Bundesliga 9. Spieltag ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン

■Hamburger SV 0 – 0 FC Bayern Munchen
チャンピオンズリーグから間隔をあまりおかずに対戦することになっていましたが、この日も選手のローテーションは行われませんでした。ベンチ入りしたメンバーの中にも経験豊富な選手が少ないため仕方のない部分はありましたが、出場できるだけの選手もいるわけで、疲労を考慮した起用も見たい試合でした。そういった消耗が試合開始時からかすかに見えているようでしたが、バイエルンは運動量を必要とするプレッシングを目指していました。ただそのプレスはあまり効果的ではなく、最後尾を上げられず全体をコンパクトに保つことが出来ていませんでした。HSVは個人のテクニックに裏打ちされた選手同士の距離を広く保っていて、プレッシングをするにはそれら広い範囲へ対応しなければなりませんでしたから、一箇所に集中して人数をかけられなかったこともプレッシングを難しくする要因でした。何よりもきっちりと動いてバイエルンのマーカーを引き連れ、横や縦に動いてパスコースをその中でも作り出せていましたし、それぞれがキープも出来ていた。選手同士の距離が開いていてもそれぞれの動きはしっかりと把握されているようで、パスを出せるだけのパスコースを用意して、バイエルンのプレスにある穴を利用してパスを通し、HSVが主導権を握って展開をするようになっていました。

HSVは無理にボールを奪いに出ることは少なく、二人でボールに対してアプローチをかけ、ボールホルダーへのプレッシャーにする。二枚が揃ってからチェックとカバーに役割を分けて奪いに行くためにその状態を作れることが出来れば抜かれる心配もなく安定していましたし、ボールを収めようとする動きにもきちんと後方からマークに付き制御していました。そのためバイエルンはフィードでマリオ・ゴメスに預けることも出来ず、パスを渡すこともままならない。前で起点となるものがなく、フィードが使いづらくされながらもフォアチェックを受け、繋げずフィードも出せず、コースを切られてしまってクリアを選択させられるなど、繋がせてもらえていませんでした。その上、バイエルンの選手たちは修正できずにいる外と中の距離が離れすぎている問題もそのまま存在しており、HSVのように距離が開いてしまっていてもマーカーを引き連れて動くことでコースを作って後方から上がってくる選手を呼び込み、受けてしまうようなことが出来ていれば問題にならないんですが、前へ出すのにも苦労していました。ただHSVがチェックのために出てそれぞれが掴まえていたものから目を離したときや、パスを奪った直後のカウンターであればボールを運ぶことは出来る。問題はボールを逃がせる場所を用意しようとしていないことで、だから苦し紛れにパスをして、繋がらずに相手ボールへとなってカウンターを受けて押し込まれ、その繰り返しでペースを完全に握られてしまう。

徐々にバイエルンもHSVがパスコースを作ろうとしている動きに対応できるようになってきていましたが、彼らはスペースへのパスも多用しながら動いていました。全体を動かせていることでもあり、バイエルンもこの試合は比較的スペースへのパスが出ている方でしたが、それでもHSVの方が、選手が動いてスペースへのパスを出させようとしていましたし、飛び出しもしている。意図を持ったスペースへのパスで繋いでいるように見え、そして肝心なところでは足下へ楔のパスを入れる。バイエルンはスペースへ抜けられることに気を取られてしまうあまり、普段から厳しくマークできていなかったセンターバックがよりゲレーロやファン・ニステルローイを掴まえられなかったように思えました。

HSVの問題は、それぞれが縦を塞いで振り向かせない守備が出来ているときは上手くいっていましたし、二人で囲い込めているときもきちんと奪えていた。ただワイドに開かせてしまった後、一対一や前を向かれてしまったときに向かっていかず、足を出さずにサポートを待つ傾向が強くあり、簡単にリトリートしてしまう。そのため一定の距離を保って下がってしまう相手ならドリブルをすることは容易く、バイエルンはそこを利用して前を向ければ積極的に仕掛けることでシュートまで持っていけていました。バイエルンの孤立しそうなほどに開いた攻撃もそういった面では役に立つ瞬間があり、そのワイドな位置を警戒するあまりHSVは広がってしまい、序盤に二枚で囲い込めていたゾーンが横に伸びきってしまい、挟み込むことが出来ず一枚で対応することが多くなったことで、よりリトリートと間合いを取った守備をさせる原因になっていました。下がり癖が出てしまったことで予め縦パスの先を抑えておくことが出来なくなり、オーバーラップを躊躇させる効果もなくなってしまった。足下のパスが多かったバイエルンにスペースへ走る動きとパスを出させてしまうようになり、勢いを持ったカウンターを十分にさせるようになってしまいました。前半終了間際にはペースこそ握られなかったものの、カウンターの応酬で大きな上下動が繰り返されていました。

後半になると一転してHSVは慎重に動いたことで、バイエルンは前半終了間際は相手が動いた後に出来たスペースを利用してカウンターしていたものができず、自分たちからの能動的な組み立てと動きが出来ていないことを再確認させられました。バイエルンはまた出し所に困るほど引き出す動きが無く、足下のパスとバックパスから試合に入らなければなりませんでした。攻撃面は相変わらずでしたが、守備面の改善は大きく、フォワードのゲレーロやファン・ニステルローイに収めようとする縦パスに対して、きっちりと後方から当たって自由にさせないようにするようになっていました。それによってHSVも後方が勢いよく上がってこられず、一応の連動の妨げになって勢いを少し落とすことに成功していました。そのため中途半端に上がってきたところでボールを奪ってカウンターが主な戦術となりつつありました。

縦パスは抑えられたもののドリブルなどを使ってHSVは攻撃的に向かって攻撃的な姿勢は継続をしていましたが、そのせいで後方にスペースが出来て、コンパクトに保てずクロースらをフリーにしてしまうようになっていました。そうなると足下のパスで苦労して繋ぐことなく収められるようになり、サイドバックのプラニッチは躊躇なくオーバーラップしてこられるようになった。勢いを出して引きつけてスペースへのパスでそのスピードを落とさないようにできる。HSVが選んだ戦い方は打ち合いを演じてくれているようなもので、バイエルンは引き出す動きにセンターバックが吊り出されてシステムを崩してしまったり、横の動きもゾーンで対応できておらず、揺り動かされてしまっている。そんな状態でフォアチェックはできるはずがなく、下がって対応するようになり、スペースを両者が作りながらカウンターを仕掛け、両者がチャンスを作るようになっていました。

HSVのフォワードが二人変わり、それぞれが楔になれるタイプではなかったことで、HSVは縦にパスを収められるポイントを失って、それまでのような収めて追い越すような動きを取れなくなっていました。チュポ・モティングは下がって受けていましたが、後方からの圧力を逃がせるほどの力はなく、戻すプレイが中心となってしまう。ペトリッチは足下で受けてからのプレイが主で、ディフェンスラインとは戦いませんし、後方からのボールを受けてから前を向くよりも、前を向ける状態で受けることが上手い選手でしたから方針転換が必要でした。だからこそマークから外れて受けて、彼から裏へのパスが出せていた部分はありました。トロホウスキを飛び出させた部分もそうでしたし、ピトロイパが決定的な形を作ったのもそうでした。バイエルンが選手の交代やスタイルに合わせてそれまでの方針を徹底せずに緩めてしまったことがそれらを作ってしまっていました。他の選手はやはり前半からの上下起動を多く強いられる環境から足が止まってきており、特に守備から攻撃の時には反応が遅れて守備へ戻る動きをさせてしまっていましたから、HSVにとっては限界が見えているようでした。

本来なら相手が消耗しきっているようなら選手交代をして仕掛けるべきだったんですが、オリッチが復帰したばかりだったこともあって監督は交代を終了間際になるまで使わず、それ以外の選手を起用することもなくたった一人しか使いませんでした。しかもフォワード同士の交代でバランスを壊さないように考えるもので、チャンピオンズリーグの疲労があった上に消耗する試合展開でしたから他の選手にもチャンスを与えてシステムに変化をもたらしてもよかったでしょうし、デミケリスを必要な選手だと発言するくらいならなおさら交代枠を使い切るぐらいの動きを監督が見せるべきでした。

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