2010 年 12 月 のアーカイブ

Bundesliga 15. Spieltag シャルケ04対バイエルン・ミュンヘン

2010 年 12 月 5 日 日曜日

■FC Schalke 04 2 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルンはファン・ボメルが怪我から復帰を果たして先発をしたものの、センターバック二枚がベンチにデミケリスとヴァン・ブイテンがいるにもかかわらずティモシュチュクとブレーノの二人で構成されていました。左サイドバックもプラニッチがベンチ入りしているもののコンテントを先発させるなど不可解な起用が目立っていました。

シャルケはそれほどプレッシングしてこず、前節大敗した影響を強く感じさせるほど活気がありませんでした。前からの積極的なプレスがないため、バイエルンは後方からでも自由に繋がせてもらっていました。ファン・ボメルやシュバインシュタイガーの所には若干寄せてくる動きはありましたし、コースを限定して塞ごうとする意図も見られ、前からの守備を放棄して足を止めてしまっているわけではありませんでしたが、それでも下がって受けようとする動きに徹底してついてこようとはしていませんでした。バイエルンの後方には緩かったものの、一つ前に入ってしまえばプレッシャーをきつく与える方針をとっているようで、特にウイングに対してサイドバックが密着して受けさせなようにしているのが顕著でした。内田はリベリーとマッチアップしていましたが、最初のプレイから強く当たって自由を与えないようにしていましたが、不必要なほど強く当たってい待っていました。そこに代表されるようにシャルケは前方へのプレッシングよりも、縦へボールを入れられたときに強くプレッシングを仕掛けようとしていましたが、この時点ではまだ組織的にスペースを埋めてマークするというよりも、基本ポジションを個人が埋めている感じが強く、特にバイタルエリアは空いてしまっていました。

バイエルンはシャルケとは逆に前線から積極的なプレスを与えていて、センターバックにも時間的な余裕を与えていませんでしたが、その分ひとつ抜けられてしまうとプレスが途端に緩くなり、特に後方から上がってくる選手を掴まえ切れておらず、フリーにしてしまう傾向がありました。そこを利用したシャルケが徐々に形を作りつつあり、守備でもボールサイドへすっとゾーンを移しながら全体の距離をコンパクトにし始め、相手とマーカーの距離が開いていたのが狭めて掴まえておけるようになっていました。バイエルンが裏を狙ってボールを何度も狙っていたこともあってセンターバックはフォワードらを掴まえていませんでしたが、裏へのボールは防がれていました。それを何度も防がれてしまったためバイエルンは裏へのボールを送る回数を減らしてしまい、センターバックとアタッカーの距離が縮まり、バイエルンはより攻撃の手を限定されてしまうようになってしまった。唯一その時間帯でフリーにさせてもらっていたのは、シュバインシュタイガーで、クロースをセントラル・ミッドフィールダーへ、そして一枚ポジションを上げた彼がフリーになることで視線を集める役割を果たしていましたし、そこからの展開も狙えそうでしたが、ミュラーもリベリーもタッチライン際にピタリと張り付いているばかりで、シュバインシュタイガー一枚ではそれらとの間を取り持つことが出来ず、さらに彼が動いた後に出来るスペースもクロースやファン・ボメルが利用できていないことで、サポートも得られないほど選手間の横の距離が開いて孤立していました。カウンターになったときはそれだけ距離が開いていることで中へ絞って対応しようとするシャルケの外側を利用できてチャンスに繋げていましたが、ウイングが役に立ったのはそれぐらいでしょうか。

シャルケも攻撃の形が出来ているとはいいがたく、ボールを前へ蹴ってラウールやフンテラールに頼む、そして裏へ抜け出してもらおうとするばかりで、自分たちで形を作れていませんでした。ボールを支配して人数をかけることが出来るのは、バイエルンの横パスをカットしたときくらいで、深く入り込んでのクロスは選択せず、アーリークロスや長いフィードを中心としたボールを早めに中央へ出そうとしているばかりで、バイエルンの不安定なはずのセンターバック二枚に的を絞りやすくしてもらえ、ディフェンスラインを大きく崩して処理させてくれるほどでしたし、二枚が同時に飛び出していたり、崩れたディフェンスラインのギャップを利用するような他の選手もいなかったことでバイエルンは助けられていました。シャルケは特にフォワードの二枚に絡む選手が足りておらず、ラキティッチも低い位置や左を担当していましたし、エドゥも遠かった。フラドが多少近く保っていましたが、それでもフンテラールとラウールの距離と比べることが出来ないほど遠かったため、チャンスも殆どありませんでした。

リベリーは一時的に下がったことで内田からのマークを逃れてボールを触っていましたが、左サイドから動くことは殆ど無く、すぐにエドゥらにマークされてしまうようになりましたし、ポジションをあげれば内田がしっかりとマークしていた。彼の運動量はとても少なく、流れに絡もうとする意識も見えてこず、試合から消えることを選択しているようでした。内側にポジションを動かしたりボールを受けに下がってドリブルを使ってくれれば、シャルケがクロースとシュバインシュタイガーの二人がポジションを変えながら動いたときには掴まえ切れていなかっただけに、効果的な変化をもたらせていたはずなんですが、そういった動きは一切無く、ラームが一度したドリブルからの進入が相手に混乱をもたらした程度でした。

後半になってもウイングがタッチライン際から離れようとせず、修正も見られないバイエルンとは対照的に、シャルケは後半最初にあった決定的な場面のように修正をしていました。チャンスの形自体はまたアーリークロスからのものでしたが、今度は中央の裏へ抜けようとする選手に合わせたものではなく、ファーサイドを狙ったものでした。バイエルンの右サイドはラームで高さに問題がありましたし、何よりサイドバックが絞った外側のサポートがないのが今のバイエルンですから、穴を利用していました。それだけではなく前半はあまりに遠かったフォワードとミッドフィールダーの関係も近く保たれていて、ヘディングで直接ゴールを狙うのではなく、落としてシュートを打たせるほど近く保っていたことで修正されていたのは明確でした。

ただそれが何度も続けばよかったんですが、バイエルンによって押し込まれた結果シャルケは前後に距離が開いてまた前半のように裏ばかりを狙うようになってしまいました。前半同様にセンターバックが一枚大きく下がってラインを崩してでもカバーに入る。選択肢は相変わらず一つだけの時間が多かったんですが、先制点を挙げた場面では、ラウールとフンテラールの二枚が同時に飛び出したことでバイエルンがそれまで二枚で挟むことで何とか守れていたのをさせていませんでした。それ以上に大きかったのは、ノイアーのとんでもないパントキックのフィードとそれをした判断だったのかもしれません。二枚同時に飛び出されたことでバイエルンはろくに対応が出来ず何とか止めたものの結果的には抜かれて上がってきたフラドがこぼれ球を押し込みゴール。
フンテラールがラウールを怪我させてしまったために交代を余儀なくされてしまいましたが、その後の展開を考えると投入されたファルファンも大きな効果をもたらしていました。彼がサイドでキープをしてくれるお陰でそれまで前へ前へと急ぎすぎていた部分にブレーキをかけ、全体が伸びきってしまわず、サイドで連携できるほど人数をかけられるようになりましたし、バイエルンは迂闊に飛び込んで奪えない状態を作れていました。

バイエルンはファン・ボメルの運動量も足りず裏へのケアも足りず守備の貢献もありませんでした。パスを左右へ散らす役割も、大きく開いたウイングへボールが渡っておらず縦への突破も見られない状態では貢献しているとは言えず、ポジションを入れ替えているクロースとシュバインシュタイガーの効果も序盤こそマークに付かれずフリーにさせてもらっていましたが、慣れてからはそこも利用できていませんでした。むしろシュバインシュタイガーへ収めようとする動きが読まれていてカットを狙われたり、マリオ・ゴメスと共にそこへ厳しく向かってこられて受けに戻っても受けられない。バイエルンも収められる部分に関しては限定的で、シャルケが先制点を取って中に人数を入れられるようになり、フォワードとミッドフィールダーが近く保てるようになったこととは対照的に攻撃の形を失っていました。そしてシャルケはクロスから中に入っていたヘーヴェデスがゴールを決め、流れの中でもフラドが1トップの下に入るような時間が多くなり、リードもあって縦に急がなくなったことで、バイエルンに流れはなくなっていました。

バイエルンは数試合良い結果が続いていましたが、この試合の展開はファン・ボメルの復帰と共にシーズン序盤の駄目な時期に逆戻りしたかのように運動量がなく、サイドアタッカーが孤立していてサポートが無く、シュバインシュタイガーを一枚あげても彼が左右へ流れている間に他がサポートに出てくるわけでもなく、左のリベリーがいくらか中に入るだけでも効果はあったんですが、内田を引き剥がすことも出来ず、スピードもドリブルもない。コンテントが上がってマークを引きつけても、ファルファンとクルーゲが守備の受け渡しをして支えられてしまっていましたし、何よりそのマークの受け渡しよりもパスの展開とバイエルンの動きが遅く、全く駄目でした。

シャルケが守備的な選手の投入をして守備を固めてからようやくバイエルンも修正に入ったんですが、交代したのはファン・ボメルとプラニッチ。プラニッチはよく動いていて、前後の繋ぎを出来るほどの運動量とボールを受けるためのマークを外す動き、球離れもよかったですし、サイドに出て行くことでバイエルンは左でコンテントとプラニッチがようやく連動できるようになって縦の連動が見られました。しかしあまりに遅い交代で、流れを持っていかれてキープもされていましたし、守備を固めるための交代もされていましたから、中盤の底でバイタルエリアを埋める選手まで追加されて利用できるスペースはなくそれぞれが掴まえられるようになってしまい、中央は厚く守られてしまっていました。

そしてバイエルンは、ミュラーもリベリーもサイドに張り付いているばかりで利用できず、クロース、プラニッチ、シュバインシュタイガーが引き出しに動いても、ボールが渡るのはそこからサイドバックの所まで。ウイングにまではボールが殆ど渡りませんでした。ミュラーは終始サイドに張っているだけで中の選択肢の追加やボール回し、あるいは縦パスを収めるポイントになろうという意識が無く、リベリーにしても義務的に戻ってきているだけで受けた後の選択肢もなく戻って受けてバックパスをするだけ。リベリーがボールへまともに触るようになったのは最後の10分ぐらいでしょうか。シャルケが、数が揃っていて、リードしていて、疲労があって、という状態でマークを徹底しなくなったから触れるようになっただけで、そこからの突破を出来ているわけではなく、混乱を与えられるのはさらに時間が経過してからでした。

最後にはパワープレイをバイエルンは選択していましたが実を結ぶことはなく、マリオ・ゴメスの惜しいシュートもありましたが、ノイアーの引き立て役に過ぎませんでした。

Liga Espanola Jornadas 14. オサスナ対バルセロナ

2010 年 12 月 5 日 日曜日

■Osasuna 0 – 3 FC Barcelona
バルセロナは今節空港がストライキによって止まってしまい、鉄道とバスを利用した移動を強いられていました。しかも試合開催日時も日曜なのか土曜なのかすらはっきりとせず、火山のミラノ遠征以来、最悪のコンディションで試合に挑まなければならなかったと言ってもいいのかもしれません。その上相手がバルサにとって苦手な部類であり、カーサで強いオサスナ。天候も悪く冷え込んでいて、ウォームアップすら時間をろくに取れない環境ではかなりの厳しさがありました。

最悪のコンディションでのスタートは先手を取られることに繋がり、まだ動きが硬いスタートを狙われたかのようにオサスナに盛んなチェックを受けていました。ディフェンスラインに時間とコースを与えないほど前からプレッシングをしてきていた。クラシコのマドリーのようにラインを高く保ちながらも数人だけでそれを行っているのではなく、ラインも高く保ち全員が前から行く共通理解を持ってそれを行っていました。フォワードと中盤は積極的にコースを塞ぎ追いかけ、オサスナの最後尾も前へ苦し紛れに出されるパスをカットするために足を動かしていました。
バルサはその圧力にやられ、ポゼッションも安定せずに、本来であればマークを受けないように動いてそれを引き剥がす動きをしてボールを回していくような状態であってもそれを引きはがせず、ボールとそれに関係する一人が動いて引きはがせていても、それ以外の選手は足が動いておらずマークに付かれたまま。そのため複数のパスコースを用意できず、オサスナに狙いを絞りやすくさせてしまっていました。動きが少ないことでコースを探す時間を必要としてボールを離すタイミングが遅くなってきていましたし、それはオサスナの体を寄せる守備にとっては好都合な状態でした。

バルサはその状態でありながらサイドバックを高く上げて何とかポゼッションを高めて、自分たちの時間を作ろうとしていました。ただミスの多さがポゼッションを高める障害になっていて、反対に奪われたり、ミスから失ってサイドバックの裏を多く使われてセンターバックのピケが特に多くサイドに引き出されることに繋がっていました。そうやってサイドを多く使われながら縦への突破を狙われていましたし、バルサはアンカーやウイングサポートに戻るような時間を与えてもらっていませんでしたから、ピケが外に出てしまうと中がプジョルとアビダルしかおらず、クロスへの対応には常に危険がつきまとっていましたが、アビダルの的確な対応によって失点には至りませんでした。それ以外にもバルサはディフェンスラインを整え切れておらず、裏へ抜ける動きを多用されていながら、それへの処理をどうするのか、誰がカバーをするのか、それともキーパーが処理をするのかといった判断が曖昧で不安定なまま中盤まで進めていました。

ある程度ボールを回せるようになってきたことで、支配率を高めてボールを動かしていくことでそれと連動して徐々に人が動くようになり、オサスナのチェックを止めさせ、自分たちのウォーミングアップかのように徐々に動きの鈍さを改善させていっていました。ただ判断や動き、パススピードの遅さは元に戻し切れておらず、個人技によってマークを外す、あるいはフィジカルコンタクトをかいくぐることでようやくチャンスを得られるだけでした。その中で目立っていたのがペドロで、この試合は左にポジションを取っていたペドロはよくマークを引き剥がすための動きをしてボールを得ていましたし、運動量豊富で守備で深くにまで戻ることもしていました。彼が活発に動いて序盤を引っ張っていたといってもいいのかもしれません。それほど頑張りが目立っていましたが、全体としては攻撃の部分での運動量は依然として出せておらず、動けていないことが攻守の切り替えでプレッシングをかけられないことにも繋がり、オサスナに裏へのボールを出させてしまい、戻されて前に人数をかけられない悪循環を作ってしまっていました。
前からのプレッシングによってボールを持たされている時間が長く、ディフェンスラインからボールを前に出せないでいました。受けに戻るピボーテにもサイドバックにも人をつけられていて、出し所が無く危険なパスをしなければ無くなっていましたし、ビクトル・バルデスがした相手へパスをしてしまった失点へ直結してしまうミスもその悪循環の中で生まれてしまいました。相手のシュートミスに助けられましたが、あそこで先制点を奪われてしまっていたら、この試合は非常に苦しいものになっていたと予想するに難くないほど危険なミスでした。

バルサは状態が悪いながらも徐々に運動量を増やしてフォアチェックから縦パスを選択させないようになり、縦パスを選択させてしまったとしても裏へと直接出させなくなりましたし、フォワードへ収めさせようとするような苦し紛れのパスを多く出させるようになっていました。自分たちの手前でプレイさせることが出来れば、センターバックの二人がパスカットを狙えるようにもなりますし、そうなれば連続した攻撃に繋がり、プレッシャーを感じずディフェンスラインでもボールを扱え、安定した展開に繋げられる。良い状態が一度出来上がると相手には掴まえられにくくなっていましたし、マークを引きはがしつつ動きながらボールを受けられるようになっていきました。そしてメッシを掴まえられず、ポジションの把握が出来ていないことからバルサはそこで一つ納めるテンポをもらえていましたし、それ以外の選手もボールをもらいに戻る動きにぴったりと背後から引っ付かれるようなこともなく、徐々に先手を取れるようになっていました。ボールを受けながら前を向けるようになってきていましたし、そこからすぐにパスを選択できるほど選手の距離も保てるようになっていました。そしてメッシからペドロへとパスが出て先制点に繋がり、ようやくバルサはリードを奪えたことで苦しい試合内容から解放されていきました。

先制点以降はポゼッションを高められてオサスナをある程度低く押し留められるようになりましたし、裏へ走らされる回数も減らして掴まえやすい環境を作れていました。ただそれを前半の残り時間継続できなかった所にコンディションの悪さが見え、オサスナに一時的にペースを握られてしまうと、裏や縦へのカウンターを受けるようになり、再び背走しなければならない回数も増えていましたし、特にクロスへの対応は中央に人数を揃えられず相変わらず危険なままでしたし、単純なミスも含めて、相手にペースを与えてしまっている時間がいつもより長くありました。
攻撃面でもそれは多く見られ、ビジャが何度も飛び出そうとしていましたが、前半はボールがまるで出てきませんでした。クラシコではあれだけ多くのパスが出ていたんですが、この試合では見てもらえていたようでしたが、パサーとのタイミングが合わなかったり、あるいはパサーが躊躇してしまうことで駆け引きと飛び出しの動きだけで実際にそれがプレイとして繋がっていませんでした。ミドルレンジのパスが出せないことで、オサスナに前へ出る守備を徹底させて守られる要因にもなっていました。

後半になっても守備の部分で、サイドを使われてからのクロスが危険に感じるのは変わらず、最初に入れられたアーリークロスも致命的なものになっていました。中にいたのは二人だけ。ウイングのポジションが、ペドロを左にして、ビジャを右、あるいは中央気味に置いていることが特にダニエウ・アウベスのサイドで守備の脆さに繋がっているようで、守備の貢献が少ないことでピケが開いての処理を多く強いられ、中の人数が少ない、整っていない中でクロスを入れられていることに繋がっているのかもしれません。
またそれ以外でも前半と同じく後半の序盤もペースが掴めず裏側にボールを出されて後方に走らされての処理を何度もしていましたし、キーパーやセンターバックにも時間を与えてもらえず、不安定なキックも増えていました。

右サイドバックの部分はダニエウ・アウベスに若干自重させるようにしたことと、セルヒオ・ブスケツが早めにケアをするようにしたことである程度の対処になったようでしたが、最後尾でのパスミスは多いままで、この試合は自陣深くの危険な位置でミスをすることが多く、ミスをさせられていることもありましたが、ミスを自らしてしまっていることの方が多く感じられていました。それが失点に直結していないのは、オサスナがそまでで体力を消耗してくれているからボールが転がってきてもそれ以上のスピードアップをできないお陰なのかもしれません。

オサスナは前からのプレッシングと引き替えに体力を消耗して二枚のフォワードを交代させたことで、攻撃に出ようとしたようでした。パンディアーニもそうでしたが、プレッシングに力を発揮するフォワードではありませんでしたから、オサスナの中盤が高く保ってより運動量を出さなければそれまでのようにバルサを苦しめることは出来ませんでした。それでも十分すぎるほど彼らは動いていましたし、それらに翻弄されてバルサはそれぞれの距離が開いてしまってパスコースを保てず複数用意できていませんでした。サイドチェンジして逃れようにも、運動量が低下していて中の動き直しが遅く、相手がゾーンを整える速度とあまり変わらず効果的に揺さぶれていませんでしたし、また苦しい時間帯を向かえていました。

助けられたのは、カウンターパスからメッシが抜け出して一気にゴールを奪ってくれたことで、彼のお陰で余裕をようやく手に入れることが出来るようになり、フィードや浮き球が多く競り合いが発生する要因になっていたバルサのパスが、細かく距離を保ったショートパスで繋ぐようになって、それぞれの距離も近く保てるようになっていましたし、ボールを奪われそうなマークを受けた状態でのプレイも減っていました。ポゼッションも高められていましたし、ディフェンスラインとキーパーとの関係もよくなっていましたし、切り替えも早くがむしゃらに追いかけてスピードアップしていました。それが守備の寄せにも繋がり、相手に裏へボールを出させず、自分たちのエリアでボールを処理していられるようになりましたし、オサスナにボールを持たせず、ろくな攻撃をさせず、クロスも入れられなくなった。オサスナは序盤からの運動量を必要とする戦術が祟ったのか足が止まりかけで、ドリブルにも足が出ず、体を寄せることもままならなくなっていました。オサスナは攻撃に出ても裏へボールが出せず、フォワードも裏へ走らせるのではなく、収めるような人選になっていましたからなおさらその傾向が強く、バルサはこの時間から余裕を持って進められていました。

最後にメッシがペナルティエリア内で倒されてPKを得て、それを落ち着いて決めて三点目を得たことで試合は決まりました。

全体を通してみればあまりにもバルサらしくないミスの多さや、選手同士の距離もちぐはぐで、それだけでもバルサのコンディションが悪かったのが解るほどでした。しかしその状態であっても勝ってしまうことが驚きで、ただビクトル・バルデスのミスを決められていたらこんな展開にはならず、相当に苦しく、あるいは負ける展開になっていたかもしれない、と思うほどオサスナはバルサに対応する準備をして、徹底をしてきていました。