2011 年 2 月 のアーカイブ

Bundesliga 24. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・ドルトムント

2011 年 2 月 27 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 1 – 3 Borussia Dortmund
ドルトムントの積極的なプレッシングによってバイエルンは前へボールを運べていませんでした。この試合はサイドバックに入っていたルイス・グスタボが特にブレーキになっていて、彼の左足のコースをきっちりと切りながらチェックをすることで彼は縦へパスを出して逃れることも出来ませんでしたし、中盤も、これまではプラニッチが多くの上下動から中央でボールを引き出す役割を担っていることが多かったんですが、この試合ではボールを引き出しに戻ってくることが殆ど無く、ルイス・グスタボが停滞してしまっても中へのパスコースを得られず戻すしかありませんでした。そのため、ドルトムントのプレッシングをかいくぐるポイントとしてサイドバックを利用することが出来ず、ボールを横に展開することも出来ず、ロッベンやリベリーに縦へのドリブルを頼むか、フィード一発で裏を狙うことぐらいしかありませんでした。

ドルトムントは裏を意識しているものの、それだけに頼っている様子はなく、プレッシング同様に人数をかけた攻撃も披露していました。横の関係がプレッシングからの継続で攻撃に出てくるために近く、サポートを得られていましたから細かくボールを動かしてバイエルンの散発的なチェックをかいくぐれていましたし、バリオスとレヴァンドフスキの縦関係も近く保てていましたから、ポストプレイを落として再展開からオーバーラップしてくるサイドの選手を利用する場合も、バイエルンに寄せられるよりも早く動かし、スピードをそのまま活かしていられました。それに加え、バイエルンはルイス・グスタボの守備があまりにも緩く、そこ多く狙われたことでバランスを崩してしまっていました。彼の守備は距離を取りすぎているために縦にも横にもドリブルを許してしまっていましたしコースも限定できていませんでした。足も出さずにリトリートするばかりでしたから、ディフェンスライン全体がそれに引きずられて下がってしまっていますし、それが攻撃にも悪影響を与えていました。
センターバックから構築しようとしても、シュバインシュタイガー以外に下がってボールを動かす役割を担う選手がおらず、縦パスを出せるコースを前の選手たちが用意できず、動いていないためにドルトムントは徹底してパスカットを狙った動きをすることが出来ていました。マークに付かれてもそれを引き剥がそうとしていませんでしたから、センターバックからの展開をシュバインシュタイガーに頼るしか無く、すぐに囲まれてしまうような状態であってもそこへ出さざるを得ないことがミスに繋がり、バリオスの先制点のアシストになってしまいました。ミュラーもリベリーもその時間帯はサポートに戻っていませんでしたし、センターサークル付近にすら選手がいませんでしたから、中央からの攻撃もパスも成り立たず、唯一の打開策としてサイドを縦に突破するウイングの二人を利用するだけでした。それでも常にマーカーが付いていましたから、裏へ飛び出すことぐらいでしか効果的に受けられず、手前で受けて溜めを作り、サイドバックと連携をしたりセントラル・ミッドフィールダーのサポートを受けながら突破を狙えばよかったんですが、この試合はあまりにも裏を狙って急ぎすぎているために単調で、ドルトムントには徹底して中へカットインするコースを切られていましたから、マイナス方向のパスを出してミドルシュートを狙うことぐらいでしか変化が無く、それでも横の距離が遠くサポートも得られませんでしたから、単独での打開が必要とされて苦しい状態でした。

形はまるで作れていませんでしたが、コーナーキックからルイス・グスタボが同点ゴールを決めたことで何とか踏ん張れるかと思えましたが、バイエルンのパススピードは非常に遅く、それでありながら選手同士の距離も開いていましたから、パスカットを狙うドルトムントにして非常に狙いやすい環境のままでした。せっかくサイドでボールを動かしてもあまりのパススピードの遅さから簡単に詰められてしまいましたし、中の選手の足も止まっていましたからコースが限定しやすく、ドルトムントは狙ってカットからカウンターも出来てしまいました。そしてヌリ・サヒンがゴールをしてあっという間にまたリードを奪ってしまった。

再びリードを奪われてから、やっとミュラーやロッベンが戻って受けようとするようになっていましたが、パスの遅さから詰められて、ドルトムントの出足のいいパスカットの餌食になるばかりで押し込まれてしまっていました。クリアもクリアでしか無く、繋ぐことも出来ていませんでしたから、ドルトムントにセカンドボールを拾われて何度も攻撃を受けるはめになっていました。狙われていたルイス・グスタボのポジションはプラニッチが埋めて二枚で対応するようになって、ようやく簡単には縦に突破されなくなりましたが、常にサポートできるわけではありませんでしたから、サポートを得られないバリオスにすらどんどんと入り込まれてスローインを取られるなど散々な状態のままでした。
バイエルンはドルトムントの裏への動きや、次々パスカットの勢いのままオーバーラップしてボールに関与してくる動きに対応し切れておらず、パスカットされるときは足を止めたまま奪われていましたし、フィジカルコンタクトが発生しそうなら足を止めて避けてしまっているようでもありました。守備も他がサポートやカバーリングをしようとする動きも足りていませんでしたから、ペースを持っていかれてしまうままでした。

ただバイエルン持っての勢いはウイングを中心に守っていましたし、ドルトムントの守備がボールに向かってくる、あるいはパスカットを中心にしていましたから、ボールに対して過度に集中するため、そこの引きつけてパスを出すことが出来ればシュートまで持っていけていましたが、ドルトムントは抜かれても他の選手がカバーを出来ていましたし最後まで足を動かしてシュートに対応しようとしていましたから、なかなかシュートを打つこともさせてもらえませんでした。バイエルンは選択肢があまり多くなく、リベリーやロッベンの飛び出しとドリブル、シュバインシュタイガーが後方から裏へパスを出す程度で、引き出すの少なさがキーパーがボールへ触る回数の増加に繋がり、サイドバックがボールを触る位置の低さにもなり、前後の分離にも繋がっていました。ロッベンもサポートを得られないことが多すぎるからか、縦への突破を嫌がるようになりバックパスをル使い数も増えましたし、リベリーが一時的に中へポジションを移したことで多少パスを通せていましたが、それでもボールを触ってすぐに飛び出してしまっていましたから、サイドの時と変わらず中央で溜を作って変化を呼び込むようなことには繋がりませんでした。

後半になるとバイエルンは横パスで動かせるようになりましたし、ラームが上がってくる時間を稼ぎつつ攻撃をすることも出来るようになりました。横のサポートも多少できるようになり、プラニッチが上下動をすることで引き出せるようになりましたし、ルイス・グスタボが持っているときにもミュラーが下がってくるようにもなっていました。外から中への展開が比較的スムーズになっていましたし、ディフェンスラインを上げようとしていたことからコンパクトに保てるようになり、前半は人がいなかったハーフウェーライン付近まで押し上げていけるようになりました。ただそこから先の展開は見えてこず、ロッベンの外側をラームが駆け上がってもそれ以上の変化が生まれるわけではありませんでしたし、中のコースを二枚で切られていましたから得意の形も作れませんでした。ウイングへ早いタイミングで預けたがっているのが明白でしたから、ドルトムントには読まれた体を寄せられて自由を与えられていませんでした。それでもコンパクトに保っていることで、サイドバックのポジションとオーバーラップの頻度が上がってセカンドボールをバイエルンが拾い続けられるようになりましたし、幅広い攻撃で押し下げて二次攻撃をも出来るようになっていました。しかしそれだけでした。

ドルトムントは攻撃に出るときには、ディフェンダーの隙間に選手が入りながらボールを要求して、動きによってボールをしっかりと引き出していられました。ドリブルでの仕掛けとカウンターで状態が整っていないことも影響して、バイエルンの視線をそこへ集めている間にフリーランニングでディフェンダーの視界から消えて背後に入っていましたし、マークに掴まえられないようにセンターバックの間に入って裏へのボールを要求する。バイエルンはそれを満足に防ぐことが出来ず、コーナーキックを取られ、三点目も許してしまいました。

バイエルンは受けに戻る動きも増えましたし。横のサポートも得られるようになっていました。間延びもしなくなっていましたが、パススピードは上がらないままで、横パスには時間がかかり、陣形を整えさせるだけで崩す役に立っていませんでした。マリオ・ゴメスとミュラーの少ない人数で中央を崩す以外に選択肢が無く、右のロッベンは中への動きを封じられながらも右サイドへ居続けるのみで、リベリーは直線的な動きを繰り返すばかりで効果的ではなく、途中投入されたクロースにしても中途半端なポジションから前の四枚と連動できる場面はありませんでしたし、フォワードを追い越すほどの飛び出しをすることもありませんでした。バイエルンがディフェンスラインを上げてもドルトムントが守りきるためにラインを下げていましたから、それだけで前後の分離が出来てしまっていましたから散発的で、時間の経過と共にパススピードがようやく上がって横に揺さぶれるようになりましたが、あまりにもそうなるまでに時間がかかりすぎましたから、縦へ急ぐしかない状態で横へ早く動かしても得点を焦っているバイエルンには効果的に働かず、ドルトムントに集中して守りきられてしまいました。

Liga Espanola Jornadas 25. マジョルカ対バルセロナ

2011 年 2 月 27 日 日曜日

■RCD Mallorca 0 – 3 FC Barcelona
バルセロナは怪我人と出場停止も加わってベストの状態ではなく重要な選手を欠くことになっていましたが、ポジションが被っていたわけではありませんでしたから、アドリアーノとケイタの投入で被害を最小限に留めたと言えるのかもしれません。久しぶりに一週間試合がありませんでしたから、ここのところ悪さが目立っていたコンディションの面でも回復が見られるのでは、と期待をしていました。ただバルサは不安定な立ち上がりを見せ、運動量の面でも多くありませんでしたし、パスの繋ぎや展開の面でも十分ではありませんでした。

マジョルカがバルサを不安定にさせている要素が強く、中盤を厚く設定したマジョルカが。三枚の攻撃的な中盤をプレッシングとリトリート、攻撃に移った場合にはバルサのバイタルエリアへ侵入させ、様々な役割を与えることで対応を難しくさせていました。特に攻撃面では一斉のその三人を入れてしまうことで、ボールサイドへアンカーが対応にでた残りのスペースを利用できていましたから、アンカーのセルヒオ・ブスケツがしっかりとディフェンスラインの前を埋めていたとしても抑えられる数ではありませんでしたからセンターバックが対応にでることも出来ず、難しい処理を強いられるのは避けられませんでした。
守備時にはその三枚がバルサの中盤にスペースを与えず、ディフェンスラインはアーセナル戦以後は定番となりつつある高く保たれたものでしたから、その手前をきちんと埋めて裏へパスを出させないようにしていました。バルサのディフェンスラインやアンカーにはプレッシャーをかけて繋がせず、積極的にボールに向かう。奪ってカウンターになれば中のうぇぼいちまいに任せるのではなく、中盤の三枚が飛び出して、特にスピードのあるヌスエがマクスウェルの裏を狙う。高いディフェンスラインから奪ってすぐにカウンターから裏を狙う。バルサはそのためサイドバックを高く保つことが出来ませんでしたからワイドな位置にボールを預けられませんでしたし、中盤をコンパクトに保たれていることから、イニエスタが下がってコントロールしようとしていた影響もあり、中央にも起点を作れていませんでした。メッシを始めとしたフォワードに対しても縦パスを入れることが出来ておらず、横パスを繰り返してしまい、相手に狙いを絞られてカットからのカウンターをしやすい環境を作ってしまっていました。もっとフォワードに対して縦パスを入れたり、飛び出しているビジャらにパスを供給したり、タッチライン際を縦に使うようなドリブルで相手のディフェンスラインを押し下げてしまうことができれば、中盤をコンパクトに保たれて展開が難しい状況から抜け出してしまえたのかもしれません。

もっと外に起点を設けられればコンパクトに保たれたとしてもゾーンを広げることで縦パスを入れるだけの余裕を得られたのかもしれませんが、マクスウェルは裏を狙われていることから思い切って上がれていませんでしたし、アドリアーノにしてもバランスを取ってしまってボールを追い越すようなポジションは取っていませんでしたから、飛び出して変化も与えられずボールを収める役割も担えていませんでした。二人が相手のウイングを見てしまっていることで、マジョルカのサイドアタッカーを押し下げられず、主導権を握れずカウンターにでやすい環境を作ってしまっていました。ビジャはその環境の中で再三飛び出してラインと戦うことで相手のディフェンスラインを押し下げる要素をもたらしていましたが、中盤がプレッシャーを受けていることもありましたし、その動きをあまり見ていないようでしたから、飛び出しに反応するパスが出せず、ディフェンスラインを押し下げたりギャップを作ってしまえていませんでした。通らなくても何度かパスを出すことで走らせて消耗させることも出来たはずですし、バイタルエリアを空けることにも繋がっていたはずでしたから、利用したいところでしたが、パスのリズムが悪く素早く動かせておらず、この試合は特に足下でボールをコントロールミスする選手が非常に多くいました。足下へボールを収めるべきパスを弾ませてしまっていたり、パススピードが足りなかったり、リズムの悪さが内容の悪さにも繋がっていました。

メッシがポジションを下げて中盤に参加することで、パスとドリブルとキープを同時に行い、中央でなんとか形を作り始めていましたが、彼もミスが多く全てを任せるわけではありませんでした。ただメッシが下がってプレイすることで負担が全てかかっていたイニエスタのポジションをあげる手伝いを出来ましたし、パスを交換しながらメッシ自身も上がっていくことで、それまで利用することが出来ていなかったバイタルエリアへ入っていけるようになっていきました。それ以外では依然として、縦のスペースをマジョルカに作ってもらえていませんでしたし、足が止まっていることが多く足下に頼ることも多くありましたから、人もボールも動いていませんでした。効果的ではなかったにしろポゼッションは非常に高くありましたから、徐々にマジョルカへカウンターをさせずに守備へ専念させることになっていきましたし、守備一辺倒になることでプレッシャーをかけるポイントを定められず、高いディフェンスラインを保てなくさせていくことになっていました。ディフェンスラインが下がっていることにマジョルカの中盤が連動できていませんでしたから、バルサは奪われても奪い返せるようになっていきましたし、その守備が安定してくることによってサイドバックは裏を使われる心配から解放されてポジションをあげられるようになりましたから、バルサはボールを横へ振り分けられるようになり、相手のマークを絞らせなくなっていけるようになりました。横へ動かせるようになり、相手のマークを揺り動かすことが出来るようになれば、徐々にリズムを掴んでいくことにもなり、奪い返した後に縦へ狙うことが出来ずバックパスをしてしまっていた状況から抜け出して、よりバイタルエリアを空けるようになっていました。ただ問題としてそこに入る選手がおらず、縦パスを選択できないことでしょうか。メッシがドリブルをしてイニエスタがポジションをあげて入っていけるようになったこともありましたし、ビジャが体を張ったからこそ、という場面もありました。相手をペナルティエリア付近にまで押し下げる回数も増えましたし、特にアドリアーノがペナルティエリア横を利用する回数も増やしていました。徐々に包囲していくような形を取れるようになったことでマジョルカは動かされるだけで運動量を発揮して自分たちの形を作れなくなっていました。
得点を出来た場面ではケイタへプレッシャーがかかっていなかったからこそ飛び出したメッシへ直接パスが出せましたし、慌てはそれに狙いを絞ることが出来ずに対応が遅れて判断ミスもしてしまっていました。その後も何度かドリブルで引きつけたりバイタルエリアから裏へパスを出してチャンスに作れるようになりましたし、マジョルカの選手がそれまでのようにチェックをかけてきたとしても連動したものではなく単発で終わってしまっていましたから、ドリブルやボールコントロールでそれらを買わして前を向き、縦へ中央であっても仕掛けられるようになっていました。いいリズムと形が作れるようになっていましたから、後半へといい流れを残せる終わり方でした。

後半も開始直後こそ慎重にメッシとイニエスタのポジションを下げてペースを作り直す必要がありましたが、サイドバックが前半と比べても高いポジションを取っていましたから、外側へ預けてそこの選択肢から飛びだしてもいけましたし、マジョルカのプレッシングに対しても、バルサは前半のように足を止めてボールを要求するのではなく、動きによってボールを呼び込めるようになっていて、マジョルカが前半とは逆に動きでボールを呼び込んでスピードに乗ったカウンターが出来ず、パスが先行してしまってそれに人が対応するような状況になっていましたからミス担って繋がらず、バルサが奪い返して再攻撃をしやすくなっていました。

マジョルカのバイタルエリアは空いた状況から閉じられなくなっていましたから、ドリブルで強引に入ることも出来ましたし、そこに集中させることでアドリアーノがフリーで受けられるほどのスペースを右に作れましたし、中盤がきちんと形を保てなくなりましたから、イニエスタがその隙間にはいってボールを受けられるようにもなっていました。左右へボールを振り分ける位置も高くなったことでより狙いを絞らせず、ポゼッションらしい形でボールを動かせるようになっていましたから、それだけ攻撃面で動けるようになっていれば、攻守の切り替えもスムーズになり奪えましたから、マジョルカの足を止めてしまえるほど縦と横に繰り返して動かして消耗させてしまえるようになりました。

マジョルカが何とかペースを取り戻そうと焦って前からプレッシングに向かったりディフェンスラインを高く保とうとしたことで全体の意思を統一できずにそれぞれの対応にちぐはぐさが出来ていましたから、ディフェンスラインを高く保ちすぎてビジャの飛び出しを許して追加点を入れさせてくれました。ポジションを下げていくメッシに対してバイタルエリアをきっちりと中盤が埋めていればそれで対応できていたんでしょうが、隙間ができていましたからセンターバックが対応に出なければならず、それがギャップになって飛び出しを許す要因になっていました。
その後はバイタルエリアを埋めるようになっていましたが、動きが作業的になってしまっていて、バイタルエリアを閉じてこそいましたが、そこから前へ向かってくるチェックと連動していませんでしたし、ディフェンスラインを高く保ってのものではありませんでしたから、守備に厚みを失ってしまうだけになってしまいました。ペドロのゴールになるシュートを打たせた場面でも引きすぎた結果からのものでした。

その後は選手交代をしてバルサは攻撃のバランスを変更しましたから、裏を直接狙っていけなくなりましたが、マジョルカが攻撃に出るための交代を繰り返したことで、後ろを埋めておく人がいなくなり、よりスペースが出来るようになりました。全体としても伸びていましたから、ある程度スピードのある展開が続きましたが、どちらも決定的に崩す場面は見られず、特にマジョルカは人数をかけたとしてもディフェンスラインを突破するような手段に乏しく、シュートもバルサのディフェンスラインの裏を取ってから打てていませんでした。

UEFA Champions League First knockout round 1stLeg インテル対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 2 月 24 日 木曜日

■Inter 0 – 1 FC Bayern Munchen
インテルはホームの試合でしたからもう少し攻撃的な布陣で臨んでくるかと思っていたんですが、エトーをトップに、スナイデルとスタンコビッチがその下で組み、3ボランチのような一見すると守備的に見える布陣でした。バイエルンはここ数詞相変わらないメンバーで、先日のブンデスリーガで大事を取って途中交代したクラフトも復帰をしていましたし、固定メンバーといっても差し支えない布陣でした。

バイエルンはセットプレイの守備に不安を抱えていて、この試合でも最初のフリーキックに対して全く中でマークに付けておらず、自由にした上にディフェンダーの前に入られてしまいシュートを打たれてしまいました。その原因となったファウルもそうでしたが、バイエルンの守備は前へ向かって相手を掴まえてしまうとするものでしたが、エトーのスピードを警戒するあまり、センターバックがポジションを上げられず、中盤に大きなスペースを作ってしまっていました。本来ならルイス・グスタボがそこを埋めるべきでしたが、緩慢なままで、攻撃の時にもセンターバックやキーパーからのボールを引き出せないために、エトーのチェイシングをそれらが受ける原因になり、安定して繋げない状況を作ってしまいました。シュバインシュタイガーが引き出す動きをすることで、ようやくボールを動かせるようになりましたが、プレッシャーを受けてしまい、裏へ抜けられる危険もあるため、バイエルンのディフェンスラインは高く保てず、インテルも同様に高く保ってくるクラブではありませんでしたから、両者共に前線との距離が遠く、素早い攻撃以外では形を作りづらくなっていました。

インテルはシステム上サイドからの攻撃をサイドバックに頼らなければなりませんでしたから、主に中に絞った攻撃にならざるを得ませんでした。バイエルンはセンターバックのみで対応することもありましたが、エトーがサイドに開いてボールを受けることこそありましたが、エトーがサイドに流れることは直接裏を狙われないことにも繋がり、バイエルンとしては守りやすい状況にしてもらっているようなものでしたし、エトーが外から中へカットインするパターンを多く持っていないことで抑えやすくもありました。そのため、プラニッチもラームも盛んに前へチェックに出て行けていましたし、オーバーラップも出来ていました。

プラニッチの長距離のランニングによって左側を縦に使おうとする回数が、前後に距離が開いているにもかかわらずあまりにも多く、リベリーが突破できない部分を補っていました。それが効果的に機能していなかったのはインテルの守備が、マイコンにのみ頼らず、サネッティとスタンコビッチがサイドのカバーのために早く戻り、複数で中へのコースとマークを同時に行っていましたからプラニッチのオーバーラップも崩すにはいたらず、右側のラームのそれも、カンビアッソらを含めて複数で守られていましたから、外へ押し出されている状態でしか無く、ドリブルで中へ切れ込めてもいませんでした。
バイエルンの攻撃は前線の4人に頼りきりで、サイドバックの攻撃参加こそありましたが、試合のペースからそれで積極的な変化を生むほどではありませんでしたから、中央での変化が必要でした。ただその中央で構築できる要素は少なく、シュバインシュタイガーが持ち上がって人数の増加をもたらさなければ、ウイングは外へ開いていましたしミュラーは高いポジションを作りすぎて中のコースとなるには不十分でした。徐々に外と中のバランスを整えて、クロスに対して逆サイドのウイングが中に絞ってヘディングの選択肢となれるようになり、惜しいチャンスも作りましたが、それでも中央を利用してからサイドへ展開してクロスという形ではありませんでしたから、インテルの守備が崩されているわけではなく、何度もその形で崩しきるのは難しい状態でした。インテルはバイタルエリアを埋めていましたからそこの利用は出来そうにありませんでしたが、引いて守っている中盤の手前にはスペースがありましたから、ミュラーが一度下がってそこでボールを触って変化をつけられればよかったんですが、なかなかそれも見られず、ラームがオーバーラップからそこを利用する程度でした。

試合が落ち着いてくると、それぞれをバイエルンが掴まえて、前を向いてボールを扱わせないようにフォアチェックを繰り返せるようになり、受けに戻るインテルの選手にもしっかりとついていました。ただ守備のブロックを前へ引き出されていることにも繋がっていて、連動してディフェンスラインが上がってきませんでしたから、チェックに向かえば向かうほどバイエルンはバイタルエリアを空けてしまい、フォアチェックをかいくぐられてしまうとスペースで受けられて裏へ出されてしまうことにも繋がっていました。前を向くのを躊躇わせるようなプレスをしているのはしていましたが、複数でケアできるインテルとは違い、一対一で抑える必要が常にあり、常に運動量を必要としているようでした。インテルのカウンターに迫力が無く、エトーに預けてスナイデルと連携する程度でしたし、パスミスも多くあったお陰で狙いを絞りやすくなっているようでした。ただセンターバックのマークは不十分で、エトーから度々外れていましたし、セットプレイでは中を埋められていなかった。クラフトのビッグセーブによって失点はしませんでしたが、ピンチを数多く作ってしまっていました。

徐々にプレッシングにしてもインテルに対応されてしまうようになり、ボールに対して寄せるよりも早く動かされるようになり、ファウルになる回数も増えてしまいましたし、徒労に終わることも増え、徹底できなくなってしまい巻いた。インテルには近い距離で動かされ、パス交換からオーバーラップをも許すようになってしまい、バイエルンはその対応のためにサイドバックをなかなか上げられなくなりましたから、インテルにはウイングへの対応に絞りやすく守りやすい環境にしてしまいました。特にプラニッチが怪我から退いて、バドシュトゥバーが左サイドバックにポジションを移してからは、守備面でこそ中への攻撃が中心のインテルに対して絞って守れる利点こそありましたが、オーバーラップを徹底して相手を引きつけることも出来ず、スピードもないために攻撃に間に合わず、リベリーのサポートにもならなくなってしまいました。

また全体としてはセンターバックの前を埋めておく意識に乏しいことから、前半終了間際にはスナイデルにミドルシュートを打たせるほどのスペースをバイタルエリアに作ってしまっていました。ただここは後半になると、ルイス・グスタボがスナイデルに対してマンマーク気味につくことで、利用される回数は減りました。密着したマークを行うことでスナイデルはボールを受けづらくなりましたし、他がそこを選択してパスを出す回数も減らしたことでカウンターの起点にされなくもなりました。

スナイデルを抑えたことと、左のプラニッチがいなくなったことで攻撃の起点を右のラームが担わなければならなくなり、積極的にオーバーラップを仕掛けていくようになっていました。ロッベンが中に絞り気味にプレイすることに寄ってからの上がるスペースを空けてクロスを入れてチャンスに繋げようとしていましたし、中ではようやくミュラーが下がってボールを受け始めたことで、多少の横の変化を出せるようになりましたし、インテルの攻撃がスナイデルとエトーに頼っていましたから、シュバインシュタイガーも上がってこられて、よりそこの利用が出来るようになっていました。
ただスナイデルがルイス・グスタボのマークから外れ、攻撃を封じるために左に移ったことで、ラームがスナイデルのマークに付かなければならなくなりましたし、それまでのように徹底して尽ききってパスを受けさせず、選択させないようなことをできなくなり、触られることでカウンターの起点にされてしまい、インテルに人数とスピードのある展開を許してしまうようになりました。クラフトが当たっていましたからエトーのシュートも防げましたし、幸運にもカンビアッソが決定的なこぼれ球を外してくれたお陰で失点をせずに済みました。

インテルが攻撃に出るようになってくれば、その分バイエルンにもカウンターが出来るスペースが出来てきましたから、両者ともに素早い展開が続いていましたが、バイエルンは攻撃の起点を相手の手前に求めすぎて、中央での変化の際には必ず中央に預けてワンツーで仕掛けたり裏へでようとしていましたから、そこを狙われてパスカットされていました。直接ボールを裏へ出すこともありましたが、横へ動かしたり縦の変化を加えたり、動きの変化もシュバインシュタイガーが飛び出す以外はありませんでしたから、得点に直結しそうなものはありませんでしたし、時折、相手中盤の前からミドルシュートぐらいしか変化もつくれませんでした。
インテルもエトーに収めた後の選択肢が全て中央に寄ってしまっているため、バイエルンは中央に人数かけて守ればいいだけで、外のケアをしなくてもいい。オーバーラップしてくる選手たちにしても、ゴール前へ飛び込んでくるばかりでしたから、バイエルンも左右へ揺さぶられることなく中央で守ることが出来ていましたから、ただクラフトの働きが必要な状況からは脱していませんでしたから、失点をする危険性は常にありました。

バイエルンはそれまで何度となくミドルシュートを打っては止められていましたが、ようやく最後にいい形からそれをさせてもらい、得点を奪うことに成功をしました。インテルはそれまでのように中盤とセンターバックが圧縮しきれず足を止めてしまい、ロッベンのドリブルに対して中のコースを塞ぐことが出来ず、横へのスライドするドリブルを許してしまいました。それまでは複数が寄せて特にこの中への動きをさせていなかったんですが、足が止まってサポートもありませんでしたし、シュートのこぼれ球に関してもサポートをセンターバックが出来ておらず、押し込んでバイエルンの得点になりました。バイエルンはこの試合通じて崩せていたわけではありませんでしたし、得点もやはりミドルシュートのこぼれ球でしたから、守備でクラフトの働きに助けられていなければ逆の結果も容易に想像できる内容でした。

Liga Espanola Jornadas 24. バルセロナ対アスレチック・ビルバオ

2011 年 2 月 21 日 月曜日

バルサは練習中の怪我からビクトル・バルデスが離脱してしまい、この試合はピントが担当することになっていましたし、チャンピオンズリーグ第二戦まではまだ日にちがありますが、今後のことを考えてかセルヒオ・ブスケツをセンターバックに下げてマスケラーノとの共存を図るなど変化を加えなければならない状態になっていました。

ビルバオは先発メンバーを見る限り守備的な配置をして、ウイングをおかずに中央に人数を固めているようでしたが、引いて中央を固めるのではなく、ディフェンスラインを高く保って中盤をコンパクトにし、スペースを与えなかったアーセナル戦を参考にしているかのようでした。ただ決定的に足りなかったのは中盤がシャビやイニエスタを自由にさせないほどのプレスをかける意識で、ディフェンスラインの前にスペースを空けないように引いてしまったためディフェンスラインには5枚が入ってしまうほど外に大きく開いてしまっていましたし、バルサはセルヒオ・ブスケツがスタート時はセンターバック付近にいたため、さらに後ろからコントロールすることも出来たため、その状態でパスでの展開も苦にしませんでした。センターバックとピボーテが近づきすぎて厚みを失っていたビルバオの手前でシャビが楽にボールを扱えていましたから、タイミングを見計らって飛び出したダニエウ・アウベスに直接裏へボールを出せていました。それができるようにバルサが右のウイングを中に入れてスペースを作っても、ビルバオはディフェンスラインを広げていたため二枚で外側をケアできておらず、ウイングについて中へとポジションを動かしてしまうと上がってきたサイドバックに対応するような選手が残っておらず、フリーでそこの利用をさせ、早い時間での先制点を助けてくれました。

その後もビルバオは高さを保ってゾーンを構築していましたが、踏みとどまるばかりで意識は後ろに向かっていて、ボールやコースに大して前へ出て守備をする意識がありませんでした。バルサの中盤は余裕を持って扱えていましたから、バイタルエリアを完全に閉じられていたとしても、そこを省略して裏を何度も狙ってパスとランニングで利用できていましたし、ダニエウ・アウベスが何度も飛び出すことでサイドへの意識をも強めさせてしまいました。ビルバオは守備の姿勢そのままに奪ってからのカウンターにも前へ出る意識が足りず、ウイングもいませんでしたから、バルサのゾーンを広げて隙間を作ることも出来ず、フェルナンド・ジョレンテのキープ力に頼らざるを得ませんでした。そのためサイドへ流れたとしてもタッチライン際いっぱいまで使えているわけではなく、センターバックがマークできる範囲から出ていませんでしたから、バランスを崩すほどではなく、マークにつける範囲でした。ピケの危なっかしい守備によってピンチを作られてしまいましたが、ビルバオの攻撃の緩さからセルヒオ・ブスケツを攻撃時は中盤に上げ、アビダルと二枚で守らせるようなこともしてしまっていました。それほどサイドを空けても脅威を感じないほどビルバオにはサイドアタックが足りていませんで親しスピードもありませんでした。高い位置でミスから奪われることがこの試合も多かったんですが、序盤は特にコースを塞いでしまえば裏へ直接出そうともせずに下げてくれていましたから、その消極的な姿勢がバルサの対応を楽にしていました。

ビルバオはなんとかラインを高く保とうとしていましたが、ビジャを中心として飛び出しを積極的に行っていることもあって、その飛び出しをケアしようとするあまりディフェンスラインを下げて裏を取られないように動かして、高く保てなくなってきていました。また、中盤も序盤のように足を止めて待ち構えるだけではなく、奪いに出てくるようになったことからバイタルエリアを完全に埋めて使わせていなかった状態から変化し、そこへの侵入を許してパスを入れさせてくれるようになりましたし、そこでパスを受けてから裏へ出せるだけの余裕も持たせてくれていました。ただバイタルエリアではバルサがダイレクトで動かせるほどの早さもありましたし人数も入れていましたからそこを抑えきるのは難しく、裏へ出されるコースを切って繋がせないことで対応していました。ただバルサのそのやり方はシュートを打つ隙間を中ばかりの攻撃をして自分たちで減らしてしまっていることでもありましたから、大量リードしているなら完全に崩してからのシュートを狙ったり、そこに至までの変化に拘ってもよかったのかもしれませんが、一点差でしかない状態でゴールを奪うには足下での崩しに固執しすぎて、裏への飛び出しは依然としてある状態でしたから、それと何とか連動させて確実にゴールを得られる方法をも考える必要があったのかもしれません。
ビジャがボールを受けに戻る動きでセンターバックを引き出し、ボールを落として反転して飛び出し、ループシュートを狙った惜しいチャンスもありましたが、その時間帯のビルバオは、ウイングやサイドバックを警戒して左右へ開いてゾーンを広げ始めていましたし、前へ向かってギャップも作っていましたから、個人の一つの動きだけでなく、その動きと他の選手が連動して相手を引きつけたり引き剥がすことが出来ていれば、ビジャのシュート一本に選択肢を絞らせず、対応を不完全にしてより確実にもう一点を取れていてもおかしくない状態でした。

流れは未だに持っていましたが、バルサは非常にミスが多く、中盤に対してプレッシャーを受けるようになったことで、多少の慌てている部分もあるでしょうし、ビルバオがそれまでよりも多く人数をかけてプレスに向かってくることもあって、コースを限定されてカットされやすくなっていました。何度か裏を取られそうになっていましたが、守備への切り替えはきちんと出来ていましたから、足が止まって後ろに下がってしまうようなことは少なく、ディフェンスラインを下げさせられるようなプレイもあまりさせていませんでしたし、下げられたとしても前へプレッシングをしてその間にラインを立て直せてもいませしたから、守備面の不安はそれほどありませんでした。
ビルバオがいくつかサイドを利用して、それまでは外に流れて起点を作らなければならなかったジョレンテを中に残したまま攻撃が出来るようになってかっらは、危険な場面も作られましたし、攻撃に出てこられるようになってからはバルサは4バックに戻してサイドからの攻撃をケアするようになりましたから、状況に対応するだけの守備は出来ていました。

問題は攻撃面で、裏を取る動きを依然としてしていましたし、バイタルエリアを使えていましたが、そこからの変化が全くなくなってしまい、相手の前でパスを繋いで裏へ出すばかり。フォワードの距離が近づきすぎて相手を集めてゾーンを絞らせてコースを塞がせてしまっている。ダニエウ・アウベスの飛び出しもケアされてしまっていましたし、ドリブルの変化もあまりなく、中央西か選手がいませんでしたから、密集地帯でもそれほど効果的にするのは難しく、ダニエウ・アウベスの横へスライドするドリブルか、下がったメッシがする縦のドリブルくらいでしょうか。どちらにしてもドリブルの間に他の選手が飛び出しや引いて相手を引きつけようとする動きに乏しく、それに集中させてしまっていましたから防がれてしまっていました。

後半にビルバオがトケーロを投入したことでプレッシングや裏への動きを鮮明にしてきていましたが、バルサはそれに対する対応を完全には出来ていませんでした。センターバックの前でジョレンテが競り、足を止めさせ、それと同時にトケーロが裏へ飛び出して縦関係で崩そうとしていました。バルサはサイドバックやアンカーを含めて挟み込めていませんでしたから、一対一で守らなければならなくなっていました。その状態でスローインからであったとはいえ、ブスケツがジョレンテのマークを外してしまったことがPKに繋がり、同点にしてしまいました。先にボールには触っていましたがマークが離れてしまっていましたから印象が悪く、仕方のないものでした。一点差であればこういった一瞬のミスでも同点に追いつかれてしまうわけですから、前半の取れるはずの時間帯に決め切れていなかったことがこの状態を作ってしまったといってもいいのかもしれません。

直後にはピケがコントロールミスからトケーロに奪われ、相手に決定的なチャンスを与えてしまいましたし、それをファウルで止めてしまいました。状態からすると一発レッドカードもあり得るファウルの仕方でしたから、イエローカードで済んだのは幸運としかいいようがありません。ここの所のピケの守備は不用意で、切り返しで簡単に振り切られたり単純なパスミスからカウンターを受けたり、この場面のようなミスもある。トケーロの投入でビルバオの前線が活発化した変化について行けていなかったのかもしれませんが、同点に追いつかれた直後に数的不利を作る、あるいは逆転を許しかねない大きなミスでした。

バルサは攻撃時にスペースを得られていて、ビルバオが攻撃に出ていることとワイドに開いていることから、中央のゾーンに隙間ができていましたが、そこへ次々と入っていくほどの運動量を出せず足があまり動いていませんでしたし、パスも足下のものが増えたり、パサーと受け手の意識のズレからミスパスも増えていました。相手選手間に入り込んでボールを受けて次々と動かせているのなら足下のパスでも問題ないんですが、それも出来ていませんでしたし、足を動かしてスペースで受けていたのはダニエウ・アウベスくらいで、後は動いていたビジャでしょうか。それ以外のスペースを使う動きは相手を圧縮してしまわなければ出来ておらず、トケーロの飛び出しによって後方に引っ張られてしまうようになっていましたから、その状況はなかなか作れず、奪い返しても相手のフォアチェックに晒されて素早い展開も出来ませんでしたから、バルサの攻撃は停滞していました。

ただメッシだけはようやくドリブルを仕掛けるようになり、動きは悪いながらも素晴らしい突破をしていました。何人も抜いて最後はファウルのようなタックルによって止められてしまいましたが、ようやく縦の変化をドリブルで出来たのはよかったのかもしれません。他にもイニエスタもドリブルで見せ場を作っていましたが、全体を通しては中に人数がたまりすぎていて、何度もその突破を使えるほどではありませんでしたし、外へ預けてもニアサイドにパスコースが無くマイナス気味に戻さざるを得ず、運動量も足りずコースも限定されているからこそドリブルを使わなければ変化を出せない状況だったというだけかもしれません。せめてドリブルと飛び出しやワイドな選択肢が連動して、その縦のスピードをサイドから利用できればよかったんですが、横へ出すと足が止まって中のスピードが無くなってしまうのは問題で、相手が予測して守れる程度でしたから、中に人数を入れて閉じておけばよく、クロスからチャンスになる場面は殆どありませんでした。

二点目を入れられた場面のように、ダニエウ・アウベスの飛び出しからクロスを中でニアサイドに走ったメッシが合わせる。そのニアへ飛び込むスピードを維持できたままであればしっかりと得点に繋がりましたし、相手のマークも不十分にさせてしまえていましたから、もっとこれを早くやれていればより楽に試合を進められていたのかもしれません。メッシがゴールを量産できていたときには、ゴール前へ飛び込む場面も多々ありましたし、それはメッシがボールを扱った勢いのままサイドへ、そして中へと展開出来ていたからこそでした。如何に足を止めさせずに利用するかも重要なようで、この試合も何度かニアへ走り込んでいればチャンスになっていそうなクロスやパスも入れられていましたが、どちらかの足が止まっていることが多くスピードを殺してしまっていました。そうならないよう繰り返し出来るほどのコンディションを取り戻してもらえれば、再びゴールを取れるようになっていくでしょうし、これくらいのゴールへの執着心を持ってもらえば、バルサに足りない体を張るタイプの少なさも影響しないんじゃないかと思います。
このゴール以後はメッシにゴールへの執着心がでたのか何度も向かっていく姿勢が見られましたし、メッシが受けに戻る動きとダニエウ・アウベスの飛び出しとが連動していましたし、攻守の切り替えもビルバオがバテてきたこともあって機能して、簡単にはフィードもさせなくなりましたし、なんとか無事に試合を終えられました。

Bundesliga 23. Spieltag マインツ05対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 2 月 20 日 日曜日

■1.FSV Mainz 05 1 – 3 FC Bayern Munchen
マインツは前へと向かっていく強い意識に支えられて試合に臨んでいました。早いタイミングで立ってパスを入れ、フォワードに当ててドリブルをする。直接裏へ出して競争させるようなスタイルではありませんでしたが、非常に縦パスを強く意識していましたから、攻撃のタイミングとリズムは非常に早く、バイエルンの立ち上がりこそそれに苦労していました。ただあまりにも横に繋がず前への意識のみを強くしていたため、パススピードを上げてそれをしていましたし、タイミングも味方の動きに合わせ切れていませんでしたからミスになることが多く、そのまま失ってしまうことも多くありました。バイエルンはサイドアタッカーが守備参加する頻度が低いことから外側を抑えづらく、密着して受けさせないようにすることや、プレッシャーをかけて自由にさせないようにすることなかなか出来ていませんでした。
ただバイエルンはシュバインシュタイガーが中盤最後尾から、高く保って前へ出てくるマインツの裏へ直接ボールを出せていましたし、ロッベンも飛び出して広大なスペースを使おうとしていましたから、マインツはその戦い方の生命線であるディフェンスラインの高さを維持することが出来づらくなっていました。

ショートコーナーからバイエルンが先制すると、それまでとはうって変わり、試合はバイエルンペースで安定していくことになりました。マインツは前への意識を持っているものの、センターバックのフィードやサイドバックからの繋ぎに関しても正確さを持ち合わせておらず、雑なパスがズレに繋がり、ミスになって相手に渡してしまうことが何度も続いていました。バイエルンはそれを拾って度々カウンターを仕掛けさせてもらえることで自分たちのスピードを活かす戦い方が出来ましたし、ボールを支配することが出来ました。守備でも雑なフィードが裏へ出されることなく手前に落とされることが明確になったことで、バイエルンのセンターバックはマークを近づけて、それぞれの動きを制限してしまえるようになりましたし、制限してしまうことで縦の勢いを出させないようにも出来るようになっていました。ただバドシュトゥバーはその動を抑えることが上手くなく、動きの逆を突かれがちでしたからファウルが多くなってしまっていました。

マインツは繋ぐための横の動きもせず、縦の勢いによってのみ変化を産み出そうとしていましたから、ミスが増えて繋げなくなると致命的で、攻撃がままならず、守備も高さを保てず、プレッシングもかけられないようになってしまっていました。抑えられることでマインツはまったく縦へのスピードを発揮できなくなっていきましたし、むしろバイエルンのスピードによってやられてしまうようになりました。バイエルンはマインツとは違い、展開の早さで慌てるような忙しさではなく、個人の速さや判断の速さによるスピードで、相手の足を止めさせてからドリブルで一気に振り切る、あるいは相手の隙間に入りながらボールを受け、そのスピードを活かして仕掛ける。マインツは背走させられる守備の形を想定していないかのように前への守備をしていましたからギャップを作る回数が多く、パスミスからカウンターを受ける回数も多かったことでそれらのスピードについて行けていませんでした。止めようとするプレイも体を浴びせて倒そうとしているかのようでしたから、それを利用されて逆に倒されてしまう場面も目立っていました。

バドシュトゥバーの不用意なボール扱いから失点をしかけた部分で、クラフトも頭を蹴られて怪我をしたようで、前半終了まではプレイしましたが後半からはブットが務めることになりました。そのクラフトが怪我している間に監督が指示したようでしたが、ルイス・グスタボとプラニッチがポジションチェンジをしてからバイエルンの守備は不安定になってしまいました。
それまではセンターバックが相手フォワードを抑えて起点にさせず、防ぐことができていました。そこに頼っていた部分こそありましたが、シュバインシュタイガーとプラニッチの二枚がセンターバックの前や戻ったときにはディフェンスラインに入ることやサイドバックのカバーに向かうことでバランスを取れていたからこそ、相手の縦の勢いを削げていたんですが、ここを変更したことでセンターバックが相手のマークに専念できなくなってしまいました。
ルイス・グスタボが中盤に入ってからは攻守両面において、どっちつかずなポジションを取ってしまいバイタルエリアを空けがちで、マインツにそこを利用されてしまい、起点として収められてしまうようになりました。マインツはそこでボールを収めてセンターバックが前へ出られない環境を作り、そして裏を狙ったり繋ぐ。そこでボールを扱われてしまうと様々な選択肢を相手に与えてしまい、ファウルになればフリーキックで直接狙われてしまう位置でもありました。ルイス・グスタボは何度もそこでマインツに受けさせてしまった結果、マインツに再び活力を与えてしまいましたし、それ以外でもカウンターの一歩目を押さえる役にも立てませんでしたし、プレッシングに関しても緩く、センターバック間に隙間ができたとしても埋める動きをしておらず裏へ飛び出させてしまっていました。バドシュトゥバーの不用意なサイドへのカバーリングも原因の一つでしたし、プラニッチの守備が不安定でそれを必要だったことも影響していましたが、ポジションチェンジをする以前は出来ていた動きが出来なくなったことで、ポストプレイを許し、そこからの落としを許し、再展開も許してしまうようになっていました。最後のところでやはりミスが出たり体を寄せられていましたから、失点をするほどの大きなミスにはなりませんでしたが、この采配には首をかしげてしまうほど機能していた部分を自ら潰し、相手にチャンスを与えてしまうものでした。

バイエルンはセントラル・ミッドフィールダーの部分でバランスを取れなくなったことで選択肢の幅が少なくなり、ウイングからウイングへのような大きなサイドチェンジしか無くなり、右なら右に限定されてしまうようになってしまいました。そこから中へ移して再展開、あるいは逆サイドまでボールを動かせてしまえませんでしたから、相手の陣形を崩すには不十分で、陣形が整った状態からのカウンターを許してしまっていました。マインツが横の距離を縮めてそれまでの遠すぎる選手間から早い展開しかできなかったものを、近い距離を中盤で保ってゾーンを吊り出してスペースを作りながらそこへオーバーラップしてきた選手を入れるようなことも出来るようにさせてしまいました。

後半早々に二点目の奪取に成功をしたことは非常に大きく、まだバイエルンはセントラル・ミッドフィールダーの後方への埋め方の問題を抱えていて、センターバックとの距離が開いていましたから、前半のようにピンチを作られてしまう可能性を秘めていました。ただ多少の修正はされていたようで、シュバインシュタイガーを前へ押し上げてルイス・グスタボがバランスを取るために残るように役割が明確化されたようでしたから、シュバインシュタイガーの積極的な攻撃参加によって横の選択肢が追加され、前半終盤失われていたものを復活させられましたし、彼が上がってくることで変化とスペースの利用が出来ていました。ルイス・グスタボも前半はバイタルエリアを利用されて相手に起点を作る手伝いをしてしまっていましたが、それもなくなり、マークの距離を縮めて起点を作らせにくく出来るようになり、守備に安定を取り戻しつつあるようになりました。

マインツには足が止まり始めていて、前へ向かうスピードをもう出せなくなってきていましたから、バイエルンがカウンターを受けても防げるようになっていましたし、彼らも足を止めてしまっているため、攻撃でることが難しく、繋ぐにしても距離が近づきすぎて効果的でなかったり、一本のパスを裏へ通すだけのような状態になってしまっていました。足を止めたままの展開はバイエルンに対応する楽さを与えてしまっていましたから、カットからカウンターに繋げることすら出来ていました。

ただ不可解な二つ目の選手交代をしたことで、またバイエルンはさらに守備を自ら不安定化させてしまいました。精彩を欠き、イエローカードも一枚もらっていたバドシュトゥバーを下げるのは判断として問題ありませんでしたが、そこへセンターバックを投入することなくクロースを投入したことで本職のセンターバックがいなくなり、ルイス・グスタボがセンターバックを担当することになってしまいました。その最初のプレイで裏へ走られてしまい、失点しそうになってしまったり、その後の寄せが不十分で中へのクロスを許してしまった場面もセンターバックとしてはあまりにもお粗末なものでした。

あまりに酷いディフェンスラインの構築は、その後のバランスも悪化させていました。サイドから攻められたときにはディフェンスラインが無駄に圧縮されすぎて、逆サイドを全くケアできず、中盤が引いて埋められるスペースを用意しないことで中盤が下がってサポートできませんでした。シュバインシュタイガーが前後左右に上手くポジションを埋めてくれていましたから、スペースを容易さえしていればそういった場面では彼が埋めてピンチを未然に防いでくれていましたし、その後は彼のお陰で大きな失敗に繋がりにくくなっていました。シュバインシュタイガーは不用意にチェックへ出てくるプラニッチとルイス・グスタボの動きを見て、すぐにセンターバックのポジションに入って裏を使わせないようにバランスを取ってくれていましたから、彼がいなければ何度使われていたことか解らないほどでした。もちろん、そこへボールがでることは希で、それ以前に潰せてもいましたから実際にボールを触ることはありませんでしたが、センターバックの動きの不安定さは無視できないものでした。

三点目を取ってブレーノを投入したことで、ようやくセンターバック日本食を投入できる状態になったのかと思っていたんですが、ティモシュチュクのポジションを一枚あげて、ルイス・グスタボを何故かセンターバックに残してしまったのは、納得のいかない交代でした。失点をした場面ではそれが直接現れてしまって、センターバックに入っているルイス・グスタボは何もないポジションに立っているだけで、ファーのプラニッチも背後の存在に全く意識を払っておらず、簡単にヘディングを許して体を寄せるどころか利用されてしまっていました。
シュバインシュタイガーは非常によくやっていましたが、この試合通じてセンターバックとセントラル・ミッドフィールダーの組み合わせをあまりにも変更しすぎたことで、受け渡しや固定の形を作れなくしてしまって、ミスを増やして失点の原因を作っていました。この失点の以前に得点を得られていたからこそ助かっていましたが、追加点を取れていなければ相手を勢いづけさせてしまうほどでした。この失点以前にも何度も采配のミスから失点しそうな場面を向かえていましたし、テストにしてももっと余裕のある状態で行うべきで、テストが失敗だったとすれば早急に修正すべきでしたが、試合終了までそこの部分が修正されることはありませんでした。

UEFA Champions League First knockout round 1stLeg アーセナル対バルセロナ

2011 年 2 月 17 日 木曜日

■Arsenal 2 – 1 FC Barcelona
序盤のアーセナルは中央にブロックを構築しながらディフェンスラインを高く保ち、非常にコンパクトな陣形でバルサの中盤を掴まえようとしていました。アンカーのセルヒオ・ブスケツや下がってボールを受けようとするメッシも例外ではなく、コンパクトに保てているからこその複数で素早く囲い込むプレッシングは勢いと激しさを持っていました。中央で数的有利を形成しようとする意識が強いため、バルサはフォワードの残る二人に対してもスペースが無く、バイタルエリアへ縦パスを入れられませんでしたし、バルサはコントロールする位置がセンターバックになっていましたから、中盤を省略してそこへ入れることも出来ていませんでした。
両者が高くラインを保ちコンパクトになっていましたから、少しのパスミスであったり、パススピードが落ちてしまえばカットから一気にカウンターをされてしまい、裏へ抜けられてしまう危険も高く、序盤は雑なパスからカウンターを受けてディフェンスラインを押し下げられて前へ人数を保つことも出来ていませんでした。

中央を固められてそこを利用できない分、バルサは左サイドバックのマクスウェルの位置を上げ、右のペドロと共に中央のブロックの外側にあるスペースを利用できるようにして、プレッシャーを受けない位置で受け、そこを起点としようと目指していました。ただそのマクスウェルのポジションの高さはそのままウォルコットへスペースを突かれる原因になっていましたし、左へのカバーをしなければならないことで中央のバイタルエリアが空き気味になってしまい、押し下げられた上でバイタルエリアの利用をされそうになっていました。外をそのまま縦に使われるのであれば、中のコースを防ぎつつ押し出せば時間を稼ぐことが出来たのかもしれませんが、アーセナルはバルサの選手の手前を利用しつつスピードに乗り、中へ入ってこられるために足を出せず、足を止めてシュートコースに体を入れることくらいしかできていませんでした。アンカーのセルヒオ・ブスケツがセンターバックの前を埋めていればそれに対応することが出来ていたのかもしれませんが、攻撃時に掴まえられてしまうために相手のマークを動かす必要があり、高いポジションを取っていたためによりそこへスペースを作ってしまっていましたt。

相手に押し下げられていることからバルサのフォアチェックは機能しておらず、アーセナルの高いラインと状況を見て大きく下げてボールを扱う判断や、そこから出される縦パス、中盤の体の使い方が上手く奪われない技術もあってプレッシャーをかけられず、またディフェンスラインを下げられることから前に人数を溜められず、プレッシャーと呼べるほどの圧力をかけられていませんでした。さらにはアーセナルにはタッチライン際いっぱいまでワイドに使われていましたから、バルサの守備もそれに対応するため外に開かざるを得ず、ゾーンが広がって隙間を多く作ってしまっていましたから、相手の逃れられる選択肢を見つけやすくされてしまっていたのも大きな要素でした。
徐々にタッチライン際を縦に利用されてしまう部分に関しては、ウォルコット、エブエの両者を抑えられるようになってきていましたし、それぞれの縦のコースを塞ぎつつ奪えるようにもなっていました。スピードに乗らせないうちに体を寄せて奪えるようになったことで、守備の状況は好転していきました。ただ攻撃面では、ボールの展開位置が上がりきらなかったことから相手を押し下げる要素が乏しく、ノーマークに近かったマクスウェルやペドロの飛び出しを利用するほかありませんでした。それも一列前のポジションでボールを扱えていませんでしたから、そこへパスを何度も出すことが難しい状態でした。それも守備の好転によって徐々にバルサのラインが押し下げられなくなったことから安定した高さを保てるようになり、コンパクトに保ち続けられることである程度状態は作れるようになっていました。特にシャビがアンカーよりも後方に下がってボールを扱うことで相手のプレッシャーに晒されずに展開することが出来、さらにイニエスタやセルヒオ・ブスケツと連動しながらポジションを動かし、複数で囲まれるような状態から脱して、ボールを奪いに向かってくれば、飛び出しているダニエウ・アウベスを利用してゾーンの外側にボールを動かして縦の利用をする。何度かその形を作ったことで、高く保たれ続けていたアーセナルのディフェンスラインを押し下げることに成功し、手前でボールを受けやすいスペースを作り、ビジャやメッシも中央から飛び出したことで、よりアーセナルに裏への意識付けをして前へのゾーン形勢を維持させずに横へと広げていけました。守備ではバイタルエリアを利用されていたものも、前への人数の増加と攻守の切り替えからのフォアチェックが出来るようになったことから、センターバックがファン・ペルシーらに張り付いて受けさせないようにしていけるようになりましたし、チェックの直線的な動きにも対応できるようになりました。

アーセナルは序盤よりも明らかにディフェンスラインを下げていて、飛び出しに対応できずにバイタルエリアを広げてくれるようになっていました。外にも開いて守らざるを得なくなったことで、バイタルエリアはより空く時間が多くなり、ボールを左右へ動かせばドリブルでの進入も、動き直しての進入もさせてくれるようになっていました。ゾーンを前後にも左右にも広げてしまったことからメッシをフリーにしてくれて、ドリブルでバイタルエリアへの侵入を許してくれたことが得点に繋がりました。ドリブルに気を遣わなければならなくなったセンターバックがビジャを見ていられなかった。だから飛び出しを許すほどのギャップを作り、オフサイドにはなりませんでした。

何度も飛び出しとサイドの利用をし、どんどんとディフェンスラインを押し下げて、奪い直し、再展開をして横にボールを動かし、左右へ揺さぶる。ただアーセナルは中へのパスやドリブルに関してはコースを切ってきていましたし、押し上げも早く集中していましたから連続して何度もペナルティエリアに侵入するようなことは出来ませんでしたが、バルサはポゼッションから左右への振り分け、フィジカルコンタクトをされずにダイレクトでボールを離せるようになり、相手を走らせるようになってきていました。中盤に下がったメッシやイニエスタの所にも複数枚で囲むような場面が見られず、前を向くチャレンジをかなりの回数できることで攻撃に繋げていましたから、よりアーセナルは迂闊に前へでチェックに来られなくなっているようでした。
アーセナルに前への推進力が減ったのは、中盤にバルサのプレッシャーがかかるようになり、速いテンポで縦パスを通し続けることが出来なくなったことが影響していました。早いタイミングの縦パスにもマークがつくようになっていましたし、何よりプレッシングを警戒して前を向くチャレンジをせず、そのまま後方へボールを下げる回数が増えていたことでスピードアップできなくなっていました。

後半に入ってもバルサの前線の動きは活発で相手を掴まえていられ、体を寄せられていました。問題はアーセナがサイドの突破から中へスライドするドリブルをして、そこからのパスやシュートを狙っていた展開から、一本のパスででも裏へ飛び出させ、そのままシュートを狙ってこようとするゴールへ直結させる動きを多用し始めて来たことでした。それまでの人やボールを問わず外から中へのスライドによってシュートに持っていかれるのであれば、不用意に飛び込みさえしなければシュートコースを限定し続けられましたから、危険ではあってもゴールの危険は減らせていましたが、アンカーが戻ってしてしまうと、フラットなディフェンスライン一枚で裏へのパスとドリブルの両面に対応しなければならず、それがセスク・ファブレガスにバイタルエリアで受けられる要因にもなっていましたし、そこで時間を与えてパスコースを探させる要因にもなっていました。

アーセナルはディフェンスラインの高さをそれほど保てるわけではなく、時折勢いよく奪いに来る程度で、それは前半と変わらず、サイドバックに対するケアもあまりしていませんでしたから、バルサは前半に引き続き、そこに預けて相手を広げて中央にスペースを作らせて、ドリブルや動きで変化をつけてバイタルエリアへ入って裏へのパスを使えていました。ただメッシが外に開くことでさらにそれを加速させようとしている部分は失敗だとしか思えず、ボールが外のメッシに渡る回数が少なく相手に意識させることが出来ませんでしたし、中へのドリブルコースを切られていましたから、中へ進入することも難しい状態にあるのにダニエウ・アウベスが中へ入ってしまう回数も多く、相手を広げることも出来ませんでしたから、中央を詰まらせてしまっただけでした。
それでもバルサが主に支配していたことによって、アーセナルはそれに対応するための布陣で守らなければならず、バルサのコントロール位置が低ければ中盤が引き出されてバイタルエリアが空き、押し下げられるとゾーンが広がってしまうか、あるいは中盤と最後尾との距離が縮まりすぎて、その手前からでも直接裏へパスを出せるようになっていました。ただバルサはそれぞれのパスにしても細かなコントロールにしても精彩を欠いていてあまりにもミスが多く、シュートまで繋げられませんでした。

ミスが多くチャンスを作りきれなかったことで徐々にアーセナルにもペースを取り戻されてしまい、再びタッチライン際からの切り崩しをされてしまうようになってしまいました。バルサを押し下げられる安定した方法であるそれによって、中盤からの押し上げもファーサイドへの人数も用意できました。ただシュートを積極的に打とうとするわけではなく、確実さや変化を求めすぎてくれるお陰でペナルティエリア内にバルサの選手は入り込めて、コースを塞げ、シュートを打たれても体に当てて防ぐことが出来ていましたが、スピードや裏を警戒するあまりに引きすぎて、簡単にシュートを打たせているのは確かでした。

シャビはアンカーよりも後方にポジションを取ることは少なくなっていましたし、メッシも中盤に下がって組み立てに参加することなく前線に残っているようになっていましたが、それでもバルサは試合をコントロールできていましたし、攻守の切り替えも素早くプレッシャーに変えられていました。ただビジャを下げてケイタを投入したことで前線のバランスが大きく崩れてしまい、それまでフォアチェックのために大きな働きをしていたビジャがいなくなったことで相手のディフェンスラインに余裕を与えてしまいましたし、投入されたケイタがアンカーと並んでピボーテとしての役割をこなして多く使われていたエリアのケアを目指していたのなら効果的にスペースを埋められていたのかもしれませんが、役割がはっきりとせず、ポジションも高いままでした。フォワードが二枚になりましたが、ペドロはポストプレイのようなボールを収めることは得意としていませんでしたから、前への起点になれず、三枚でバランスよく両サイドを使えず相手のマークを片側に寄せてしまっていましたから、それまでのように外へ起点を作ることも出来なくなっていました。あるいはタッチライン際でボールを受けられたとしても、中にはメッシしかおらず、中との距離があまりにも開きすぎていることからパスコースを見つけられずにカットされることも増えていました。シュートに行けるほどの飛び出しとパスも極端に減りましたから、消極的な選手交代によって、試合の主導権をみすみす相手に渡してしまったかのようでした。

受けに回ってしまったバルサがスピードのある相手の展開を掴まえきるのは難しく、特にサイドからの展開に注意を払ってそこを抑えようとしていましたが、そこから中への展開に関してはスペース埋められないままで、センターバックが前後両方とサイドバックが抜かれた場合のケアをし続けなければなりませんでしたから、難しい対応を強いられていました。ファン・ペルシーの飛び出しからゴールを許してしまったものも、彼を予め掴まえておくことよりもカバーリングのポジションを取っていたからでもありました。ただ一番の問題はビクトル・バルデスがニアサイドを大きく空けたポジションを取っていたことでしょう。アビダルはこの日もほぼパーフェクトと言ってもいいほどの働きをしていましたから、マイナスのボールに関しては彼に任せてもよかったはずですし、利き足を考えれば十分にニアサイドを抜いてくることも考えられたはずでした。ただこの試合のアーセナルがより確実さを求めて強引なシュートをしてこなかったことで、パスの意識が擦り込まれていたのかもしれず、悪い守備ではありましたがそこまでの形に問題もありました。

そのゴールで勢いづかせてしまうと、前線のバランスを崩してワイドな選択肢を無くして中央紙か選択肢を無くしてしまっていたバルセロナは相手を崩しきることは出来ず、シュートで終わることすらも出来ずにカウンターを許してしまっていました。そのカウンターからアルシャヒンに逆転ゴールを許してしまいました。今度は先ほどのシュートをイメージしたのか中へ入られてそのままシュートを打たれることばかりを警戒しすぎたあまり、後方から上がってくる選手を捉えきれていませんでした。

逆転したアーセナルには再びディフェンスラインを押し上げる勇気を与えてしまい、それによってただでさえ少ない選択肢をオフサイドゾーンに入れられ使えなくされてしまい、バルサは攻撃がままならなくなってしまいました。カットしたボールをも前二枚が収められず、ドリブルでバイタルエリアをメッシが駆け上がり、ファーサイドのダニエウ・アウベスを利用するくらい。それも中へ絞っていましたから、ウイングやフォワードが足りていないことを物語っているようでもありました。その状況で、調子が上がらないとはいえ、ボヤンではなく、アドリアーノを投入したのも意図が見えづらい交代でしたし、逃げ切ろうとした交代と共に采配がこの試合の流れを変えてしまったようでした。

Bundesliga 22. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ホッフェンハイム

2011 年 2 月 13 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 0 TSG 1899 Hoffenheim
バイエルンはついにリベリーとロッベンの両翼が同時に先発復帰を果たしたことで、苦しいやりくりを迫られていたセントラル・ミッドフィールダーにシュバインシュタイガーを戻すことができました。システムとして4-2-3-1を維持していましたがウイングは流れの悪かった時のようにサイドへ張りっぱなしのままではなく、ミュラーも含めて三人がサイドも中央もできましたから、流動的に横へポジションを動かして選手間の距離を縮めつつ、リベリーの中へのドリブルからあっという間に先制点を取ってしまいました。ホッフェンハイムはそれらの動きに対して中のコースを切るのか縦を止めるか、左右へ動くミュラーを誰が掴まえるのかも明確にする前に、リベリーをタッチライン際へ押し出せず、むしろ激しいマークによって中へと招き入れてしまったことで逆サイドの人数不足に繋げてしまいました。

バイエルンはロッベンこそ守備に戻ってきていませんが、リベリーは積極的戻ってスペースを埋める動きをしていましたから、ホッフェンハイムがサイドから中へと切れ込もうと動いていましたが、中のコースをきっちりと切って入らせませんでした。センターバックからのパスにしてもセントラル・ミッドフィールダーのプラニッチとシュバインシュタイガーが機動力でカバーして簡単には出させていませんでした。この二人の関係で左利きのプラニッチを右に置くところに狙いがあるようで、ロッベンと合わせて縦の突破を意識させず中へスライドしつつ切れ込む攻撃を敵味方全体に意識させているようで、選手の横の距離が開き気味に推移してしまうことの多かったバイエルンが、この試合は横の距離を縮めてサポートを得てプレイできていました。さらに縦のコースを塞ぎに来ているホッフェンハイムは塞いでも効果を得られないどころかドリブルのスペースを与えてしまっていました。ドリブルを許してしまうとそちらに視線を持っていかれてしまうため、ミュラーやマリオ・ゴメスに飛び出しを許すことに繋がってしまっていましたから、対応に混乱が見えて裏へのパスに対して対応しきれず、バイエルンはそれぞれの距離を近く保てるお陰でいくつもの選択肢を得られているようでした。

二失点を喫してからホッフェンハイムは守備を立て直しているかのように厳しさを手に入れ、マークも厳しくなりましたし、チェックに関しても素早く、厳しくなっていました。序盤のような横の距離をコンパクトに保った連動や、ボールを持った後のドリブルに横の変化を得られなくなっていましたから、バイエルンの運動量が低下していたことが大きく影響していたかもしれません。それが怪我に繋がりそうなほどの激しいファウルやタックルを受けるようになってしまいましたし、相手に前への勢いを与えて前後の分離を生むことに繋がってしまいました。カウンターにロッベンを残して脅威を与えてドリブルで押し下げて、そこから裏へ飛び出してゴールチャンスも得られていましたが、パスミスからカウンターを受けて押し下げられたり、中途半端なパスのカットを狙われたり、足へのタックルも含め、それぞれのミスから増えてしまっていました。ホッフェンハイムに勢いと人数をかけられてしまうと、それまでは中への切れ込みを封じることが出来ていたサイドの攻防も減ってしまい、中央へ展開される回数も増え、バイエルンがしていたように横のドリブルから裏を狙うパスも出されてしまいました。ただ縦へドリブルを仕掛けていけなかったことで効果的な展開を作るには至りませんでした。
リベリーがボールを引き出しに戻って縦をコンパクトにしようとする意図は見られましたが、センターバックがそれに連動して上がれず、バベルやイビセビッチの動きを警戒しすぎて深くに留まっていましたし、セントラル・ミッドフィールダーもそれに合わせて残ってしまっていたため、前半のうちにそれを改善することは出来ませんでした。ただ彼らが残っていることでディフェンスラインのみが孤立して厚みのない守備から失点してしまうようないつものパターンに陥ることはありませんでした。

後半もセンターバックを押し上げて全体をコンパクトに保っているホッフェンハイムがペースを握ってスタートをし、それぞれ近い距離からパスを繋いで展開も出来ていましたし、横に動かしてから縦パスを入れることも出来ていました。しかしイビセビッチはポストプレイをするには非力すぎてバイエルンのセンターバックのどちらにも勝てずに収められませんでしたから、繋げたとしても最後のリズムを変えてスピードアップする一歩目を抑えられて止められて、飛び出したりそれ以上の連動が出来ずに手詰まりになっているようでした。

縦パスを抑えられるようになってからはバイエルンがリズムを掴んで横にボールを動かし、こちらは突破力のあるロッベンがいることでそれらを警戒させて下げさせていましたし、予め掴んでいた守備に関しても、攻撃に出る運動量と合わさって中途半端になっていましたから、それぞれが隙間に入ってボールを受けられていました。ただ前半から続けていたように、縦の仕掛けが少なく、横のドリブルを主に使ってパスを繋いでいく姿勢が続いていましたから、ホッフェンハイムはそれに狙いを絞って守ることでパスカットしてしまえるようになっていましたし、縦の突破に関してはファウルででも一対一で止めることでそれを可能にしていました。また、ミュラーやマリオ・ゴメスも前半のように横のドリブルに合わせて裏へ飛び出す回数を減らして足下へ欲しがるようになってしまっていましたから、ホッフェンハイムのパスカットを助けてしまっていました。
ただそういった対応をホッフェンハイムがする頃には、バイエルンはサイドバックをオーバーラップさせて、中に絞って守るホッフェンハイムの外側を利用できるようになっていましたから、前半よりは十分に状況に対して対応できているようでした。ロッベンのゴールが決まった三点目は相手のパスミスからで、二失点目もそうでしたし、形としてはホッフェンハイムの自滅から、ゴールを呼び込んでしまっていました。

ホッフェンハイムが多く縦パスをミスしている要因の一つに上手くセントラル・ミッドフィールダーの二人がバランスを取ってバイタルエリア、センターバック前にあるスペースを埋めてセンターバックがイビセビッチらに向かっていける状況を作っていたことがあるのかもしれません。多くの時間でどちらかが残ってバランスを非常に上手く取れていましたし、特にシュバインシュタイガーがセンターバックの前にスペースを作らないようにバランスを取っていましたし攻撃面でもそこから左右へ振り分けるパスが効果的に働いていました。二枚のラインというにはディフェンスラインからセンターバックが出てきすぎていたものの、これまでのように中盤が吸収されて一枚になってしまうことがありませんでしたし、ディフェンスライン一枚に任せっきりになってしまうこともありませんでした。厚みは十分に持って守れていたため、攻撃をされる時間帯が増えたとしても、そういった面では非常に安定して守れていました。そこの安定があったからこそチャレンジへ向かうことも出来ていたようですし、二枚で向かって、一人が抜かれてもサポートできていました。セカンドボールを拾って連続して攻撃を受けずに前へ繋ぐ力になっていましたし、試合を引き締めたのはこのポジションでしょう。

ロッベンの素晴らしいゴールでがこの試合の締めくくりでした。