Liga Espanola Jornadas 23. スポルティング・ヒホン対バルセロナ

■Sporting de Gijon 1 – 1 FC Barcelona
バルセロナは代表戦を挟んだ後の試合はコンディションを落とす傾向にありますが、この試合も変わらずスローダウンした状態で試合に入ってしまいました。スローなテンパから足下へのパスを連続させて安定したパスを供給しようとしているようでしたが、ヒホンが特に中央に人数をかけて素早いマークとチェックを基本としていましたから、相手の狙い通りの形を作らせてしまっていました。
バルサは相手の攻撃を受け止めるために押し下げられることもありましたし、そういった際にはフォアチェックをして前へと簡単に出させてもらえず、足下へのフィードを狙われてしまう。バルサが支配しているときには中央のブロックが素早く中の選手へと寄せてコースを限定して横パスを選択させる。中だと囲まれてしまうため、バルサの選手たちはサイドへとポジションを移すことで中のゾーンを外へ引き出そうとしていましたが、中央から外へ逃げるだけでアンカーや逆サイドがスライドして中に出来るスペースを利用しようとするものではありませんでしたから、相手ゾーンの手前からサイドへ、タッチライン際から中へのドリブルといった単発の横の変化はつけられていましたが、連続して横の変化を加えて相手を揺さぶることは出来ていませんでした。そのためプレッシャーに晒される環境から抜け出せませんでしたし、バイタルエリアの利用を進められず安定してパサーがボールを持てないことで裏を使えるチャンスはなかなか得られませんでした。特にメッシとイニエスタがバイタルエリアに入れず、入っても囲まれて受けられないことでヒホンの視線を集めるポイントを作れず、それぞれに集中させてしまいました。

ヒホンは横へと動かしながらもバルサの背後を狙う攻撃が多く、特にパスは徹底していました。競争させるようなフィードもありましたし、アーリークロスで背後を突こうとする場面もありました。バルサの攻守の切り替えもそれなりにありましたが、ディフェンスラインをそれらによって押し下げられてしまっていることや攻撃時に効果的にポゼッションを高められていないことでフォアチェックが機能しづらくかいくぐられてしまっていました。特にサイドバックの背後へボールを出し、センターバックを引き出してしまおうとする意識が強く、マスケラーノが攻撃面での貢献もあって前へポジションを取ろうとしていることもあってセンターバックが背走する場面で埋め切れていなかったこともそれを難しくしていたのかもしれません。それ以外でもセットプレイ時にはファーサイドを狙われ続けながらも対応する選手がおらず、厚みのない逆サイドへ何度もボールを入れられてしまっていました。あるいはドリブルでセンターバックへ向かって仕掛け、足を止めて対応に出てくるところの背後へパスを出したり、とにかくバルサの背後を意識した攻撃をし、対応に苦慮していました。

バルサは裏へ走らされることで前へ人数を溜めることが出来ず、横パスを利用して徐々に進入していくことしかできず、縦パスを入れてスピードアップをするタイミングを得られていませんでした。それを無理にしようとしたところでカットされてカウンターになり、バラルに先制点を決められてしまったのは非常に悪い展開でした。ボールをそこへ集められてドリブルで仕掛けられることも多く、アンカーとセンターバックの間で受けられる、あるいはパスミスから仕掛けられるためにマスケラーノでも追いかける展開にしかできず、センターバックは裏と突破を警戒して下がって対応をしてしまわなければならない。そのため余計にアンカーが埋められないことが増えてしまい、ガブリエル・ミリートが危険なチャレンジをして背後へのパスを止めなければなりませんでした。

バルサのパススピードは時間が経過しても上がらず、それぞれの距離も遠いままでした。パススピードが上がらないピッチであれば選手の距離を縮めることでサポートを得られるようにし、パスの距離を縮めることでカットされにくい状態を作りたいところでしたが、この日のバルサはそれぞれの距離が開いてしまったままボールを受けようとする動きに乏しく、マークに掴まえられたまま足を止めているばかりで、スペースを作ることもパスを呼び込むこともありませんでした。足下へのパスが増えてしまい、囲まれやすく寄せられやすい。サイドバックから中のイニエスタらへの距離が遠く、そこからウイングへの距離もまた遠いままでした。せめて中でキープできる状態でサイドバックをオーバーラップさせ、トップスピードのまま利用できていれば問題も少なかったのかもしれませんが、サイドバックが足を止めた状態でしかパスを渡せていませんでしたから、余計にそれが目立ってしまいました。
ヒホンは先制点を得たことでがむしゃらに向かってこずにブロックを構築してそれぞれを掴まえようとしていましたが、バルサの運動量の無さからそれを容易にしてもらえていましたし、ミスを誘えてもいました。ミスが多くなるとそれを気にして裏へ走っても行けなくなりますし、走らないことでマークが外れず、個人での打開を期待するほかありませんでした。3バック気味にしてサイドバックを押し上げてもそれほど状況を変えられず、パスを出した後も足を止めてしまっていて、パスを出したその足で動き出しておらず、相手を引っ張ってゾーンを動かすこともワンツーを要求することもありませんでした。これだけボールを持っていない選手が動いていなければ、パスの出し手は探すばかりでリズムを作ることは出来そうにありませんでした。

後半開始時の交代としてアフェライが下げられましたが、これは仕方のないものでした。アフェライはバランスを取ろうとする意識が強すぎるためにダニエウ・アウベスと横関係にはならず縦関係で彼の方が後方に位置してしまうことも多くありましたし、中への動きや仕掛けにしても変化を産み出すほど勢いのあるものではありませんでした。パスが足下へこない状態での変化が必要でしたから、それに優れたペドロが投入されるのも納得でした。

後半スタート時から交代とハーフタイムの修正が上手くでたのか、パススピードは物足りないままでしたが、動きに変化は見られていました。ビジャが最初に裏へ飛び出す姿勢を見せ、そこへしっかりとパスが出ましたし、それが二度連続して出来ていました。どちらも裏への飛び出す動きに対してパスを出されていましたから、ボールのないところでの動きによってスムーズに展開できる要素がそこに見えました。中の距離も前半から比べると近くなり、パスを短い距離で動かし続けることでリズムを作り始めていましたし、相手のマークを一人に集中させず、複数を見させることで動かせるようにもなっていました。相手を裏へ引っ張ってくれるビジャの動きのお陰でメッシがドリブルで仕掛けられるようになりましたし、ボールを持っていない選手の動きが活発化したことで、出し手が散々迷いながらパスを出すような様子は見られなくなり、選べるようになっているようでした。
ヒホンはその状況に対応しなければならなくなったため、中へと動きに合わせて守ろうとしたことで外が空きやすく揺り動かされてしまうようになっていました。横と後ろへと運動量を使わなければならず、パスカットにはでられなくなってきましたし、ドリブルにも下がってしまうようにもなったことでカウンターにもでられなくなってきていました。そうなるとバルサは全体を押し上げて前へ人数をかけ続けていられましたから、攻守の切り替えもスムーズに出来てフォアチェックから奪い返せるようにもなり、パススピードも上がっていきました。
ただバイタルエリアをもっと多く使えればよかったんですが、そこをきっちりと閉じられていたことでメッシは多くのマークを受け続けましたし、バイタルエリアを横断するようなパスもドリブルも見られませんでした。

同サイドで近く保ってボールを動かし続けることが中心となって、マークを受けて難しさもありましたが、バルサは外から中への有効な展開先を見つけられず、中のパスコースは特に切られていましたから、縦への仕掛けが中心となっていました。ヒホンはペナルティエリア横へ入られるのは許しているようでしたが、そこからのクロスやパスに対しては二枚が常に対応して集中して防いでいましたからなかなか得点のチャンスには結びつきませんでした。投入されたケイタはクロスや流れの中でも効果的に強さを発揮するようなポジションは取れていませんでしたし、流れの中でピケが上がってくるほどの意表を突けるわけでもなく難しさがありました。もっとイニエスタがミスをせず、体を寄せられても交わせるほどサイドで起点が作れていればよかったんですが、この試合通じて彼のミスが多く、状態は思わしくありませんでした。

そこの交代の前に同点にできたのは非常に大きなものでした。メッシは中央で何度も体をぶつけられてボールを失っていましたが、得点の場面ではようやく失わずに持てましたし、ビジャはきっちりとそれを見てパスを引き出すために飛び出していました。ビジャがボールを引き出す動きをしたからこそのゴールでしょうし、最初から予測していたからこそクエージャルの飛び出しに対応してループシュートを打てたのかもしれません。

その後、イニエスタに代わって入ったボヤンが2トップに近いポジションを取り、裏へ抜ける動きを意識させるビジャが相手のセンターバックを引きつけ、ボヤンが戻りながらバイタルエリアを利用していくことでギャップを作り出せているようでしたが、同点に追いついてからは運動量が落ちてしまっていましたから、サイドバックから中へのパスコースを再び用意できず、それぞれが足止めて、パスを呼び込む動きも減ってしまい、逆転できるだけの流れは作り出せませんでした。

コメント / トラックバック 2 件

  1. イニエスタ より:

    こんにちは!

    こんなに苦しい試合は久々だったのではないでしょうか。今日は流石に負けるかなぁと思ったところをビジャのゴラッソで拾えたのは不幸中の幸いと言うべきでしょうね。連勝記録もマドリーのリーガ記録という確固たる目的があった先週までとは違いましたし。実は結構プレッシャーもあったと思うんで、それから解放されたのは良かったかなと。
    アフェライは仰る通り、サイドに張り付く時間が長すぎて効果的ではなかったですね。ここまで見る限り彼も左サイドかセンターの方に適性がありそうな気がします。…ペドロの代役は事実上不在ですね。個人的にはジェフレンに期待してます。もういいだろ!と思われるかもしれませんけど(苦笑)

  2. leia より:

    >イニエスタさん
    こんにちは。

    ええ、確かに自分もこの試合は落とすだろうと思いながら見ていましたから、ビジャのゴールによって拾った試合だと思っています。それでもまだ勝ち点差はありますし、リーガでは当該成績も重要視されますから、それでも有利に立っているのは大きいですね。これでプレッシャーから解放されてくれればいいんですが、代表戦後は毎度の事ながらこの状態ですから、スペイン代表がバルサ中心になっている限りは避けられない問題なのかもしれません。

    アフェライはそうですねぇ。ウイングをするにはあのバランスを取りたがる動きは非常に問題がありますが、中央で使う分には長所にもなる動きですから、自分もそこでの起用の方がベターかなと今は思っています。もし上手くできるようならメッシのやっている役割やポジションも彼の動きからすると面白いんじゃないかと思うんですが、メッシが試合に出続けたがる選手ですから可能性はないですね(w
    自分もジェフレンにはずっと期待し続けていますが、如何せん怪我が多すぎて…。あの怪我がちの状態から抜け出せばブレイクできるだけの才能も技術もあると思うんですが、メッシみたいに怪我をしづらくなってくれると嬉しいですねぇ。