした。あれはどういった試合でも度々見かけますが、無くすことは出来ないんでしょうか。

退場者が出た後はペペがセンターバックに下がることで、ディフェンスラインに穴を空けることなく陣形を保とうとしていましたが、ペペがアンカーにいることで出来ていた安定した守備はなくなり、前へのチェックのスピードも遅く徹底できませんでしたし、積極的にでてしまえばバイタルエリアにスペースを空けることになり出られず、それでもチャビやメッシにマークをしようと出て行ってしまうためにバイタルエリアが空き、ダニエウ・アウベスもフリーにしてしまっていました。バルサは飛び出しに合わせてボールを出すことで、マドリーのディフェンスラインを下げさせることでそこを広げていこうとしていました。マドリーはプレスをするポイントを決めきれませんでしたし、チャビからそれでも奪おうとしていましたが寄せきれず、怪我でサガ立った武所ル膠って入ったケイタにしても寄せ切れていませんでした。サイドバックのドリブルもできるようになっていましたから、マドリーはずるずると下がって非常に悪い状態になっていました。裏への動きこそ軽快してついていましたが、それによってディフェンスラインを押し留められなくもなっているわけで、コースを防いでいたからこそパスが入る瞬間に寄せられていたのが寄せられなくなり、ドリブルを許していたのが後方の選手だけだったのが、イニエスタやメッシにも許し、中央を埋めていたアンカーがいなくなったことでやらせてくれるようになっていました。
その時間帯のマドリーはカウンターにでようとしても裏へ直接ボールを出す以外になく、それも精度が悪く、クリスチアーノ・ロナウドは徹底して追いかけないことでバルサを焦らせることも出来ませんでしたし、ディ・マリアのスピードのみが多少慌てさせることが出来る程度でした。クリスチアーノ・ロナウドの足下へボールを入れてポストプレイさせようとしても収めきれませんでしたし、背後からしっかり捕まれていることでサポートを得る前に失っていました。

選手交代をしてペペをアンカーに戻したことでマドリーの守備は形を取り戻してブロックを構築して保てるようになりましたし、ドリブルもパスも許さなくなっていました。それどころか奪いに前へ向かっていく姿勢も強くでているようになっていました。バルサはその勢いに当てられてしまっていましたし、何より運動量を落としてテンポを落としてしまっていたことが響いていました。一度落としてしまったリズムはすぐに取り戻せず、サイドバックと中アフェライの連携もまだ上手くいっていませんでしたし、寄せられる環境を作ってしまいました。寄せられながらもバルサは距離を縮めすぎて弱いパスを連続していましたから、マドリーのプレッシングの勢いを削ぐことなく、連続して次々に寄せやすい環境をわざわざ与えてしまっていました。逆サイドや距離を開いて相手を走らせることを意識していれば、人数の少ない相手を消耗させることが出来たのかもしれませんが、自ら窮屈な状態を作って数的不利が目立たないようにしてしまいましたから、ボールを失う回数を増やしてしまいました。

マドリーはパワープレイ気味で、アデバヨールにフィードを当てて落とし続けていましたし、マルセロも上げて、突破よりも飛び出しや裏へのこぼれ球を狙い続けていましたから、高さとスピードは抑えきれず、投入されたケイタもアデバヨールには勝てませんでしたし、ダニエウ・アウベスの後ろ向きのプレイも難しく、セルヒオ・ブスケツは本職でなく、スピードも足りませんでしたから、カバーリングに難がありました。なんとか止めてこそいましたが、嫌がっているうちに他との連携をされてしまい、バルサの不味いポゼッションと相まって押し込まれる要因になっていました。バルサはドリブルもしなくなっていましたし、ペペが前へ出てきていましたから、その背後を取れるように動いてくれていたものの、押し込まれることでは入れず、パスも出ませんでした。

その流れが悪い状態を脱しようとしたのかもしれませんが、不用意なミスが続いていたのは中盤で、一度押し戻した段階ではなく、押し込まれたままアドリアーノに代えてマクスウェルを投入したのはよくなかったようです。彼が試合に入りきるよりも早くそこでの攻防になってしまい止めきれなかったことで逆サイドまでボールを運ばれてしまいましたし、PKになってしまいました。あのPKのジャッジは、前半にビジャが倒されたのをPKとせず、流しもせずにシミュレーションを取ったのならばPKにすべきではない程度でしたし、バルサに与えられたPKとは性質の違うものでした。ただ一度PKが与えられた試合では二度目の笛が吹かれる基準が下がるのは往々にしてあることで、ダニエウ・アウベスのプレイが仕方なかったとしても不用意でした。

同点に追いつかれたことで、それまで全く出来ていなかったパススピードを上げたポゼッションが出来るようになったとしても遅く、失点前にその切り替えが出来ていれば、交代を含めて楽に運べていたはずでした。その後は幅広く動かしながら相手のゾーンを動かそうとすら出来ましたし、マドリーが一時的に低く閉ざそうとして自由に扱えるエリアを広げてくれたからこそでした。相手の裏を取ることも出来るようになっていましたが、ビジャにしろメッシにしろ直線的な飛び出しが中心になっていましたから、カシージャスの飛び出しで防がれてしまうものでしたし、斜めの飛び出しではありませんでしたから、パサーもピンポイントで通さなければならず、非常に難易度の高いプレイを選択してしまっていました。何度かチャンスがありましたが、決めきれなかったのもその難易度の高さ故でしょうし、メッシがドリブルで横に相手を動かすことで出来たスペースをビジャが使って得たチャンスにシュートをミートしきれなかったのはビジャの消耗や調子の悪さが影響していたのかもしれません。
残りの時間アフェライはいいドリブルで消耗した味方の遅さをカバーしていましたし、飛び出しやドリブルでの切れ込み、シュートもよく、あのスピードは十分に通用して変化を与えられていました。惜しむらくは周囲の運動量と連動した状態でそれが出来なかったことでしょうか。

UEFA Champions League Quarter Final 2ndLeg シャフタール・ドネツク対バルセロナ

2011 年 4 月 13 日 水曜日

■FC Shakhtar Donetsk 0 – 1 FC Barcelona
バルセロナはイニエスタが累積警告のため出場停止でしたが、タイミングを考えると帯同もせずに済み、休養に充てられたことはプラスになったのかもしれません。それ以外の部分ではクラシコを睨んで、テスト、あるいは温存をするかと思っていましたが、そういったことはなされずに、イニエスタのポジションにアフェライが入り、マスケラーノとセルヒオ・ブスケツのポジションがこれまでとは逆に入れ替わっていた程度でした。シャフタールのスピードはファーストレグで脅威でしたから、それを考慮してポジションを入れ替えていたのかもしれません。

シャフタールはバルサの中盤にきっちりと付き、センターバックにも時間を与えませんでしたが、どちらも激しくボールを奪いに向かうというよりも、それぞれのコースを塞ぎ、時間を稼ぎつつ、限定したコースをもふさぎ手詰まりにしてし迷うとしているようでした。バルサはセンターバックがボールを持つ時間が多く、コースを切られながら徐々に迫られるため、バックパスを利用しなければならなくなることも多くありました。中盤の選手たちもきっちりとボールを引き出すために戻ってきて扱おうとしていましたが、そこへもマークがついてきていましたから余裕はなく、むしろセンターバックの前に渋滞を作ってコースをさらに限定してしまっているようでした。そのため、戻ってきた選手へ預けてもそれほど効果を得られませんでしたから、一つ飛ばしてアフェライへボールを渡すことが序盤は多くありましたが、ドリブルの突破や、相手を押し下げるためのキープをする素振りが無く、最初からバックパスを意識したボールの受け方をしてしまっていましたし、オーバーラップするサイドバックのケアやバランスを考えた動きをしてしまっていましたから、相手を押し下げられませんでした。
一度メッシが右で起点となってからはそれを手本とするかのようにアフェライの動きが改善され、ドリブルで仕掛けられましたし、パスを出した後に戻ってバランスを取るのではなく、さらに前へ出て行く姿勢がでて、試合が動き始めました。

シャフタールの攻撃は守備の積極性もあって高い位置から開始されることが多く、バルサがしたパスミスをカットしてそのままの勢いで迫ってきていました。特にサイドの選手には運動量とスピードがあり、ドリブルで仕掛けても来る。素早く攻守を切り替えて寄せても、スタート方法が違いましたから、相手のスピードの方が早く背後から追う以上の効果をもたらせず、さらにはサイドバックも絡めて、バルサのサイドバックの外側を狙って来ていました。背後をサイドバックの飛び出しなどで狙いながらも、中央でもセンターバックの背後を狙っていましたから、外に意識を振り向けさせたとしてもセンターバックが外にカバーリングに出られませんでしたし、引っ張られれば、出来た隙間を狙って飛び出されてピンチを作られてしまう。この日もビクトル・バルデスは当たっていて、彼のお陰で先制点を取られることは防げましたが、失点していても不思議ではありませんでした。
特に両サイドバックの外側をドリブルで切り崩そうとする意識が強く、サイドバックの裏も狙われているため、どちらも一人で二枚を相手にしなければならなくなっていました。ドリブルでの突破も中を意識したものであればアンカーなどで対処できたかもしれませんが、それもありませんでしたからどっちつかずになり、クロスを上げられてしまう。ただ中央ではセンターバックがしっかりとポジションを取っていられましたし、アンカーのセルヒオ・ブスケツに加え、ケイタがスペースを埋めていましたから、数的な問題は抱えていませんでした。
厄介なのは、セルヒオ・ブスケツの両脇へ何度も入られていたことでした。ディフェンスラインの前で、中盤の後ろ。アンカーの両脇にはスペースがありやすく、サイドバックやセンターバックもすぐには出て行けず、出て行けば裏を使われるためにでられる状況であっても踏みとどまらなければなりませんでした。もし出て行けば、もう一枚がタッチライン際から裏を狙っていましたから、中央は戻りながらクロスの処理をしなければならなくなりますが、ケイタとブスケツがディフェンスライン一枚になってしまわないように後方へしっかりと意識を持っていましたから、問題を大きくしてしまうことはありませんでした。

何度か攻撃を受けた後にようやくバルサがペースを掴み始め、パスを繋げるようになっていました。シャフタールが攻撃に出た後でもありましたし、運動量も増えてきていましたから、バルサはそれぞれの距離を縮め、ダイレクトでボールを動かすことでプレスよりも早くボールを動かして寄せられない環境を作りましたし、逆に広げてパススピードを上げることでカットさせず狙いを絞らせず、揺さぶれてもいました。ただフォワードへ入れるボールに関してはビジャ一枚に収めてもらう必要がありましたから、センターバックに常に捕まれていましたし、相手も前へ出る動きと裏へ抜けようとする動き両面に対処できていました。メッシもアフェライもまだそこに近づけていませんでしたから、高い位置での連携は目指せませんでしたが、ビジャが戦い続けていたことでディフェンスラインは上げられていませんでしたし、パスコースを塞ぐために前へ出てきていることから、シャフタールはバイタルエリアを空けやすく、一人かわすことさえ出来ればそこに入っていけるようになっていました。
バイタルには入れるようになると相手も戻りながらの処理をする回数が増えて、相手センターバックの前からであってもシュートを打てるようになる事は大きく、相手のディフェンスラインは裏へ抜けられることも考えてリトリートしがちでしたから、そこでシュートを打つことでプレッシャーに出来ましたし、シュートを打てるほど時間をそこで得られていることでもあり、相手の守備の意識をそこへ集中させられましたから、中央へ絞らせて空いた外側をアドリアーノ・コレイアのオーバーラップが利用できるようになっていました。
相手の足はそれらによって押し下げられることで止まり始めていましたから、バルサの展開に合わせて、チェックのスピードと距離を維持できなくなっていましたから、特にタッチライン際においてはプレッシャーがかかりづらくなっていました。シャフタールは受け身に回る寄せが甘くなり、寄せられないながらも全てに対応しようとしたり、役割の分担が上手くいかず、それまでのようにバルサの選手それぞれを掴まえられなくなっていました。押し込まれて走らされてしまうことで、シャフタールはカウンターになってもオーバーラップしづらくなっていましたし、人数がかからず、ミスも多くなり、バルサが奪い返せるようにもなっていました。そうなるとペナルティエリアまでバルサが押し込まれてしまう回数は減り、アンカーの横を使われなくなり、裏を取られる危険も十分に減っていました。

前半終了間際にゴールを奪えたのは大きく、バルサのその後を楽にしていました。

後半にシャフタールは再び前から抑えにかかって、バルサに構築させないようにしていましたが、バルサは受けに戻る間に他の選手が変化を加えて、相手のゾーンを動かし、前へ走るなどをしてサイドバックの前にスペースを空けて、簡単に前向きにボールを扱えるようになっていましたし、センターバックもそれを待つだけの余裕がでていました。キーパーにまで下げなければならない場面は少なく、むしろシャフタールを押し下げ続けていました。アフェライの動きも以前の試合のようにアドリアーノのコースを塞ぎ続けているだけのものから、中へポジションを動かして横への変化をつけられるようになりましたし、多少突破をしようと試みるようにもなりました。さらにアドリアーノも外にコースが無くても中へと入っていけるようになっていましたし、両者のコンビネーションもよくなっているようでした。

アンカーの横を使われることこそありませんでしたが、サイドをドリブルで切り崩されることは依然としてあり、高確率でクロスまで持っていかれていまい多。サイドバックの外側を抑える手立てはあまりなく、アンカーがそれに対応しに出て行くことで二枚で処理が出来るようになっていましたが、それでもカットするところまで持っていけませんでしたから、不安要素ではありました。ケイタがしっかりとアンカーが出て行った後、センターバック前へ戻ることで相手にスペースを与えていませんから、数的にもポジションにも問題はありませんでしたが、今後の試合を考えるとスピードでその面が圧倒されることはやはり不安。途中交代で入ったガブリエル・ミリートがスピードについていけず、跳び蹴りのような止め方をしてしまったことも不安要素に繋がりますし、迂闊なパスをしてピンチを演出してビクトル・バルデスに助けられたこともそうでした。その後は集中して対応できるようになってミスが見られなくなりましたが、一度のミスで退場してしまう可能性もありますし、致命的な失点を喫することにもなりますから、サイドバックの外側を利用されることと相まって、スピードに対応できていないことが大きな問題になってしまうかもしれません。

クラシコを見据えたような交代をいくつかしたことで中盤の構成力が下がってしまい、上手く構築できなくなったことで、低い位置から直接裏を狙ったり、間延びをしているまま長い距離のパスを遠そうとするようになったことで、攻撃面ではそれほど問題はありませんでしたが、守備にその歪みがでてしまっていました。相手はフォワード似まいがセンターバックと同じポジションを取って前後に連携して裏を狙ってもいましたし、バイタルエリアも利用してきていました。特にアンカーを置くシステムから、ケイタとセルヒオ・ブスケツがドブレ・ピボーテのように二枚で中盤を支えるようになっていましたから、どちらが前へ出て、どちらが後方を埋めるのかが不明確になってしまっていて、アンカーがいたときであれば、出来ていたセンターバックの前を埋める動きも出来なくなり、ディフェンスラインにのみフォワードの対処を任せてしまっていました。クロスに対してもディフェンスライン一枚がフラットなまま対処しなければならず、マイナス気味のボールに対応しきれませんでしたし、こぼれ球にしても拾いきれませんでした。終盤には全体が下がったことで目立たず、それほどのピンチを招きませんでしたが、よくありませんでした。ただサイドへ出ていく守備に関してはこちらの方がスムーズで、サイドバックと協力しやすくなっていましたし、その意味ではガブリエル・ミリートの不安を軽減させるのにも役に立っていたのかもしれません。