Bundesliga 18. Spieltag ヴォルフスブルク対バイエルン・ミュンヘン

■VfL Wolfsburg 1 – 1 FC Bayern Munchen
バイエルン・ミュンヘンが補強をしたのはセントラル・ミッドフィールダー、あるいはサイドバックでのプレイが期待されるルイス・グスタボだけで、層の薄さを感じさせる部分の補強はなされていませんでした。特にセンターバックに関してはシーズン当初から起用する意志が薄かったとはいえデミケリスをレンタルで放出しただけで獲得はなく、ティモシュチュクがここを支えたとはいえ本職ではなく、怪我がちの選手が多い中で補強が必要なポジションでもありましたし、ウイングにしてもフォワードにしても同様でした。ただスターティングメンバーを固定したがるファン・ハール監督にとっては重要なことではないのかもしれません。唯一といってもいい変化は正ゴールキーパーへクラフトを任命したことくらいでしょうか。

バイエルンは自陣でボールを回す際のラインが低く、この日セントラル・ミッドフィールダーとして出場したファン・ボメルもティモシュチュクもボールの引き出しに関しては大きく戻らない二人でしたから、センターバックはそこからパスを出すのに躊躇している場面が多く見られていました。そのことが前線との距離を広げてよりパスを出しづらい環境を作ってし埋まっていましたし、躊躇している間に中盤の選手たちにマークがついてしまい、より出せない環境を作ることに繋がっていました。一見球際に激しさを持っていたように見えたヴォルフスブルクですが、この部分の判断の遅さによって寄せられていただけで、それほど素早いプレッシャーによって試合を支配しようとしているようには見えませんでした。
そのため、最初の部分さえクリアしてしまえばバイエルンはパスを使って相手のゾーンを揺さぶることが出来ましたし、ディフェンスラインも下げさせることが出来た。サイドバックも盛んにオーバーラップをしてウイングとの連携も出来ていましたし、より高い位置でそれが出来ることで相手を下げさせてクロスも深い位置から入れることが出来ていました。守備に回ったときにも攻撃に加わった人数が連動してフォアチェックを行いプレッシャーを与えて攻撃を抑えていました。ただヴォルフスブルクの攻撃も、バイエルンのサイドバックが積極的に上がる裏を利用していましたから、フォアチェックをかいくぐられてしまいとディフェンダーの外側を利用されてしまうケースがありました。

状況はまだ流動的で決まっていなかったものの、先制点が思わぬ形で入ってしまったことで変化してしまいました。キーパーのクラフトがしたフィードに相手のディフェンダーが処理を失敗し、キーパーのベナリオに任せてしまったのがそもそもの原因で、彼のクリアもお粗末でした。単純にクリアを目指せばよかったんですが、前線へと蹴り出そうとしてしまったことでミュラーに当たり、それが跳ね返ってゴールに吸い込まれてしまった。クリアすべき場面はきっちりとクリアするべきでした。その後も試合終了までベナリオのキックは安定せず、キーパーからのフィードが機能しないことでヴォルフスブルクは苦しめられることになってしまいました。

ただ先制点こそ取れたものの、セントラル・ミッドフィールダーがボールを引き出していく動きは相変わらず無く、事前にセンターバックと近く保ってボールをもらえるようにすると、今度はそこより一つ前の選手たちと分離してしまう。そのためサイドバックはセンターバックかセントラル・ミッドフィールダーとの交換が主になってしまう。ウイングに早く預けられればオーバーラップをして連携が目指せてチャンスを作ることが出来ていましたが、それを安定してするためにはディフェンスラインの高さと中盤との連携がまだ足りていませんでした。特にティモシュチュクは前を向けておらずバックパスにしてしまうことが多く、別段そこにかかるプレッシャーが強いわけではなく、前を向けるチャンスがあるにもかかわらずそれを意識できておらず、センターバックにしても縦パスを選べていないが、そこにかかる負担も少なく、縦パスを緩やかにコースを塞がれているだけでした。アタッカーにマークは付いていましたが、それでもリスクを負って縦パスを入れて縦の連動や変化を求めてもいいはずで、それをすることでマークをずらせてしまえることもあるんでしょうけれど、それをしようとしませんでした。何よりアタッカーがマークを外したりサポートをして連携をしたり、という横の連動がないことでそのマークを引きはがせていないのが原因なのかもしれません。時間が経つにつれ、中盤で繋ぐことを諦めてフィードを使ってフォワードの一枚まで飛ばしてプレイするようになってしまい、繋ぎに戻ってくれるロッベンの投入まで待たなければなりませんでした。

ヴォルフスブルクの守備は緩く、どうにもマークを外してしまいがちで、目の前にいる選手にこそ集中をできてはいましたが、それが足を出したり、掴まえておくとか、奪うとか、直接的な動きにこそ集中していられるものの、後方から上がってくる選手とか、今目の前でボールに関与しようとする選手以外に対する注意が甘く、クロスやサイドからのパスなどから多くのチャンスを作らせてしまっていました。ギャップを作る動きはバイエルンが上手くやっていましたが、人数が多かったわけではありませんでしたし、ここの守備はお粗末でした。ただPKをバイエルンが得た場面では足がかかっているものの甘いジャッジだとしかいえず、判定としてはバイエルンに有利な笛が吹かれていると観客が煽っていた通りだと思えるほどでした。

バイエルンの守備の状況もよくなく、デミケリスを放出した意図がわからないほど同じ状況でした。サイドバックのプラニッチが相手のマークに付くところまではよくても、その選手がボールを受けに戻る動きを見せてしまった際に彼がついて行ってしまう。中盤の底やサイドの選手へと受け渡しが出来ておらず、そのままついていかなければならないことでセンターバックがサイドのケアの為に引き出されてしまう。この左にバドシュトゥバーが引き出されたからといって中央の人数が減ったところへファン・ボメルやティモシュチュクが戻ってくるわけでもなく、身長の低いラームがクロスへ対応しなければならない厳しさまで抱えたまま、中での対応を少ない人数で行わなければならなくしていました。特にサイドバックの前とサイドアタッカーの背後の中間へ相手に入られたときに誰が対応するのかという部分で曖昧なために引き出されてしまっているようでした。そしてそれらをプラニッチが止められるわけではなく、縦への突破を許してしまうためどうしてもセンターバックのカバーが必要になる。デミケリスが出場していたときも同じ事が繰り返されていたわけで、そこの解決がされなければ何回センターバックを入れ替えたとしても安定しないのではないかと思うほどでした。

グラフィッチがバイエルンのディフェンスラインが下がりすぎ、受けに戻る動きに対しても、あるいは前へ向かいながら受けようとする動きに対しても密着出来ておらず、背後から掴まえ切れていないことで前を向いて受けられるようになり、いくつかチャンスを得たことでヴォルフスブルクが途中から勢いを出してペースを握るようになっていました。バイエルンの後方がプレッシャーに弱く、それをかいくぐれないことも影響して攻撃の勢いそのままのプレッシャーで押し込まれてボールを前に運べず、バイエルンのパスミスもあって奪われる機会が増えて何度も繰り返して攻められることになっていました。
バイエルンはそのプレッシャーをいなせずファウルを増やしてしまい、審判に助けられなければヂエゴのフリーキックからシセロが押し込んだゴールで追いつかれているとこでした。ただ審判が助けたのはバイエルンだけではなくヴォルフスブルク側にもPKに値しないプレイにも笛を吹いてPKを与えてくれましたが、これはクラフトが止めて同点にはいたらず。レベルの低い審判が下手にバランスを取った結果、不信感を両者とサポーターに与えるだけなってしまったようでした。

後半は前半に比べセンターバックが縦パスを入れていけるようになっていましたが、前半終盤のヴォルフスブルクの勢いが継続しているかのようで、それに気押されて試合に入ってしまいました。バイエルンの守備は序盤のようなフォアチェックからのプレッシングで主導権を握れるものではなく、裏へのフィードを怖がってラインが下がり、中盤のエリアが伸びて連動したプレッシングが出来るほど前線に人数を溜められなくなっていました。後方で処理しなければならなくなったことで、攻撃に回ったときにも変化をつけられるほど上がっていけず、散発的な攻撃と個人の突破に頼らざるを得なくなっていました。センターバックのグラフィッチへのマークも甘いままなのは変わらず、走らせてしまっているから下がらなければならず、動きにバリエーションをもたらせてしまっている。背後からきっちりと掴まえてしまえばいいがそれが出来ず、グラフィッチとマンジュキッチ、あるいはヂエゴらが連動できているわけではないのだから、もっと密着してもいいはずなんですが、それも見られませんでした。

ヴォルフスブルクは攻撃にこそ勢いを出せていましたが、守備はゾーンが常に開いていて連動も出来ていませんでした。それぞれが自分の掴まえる相手に注意を払ってウイングへのマークに開いた結果、ディフェンスラインは選手間の距離をどんどんと広げてしまい、バイエルンと同じく中盤の選手がそれを埋めに戻らない。バイタルエリアを閉じられないまま開いてしまうため、ロッベンへ中にドリブルで入る余裕を与えたり、オーバーラップを許したりして、サイドへ上手く押し出すことが出来ればバイエルンの人数もかかっていませんでしたから抑えられましたが、あまりにも緩いものでした。バイエルンがディフェンスラインに多くの人数を入れようとしておらず、マイナスのパスでスペースを使おうとしていたから助かってましたが、中央に多く入り込んでクロスで勝負をされていれば数的に対応できなかったかもしれないほどでした。

ヴォルフスブルクは終盤にさしかかると、自陣のディフェンスラインの低さとバイエルンのディフェンスラインの低さもあって中盤にスペースができているものの、消耗からスピードアップできなくなり、カウンターにもプレッシングにも迫力が無くなってしまいました。ディフェンスラインはペナルティエリア付近へばりついて、プレッシャーをかける選手に連動せず、バイエルンは安全にボールを回していられました。ただ効果的な崩しに繋がるパスはなく、前へ出てこようとする意志を挫けていればよしとする程度でした。ヴォルフスブルクがラインを上げようとしてくれれば裏を狙うことも出来ていたのかもしれません、それがなかったために前で回し続けるだけで変化を与えられませんでした。そういったことが徐々にヴォルフスブルクのラインを上げる事に繋がり、ラインが上がればサイドに人数がかけられサイドバックから中央へ上げられるクロスにも中の人数が増加してチャンスを増やし、バイエルンは危険な処理を何度も強いられることになりました。バイエルンは、セントラル・ミッドフィールダーのファン・ボメルが相変わらず戻ってスペースを埋めなかったことで各選手を掴まえ切れておらず、数的に不利の状態を作ってしまいましたし、そこにシュバインシュタイガーのミスが加わったことで失点してしまいました。勝てる試合を落とした原因を彼だけに求めるべきではないんでしょうが、これまで多くの試合で同じ事を繰り返しながら修正されない部分ですから、この形での失点は諦めなければならないのかもしれません。

終了間際にロッベンのシュートからミュラーが押し込んだように見えたものがオフサイドで認められなかったのは、ヴォルフスブルクのゴールが認められなかったことを考えると不思議ではありませんでした。審判の判断は細かな部分ではバイエルン寄りではあったようでしたが、肝心なところではしっかりとどちらにとっても不利になるようなバランスが取られていて、満足のいくジャッジではなかったにしろ、ある意味では公平だったのかもしれません。

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