Liga Espanola Jornadas 27. バルセロナ対レアル・サラゴサ

■FC Barcelona 1 – 0 Real Zaragoza
バルセロナは怪我からビクトル・バルデスが復帰し、ピントも無事にベンチ入りしていましたから、出場の可能性が噂されていたミニョの出番はありませんでした。腰を痛めて入院していたグァルディオラ監督もベンチに入っていましたし、不安視されていた部分解消して試合に臨めていました。それに加え、イニエスタやセルヒオ・ブスケツ、ビジャ、アビダルらを休ませてスタートしていましたから、ミッドウィークのチャンピオンズリーグを考慮したメンバー構成になっていたのかもしれません。

立ち上がりのバルサはいくつかパスミスが続き、それほどチェックを受けていたわけでもありませんでしたが、上手くボールを動かせていませんでした。サラゴサは5バックに三人のピボーテをおいていましたから守備に厚みがあり、しかも高く保っていましたから中盤の自由がないかに思えていましたが、高く保ち人数も十分にいるにもかかわらずプレッシングのように連動した守備を行わずにそれぞれの距離を保って、相手に合わせて動くだけでしたから、徐々にバルセロナはパスミスを修正して繋げるようになって、横へ動かしてけるようになりました。前節はウイングがおらず横への展開を苦労していましたが、この試合はしっかりいましたし、サイドバックも高い位置を保っているため、ウイングのボヤンが中へポジションを移しても左側の人数が減って相手をワイドに開かせておけない、という状況にはなりませんでした。バルサがそうやってポジションを動かして高い位置を保てるほどサラゴサが守備面での積極性を持っておらず待ち構えるばかりでしたから、バルサのボールの動きと中央での飛び出しに対応すべくディフェンスラインはすぐに下がってしまい、最終的にはペナルティエリア内にまで簡単に入ってしまうようになり、常に低く押し下げられてしまうようになりました。ドリブルで仕掛けたり飛び出さなくても、中のフリーランだけで押し下げられましたし、足も余りだしてきませんでしたから、メッシのワンツーの連続で中へ入っていく動き求められず、ダニエウ・アウベスにも進入を許していました。

サラゴサはカウンター以外に攻撃方法を見いだせず、高くラインを保てていれば、シナマ=ポンゴルのスピードを活かして直接裏へボールを出して競争させることが出来ていたのかもしれませんが、距離が伸びたことで裏へ出すことが難しく、バルサに前へ人数の増加を許してしまっていましたから、フォアチェックを受けて奪い返されないために早くボールを離す必要があり、シナマ=ポンゴルにポストプレイをしてもらわなければなりませんでした。ただそこにしかポイントがありませんでしたから、一度がぶりエル・ミリートのミスから裏へ抜けられてしまいましたが、そこに狙いを絞って対応できましたから収めさせることも殆どありませんでした。

徐々にサラゴサも一部の選手がシャビらに向かって守備をするようになったものの散発的で、連動したものではなく個人で行っていました。バルサはそのチェックを利用してバイタルエリアに入りたいところでしたが、その動きに対してはきっちりと余っているセンターバックが対応に出てきていましたから自由に使わせてもらえませんでした。ただ中央こそ人数の豊富さで対応していたものの、サイドではまったくサラゴサは対応できておらず、ウイングのランニングに釣られて中に絞りがちになってしまっていましたし、その後上がってくるサイドバックの前を塞ぐことも十分に出来ておらず、距離を空けてしまっていましたから、クロスやパスも許していました。外から中へのコースを限定するように動けていませんでしたから、何度も外から中への動きを許してしまい、その結果としてサイドバックが中へ絞って守らざるを得なくなり、5バックにもかかわらずバルサにサイドを多く利用させていました。

バルサは外から多く崩すことを狙っていましたが、あまりにも多い中の人数を引き出せていませんでしたから、クロスもパスも足を出されて上手く通すことは出来ていませんでしたし、シュートもディフェンダーの足に当ててしまうことも多々ありました。ドリブルをして相手の視線を集めて、背後への集中を切らせたいところでしたが、それを担当できるのはメッシ一人のような状況でしたから、そこで止められてしまうことも多くありましたし、ドリブルと連動して飛び出すような動きをしても、5バックの豊富なセンターバックのいずれかが対応してフリーにもなかなかさせてもらえませんでした。ダニエウ・アウベスが中の足下でボールを受けたがるようになったことで、外へ相手を引き出していけなくなったのも少し問題でしたが、その分ケイタがランニングをしてボールを追い越したり飛び出す、あるいは相手を中へ絞らせてマクスウェルのオーバーラップを助けるランニングをしていたお陰で左右両翼が停滞することはありませんでした。

崩しきる場面こそなかなか作れませんでしたが、バルサのパススピードには問題ありませんでしたし、相手を動かせていましたし、自らも動いてそれぞれの隙間には入れてボールを受けられていました。問題は前を向きながらボールを受けられる動きとパスが足りなかったことでしょうし、バイタルエリア内でそれをして、直接裏へ出せるほど中央でボヤンとそれ以外が連動できていなかったことでしょうか。リズムを変えられるような鋭い縦パスを入れられなかったのも、そこの連携がなかったからでしょうし、ボヤンを中央にポジションチェンジさせてメッシやシャビがポジションをあげても明確な連携は見られませんでした。そのため、ボヤンは縦パスを受ける際にはセンターバック二枚を背負わなければならないことも多く、近くにサポートを得て反転できる状況にもありませんでしたから、カットされてしまうケースも増えて、徐々に利用されなくなってしまいました。

メッシとシャビが上がることで相手のピボーテはそれに引きずられるようにして下がってしまい、より中央に人数を増やすことになってしまっていましたから、崩すチャンスをなかなか得られませんでした。マスケラーノはカウンターの一歩目を抑えていましたし、十分な働きをしていましたから文句はつけられませんが、シャビ、メッシ、ボヤンの縦の関係をもっと厚みを持って行うことが出来れば、ピボーテを多少なりとも引き出して中央にスペースを作れていたのかもしれませんが、ポゼッションの際も横並びでしたし、状況によっては近すぎるなど、十分ではありませんでした。前半終了間際にこそ、メッシのドリブルからケイタがゴールを奪えましたが、相手のプレッシャーの無さとも相まって得点を取るための必死さは感じられない動きでした。

後半はサラゴサを引き出すためにバルサはコントロール位置が低くスタートして、相手のピボーテやサイドバックを引き出そうとして始めたようでしたが、それをサラゴサは追うものの、引き出されるほど積極的に追うわけではなく、ポジションへすぐに戻ってしまうため、結局バルサのポゼッションを高める以外に効果はありませんでした。多少は足を出してボールに奪いにきたり、背後から抑えようとするようになったものの、それほど変化が出ているというほどではありませんでした。ただカウンターの機会の増加には繋がり、二枚が積極的に当たり、選手交代が行われてからは三枚で行われるようになりました。前半は一人を抑えてカバーをしていればよかったため、崩されてしまうような場面は殆ど無かったんですが、後半になってからはセンターバックが同数を相手にしなければならなくなったため、マークとカバーリングの役割分担が出来ませんでした。一度決定的な形を作られてしまったこともあって、より裏へ抜けられないよう慎重にプレイするようになり、それが相手にカウンターの一歩目を収めさせる要因になっていました。その状態はアビダルが投入されるまで続きましたが、それまでの時間帯はマスケラーノが起点となる部分を潰してセンターバックが裏へ抜ける動きをケアすることで何とか対応していましたし、アビダルが投入されてからは、3バックにすることで二枚がマークに付き、一枚を余らせるようにしたことで再び前へ向かって押さえに抱えるようになりましたし、安定をしていきました。

攻撃面ではビジャを投入したことで素早い飛び出しと、バイタルエリアでキープしなくてもそのタイミングで飛び出してくれる彼のお陰で縦パスを入れて一気に裏を使えるようになりましたし、左右へボールを動かしてからでなければ展開できていなかった状況から、サイドを使わなくてもシュートまで持っていけるようになったのは大きな改善でした。その攻撃によって中央を相手に意識させることによって、サイドバックを含めてフリーにし、外を利用することで選手を動かす。相手のゾーンを広げ、クロスへ対応するディフェンダーを減らすことに成功していました。前半から揺さぶり続けた効果もあったでしょうし、サラゴサの足が止まりつつありましたが、ドリブルに対しては相変わらず人数で対応されてしまっていました。バルサも徐々に運動量を落としていましたし、3バックにしたことでサイドを二枚で使えず、それぞれ一人で担当しなければならなくなりましたから、縦へ突破をしてからクロスをいれられず、サポートも遠いことからショートパスを繋げずマイナスのパスか、その場からのクロスしか展開できませんでした。受けに戻る動きにもついてこられるようになって、多少はサラゴサも奪ってからの攻撃を意識しているようでしたが、そのギャップを利用してバルサが飛びだしていければ、追加点を狙えていたのかもしれませんが、縦に入れ替わるような連動もありませんでした。

終了間際になってようやくラインを上げようとしたサラゴサも、その段階になっても5バックから4バックへと変更させようともしませんでしたし、後方は足を止めたままで、前へ出てチェイシングからカウンターへ繋げようとする意識も希薄でしたから、スピードアップも出来ず、目立ったチャンスを作れないまま終わるしかありませんでした。

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