2011 年 1 月 のアーカイブ

Bundesliga 20. Spieltag ヴェルダー・ブレーメン対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 1 月 30 日 日曜日

■Werder Bremen 1 – 3 FC Bayern Munchen
ブレーメンは攻撃に出る勢いもあり全体的に前がかりになっていました。守備的ミッドフィールダーとしてプレイしているフリンクスがが高いポジションを保ちますし、バルクフレーデも高いポジションに出て行きやすい影響からセンターバックと中盤の距離が開きやすく、前からプレッシングが機能していればボールを放り込まれることはありませんが、それほど厳しくボールを出せないようなものではありませんでしたし、パスコースを塞げているわけでもありませんでした。ただ攻撃的に出ていることでバイエルンの選手たちが守備やボールを受けるために下がらざるを得ない状況になっていましたから、それほど難しい状況にはなっていませんでしたし、センターバックがハーフウェーライン近くを保つことでコンパクトに保とうともしていましたから、裏へ走られるとき以外にはその部分が目立つことは多くありませんでした。

ブレーメンはキックオフ直後こそダイレクトで繋いでシュートまで持っていけていましたが、その後はピッチ状態の悪さもあり、グラウンダーのパスをダイレクトで繋いだり、近い距離で動きを交差させながら変化をもたらすことが出来ず、ロングボールをも多用していました。それによって裏へ走らせることもありましたから、バイエルンのディフェンスラインを押し下げて間延びさせることに成功していましたが、それ自体がブレーメンのパスでの構築が出来ない要因になってしまいましたし、バイエルンの攻撃によって高いディフェンスラインを保てなくなってくると、裏へボールがでて、マルコ・マリンやピサロがそれを受けたとしても、後続の選手がサポートのために上がってくるのを待っていると大きな減速になってしまい、バイエルンが中を整える時間を得るだけになっていました。

バイエルンもピッチコンディションには苦労をしているようで、パススピードが上がらないことから縦パスを入れようとしてもブレーメンの前向きの守備に掴まえられやすくなって、フィジカルコンタクトで動きを止められてしまいましたし、横に動かして変化をつけようとしてもそのボールが安定せず、その時間にディフェンスラインの上下動を許してしまい、飛び出すタイミングも掴めない。ブレーメンのバイタルエリアを埋めるのがフリンクスに一任されていましたから、彼が左右に大きく振られた後利用した場合などは、近い距離から裏へ出せることからチャンスに出来ていましたし、ゴールを脅かすことも出来ていました。特にタッチライン際からドリブルを開始して中へ切れ込む場合には、フリンクスがポジションを修正して外のケアに出てくることが多くありましたから、三列目がバイタルエリアに侵入することも出来た。ただドリブルもスピードに乗って満足にすることが出来ませんでしたし、パスミスやコントロールミスも多く、プレスを受けやすい環境と相まって満足に繋ぐことが出来ていませんでしたから回数自体はあまり多くなく、浮き球が行き交うばかりで両者共に明確な形を持って試合を支配していけませんでした。

後半開始早々にメルテザッカーがセットプレイから先制ゴールを決めましたが、バイエルンの選手たちは全くそれ以前からマークに付いていませんでしたし、ボールを拾われた後も誰もチェックにすら行かず、中には一人しか相手が入っていない上にルイス・グスタボが既に掴まえているにもかかわらず、そこのケアをするばかりで狙いすましたシュートをさせてしまいました。そもそも最長身のメルテザッカーがこぼれ球をファーサイドにいたとはいえ、セットプレイの最中にノーマークのまま終始推移していたことが問題で、セットプレイで中央をゾーンで埋めていたとしても全く効果のない守り方で先制点を献上してしまいました。

バイエルンは中盤で全く構築できず、ディフェンスラインから送り込まれるフィードをシュバインシュタイガーやマリオ・ゴメスが体を張って落とし、それを左右に振った後時間をかけてクロスを待つだけで、それぞれの動きを待つ間にプレスを受けて動きを限定されてしまっていましたし、ミュラーが左から中へのドリブルを多用することで効果的にバイタルエリアを使えている以外は得点の匂いどころか主導権を握れる様子もありませんでした。だからといってブレーメンが主導権を握れていたわけでもありませんでしたが、積極手なフォアチェックによってバイエルンの攻撃を限定し構築させない要因を作れていましたし、フィードに対してもしっかりと寄せて自由な落としをさせませんでしたし、ドリブルでの仕掛けとセンターバックとサイドバックの隙間から裏を狙う明確な狙いが見えましたから、リードしていることもあってブレーメンの方が、不安定ながらも有利な状況にありました。

ただブレーメンは前に出て行くことでしか主導権を握れませんでしたから、引いて守ることが出来ませんでした。それはディフェンスラインを高く保つ必要もあり、フィードに対応することでしたが、それまでのようにフィードに対して体を張って落とすのであれば、屈強なセンターバックを抱えるブレーメンは抑えられたのかもしれませんが、一本のフィードによって裏へロッベンに走られたことで簡単に崩されてしまいました。後方へ引き戻されて追いかける処理をさせられてしまいましたし、その後のスローインからの展開にしてもそうでした。自分たちの背後に入られる動きに対処することが出来ず、ブレーメンは同点ゴールを許してしまいました。

クローゼの投入からバイエルンは前線に起点を二つ設けられるようになり、シュバインシュタイガーは上下動をしなければなりませんでしたから、常に起点になれませんでしたし、苛立ちから精彩を欠いていましたから活躍を出来ていませんでした。クローゼが入ったことでただでさえ中盤の底を支える選手の少ないブレーメンはセンターバック二枚がそのままフォワード二枚に張り付かなければならず、どちらかのカバーにもパスカットにも出て行きづらくなってしまいましたし、そのことがバイエルンに縦パスを収めさせる要因になっていました。起点を作りやすくなったことと中盤にスペースが出来やすくなったこともあって、ポジションチェンジを頻繁に行えるようになり、それまでのように固定されたポジションから固定された動きで相手を崩そうとするのではなく、ミュラーが中に入ってプレイする機会も増え、フォワードがセンターバックにマークに付かれている状況を利用してドリブルも効果的に使えるようになり、混乱を生み出しメルテザッカーのオウンゴールから逆転に成功しました。そのゴール自体はミスもあってクリアしきれなかったことが原因でしたし、それ以前にはグスタボのペナルティエリア内のハンドを見逃されてPKを得られませんでしたし、ブレーメンにとっては不運な状況が続いていましたが、選手交代によってバイエルンが状況を変えることに成功をして主導権を握った結果でした。

ミュラーが抜け出しクローゼがゴールを決め三点目。攻めのための人数を割きましたが、それがただでさえバイタルエリアに人がいない状況からフリングスを下げて処理することに繋がりスペースを大きく用意することになりましたし、バイエルンはここに来てプレッシングからブレーメンの攻撃を止められるようになり、人数をかけた攻撃を求められていましたし、奪ってからカウンターへの勢いにも変えていました。そしてヴィーゼがとんでもない飛び出しからのファウルで一発レッド。一試合出場停止で収まらないでは、と思えるほどの退場でした。

Liga Espanola Jornadas 21. エルクレス対バルセロナ

2011 年 1 月 30 日 日曜日

■Hercules CF 0 – 3 FC Barcelona
バルセロナがリーガ前半で唯一負けた相手がエルクレスだったわけですが、前半に対戦した時期はまだバルセロナがワールドカップ後のコンディションを上げきれていませんでした。その後バルセロナはコンディションを上げて今の状態になっているわけですから、同じようにはいかないのではないかと思ってみていましたが、大きく苦しむことになってしまいました。

バルサの動きはスムーズでパスを行う距離も遠すぎず適切であり、横に動かしていきながらサイドバックを高いポジションに保ちプレイできていました。ウイングは若干中へ絞り気味でサイドバックの上がるスペースを作っているようでもありましたが、エルクレスにとってはバルサに崩されたから利用されているというのではなく、もとよりプラン通りの動きのようでした。エルクレスの守備はとてもコンパクトに保てていて、ディフェンスラインは高く保ち、中へ絞ってブロックを構築をしていましたからサイドにはスペースを用意して中を固めていました。高く保たれたディフェンスラインはバルサその高さを辞すると裏を狙ってくることも計算に入れているようで、裏へ抜ける動きに合わせてラインを押し下げていましたが、それによって中盤にスペースを作ることはさせていませんでした。中盤とディフェンスラインの二つのラインを近い距離で保ち、ピボーテがセンターバックとの距離を保ち続けることでバイタルエリアには渋滞を作られていて、バルサはサイドバックを高く保つことは出来ても中を利用できませんでした。

エルクレスは前線の攻守の切り替えでそこ追いかけ回す姿は見られるものの、カウンターに出させないそのプレッシャーの後はフォワードは追いかけ回したり過度な運動量を必要とするようなものはありませんでしたし、中盤も積極的に出て行きませんでした。ただ中盤のラインに近づけば自由を与えないほどのプレッシングをしてましたし、自由を与えているサイドにしても、マークにこそ付いていませんでしたが、ボールが出されれば素早く詰めて様々な選択をそこからさせませんでした。
バルサはバイタルエリアの利用を進められないことで、高いディフェンスラインの裏を狙うパスを出せませんでしたし、縦パスを入れて相手を引き出そうとしていましたが、センターバックを吊り出すことが出来ず中盤に対応されてブロックを崩せていませんでしたし、特にメッシがピボーテと同列から背後にかけてのポジションを取ってバイタルエリアでボールを受けて崩すことが最近の特徴になっていましたが、それもさせてもらえずサイドにポジションを取らなければなりませんでしたし、サイドから中へ切れ込むドリブルに関しても中をしっかり固められているために横へスライドすることも出来ませんでした。

シャビが相手ブロックの手前で左右に振り分けて相手を中に固めさせず、サイドバックのオーバーラップを盛んに利用していることで、エルクレスにチェックのために中から選手を引っ張り出し、外から中へのボールを持たないダイアゴナルの動きによって相手のピボーテをセンターバックに近づけさせて厚みを減らしてバイタルエリアを空けようとしたり、高く保てていたエルクレスのラインを押し下げて、よりポゼッションをしやすい環境を作ろうとしていました。
ただエルクレスの守備意識は高くパスに対しての反応がよく、マークと共にパスカットを狙えるだけの距離を保っていることからそれをされてしまっていましたし、運動量と集中力を必要とする守り方ながらも、それが途切れずに動き続けることで、バルサが一人を引き出したとしても別の選手がスペースを埋めて穴が空かないようにされてしまいました。バルサはドリブルを使いながら中央のビジャらに預けてワンツーで飛び出して、ラインの裏側を狙おうとしていましたが、その中央への預けるパスもしっかりと抑えられてパスを出せませんでしたし、リターンを受ける選手に対しても最初のパスに惑わされず、しっかりと見て掴まえられていましたから抑えられていました。何とか斜めの動きを多用し、入れ替わり立ち替わり選手がバイタルエリアに入り、出て行くことでそこを空けさせられるようになり、外から中の動きによってピボーテを外へ引きずり出しつつあるようになっていました。ただバイタルエリアにスペースを作ったとしても、そこから直接裏を狙えていませんでしたから、センターバックの手前で受けてプレイしようとしているためにがつんと当たられて止められてしまっていました。多くの場合に、バルサがポジションを選手と選手の隙間に入りながらパスコースを作り、少ないタッチ数で動かしていけるのがここの床rのバルサでしたが、そのスペースがこの試合は殆どありませんでしたから、パスの出し所を探して持つ時間が長く、鋭いパスを無理矢理繋ごうとすることでその代わりとしようとしていましたから、本来のペースであれば縦パスから裏亜ヘデラレル場面であっても、呼吸が合わずパスを繋げられていませんでした。

ただ先制点を前半終了間際に入れられたのは、この試合のその後を考えると非常に大きい要素でした。ドリブルで仕掛けて集中を集め、それにエルクレスは攻めていましたから、高い位置で奪うための姿勢のままで後方の陣形を整える時間を得られていませんでした。メッシがまずマークを剥がした後にドリブルで人を集め、一度は奪われたもののすぐに奪い返せたことが大きく、それまできちんとボールホルダー以外の人を見られていたエルクレスの選手たちも、視線をボールサイドに寄せられてしまい、ファーサイドを見ていられなくなっていました。それが逆サイドのペドロがフリーになることに繋がりゴールが生まれました。

後半は最初にセンターバックとサイドバックの隙間から裏へ飛び出したことで、それまでは前へ絞って当たらせてしまっていたセンターバックを後ろに走らせ、変化を作ることが出来ていました。エルクレスは攻撃に出なければならなくなったことで、バイタルエリアを埋めていくスタイルを維持せずに、ピボーテがセンターバックの距離を広げてしまっていましたから、バルサはそこへ入りやすくなっていました。まだウイングは中盤によって捕まれていることでフリーになることはないものの、選手それぞれが相手の隙間に入って体をぶつけられるより早くボールを動かせるようになりましたから、チェックとスペースの無さから徐々に開放されつつありました。

その分エルクレスは高い位置から奪いに来るようになり、勢いがある状態のまま攻守の切り替えと、追いかけ回す守備の動きがそのまま攻撃に繋がって勢いをもたらしていましたから、バルサは勢いに押されてしまって難しい対応を強いられる時間がありました。アエド・バルデスとトレセゲの二人は非常に上手いボールの受け方をしていましたから、そこへのカウンターの一歩目を押さえられず奪えず、そこに収めさせてしまうことでサイドを駆け上がられてしまい、バルサはディフェンスラインを押し下げられる要因になっていました。二人のテクニックに足を迂闊に出せず動かされてシュートも打たれてしまいましたし、攻撃に出られたときにはシーズン序盤に対戦したときと変わらず処理に苦労させられてしまいました。

しかし前半よりも安定してバルサはサイドバックの上がりを利用できるようになっていました。中に絞って守り続けていたこともありますが、サイドアタッカーも攻撃に出ていましたからサイドバックが対応にでなければなりませんでしたし、中央はピボーテが埋めておかなければならないためにスペースが出来やすくなっていました。そこでドリブルをすることで中央を固めている相手を引き出し、中へ預けるパスを収められるように出来ていました。このサイドバックを上げ、中の高い位置を使えることが攻守の切り替えからフォアチェックにかかる人数の増加になり、バルサは高い位置で奪い返せるようになり、エルクレスに持っていかれそうになっていた流れを引き戻してしまいました。

わざとバイタルエリアに入るのではなく、ピボーテ同士の隙間に入ることでマークをはっきりとさせずにセンターバックが抑えるために出てこなければならない環境を作って、ディフェンスラインをフラットに保たせずギャップを作るようになり、バルサの選手たちがエルクレスの裏を狙おうとするようになり、チャンスを作れるようになりました。エルクレスはピボーテとディフェンスラインだけでは抑えきれなくなり、寄せるスピードも保てなくなってしまい、一人はバルサの選手へ向かっていけるものの、他がそれ以外のコースの限定も連動したチェックも出来ず、バルサが引き出していく動きで先手を取れるようになり、受けてもすぐ離すことでマークやチェックに来る意志を奪っていく。それによってエルクレスの攻撃がサイドを切り崩そうとしていた連動も、守備に戻らなければなりませんでしたから継続できなくなる。バイタルエリアも押し下げられてしまうことで中盤がディフェンダーと同じようなポジションになって厚みが無くなってしまいましたし、外の展開に簡単に引き出されてしまうようになりました。それでありながらボールに寄せられないことでバルサの他の選手の動き出しを楽にさせていました。
エルクレスも選手交代などから活力を取り戻して、カウンターへでる勢いを取り戻そうとしていましたが、バルサは前に人数を溜められる利点を活かして攻守の切り替えからそれを防げていました。徐々に運動量は落ちてきたものの、それぞれが予め掴まえられなくなっていましたから預けやすく、エルクレスはフォワードへ一足飛びにボールがでなくなってしまったことで起点に出来なくなり、繋いでそこまでボールを運ぶ段階で奪われやすく、遅れて足を出すことでファウルも増えていました。

ポルティージョを投入してさらに攻撃にでて最前線で追いかけ回し、一人で裏へ出てカウンターを狙い、というようになったものの、それは守備の厚みを減らすことに繋がっていました。バルサの攻撃を許してしまいましたが、勢いを持ったオーバーラップと裏へのランニングは効果的で、バルサに繋がせませんでしたから、こぼれ球を拾っての展開をしやすくして脅威を与えていました。ただ勢いはあるものの動きが直線的なために捕まえやすく、バルサの陣形は揺さぶられませんでしたから失点をするほど揺さぶられているわけではありませんでした。
また、ファリノスが退場になったことでその勢いも持続できなくなり、収束に向かってしまいました。ドリブルやキープする球際の激しさこそ出していましたが、それがバルサがペースを落とせない要因になっていましたから、メッシの2ゴールもその影響でした。

アジアカップ 決勝 オーストラリア対日本

2011 年 1 月 30 日 日曜日

■Australia 0 – 1 Japan
先発メンバーには、出場停止だった吉田麻也がセンターバックに復帰をし、怪我のため離脱をした香川のポジションにはかねてより噂されていたとおり藤本淳吾が先発し、岡崎はポジションを左に移していました。

日本はフォアチェックを使っていて、テクニックがあるとは言えない相手センターバックに対して持たせてそこから不安定なパスを出させることで、繋がせないようにしようとしているようでした。ただ後方も押し上げをできているわけではなく、ディフェンスラインはキューウェルとケーヒルによって引っ張られてしまい、マークを緩めてしまって密着できておらず、パスを預けさせてしまっていますし、先に触られてしまうことでドリブルを気にして下がって自分たちの前で掴まえておこうとしてしまう。そうなると、後方から上がってくる選手を掴まえきれずフリーの状態でオーバーラップを許してしまう。特にボールを受ける動きについて行けておらず、先に触られてポストプレイを許してしまうのも苦しい状況を作る要因になっていました。キューウェルがセンターフォワードのようにし、その周囲をケーヒルが動き形でしょうか。

日本はすぐに落ち着きを取り戻し、サイドバックの押し上げも出来るようになってきましたが、中央で本田や前田は激しくぶつかられていましたし、遠藤や長谷部がボールを持ってもパスコースを切ってなかなか出せていませんでした。オーストラリアが選手に対して素早く寄せようとする意識が強く、フォアチェックをして運動量を必要とするものではないものの、ゾーンを後方に形成してバイタルエリアを空けず、本田や岡崎のようなアタッカーにパスが渡った瞬間に寄せようとするものでしたから、縦パスを入れられたとしても余裕をもらえず、サイドバックが縦パスと連動して追い越す時間は得られず、そのサポートをすることがメインになっていました。ただサポートを出来るほど高い位置を保てることが大きく、本田も含めてウイングとサイドバックで横の関係を作って幅広い攻撃と厚みをボールを支配したときには作れていました。

オーストラリアはシンプルな攻撃が多く、フィードを中心として日本のディフェンスラインは下げられてしまいましたし、ハイボールを入れられることで空中戦を強いられてしまいました。身長があるのは吉田だけですから、クリアボールを大きく跳ね返すことが出来ず、近くに落としてしまいがちでオーストラリアはそれを狙って中盤が上がってシュートに持ち込もうとしていました。流れの中の展開であったとしてもディフェンスラインの裏を狙って走られてしまっていましたから、何とかコンパクトに保とうとしている日本は後方へ走らされてしまっていますし、抜けられた後そこで起点を作られて、サイドのオーバーラップからクロスを入れられてしまう。流れの中であればウイングも戻って数的に不利な状況は作られにくかったんですが、日本はキューウェルの動きを限定できるほど掴まえていられませんでしたから、様々な動き出しによって後手を踏む対応になって他の上がりを許してしまいましたし、詰められる要素にも繋がり、奪った後にも繋げずクリアから連続して攻撃されてしまいました。そしてフォアチェックは抑えるポイントがなく出来なくなってしまいましたから相手にドリブルでの持ち上がりも許してしまう。

日本は本田が持ったときにサイドのバックの長友が走り出したり、岡崎が走ったり、縦の動きこそありましたが横の連動が無く、ボールを引き出すための動きはありませんでしたし、ポジションチェンジもそれほどできないことから、カウンター気味にボールを展開できたとしてもラストパスを出せるほどの変化がないためにオーストラリアに簡単に掴ませてしまいました。バイタルエリアも閉じられてシュートまで持っていけず、ダイレクトでボールを動かせていませんし、パススピードも上がらない。オーストラリアのゾーンを揺り動かして走らせることにも繋がりませんし、反対側の内田にボールが渡ると左に人数が偏ってしまったケアが出来ずに内田が持ち上がってクロスを選択するしか無くなっていました。それほど日本は足が止まってボールや相手を見ていましたし、守備に回っても攻撃に出ても同じような状況でしたから、攻守の切り替えがどうしても早くできず、フォアチェックが出来ない要素にもなっていましたし、カウンターで人数が揃わず勢いを出せない要因にもなっていました。
前半の終盤にさしかかったところでようやく日本がパスをダイレクトで動かし、縦パスや相手の脅威になるパスこそ出せていませんでしたが、素早く動かすことによってオーストラリアのチェックをさせずに後方に溜めさせて、ようやく適切な距離を保てるようになってきました。安定したキープが出来るようになれば、中盤以降の選手が飛び出して変化を加えられるようになりますし、バイタルエリアに入り込むことも出来るようになる。ただバイタルエリアへ入るボールは徹底してカットを狙われていましたし、継続していくことの難しさはフィードを入れられることでありました。オーストラリアのブロック形勢の早さがバイタルエリアを使えなくさせ、日本の選手がそこへ入るのを拒まれてしまいました。しかしフィードは徐々にキューウェルの動きを限定できるようになり、裏への飛び出しをさせずにサイドへ押しやるほど吉田がマークできるようになっていましたから、連続して攻撃を受けることにはならないよう改善できていました。

後半最初にキューウェルを走らせてしまったことからペースを再び握られてしまい、フィードを意識させられてしまいました。このプレイによって手前に落ちるボールに対して出て行けなくなりましたし、ケーヒルと近いポジションを保たれてしまうことで連携されてマークをずらされてしまいました。そこからピンチを作られ、クロスがそのままゴールかと思えるほどの場面を作られてしまいましたが、しっかりと吉田がゴールラインを割らない段階で胸を使って防げましたから、この試合はそれまでの試合とは違い、審判のジャッジは納得のいくものでした。

ただディフェンスラインが裏を意識させられてしまっている影響から、日本はバイタルエリアが空き気味になってしまいました。押し下げられた最後尾に中盤が引っ付いて下がってしまい、跳ね返したボールをフリーで持たれるケースも多く、ディフェンスライン前を誰も埋められず寄せられない場面もみられました。岩政が投入されたことでそこを埋める役割を今野がアンカーのようにして担うのかと思えましたが、長友を一枚明確にあげた4バックのようになり、今野が左から中へ絞りやすい環境を作り、高さに対する不安を軽減させているようにプレイしていました。長友のポジションをあげたことで生まれる縦の推進力よりもフィードへの対策を取れるようになったことで、中盤の選手たちが前へプレッシングのために向かって行きやすい環境ができました。右の内田も後方の人数が常に揃っていることから高いポジションを取りやすくなり、上がっても裏を使われにくくなりましたから、日本のサイドが高く保てることで幅広い選択肢をオーストラリアに考えさせることで中央を埋めていた守備を外側に引き出し、岡崎と前田が対する相手を少ない枚数にしてしまえるようになりました。中央のバイタルエリアを埋めている人数が減ったことで、縦のルーズなパスでも前田が拾えるようになりましたし、繋げるようにもなった。

縦にボールが入ることでオーストラリアを押し下げて走らせる距離を伸ばしたことで、オーストラリアは押し下げられた状態からの展開ではなかなか繋げずミスも増えていましたし、簡単には繋がせずプレイさせることでフォワードに裏へ抜けられるようなフィードの心配が減り、守りやすくなっていました。フォアチェックも出来るようになり、相手にミスをさせる守備が出来るようになっていました。ただその限定出来ている状態が、キューウェルに裏へ抜けられる要因になり、川島と一対一を作ってしまいましたが、彼が止めきってくれたお陰で失点には至りませんでした。

日本はミスからボールを失ってカウンターを許してしまい、相手を掴まえられていない状態で触られるのが続いてしまったことで、ペースをつかまれかけてしまいました。ただオーストラリアは前半のようにシンプルで素早い展開を続けることは出来ず、日本が岩政を入れて高さに対応できる環境が出来ていたこともあって、警戒をして単純に入れることができずに時間がかかっていることも多くなっていました。ただ質は変化をして、雪駄後に裏を狙えるようキューウェルとケーヒルを縦関係にしてプレイをさせてきていましたが、日本は上手く一枚ずつがマークとカバーに役割を分担して守れていましたから、大きく崩されることはありませんでした。

日本もサイドを深く使ってクロスを入れているものの、横のサポートとパスを繋げていませんでしたし、横の動きの変化もない。縦の上がりはありましたが、やはり横かがないことでマークは付いてこられていましたし、中の動きに関してもついてこられますからゴールを脅かしきれない。変化を求めるには足が動かなくなってきていましたが、これはオーストラリアも同じで、スピードがでないために緩い浮き球しか使えなくなっていましたから、日本も準備しやすく、センターバックが裏へ走らせられないことで助かっていました。

延長に入ってより、日本はサイドの部分でボールを受けられてコントロールしようとしているようでした。中央でボールを受けに戻る動きもありましたが、中央でのボールを引き出す動きのお陰で相手を引きつけられて絞らせることが出来ましたし、それによってサイドにスペースが作れて利用できていた。ただ裏へ走るフォワードが消耗からスピードが出せませんでしたから動きに合わせてパスを出せていたものの、受けることが難しく、相手を後方に走らせるだけで先にボールを触れませんでした。

そのフォワードの裏への動きへ李が投入されたことで、何度か足下へ収められましたし、相手は消耗していてそこへついていくことしかできませんでしたから、起点としての利用も出来る可能性があったのかもしれません。相手のフォワードを交代させ両者が間延びをしましたからプレッシングが出来なくなっていましたから、仕掛けが有効になっていました。日本は本田と長友がそこまでパスで構築していたところからドリブルに切り替えたことで深く入り込んでいられましたし、足が動かなくなっていた相手を苦しめていました。特に長友のスピードは相手を上回っていましたし嫌がっていましたから特に効果的で、得点の場面でも彼の突破によってゴールは生み出されたも同然で、李はフリーだったもののボレーを見事に決めてくれました。

残りの時間を日本は守りきらなければならなくなりましたが、韓国戦で一度パワープレイを経験しているお陰で慌てることなく、その失敗を教訓としてラインを下げてボールを入れられ続けられるような状況にはならず、フォアチェックでファウルをせずにサイドへ追い込んで繋がせず、相手はダイレクトでのボールを動かすプレイにミスが多くありましたから、それにも助けられました。ディフェンスラインは何とか押し上げてコントロールしようとしていましたし、プレスをかけて簡単にクロスやフィードもあげさせず、中へのパスからシュートにも詰めて体を使ってプレッシャーを与える。最後のハンドの判断こそ、危険な部分のファウルでしたが、迂闊なファウルはありませんでしたし、判断もはっきりとして逃げ切ることが出来ました。そして優勝。

DFB Pokal Viertelfinale アレマニア・アーヘン対バイエルン・ミュンヘン

2011 年 1 月 27 日 木曜日

■Alemannia Aachen 0 – 4 FC Bayern Munchen
ファン・ボメルが契約解除でミランへ移籍したため、この試合はそのポジションにオットルが先発出場をしていました。彼は守備時にバイタルエリアを埋めようとしていませんでしたし、サイドから崩されたときにそこを埋められていないことや、ディフェンスラインに入ることが出来ていないことが大きく響き失点を呼び込む形にもなっていることが多かったため、自分はこの移籍を歓迎しています。ですが、デミケリスを放出してティモシュチュクがさらにセンターバックとして起用される状態にあり、ルイス・グスタボこそ加入しましたが、この試合左サイドバックで起用されているとおりプラニッチと役割が被ることを考えれば不十分。さらにリベリーもクロースも出られませんし、ロッベンも全試合に出られるわけではないことを考えるとシュバインシュタイガーを一枚下げて起用することも出来ない。大事な試合を選手層の薄さで失うことがないよう願ってます。

バイエルンはバランスよく左右へボールを振り分けていて、特に右サイドバックのラームがオーバーラップをする回数を増やしている。それだけではなく、左のアルティントップと中のシュバインシュタイガーの距離も近く保てていますし、ラームのオーバーラップにも同様に近づいてサポートをし、中へのパスコースを用意しつつボールを動かし、相手のサイドバックを引っ張り出して裏を狙おうとしています。セントラル・ミッドフィールダーもそれに合わせて高くポジションを保ち、セカンドボールを拾う役割や、相手に拾われたとしてもきっちり戻りながら足を出すことでセンターバックが大きく張り出さなければならない状況は作っていません。ただプラニッチとオットルでは展開力とキープ力に乏しいのは事実で、フリーの彼らに預けたとしても左右へ大きな展開は出来ていません。彼らがもっとサイドのサポートへでられれば縦の連携だけではなく、もっと頻繁に横へ動かしながらシュバインシュタイガーの負担を減らせるのかもしれませんが、それは期待できませんでした。ただここへアーヘンはプレスを殆どかけてきていませんでしたから、センターバックからボールを受けることは苦労していませんでした。

守勢に回ったときにはオットルがセンターバックの前を埋めていましたさい、流れの中でもプラニッチかどちらかが残ってきちんとバランスを取れていましたし、その影でセンターバックが相手フォワードへのフィードに対しても問題なく競りに出てこられていました。サイドバックのオーバーラップが盛んなこともあって後方の人数が減りがちでゾーンが乱れがちでしたが、自分たちの前で処理することで戻ってくる時間を稼いでいましたから、危険なのは乱れたラインの裏を直接狙われることぐらいでしょうか。アーヘンがボールを持たせてくれるチームでしたし、フォワード同士が近い距離を保つことも縦関係で積極的にギャップを作ろうともしていませんでしたから、守りやすい相手だったことも幸いしているのかもしれません。

攻撃では改善が見られ、サイドアタッカーの二人がタッチライン際に張りっぱなしになることで、サイドバックと縦の連携をすることぐらいしか序盤は見られませんでしたが、中にポジションを移したことで、シュバインシュタイガーがサイドへ大きく出て行かなくても中へのパスを選択できるようになりましたし、プレッシャーを受けたときにも戻すのではなく横に動かして逃げられるようになり、より幅広くピッチを使えるようになりました。中へのポジションチェンジやドリブルでの切れ込みは相手のサイドバックを中へ絞らせる効果もありましたから、縦のコースは切られながらも、サイドバックが上がるためのスペースを作れていましたから、よりオーバーラップを呼び込めるようになっていました。停滞して縦を封じられた中での連携ではなくなりましたし、マーカーも一人だけを相手に二枚の連携が出来るようになったのは大きく、先制点は駆け上がってきたルイス・グスタボのアシストでした。

一点を取ってからバイエルンは運動量が落ちてしまい、センターバックとセントラル・ミッドフィールダーのポジションが下がり、そこと攻撃陣の距離が開いてしまい、縦パスを入れて攻撃に出ることが出来なくなりましたし、サイドアタッカーも初期ポジションを外に取りすぎてシュバインシュタイガーやマリオ・ゴメスと上手くパスを交換しながら中へ入って行けていませんし、一本のパスを裏へ通すぐらいしかできずに孤立した状態が続いていました。アーヘンにサイドからも攻められていましたし、裏も狙われていたこともあってディフェンスラインが下がってしまっていたことで、サイドバックが上がれず縦の連携も出来ないことでスムーズさを欠くことになっていましたし、停滞してしまうことでアーヘンに分離した後方に緩やかながらプレッシャーをかけられたりコースを切られることで、より前へパスが出しづらくなっていました。

後半はより積極的にディフェンスラインに対してアーヘンがプレッシャーをかけてスタートしたことで、バイエルンが抱えていた展開の難しさを突かれてしまいました。縦のコースを切られてのバックパスにも追いかけてきましたし、センターバックが自由にボールを持てないことで、近くにサポートをする選手がいないバイエルンはロングボールを多用しなければならず、繋いで変化を与えることが出来ていませんでした。アーヘンはそれを狙っているようで、プレッシングに合わせてディフェンスラインを押し上げ、コンパクトに保つことでバイエルンの攻撃を抑えようとしていましたし、攻撃に出たときの厚みと選択肢の幅を持たせようとしていました。ただ攻撃ではそれほど機能しているとは言い難く、バイエルンもフォアチェックで相手に自由を与えていませんでしたから、アーヘンも構築に自由を持たせてもらっておらず、個人のドリブルにしても裏へボールを出しても、それに関係する選手は走っていますが、ボールが来ないと判断してしまった選手は歩いていて、ボールを自らの動きで呼び込もうとする意志に乏しく、それがバイエルンに狙いを絞りやすくさせ、危険な処理の回数を減らしてくれていました。

バイエルンはカウンターからチャンスを伺うようになり、アーヘンが高い位置を取り攻撃に人数をかけていることから逆サイドが空きやすく、ディフェンスラインの裏も取りやすくなっていました。どちらも守備に多くの人数を割いているわけではありませんでしたから、フィードやパスが収めやすい状態になっていましたし、カウンターからスペースを使ったドリブルも出来るようになっていました。追いかけるアーヘンの方がよりリスクの高いディフェンスラインの高さでしたから裏への飛び出しを許していました。バイエルンは、裏を使わせないようにディフェンスラインを下げて対応したことでフィードで抜けられることこそ殆どありませんでしたが、多くの選手が上下動を必要としていましたし、クロスへの対応のため深く戻る必要がありました。そのため徐々に押し込まれるようになり、自陣内に殆どの選手を戻して守備に多くの時間を費やす必要がありました。

ロッベンが投入されてからも守勢でいる時間が多くあるため彼にボールを渡すことが満足に出来ずプレイに関与できていませんでしたが、カウンター時に彼へボールを渡すことが出来たお陰で、縦とカットインする二つのドリブルを相手に意識させ、ただでさえ逆サイドが空きやすかったアーヘンの守備をさらにロッベン側へ集められ、フリーのミュラーへ渡して追加点となるゴールを奪うことが出来ました。その後もロッベンにボールを預けることで突破とキープの両面から相手を押し下げられましたし、強く意識させることで反対側を大きく空けやすくしていました。3点目となるミュラーのゴールもまた広大なスペースがあったからこそでしたし、彼もロッベンと同様に中へのカットインをすることでマリオ・ゴメスと距離を縮められたからこそこぼれ球を拾えていたわけで、アーヘンが二失点目以降運動量を落としていたとはいえ、上手く攻撃が回るようになっていました。
クローゼが投入されてからはそれぞれが落ち着いてキープできるようになりましたし、ゴールを急がないお陰で連携して崩していける場面も増え、4点目も奪い、安定して勝利を収められました。

Copa del Rey Semi Final 1stLeg バルセロナ対アルメリア

2011 年 1 月 27 日 木曜日

■FC Barcelona 5 – 0 UD Almeria
アルメリアは前へ人数をかけて戦いに挑んでいました。ディフェンスラインも高く保ちながらプレッシングと共にオーバーラップもかけて攻撃に出てきている。特にプレッシングに関してメッシを自由にさせてしまわず掴まえておこうとする意識が強く、ボールを受けに下がってくる動きには徹底してついてきていました。そこだけではなく、シャビやイニエスタに対しても同様に自由を与えず、フィジカルコントに繋がるほどの近さを保ち、足を出して奪えるほどでした。その上他の選手がそこへのパスコースも限定していましたから、通常のようにそこへ預けて前を向き、ワイドな展開に持ち込むことが出来ませんでした。それらはプレッシングというよりはマンマークに近く、アビダルとピケ、アンカーのマスケラーノへはチェックが乏しく、そこへ長い時間ボールを持たれたとしてもイニエスタとシャビのマークを優先してコースを切り続けていました。
メッシへの縦パスも封じようとしていましたが、長時間持たせてもらえることで、ポジションを動かしてパスコースを作ることも出来ていましたし、ドリブルで持ち上がってチェックにこざるを得ない状況を作ってマークを外してパスを渡すことも出来ていましたから、大きく苦しんでいるわけではありませんでしたが、ウイングへボールを預けてからダイレクトで戻したり、素早いパスで変化をつけようとする際にそのマークが邪魔になり、パスミスを多くしてしまっていましたが、それくらいなもので、一度ドリブルで変化をつけることが出来てからは苦しむことは少なくなっていました。

シャビやイニエスタが下がってもマークを続けているものの、バルサはマスケラーノが下がってシャビが下がってこられるだけのスペースをそこに用意していましたから、アルメリアはマークに付き続けることで引き出されてしまっていましたし、他の選手にしてもイニエスタらを注意するあまり前へ出てくる意識が強く、中盤こそ十分に埋められていてもウイングに対しては注意が疎かになっていました。シャビが十分に下がればそこからロングレンジのパスでウイングへ一気にボールを渡せてしまいましたし、それ以外の選手であってもそこを省略してワイドに開いているウイングへボールを出すことも出来ました。アルメリアのディフェンスラインはそれへの対処をサイドバックのみに任せた上で、厳しく当たれておらず、下がって対応していましたから、守備組織が前後に大きく伸びてしまってバイタルエリアを空けていました。バルサの先制点はそのバイタルエリアをメッシが利用したもので、キーパーのミスもありすぐに二点目も加えることができました。
二点目の場面でもメッシが自陣に下がってボールを引き出そうとしていたことで、アルメリアのディフェンダーはそれについて前へ出てしまっていました。バルサのスローインからの展開だとはいえ、6人以上がバルサ陣内に入っており、後方に残るのは両センターバックくらいでした。バルサは中盤が下がっていたとしてもフォワードの選択肢のみを残しただけでも相手と同数、あるいは駆け上がってくる選手を含めて数的有利を作ることが出来ましたから、アルメリアがキープレイヤーを抑えるために前へ出すぎていたのは一目瞭然でした。

アルメリアがディフェンスラインとセットでバルサ陣内へ入ろうとしていれば縦に伸びることはなかったでしょうし、こういった広大なスペースも作らなかったのかもしれませんが、そうでなくてもウイングは掴まえておくべきでした。その後もバルサは安定してウイングにボールを収め、そこで前を向けるお陰で、十分にサイドバックや他も押し上げられましたし、スピードのある展開で仕掛けることが出来、三点目もそれほど時間を要しませんでした。

アルメリアも守備で前へ多くの人数を入れているわけで、攻撃にもその人数を使えますから、パスやドリブルを繋いでいけていましたし、飛び出しなどからゴールを脅かすこともありましたが、バルサがカットしてからの展開を早められていましたから、押し込み続けることは出来ず、さらにはマスケラーノがセンターバックの間に入ることでサイドバックを押し上げられていましたから、中盤の省略はより明確化して、アルメリアの守備をかいくぐることは簡単になっていました。早い段階で高い位置へ一本のパスでボールを動かし、そしてドリブルやパスでアルメリアを押し下げてしまう。支配率を高めるパスを出して揺り動かす必要が無く、それをするだけでイニエスタやシャビへのマークも緩んでいきましたし、メッシがイニエスタとポジションが被るほど近づくことで、二人についているマーカーを一人に減らしてギャップを作らせてパス交換を容易にしていましたし、メッシが大幅に下がることで徹底して下がってしまうとディフェンスラインにギャップが出来ることからそれが出来ず、受けさせてもらえた。あるいはサイドから中へのカットインをウイングやサイドバックに許していましたし、センターバックにすら許していました。マークに付かれている選手に向かって持ち上がることで、それに対応しに出てこなければならず、マークを剥がす効果もりましたし、得点差もあって不徹底になっていましたから、十分にマークは効果を無くしていました。

4点目が入ってからは、遅ればせながらウイングを抑えようとマークに出てくるようになりましたが、途中からの対応のためにタイミングが合わずアフターで当たるばかりで、止められませんでしたし、オーバーラップにも対応しようとしていましたが、ボールを持っている選手へのアプローチが薄れていましたからそれもできず、バルサの度重なるポジションチェンジに混乱をして奪うポイントを失ってしまっていました。

後半になってもバルサはアルメリアが運動量を落として引くわけではなく、継続して前へ人数を溜めてこようとしていたためにペースを緩めきれず、一定のペースを保っていました。アルメリアのマークは雑にこそなっていましたが、まだ続けられていて、シャビがそれらを引きつけながらウイングへ飛ばして渡すことで安定して形を作れていましたから、起点を抑えることも難しくなっていました。
守備に関してもスピードを上げて出てくるものの、バルサの中盤はしっかりと切り替えて足を出せていましたし、センターバックも含めて挟み込めて自由を奪って連続してパスを出させるようなことはありませんでした。攻守の切り替えから相手陣内で試合を進めようとしていましたが、バルサは起点を中盤中央に求められないことでボールの展開位置が下がるか外側に開いてしまうことから、支配率を高め続けるパスは出せませんでしたが、ウイングからの展開は速攻で利用すべき部分でしたから、攻撃が停滞してしまっていたわけではなく、相手に合わせて戦っていたと見るべきかもしれません。
ただ一点でもアウェーゴールを取ることで第二戦に望みを繋ぎたく得点を狙って来ていましたから守備を考えなければならず、ウイングが引いて自陣でのプレイが増えて、相手を間延びさせる効果も薄くなってしまいました。それに加え、ウイングへのマークが徹底されて距離が縮んだことで、受けに戻る動きにもついてこられてしまい、前半のように前を向かせてもらえず起点となれなくなっていましたし、待ち構えて前を向いて受けようとすればパスカットを狙われるようになりました。その分ウイングが相手を引きつけていられるということでもあり、バイタルエリアが空きやすくなってオーバーラップからそこへ進入していくことも出来るようになりましたが、ペースを落としたバルサが攻撃に出ることは少なく、アルメリアがフィニッシュまではなかなか持っていけないものの攻撃に出られる状況が続きました。

しかしそれも一時的なもので、相手陣内で徐々に展開できるようになり、シャビもマークを受けずに扱えるようになりましたし、ポジションを揺り動かすことでマークに付かれず相手を混乱させられるようになり、ドリブルや縦パスでそれらゾーンを崩しながら展開していくことで、的を絞らせず寄せられてもダイレクトで動かしてそれを外せていました。その繰り返しで相手陣内で展開できるほど押し込んでしまえるようになり、フォワードへの展開も許さずにカットできるようになりました。前半最初のいくつかのゴールはエステバンがしっかりしていれば、止められたんじゃないかと思わせるほどでしたが、後半は決定的な場面をいくつも止めていました。

あとは途中投入されたアフェライが得点を取れるのか、という状況でしたが、彼には強引さが無く、飛び出しもない。常に全体が見えているように、前へ出ていった選手の後方を埋めるバランスの取り方をしていて、危険な時にはディフェンスラインにまで下がって守備をする献身的な姿は見られましたし、ボールを奪われると危険になりそうな場所にも常にいました。ただビジャとの交代でウイングに入ったわけですから、そこまでバランスを取って下がり、中盤に出来るスペースまで埋める必要はないはず。ボールを持っても奪われないことを考えて前を向ききらずにパスで散らす、サイドバックの上がりをきっちり使おうとするなど、状態が見えていることではありますが、強引さや自分勝手さをもうちょっと持っていれば得点を狙えたのかもしれません。あとはプレッシャーを受けても自分のボールを譲らない粘り強さがあればバルサらしさを得ることが出来るのかもしれませんが、まだフィットするまでには時間が必要そうです。

いくつか危険な場面はありましたが、マスケラーノが幅広くカバーしていましたし、センターバックの二枚も上手く相手を挟み込み自由にさせず、抑えられていました。ペースは全体的に落ちていましたからこれ以上のスコアの変動はないと思っていたんですが、ケイタの飛び出しによって5点目を奪い、二試合合計を考えた上での勝負をより確実なことにできました。アルメリアのこの姿勢は厳しく厄介なものでしたから、敵地に乗り込む第二戦をこの楽なスコアで迎えられるのは重要な要素でしょう。

アジアカップ 準決勝 日本対韓国

2011 年 1 月 26 日 水曜日

■Japan(PK Win 3-0) 2 – 2 South Korea
日本は選手が変更された部分は右のサイドバックの内田が戻ってきたことと、センターバックの吉田が出場停止のため岩政が出場した程度の違いしかなく、キーパーを含めて選手の変更はなされませんでした。

フィジカルコンタクトは激しく寄せてくるものの、韓国のそれは日本もあまりかわらないものでした。むしろ思いっきり前線からのプレッシングに寄って日本の自由を奪いに来るかと思っていたんですが、それをしようとはしておらず、中盤に入ったボールをどう抑えるかというのを見ているようでした。それぞれの選手の距離を近く保っていませんでしたし、日本のボールの動きに合わせてマークをつけてきている印象が強く、後手を踏みながらもパスコースとポイントを絞られてしまうと寄せられて囲まれ、体をぶつけられてしまっていました。特に本田へ寄せようとする意識は強く、ボールを受けに戻ったり、収めて起点になろうとするところへ囲い込んでファウルになるほど足を出してきていましたが、全体的には動きが鈍く、日本が韓国の選手たちの間に入り込んでボールを受けられていました。パスを韓国の不安定なポジショニングの裏へ出すことも出来ていましたし、韓国のディフェンスラインはそれほど高く保っていないうえに、中盤が予め寄せていませんから、その背後には岡崎も本田も香川も入れていますし、サイドに流れた前田や岡崎が相手のサイドバックと対峙するのみでボールを触れていました。中盤を含めた複数で縦と横の両方のコースを切られているわけではないので、コーナーキックも奪えるほど縦に仕掛けられていました。

日本の守備組織の方が早く形成できていて、特にフォアチェックからセンターバックやサイドバックに自由を与えていなかったお陰で相手に繋がせておらず、不安定なフィードを相手にさせるばかりで繋がせていませんでした。一発のボールで裏へ走らせないようにディフェンスラインも縦のコースを切っていますし、サイドバックとセンターバックが抜けようとするフォワードを前後で挟み込んで安定した処理をさせませんでした。ボールを持たれてからの処理も、韓国相手に縦のコースを切って中に入られるような、スピードやクイックネスを活かされてしまう展開を許しておらず、しっかり中のコースを切って縦に走らせることで選択肢を限定して自分たちの守りやすい形を作れていました。それによってコーナーフラッグ付近にまで追い込んでクロスも満足に入れさせませんでしたし、中へ切れ込むような縦のドリブルも許しませんでした。問題があったのはサイドバック前にあるスペースから中央のフォワードへ、早い段階から裏へロブパスを入れられていたことで、それによってセンターバックが前後に揺さぶられてしまいましたし、裏への処理をしなければならないことでセンターバック前にあるエリアを使われてしまっていました。

日本はそれまで相手センターバックの前にあるスペースを使い続けていましたが、韓国はそこを修正し切れておらず、日本にそこの利用を許し続けていました。日本が相手ディフェンスラインの前で多くボールを受けられることは、韓国の中盤が戻りながらの守備を強いられることでもあり、前後で挟む形にこそなりますが、前向きなプレッシャーにはなりませんでした。日本は韓国中盤の背後を使うことで後ろ向きの処理をさせて攻撃に出られなくしていましたし、それにサイドバックが参加しなければならない状況を作ることでそこも押し留められました。日本のアタッカーは比較的高い位置を取っているためパスの距離は伸びてしまっていましたが、パススピードを早く維持できていましたし、ポジションも問題なく、予め相手が掴んでいないお陰でパスカットをされる心配もなく収められていました。
攻撃の安定から日本は守備の安定を取り戻し、自分たちの時間に出来ていました。サイドバックの前にあったスペースもボランチと連携して使わせないように動けるようになっていましたし、ウイングが押し留めていることで使われにくく出来ていました。攻守の切り替えとフォアチェックによってオーバーラップもさせない試合作りをしていましたから、韓国には裏へ一本のフィードしか選択する余地を与えていませんでした。ただその一本のフィードに対して今野のプレイがファウルを取られてPKになったのは不運としかないほどでした。それによって先制点を与えてしまいましたが、単純な裏へのボールを出されるのはフォアチェックが順調にいっていることで予測できることでしたから、後方へのケアは十分にしておかなければならなかった。ただそれを気にしすぎるあまりディフェンスラインを下げてしまうと、フォアチェックすら機能しなくなり押し込まれる要因になってしまいますから、そのイメージを引きずってはいけませんでしたし、日本は上手く切り替えて、その後は韓国にはサイドバックの外側にしか飛び出させていませんし、そこから中への展開をさせないようにきっちりとコースを閉じていられました。早いタイミングで浮き球をフォワードに出されることもなく、順調に守備は立て直せていました。

日本はしかしながら支配率を落としてしまうようになって、一時的にペースを落としてしまうことになりました。それまで全くなかった韓国のプレッシングが日本のディフェンスラインやボランチにかかるようになり、運動量を上げてそれぞれに素早く寄せてくるようになった。センターバックは時間的な余裕を持てないことからパスコースを探せなくなっていましたし、素早く動かそうとしても選手の距離が近いわけではなく、近すぎるサポートは継続してプレッシャーを受けてしまいましたから効果的ではありませんでした。ただ前線はそんな中でも有効に動けていて、香川と本田が縦の関係を作りつつキープをしたり、相手のゾーンをポジションチェンジによって動かすことでスペースを作っていました。同点に追いつけたゴールはそういったポジションの縦の変化から出来たスペースを長友がオーバーラップをして切れ込んだことで得たゴールでした。本田のキープによって相手の足を止めた腕トップスピードの長友に出してしまえば追いつかれるはずもなく、いい崩しでした。

同点になったことで一時は運動量を出してプレッシングできていた韓国も、再び足を止めて自由に扱わせてくれるようになっていました。キープを香川や本田が出来るようになったことで、ボランチの二人も安定してパスコースを探せ、より攻撃の形を作りやすくしていました。中央でボールを持てることで内田も長友も上がっていくタイミングを見つけやすく、中盤より前の選手たちもポジションチェンジをして横の変化を産み出しやすくなる。マンマーク気味の対応はそれによって厳しさを失いましたし、ポジションを相手同士で被らせて、日本の選手たちはコンビネーションで裏を使う。中で相手を引き出しつつ、相手の背後にポジションを取ることで、韓国のサイドバックを中に絞らせて、サイドにスペースを作ってしまえていて、韓国は何とか早く動くことで対応しようとしているものの、日本の運動量と動きによってそれぞれが背後を使われて視線を前後に動かしての対応をしなければならなず、防ぎ切れていませんでした。その間に日本はドリブルやパスでさらに左右への揺さぶりをかけていられますし、横の変化からギャップを作り縦パスを入れることが出来る。相手に運動量を強いることで、韓国はロングボールすらなかなか入れられなくなりましたし、繋ぐことも出来ていませんでした。理想的な崩しを期待できる状態にありましたから、前半のうちに逆転を出来ていれば楽に展開できていたのかもしれません。

後半になるとサイドバックが上がるべきスペースはウイングへの徹底したマークによって潰されてしまいましたし、中で起点を作ることで外のスペースを作っていた日本も韓国の守備組織が変わったことで中でプレイできずサイドへボールを求めに出てきてしまうことでサイドバックの上がるスペースを埋めてもしまっていました。日本の縦パスを収める位置がサイドへ移ってしまったことで韓国はそこへ重心をかけて守ってくるようになりました。オーバーラップをするサイドバックにもマークがついていましたし、サイドバックがきっちりと縦のコースを切った上で中盤と連携して守ることから縦への突破も狙えませんでしたし、中へパスを出して切り崩すことも狙わせてくれませんでした。中へ出せなければ横への揺さぶりが出来ず、ポジションチェンジも動きの変化もサイドバックの飛び出しも期待できない。タッチライン際からのみクロスを入れなければならず、タイミングもコースも限定されたそれでは効果的ではありませんでした。
前半は相手中盤の裏側でボールを受けることで安定して起点にすることが出来ていたんですが、後半に入ってからはそこの修正をされていました。韓国のディフェンスラインが高く保つと同時に中盤が不用意に前へ出すぎないような体勢を取ることでバイタルエリアを空けないように距離を縮められてしまいました。縦パスを収められない環境はそれで出来上がってしまい、さらには本田と香川にマンマーク気味にされてしまうことで、より起点を設けにくくなりました。

日本は前から守備を行って、韓国がボールを受けに後方へ戻ったり、足下での受けさせて後ろ向きの処理をさせて再びセンターバックへ戻させることも多く、前を向いてボールを扱わせない点では日本はある程度成功をしていました。サイドバックを含めてワイドな展開をさせないようにすることも継続できていましたが、いくつかの問題も出てきていて、ボールを奪う意識が強まったことと韓国の攻撃が中へ絞りつつあることから中へのコースを切って縦に走らせて安全に処理することが出来なくなり、縦のコースを切ってしまい、中へのパスやドリブルからのシュートを許してしまうようになりました。センターバックはそれの処理をしなければなりませんでしたし、裏へのボールも警戒しなければならない。ロングボールの処理もあってディフェンスラインを高く保つことが出来なくなり、フォアチェックの機能をどんどんと低下させてしまいました。フォアチェックが機能しなくなっていくとフィードだけでなく縦パスを入れさせるようになってしまい、センターバックがフォワードへのボールは裏へを第一に警戒していることから、受けに戻られてしまうと離してしまい、足下でボールを収められてしまう。ボランチの裏側で受けられて、そこから寄せるような後手を踏む展開が増えてしまったことから韓国にはオーバーラップをするチャンスを与え、それを呼び込むようになってしまいました。そのため、センターバックはオーバーラップしてくるそれらにも裏を取られるわけにはいかず、より後ろのケアをしなければならず、ディフェンスラインは下がっていく一方でした。
韓国はバイタルエリアを埋めながら攻撃を両立させるためにアンカーを入れてきていましたから、サイドバックの攻撃参加が増えてそれを日本は抑えなければなりませんでしたし、起点を作る宇野に苦労するようになっていました。

日本は何とか岡崎と前田がポジションを近く横の関係を狭めていくことで、サイドのスペース埋められていたサイドバックを中へ呼び込み、組み立ての段階で中央を利用するのではなくフィニッシュの段階でそこを利用しようとすることで、外に起点を求められるようになりました。ようやく攻撃に出られるようになったものの、ディフェンスラインを上げるほどのポゼッションを保てずミスも多くありましたから、中盤をコンパクトに保てず間延びをしてしまいがちでしたから、ファウルになる回数も多く、ペースを持続させることが出来ませんでした。前後で分離している状態ではドリブルで仕掛けることの多い韓国が有利に相手をより押し下げられましたから、日本は厚みを失ってしまい、セカンドボールを拾われて二次攻撃も許してしまい、一枚のラインでしのいでいるような場面が多く見られました。香川も交代で下げてしまったことでより、前後の分離が響いてしまうようになり、攻撃に出ようとしてもサイドバックは距離があまりにも長いためにオーバーラップを期待できる状態ではありませんでしたし、善戦でキープできたとしても停滞しがちで、攻撃の形は満足に作れないまま延長へ移らなければなりませんでした。

延長でも日本は消耗しきってしまった影響からディフェンスラインは高く保てなくなっていましたし、フォアチェックをすることで辛うじて踏みとどまっていたものの、ミスも多くカウンターを入れられるきっかけを多く作ってしまうことでロングボールの対策のために下がらざるを得ず、それ以後はその形が決まってしまいました。
攻撃面ではパスも満足に出せないほどパサーも受ける側も動けていませんでしたし、厳しさこそ減っていましたがプレッシングをされることもあって、それをかいくぐれるほどでもありませんでした。

運がよかったのは日本は前半に奪われたPKの裏返しのようなジャッジを審判にしてもらえたことで、岡崎がチャレンジしたからこそではありますが、PKをもらってなんとか逆転のゴールを決めることが出来ました。ただ審判の判断としてはこれもお粗末なものでした。

日本はリードをしたことで方針が固まり、フォワードが限界を感じさせていましたが、前へ簡単に出させないプレッシャーを与え、ロングボールを蹴るしかない状態にさせ、それを封じ込める。二列目に関してはきっちりと中盤が掴まえていられていましたし、日本は悪い時間帯のようにディフェンスラインに中盤が吸収されて厚みを失ってしまうような場面はなく、きっちりと二枚のラインを作りつつ相手の前に立ち、簡単にはボールを入れさせていませんでしたし、サイドバックの横にも中盤を入れて、サイドバックの横を縦に使われることも防いでいました。相手はどんどんとロングボールを入れるだけになり、日本もカウンターに出る場合は本田や岡崎、それと流れの中から出られる選手だけで、ゴールを脅かすことは難しいほど消耗していました。

問題は日本が相手の前に立つことが出来なくなり、フィードも縦パスも入れられてしまうようになっていたことと、中盤とディフェンスラインが一枚になってしまいがちになってしまい、厚みを失ってディフェンスライン前を使われてセカンドボールを拾われることはもちろん、縦パスからミドルシュートを打たれるようになったことでしょう。裏へ出されることも増えましたし、ロングボールを入れ続けられてしまうことで、足が止まって、足が出なくなり、クリアミスも増えて連続して攻撃を受けるようになっていました。本田と長友で時間を稼ぎ、相手の勢いを削げたのが大きく、そのまま逃げ切ることができれば最善だったんですが、パワープレイのこぼれ球を押し込まれて土壇場で同点に追いつかれてしまいました。

驚異的だったのはむしろここからで、精神的に落ち込んでしまいそうな時間帯での失点にも関わらず、選手たちは集中を切らしていませんでしたし、落ち込みも見られませんでした。PK戦になってからもキッカーには疲れが見えましたが、キーパーの川島は非常に集中をして、二本も止めてしまいましたし、ベンチを含めて勝ちしか見えていないかのようでした。

Bundesliga 19. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対カイザースラウテルン

2011 年 1 月 23 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 5 – 1 1.FC Kaiserslautern
前節バイエルンはリベリーが怪我をしてしまいましたが、ロッベンが復帰を果たした効果は大きいようでした。この試合もロッベンが先発出場でその穴を埋め、ミュラーが左に回り、シュバインシュタイガーが中央を担当してスタートをし、ルイス・グスタボがファン・ボメルとセンターでコンビを組む形でしょうか。

ルイス・グスタボは比較的ボールを引き出そうとしていましたが、積極的に中央の高い位置を取ってもいて、縦の運動量を中央でもたらせそうでした。それに加え、シュバインシュタイガーがセンターバックの近くまで戻ることでボールを引き出そうとし、センターバックからの展開を助けている場面も多く、ファン・ボメルやその二人の左右のポジショニングを見る限りでは、スリーセンターのようでもあり、三枚でバランスを取りつつフォアチェックと後方のケアを行っているようでした。

それらがきちんとサイドバックからのボールを受けられるようにポジションを取り直して、スムーズに展開を使用としていたものの、ラウテルンの思い切ったプレッシングによってバイエルンはなかなか安定してボールを持たせてもらえませんでした。ディフェンスラインは特にプレッシャーから時間的な余裕を持って展開させてもらえませんで親しそれを嫌がってもいました。ラウテルンはプレッシングから勢いよく奪いカウンターへでようとしており、サイドバックを含めて連動したオーバーラップは迫力がありました。
バイエルンがプレッシングに寄って縦の展開をなかなか出来ませんでしたし、全体をコンパクトに保てないこともあって、セントラル・ミッドフィールダーが引き出したとしてもフォワードやウイングとの距離は広く、その状態でありながらバイエルンはウイングへの縦パスを入れて状況を回避しようとし続けたため、それを読んでパスカットされてカウンターにも繋げられていました。バイエルンは素早いパス回しをしてサイドからサイドへとボールを動かせていましたし、球離れを早くすることでラウテルンのプレッシングをかいくぐれるようになり、それをさせなくなっていましたが、素早く横へ動かしているだけで、縦へ変化を入れるパスや近い距離でパス交換をしつつ前へ進出していくようなことはしていないため、ラウテルンは自分たちの陣形を維持し続けられましたし、揺さぶられることも殆どありませんでした。横パスで相手のマークを外すことは効果的に出来ていましたからポゼッションは高く保てていても位置は低く、縦パスを入れて相手を引きつけることが出来れば、サイドにスペースを作れていたのかもしれませんが、フォワードが受けに戻ってくる動きも乏しく、カイザースラウテルンはプレッシングこそ辞めましたが、そのパスが縦へ入れられるタイミングを見計らってパスカットを狙っていられましたし、ロッベンがドリブルで仕掛けること以外に変化のない単調なパス回しでした。シュバインシュタイガーが相手の中盤とセンターバックの間に入り、ボールを受けてフォワードとウイングとそれぞれのポジションを近づける助けをしなければフォワードへの効果的なパスもラストパスにもなりませんでした。
そういった点では、カウンターからサイドを中心としてドリブルで駆け上がり、中央にもスペースがあればドリブルで進入してパスを繋ぐラウテルンの方が攻めとしては得点の匂いをするものが多くありました。コーナーキックやクロスから多くのチャンスを作り、ゴールを脅かしていました。

キーパーからのキックもパントキックよりもスローによって足下で繋いでいく方を選んでいましたが、結局フィードをバドシュトゥバーが入れるなど浮き球を相手の裏へ直接入れてマリオ・ゴメスを飛び出させなければならない状態が続いていました。センターバックがハーフウェーラインを越えてボールを持ち上がることで全体をコンパクトに保ってパスが繋がるかと思えるような場面もありましたが、持ち上がると他が離れてしまうためパスが繋げずバックパスをしなければならなかったり、コースをラウテルンのフォワードに塞がれてバックパスを出すばかりになってしまったり、繋げているとはとても言えない状況になり始めていました。セントラル・ミッドフィールダーの三人がボールを引き出しに戻ったとしてもマークを気にして前を向こうとしていませんでしたから、結局バックパスで変化無くセンターバックに戻されるばかりでしたから特に効果はありませんでした。守備でもせっかくオンプレッシングでボールを奪ってもプレッシャーに負けて前を向けずにバックパスをしてしまうとか、縦に入れようとしてもカットされすぎて嫌がるようになり、タッチラインを割るミスパスを連発するなど散々でした。ロッベンが個人で切り裂いてチャンスを作らない限りはろくにゴールにも近づけていませんでした。それだけ他の選手たちはパスに頼りすぎていてドリブルをフェイントにも使おうとしていませんでしたから、変化をつけられませんでした。

ただロッベンが何度も繰り返してドリブルで仕掛けたお陰で、彼に抜かれないようにディフェンダーが距離を取り始め、そこでようやくパスが活きる展開が作れるようになりました。彼が仕掛けると見せかけて視線を集め、その間にマリオ・ゴメスが裏へ抜けつつパスを受ける。何度かその形を作れたことでラウテルンのディフェンスラインは下がっていきましたし、間延びをしていくようになっていました。バイエルンの中盤へ徐々にプレッシャーを与えられなくなり、ボールを受けて前を向ける環境ができていました。そうなると前線とパサーとの距離を近づけられ、縦パスの距離を縮めてパスカットされにくくできますし、直接裏へと狙うパスも出せるようになる。上手くセンターバックの押し上げとそれを連動させられるようになり、サイドバックへ渡されたボールも前を伺いつつ展開できるようになっていました。

流れがよくなって後半を迎えるのかと思っていたんですが、コーナーキックからのカウンターでロッベンが得点を決め、それ以上の状態を作って後半に臨めたのは好材料でした。後半開始直後にもロッベンのドリブルに意識が集中してしまっていたディフェンスラインの裏側へシュバインシュタイガーが飛び出し、中のマリオ・ゴメスへとパスを出して追加点を決めたことで、苦しい状態から脱していました。

前半から時折ポジションチェンジをしたルイス・グスタボとプラニッチは後半は明確にポジションを変えたようで、プラニッチの邦画より中盤でのバランスを取れていましたから、攻撃に関してはスムーズさを増していました。バイエルンは状況の変化をもたらしたことで、ラウテルンは、無理に前へプレッシャーをかけてこようとしてしてくる部分と、特にドリブルを警戒して裏のスペースを作りたがらないディフェンスラインとの間にスペースができはじめ、前後の分離が顕著に現れていました。前半はシュバインシュタイガーしかそこへ入ることが出来ていませんでしたが、この後半はより相手のプレッシングによる分離が大きくなったこともあって、ファン・ボメルもプラニッチも入っていけるようになりましたし、そこで受けられるようにもなっていました。ようやく素早いパスが活きる状態が出来ていたわけで、中央のその場所へパスを出すことによって相手のマークを寄せられますし、中央へゾーンが狭まればサイドバックがオーバーラップをして使えるようになる。カイザースラウテルンは攻撃に出なければならないこともあって、そこを修正できませんでしたし、守備組織が曖昧なままになっていました。ただカウンターをされてしまうと相手中盤の背後に人数を入れているバイエルンも同じように中盤の背後にスペースを作ってしまうことにも繋がるわけですから、両者に素早い展開が生まれやすい環境が出来ていました。

ミスから失点して、バイエルンは一時的に受け身に回ってしまい、ラウテルンには勢いを蘇らせてしまいました。ラウテルンの守備にもディフェンスラインを押し上げさせてコンパクトにまとまろうとする意識が出て、それまで利用できていたスペースがなくなってきましたし、フィードを多く入れられることでバイエルンの守備はセカンドボールを拾われ続けたり、ダイレクトで返せなかったり手間取ることで不安定な処理を強いられ、その間にプレッシャーを受けてより不安定な処理をさせられてしまうようになってしまいました。
徐々にその状態にも慣れて、問題なく処理できるようになりましたし、相手のプレッシャーよりも早く縦に展開をして、サイドバックを上がらせるカウンターにもでられるようになっていました。それによって相手を引き下げることが出来て、相手にやり直させることでより消耗の度合いを強められましたし、ファウルで止めさせることで連続して攻められなくもしていました。ただそれはロッベンが相手を引っ張っているからこそ出来ることだったわけで、ロッベンを交代させたことでバイエルンは速攻のポイントを失い、ラウテルンに再び攻める勇気を与えてしまいました。

なんとか失点をせずに状態に慣れてくると、アルティントップがロッベンがしていたように横へのドリブルで変化をつけられるようになっていました。カウンターから一人一人が持ち上がる距離が増えていたこともパスに頼らない状況を作っていましたし、相手に攻められることで問題点を修正できていました。追加点の場面でもアルティントップが相手の視線を集めて足を止めさせ、パスを出す。最後は相手に当たって裏にこぼれた幸運なものでしたが、しっかりとマリオ・ゴメスが裏を狙っていたお陰でゴールに繋がり、不安定な一点差の状況から脱する事が出来ました。

この一点がもたらした効果は大きく、ラウテルンの中盤は運動量がかなり落ちて連動できなくなりましたし、歩く場面も増えてしまいました。バイエルンはドリブルでサイドを突破してクロスを入れられるようになりましたし、集中を欠いてディフェンスラインを整えることもスペースを誰が埋めるのかはっきりしなくなったラウテルンの守備を突破でき、裏を狙ってパスを出せるようになっていました。マリオ・ゴメスが決めた4点目のゴールもそうでしたし、ロスタイム前にあったティモシュチュクの飛び出しもそうでした。

押し上げが全くなくなったカイザースラウテルンの攻撃をなんとか抑え、試合終了間際にも追加点を決め、苦しみはしましたがスコアの上では大差の勝利になりました。