2010 年 11 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 13. バルセロナ対レアル・マドリー / クラシコ

2010 年 11 月 30 日 火曜日

■FC Barcelona 5 – 0 Real Madrid
試合へはバルサが常に先手を取って入っていました。まずはプレッシングで押し込んでいましたし、サイドからの攻撃でアタッカーを押し下げてしまっていました。

マドリーはクリスチアーノ・ロナウドが左にポジションを取ってスタートすることが多いんですが、この試合のスタートは彼を右に回して左にはディ・マリアを置いて、バルサの右サイドにいるダニエウ・アウベスと場合によってはメッシの攻撃力を警戒して守備には奔走しないクリスチアーノ・ロナウドを右に回したようでしたが、結果としてはそれは逆効果になっていました。バルサはアビダルにバランスを取らせて中央にスライドさせて守らせる形を取ることでダニエウ・アウベスのポジションをあげられるよう対策を取っていましたが、それは相手がクリスチアーノ・ロナウドなら数的有利を作れる攻撃でしたし、そうでなければそちら側に回ったサイドアタッカーを下げられる攻撃でした。
ディ・マリアはバルサがボールを持っているときにはダニエウ・アウベスをフリーにしないようについていくよう指示をされていたようで徹底してマークをして下がってしまったためにディフェンスラインに吸収される事態になってしまい、いくつかのクラブがしてくるような、カウンターでダニエウ・アウベスの裏を利用することで上がらせない方法をとっていませんでした。そのため、ディ・マリアとマルセロ、そしてピボーテがそこで守らなければならず、人数をかけるはめになっていましたし、そこで奪えたとしても縦にボールを出せる選択肢が無く、カウンターには移れていませんでした。

マドリーはバルサに中央でボールを回させないようにしっかりとバイタルエリアを閉じて中央を固め、ディフェンスラインをワイドに広げずサイドアタッカーを下げることでサイド攻撃に対応しようとしていました。それは後手に回った守備だったんですが、中央で自由を与えないようにするためにはラインを高く保たなければ中盤までエリアをカバーできないため、ディフェンスラインと中盤の間隔は狭めながらも予想以上にラインを高く保って試合へと入っていました。そのためバルサは試合開始直後から数本の中長距離のパスで裏を狙いラインを下げさせようとし、効果を上げてディフェンダーとミッドフィールダーの距離を広げてそこへ入れるスペースを作り出していました。
何度かバイタルエリアに入ってボールを受けて展開を目指そうとバルサがしたために、マドリーは本来中へ入ってくる選手を抑える役目のピボーテがそれを行えず、センターバックが対応にでなければならなくなっていました。それが受けるときだけであれば問題なかったものの、ボールを受けるために下がっていく動きに対してもマークの受け渡しが出来ておらず、センターバックがそのままついて行ってしまっていた。それが先制点の時にはギャップを作ることとスペースを作って入られることにも繋がっていました。シャビの飛び出しはオンサイドであっという間の先制点を取ることが出来た。

バルサは安定して守っていて、ロングボールを直接ディフェンスラインの所へ入れられたときも、一人が対応して、残ったもう一枚のセンターバックとサイドバックがさらに後方に下がってケアをする。そらされたり裏へ抜けたときの対応も出来ていました。マドリーが人数をかけてフィードから裏を狙ってもいませんでしたし、片方のサイドはバルサの攻撃によって大きく下げられてしまっていましたから、いつものような人数をそこへ用意できずフィードをそらせたとしてもチャンスになるほどではありませんでした。それに加え、カウンターへのスピードを上手く殺していてドリブルをされても中へ入らせないように徹底してコースを切り続けクリスチアーノ・ロナウドを停滞したドリブルにまで追い込み、揺さぶられていませんでした。もしイグアインが出場していれば二人のスピードが脅威になたのかもしれませんが、ベンゼマでしたし、何よりも他に意識を取られるような選手のオーバーラップがありませんでしたから、停滞させることが出来、中の人数を揃えて守ることが出来た。マドリーの連携は出来たとしても横の連携であって縦ではなく、複数の連動した動きではなく個々の頑張りでした。

バルサは懸念していたようなことにはならず、シャビ、イニエスタ、メッシが同列に並ぶ場面は少なく、そこでボールをコントロールしながらも誰かがバイタルエリアに入っていましたし、飛び出していく裏を強く意識したプレイを続けていました。それに加えて、マドリーが固めたブロックの外側、ピボーテの外側でサイドバックの手前であったり、あるいはサイドバックの外側の利用をしていた。お陰でマルセロは中央を固める役割に参加できませんでしたし、ディ・マリアもまるでディフェンスラインの一員かのように引っ張られていました。それぞれ距離を近く守っていましたが、メッシには特に厳しくマークをつけていて、それがシャビ・アロンソであったことが驚きでした。メッシがサイドにでれば彼も引き出されてついてきていましたし、前を向かせないように激しく当たろうとしている気配が強くありました。ただそれがバルサを抑えるためのもので後手に回って守備に忙殺されてしまっていることでもあるせいで、シャビ・アロンソが攻撃時にフリーでボールを持てる回数は非常に少なく、マドリーは自ら展開するための手段を削ってしまっているようでした。

バルサが徹底して裏を狙い続けたことがマドリーにとっては大きな負担になっているようで、ラインを高く保ってプレッシャーを与える守り方を選択してしまったことで、盛んに裏へ飛び出されてしまい、スルーパスもそれに合わせて何度も出されてしまった。ペペが何とかそれに対応して足を出していましたが、ぎりぎりのものが殆どで、それ以外の選手は対応し切れているとはいえないほど難しい処理を迫っていて、それがバルサの選手が裏へ抜けてくることを意識に擦り込まれることにもなり、先制点を決められた場面のように前へ出て守備をしようとしていたものがそれが出来なくなり、二点目のように、裏へ抜けるイニエスタの動きに釣られる結果にも繋がっていました。そして逆サイドのビジャをフリーにしてしまい、縦の突破からクロスをも許してしまった。

二失点をしたことからクリスチアーノ・ロナウドが左へとポジションを戻してディ・マリアが右へと動き本来のポジションにしていましたが、この方体ではダニエウ・アウベスの上がりを遮るものは無くなってしまい、メッシには特にセンターバックを引き出して守らなければならなくなっていましたし、アビダルもクリスチアーノ・ロナウドを見ておかなくてもよくなったことで高い位置まで上がってこられるようになっていました。守備の難しさはその分出てきてしまいますが、ピケがそのまま右へスライドするのではなく、相手の動きに合わせてプジョルが右に出て対応することでスピードや受ける動きへの対応をしていましたし、ダニエウ・アウベスに若干バランスを取らせることでスピードにも数的にも対応できる環境を作っていました。クリスチアーノ・ロナウドが序盤のように縦への仕掛けを最初に選択するのではなく、バックパスからシャビ・アロンソへボールを出してコントロールさせようとしたことで多少の構築は出来るようになって、一方的なポゼッションは出来なくなってきていましたが、それでも足があまり動いておらず繋げず、人数もかからず、それほど大きな脅威にはなっていませんでした。

バルサはボールを引き出してサイドバックも含めて大きく開いた展開をしている。マドリーはそれぞれに時間を持たせないように前線の選手たちにハードワークをさせてチェックをかけてきていましたが、初期位置が中央よりに位置してブロックを形成しているため、対応するためには外へ引き出されてしまうことになる。寄せたところでパスを出されて動かされ、戻ってチェックをしてまた動かされ、バルサのセンターバックにもチェックに来ていましたが、二枚同時に抑えようとしていませんでしたし、サイドバックを抑えられていませんでしたし、アンカーにも来ているわけではなく、徹底できていないために引き出されるばかりで奪える気配がありませんでした。
ただグァルディオラ監督とクリスチアーノ・ロナウドの接触で多少揉めたところからマドリーは全体の動きを活発化して厳しさを与えられてしまうようになってしまっていました。バルサは左側にスペースを見つけながらもマドリーに勢いが出てきたことを警戒してアビダルを上げずに攻撃をするようになり、多少ワイドさは失われてしまい、サイドバックの外側でキープをして相手を引き出して裏を狙う動きが減り、前線からのプレッシング、ハードワークをかわしつつ自由に回して相手の手前でボールを回しているだけになってしまいました。左のアビダルが上がれなかったのは、その時間帯からクリスチアーノ・ロナウドが中央にポジションを移して対応しなければならない選手が中に増えたために仕方のない処理でしから、残りの時間や多少荒れ気味になりかけていたことを考えればいい前半の終わり方だったのかもしれません。

後半にマドリーはエジルを下げ、ラサナ・ディアラを入れてきていましたが、その効果はシャビ・アロンソが守備に忙殺されていたのを助けていましたし、サイドバックのオーバーラップを助ける効果もあったようで、マルセロが高い位置まで躊躇なくオーバーラップしてこられるようになっていました。バルサは左のアビダルが中へ絞ってセンターバックのような振る舞いをさせていましたからファーサイドにスペースが出来気味で、そこへのクロスを狙っていたようでしたが、バルサのプレッシャーや、単なるミスによってパスが繋がらずにクロスを入れ続けることが出来ていませんでした。
ただバルサもサイドバックに上がられてしまえばペドロやビジャも下がらなければならず、その分高くポジションを保って、ダニエウ・アウベスもあげて盛んにワイドな攻撃を出来なくなって彼がバランスを取らなければならなくなっていましたが、その分アビダルが攻撃的にオーバーラップをして左のアクセントになっていましたし、右のセルヒオ・ラモスをあげさせずに留めておく役割を果たしていました。

マドリーがピボーテを三枚にして縦のコースを切るべく対応をしてきたことも、メッシにとってはあまり効果が無く、むしろ好都合なようでした。それまでのように中にブロックを作られるのではなく、後方に並べてくれているだけであって、中へ切れ込むドリブルに対しても前へ出てこられず横へスライドするばかり。これまでモウリーニョが指揮していたインテルとチェルシーではもっと時間が経過してからの対戦であったために、この横へのドリブルを防ぐために人数をかけて縦と横を同時に防げていましたが、まだ徹底できておらず余裕を与えてくれていました。そのため横に釣られてスペースを与え、視線を集めてしまって裏への飛び出しをバルサに許してしまう。バルサは前半の終盤こそ裏を狙わなくなってしまっていましたが、後半に入ってからはきっちりとまた狙うようになっており、ビジャの抜け出しからの三点目もそれから生まれました。そして四点目はカウンターから。

バルサのプレッシングは機能していて、相手が上手くコントロールできていない最後尾へチェックをしてそこでも奪えていましたし、シャビ・アロンソがコントロールするところも全く自由にさせておらず、マドリーとは寄せる速度が違っていました。ボールがでてから反応しているように見えるマドリーは後手を分で寄せられるところまで体を持っていけず、アフターで当たるかファウルにされてしまう。バルサは持たれたところに当たるのではなく、出るであろう場所に寄せていることも大きく違っていました。チェイシングがコースを塞げていましたし、それと連動して抑えられていた。マドリーも運動量が落ちてマークを引きはがせておらず足下でもらおうとしていましたから、バルサは何度も高い位置で奪えて、カウンターを受けることもなくなっていました。

マドリーは終盤になると全くラインの統率が取れておらず、特にセルヒオ・ラモスなどはボールを見ているばかりで自分がマークすべき選手も見ていませんでしたし、カルバーリョが強く当たるために出て行き、他がそれに合わせてラインを上げているにもかかわらず歩く、あるいは足を止めて立ってギャップを作っていました。バルサの選手たちがそれに気付いていなかったお陰で裏へ抜けられることはありませんでしたが、左へバルサが重心をかけられる要因にもなっていました。

マドリーは前後の分離をして間延びしてしまい、前に預けられずカウンターも出来ず、戻って守備をしてもさわれず、上下動をひたすら強いられているだけでした。ラインもバラバラになり、中盤のブロック形勢も形を成していない。シャビ・アロンソがディフェンスラインに吸収されることでようやく人数をそろえて守っていましたが、カードが増え、荒れ気味の試合を作る要素にもなっていました。

プジョルの徹底したロナウド封じは、何処にでもついて行ってしまうため彼を囮に使われてしまうと危険なものでしたが、それをマドリーが彼を囮にしてプジョルの出た後を利用しようとしていない。というよりも人数をそろえていないからバルサが絞ってその穴を埋める方が早いため、利用したくとも利用できていない様子でした。

そのままの点差で終わるかと思ったんですが、最後に集中力が完全に切れていたセルヒオ・ラモスの裏側からジェフレンが入ってゴールを決め、5点目。その後のセルヒオ・ラモスへ出されたレッドカードの原因はここでしょうし、さらに暴力行為もそこが影響しているようです。終わり方としては後味がよくなかったものの、試合内容としてはこれ以上なく圧倒して完勝。試合前に危惧していたのは何だったのかと思うほどカウンターもさせていませんでした。

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クラシコ展望(予想は外れるためにある)

UEFA Champions League -D- Matchday 5 パナシナイコス対バルセロナ

2010 年 11 月 25 日 木曜日

■Panathinaikos 0 – 3 FC Barcelona
スタート時はプレッシャーがかかる守り方をされて、バルサはセンターバックからのボールをシャビが下がって処理する機会を増やしていました。マスケラーノがまだボールを受けたり展開することにおいてバルサのやり方に適応しきっていないため、それに頼ることが出来ませんし、セルヒオ・ブスケツが出場していてもシャビが下がって処理をするのはここの所のバルサのパターンでしたから問題なかったんですが、そこへもシセやルイス・ガルシアが注意を払ってみていましたし、マークがつきパスを出させないようにパナシナイコスは工夫を使用としているようでした。マスケラーノが受けられないといっても展開力や正確なパスを出すことも出来ますし、そこにもプレッシャーを与えることで、マスケラーノの処理を誤らせるのではなく、そこへのパスを出そうとさせないようにしていました。

そうなるとイニエスタが下がってサポートの人数を加えようとしているんですが、それにも同じく早い寄せをする。自由に持たせてもらえる時間やスペースが無く、そこなかなかパスを出せずにいましたが、ピケが長く保持したり、ペドロやメッシが下がってダイレクトでボールを落とすなど、目線を動かすことによって動き直す時間を作りボールを持つことが出来るようになっていました。特にメッシは一列ポジションを下げていて、シャビやイニエスタと近い距離を保ってボールのキープの役割を果たしていました。ドリブルは流石に下がってしまうと中盤とディフェンスラインの二つを相手にしなければならなくなってしまうため抜くことは出来ていませんでしたが、突っかけていくことはしており、相手の注意を引きつけて中央に人数を集めていましたし、マスケラーノへの注意を失わせてフリーにさせて展開の一歩目として利用できるように徐々になっていっていました。

ただメッシが下がっているにもかかわらず、ダニエウ・アウベスが高いポジションを保てていませんでした。いくらボールを回せていたとしても十分なキープが出来ているわけでもありませんでしたし、メッシが下がっているにもかかわらずペドロが開いたポジションを取っていて彼の前にスペースが無くなってしまっていましたし、バイタルエリアに人がおらず横のサポートが得られないことで躊躇しているようでもありましたし、自分がそこへ入ろうとしたりメッシノしたプレイするなど中へ入ってしまっていました。守備時にもダニエウ・アウベスの裏は狙われていて、フォワードの二人だけではなくサイドアタッカーも上がってきて多く裏側への入れられてしまうため後ろへの意識を強めてしまわなければならなかったことも上がれない要因だったのかもしれません。左のサイドバックがアビダルであればバランスを取ってスライドする守り方も出来たはずですが、この試合はアドリアーノが先発していたためにそれが出来ず、センターバックがサイドに張り出して守ることが出来ていませんでしたから自重気味だったのかもしれない。

特にウイングのポジションは不明確で、メッシが下がって中央が空いているにもかかわらず中にポジションを取れていませんでしたし、マークを受けているままサイドに残っていることが多く、サイドバックがオーバーラップをかけてもマークが入れ替わるだけで、守備を分散させるような動きが出来ていませんでしたし、ポジションを入れ替えて下がるような動きも多く見られ、左は特にアドリアーノは中途半端なポジションでしたし、イニエスタもサポートに残っているため後方へ戻す選択肢が飽和状態になるほどでした。

イニエスタが下がり、シャビやメッシも下がってしまっていては中央を利用する選手がおらず、相手に脅威を与えるポジションに誰もいなくなってしまう。パナシナイコスはそのお陰でスタート直後には閉じていたバイタルエリアを途中の時間帯は空けてしまって前へ出ることが出来てしまっていました。バルサはウイングの位置での連携が出来ていないこともありますし、サイドの深い位置を縦に利用していないことで相手を押し下げてもいませんでした。押し下げられず中央を利用できていないことで、左で引き寄せてから右へ一気に渡してダニエウ・アウベスをウイングのように利用することも出来ず、サイドバックが中への意識を強めてしまっているだけでした。

コーナーキックから再展開でペドロが先制点を決めたことで少し流れが変わって全体にスムーズさがもたらされてきていました。ペドロの決定力も復調してきているかのように見える得点で、シュートを思い切りよく選択できたのはチームにとって非常にいいことでしょう。ゴールを決められなかった時期は、昨季ならシュートを選択していた場面でパスコースばかりを探していましたから、このゴールのようにシュート一本に狙いを絞っているように見られたのはいいことだと思っています。

そこからはイニエスタが下がってしまっていたところから左へ開いてプレしたことで、ウイングは中へポジションを移しつつもワイドさを失わずに中央へ選択肢を用意できましたし、下がっているメッシと縦に繋がることが出来るようになった。メッシもシャビと同列になるほど下がるのではなく、それよりは半分ほどポジションをあげられたことで、相手の中盤を目の前においてプレイするのではなく、そこへ入ってボールを受けられるようになったことで相手に脅威を与えて中盤を押し下げられていましたし、中の選択肢として使えるようになった。相手を押し下げて中央でサポートが出来るようになれば、ダニエウ・アウベスもそれと同列にまでポジションをあげるのは難しくなく、それまでは出来なかったウイングと同列にまで上がれるようになっていましたし、ペドロとの連携も見られるようになっていました。中が安定したことが主な要因でしたが、攻撃がワイドにスムーズに機能し始めたことでパナシナイコスの攻撃に対してもスムーズに切り替えが出来ていましたし、彼らの守備を圧縮してしまえたことで、前へボールを運ばせずロングボールを選択させるだけになっていました。そのボールもプレッシャーがかかっていることで一足飛びに裏まで出せる環境になく、裏を使われる回数は大きく減り、バルサは安定した状態を手に入れていました。ただ前半不安だったのは追加点を取れるチャンスがあまりにも多くありながらことごとく止められたことでしょうか。

後半になるとパナシナイコスは何とか勢いを出そうとサイドの利用を目指して、縦にドリブルからの突破を狙って来ていました。バルサのサイドバックの外側の利用は対応がいいとは言えないアドリアーノでしたから出来る状態にありましたし、バルサはセンターバックがカバーに出てスライドして守りを固める必要があったため逆サイドにスペースを作ってしまい、危険な状態でした。何度かそこへ人を入れられていましたが、パスが出なかったお陰で危険にさらされることはなく守れましたし、逆サイドのアタッカーが高いポジションを保たずにいてくれたことでシュートまで持っていかれることはありませんでしたが、そこを中の選手がしっかりと見ていれば危険な状態だったといってもいいほどでした。

ただバルサは特にアドリアーノを前半より高く保ち、左側に重心をかけたような攻めをすることで、それらを解消していましたし、攻撃面では効果を上げていました。両サイドのポジションが高くなってしまうことで裏側にスペースがどうしても出来てしまいますが、アンカーのマスケラーノがセンターバックの位置に吸収されるように三枚で守るようにしたことで、ピケとプジョルが外へ問題なく出られるような環境を作れていて、それがサイドバックを躊躇なく挙げられる要因に繋がっていたようです。
そのオーバーラップするスペースを空けるために左はウイングを殆ど外へ出さないようにしていましたから、サポートにはイニエスタがワイドに開いて連携をする程度で、前へ多くの人数がかかっていました。攻撃的にでている訳ですから、それくらい人数がかかっても良いのかもしれませんが、序盤はあまりにも前がかりになりすぎていることもあって、ボールをカットされたときにプレッシャーをかけられず、一気にフォワードへ渡されてしまう。そこから裏へとパスを出されて残ったバランスの悪いディフェンスラインの裏側を利用されてしまいそうになっていました。幸いなことにオフサイドによって助けられたことで失点には繋がりませんでしたが、バランスを取る必要がありました。

アドリアーノの高い位置でのプレイは非常に効果的に相手にドリブルを警戒させていけましたし、強烈なミドルシュートも武器として非常に有効に使えていました。前半に比べて相手のゾーンを広げられていますし、単独の仕掛けだけではなく、中のキープから飛び出して縦に利用できることも含めてチャンスを広げるプレイが出来ていました。ただバランスを取る必要はあり、中央が全く連動して上がっていかず、中のメッシにイニエスタ、シャビが並んでしまっていた時間帯はよくありませんでした。アンカーが守備のために下がっていることもあってそれらが近づかなければ中盤でキープをする距離を保てないのかもしれませんが、中央に入っていく動きがないことでサイドを警戒されてゾーンを広げられてしまうこともありましたし、逆に三枚が奪われずにキープすることで相手を中央に集めてサイドバックを飛び出させるようなことも出来ているわけで、問題だったのはパスだけを繋いでいる時でしょうか。ボールを蹴って動かすだけでは人数をかけて守っているパナシナイコスのバランスを崩すことが出来ておらず、イニエスタがドリブルで仕掛けることでようやくバランスを崩せていましたから、それに飛び出しや動きが全て連動した二点目は理想的なゴールでした。

その後はバランスのいい攻め方で前へ人数をかけすぎることなく、中央にいる相手の輪郭をなぞるようにボールを回しつつ、前後に厚みを保てているようになりました。お陰で再展開も切り替えから守備にかかることも出来ていましたし、危なげなくポゼッションを高めることが出来ていました。

三点目後の交代をしてからはあまりプレッシングがかからなくなったものの、シセの飛び出しに対してアビダルが先手を取ってしっかり対処して危なげなく処理をできていましたし、状態は問題ないようです。ただドリブルやパスで繋がれたり、アンカーを下げていたものを中盤に戻して厚みを作れているはずなのに、前後の距離が開いて間延びしてしまい、攻撃時にはフォワード頼みになり、守備に回ってもフォアチェックが機能せず、多少の問題を感じましたが、得点差と次に控えている試合を考えれば仕方のないことかもしれません。残り時間が少なくなってからは無理をせずボールを回すことで試合を終えられましたし、この勝利ともう一つの試合結果のお陰で首位通過を決められ、楽な状況を作ることが出来ました。

UEFA Champions League -E- Matchday 5 ASローマ対バイエルン・ミュンヘン

2010 年 11 月 24 日 水曜日

■AS Roma 3 – 2 FC Bayern Munchen
バイエルンはトーナメント進出を決めているため、メンバーを休ませる意味もあってかいつもとは違うメンバーをピッチへ送り出していました。特にキーパーのクラフトはブットが正ゴールキーパーになってからは珍しい変更で、今後のスケジュールやブットの年齢的なものを考えれば重要な経験とテストになるはずでした。

ローマのプレッシングは片側へ全体を寄せるもので、バイエルンには中央を利用させず、サイドへ押し出しつつ、それに人数をかけて囲い込もうとするものでした。その守り方は抜けることが出来れば逆サイドに大きなスペースを与えてしまうものでしたが、バイエルンはそれをショートパスで繋いで逃れようとしているため、中へのコースを多くの選手によって潰されて展開しづらく、ボールを前や横へ出せず押し下げられてバックパスを多用してキーパーに戻さなければならなくなっていました。クラフトはブットであれば思い切り蹴っているような場面でもパスで繋いで構築の手助けをしようとし過ぎていることや判断の遅さからプレッシャーを受けるハメになり、センターバックへのパスをカットされそうになるなど危険な場面を生みだしてしまっていました。

ローマはプレッシングをメインとしているわけではなく、バイエルンのサイドアタッカーにボールが渡った瞬間がプレスのスイッチになっているようでした。ミュラーやリベリーに渡ると複数枚で寄せてバックパスをさせる。そのバックパスに連動して前からチェックを続けてどんどんとバイエルンを押し下げて、センターバックとキーパーのやりとりをさせようと続けていく。それ以外の場面ではバイタルエリアを閉じるよう中央を固めて引いて守り、縦パスや中へのパスコースを限定して待ち構えていました。そこから外へのパスを選択させて囲い込むためにゾーンを左右へ動かすスイッチにしようとしているようで、足を止めて待ち構えていましたが、足を止めている影響からサイドをドリブルで仕掛けられてしまうと弱く、中盤の選手がドリブルに足を出せずリトリートしてしまうため、ディフェンスラインに吸収されてしまい、全く厚みのないフラットな守備になってしまいがちでした。

バイエルンは序盤はローマの守備に手こずっていることもあって、センターバックの二人が高いポジションを保てずに前後の分離に繋がっていました。それ以外の選手にしてもグループリーグの突破が決まっているせいかパスコースを作ったりボールを要求するような素振りに乏しく、待ち構えているだけの状態が多くありました。ただ左右へボールを振り分けたり、パスを繋ごうとする姿勢も見られのは確かで、一部の選手はドリブルでの仕掛けもありました。しかし全体としては状態が悪く運動量が少なく、守備の時も浮き球に対して寄せようとせず、簡単にボールを触らせてしまっていましたし、体をぶつけて止めようとするような動きは少ない。それこそふわりと浮いたものであっても自由にヘディングでコントロールさせていましたし、相手がそれほど裏へ抜けようとしていない段階ではもう少し強く当たろうとしてもいいはずでしたし、パスもそれほど早くなく、人数もかかっていませんでしたからカットを狙ってもいい時間帯でした。

前半途中からそういった部分にもエンジンがかかってきたらしく、ヴァン・ブイテンは高く保ってカットを狙うようになっていましたし、バイエルンは全体をコンパクトに保てるようになり、カウンターの鋭さも増して、全体の運動量も増えたように見えました。ボールの付近で関与する選手の数も増え、パスコースの多さが判断の速さに繋がり、ローマに守りづらさとファウルの増加をもたらしていました。バイエルンは運動量が増えたことと前に人数を増やせるようになったことで、フォアチェックを中心に機能させることができるようになって、不用意なローマの横パスをカットしてショートカウンターをも狙えていました。それでも緩い守備、主にフィジカルコンタクトを避けているかのような部分は若干改善されつつも、ローマのスピードについて行けていない部分が多く見られるようになっていき、特にこぼれ球への反応が遅れてシュートを打たれてしまっていましたし、クロスを簡単に上げさせてしまっていて、そのクロスの対応に関しても中の選手へ体を預けられているわけでもなく危険な状態でした。助かったのはローマのそのクロスには精度がなく中と合わなかったことと、繰り返し同じプレイで攻め立てられなかったことでしょう。

先制点はバイエルンが奪い、その後はバイエルンはサイドアタッカーに先に渡すのではなく、サイドバックを高いポジションへ押し上げてからそこへ出すことで、ローマがプレッシングのスイッチにしている部分をさせず、さらに後方から上がってくることでフリーの状態を作っていました。中の人数を外へ出せず、ローマは自由に扱わせてしまっていて、バイエルンはプレッシングから逃れる方法を利用して攻撃を組み立て始め、ローマはサイドバックへのチェックを強化することでそれの対応として徐々に修正をしていました。二点目はローマのミスから得たことで、試合内容とスコア両面でバイエルンは有利な環境でハーフタイムを迎えられていました。

後半開始直後に失点をした場面では、逆サイドからの展開であったために処理の難しさがあったとはいえ、ネメズのスピードに対して安易に出て行きすぎてかわされたデミケリスやティモシュチュクはお粗末で、相手のスピードを落とすことが全く出来ていませんでした。前半から体を寄せるプレイに関してはバイエルン全体が出来ていませんでしたから、この場面にそれが象徴として現れてしまったようでした。
この一点が試合に与えた影響は非常に大きく、失点するまでの時間はダイレクトパスを多用してプレッシングをさせないように出来ていたのが、それとプラニッチの一つのパスミスから継続できなくなってしまいました。プラニッチの部分は他がサポートする動きを全くみせてくれておらず、リベリーもサイドバックとの連携をせずに前へ飛び出そうとする動きや仕掛けを多用してしまっていましたから、足下で受けてサポートを、としてくれていればもう少し違った流れを作れていたのかもしれません。

バイエルンは自分たちの流れを見失ってしまい、繋ぐのではなく、カウンターの応酬に乗っかってしまっていました。ワイドに相手を揺さぶってポゼッションを高めて支配する。それが上手くいっているのかどうかは別として、この試合ではそれをすることでローマにペースを握らせていませんでしたし前線に人数をかけさせず後方に押し込んでいられた。それどころかサイドを縦に使って相手を押し下げて守備に厚みを失わせることも出来ていましたが、失点以後はそこからシュートまでのバリエーションを用意できておらず、マイナス気味のパスどころかか完全に戻してしまって可能性のないミドルシュートを何度も選択するなど判断も悪化していました。

一度やられたことで右のメネズへの対応は出来つつあり、プラニッチが素早く戻って奪いに行くと同時に、デミケリスが一足早く左サイドバックの裏へケアにでておくことで縦を防ぎ、スピードを殺して停滞しやすくして奪おうとするようになっていました。先に走られてしまわなければ止められますし、カウンターを押さえる意味では有効だったんですが、停滞してポゼッションをされた後の処理は不十分でした。押し込まれてしまったあとではセンターバックがサポートのために外に出て行くわけにはいかず、本来ならセントラル・ミッドフィールダーやリベリーのポジションがサポートにいくべきだったんですが、それが無くプラニッチが一対一で正対して守らなければなりませんでした。その止まった状態からでも振り切られてしまい、クロスを入れられて失点しそうになってしまいましたが、クラフトが素晴らしいセーブをしてくれたお陰で失点には至らず。早めの修正が必要なポジションでした。

それ以外の部分では、ローマはデ・ロッシを含めて、後半開始時に交代していたこともあって前に人数を残しているようになってきて、3トップ以外の選手もカウンター時に残しているようになっていました。それは守備に回ったときにバイタルエリアを埋めるディフェンシブ・ミッドフィールダーを失うことでもあり、バイエルンにバイタルエリアに入るチャンスをくれていましたが、前からのプレスや攻撃に回ったときに前線に揃えられている人数を考えれば有効でした。特にバイエルンのサイドバックが高いポジションを取りがちな裏を狙ってパスを出す際にはギャップを常に突けましたし、ヴァン・ブイテンが前半と同じように前へ出ていようとしたり、サイドバックの裏を気にしてラインを崩してしまっているギャップを利用しようとするのにも効果的に働いていました。

バイエルンはリベリーとミュラーをそれぞれ交代させることで守備の修正を図っているのかと思ったんですが、その修正は全く効果が出ていませんでした。ローマが再三狙っていたサイドバックの裏やサイドバックとセンターバックの隙間を広げないように、ウイングに対して交代をしたアルティントップやポジションをあげたプラニッチが対応するかに思えていたんですが、それらは中途半端な高さを保っていてウイングのマークには全く関与していませんでした。交代があっても変わらずウイングのマークの為にサイドバックが引き出されていて、ディフェンスラインを全く揃えられていませんでした。それどころか前半とは違い、裏を狙われ続けているにもかかわらずフォアチェックの布陣を取り続けて不用意に前へ出ていることで守備組織を乱してしまって、中に入られている人数を掴まえきれなくなっていました。戻りながらの処理を強いられるようになってしまい、フォアチェックに向かおうとするギャップを利用されて先手を取られて裏へ抜けられる。そうなると人を掴まえておくことすら出来なくなって、同点ゴールを許してしまう。逆転されるきっかけになったものもそのようで、裏へ抜けられてキーパーが出るしかない環境を作ってしまっていた。前半と後半ではローマの狙いが明らかにディフェンスラインの前で受けてからの展開ではなく、背後に出しての勝負に切り替わっていたにもかかわらず、守備の方法を切り替えられなかったことに問題がありました。

その後は活気づいたローマの動きにバイエルンはペースを戻すことが出来ず、きっちりと守備ブロックを作られたものに対して、一枚のフォワード、マリオ・ゴメス目がけたクロスぐらいしか選択することが出来なかった。中央の分厚く人数をかけて守られているところへわざわざ縦パスを入れて潰されてしまう。タッチライン際を使っても縦への仕掛けがないことから相手の陣形は厚みを持ったまま崩れず、中へ飛び込んでくる二列目もいない。守備対策のための交代しかしていませんでしたから、攻撃時に効果を発揮するわけもなく、ローマに二位通過の可能性を大きくするプレゼントをしてしまっただけでした。

クラシコ展望(予想は外れるためにある)

2010 年 11 月 23 日 火曜日

現状を整理するとレアル・マドリーは今季は未だ負け知らずであり失点は最小の6、それでありながら得点数もバルサと並ぶ33であり、破壊力も抜群。バルセロナも勝ち点こそ劣っているものの得点や失点で問題を抱えている部分は少なく、勝負を左右するのはチームの完成度でしょうか。あるいはチームの蓄積疲労でしょうか。それとも特定の選手出来か。

疲労を考慮するとすれば、直前に二つのクラブともチャンピオンズリーグをアウェーで戦わなければならず、そしてマドリーはカンプ・ノウへとアウェーの連戦となることから厳しい状態にあるでしょう。バルセロナはマドリーの翌日に試合があり、しかもギリシャ遠征という厳しい環境でしたが、クラシコの開催が一日延びたことで疲労の回復は十分に取れるはず。これまでバルサはローテーションをある程度採用しつつシーズンをこなしていましたから大きな問題は代表戦ぐらい。
マドリーはここまでローテーションを採用せず、殆どの試合でスタメンを固定して戦っていることが蓄積された疲労となっているようです。特にモウリーニョの指示する戦い方がこれまでの昨季までの緩やかなマドリーの戦い方に比べてハードワークを強いられていてその体力的な厳しさも加わってスコアを見る限りでは徐々に調子を上げているように見えますが、所々運動量の落ち込みが見られています。一日余裕を持って戦えることである程度差し引いたとしても戦い方への順応がまだ十分ではないマドリーにこそ疲労が見えるのではないでしょうか。

マドリーの守備が安定している大きな要因はディフェンスラインを高く保たず、ピボーテの攻撃参加を極力控える、そして四枚のアタッカーが攻守にハードワークすることで成り立っているように見え、守備時にもフォワードが素早く後方に戻りつつ相手の背中からプレッシャーをかけることで混乱を誘おうとしているようにも見えます。
ピボーテの役割は、まず相手の足を止めることでアタッカーが守備に参加できる時間を稼ぐことで積極的に足を出してくるわけではない。数的有利を作り出して守るための防波堤であって、自分たちの前に相手を置いてしまうことが目的で、守り方のスタイルとしてはペナルティエリア付近に引いて守りカウンターをするクラブと同じで、それを如何に組織的に引きすぎない状態で環境を作れるか、それを見事に作り出していることで守っているようです。
この戦い方をすることでの利点はピボーテがチェックのために積極的に出て行かないことで裏側にスペースを作ってしまわず、ディフェンスラインとピボーテの間、つまりバイタルエリアに入られてしまってもすぐに囲い込める環境と、入ることすら躊躇するような窮屈さを作り出すところにあるようで、もしフォワードなりミッドフィールダーがそこへ入ってしまえば、二枚の屈強なディフェンダーが体を寄せて自由を与えない。
シーズン開始直後こそのここの距離とセンターバックが体をぶつけられずにいたことでピンチを数多く作っていましたが、リカルド・カルバーリョが上手くモウリーニョの方針を体現していましたし、ペペもその動きに習って出来るようになってきています。ただそのハードな守り方は仕掛け方によるもののファウルの対象になりやすく、バルサはそれを誘えるほどコンディションを上げていますし、サイドバックの守備とポジショニングには不安定さがあり、狙い目はある。とはいえこのブロックは全体を見れば安定しつつあり、バルサが最も得意とするエリアは閉じられていると見ておくべきかもしれません。

恐らくシャビはこのブロックの中に入ってしまわないでしょうから、手前からコントロールすることになる。それを自由にさせないのがアタッカーの仕事で、積極的なプレッシングを受けることで自由にさせてもらえない。セルヒオ・ブスケツやイニエスタが下がってそれらのサポートに当たるようになってしまえば、完全にバイタルエリアは閉じられてしまい、メッシが間に入ろうと動いても簡単に掴まえられてしまうことになるでしょう。あるいはビジャであれペドロであれ、どちらにしても相手の手前で受けてワンツーで裏に飛び出していくような動きを選択することは難しく、相手のバイタルエリアの手前からミドルレンジの浮き球によって裏を狙う必要に迫られてしまったり、サイドへ押し出されてクロスを選択させられてしまうかもしれない。今のバルサにバイタルエリアの強いプレッシャーの中で耐えられる選手はそう多くなく、フィジカルを前面に出すような戦い方は出来ないため、フィジカルコンタクトの勝負だけは避けなければならない。
そうなってしまわないように裏を狙い続ける姿勢をビジャには持ってもらわなければならず、ペドロにしてもそうですが、相手に前だけで対応できるような環境を作ってしまえば、メッシがサイドではなく中央へポジションを移したときにはピボーテとセンターバックで挟み込まれてしまうでしょうし、ドリブルで二つのラインを相手にしなければならなくなる。メッシのワンツーからの突破は最も警戒されているでしょうからそれも激しいコンタクトの餌食になってしまいかねませんし、そういった前への対応を少しでも削るためにフォワードには相手の背後を狙う動きが必要になってくる。
相手のサイドバックの守備に不安があり、モウリーニョがこれまで率いてきたクラブのように、サイドバックに守備を一任して、そこら中へのカットインはピボーテとセンターバックの二枚のラインを中心としてがっちりと固めて守る形ができておらず、ピボーテやセンターバックがどうしてもサイドのケアの為に引き出される形が見られています。そこを攻めることが出来れば中にスペースを作ることが出来ますが、ただサイドを切り崩したとしても昨季のように身長の高いフォワードはそこにいませんし、センターバックを引き出せなければ中の人数も揃っているためグラウンダーで狙うことも難しい。迂闊にそこからクロスなりパスを狙ってしまえば、それらのボールをカットされて、厚みのある守備にセカンドボールを拾われてカウンターをしかけられ、スピードの面ではバルサの守備陣は劣りますし、サイドバックを含めた攻撃参加をさせてしまっていた場合は大きく背後にスペースが出来てしまうこともある。
失点に繋がりかねない安易なパスを選択するのではなく、出来ることなら縦のドリブルでの仕掛けを見せ、マドリーが相手を前に捉えておくための守備をしているそれを、さらにペナルティエリア深くまで下がらせて視線を横へ移させる。戻りながらの処理をさせることでセカンドボールへの出足を鈍らせたり、浸透しきっていない守備ブロックに綻びを作って飛び込む隙を作るなど、いくらか相手を後方へ走らせる攻撃を仕掛けなければならなそうです。

それ以外にもマドリーにはこのブロックの構築に必要な運動量がまだ備わっておらず、そこが付け入る隙になるのではと思っています。ハードワークをして守備環境を整えなければならないアタッカーは特にクリスチアーノ・ロナウドやイグアイン、ディ・マリアなど守備を免除されてきたような選手がおり、この戦い方をするには最も消耗が激しいポジション。攻撃に移ったときには猛然とカウンターを仕掛ける選手たちでもありますから、どうしても戻りが遅くなりサボってしまう時間帯がありますし、疲労からプレスが出来なくなることも多い。そうなってしまうとマドリーの戦術的なブロックの構築が出来ず、サイドからの攻撃に中央の選手が引き出され、本来なら揃っているはずの中へ人数が揃わず、中へドリブルからのカットインを許してしまうことにも繋がりますし、ミドルシュートを防ぐために前へ出てくることも出来ない。あるいはファーサイドへのクロスに人が足りなくなる。そういった状況を作り出すために如何にバルセロナは、そういったマドリーのアタッカーを守備に走らせて消耗させられるかがまず一つのポイントで、特にアンカーに入る選手はパスミスや不用意なプレイをしてボールを失うようなことがあってはいけない。何度チャレンジしてもボールを奪えないと思わせるほど自信を持ってボールを扱う必要があり、シャビと共に試合をコントロールしてもらわなければなりません。マドリーがチャンピオンズリーグでそれなりの消耗をしていればこれまでの疲労の蓄積と合わせて全体の動きを鈍らせることにもつながるでしょうから、得点よりも消耗させることを考えた試合運びも重要になってくるのかもしれません。

バルサの守りで重要になるのは相手のカウンターの鋭さと人数をどう防ぐか。それを戻りながらの対応で防ぐことは困難で、特にポゼッションをしている状態であれば、右のダニエウ・アウベスは高いポジションを取っているでしょうし、アンカーがどちらになるにしても前のサポートのためにでてしまっている可能性がある。もし、その状態で奪われてのカウンターであれば、攻守の切り替えを早くしたとしても追いかける展開にしかならず、元々速攻で活きる選手を数多く揃えているマドリーに有利な展開にしかならないでしょう。アタッカーとしてハードワークをする選手たち以外にもケディラが出場していれば、彼のオーバーラップも可能性としてあり、数的有利をあっという間に作られて突破をされてしまう危険が大きくある。
まずはその状況を攻撃時に作ってしまわないことが大事で、もし奪われてしまったとしても彼らを守備奔走させて押し込み、攻守の切り替えからプレッシングのかけやすい位置で掴まえておくことができれば問題ない。そして一部の選手には強く当たりを続け、苛立たせて冷静さと余裕を奪う必要があり、それ以外には強く当たろうとすれば裏を抜けられてしまうため、自分たちの前に捉えておくべき。フォワードへ預けるようなパスを期待してしまうと背後を取られてしまうでしょうから、カットを狙わず背後に出されるボールに対してケアしなければならない。それはバルサのラインを押し下げることと同じで、高く保てなくしてしまうことでもあってポゼッションにも影響を残してしまうかもしれない。矛盾した二つをしなければ抑えきれないと思えるほどの鋭いカウンターが今のマドリーにはありますから、一失点は覚悟しなければならない。
反面、ポゼッションになったときのワイドな展開はそれほど多くはなく、サイドバックの外側を縦につくようなドリブルや連動した崩しよりも、内側へ絞って人数をかける攻撃を好む傾向があるように思うので、そちらであればバルサはカウンターを受けるよりは大きくリスクを減らせられるはず。

全体を考えたときにバルサにはコンディションの良さと成熟された強みがあり、マドリーにはまだ未成熟ながらモウリーニョがこれまで行ってきたバルサを封じるためのいくつかの手段――例えば昨季のインテルがバルサを封じたような――があり、それを実行し徹底することが出来るかどうか。まだ浸透し切れていないサイドへの対応が一番の課題であって、そこを上手く突き、バルサがマドリーに待ち構えさせず、戻りながらの守備を強いることが出来れば得点は十二分に奪えると思っています。ですが、もしマドリーが最初から引き分けを狙うような方法をとったとすればこじ開けることは非常に困難になるでしょうし、徹底したカウンター狙いを取られても同様でしょう。マドリーがプライドを持ってどこかで攻撃に出る姿勢を持ち続けてくれる必要があり、それはアタッカーのハードワークで消耗の上に成り立つことですから、前半の終了間際などは特に狙い目かもしれない。

スコアの予想は希望でしかないから意味はないけれど、3-1というスコアになって勝つことが出来れば最高の結果でしょう。得点を取られる可能性はかなりあると思っていますが、先制を許さずに試合を進めることができれば十分可能性のあるスコアのはず。

2010/11/27 23:48追記
書き足して要点をまとめるとすると下記のいくつか。

バルサはサイドを制圧しなければならない。
特にクリスチアーノ・ロナウドのサイドでは攻撃に積極的に出なければならず、彼が守備へ戻る動きの遅さや運動量を多く消費しない点を利用していくことでペースを握る必要がある。特に後方がマルセロで守備に難点を抱える選手であればあるほどピボーテやセンターバックがそこのカバーのためにサイドへ引き出される回数が増え、中央にスペースやギャップが生まれやすい環境にすることが出来る。これはもしクリスチアーノ・ロナウドがサイドチェンジをしたとしても同じ事で、特にそのサイドの裏側を意識した攻撃を意識して修正して行わなければならない。恐らく出場するであろうアビダルが今季攻撃参加を控えているため同じ事が左でも出来るのか、あるいはクリスチアーノ・ロナウドがフォワードへ入ったら? ということを考えると、そこへ固執するのは危険でもありますが、最も攻略しやすいであろうポイントをそこへ求めているだけで、サイドアタッカーとサイドバックの間を常に利用し続けるというスタイルは維持しておくべき。

メッシ、イニエスタ、シャビを横に並べてはいけない。
サイドを制圧するためには3トップがきちんとワイドに開きつつ、サイドバックと連動して縦の突破を目指さなければなりませんが、メッシがそこまで下がってしまっているとマークが他の二枚のフォワードに集中してしまう。そうなると縦パスを収めることは難しくなるでしょうし、サイドへ逃げたとしても挟み込まれてしまうようになり、サイドバックはオーバーラップを躊躇してしまう。あるいはフォワードのマークに人数をかけなくてもよくなるため、ダニエウ・アウベスが飛び出すようなスペースを用意できなくなってしまうかもしれない。きちんと相手を引きつけておくためにメッシは高いポジションを保つ必要がある。特にシャビとは縦関係を保って彼に選択肢を増やしてあげる必要がある。

相手を前へ置いて見ておく守備を徹底させてはいけない。
マドリーは背後のスペースを大きく要するようなリスクを冒さず、ある程度引いて守ってディフェンスラインとピボーテの二枚が、バルサのそれぞれを見ておけるぐらいの位置に下がるでしょう。その状態であれば、ドリブルを仕掛けてもパスを預けようとしてもボールの出し手と受け手の二枚を同時に見ていられますから、掴まえやすく囲い込みやすくなる。ボールをサイドに動かしてしまうことでその目線を横に振ることが出来ますし、裏へボールを出すことで戻りながらの処理を強いてボールか選手かのどちらかしか捉えられない環境を作れるかもしれない。

つまりは、クリスチアーノ・ロナウドとサイドバックとの間にあるスペースへ何度も入ってボールを受けて中央の選手を引き出した上で、バイタルエリアに入ったメッシへとボールを預け相手の注目を引きつけて、裏へ飛び出すビジャへボールを出し、ゴールを狙う。

そんなことが出来ればいいですね、という願望の記事です。

Bundesliga 13. Spieltag レバークーゼン対バイエルン・ミュンヘン

2010 年 11 月 21 日 日曜日

■Bayer 04 Leverkusen 1 – 1 FC Bayern Munchen
序盤からこの試合はタッチライン際の攻防が多く、レバークーゼンの守備とバイエルンの戦い方がそうさせていました。バイエルンはティモシュチュクを一枚後方に残し、アンカー気味の役割を与えてオットルを前へ出し、数字で表すと4-1-4-1に近い布陣を取っていました。そのため、センターバックからアンカーへとボールを渡し、そこからワイドレンジの展開が出来れば効果的な攻撃が出来ていたのかもしれませんが、センターバックからスムーズに預けられるポジションをティモシュチュクが取れていないため、サイドバックからサイドアタッカーの二人へボールが渡されることが多く、そういったボールでは振り向く時間が必要になるため縦を防がれてしまうため、効果的な攻めにはならず抑えられていました。
ただセンターバックからそれらを省略してマリオ・ゴメスの一枚下にポジションを取っているシュバインシュタイガーとオットルへ縦パスを入れることが出来ていれば、バイタルエリアの中途半端なポジションのためマークに付かれておらず、そこで受けて裏へと狙うことも仕掛けを選択することも出来ていました。

序盤に特徴的だったのはファウルの多さで、審判が取りすぎている印象でしたが、それだけフィジカルコンタクトが生まれやすい環境にあるということで、レバークーゼンは近くに保っていましたし、マークを外されても寄せるまでが素早く、勢いよくぶつかり収めさせずコントロールを乱してカット、あるいはそれよりも前へ出てパスカットすら狙えていました。それらはミスを誘ってショートカウンターにもなっていましたし、バイエルンに攻撃の形を作らせないいい守備でした。

バイエルンはそれらに押されて縦の仕掛けが出来ておらず、徐々にパスも縦に入れるのを怖がるようになってしまい、一時的に出来ていた攻撃も停滞してしまい、序盤と同じくサイドに逃げるようにパスを出すようになってしまった。サイドではドリブルで仕掛けることが出来ておらず、封じられて前へ運ぶことが出来ない。横のサポートもボールに絡む選手も少なく、距離が開きすぎていることから前への推進力に欠け、中盤に預けられずセンターバックとサイドバックの間でボールがかわされて、やはり長距離の縦パスを選択しなければボールを前へ運ぶことが出来ていませんでした。無理にそれを狙っても序盤は成功していましたが、それはオットルやシュバインシュタイガーがマリオ・ゴメスの一枚下にいて相手のマークを受けないようなポジションを取っていたからで、その時間には擬似的に2トップを形成していたためにマークに付かれていて、カットを狙われやすい環境でそれをしてしまっていたため、奪われて通ることはあまりありませんでした。

レバークーゼンの方が前線の選手たちの距離が近く、プレッシングもセンターバックにまで強くかけず一定のラインにまで待ってから仕掛けているため、近い距離で無理なく行っていました。縦へボールを入れるときにパスだけに頼っておらず、きちんと仕掛けて距離を縮めてから入れる方法をとっており、それも縦だけの単調な動きではなく、ダイアゴナルな動きも利用しているため、バイエルンは奪うポイントを絞れていませんでした。攻守の切り替えのところで仕掛けているものの、バイエルンは後方から連動して動いているわけでもなく、レバークーゼンのセンターバックにまでプレッシングを使用としているために前後に伸びてしまい、散発的でかいくぐられていました。

得点が入った場面ではようやくバイエルンが攻撃時の高い位置に人数を入れることに成功をして厚みを作ることが出来ていました。マリオ・ゴメスが相手を引っ張り、ミュラーが中へ絞りつつサイドバックを引きつけ、ラームが空いたスペースを利用する。そして一つ下がったところにシュバインシュタイガーとクロースが連動して相手を圧縮してしまえた。片側に多くの人数を入れて、最後にファーサイドを利用する理想的な動きがようやくできて、初めての成功でしたが、しっかりと得点になっていました。前後の距離がしっかりと縮まっていたいい攻撃でした。

ただこれがその後も成功していたかというとそうではなく、同じ方針すらなかなかとれていませんでした。サイドをミュラーやラームが突破を試みるようになったのは好材料でしたが、センターバックは安全圏まで引いてボールを回そうとしているだけで、縦パスはすぐにそこに戻されてしまう。前半の残り時間を消費する意味では問題ないように見えましたが、ボールが動く位置があまりにも低すぎ、攻撃に出ようとする意志が余り感じられず、低い位置でのミスをしてしまうほどでした。そしてそのミスのせいでカウンターを受けてPKを献上。プラニッチの足がかかったのはエリアの外だったように見えたものの、それでも戦い方の選択ミスがこの危険なプレイを呼んだのだから仕方が無く、PKをヴィダルが決めて同点し、そのタイミングで前半終了のホイッスル。無駄な失点でした。

後半はバイエルンが前半よりもさらに前に向かってプレスをするようになり、ティモシュチュクも前に上げてのプレッシングをするようになっていました。前半はそれでも前後に分離していた部分があったんですが、それよりもコンパクトに囲い込んでプレスをしてボールに関与する人数が増加したように見えるようになっていました。その分ディフェンスラインが高くなり、裏へロングボールを入れられる回数の増加に繋がっていましたが、相手を押し込んだ上でのカウンターですから人数をかけられているわけではなく、対応しなければならない人数はそう多くありませんでした。

攻撃時の変化はシュバインシュタイガーがボランチの位置にまで下がってセンターバックからのボールを引き出そうとするようになったことでした。オットルやティモシュチュクに任せず、自ら距離を縮めたことで前後の分離を防ぎ、展開の助けになっているようでした。そこへきちんとボールがでているとは言い難い状況でしたが、その後にティモシュチュクとリベリーの交代がされたことでその役割が明確になっていました。
基本ポジションを下げて後方での展開をするようになったことで、それまで相手のマークが厳しくなるゾーンの中でしか展開をすることが出来ず展開の幅が狭く限定されていたものが、展開の位置が低くなったことでワイドにボールを動かすことが出来るようになり、レバークーゼンに守備のポイントを絞らせにくくなった。それに加え、タッチライン際に開きっぱなしになっているミュラーやリベリーの所へ、サイドバックからのボールのように後ろを向きながら受けて振り向く時間を必要とするボールではなく、トラップからスムーズに前へ向けるボールを渡せるようになった。中盤より前の前後の距離を縮める役割も果たしていて、止められても二次攻撃が出来る状態を維持できるようになり、連続した攻撃でレバークーゼンを押し込んでいけるようになっていました。

バイエルンの攻撃が厚みを増したことでレバークーゼンが近い距離を保てているのは低い位置だけになり、攻撃に移ったときに人数がかけられておらず、前半は近い距離でボールを繋ぎつつ攻撃できていたのが、一本の長いボールをフォワードへ送らなければならなくなっていました。その体勢を整える時間をあまり与えていませんでしたが、レバークーゼンはそれを足下へとは送らず、裏を狙いっているために前半のバイエルンとは違い、カットできたとしても即カウンターへ、とはならず、チャンスの拡大には繋がっていませんでしたが、キープさせていないお陰で全体を押し上げて陣形を整える時間を与えておらず、ペースとしてはバイエルンでした。

ただ得点の機会を得ることは殆ど無く、残りの時間は間延びして、両者が仕掛けをメインとした攻撃をしていたものの、どちらも決め手と運動量に問題を抱えていて攻めきることは出来なくなっていました。

Liga Espanola Jornadas 12. アルメリア対バルセロナ

2010 年 11 月 21 日 日曜日

■UD Almeria 0 – 8 FC Barcelona
バルサはクラシコに向けてピケが後一枚のイエローカードで出場停止になってしまうため、前節と同じくアビダルを先発起用するのかと思っていましたが、怪我をしているらしくフォンタスが先発出場をしていました。アンカーの所にマスケラーノを起用した他は変更はなく、多くの選手が代表戦へ臨んだため疲労が蓄積しているものとばかり思っていましたが、試合内容はそれとかけ離れていました。

アルメリアは試合開始直後こそ積極的で、守備面では縦の動きが非常に大きく、勢いよくバックパスやセンターバックにプレッシャーを与え戻りながらの処理をさせてポジションを下げさせていましたし、ピケがいないところを利用した不安定な処理を期待させるものではありました。しかしシャビやイニエスタの所にも素早く寄せてコントロールさせないようにという意識は見られるものの、バルサは選手の距離を近く保ちダイレクトに動かし逃れられるようにしていることから、それらをいなすことができていました。メッシやビジャがポジションを下げて受けに戻ることでそれらにマークを移させてシャビへのマークの距離を広げてしまえていましたし、マスケラーノやフォンタスからの展開力を補うためにシャビが下がってプレイする回数を増やしていることで、アルメリアのフォアチェックが数人の前線の選手だけで行われている裏側にポジションを取って、プレッシャーを受けづらいエリアでプレイできるようにしていました。そこから受けに戻る選手へ縦へ入れることで相手を引き出しつつ、それをダイレクトで動かして強く当たれないようにしていましたし、アルメリアはその速い動きに対応し切れておらず、密着しなければならない守り方をしているにもかかわらずそれぞれの選手との間に空間を用意してしまっていました。

ただ全体としてバルサの運動量が非常に多いわけではなく、むしろ足を止めている選手も多く見られ、足下へのパスの回数も多いものでした。ゴールへ向かう一部の選手の動きは縦へ勢いのあるものでしたが、それ以外のダイナミックな動きはそれほどありませんでした。ただアルメリアはその動きに引っ張られてセンターバックをあげられなくなってしまい、フォアチェックとセンターバックの意識が分離してしまって中盤に大きくスペースを作ってしまって誰も埋められなくなってしまっていました。そしてセンターバックは警戒しているはずのビジャやメッシを掴まえておらず、入られて裏へ抜けられることばかりを警戒しているようでした。あるいはバルサが行っていた大きく蹴るサイドチェンジでワイドに使われ、外を強く意識させられていたからかもしれませんし、イニエスタが開き、メッシがシャビとの間をつなぐポジションチェンジに対応できていなかったのかもしれません。

先制点はポジションを下げていたメッシへのパスをカットできたりコントロールを制限してしまうようなマークをピボーテもセンターバックも出来ておらず、誰が下がったときについていくのか、制限するのかを明確に出来ていないこの日のアルメリアそのもののプレイからビジャとのワンツーでゴールを奪われていました。メッシの動き直しにも対応が甘く、足が止まり気味になるほど揺さぶられていたことでもありましたが、二失点目もディフェンダーの足に当たった後のこぼれ球だったとしても全員の足が止まっており、ボールしか見ておらず選手を見ていないようでもありました。

その後もシャビがコントロールするためにアンカーと同列にまで下がって多くの時間を過ごし、メッシが本来シャビが入るべきポジションにまで下がってプレイしていましたが、そのポジションチェンジに対応する手段を持っておらず、フォワードのプレッシングとの分離も解消できず、寄せられない環境を解消することすら出来ず、それどころかビジャにすらさらに寄せられなくなり、ボールを持たれた後に厳しくぶつかることも出来なかった。唯一止められていたところはペドロが右のタッチライン際に開いていた所ぐらいでしたが、それは相手のゾーンを広げるためのポジションのようでしたから、そこを縦に塞いだとしてもあまり効果はありませんでした。そこで抑えたつもりでいてもサイドチェンジで一気に左に持っていき、広大なスペースを利用する。その後も得点を奪った後はペドロの縦を徹底して塞ぐことも出来なくなり、彼がポジションを中へ移せるようにもなっていましたし、一発のフィードから得点を奪うことも出来ていました。

前半のうちに大きなリードを奪えたことで怪我を抱えるシャビとイニエスタを休養させることが出来ましたし、体調不良を抱えていたペドロも休ませることが出来た。交代した直後はチアゴとケイタのバランスから上手く前半のように試合をコントロールできていなかったのは少し残念でした。シャビが下がってコントロールしてメッシがそれとフォワードを繋ぐ役割もチアゴがするのかケイタがするのかがはっきりとせず、センターバックからボールを効果的に引き出せず中盤で詰まりがちになっていましたし、大量得点差から足も動いておらずダイレクトでもあまり動かせる距離を保っていませんでしたから、大きな展開も相手を揺さぶって引き剥がすプレイもそれほどしなくなっていました。メッシが右のタッチライン際に開くことで相手を中へ絞らせないような工夫をしていましたし、そこのキープから人数をかけて距離を縮めてダイレクトで動かしていくことは出来ていましたし、バルサの運動量が減った以上にアルメリアの一部を除く運動量と集中は切れていましたから、追加点も奪えた。

徐々にチアゴが引き出して繋ぐ役割を担う姿も様になってきて安定して繋げるようになっていましたし、どんどんとアルメリアが悪化していましたから楽になっていました。得点の意識を持っていたのはピアッティぐらいだったでしょうか。それ以外の場所から脅かされた記憶はあまりなく、最終的には前後半共に45分を経過する以前にホイッスルが吹かれるほどの一方的な試合でした。ただバルサは大味なお祭りにしてしまうような守備をしていたわけではなく、きっちりと守備と切り替えの集中を持っていましたし、得点差よりは締まった試合をしたのではないでしょうか。

FIFA11 – ようやくスケジュールが合いました

2010 年 11 月 15 日 月曜日

FIFA10の最後からFIFA11の体験版が出てからも、お互いのスケジュールが合わずになかなか対戦することはおろか顔を合わせることもなかったガキ氏とようやく対戦することが出来ました。当然のことながら彼には大きなブランクがあり、自分は前回プレイしてからそれほど経っていないので感覚の面では問題ないはず。対戦前にいくつかの変更点とアリーナで操作方法の確認をしてからのスタート。殆どぶっつけ本番と変わりませんけど、相変わらず点を取られるんですよねぇ。相性が悪いというか何というか。諸事情によりスコアだけ。

■Bayern Munchen(leia) 1 – 1 Juventus(gaki)
■Inter(leia) 0 – 1 AC Milan(gaki)
■Villarreal(leia) 2 – 1 Tottenham Hotspur(gaki)
■FC Barcelona(leia) 1 – 1 Real Madrid(gaki)

書き忘れていましたが、この対戦時にはパッチが当たってバージョンは1.03になっています。どんな変更点があったのかを調べていませんが、感覚的なものとして試合開始前のアリーナでキーパーとフィールドプレイヤーが同じ位置にいたり、キックオフの時のポジション適切になっていたり、オフサイドをボールに関与していなくても取るというのがなくなっていたり、パスが若干弱くなった気がする、というぐらいでしょうか。少なくともパスに関しては最初のバイエルンとインテルを使っているときぐらいしか感じませんでしたから、使っているクラブや選手の違いで感じただけだと思いますが、とりあえずバグみたいなものが減って快適になった、のかな。