2011 年 3 月 のアーカイブ

Bundesliga 27. Spieltag フライブルク対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 3 月 20 日 日曜日

■SC Freiburg 1 – 2 FC Bayern Munchen
チャンピオンズリーグでは改善されたように見えた左サイドのリベリーの動きは、再びブンデスリーガの試合になると、タッチライン際に戻ってしまい、ひたすら縦や裏側を意識した動きになって、単調な向後清子を広げすぎてサポートを得られないようになってしまっていました。ロッベンが中央から左寄りもポジションを取ってリベリーとの距離を縮めようとしていましたが、後方からボールを運ぶ手段として下がった位置からパサーとして展開できるわけではありませんでしたから、センターバックとキーパーがボールを触る機会と時間を増やさざるを得ませんでした。シュバインシュタイガーもクロースも緩やかながらもマークされていましたし、そこでマークをふりほどこうとする動きもそれほど見られていたわけでもありませんでした。そのため、中途半端な縦パスを奪われてカウンターを受け、広がったディフェンスラインの隙間から裏へ飛び出されてしまいましたし、縦パスを繋いでいけないことで、フィードが増えてしまいました。フィードは裏へ出されるものの他にタッチライン際までワイドに開くものがありましたが、それをするためにもリベリーは開いて受けなければなりませんでしたから、流れを考えれば悪循環でもありました。

ただ先制点を得たのはバイエルンで、セットプレイからマリオ・ゴメスが頭で決め、試合を構築できない中でも得点を得られたことで試合を落ち着かせ、ペースを握っていくことに繋がっていきました。それまでは動きが停滞してセンターバックからボールを引き出せていなかった中盤にボールが渡るようになりましたし、フライブルクがそれまでのようにきっちりと前へボールを運ばせないようなポジショニングをするのではなく、少しずつボールへ向かいすぎて相手へドリブルなどボールを動かすことで、それらを外してしまえる環境を与えてしまうようになっていました。バイエルンもボールを横に動かすことでそれらをいなしてしまえていましたし、前へ向かってくれることで裏へのフィードも通りやすくなっていました。

守備面ではセンターバックに守備の軽いルイス・グスタボを置いてしまったことに寄る守備範囲の狭さやミスもありましたし、シュバインシュタイガーとクロースの二人が中央を埋めず、サイドのケアへ出てしまうことでバイタルエリアにぽっかりとスペースを与えてしまっていました。特にルイス・グスタボは単純な相手のパスを止めずに後ろへそらせてしまったことでクラフトが相手を倒してPKを与える事態に陥ってしまいましたが、クラフトが自ら止めたお陰で、同点に追いつかれず、難を逃れることが出来ました。ただ、ヴァン・ブイテンも前へ出て処理をするのを得意とするディフェンダーで、ルイス・グスタボの背後のカバーリングを常に考えていられませんし、中盤の二人も守備を持ち味とする選手ではありませんから、最初のピンチを切り抜けても、あっという間にセカンドボールから背後を取られて失点をし同点に追いつかれてしまいました。

失点以後は左右を入れ替えたり、ヴァン・ブイテンがカバーリングへ入るのではなく、彼が対応に出て、その背後をルイス・グスタボがカバーリングをするかのように残るようになりましたが、ポジションは不安定で抜けた際に拾えるものではありませんでしたし、サイドからのクロスには不十分な対応で相手に触らせてしまってもいました。相手のポジションによってはそれでも逆の役割を担わなければならなかったんですが、その際にもシセにあっさりと体を入れ替えられていましたし、この試合では早急に手を打たなければならないほどの穴になっていました。

相手に勢いに乗らせてしまって多くの時間を守備に費やさなければならなくなったバイエルンは、先制点後上手く動けていた攻撃も停滞し、ドリブルでの仕掛けこそありますが、それを掴まえられやすくなっていましたし、ファウルで止められる回数も増えてしまっていました。それだけボールに対するアプローチの速度がフライブルクに出てきたことでもありますが、バイエルンの動きと球離れが悪くなってきたことでもあり、焦っているかのように前へ急ぐようになったせいでより奪われてしまっていました。横へのサポートがあって横パスで繋いで運んでいける状態であっても裏へ飛び出す選手が見えればフィードやアーリークロスを選択してしまっていましたから、厚みのある攻撃は見られず、セカンドボールも拾えなくなっていました。
ロッベンが怪我によるものかどうかは解りませんでしたが、彼が退いたときにセンターバックを投入して、不安定なルイス・グスタボを中盤に、クロース、もしくはシュバインシュタイガーを一枚上げて使う方法も合ったはずですが、同じポジションのアルティントップと交代をしただけでした。これまでの試合であればロッベンに注意とマークを振り分けさせたり、彼が動くことで変化が生まれて他の選手がフリーになり、パスを繋いだり裏へ抜ける動きが機能していたんですが、それがなくなって攻撃が立ち行かなくなってしまいました。リベリーが足下でボールを受けて仕掛ける意識を取り戻していたことで両翼が機能しなくる事態だけは避けられましたが、ボールが左サイドで展開することすらなくなってしまっていたので、彼が関与することは殆ど無くなっていました。それに加え、フライブルクの方が、ボールを引き出しに戻る動きも徹底されていましたし、パスを出したら動き直して受けられるポジションを取る、あるいは相手の背後を狙う、そういったボールを受ける動きと離した後の動きに流れがありましたから、スムーズにボールが前後左右へ動いていましたし、バイエルンの背後やサイドバックの裏も何度も使われて、チャンスは殆ど与えてもらえませんでした。

ハーフタイムを挟んで、ようやくバイエルンは落ち着いてボールを動かしていけるようになり、クロースやシュバインシュタイガーがセンターバックからの縦パスを落ち着いて処理できるようになりましたし、それより前のポジションであっても裏へ急ぎすぎるのではなく、足下でパスを受けてポストプレイのように振る舞うことも出来るようになっていました。それでも裏を狙い続けた影響から抜け出すことが出来ず、足下で受けるように動いてもパサーが裏へ出してしまうことも多くありましたし、ポストプレイをしても周囲にサポートを出来る選手が殆どおらず、横の距離が開きすぎて孤立気味でしたから、それも大きな効果があるようには思えませんでした。

フライブルクは前半ほどの勢いを出せず、カウンター時に人数を割いて上げれなくなっていましたし、サイドバックの裏を取るほどの勢いを持ってオーバーラップも出来なくなっていました。パス自体もミスが増えて繋げなくなっていましたから、セットプレイやフィード、裏への競争に頼らなければならなくなっていました。バイエルンのプレッシングも多少は機能していたようで、素早い展開をそれによって抑えられて前へのスムーズさが出せなかったのかもしれません。しかしフライブルクは少ない人数を走らせて引き分けで終わろうとしておらず、しっかりとキープを出来た時には人数をかけて主に空中戦を挑もうとしていましたから、バイエルンにはカウンターのスペースを与え、リベリーが突破を目指すなどパスによる構築よりも、カウンターで得点を取れる環境は出来上がりつつありましたが、それはフライブルクに攻め込まれていることでもあり、主にサイドを深く使われているからこそリベリーが下がり、カウンターの体勢が整っていました。

カウンター時こそ勢いはありましたが、一度キープの体勢に入って停滞すると足が止まってボールホルダー以外の動きが乏しく、ペナルティエリア内で固まるばかりでした。サイドバックがオーバーラップをしても変化に乏しく、フライブルクに中央を固められるとパスすら出せず、前をも向けなくなっていました。裏を狙う動きすらなくなってしまっていましたし、攻撃時の中央だけでなく、全体的に歩いている選手が目立つようになっていて、ここの運動量の低下はチャンピオンズリーグの影響が現れていたのかもしれません。フライブルクも同様にペースを落としてしまっていましたから、そのタイミングで行われた交代でクローゼが投入されたことには意味があり、献身的な動きは相手に余裕を与えず、チェイシングであるとか、飛び出しによってチームに少しばかり動きをもたらせるようになっていました。とはいえ、それ以外が掴まえられていてもマークを外そうとすらしていませんでしたから、一人の動きで何とかできるものではありませんでした。

クローゼに加えてティモシュチュクを中盤に入れたことでバイエルンの活性化はようやく本格的なものになり、フライブルクに押し込まれなくなり、彼らがペースを握れるようになりましたし、再び裏への飛び出しを軸とした攻撃をするようになっていました。フィードの競り合いにもフライブルクの足が止まっているため勝てるようになりましたし、裏への飛び出しもフライブルクのゾーンが隙間ができるほど広がっていても修正されず、間延びしてしまっていましたから、何度か成功をしていました。構築が出来ているとは言い難く、バイエルンの距離も縮め切れていませんでしたが、それ以上にフライブルクの運動量の低下が致命的で、引き分けるための守備に切り替えるのか、それともカウンターを継続するのかすらはっきりとせず、中途半端な動きのまま鈍っていましたから、より事態を悪化させていました。

そして孤立していたリベリーに突破を許して勝ち越しゴールを与えてしまいました。孤立している選手に合わせて守備も孤立していましたし、中盤がそのケアに戻る必要がありましたが、そこへの意識を発揮できず、背後から追いかけることしかできませんでした。中から外へのカバーが出来る距離も保たれていませんでしたから、カットインを許すとコースを塞ぐことすら出来ず、シュートを簡単に打たせてしまいました。

フライブルクはリードを許した後に矢野貴章を投入したとしても全体の足が止まってしまっている状況では遅すぎたとしか言えませんでした。失点をする前に投入し、前線での守備やカウンター、あるいはサイドの守備に振り分けていれば勝ち越しゴールを防げていたかもしれませんが、リードを許した後の同点に追いつくための手段としては連動も運動量も足りませんでしたし、個人での打開を期待できるわけではありませんでしたから、全体が一度落ちた運動量を取り戻すのは難しいのと同様に、彼に期待をすることも出来ませんでした。

Liga Espanola Jornadas 29. バルセロナ対ヘタフェ

2011 年 3 月 20 日 日曜日

■FC Barcelona 2 – 1 Getafe CF
これまでディフェンスラインを支えてきて、今季は特に最高の出来だと言っても過言ではなかったアビダルがに肝臓の腫瘍が見つかり、手術を行ったため今季の残りは出場できなくなってしまいました。この試合の入場や背番号にちなんだ22分イベントと共に、彼の一日の早い回復を祈っています。
バルサはそれも含め、怪我人を多く抱えていて、前節の怪我からペドロは欠場をしていますし、万全だとは言えないメッシ、ダニエウ・アウベス、アドリアーノも引き続き出場しなければなりませんでした。

バルサのポゼッションをヘタフェはそれほど邪魔をするほどのプレッシングを見せておらず、中盤が持つかあるいはハーフウェーラインを越えるまでは沈黙をして、ディフェンスラインに時間を与えてくれていました。それでもヘタフェはディフェンスラインを高くコンパクトに保っていましたから、バルサにスペースを与えないことで縦パスを許さず、例え入れさせてしまったとしても前を向いてプレイさせないことでスピードに乗らせないようにして、自分たちのその陣形を保とうとしているようでした。そのため、前から追いかけ回しているわけではありませんでしたが、バルサに縦パスをなかなか入れさせていないため、ヘタフェは押し下げられることなく、圧縮もされず、一定の間隔をも立っていられました。ただそれを継続していくことは出来ず、何度かカウンターで攻撃に出た後のゾーンのズレを利用されて、バルサのペースへと引き込まれていました。
ヘタフェはブロックをハーフウェーラインよりも大きく下げて守らなければならなくなっていましたから、バルサの後方にはより多くの余裕がありましたし、それぞれの動きに大きく対応に動かなければならなくなっていましたから、ボールのないところの動きにも揺り動かされてしまうようにもなりましたし、スペースを作ることによってフィードを入れられるようにもなっていました。何よりもバルサのペースになる要因になっていたのは、ドリブルに対する対応で、ボールにこそ寄せる意識を持っているものの積極的なプレッシングや組織的な囲い込みとは言えませんでしたし、足を出そうとはしていませんでしたから、ドリブルで進入されてしまうとそのままずるずるとリトリートしてしまって止め所を失ったまま対応をしていましたから、押し下げられる原因になり、コンパクトに保てなくなっていました。ドリブルとキープを許してくれることでバルサの選手たちは楽に扱え、足を出して止めに来るのは相手のディフェンスラインの選手だけでしたから、そこまで進入しなければ余裕を持てていました。そのため、中盤の選手がフォワードの裏への飛び出しに合わせてパスを出せるほどの時間をもらっていましたし、何度も通すことが出来ていました。パサーを止めようとした動きも多少ありましたが、それぞれに対応した選手一人が出てくるのみで、複数が連動していませんでしたから、カットされることも多くありませんでした。

ヘタフェはカウンターにスムーズさと勢いを持っていて、人数もかけていました。手数こそかけていないものの逆サイドを意識した攻撃をして、サイドから切り崩すことでバルサのゾーンを片側へ寄せて、逆サイドへフリーなスペースを作ろうとしていました。そこへ常に人を入れていましたからサイドチェンジやファーサイドまでのクロスを通されてしまっていましたし、何よりバルサのディフェンスラインがガブリエル・ミリートとピケの二人が明確に相手を掴まえて裏を飛び出させないような守備をしていませんでしたし、抜けられる動きへの対応が不安定でしたから、何度もそれを狙われてしまっていました。パスがふわりとした浮き球であったり、トップスピードで抜けられていたわけではありませんでしたから、シュートまで持っていかれていませんでしたが、緩く危険な守備でした。
攻守の切り替えはしっかりと出来ていて、ヘタフェに奪われてからすぐにカウンターを許さないよう囲い込めていましたし、パスが弱かったり、ずれてしまえばその守備から攻撃に出られるだけの勢いを保ってできていましたし、何度も裏を使われてしましたが、それが決定的な形にまでならなかったのは、すぐに奪い返して人数を徐々にかけられ無くさせていったからかもしれません。

コーナーキックからのこぼれ球をダニエウ・アウベスが決めた、あまりにも凄いゴールによって先制することが出来ましたが、バルサの選手たちが完璧に崩せている場面はそれまで多く得られていませんでした。裏へこそ飛び出せていましたが、バイタルエリアへは行ってボールを受ける回数は多くなく、メッシが辛うじてピボーテの背後にポジションを取って掴まえられないような動きをしているくらいで、そこもすぐに閉じられてしまいましたし、アンカー気味に残っている相手ピボーテの両脇にメッシとボヤンが入ってボールを受けようとしたときもセンターバックが狙いを絞ってチェックに出てこられていましたから、縦パスを前を向いて受けられていませんでした。
崩すところまで入ってませんでしたが、裏へ飛び出す動きは効果的で、ドリブルへの対応が甘かったことでボールをパスを出せる位置にまで運ぶことには苦労しませんでしたし、パスを出すタイミングも飛び出すタイミングも計りやすく、ヘタフェが踏ん張って下がらないように保とうとしているが故に余計にそれをさせてもらっているようでもありました。そういった意味ではバイタルエリアを使えていない状況が、裏への飛び出しをしやすくしていたということでもありましたから、ある意味ではそれでよかったのかもしれませんが、もっとそこの利用をすることで裏へのパスが通りやすくなっていたのかしれません。ペースを握っている状態ではダニエウ・アウベスも積極的に上がってきてボールを持っていましたが、縦への突破や裏への動きがあったとしてもコースが限定されてしまって効果的ではなく、彼は盛んに中へのパスをサイドから入れていましたが、その際にパスコースを閉じられてしまっていました。もっと飛び出しを斜めに外へ向かって飛び出せばパスコースを作れていたかもしれませんし、ニアサイドへ近づいてパスを受けようとすればバイタルエリアでワンツーから抜け出すことも出来ていたのかもしれませんが、それらは出来ていませんでした。

後半になるとヘタフェは徐々に足を出してくる選手が増え、追いかけてゾーンを崩しても出てくる選手が増えましたし、多少ハーフウェーラインを越えても出てくるようにはなっていました。ただ後方までその意識で統一されていたわけではありませんでしたから、バルサは簡単に抜け出してしまえましたし、追いかけられたとしてもダイレクトで動かすことでそれを無効化してしまえました。一度抜け出してしめば連動したプレッシングは出来なくなり、自由にボールを持って裏へパスを出せるようになっていましたが、裏へ飛び出す動きと受ける動きをセットで出来ているとはいいがたく、裏へのパスをキーパーに読まれがちで飛び出しての対応をさせてしまうように徐々になってしまいましたし、飛び出しだけに絞らせてしまっていましたから、ヘタフェにラインを押し上げて整えさせてもしまっていました。

二点目を取るまでの間に決定的な形を何度も作りながら決められていませんでしたし、相手にはカウンターで背後を使わせていましたから危険な状態ではありましたが、ボヤンが二試合連続のゴールを決めたことで多少安心できる展開へとすることが出来ました。
二点差になってヘタフェの前への推進力は減っていきましたし、それぞれのパスも雑になってミスとなって奪い返せるようになりましたし、バルサのもその雑な繋ぎのパスを狙ってカットできるようになっていましたし、そのミスを誘うチェイシングもしっかり出来ていました。
徐々にヘタフェはディフェンスラインを整えて押し上げる動きが出来なくなり、バルサの状態にかかわらずディフェンスラインを無理に押し上げてしまうようになり、オフサイドを取れないまま何度もバルサの飛び出しを許してくれるようになりました。パサーへプレスがかかっていなくてもしてしまっていましたし、バイタルエリアを閉じていた人数もいなくなってピボーテ一枚がスペースを閉じているだけでしたから、ディフェンスライン一枚で守っているだけでした。ただバルサは何度も決定機を迎えながら決められませんでしたし、ゴールを決めたボヤンもその後は思い切ってシュートを狙わずパスを選択してチャンスを潰してしまいましたし、メッシもボールを持ちすぎてコースを失いパスすらカットされてしまうなど、勝負を決める三点目を奪うチャンスを逸してしまいました。

ヘタフェは選手交代を含めながら攻撃に出ようとし、裏を徹底的に狙ってきていました。崩す形はそれだけでしたが、それにすら十分な怪我できているとは言い難く、何度か裏で受けさせてしまっていましたし、セットプレイでも背後に入られている選手に対する注意が不十分でした。裏へ抜ける動きを許さないように、センターバックがきっちりと相手の縦のコースを塞いで体をぶつけていたり、手の届く範囲に相手を置いておくような事をしていないために抜けられやすく、一度抜けられてから慌ててポジションの修正をしてしまっていました。中盤ではマスケラーノが幅広いカバーリングとチェックによって大きな働きをしてくれていましたが、センターバック二枚は不安定な働きばかりでした。

バルサが残りの時間をポゼッションし続けて相手に奪われなければピンチを作られることはなかったんですが、繋ぐパスにも何度もミスをしてしまっていましたし、ヘタフェが追いかけ回すようにもなっていましたから、その影響も受けてしまっていました。裏へのパスは完全にキーパーの守備範囲内で収まりシュートチェンスすら得られなくなっていましたから、ペースが落ちすぎたのかもしれません。特にサイドバックの裏であったり、サイドを利用されたときに相手を掴まえず、戻りきっていない緩さは守備では致命的で、失点に繋がってしまいましたし、その後もヘタフェに猛攻を許す原因にもなってしまいました。

決める場所で決めきることが出来ず、閉じるべき所を閉じなければ勝てる試合をも落としてしまうことに繋がりかねず、怪我人が多くいたり、コンディションの悪さを感じさせる部分もありますが、精神的に緩んでしまっているような気がしてしまいます。

UEFA Champions League First knockout round 2ndLeg バイエルン・ミュンヘン対インテル

2011 年 3 月 16 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 3 Inter (agg-win)
バイエルンはこの試合はブンデスリーガの入り方とは違い、慎重でした。いつもであれば積極的に行うフォアチェックも組織的に行えているとは言えず、インテルのボールの動かし方に影響されていました。ブロックの構築は出来ていてパスコースの限定は出来ていましたし、チェイシングも多少は行えていましたが、後方に人数が多くいて、距離が近くサポートを受けやすいインテルに対して向かえず、向かっても素早く動かされてチェイシングをかわされてしまうため、それが効果的でありませんでした。ただ前へ向かって止めようとする意識自体は全体のポジショニングから見て取れ、特に中盤以降はインテルの後方に人数に合わせたかのように前へいましたから、センターバックの手前を埋められない事に繋がってしまっていました。シュバインシュタイガーもルイス・グスタボも前しか見ていませんでしたから、背後にエトーやパンデフに入られてしまい、何度かパスを受けられる要因になってしまいました。先制点を与えるきっかけになったパスも中盤の二人が背後をケアしておらず、その二人の分を積極的に前へ出すぎてしまうヴァン・ブイテンが引っ張られてしまい、背後にスペースを作ってしまいました。そうなるとプラニッチとブレーノしかおらず、前後二つを抑えきるには不十分で、裏へ抜けられてしまいました。スローで見る限りはオフサイドを取られても仕方のないものでしたが、その状況を簡単に作ってしまうバイタルエリアの開け方は全く改善されていませんでした。その後もそこに入られてしまいましたし、ヴァン・ブイテンは引っ張られてファウルで止めなければならない状態にまで追い込まれてしまいました。

インテルの掴まえるスピードはロッベンやリベリーの所へ集中していて、サイドバックがそれを行っていました。積極的なプレッシングは行っていませんでしたから、バイエルンはパスを出すことには苦労していませんでしたが、ここの所のブンデスリーガでは裏ばかりしか狙っていませんでしたから、ウイングの二人とフォワードに対して背後から積極的に体をぶつけられて走られないようにされてしまうと、その裏へのランニングが出来ず潰されてしまっていました。その裏への選択肢を潰しているからこそインテルは守れていましたが、リベリーも何度もそれを受け続けることで対処できるようになってしまいましたし、逆にぶつかって抑えようとすることによって、裏に固執して上手くいっていなかったリベリーに中へのドリブルでそれをかわそうとする意識を出させてしまい、横の距離が悪く横の連携で相手の視線を動かしてから裏を狙うことが出来ていなかったバイエルンにそれができるようにさせてくれました。右のロッベンに対してはキヴとスナイデルの二枚できっちりと中のコースを消してきていましたから、横を封じて守れていましたし、スナイデルが献身的に守備をすることでそれを可能にしていました。ただリベリーのサイドに関してはマイコン一枚でそれを行っていましたから、同時に中のコースを消すことよりも、縦へ抜けられないことを重要視しているようでもありました。
それでもバイエルンは裏を狙わずにポゼッションをするようにしたことで安定してボールを持てるようになっていました。インテルの激しく人にぶつかる守備によって裏へ動き出せず、ブロック構築も上手く、パスコースを切られていることから裏へパスを出すタイミングでのみ抑えられているためにそれをさせてもらえなからこそのスローダウンしてのポゼッションではありましたが、それはロッベンが速攻で抑えられている状況では効果的で、ポジションを自由に動かして中へ入っていられるようにもなりましたから、そこへボールを預けていくつかの選択肢を得られるようになりましたし、リベリーも中への動きを中心としてましたから二枚の関係が近づき、インテルのサイドバックは抑えるべき対象を牛な打ったことから宙ぶらりんになってしまいがちでした。

同点ゴールの場面では、それまで完璧に二枚でロッベンの中のコースを抑えていたインテルの守備が、ロッベンの動きに合わせてセンターバックも対応に出てきてしまっていたことから三枚になって役割が被ってしまい、誰がどのコースを塞ぐのか不明確になっていました。そして中への切れ込みを許しシュートをさせてしまいましたが、本来ならシュートコース自体は限定できていましたから、インテルとしては許容範囲のはずでしたがジュリオ・セザールのキャッチングミスによって失点を呼び込んでしまいました。

同点に追いついたことで勢いを得たバイエルンは攻撃にスムーズさを得ていくようになっていました。インテルのディフェンスラインが下がっていましたし、それ以上にリベリーのスタート位置を下げることによって、事前にマークを受けてしまう状況から抜け出せていました。マイコンはディフェンスラインに合わせていましたから、リベリーにマークに付ききれず、引いていく彼にボールを触らせるしかありませんでした。プラニッチとの距離も縮まっていましたから、連携されてしまい、どちらにも明確な対応を出来ずにポジションを埋めるだけになってしまい、中へのパスをより許してしまうようになっていました。ロッベンもポジションを中へ動かしていましたから、そこへ預けて再び展開もされてしまいましたし、右のロッベンを警戒するあまり、インテルの中盤がそのサイドへ偏ってしまい、中央にスペースを作ってマリオ・ゴメスへ飛び出すチャンスを与えてしまってもいました。失点する以前は殆ど出来ていなかった、インテルの中盤とセンターバックの間にスペースが出来るようになっていましたから、そこを利用していました。バイエルンはゆっくりとボールを回し、前へ急ぎすぎないことでインテル縦へ伸びやすくしていましたし、縦へ伸びることでインテルがボールを奪ってフォワードへ預けたとしてもサポートを得られず奪い返される状況を作っていましたから、バイエルンが連続して攻撃を出来る環境を作り、ロッベンとリベリーの距離を縮めて変化を埋めるようになったものも含めてバイタルエリアを使用し、勝ち越しゴールを生むことに繋がっていました。バイエルンが失点したものと同じく、センターバックが無理に対応へでなければならない状態をその後も何度も作れていました。

インテルは逆転を許してからラインを上げて対応に出てきましたが、その分裏へのスペースが出来るようになっていて、バイエルンの攻撃はしやすくなっていました。プレッシングをいなせばこれまでのように裏へ走ることも出来るようになっていましたし、スピードを活かせる展開も作りやすく、体をぶつけられることもなくなっていることで、裏と手前の二択を迫ることが出来るようになっていました。マイコンがポジションをあえてリベリーを掴まえようとしていましたが、ディフェンスラインを崩すことにも繋がっていましたから、リベリーによって引き出されてしまっている印象が強く、プラニッチなどとの連携も許していましたし、抜けられてシュートを打たれることにも繋がっていました。ただ、先制点こそミスで奪われたジュリオ・セザールでしたが、その後は全て止めきったことで、突き放されることはありませんでした。

インテルはパスの距離が伸びてしまっていましたから、特にディフェンスラインからフォワードへ出されるパスコースが限定されやすく、そのパススピードも遅く不十分でしたから、序盤のようにバイタルエリアを使って攻めることは出来ず、パスカットをされやすくなっていました。バイエルンはディフェンスラインのみでも、孤立をしていればきちんとフォワードへとマークについて掴まえていられましたから、時折裏へ走られるもの以外は安定して抑えられていました。
しかしそれを終始継続していくことは難しく、インテルがラインを上げたことで跳ね返した後のセカンドボールを拾われたり、あるいは拾ったミュラーらにプレッシャーを与えられて繋げなくもなりましたが、その分押し込まれていることで中盤とディフェンスラインの距離が狭まっていましたから、バイタルエリアを利用されなくなっていました。

後半もインテルはリベリーを掴まえられなくなったことで守備プランが崩壊しているように見え、守備ブロックが不安定になっていました。リベリーの献身的な上下動によってマンマークに付きづらくなっていたこともありましたし、ロッベンがポジションを固定していないことも影響をしていました。コウチーニョの投入によってインテルは布陣が変化していましたから、それによってキヴが絞って守らなければならなくなっていたり、全体のバランスが変化をしていましたから、サポートの距離が上手く保てなくなっていました。

バイエルンはそのインテルの選手交代後の布陣の方が抑えやすくなっているようで、左のコウチーニョにはラーム、右のパンデフにはプラニッチ、フォワードのエトーにはセンターバックの二枚がそれぞれマークに付くことで自由に受けさせず、ゾーンを揺さぶられたりギャップを作られることなく対処できていましたし、マンマーク気味にすることでセントラル・ミッドフィールダーが奔走しなくても状態を保てるようになっていましたから、スナイデルを空らに任せていられるようにもなっていました。時折スナイデルとコウチーニョがポジションチェンジをしてもそれらをスムーズに掴まえられましたから、バイタルエリアを使われることもありませんでした。ただそのバランスが崩れたときにスナイデルにミドルシュートを決められてしまいました。プラニッチは上がっていませんでしたが、ヴァン・ブイテンがラームのマーク相手であるコウチーニョに引き出されてしまったことが強く影響していました。

ただリベリーが自由に動けるようになったことはマイナス要素も含んでいて、それまで相手の手前でボールを受けることで全体の流れを作れていたにもかかわらず、裏へ固執し始め飛び出す回数が多くなってしまいましたし、裏への動きにパスを出してもらえなければあからさまな不満の態度を取るようになってしまいました。ロッベンとも距離を縮められなくなってしまいましたし、裏へ出過ぎることで奪われた瞬間に攻守を切り替えてプレッシングできませんでしたし、上下動の距離を伸ばしてしまっていました。さらにロッベンが退いたことで、中へ動き距離を縮めてくれる存在がいなくなってしまいましたし、アルティントップはキヴに掴まえられてしまって相手に与える脅威が減ってしまいました。リベリーの中への動きが活きていたのもロッベンのお陰でしたから、それもなくなり、人もいなくなったことで効果的な攻めは出来なくなり、ミュラーとマリオ・ゴメスのチェイシングや、インテルが攻撃に出て存在しないバイタルエリアの利用でしかチャンスを作れなくなってしまいました。ルシオを引き出してもそのためチャンスに仕切れませんでしたし、ポイントを絞ってリベリーに強く当たることで再び抑えられるようになってしまいましたから、バイエルンの攻撃は上手くいかなくなりました。

バイエルンはそれぞれマンマークの関係を保っているようではありましたし、シュバインシュタイガーがモッタを抑えに出てきたり色々手を尽くしているようではありましたが、相手の動きに合わせて掴まえようとしているものでしたから、後手に回ってこぼれ球を拾われるケースも増えていました。ルイス・グスタボはこの時間にはバイタルエリアをきちんと埋めていましたから、インテルの少ない攻撃の人数ではあまりチャンスはありませんでした。

終了間際になって長友が投入されましたが、運動量が低下していたインテルにあっては効果的だったのかもしれません。長友のオーバーラップは試合の停滞した流れからは異質なスピードでしたから、エトーへのマークに専念していた相手の注意を引けたでしょうし、シュートコースには行って邪魔をしてしまいましたが、それが結果的にバイエルンにファーサイドの意識を削ったようではありましたから、パンデフのシュートコースを空けさせていたのかもしれません。結果としてゴールに繋がる動きをしたと言えるはずで、土壇場でインテルが逆転ゴールを決め、勝ち抜けを決めました。

一度緩んだ状態から再びエンジンをかけようとしても上手くいかず、バイエルンはボールを回してもスピードアップすることが出来ませんでしたし、インテルはディフェンスラインを引いて守り、中盤が距離を縮めてバイタルエリアを消し、試合序盤と同じようにスペースを与えてくれませんでしたから、バイエルンはボールを放り込む以外に策がありませんでした。

Liga Espanola Jornadas 28. セビージャ対バルセロナ

2011 年 3 月 14 日 月曜日

■Sevilla 1 – 1 FC Barcelona
バルセロナの立ち上がりは良く、チャンピオンズリーグの疲労を感じさせるような試合展開ではありませんでした。セビージャはバルサの最後尾にプレッシングをかけず、中盤以降の選手に対してボールへ寄せることでプレッシャーとしようとしていましたが、予め選手を掴まえているわけではありませんでしたから、ボールが動いてから動くために余計に動かされていました。バルサはボールを受けても長時間保持していませんでしたし、ダイレクトで動かせるほど選手も動いていましたから、マークに付かれてしまうことはなく、ボールが動いた後に寄せられるくらいでは、判断を速くしなければならない程度で、それほどの制限にはなっていないようでした。ただセビージャはその守り方をするために全体をコンパクトに保とうとラインを上げていましたから、試合展開自体早く、落ち着かせるポイントはありませんでした。
バルセロナは後方にはプレッシャーをかけられないことで、そこで試合を落ち着かせようとし、シャビがアンカーと同列近くまで下がって受けることで、ぽっかりと空いたエリアで時間をもらえ、そこで試合をコントロールすることでセビージャは選手へ寄せるタイミングを計ることが出来ないまま留まってしまい、ディフェンスラインを保つためのプレッシングが出来ずに押し下げられるようになっていました。さらにディフェンスラインを押し下げる要因として、メッシのドリブルによって中央へ集められ、誰も足を出さずに耐え続けることで下げられていることもありましたが、ボールをカットすることこそ出来ていましたが、バルサの流れを作る助けをしていました。
押し下げられてしまうことで、イニエスタをフリーにしてボールを扱わせてしまいましたし、アドリアーノも再三のオーバーラップを出来た。中央に本来注意を払って抑えようとしているところへ、外側の飛び出しやオーバーラップによって意識をそちらに振り向けさせることでビジャのへマークが甘くなったり、ディフェンスラインをフラットに保てずギャップが出来るようになっていました。サイドバック外側のスペースも埋めようとしていませんでしたから、そこを多く使われることで両サイドを引いて守らせなければならず、セビージャはブロックを高く保てず下げてしまわなければなりませんでした。ピボーテも下がり、より中盤へのプレッシングを低下させていましたから、バルサには時間が与えられていきましたが、その分バイタルエリアを閉じられて利用しづらくなって、縦パスを掴まえられる確率が高くなってしまいました。

バルサにとって誤算でしたが、ペドロが早い段階で負傷交代をしてしまったことで、交代でボヤンが投入されました。シャビやイニエスタ、メッシが近く距離を保つことで、相手の手前で横にボールを回し、セビージャがバイタルエリアに入らせないようにコンパクトに保っていましたが、そこにいるピボーテをその三人が手前を利用することで引き出したり揺り動かして入られるだけのスペースを中央に作ろうとしていました。そして縦パスを出そうとしていましたが、セビージャもそこに狙いを絞っていましたから、フォワードの動きに徹底してつくことでそれらを防いでいました。
ただフォワード以外のサイドバックのダニエウ・アウベスが飛び出してきたときには対応し切れていなかったり、フォワードの動きに釣られた後を使われたり、あるいはボールを受けたボヤンが横にスライドするドリブルをすることで相手のマークを揺り動かすことが出来ていました。

それでもセビージャはカウンターと共に攻撃に出て、その都度バルサを押し下げ、守備を修正してきていましたから、バルサの公報が余裕を持ってボールを扱うことで試合を構築していましたが、そこにもチェックに向かうことで時間を与えなくなりましたし、ブロックを下げてポイントを定めて奪うだけだった守備の姿勢も、フォアチェックから奪ってそのままカウンターへでようとする姿勢も見られるようになりました。また、フリーにしてバルサの起点になっていたサイドバックを持つ構えておくようにもなりましたから、そこの飛び出しやフリーでいるサイドバックに預けてボールを横へ動かしていたのも利用できなくなっていきました。

バルサはビジャが右に、ボヤンが左にでた関係上、中へ絞ってプレイする機会が多くなっていて、相手のマークを中央に寄せられるようになっていました。ウイングがそれまで起点になっていて横へ揺さぶることも出来ていましたが、中へ絞ることでそれをすることは難しくなっていましたが、二人がダイアゴナルに中へ動くことでサイドバックが掴まえられずフリーで上がってこられるようになりましたから、先制点の起点となるダニエウ・アウベスの飛び出しをさせることも出来ました。
特に目立っていたのは、フォワードが裏へばかり向かっていくのではなく、中へ絞る動きの多さで、ボヤンがその中でも多くそれをしていました。自身がボールを受けるのではなく、ボールを受けたがるような素振りのまま中へとポジションを移すことでカセレスを中へ引っ張ってしまえていましたし、そのスペースへアドリアーノを上げる。そしてそこを気にさせることでバイタルエリアが空きやすくメッシが入れるようになりましたし、メッシはそのまま裏への飛び出しもして両方を相手に意識させられましたし、ドリブルも含めて複数の選択肢を一人で作り出していました。次々と外から中への斜めの動きを全体が行っていましたから、セビージャは中へ絞って守らざるを得ず、どんどんと守備範囲を狭められて窮屈な守備を強いられていました。お陰で裏を狙えましたし、パスを何度も出してチャレンジすることが出来てましたが、それが誤算を生み、前半終了直前にメッシが負傷したことが後半は大きく響くことになってしまいました。

セビージャは後半からカヌーテを投入したことで、前線に起点を作りやすくなり、バルサはネグレドと二つを抑えなければなりませんでしたし、ディエゴ・カペルの縦へのスピードを警戒しなければなりませんでしたから、縦パスを許してしまいがちになってしまいました。ラキティッチがピボーテに入った分だけ守備の緩さが生まれていましたが、それをケアすべくセンターバックが徹底して前へ向かって守備をしてくるようになり、全くマークを離さず徹底してつくことでウイングがボールを受けても下げられてしまい、前を向けず、コースを限定されてカットされやすくなってしまいました。そしてカウンターから裏へに飛び出したネグレドに粘られて、ヘスス・ナバスに決められて同点にされてしまいました。

バルサが中へ絞って外側を空けようとする動きに関してもセビージャは釣られなくなり、横に幅広い守りを保てるようになっていましたから、バルサはサイドバックを効果的に使えなくなってしまいました。フォアチェックによって後方であってもシャビは自由をもらえませんでしたし、中央に入ったビジャも掴まえられていました。特に変化があったのはメッシの動き、怪我から動きが鈍くなり、パスをもらう動きもポジショニングも悪くなりましたし、ボールを足下でしか受けようとしなくなってしまいました。それに釣られるように、ボヤンも斜めの動きで相手のマークを引きつけてサイドバックが上がるスペースを空けたり、裏への飛び出しとの連動が出来なくなってしまいました。ビジャにしてもそうでしたが、ポジションをそのままに足下でボールを受けようとするばかりで、スペースを作ったり誰かが相手を引きつけてラインを下げさせるようなスタミナを消費するプレイもしませんでしたから、停滞を生んでしまっていました。
停滞はフォワードとそれ以外の距離を広げることになってしまい、その手前にブロックを保っているセビージャによって、バイタルエリアからパスが出せず、その上相手を圧縮できていませんでしたから、相手の裏へパスを出して何度か通りそうな場面がありましたが、距離が遠いためにボールコントロールが上手くできずにシュートまで持っていけませんでした。サイドバックも外へ押し出されたまま中へのコースを切られていましたから、バイタルエリアへ入る人数の少なさと相まって、横パスが全く機能しなくなってしまいました。

セビージャの守備は多少荒っぽさもありましたが、それに加えてフォアチェックからボールを奪おうとする姿勢が強く出てくるようになったことで、バルサはカウンターを度々受けて高く保ち続けられませんでしたし、展開しきることは難しい状態になってしまいました。素早くボールを動かすことでそれらをかいくぐることは出来ましたから、向かってくるということは相手を引き出せることでもありましたから、相手のゾーンを縦に広げて使えるスペースの増加にも繋がっていましたが、バルサの運動量は目に見えて低下をしてしまっていましたから、相手が間延びしても効果的な攻撃も出来ず、特にメッシはパスを受けるどころかプレイに関与するような動きもありませんでしたし、マークとパスコースを切られていたこともありましたが、ドリブルで抜いても全くスピードが上がっていきませんでした。その分シャビが入っていくことで間延びしたエリアを使っていくようになっていましたが、ウイングが無く、メッシも使えないことで選択肢が乏しく、サイドバックはセビージャによって押し下げられることも多く、常に高い位置は保てませんでしたから、パスコースを探して時間を浪費する場面すら見られるようになってしまいました。

ペロッティの投入とマクスウェルの投入によってサイドの攻防が活発化したのは間違いなく、バルセロナはサイドバックを高く保つことでウイングに近い役割を彼らに求めるようにし、フォワードが中央で働きやすい環境を整えようとしましたし、メッシには中盤に下がってプレイしてもらうことで試合に関与して相手の注意をそこへ引く役割を担ってもらわなければならなくなりました。ただメッシは判断の鈍さと選択の悪さ、スピードアップできないこととドリブルで抜くことも相手は警戒していませんでしたから、パスのみを狙われてカットされてしまうことも多々ありました。
バルサは全体として停滞してしまい、次々とぶつかってくるセビージャに押されてしまうだけで運動量の低下は否めず、サイドバックを高く保っている影響もあって、奪われてしまった後の守備に厚みを出せず、奪われるとペロッティやヘスス・ナバスにサイドバックの裏にある広大なスペースへと走られてしまい、ピンチを何度も作られてしまいました。アビダルのスピードと執念、それとビクトル・バルデスのファインセーブによって助けられましたが、逆転されてもおかしくないほどでした。

もちろんバルサにも大きなチャンスがあり、終盤に回復してきたのか、メッシのドリブルからのシュートだとか、イニエスタがそれを拾ってのシュート、あるいはそれ以前にあったミドルシュートなどいくつかのチャンスはありましたが、そのいずれもが決まらず、セビージャのカウンターによって何度も押し下げられることで既に運動量が低下していたバルサはそれ以上に動くことは出来ず、勝ち越しゴールを奪うことは出来ませんでした。

この試合の前には「頑張れ、日本!僕らは君と共にいる」という日本語の横断幕が掲げられました。

Bundesliga 26. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ハンブルガーSV

2011 年 3 月 13 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 6 – 0 Hamburger SV
バイエルンはこの試合も前への積極性を持っているものの、それのみの印象がとても強く、サイドアタッカーの二枚や、ミュラーが積極的に飛び出していく姿が見られています。そしてHSVのディフェンスラインはそれに対応するために押し下げられ、中央に集められてサイドバックが上がるスペースを空けてくれるため、ラームがボールを持つ機会も増えていますが、彼がボールを持って抱え上がったときに中へショートパスで変化をつけたり、下がったディフェンスラインの手前を使おうとする動きがありません。ロッベンとの連携にしても両者がサイドへポジションを取っていても、横の関係というよりも縦の関係に近く、抑えられたときに預ける場所に過ぎず、再展開のポイントとして利用できていない。そのことが攻撃の停滞と単調さを招いていました。徐々に横パスの選択肢の少なさは、これまでの悪い流れと同様に、裏へ飛び出すリベリーやロッベン、あるいは中央のフォワードにサイドバックが相手の背後を取るようなフィードを入れ続ける攻撃に変化してしまいました。唯一ロッベンが中へ切れ込むドリブルから相手を引きつけながら中との距離を縮めていけていますが、いくら中との距離を縮めたとしても、中のミュラーらは裏への意識しか持っていませんから、ワンツーで繋いでロッベンがそのまま裏へでることも出来ず、選択できるのは裏へのスルーパスのみですから、決定的な変化を生む要素になっていませんでした。

クロースとシュバインシュタイガーのセントラル・ミッドフィールダーのため、攻撃参加はあり、サイドに開いたり中央の厚みを増したり、センターバックからのボールを引き出す意味ではスムーズさを多少もたらしていますが、問題は守備面で現れていて、HSVのフィードや縦パスが早い段階でフォワードに預けられることが多いんですが、それをセンターバックが常に対応にでなければならない。中盤を埋める二枚は背後のスペースを意識するよりも自分たちの視界に入る選手を掴まえに前へ出てしまったり、ボールを繋ごうとする選手への対応をしてしまうため、より背後にスペースが出来やすく、センターバックがフォワードと同数を相手にしなければならないことも多くありました。ディフェンスラインを崩すわけにはいきませんから、前後両面を考えた対応では後手を踏み、裏へ抜けられることもありましたし、手前で簡単に受けられてしまうことも多くあり、HSVに攻撃の形を与え、ペトリッチにシュートを打たせたり、ゲレーロに飛び出されたりしてしまっていました。フォアチェックが機能していればセンターバックが前へ狙いを絞って出られるため脅威にはなりませんでしたが、それでも常にプレッシャーをかけられるわけではありませんでしたし、エリアを始めとしたドリブルも警戒しなければなりませんでしたし、サイドバックのオーバーラップと、外から中への展開もHSVはできるほどでしたから、特にカウンターではセンターバックの背後を突かれ、数的にも不利な状態を度々作ってしまっていました。

リベリーは裏とタッチライン際を縦へ突破することに固執するあまり、相手のサイドバックに縦のコースを消され、捕まれてしまうことで機能しなくなってしまっていましたし、苛立ちから余計なファウルをも増やしてしまっていましたし、プラニッチや他の中盤との連携も乏しい状態にありましたから、右のロッベンは二枚で中と縦のコースを消すような対応をされていましたが、リベリーには一枚で対処できるほどでした。希にミュラーと横パスが繋がることもありましたが、繋がった場合にはミュラーが孤立して囲まれてしまっていましたし、バイエルンは攻撃を急ぎあまり、全体の傾向として選手間が開きすぎてそれぞれのサポートが無く、独力での打開がなければシュートまで持っていくどころか、相手のバイタルエリアでボールを受けることすらままなりませんでした。決定機を得られるチャンスはHSVが人数をかけて攻撃をした後、クイックリスタートからカウンターを仕掛けるぐらいでしょうか。
徐々にクロースがラームとロッベンとの距離を縮めて両者を繋ぐ役割をし始めたのはいい傾向でしたし、ロッベンが足下で受けるのを中心としていたため、他が裏への意識しか持っていないことで押し下げたディフェンスラインの手前を十分に使えていました。そのドリブルの仕掛けがディフェンダーの視線を集めていましたから、中央へポジションを移してからはようやく流れらしい流れをもたらすようになっていましたし、裏へ飛び出すマリオ・ゴメスを上手く使って決定的なチャンスを作るまで至っていました。ただそのシュートはポストに阻まれましたし、こぼれ球をシュートしたミュラーもバーに当てて得点には至りませんでした。
そのロッベンと同じくリベリーがようやく中へポジションを移したことで、左右両方への選択肢を得られましたし、裏や縦への突破も使えるようになりました。予めマークに付かれてしまう状況からの開放にも繋がりましたし、何より、ロッベンとの距離が縮まったことで、両者がサポートしあえる状況を作れていましたから、相手の注意を引きつけてフォワードへのマークを減らしてより多くのチャンスを作れました。実際にリベリーとロッベンとのコンビネーションで先制点をも奪えました。その後はすぐにリベリーがタッチライン際に開いたことで、急速に元へ戻ってしまいましたが、先制点とその直前にはいい動きをしていました。

後半開始早々にフリーキックからゴールを得られたのは幸運で、マリオ・ゴメスがボールに触っていなくてもプレイに関与してゴールキーパーを迷わせていましたから、彼のオフサイドを取られなかったのも幸運でした。後半開始直後の流れが定まらない段階で得点を得られたことで、その後の主導権を握れるゴールになったようでした。

後半は、マリオ・ゴメスへ縦パスを足下へ預けようとするプレイが増えたようで、裏一本の狙いから解放されたようでした。フィードを落としたところをミュラーが拾ったり、ポジションチェンジをして中に入ることが多くなったロッベンがそのこぼれ球を拾う。あるいは、マリオ・ゴメスが裏へそらせ、他のアタッカーがそのタイミングで飛び出すなど、相手のセンターバックに前後の判断を強いるようになりましたから、前半よりも崩せていると感じられる場面は増えていました。HSVが攻撃に出て特にバイタルエリアを埋めていないこともあって裏を取りやすくなっていましたし、一同らを取ってしまえば押し下げたディフェンスラインの前を埋める選手がいないことでもありましたから、リベリーの裏への固執も役に立ちましたし、飛び出しから中へ切れ込んでからマイナスのパスでアシストも出来ました。

バイエルンがHSVを抑えられるようになってきたのも、ディフェンスラインを低く保って裏への攻撃を選択しづらくさせていましたし、HSVが勢いよく裏を使えなくなってきたことも影響していました。フォワードは元々運動量のある二人ではありませんでしたから、前後への変化を徐々にもたらせなくなってきていましたから、直接フォワードに預けるにはセンターバックに掴まえ続けられてしまうようになりましたし、その下を支えるヤロリームにしても掴まえられやすくなり、特にヴァン・ブイテンには狙いを絞って大きく前へ張り出して守らせてしまうようにもなっていました。狙いを前一本に絞ることが出来れば、セントラル・ミッドフィールダーが後方をケアし切れていないのもセンターバックが上がることで埋められますから、弱点とはならなくなり、使われる回数は大きく減りました。

リベリーのカウンターで4点目が入ると試合が決まったかの印象が強くなり、HSVは単純なパスミスを連発するようになってしまい、前への推進力も失ってしまいましたから、攻撃の形を作ることもままならず、中途半端な動きでバイエルンがプレッシングで取り囲んでカウンターや、攻撃のスペースを与えてしまうようになりました。バイエルンはその間に、ここの所調子の悪かったバドシュトゥバーを投入してチャンピオンズリーグへ向けての準備をさせられましたし、同じくチャンピオンズリーグを考慮してロッベンを下げることも出来ました。それら交代が行われた後は若干両者共がペースを落として単調になりつつありましたし、動きが落ちていましたが、その中でもカウンターからさらに追加点を入れられましたし、リベリーの素晴らしいドリブルからオウンゴールをも呼び込みました。

序盤の単調さも勢いこそありましたから、対応が不十分な相手に一度突き抜けてしまえばこれほどまでの破壊力をもたらせましたし、一度動きが落ちた相手に対しては、裏への狙いのみであってもマークの人数が低下していたり、対応が不十分になることで何度も利用できました。ロッベンとリベリーが中へポジションを動かせば、どの試合でもそれなりの効果が現れていましたから、チャンピオンズリーグでも早い段階からサイドに固執せずに動いてくれれば、十分に崩せるチャンスがあるのでは、と思っています。

UEFA Champions League First knockout round 2ndLeg アーセナル対バルセロナ

2011 年 3 月 9 日 水曜日

■FC Barcelona (agg-win) 3 – 1 Arsenal
怪我で出場できないといわれていたファン・ペルシーとセスク・ファブレガスを先発出場させられたアーセナルとは対照的にバルセロナはこの試合に間に合う可能性があるといわれていたプジョルが間に合わず、過去にセンターバックに左利き二枚を並べて失敗をした経験からそれをすることはなく、セルヒオ・ブスケツを一枚下げてアビダルとのコンビを組ませるしかありませんでした。そのためアンカーにはマスケラーノ、左サイドバックにはアドリアーノが先発出場していました。

アーセナルは第一戦と同様にディフェンスラインを高く保って試合へと臨んでいました。それに加え、中盤との間隔を狭めてフラットなライン二つで守備ブロックを構築する。距離を狭めてバイタルエリアを利用させず、そこに本来入って仕事をするメッシとシャビ、イニエスタ進入を許さず、高いラインの維持を目指すものでした。守り方は非常に洗練されていて、スペースは全く用意されていませんでしたし、フォワードが受けに戻るとそれに合わせてラインを押し上げて密着してくるため、さらに間隔が狭められ、ディフェンスラインと中盤の間でボールを受けるのは難しい状況を作り上げていました。
ただ第一戦は積極的なプレッシングをそれに加えていて、追いかけ回すことでコンパクトに保っている手前から直接裏へ浮き球を出されてしまうのを防いでいたんですが、この試合ではそれが非常に緩く待ち構えている形になりかけていました。シャビが大きく引いてボールを扱うところにはお陰でプレッシャーがあまりかかりませんでしたから、そこから左右へ振り分けたり裏へのパスを出していくことで試合を動かし始められましたし、プレッシャーを与えるためにセントラル・ミッドフィールダーのウィルシャーが出てくれば、彼のいたすペースを使える。あるいはメッシがウイングとの距離を縮めて、ウイングの背後に隠れる形でマークから逃れたり、ウイングに預けてアーセナルのラインと中盤の関係をわざと狭めさせてからマイナス気味に展開してその手前を使う。第一戦以降にリーガでも多くのクラブがディフェンスラインを高くして戦ってきていましたし、それらの攻略は予め考えられているようでした。

攻守の切り替えもバルサは良く、特に相手へ縦へ走らせないことでその芽を摘んでいました。ポゼッションできることでマスケラーノも高くポジションを保てましたから、パスの一本目を抑えたり、起点となるところを抑えにかかったりカットしたり、あるいはサイドに流れてナスリのケアをする。サイドアタッカーの部分にのみ注意することなく、ディアビーとウィルシャーの所へ多く人数をかけて前を向かせず、時間を与えないようにしていましたから、その間に体勢を整えてサイドアタッカーとサイドバックの前をそれぞれが塞いで上がらせず、センターバックにボールを扱わせてバルサはその間に体勢を立て直してコンパクトに保つ。特に中央で前を向かせないことでスピードに乗らせず、自陣深くに入られることも殆どありませんでした。

バルサは左のビジャを中に入れてしまうことでマークを引きつけ、左にスペースを空けてアドリアーノを積極的に上がらせるスペースを作って多くボールを触らせる。アーセナルはその対応のためにバルサから見て左サイドへゾーンを寄せて守らなければなりませんでしたから、逆サイドへスペースを作ってしまうことも多くありました。右のペドロはその相手左サイドバックの外にあるスペースへと動いてポジションを取り、その逆もまたありました。
他にもウイング二枚が中へ絞り、アーセナルのゾーンを狭めて両サイドバックが外側を使う。二枚のラインを狭めて縦の関係は非常にいいアーセナルでしたが、サイドバックの外側を埋める動きに関してはナスリもロシツキーも積極的ではありませんでしたから、中へ絞ったウイングにボールが預けられるとディフェンダーは外へも一度意識を向けなければなりませんでしたから、対応を苦労しているようでもありました。

バルサはコンパクトに保とうとしているアーセナルの背後を積極的に狙っていて、ビジャだけではなく、メッシやペドロも多く飛び出していましたし、後にダニエウ・アウベスも盛んに飛び出していました。その動きは全員が同じように飛び出してしまうのではなく、誰かがきちんと引いてボールを受けようとする動きとセットで行われてしましたから、アーセナルのディフェンスラインはラインを下げて飛び出しに対応するのか、それとも上げて足下へのボールを抑えにかかるのか、二択を迫られていました。その結果何度か手前から裏へのパスを通されそうになったことから、裏へのケアを中心にし始め、ディフェンスラインの高さを徐々に保てなくなっていました。コンパクトに保つことにのみ意識を集中していましたから、アンカーのマスケラーノだけではなく、イニエスタやシャビらにも積極的にチェイシングが出来なくなっていましたから、余裕を持って出させてしまい、それが悪循環となって連続することになっていました。ただ距離が遠いためディフェンダーには対応されて跳ね返されるのが中心となっていましたが、アーセナルの中盤に後方のスペースを埋める仕事だけに専念させず、前へ出てこなければならなくしましたから、立ち上がりとは違い、バイタルエリアにはバルサのアタッカーが入るだけのスペースが出来ていました。ゾーンが崩れて密集地タイトスペースの二つが混在するようになっていましたから、まだアーセナルはそこへの対応を早く行っていたため、効果的に利用できていませんでしたが、完全に修正する隙は与えませんでした。

バルサは繰り返していくうちに縦の連動が出てきて、それまでは、裏への飛び出しに対して出されるボールは跳ね返され、相手に拾われてしまうことが多かったんですが、それを拾って二次攻撃や再展開に利用できるようになり、よりアーセナルにボールを持たせなくなっていました。拾えることで二列目はより前へ出やすくなりましたし、攻守の切り替えにスムーズさをプラスすることにもなりましたから、連続して攻撃をすることで裏を警戒させ、中のフォワードの連携を警戒させるようにして、一時的に外を抑えられて上がれなくなっていたアドリアーノを再び利用できるようになりました。さらにイニエスタが相手の手前でなく、相手中盤の隙間にはいってボールを受けられるようになりましたし、シャビにしても同様に徐々にポジションをあげていられました。

前半の終盤にはアーセナルが観客とバルセロナをヒートアップさせてしまったのが失敗で、アビダルが倒された場面ではボールを出さずに続行し、ウィルシャーが倒されたときにはボールを切るようにさせた。直後にファン・ペルシーがダニエウ・アウベスの顔に手を出してイエローカードを出させてしまいましたし、何事もなければそのスコアのまま前半を終える流れだったものに、勢いを与えてしまったのはその一連の流れでした。勢いを得たバルセロナは連続した攻撃によってイニエスタからメッシで先制点を奪い、アウェーゴール差で有利に立って前半を終えられました。

後半のアーセナルはワイドに開いてボールを展開させようとしていました。外側にもきっちりと開いて人数をかけて守り、前半よりも引いて、二枚のラインを狭めて守るのではなく、前からチェイシングをすることによってバルサに時間を与えず、片側のサイドへ追いやって攻撃の選択肢を削り、中へのパスコースを切って、そこへ逃れようとするボールを奪ってその勢いのままカウンターをしようとしていました。前向きのスピードを削られていた前半から変えて、前へのスピードを維持して攻撃を使用としているかのようでしたが、すぐにバルサのカウンターで押し下げられて前半と同じような位置に留まらざるを得なくなっていました。バルサはナスリを始めとして、しっかりと縦のコースを切り、ウイングもクリシーの縦のコースを切って掴まえておく。それによってサイドバックのオーバーラップから二枚での攻撃を許さない。そして掴まえているから、サイドを縦に使われてクロスを入れられることなく、マスケラーノに中央の守備を任せられて、安定していました。

ただセットプレイからのオウンゴールはどうしようもなく、コーナーキックになった流れも複数で囲い込んで前後も中へもコースを消していましたから、悪い守りから与えたわけではありませんでしたし、セルヒオ・ブスケツにしても、彼が頭に当てていなければ、背後にいたアーセナルの三人のいずれかに触られてしまっていたでしょうから、切り替えるほか無い失点でした。ただ同点に追いつかれたことは大きく、アウェーゴールを許してしまったことで勝ち抜けが決まるスコア内で、自分たちのポゼッションを武器に進められる試合展開から、再び得点を決めるためにある程度の勢いが必要になってしまっていました。

幸運だったのは直後にファン・ペルシーがオフサイドの笛を吹かれながらシュートを打ったことで退場になってくれたことでしょう。前半の心象の悪いファウルもありましたし、一枚カードを持っている選手が、リードしている環境でするプレイではありませんでした。

バルサはマークしておかなければならないファン・ペルシーがいなくなったことで、相手の起点の位置を下げられましたから、殆どの選手のポジションをあげられるようになりました。そしてボールを低い位置でキープしてもただでさえ多くなかったアーセナルのプレッシャーをより受けづらくなっていましたから、引いて守るアーセナルへ一気に裏へ出せていました。
それに加え、アーセナルは徐々に中盤とディフェンスラインの関係を縮めていられなくなっていましたから、手前を利用できるようになっていました。足下へ受けるボールに対して、それまでは中盤が主に対応してそのケアをセンターバックが行うことでディフェンスラインに大きなズレを生まないようにしていたアーセナルでしたが、中盤のとの距離が開いてしまっていることで、足下のボールに対してセンターバックが先に対応にでなければならず、そのケアを中盤がするようになってしまった。そうなるとバルサのフォワードの動きに合わせてセンターバックが引き出されてしまいますから、ディフェンスラインをフラットに保てずギャップを作ってしまい、背後をより取られやすくなってしまいました。ディフェンスラインに四枚がきちんと並ぶことなく、中盤もフラットではなく、バルサのダイアゴナルな動きに合わせて動かされてバランスを悪くしてしまっていました。
その頃にはゾーンよりも人に対して向かう意識を強めていましたから、ボールサイドへの寄せが厳しくなっていました。だからこそ、イニエスタのドリブルに対して奪いに向かいすぎ、それが二枚三枚と次々に来るだけで一斉に来るわけではなく囲い込めていませんでした。何枚もがばらばらに向かうことで後方の選手は抜かれた際のことを考えざるを得ませんでしたから、ボールに意識を取られ、シャビへの意識が薄く飛び出しを許してしまいました。

二試合合計で同点になってからは、より度もセンターバックがギャップを作りながら前へ向かう守備をしなければならなかっていました。そもそもバイタルエリアをセントラル・ミッドフィールダーが埋めて、センターバックが前へ出なくてもいいような守備体系を整えてこそ守れていたアーセナルが、そこを空けて中盤が背後を気にしなくなったことで、特にクリシーの部分で何度も繰り返しギャップを作られるようになり、ペドロを倒してPKを取られるきっかけにもなりましたし、何度もダニエウ・アウベスをその後も飛び出させてしまっていました。

アーセナルは攻勢に出なければならなくなりましたが、数的不利の状況でのそれはディフェンスラインの前を埋めていた選手をさらに分離させてしまうことでもあり、既にディフェンスラインは時折思い出したようにしか押し上げられなくなっていて、低く押し下げられた後に上がっていくタイミングを見せつけられなかっていましたから、バルサはスピードこそ落ちていましたが、そこにプレッシャーを与えられてミスを誘われることもありませんでした。サイドバックとサイドアタッカーの連携から縦に使われることもありましたが、それも一時的なもので、攻守の切り替えにフォアチェック、上がってくるディアビーにベントナーを抑えてプレイさせず、抑えて繋がせず、マイボールにしてボールを動かして相手を消耗させる。手前でゆっくり回すと見せかけて裏へ、と上手く相手の勢いを削ぎながら自分たちの展開を作って時間を消費していました。
ただ一度、86分には非常に危険なプレイをしてしまい、ひやりとさせられました。2点リードこそしていましたが、次に一点を決められてしまえばアウェーゴールで有利にたたれてアーセナルに価値抜けられてしまう状況での迂闊なミスでしたから、マスケラーノが防がなければ大変なことになっていたはずでした。この場面に限らず彼の活躍は非常に大きく、何度も助けられました。

その後は大きなミスはなくしっかりと時間を消費して試合を終え、いくつか攻められた場面こそありましたが、シュートを0本に抑え、ポゼッションでも大きく上回り、内容でも勝利に値するものでした。

Bundesliga 25. Spieltag ハノーファー96対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 3 月 6 日 日曜日

■Hannover 96 3 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルンはシュバインシュタイガーとルイス・グスタボが出場できませんでしたから、クロースとブレーノを先発させ、バドシュトゥバーを左サイドバックに回さざるを得なくなっていました。インテルに勝って以降、勝利から遠ざかっているから変更したのではなく、出場できない影響で仕方なく変更しただけ、という印象が拭えません。

バイエルンの攻撃はスタート時から単調で、上下動とバランスを取るシュバインシュタイガーがいませんでしたから、その代わりとしてクロースが大きく下がってセンターバックからのボールを引き出そうとしていましたが、そこに動きの大きさがありませんでしたし、預けたとしてもそこからさらにもう一つ先のコースを見つけられず、最後尾からの構築が上手くいっていませんでした。プラニッチがクロースと共に動いてボールを動かしたいところでしたが、彼はきっちりとマークをされていて受けられる状態にありませんでしたから、後方からマリオ・ゴメスへ向けてフィードを当てるか、ハノーファーはディフェンスラインを高く保っていましたから、裏を狙って飛び出すロッベンへ出すくらいしかありませんでした。

ハノーファーはラインを高く保とうとしていましたから、中盤では強く当たる、あるいは掴まえて自由に視させないことでそれを持続させようとしていました。ただバイエルンの最後尾に関してのチェイシングは緩いものでしたから、裏へ直接出される要因になり、走らされることに繋がっていましたが、バイエルンが中盤へ預けて試合を組み立てられませんでしたから、後方へ走らされて間延びしてしまってもそれほど大きな影響を受けていませんでした。ただ裏へ走られたり、ウイングとの関係を見る中で、ハノーファーの守備は予めそれらを掴まえるよりも裏へ走られないように余裕を持って距離を取ってしまっている印象が強く、バイエルンの選手たちが距離を縮めてパスを繋ごうとすると、ボールが動いてから動き、走らされてしまう要因になっていました。特にサイドではマリオ・ゴメスが流れることで近い距離を保ってパスを交換できていましたから、ハノーファーはそれに揺り動かされ、寄せる頃にはボールを離され、バイエルンには構築していくだけのチャンスが与えられてしました。ハノーファーはその状況にありながらもディフェンスラインを高く保とうとしていましたから、何度も裏へ出されてオフサイドに助けられるはめになっていました。
ただ何度もその状況を作れてしまうことで、バイエルンは単調に裏へパスを出すだけで、ショートパスで相手を揺さぶれていた部分を無視してしまうようになり、ウイングのスピードや技術を頼りに、パスを出して競争を仕掛けるだけになってしまいました。跳ね返されたボールを、まだマリオ・ゴメスやミュラーが拾えるほどの距離を保ってサポートできているだけ救いがありましたが、彼らがゴールの近くにいられないということでもあり、二人が中央に残ってしまうとサイドは孤立しましたし、中央のどちらが裏へ走っても孤立してしまっていました。

バイエルンはフォアチェックからハノーファーに構築させないように攻守の切り替えを素早くしていましたが、それは最初だけで持続することが出来ませんでした。ハノーファーもショートパスを繋いで崩すことを目的とした試合運びをしていませんでしたから、プレッシャーがかかるよりも早くボールを離してしまいますし、動かした後にまたプレッシャーを受けるような短いパスではなく、長い距離を動かしてしまう。チェイシングによって精度を落とせるほどバイエルンは効果の見えないプレッシングを組織として続けられませんでしたから、高く保っていたディフェンスラインの裏へ何度もボールを入れられて走られてしまいました。
一度裏へ走られてしまうと、それへ意識が向けられてしまい、ボールに近い選手が寄せるだけで、全体は停滞してプレッシングのスイッチすらはっきりしなくなってしまい、逆にハノーファーには、バイエルンはロングフィードからウイングを走らせるしかしてこないことで、ショートパスや動きに惑わされることなく掴まえておけるようにさせてしまいました。

先制点をハノーファーに奪われてからやっとの事でバイエルンはショートパスを繋ぐスタイルへ戻したかのようでしたが、その頃には試合開始直後のようにマークが緩く、ボールの動きに合わせた守備をされるのではなく、きっちりと捕まれてしまっていましたから繋ぐのは難しくなっていました。ミスは多いものの、クロースがドリブルで持ち上がってミュラーが引いて受け、ロッベンへ運ぶ。一連の流れは出来てきていましたし、ボールを奪われた瞬間に守備に入れるようにもなっていました。ただディフェンスラインは失点のイメージからか裏へ抜けられるのを怖がる選手と、前で処理をしようとするボールサイドのディフェンダーとでギャップが出来ていて、フラットではなくなってしまい、簡単に裏へ飛び出せるほど緩い守りになってしまっていました。

ピッチコンディションもそれほど悪いようには見えませんでしたし、パススピードも速く保てる芝のように見えていました。相手もコンパクトに保とうとしているお陰で、バイエルンはいつもよりもコンパクトに保てていましたから、ショートパスで繋ぐだけの土台はできているはずなんですが、中で繋いでサイドへの展開が見られることは少なく、ボールを持てるのはサイドだけ。ロッベンもリベリーも中へ入ってくることはありますが、タッチライン際でしか受けて仕掛けませんでしたし、何より仕掛けるよりも裏で受けることしか考えていませんでした。無駄に何度も裏を狙いすぎた結果、マリオ・ゴメスへ当てるのが見え見えになってしまって潰されてしまったり、ディフェンスラインの背後を取れてもキーパーの飛び出しでケアされてしまったり、あるいは足下で受けようとする動きがどの選手にもないことで誰も音にもならず、裏へ抜けるどの選手にもついて行けていました。パサーが緩急をつけたり足下へと預けようとパスを出しても、受け手の4人がいずれも裏しか狙っていませんでしたから、足下へのパスを狙ってもミスになるだけですぐにしなくなって、単調なリズムが続くだけでした。それを続けてしまうことで、焦りからか、ポジションが被って中央に集まりすぎるようになり、相手の守備を中央に集めてしまうだけの効果しか無く、外に広げたり、中へ集めるような駆け引きが無く、ひたすらゴールを目指すだけになってしまっていました。

ハノーファーは一点を取ってから素早く攻めようとしなくなっていましたから、サイドで繋いで裏を取る程度で、時間がかかるようになったお陰で、中盤のプラニッチやクロースが守備に参加できる回数と時間が増え、センターバックの裏を直接使われないことでピンチは作られにくくなっていました。裏へ放り込まれるのも、フォワード一枚へ向けたもののため、ティモシュチュクが競って、裏を二枚でカバーをする。多少は安定しましたが、プレッシングのスイッチがない状況は改善されておらず、複数で囲い込める状況にありながらも、誰も寄せずにパスを出させてしまうことも多く、いくつかのピンチを作ってしまいました。

後半開始時には、上手くいっていない部分こそありましたが、セントラル・ミッドフィールダーとセンターバックを交代させて、二枚も交代枠を使ってしまいました。オットルが入ることでクロースのポジションをあげて攻撃に参加させることは出来るでしょうし、バドシュトゥバーよりはプラニッチがサイドバックを担当した方がリベリーの後ろを支えられるかもしれませんが、一枚の交代でもそれをやれましたから、無駄な交代だったように思えましたし、何より、問題なのはフォワードの急ぎすぎが原因で、迫力こそあっても単調で効果的ではない攻撃になっていたわけですから、そこの改善をすべきじゃないでしょうか。

後半になってもバイエルンの攻撃スタイルは変化せずに、フィードでフォワードが飛び出すばかり。キーパーも連続して同じ攻撃を受けていましたから、キーパーで処理できるほど飛び出しのタイミングを早くすることでディフェンスラインを高く保っても問題なくなっていました。それに加えてラームのアーリークロスも行っていましたが、これもタイミングが早く送り込まれるだけで、相手陣内深くに入り込んでからのクロスや縦のドリブルとセットで相手に判断を迫るのではなく、アーリークロス一つに狙いを絞らせていましたから対応は楽に出来ているようでした。他にも一つのパスに対して、ミュラー、ロッベン、マリオ・ゴメスの三人が同時に飛び出している姿も見られましたし、誰か一人が足下で受けるような素振りをすれば、センターバックの一枚でも引きつけられて通せる確率を高められるんでしょうけれど、それもありませんでした。
二失点目を喫した後に一点を返すことができましたが、あれだけ勢いがあれば、得点が入ることもある、という程度でしか無く、別に変化があったわけでもありませんでした。唯一、クロースのポジションが上がったことが得点に繋がったことだけが収穫だったのかもしれません。

前半よりはハノーファーに隙間が見えることから多少単調なフィードと競争であっても効果が出るようになり、それぞれを掴まえられていないから早く出しても展開できる。だから余計にそれに頼ってしまったのかもしれませんが、ハノーファーは守りきるつもりで這いませんでしたし、その守備の甘さも疲労で足が動かず守りきれなくなってきたからではなく、攻撃へも走っている影響でした。
ハノーファーはボールを奪ってから繋ぎ、素早く展開して裏を狙い始めていました。前半よりもバイエルンのセンターバックは足が遅くなったことで突破しやすくなっていましたし、サイドバックも攻撃のために高く保とうとしていましたから、余計にそこの裏も使われていました。攻撃のために前へ動くことで守備に回ったときにもチェックに向かう勢いが出てきていましたから、バイエルンは早くボールを離す必要に迫られ、そのお陰でいくつかパスを繋げましたしクロースを経由することでフォワードとの距離を縮めて裏を狙うチャンスもいくつか得られました。

いくつかチャンスを得られそうになっていたんですが、ロッベンの不用意さとクラフトの雑な処理が失点を生み、同点に追いつけそうな流れを失ってしまいました。それまでの運動量を維持できずに試合のスピードが落ちましたし、雑になった。そして追い打ちになったのは前後を繋げていたクロースを下げて、クローゼを投入したことでしょう。ハノーファーは対応するためにセンターバックを増やした様子もありませんでしたから、左右へ揺さぶられてマークに付ききれずにスペースを作り、フリーにしてしまうこともある。ヴァン・ブイテンも上がって早くからパワープレイもしていましたから、数的に有利に立つことはあったんですが、それでも前後を繋ぐ役割を失ったことで、より単調さが加速していましたから、対応を楽にさせてしまいました。

さらにはブレーノが一発退場までしてしまったことで、オットルがセンターバックに下がらざるを得ず、ミュラーが一人で中盤を担当することになってしまいました。センターバックからボールを引き出しに戻っていましたが、その役割を担える選手ではありませんでしたし、守備に回ってもセンターバック前のスペースを埋められず、そこに居る以上の効果は得られませんでした。クローゼがサイドに流れたり、守備へ積極的に戻ってバランスを取っていたことでそれ以上の崩壊はぎりぎりで抑えられましたが、カウンターを受ければそれも出来ないわけで、数的不利を何度も作られてしまっていました。

残りの時間の殆どはフォワードの人数に頼り切った攻撃をしているものの、シュートは打てても左右へ揺さぶっていませんからハノーファーの中央が崩れておらず、ディフェンダーの体やコースを限定されてキーパーに処理されてしまう。いくらパワープレイをしても、一つ目は触れたとしても、二つ、三つと連続して触れるわけではなく、どこかに引き出す必要があるんですが、それを全くしていないのだから、どうにもなりませんでした。
ハノーファーが全員守備で、放り込まれるのを待つだけの状況を作ってくれていれば、いつかは突き崩せていたのかもしれませんが、カウンターの選手を残して、奪えばロングキックで裏へ出して競争をさせる。しっかりとバイエルンのディフェンスラインを下げさせて、自分たちのラインは上げる。そうやってフィードがペナルティエリア内に入り続けない環境を作ったことで、バイエルンはパワープレイをしたとしても、一本のパスが得点に直結せず、競り合って落としたボールをもう一度どこかへパスをしなければならなくなっていました。あるいは自分でコースを作ってからシュートしなければならない。それをさせないほどカウンターをし続けるのはハノーファーで、驚嘆すべき集中力と運動量でした。次に一点が入るとしたらハノーファーの方が可能性として高いと思えるほど、ハノーファーの方がより多くのシュートを放っているようでした。

そして目立った崩しも出来ないまま試合終了。上位同士の対決を落としてしまったことで勝ち点差が広がり、チャンピオンズリーグに来季出場できるかどうか、というレベルにまで落ちてしまったのは確かで、下との勝ち点差の無さを考えれば、あるいはヨーロッパリーグすら出場権を手に入れられないのではないかと思えるほどでした。むしろ結果よりも内容の方に問題を感じる試合が続いているのも事実で、チャンピオンズリーグに先勝しているとはいえ、第二戦を前に監督が解任されても不思議だとは全く思いません。