Liga Espanola Jornadas 11. バルセロナ対ビジャレアル

■FC Barcelona 3 – 1 Villarreal CF
両者共にフォアチェックを守備の基本方針として試合に入っていました。ビジャレアルはそれを組織的に行っていて、それぞれが奪うために足を出したりぶつかりに行くものではなく、しっかりとコースを塞いでカットを狙うものでした。ドリブルのコースも不再議つつサイドへ押し出しながらパスカットを狙う。ディフェンスラインを高く保ち、前がかりになりがちな部分を支えてバイタルエリアにスペースを作らず、バルサにそこへ入らせていませんでした。パスコースの切り方もドリブルでサイドへ押し出して奪うための組織的な動きも見事でしたがそれをするが故に、ドリブルで外から中への動きで一人抜きかいくぐることが出来てしまえば、他がカバーのために寄せなければならず、それまでのバランスを崩してしまうことにもなっていました。また、バルセロナはこの試合はドリブルで仕掛ける、あるいは飛び出しのような積極的な動きが目立ち、不調時に多い相手の手前でのみパスを回すような消極的な動きではないことが、ビジャレアルの守備をかいくぐれた要因のようでした。

バルセロナはプレッシングをかいくぐれるようになったことで、パスや仕掛けで押し込んでしまい、特にドリブルやコントロール、キープの部分を相手に警戒させることに成功して、迂闊な寄せをさせないようにして自分たちの間合いを作ることに成功していました。ビジャレアルは仕掛けられてバイタルエリアを使われたりそこから裏へのパスを狙われることを警戒し、フォアチェックでコースを限定できなくなったこともあってリトリートしやすくなっていました。それがバルサにとってはボールを動かせるエリアの増加に繋がり、低い位置での自由度を増やしていました。それによってより仕掛けられるようになっていましたし、ビジャレアルがゾーンを偏らせてスペースを与えないようにして守ろうとしているのをサイドチェンジを多用することによって揺さぶって横に走らせて、崩す準備をしていました。

バルサは特にこの試合では攻守の切り替えが早く、攻撃陣が相手を押し込んでしまえていることがその要因の一つでしたが、だからといって全員が相手のディフェンスラインに入ってしまうほど前がかりになっておらず、足を止めてパスを回しているのではなく、飛び出しを含めて動けていたことが守備に回ったときの早さを生みだしているようでした。適度にセカンドボールを拾い、攻撃時には再展開を狙える位置にシャビやイニエスタらがいることで厚みをもたらしていましたし、サイドにも開きすぎず、かといって絞りすぎてもいなかった。そういった全体が動きながら厚みを持てている状態で押し込んでいるため、ビジャレアルには厚みが無く、攻撃に出ようとしたときにロングボールをフォワードへ当てるか、最後尾の危険な位置から選手を押し上げるためにショートパスを繋ぐかの選択をしなければならなかった。そこで大きく蹴り出すことよりも繋ごうとしたことで切り替えに引っかかりやすくなっていました。

ただ押し込んでいる環境でもビジャレアルはきっちりとディフェンスラインと下がった中盤がゾーンを構築して必要以上に被りすぎないようにしていましたし中のスペースを消していた。バルサの高さのない選手たちではクロスからの得点は狙いづらく、グラウンダーのパスで中へ渡すしかありませんでしたが、中にバランスよく人が入っているために捕まりやすく得点を取れそうにはなかった。だからこそカウンターでのチャンスになったのは大きく、ビジャが得点を取った場面は中の人数が揃えられずカバーが追いつかない理想的なものでした。

残念な事はその後のメッシの抜け出しは微妙なものでもなくオンサイドだったんですが、それをオフサイドの笛を吹かれて阻止されてしまい、二点目を取れるチャンスを審判によって阻止されてしまった。その判定への不満が残っている中でニウマールにパスをフェイントに使われてドリブルで崩されて同点にされてしまったことで、バルサは一気にバランスを崩してしまっていました。それまで出来ていた動きの殆どが鈍くなり、全体の攻守の切り替えも鈍くなっていました。パススピードや追い越していく動きや受けに戻る動き、縦の展開スピードと球離れが悪くなってしまい、ダイレクトでそれまでは動かせていた位置でもタッチ数を増やさなければならないほど選手の距離が遠くなってしまっていました。前へ人をオーバーラップさせられないほど動きが鈍くなっていましたから、攻守の切り替えでプレッシャーをかけていたエリアが下がってしまい、ビジャレアルをそれまで押し込めていたのがプレイエリアをあげさせてしまい、裏へのパスを許してしまうことやニウマールやロッシがボールに触る回数を増やしてしまいました。そして前向きの守備ではなく後ろに下がらなければならない展開を多く作られてしまうようになり、序盤にもあった裏への対応の不安定さを再び感じさせてしまうようになっていました。

ハーフタイムを挟んでもそれを改善することが出来ず、バルサは後半開始からセンターバックに持たされる回数が増えてしまい、中盤が下がって積極的に引き出そうとしていないことも一つの要因で、最後尾から変化をつけたり、安定して前へ運べないこともそれぞれのマークの距離を縮めさせてしまう要因になっていました。運動量が減ったことで予め寄せられていて密着されて受けづらく、受けてもコントロールしづらくなってしまっていました。守備の部分でも前半はオーバーペース気味だったフォアチェックもメッシやビジャらは動きを落としてしまって相手からすぐに奪い返そうと出来なくなってしまっていました。出来たとしても奪うポイントを定められないほどビジャレアルに安定して持たれる余裕を与えてしまったことで、より背後へのボールを恐れなければならなくなっていましたし、それを警戒してしまうためにセカンドボールを拾える位置よりも後方に多くの選手がポジションを取るようになってしまってより切り替えが上手くいかなくなっていました。

幸運だったのはまだペースを取り戻せていない状態だった中で、フリーキックからのクイックリスタートでメッシとペドロだけでゴールできてしまったことで、あの得点によってバルサはペースを取り戻していけるようになっていました。ビジャレアルががむしゃらに向かって再び抑えて、自分たちの時間を取り戻そうとしていきたものを、うまくパスを連続して動かし寄せられないようにしてしまいましたし、守備ででもビジャレアルにパスコースを譲らないように前からのプレッシングとパスコースの限定をして繋がせないように復活していましたが、徹底の具合と相手の余裕は前半のそれと同様ではありませんでしたから、危険も含んでいました。前からのチェックによって後方との距離が開いてしまってディフェンスラインの前を利用されやすくなっていた。スペースを埋められる存在やセンターバックが本職であったり裏への動きに強ければ問題なかったのかもしれませんが、アビダルとマクスウェルの部分が特にそれに弱く危険でした。象徴的な場面として、マクスウェルにイエローカードが出た部分がそうでしたが、あれは状況を考えれば退場になっていても当然のプレイでしたから前半苦しめられた審判にあの場面では助けられたとしか言いようがありませんでした。

バルサのプレッシングはそれでも足を出せるほどに勢いを増して近づけるようになり、ビジャレアルは球離れを早くして逃れることが出来なくなっていました。ただ途中交代で入ったマルコス・セナが意識的にボールをダイレクトで動かすことで逃れようとしていて、始めこそただダイレクトで動かしているために前へ運べず効果的にプレスをかいくぐれず、むしろプレスの中でボールを動かしているだけのようでしたが、徐々にそこで作ったリズムを前へ運ぶことが出来るようになっていき、バルサはプレッシングをかいくぐられてディフェンスラインと同じ位置でプレイさせられたり、横や裏を狙われるようになって特にマクスウェルが動きを悪くして途中投入のモンテーロを中心に苦手な裏への対応を多用させられて危険になっていました。

そのままのスコアであれば非常に危険な内容だったんですが、メッシのゴールが認められたのは試合内容からすると非常に助かっていました。前半はオフサイドに泣かされていましたからここでオフサイドを取られなかったのは大きく、リプレイを見る限りではオンサイド。カメラアングルからすれば微妙に見えますが芝の目からするとその判定で良さそうでした。この判定はともかく、この試合は重要な局面だけではなく細かい部分でも判定に疑問符がつくようなものが多くありましたから、どちらにとっても重要なものを左右されてしまう、審判によって決められてしまう残念なものでした。ただバルサにとってはこのゴールは大きく、その後の交代をしてマクスウェルの裏を狙われていた部分もケアしていましたし、最後まできっちりとプレッシングをしたのは大きく、少し守備の危うさはありましたが、ビジャレアルを相手にここまでの動きを出来たのは今後に向けて希望の持てる内容でした。欲を言えば、判定と失点からペースを大きく落としてしまった部分がなければもっとよかったのですが、それは欲張りすぎ。

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