■Real Betis 3 – 1 FC Barcelona (agg-win)
バルセロナは第一戦を大差で勝利していることから大きなアドバンテージがあり、第二戦に大きくメンバーを落としてカンテラの選手を起用してくるかと思ったんですが、起用されたのはトップチームのメンバーばかりでした。一部のローテーションこそありましたが、メッシやシャビといった試合をコントロールする選手は残し、試合を勝ちに来ていました。移籍が噂されていたガブリエル・ミリートも残留を決め、この試合でも起用されることになり、センターバックの層が薄くなってしまうことも避けられました。
ベティスはとても強く積極性を持っていて、高いディフェンスラインを保ちつつ、バルセロナの後方に対して一斉にプレッシャーをかけていく。第一戦よりも力強く勢いのあるものでしたから、バルセロナは安定したポゼッションから試合に入ることができませんでしたし、前へ人数を上げられず攻守の切り替えとフォアチェックを行うことが出来ませんでした。そしてベティスは守備だけではなくカウンターに対してもアクションが早く、センターバックとサイドバックの隙間から飛び出して裏を狙い、そこでボールを受けようとした。そこでの競争からガブリエル・ミリートが止めきれずファウルにしてしまい、そのフリーキックからニアサイドで先に触られて決められてしまった。攻守両面でバルサの立ち上がりを見事に狙っていましたし、セットプレイでも上手く変化をつけられてしまっていました。
ベティスも得点後は試合開始早々のような猛烈なプレッシングをせず、ディフェンスラインも高く保ちすぎず、ピボーテはきちんとディフェンスラインとの距離を保って隙間にはいられないようにする。中盤もフラットなラインを形成して、サイドでボールを受けられないように開いて対処することもありますし、バルサの攻撃陣が入ってこられないようにスペースを消して自由を奪っていました。
バルサはも高いラインを保ち、その二つのラインを引き出せるほど相手陣内でボールを回していられればよかったんですが、サイドに起点を設けられず、シャビが引いてコントロールすることは出来ても彼がアンカーではありませんし、前線で預けられるのがメッシだけで、縦パスを入れることも難しく変化に乏しい状態にありました。そこでボールを奪われてしまうとバルサはコースを限定しきれず、また高いラインを保てていないことからスペースが多くある。そして二失点目の場面ではマスケラーノが起点となりそうな歩インを抑えにでたものの抜かれてしまい、ただでさえ大きくあったスペースがより広がってしまい、センターバック二枚はドリブルと裏へ抜ける動きの両面を意識しなければならず、モリーナを掴まえられず走らせてしまいました。
その後もディフェンスラインがカウンターと裏へ走られることと合わせて大きく下がってしまい、中盤との距離を広げてスペースを作ってしまっていましたし、それが余計にカウンターで駆け上がられたときにチェックに向かう選手との分離に繋がり、誰もチェックに行けないままセンターバック前の広大なスペースを駆け上がられてずるずると下がることにも繋がっていました。ベティスには徹底してアンカーを引き出され、その裏側を利用されることでドリブルと飛び出しを何度もされてしまっていました。
バルセロナはその後も試合を作り直すことに苦労をしていて、ボールを受けに戻ってくる選手にはぴったりとマークに付かれ、一つ飛ばしてパスを出さなければそのままカットされる危険性を常に持っていましたし、その一つ先に関してもきっちりマークされていた。積極的に追い回されることと足下へ収められないことが加わり、さらにはアフェライがいる右サイドで特にポジションが定まらず、彼のサポートと連携のために近くポジションを保てず、パスを繋いで揺さぶることが出来ていませんでした。
メッシが下がってシャビとの距離を近づけることでなんとかパスを繋いで相手を集めることが出来ていましたし、片側や中央に集めてから逆サイドを利用することで、ボヤンやアフェライに中へ切れ込みながらシュートを選択させることも出来ていましたが、それでも相手の背後を使ったものではなく、相手の手前でシュートを打たされていましたからそれほどの脅威になく、ビジャがいないことでどの選手も相手の背後を突こうとする飛び出しに乏しく、変化をつけられませんでした。もちろんパサーを抑えられがちな状態で、飛び出してパスを得られることは少なく、まずはそこの改善をする必要がありましたが、カウンターに押し下げられて上下動を激しくさせられてしまい、なかなか選手同士の距離を縮めてベティスのプレッシングを揺さぶって消耗させることが出来ませんでした。少数でサポートすることは出来ても少なければベティスも人数を集めて対処できましたし、激しく素早いチェックを意識づけていることでバルサの選手がバックパスを選択しやすい環境を作っていることもあって、前へボールも人も留められていませんでした。
メッシが一点をカウンターから裏へ飛び出して一点を返せたことのは大きな事でした。それまではその早い展開は作れていませんでしたし、作れたとしてもサイドで孤立した状態でした。裏への飛び出しも何度か出来るようにはなっていましたが、オフサイドになることが殆どで、さらに近い距離から裏へ出されるものはなく、中長距離からではぴたりと合わせることは難しくチャンスに仕切れる状態にはありませんでした。それを早い展開でありながらシャビと近い距離でパスを交換できましたし、裏へ出されるパスも近距離だったからこそ高い精度で送ることが出来ていました。
このプレイのお陰でベティスのディフェンスラインに対して裏への意識を持たせられ、ポジションを下げさせ中盤との距離を広げ、バルサの方がより多く中盤に選手を送り込んで高い位置でボールを奪い返せるようにもなりましたし、ベティスの出足も消耗から鈍っていかせることができた。前半をその流れ、そのスコアのまま終えられていれば後半に向けて追いつく可能性を大きくできていたんですが、ロスタイムにセットプレイから追加点を許してしまったことで後半の試合展開を難しくしてしまいました。
後半開始時からバルサは一段ギアを上げたかのように運動量を増加させ、選手同士の距離を縮めて、ベティスのプレッシャーの中でもパスを繋げるようになっていましたし、ベティスが出足よく奪おうとしてくる部分に関しても上手く体を入れて奪わせないようになっていました。バイタルエリアにこそ誰も入れていませんでしたが、裏を何度も狙い始めていましたから、相手にそれを印象づけた上で別の選手がそれを囮にして受ける事も出来るようになっていました。多くの選手が前へ動きながらプレイできるようになったことでフォアチェックでコースを限定できるようになり、センターバックが下がるだけでなく、前へ出てきちんと掴まえられるようにもなりましたし、相手陣内でプレイできる時間が大きく増えていました。
相手に戻りながら処理させることが出来れば、積極的なプレッシングのような前向きの守備はできなくなり、前向きに守備が出来なければカウンターへスピードもでない。上手く攻められていました。もしメッシがPKを決めていれば流れとしてもスコアとしてもより良い状態になっていたんですが、軸足を滑らせてしまい得点ならず。
時間の経過と共にせっかく足を動かしてスピードアップできていた部分が減ってしまい、徐々に運動量が落ちてしまっているようでした。ボールに絡むいくつかの選手だけが動き、それ以外の選手が積極的にコースを作る動きをしない。カウンターになったときにもポゼッションの時にも一人がマークを外して飛び出そうとしていても、他がそれの囮になるような動きをしてくれないことからパスをそこへ出せずに徒労に終わってしまうことも珍しくありませんし、相手陣内での展開も減って囲まれてしまうようになった。囲まれる事が多くなると他は信頼してオーバーラップできませんからより前に行きづらく押し込まれてしまうようになってしまいますし、それがベティスに前へ向かわせるきっかけになってしまう。
選手交代から勝つためには何としても、というのであればベンチ入りしていたイニエスタやビジャを起用していたのかもしれませんが、それらを起用せずに休養させられたのも第一戦の大量リードがあったからこそ。選手交代からシステムを変えましたが、奪われないことで何とか試合をコントロールしていたシャビを下げたことで、ボールが収まるポイントがより少なくなってしまい、主導権を握るのがより難しくなってしまいました。特に中盤で誰が引き出して左右へ振り分けるのか、誰が受けに戻ってその後の展開を助けるのかがはっきりとしませんでした。3バックにしてアドリアーノを前に上げたことで人数が足りていなかった最前線に幅広い選択肢ができるようになったのは好材料ですし、開く必要がなくなったことで中央にようやくフォワードがいるようになり、クロスなどのサイドアタックからペナルティエリア内を使う可能性が出てきたのはいいことでしたが、中盤の支配力を高める動きがない以上、前へ人数を溜めたとしてもそこまでボールが渡りづらいことを考えると効果的ではなく、結局はバランスを取るためにアドリアーノやマクスウェルは消極的な姿勢でしたし、中のサポートがないこともあってバックパスを選択肢がちでした。
負けないことが最善なのは当然ですが、負けても構わないタイミングで負けたのは不幸中の幸いということでしょうか。負けたとしても勝ち抜けはできるスコアでしたから、それを意識していた戦い方を途中からしていたのかもしれません。
こんにちは!
まぁこんな時もありますね。ボヤンの調子が一向に上がってこないのが心配ではありますが…。(ジェフレンもまた怪我したみたいですね…(*_*)
この試合には出ていませんでしたが、ティアゴ・アルカンタラの来季からのトップ昇格がアナウンスされましたね。どうでしょう。管理人さんから見て、彼の良さはどんなところにあると思いますか?
>イニエスタさん
ボヤンの調子は確かに上がってませんね。この試合の印象では最悪の出来だったように思えました。ドリブルやカウンターの選択も悪かったですし、パスに関してはチャンスを潰しているかのように思えるほどで、全くあってませんね。今後もこの調子だと信頼を失いかねないので本当に調子を取り戻して欲しいところです。
チアゴ・アルカンタラはどうでしょうねぇ。守備は期待できませんし、献身的な動きもあるわけではない。左足もまるで使いませんから研究されるとコースを切られてかなり苦しいプレイをしなければならなくなりそうなところが気がかり。いい面はピッチを空間的に上手く把握する能力があるんじゃないかと思う部分ですね。選手の間に入ってしまうとか、誰がフリーで何処に飛び出そうとしているとか、ドリブルで何処のコースに行くべきかとか。あとはそのドリブルの上手さや、ボールを奪われない技術もトップチームで経験を積めばもっと上がっていくでしょうし、ラストパサーとしての才能に恵まれているように見えました。まだまだ荒削りで、何処の才能が伸びていくかは解りませんが、より前目でゴールに直結する働きを期待すべき選手、といった感じでしょうか。