2010 年 10 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 9. バルセロナ対セビージャ

2010 年 10 月 31 日 日曜日

■FC Barcelona 5 – 0 Sevilla
バルサはコパ・デル・レイでこの試合に出場しているメンバーの多くを休ませた効果があってか、試合開始時からバルサの運動量はここ数試合の中でも多かったように思えました。足を止めてパスで繋ごうとするのではなく、それぞれがボールを動かしながらパスコースへと進入しながらパスを出す。そのコースを探すための時間も殆ど無く、コントロールからパスまでスムーズに動き、足下のパスを連続させていませんでした。ダイレクトパスこそ殆どありませんでいたが、しっかりとしたコントロールから前を向けるパスを出していけていた。受け手もしっかりとパスコースへの動きや相手のマークを受けないように背後に動いていましたし、守勢に回ってもそういった動きのある環境が攻守の切り替えの早さに繋がり、一度奪われても奪い返すまでの時間が短く連続した攻撃になっていましたし、それぞれの反応の早さもコンディションの良さを感じさせていました。攻撃に重点を置きながらも、ボールを追い越しすぎて人数を前へ溜めすぎていないこともフォアチェックをかかりやすくしている要因でもあるようでした。

メッシが早々と先制ゴールを決めたことで試合の流れは決定的になってしまいましたが、それ以前からセビージャはマークが緩く、試合開始直後に裏へ抜けられたことが影響していたのか、手前にいる選手に対して向かっていく姿勢や掴まえようとする動きもなく、ボールを奪うために足を出しにも行っていませんでした。特にバルサのアンカーに対してボールを持たせないように掴まえておくのが主な対戦相手の傾向でいたが、それを殆どしておらず、シャビが下がって多くサポートに向かっていたとはいえ、そこにもプレッシャーはありませんでした。そこからサイドバックやフォワードへ出されるボールに対してもマンマークで掴まえて振り向かせない、コントロールさせないというような守備ではなく、少し下がって距離を置き、自分が見られる範囲に置いているだけのようでしたからバルサにとっては非常に楽にプレイさせてもらっていた。それに苦あえて対峙したときにも奪うために向かってくるよりも、キープやドリブルに合わせてリトリートしてしまうことが多く、踏みとどまるよりも下がりながら複数で対応できる環境を待っているようでもありましたが、複数になったからといって片方がチェックに向かうわけでも二枚が二枚待ち構えているだけ、というのも多く見られていました。中盤でも複数で囲んでコースを限定して中へ入らせないようにというのは出来ていてもボールを早く動かせているバルサを相手に限定するだけでは奪いきれず、中央を経由して逆サイドへ運ばれたり動き直されることで、中央へポジションを戻し、再びサイドに出れば引っ張りされる。セビージャは守備で引っ張り出されているだけで自分たちから防ぐために動いているようには見えませんでした。

ばるさは全体的に前にポジションを移しているためにルイス・ファビアーノやカヌーテにバイタルエリアへ入られたり、アンカーの横のスペースに入られてしまうとプレッシャーを与えたり密着して防ぐことは出来ていませんでしたが、サイドアタッカーのペロッティもディエゴ・カペルもバルサの攻撃によって押し下げられているために飛び出される心配が無く失点するパターンに持ち込まれませんでしたし、他の場面ではフォアチェックによってコースを限定してパスカットも出来ていましたし、マークでも密着して自由を与えなかったことで攻撃に形を作らせていませんでした。

ビジャの素晴らしいシュートが決まって二点のリードを早々に手に入れた事に加え、ダニエウ・アウベスを大きくあげておくことでディエゴ・カペルを押し込んでいることでバルサは安定して試合を進めていました。セビージャのディフェンスラインは右に入っているビジャを掴まえる必要もあり、裏を再三狙ってくるダニエウ・アウベスの対処もあって、ディエゴ・カペルがサイドバックの外をケアするためにディフェンスラインに入っているといっても良いほど下がらされていました。バルサはバランスを取るためにシャビが下がっていましたし、セルヒオ・ブスケツをセンターバックの位置にまで下げたり、ピケを右に大きく張りだしておくことで右の裏側を狙われないよう、攻撃時からシステムを構築していましたから、そういった部分でも無理にポジションを動かしているわけでもありませんでした。狙い通りに相手を開かせてしまい、ピボーテが守るエリアを中央に限定してしまってその左右に出てこられないようにする。上手くバイタルエリアで受けられる環境を作っていました。

前半終了間際にコンコが退場したことで、二点のリード以上に数的な有利を作ることになり、バルサは圧倒的に有利な状況になってしまっていました。そのためセビージャはフォワードを減らさなければならなくなったことから、前半は時折あったバイタルエリアでボールを受けてからの展開も狙えなくなりましたし、守備の人数が増えたわけではないからディエゴ・カペルが大きく下がってしまい、左サイドバックの外のディフェンダーのように振る舞ってしまう環境は変えられませんでした。だからといって彼もダニエウ・アウベスに対して厳しくマークに付いているわけではなく、背後を取られないように大きく下がっているだけでスペースを埋めるだけ。ボールを奪ってから出て行こうとしても大きく下がりすぎているために飛び出すことが出来ず、遅れて左の攻撃の選択肢にはなれていませんでした。

もちろん他のポジションに対しても前半同様に密着したマークや厳しいチェックは存在せず、アンカーにも自由にボールを扱わせてもらえて、センターバックから渡すことも、そこから先に繋ぐパスも躊躇しなければならないような場面もなく、苦しむことはありませんでした。退場者が出てからはより中へ絞った守り方をするようになっているため、外に関してはぶつかれず、引いて守って受けるだけ。

お粗末なバックパスで三点目を取ったことでバルサは交代にも余裕を出せるようになり、コパに出場していたペドロや、怪我を抱えているシャビを下げることが出来ましたし、その後はさらに得点を加えたことで同じくコパに帯同をしていたプジョルも休ませることが出来ました。

さすがにこれだけメンバーを休ませるための交代をしてリードを広げてしまうと、ボール動かしてからパスを出すような労力を伴うプレイは減って足下へのパスが中心になっていましたし、マークを受けないために背後に入る動きもしなくなった。セビージャがようやく背中から掴まえようと密着しようとする意識も出していましたし、運動量が減ったこともあってそれをさせてしまうようになった。そのため繋ぐテンポも遅くなっていましたし、一人一人が持つ時間も長くなり、カウンターになっても追い越していく選手がおらず個人での打開が求められるようになっていました。とはいえ、4点差がつけばそれも仕方のないことでしたが、それでもチャンスとなればスピードアップして得点を狙うこともあるわけで、終了間際にはビジャがさらに追加点を入れて5点目。

試合開始直後からセビージャの守備の入り方が緩く、厳しく当たって自由を与えないという意志を示せていればこういった展開にはならなかったのかもしれませんし、一点を取られた後にでもその修正が出来ていればよかったのかしれませんが、それもできなかったのが原因でしょうか。セビージャもコパ・デル・レイを戦ってはいましたが、同じくある程度メンバーを落として試合をしていましたから、それほど疲労に大きな差があるわけではなかったでしょうし、ここまでの大差がついたのは残念でした。

Bundesliga 10. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対フライブルク

2010 年 10 月 30 日 土曜日

■FC Bayern Munchen 4 – 2 SC Freiburg
試合直前にバドシュトゥバーが怪我によって出場を取りやめたためにデミケリスがようやく先発に復帰し、ティモシュチュクとセンターバックのコンビを組み、怪我から復帰したばかりのヴァン・ブイテンはベンチからのスタートになっていました。

バイエルンの試合運びはやはり、サイドバックとセンターバックのボール交換が多く、対バイエルン戦には多くのクラブがそこにボールを持たせることを目的とした守りをしてくるために仕方のないことではありましたが、停滞気味に推移していました。中盤はそれぞれ背中からマークを受けていて、ボールを受けるためにオットルやシュバインシュタイガーが戻れば同様に張り付かれてパスを出しづらい環境を作られてしまう。逆に前へと動けばそれらはついてこないものの精度の高いボールを送って壁を通り抜けることは難しく、基本的には横に動かすしかなかった。
ただバドシュトゥバーやティモシュチュクはそういった場面で、背中にマーカーを背負っている中盤へまず当てて自分が動き直してすぐに戻してもらって相手のギャップを作ろうとする動きはしませんでしたが、デミケリスはシュバインシュタイガーを信頼してマークを受けていても出し、そしてすぐに戻してもらって相手の出方をうかがうことをしている。勇気が要りますが、戻ってくる動きを継続してもらうためには利用することも必要ですし、横だけの変化のない動きよりは相手を引き剥がすチャンスが生まれやすくなる。これまでの試合よりは、そういったプレイの後は前へボールが出やすくなっていましたし、左のプラニッチへのボールに対しても足下へ、ではなく、少し前のスペースへ出すことで動きをもたらしてチェックされないようにもしていました。右のティモシュチュクとラームが足下のボールばかりでチェックを受けて戻すことしかできなかったことから比べると効果が見えるプレイでした。
問題はそこよりも一つ先の部分であることが多く、フォワードへ預けるパスは意志が合わず、裏へ動いているのに足下へパスが出たり、その逆も多く繰り返されていました。そこさえなければサイドバックがオーバーラップを比較的早い段階出来ていたため、それを継続することが出来れば後方に押し込められ続けるようにはならなかったはずなんですが、ミスの多さからサイドバックの上がりからウイングの横の動きもそれほど継続できずにポジションを下げて固定しなければならなくなってしまいました。他にも問題はあり、例えサイドバックが高くポジションを保ったとしても、シュバインシュタイガーがバランスを取って下がってしまうことで、オットル上がっていましたし、前にこそ人数が多く入っているものの、それを繋いで動かすべき中盤の中央に人がおらず、サイドでドリブルをしても中へ渡す相手がおらず、相手のゾーンのただ中へいる選手にしかパスコースが無く捕まりやすい。そしてカットされてカウンターを受ける。少し前がかりになりすぎているようでしたし、そのわりには過密日程と選手のローテーションが出来ないこともあって疲労がたまっているのかもしれませんが、全体の動きが鈍く、動き直しも少なかった。前に人数を置きすぎていることと運動量の少なさからプレッシングがかからず、フライブルクに簡単にオーバーラップを許してしまっていて、相手が多くミスをしてくれていましたから、ピンチを迎えることはありませんでしたが、カウンターを受けることになっていました。

後半からヴァン・ブイテンが投入されたことで中盤の構成が変わり、ティモシュチュクが中盤に押し上げられて、右へミュラー、左へクロース、中央にシュバインシュタイガーになり改善されていました。ミュラーは適正ポジションである右に入ったことで、左右への動きを多くできるようになり、ドリブルの幅を増やしていましたし、ドリブルからパスのバリエーションも多くなった。ラームのオーバーラップを含めて活性化させれていました。欲を言えば、シュートを打つための思い切りが欠けているようで、シュートを前提にした動きをしていれば何本か打てているほど前がぽっかりと空いた状態で受けられていましたが、最終的にパスを選ぶ場面が殆どで脅威になりきれていなかったのが残念でした。

中に入ったシュバインシュタイガーは一つ下のポジションに入っていた時からよく動き繋いだリバランスを取れていましたが、一つ前にポジションを移したことで、セントラル・ミッドフィールダーの位置から前へ出せなかったこの試合の中では、そこから出すための選択肢になれていましたし、クロースとゴメスよりもフォワードとの距離を広げてしまうものの、そこはこの試合では重要ではなかったために問題なく、ディフェンスラインからのボールを引き出す際にも中盤の三枚か代わる代わる顔を出してスリーセンターのようしたことでよりセンターバックからボールを引き出す動きにスムーズさが増し、キーパーののボールタッチは極端に減ったことからもよく解るほどでした。

デミケリスは先制点の貴重なゴールを決めましたし、持ち味のカバーリングによって裏を狙われがちなヴァン・ブイテンの裏側やプラニッチの背後をケアしていました。その部分は全く問題なく安定に繋がっていましたが、二点目後に失点をした場面では、そのカバーの意識が強すぎるあまりに一人だけラインを大きく崩してしまった上に、ニアに飛び込まれてしまって失点の原因を作ってしまっていました。それ以外では目立ったミスはなく、ボールの扱い方や前へ出すための必要な動きもしていましたし、バドシュトゥバーの状態次第なのかもしれませんが、今後も起用してもいいぐらいの出来だったように思えました。
ティモシュチュクも中盤へ移行してからは豊富な運動量でフォアチェックやバランスを取ったり、三点目を決めるような大胆な上がりも出来ていたわけで、彼を中盤で起用することは今のバイエルンにとっては、少なくとも試合にからめていないオットルよりはプラスになるでしょうし、シュバインシュタイガーを前へ上げて以降のスムーズさを考えると、あれを基本形にしてもいいのではと思えるくらいでした。

最後にブラーフハイトの綺麗なオウンゴールがありましたが、それはおまけと思えるほど前半が嘘のように後半はスムーズでした。人が限られているのだから、システムを現状に合わせて変更してもいいと思うんですが、今後はどうするんでしょうね。

Copa del Rey Dieciseisavos 1st Leg セウタ対バルセロナ

2010 年 10 月 27 日 水曜日

■Ceuta 0 – 2 FC Barcelona
バルセロナは長距離移動と過密日程ということもあり、また相手のセウタがセグンダBに所属するクラブということもあり、主力選手の多くを休ませての試合になっていました。具体的にはビクトル・バルデスやピケ、ダニエウ・アウベス、セルヒオ・ブスケツ、イニエスタ、シャビ、メッシ、ビジャといったところでしょうか。プジョルとアビダルはベンチメンバーに入っていましたが出場はしませんでした。代わりにここの所出番がなかったアドリアーノやジェフレンに出場機会が与えられ、バルサBからのフォンタスやバルトラ、ノリートらが出場していました。

メンバーが大きく替わっていることもあってか、バルサはボールを収めることや繋ぐことも安定して出来ておらず、ポジションを被らせてしまうこともあり、不安定な立ち上がりでした。特に中盤にあるスペースが大きく、センターバックがボールを持ったときに受けに戻るべきチアゴ・アルカンタラやケイタの動きが鈍く、フィードを選択しなければならなかったり、フォワードへと直接ボールを渡そうとしなければならず、長い距離のボールはカットされやすく安定して繋げない要因になっていました。そのため、マスケラーノがよく下がってボールを引き出そうとしたり、センターバックの間に入りフォンタスとバルトラをサイドに開かせて3バック気味にして外から組み立てさせようとしていましたが、セウタの狙いはそこにあるようでした。
センターバックがボールを持っているときにはサイドバックのマクスウェルとアドリアーノにしっかりと付き、そこへ預けさせなかった。ケイタとチアゴにしても掴まえられていて、パスコースを探させ、時間を使わせた上でミスを待ってカウンターを狙う。多くの時間でセンターバックの二人は出し所に困っていましたから、その戦い方はある意味では成功していたようです。ただペドロが上手くウイングの位置から中央へと入り、ボヤンの下につくような形になってボールを引き出そうとしたことで相手の陣形とマークを外して縦パスを収められていましたし、マークを受けずに前を向き、そこからボールを配球することが出来ていました。それ以外でもダイアゴナルの動きからマークを外して起点となれることがはっきりしたことでペドロに多くボールが集まり、上手くそれがチームの共通の動きとして連動できていました。

徐々に攻撃面では改善を見せていましたが、守備面ではフォアチェックが出来ておらず、ディフェンスラインも上げられずにスペースを相手に与えてしまっていました。セウタが下がって守っていてもディフェンスラインを押し上げてコンパクトに保てておらず、前との距離があったことからフォアチェックを書けようとしたとしても前線の選手をかいくぐられてしまえば何もないものと同じでしたし、マスケラーノが攻撃時にセンターバックの間に入ることで、二人にボールを持ち上がらせて変化をもたらそうとしていることもあって守備に回ったときにアンカーのポジションに人がおらず、中盤のスペースを埋める守備が出来ていないのも一つの原因でした。そこへ入られてボールを受けられてディフェンスラインを下げさせられてしまう。経験の朝二人のセンターバックを抱えているとはいえ、あまり改善の見られるポイントではありませんでした。

マクスウェルが角度のないところからゴールを決めてくれたことで、前へ急ぎすぎていた攻撃に少しだけ落ち着きが見られるようになっていました。それまではドリブルで仕掛けるばかりで、後方からサイドバックの上がりや中盤の飛び出しを待つ余裕がなく、個人が仕掛けるだけでフォワード同士の連動した動きもありませんでしたし、ドリブルを囲まれて奪われるばかりだった。それを背後から抑えられながらもパスを繋ごうとする余裕が出てきていましたし、ドリブルで仕掛けるのではなく味方に預けようとするようになった。お陰でサイドバックが高い位置を保てるようになり、アドリアーノが上がってくればウイングのペドロはより中に入りやすくなる。他にもセンターバックからバルトラが押し上げてくることもあって、中央での仕掛けが徐々に増えていました。二点目後にはよりそれが増え、それまではサイドバックに付いていたマークやウイングに付いていた選手たちも中に絞って守備をするようになり、バルサにとってはサイドで自由に使えるスペースが増えていました。センターバックからのボールをチアゴが引き出そうとするようにもなっていましたし、相手を中央に寄せたことでバルサもそこへ人数を入れられるようになったことと、マスケラーノがセンターバックの一から一枚あげて守備のケアをし始めたこともあってセカンドボールを拾えるようになっていました。

ただジェフレンが怪我をしたことが痛く、ただでさえすくないアタッカーとトップ登録の選手が減ってしまい全治一ヶ月のようです。その間のリザーブをどうするのかも気にかかりますが、この試合の残りはノリートが途中出場していました。ただノリートは前半に見せ場は何一つ無く、前半の悪い時間帯にあったプレイを一人だけが引きずっているように、味方を使えず、緩急をつけられていない急ぐだけのドリブルで突っかけては奪われているだけで、停滞してキープして味方の上がりを待つことも出来ていませんでした。
後半になるとバルサのポゼッションがより安定したことに合わせて、ノリートも前へ急ぎ過ぎなくなっていました。少しだけ緩急をつけて相手を引き寄せた上でパスを選択できるようにもなりましたし、まだ焦りのようなものは見えましたが余裕も出てきたようでした。

セウタの守り方は中央で仕掛けられているために真ん中に集まり気味ではありましたが、ディフェンスラインの選手たちはそれぞれ自分の位置を守っているばかりでマークに付こうとあまりしておらず、それぞれの選手の間がぽっかりと空いており、ボヤンはそこを利用しようと何度も動いていましたが、一度の成功を除き、多くは足下で受けてしまってセンターバックの間を抜けようとしている狙い通りのプレイは出来ていませんでした。

全体的には改善されていたものの不満はバルサのセンターバックの二枚で、前からパスコースを塞ぐためのチェックが行われていてもあげ切れておらず、中盤にぽっかりとスペースを与えてしまっているのは前半から変わらず、そこで収められて裏へのパスを狙われる。攻撃時には大きく持ち上がれる勇気を持っているようでしたが、守備時にもそういった守る勇気を出して欲しいところで、マスケラーノがそこに吸収されていることと相まってチアゴとケイタの位置も繋がなければならないために低くなる。そうするとフォワードの距離が開いてプレスがかからなくなったり、パスの繋がりが悪くなる。だから早めにフォワードへ預けてしまってフォワードのボヤンもノリートも強引なドリブルをしなければならないほど味方の存在を感じられなくなる。そういった意味では、ペドロがこのメンバーの中では一番バランスを取れていたのかもしれません。

DFB-Pokal 2. Hauptrunde バイエルン・ミュンヘン対ヴェルダー・ブレーメン

2010 年 10 月 27 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 1 Werder Bremen
あっという間に先制点をブレーメンが取ったところから試合が始まりました。バイエルンはこれまでの試合と同様に前から守備に向かおうとしているようでしたが、中盤の運動量が少なく、プレスも散発的ですぐにかいくぐられてしまう程度のもので、プレッシャーとなるには連動をしていませんでした。そのためラームの裏へ出されるボールも精度が高く、アルナウトビッチに起点を作られてしまうことになっていました。またティモシュチュクのクロスに対する危機感があまりにも薄かったのも事実で、飛び出してくるピサロに対して注意を払っておらず、背後にあるスペースに対しても同様でした。最初のパスからクロスまで陣形を整えるだけの余裕があり、集中していれば防げるはずの失点でした。

バイエルンのプレッシングは緩く、ドリブルで持ち上がろうとしてくるものに対しては複数で囲い込むことが出来ていましたが、それ以外の部分では前がかりに守備をすることが出来ておらず、中途半端に向かっているだけでディフェンスラインは先のプレイから裏へ抜けられることを気にしているようで、前へ向かうよりも裏を気にして踏みとどまっているようでした。前後の分離を継続させるように、プレッシングの意志を挫こうとしているかのようにブレーメンは中盤を省略したフィードを多く使っていて、バイエルンは見事に影響を受けて下がってしまい、前からのチェックは不徹底なまま一人や二人が向かっても他がコースを防げず簡単に逃げられてしまっていました。

バイエルンもフィードやサイドチェンジのロングボールが多くありましたが、それはブレーメンによって縦パスを封じられているからで、積極的に上げられたブレーメンのディフェンスラインによって中盤が圧縮されてスペースが無く、それでいてバイエルンのアタッカーに運動量が無くマークを引きはがせていないことが影響していました。そのため後方から縦パスを入れるのは難しく、反対側の比較的空いているところへ渡そうとしている。あるいは縦パスを入れられたとしても振り向くことは出来ずすぐにバックパスをしてしまって前へ向かっていけない。途中から改善が見られたのは、シュバインシュタイガーがセンターバックの位置にまで下がり、彼が前へ配球したり、二人のセンターバックを押し上げさせて前のマークをずらし始めたことで、少しずつ運動量が増え、縦への展開がスムーズになっていました。ある程度それが継続して出来てしまえばシュバインシュタイガーがそこまで下がる必要はなくなり、ブレーメンがそれぞれ後方から掴まえて置けた守備も、バイエルンの動きが活発化するのに合わせて動かなければならず、一定の距離を保っておくことが出来なくなり、前を向かせてしまうようになった。前を向けばさらにパスを出すことも出来、シュートまで持っていくことも出来る。そういった環境の中ではブレーメンもラインを高く保ち続けるのは難しく、ディフェンスラインを下げてしまい、中盤とのスペースが増えてバイエルンはさらに利用しやすくなっていました。

ただブレーメンはリードを広げてしまうことも出来るはずでしたし、流れを引き戻すチャンスもありました。コーナーキックからフリーでプレドルがヘディングをした場面は、バイエルンのどの選手も集中しておらず、失点した場面と同様に誰も背後にいた彼に注意を払っていなかった。決めなければならなかったプレイで、それを決めてさえいればブレーメンは自分たちの流れへと戻せていたでしょうし、同点に追いつかれることも無かったのかもしれません。バイエルンはその数分後にアルティントップの上げたクロスから同点に追いついてましたが、守備に回っていたのがウェズレイでクロスを上げさせてしまう中途半端な距離だったことも悪影響でしたし、クロスを上げさせてしまった後に足を止めてしまったことで押し込んだシュバインシュタイガーをオフサイドに出来なかった。守備が本職ではないとはいえ怠慢な動きで失点を許してしまっていました。

両者とも中盤の繋ぎで構成するのではなく、カウンターやフィードが中心にありました。バイエルンはマリオ・ゴメスを起点にクロースが衛星のように動いて、マリオ・ゴメスが落としたボールを利用していて、二人の距離はこれまでの試合よりもよく、改善されているようでした。サイドからのクロスも時折狙ってこそいましたが、シルベストルやフリッツに抑えられて軸に出来るほどの回数ではありませんでしたし、ミュラーは特に抜けないことからシミュレーションのように倒れてばかりで、フリッツの誘いに乗せられているばかりで抜ける気配はまるでありませんでした。
ブレーメンはピサロが動きながらスペースを作り、収めて、縦へアルナウトビッチやマリンを走らせて利用するカウンターで、そこにウェズレイが加わることはあっても数が少なく、サイドバックまで含めたバイエルンのカウンターの方がより人数が多く、相手に掴ませ切れないほどの縦の勢いを持っていましたし、フリーの選手も作れていた。流れとしてはバイエルンの方がより多く持っているようでした。

後半になると、それまで抑えられてしまっていることの多かったアルティントップのポジションが不必要なほどタッチライン際に取り続けるわけではなくなり、少し中へ絞ったポジションを取るようになっていました。それによってアルティントップの外側をラームが追い越して利用していけるようにもなりましたし、中のクロースとの距離を縮めて中へのドリブルで変化をつけることも出来るようになり、孤立から改善して攻撃に幅を広げることができるようになっていました。左のミュラーは最後まで一人で全てを引き受けてしまっているかのようにプレイしてしまい、孤立して突破も中への変化もなく後方へ戻すぐらいでした。右にポジションを移したときはバランスよく動けていただけに左でもそれが出来ればいいんですが、左ではそうなってしまうようです。

ただ決定的なチャンス自体はブレーメンの方が多く、コーナーキックからブットの飛び出し失敗でチャンスを得たブレーメンが押し込んだように見えたんですが、何故かプレドルのファウルを取られてリードできず、アルナウトビッチがティモシュチュクとラームの裏へ抜けてキーパーと一対一になった場面もありましたし、その後もフィード一発で裏を取られるどころか入れ替わられてしまったり、ブレーメンはいずれかを決めておかなければなりませんでした。バイエルンの守備の方針からするとティモシュチュクは裏へ抜ける動きに対して弱く、前後両方の処理を強いられるのに対応し切れていないようでした。上手く突けていたにもかかわらず得点できなかったことがまた失点を呼んでしまっていました。
シュバインシュタイガーのゴールは崩せていたわけではありませんでしたが、サイドバックの上がりを右から利用できるようになったことで、幅の広く選択肢の多い攻撃をバイエルンが出来るようになったことで、ブレーメンの守備を広げさせたのが要因で、広がることで厚みを用意できず、シュバインシュタイガーへ寄せ切れていませんでした。だからこそあれだけのシュートが打てたのかもしれませんが、それにしてもあのシュートが素晴らしすぎた。

ブレーメンがウーゴ・アウメイダを投入してポストプレイをさせて起点を作ろうとしたタイミングで、復帰したヴァン・ブイテンを投入したのは大きく、彼がいるお陰でフィードへの対応がティモシュチュクよりは大きく安定しましたし、きちんと跳ね返せるようになった。さらに中盤に三枚を置くようになったことでその跳ね返したボールを拾えるようになりましたし、いい交代でした。

FIFA11 – 日本語版が発売されまして

2010 年 10 月 25 日 月曜日

海外版が先行発売されて色々FIFA11の評価は入ってきていましたが、日本語版がようやく発売されて製品版を触ることが出来ました。

新規追加された機能ではカスタムチャントは面白く、それぞれのチームやリーグの雰囲気を演出するには非常に役に立つんですが、通常の音量では聞き取れないほど小さく再生されてしまうので、PS3へデータを移す前にパソコンで音量を上げておく必要があるのが残念で、ファイル数が多くなればそれもかなり手間がかかる。しかも音量を上げてもまだ小さいので、さらに工夫が必要なようですが、それでもユーザーの手でより雰囲気を出せるようにさせてくれたのは高評価。

それともう一つ新要素、クリエイトセンターも非常に有効で、収録されていないクラブや選手を作成したい人は自分で作成できるし、使いたいだけならそれらをダウンロードするだけで自分のPS3で遊べる。これで日本代表も収録されて無くてもそれもどきは使えますし、Jリーグにしてもそう。あとはチャンピオンズリーグに出場している未収録のチームなどもこれで使えますね。そういった面ではこれもまたユーザーが楽しみを広げられる要素で凄くいいんですが、問題はカスタムチャントは仕方ないとしても、ゲーム本体で完結していないこと。前作からのゲームフェイスもそうですが、どうしてもパソコンを経由して日本語版の公式ホームページではなく、海外版の公式ホームページで操作して処理をしなければならないのが、人によっては手間でしょうしハードルになるかもしれない。特にゲームフェイスはパソコンの性能を使いますし、OSやブラウザの制限も激しいので、ゲーム内部で完結してくれれば利用者も増えると思うんですが、そうはならず。一度作ると画面右下のアイコンがずっとゲームフェイス作成時の画像に強制的にされてしまうのもマイナスポイントですね。

あとは細かい部分ではインターフェイスがよくなり、日本人に受け入れられやすいものに近づいたことも好材料。チーム名が日本語表記になったのはプラスなのかマイナスなのかよく解りませんね。無理なカタカナ表記のせいで首をかしげたくなる表現になっている部分もありましたから。
他には起動時にかくついて不評だった部分もあまりなく、PS3版はHDDにインストールできないのが残念ですが、多少は10よりましかもしれない。ロードというよりセーブの長さが相変わらず足を引っ張っている印象ですが、こオートセーブをオフにして対処できればこれも解消できたのかもしれませんが、それをオフに出来る設定は見つけられませんでした。今のところ目立ったバグは見えませんが、入場場面というか両チーム名がまず表示される画面が省略されてしまうのに遭遇したり、画面の切り替わりの時にアリーナが透過状態になってしまうことはありましたが、まだ致命的な所には至っていないので、いつもの通り。少々編集に困るぐらいでしょうか。前作のバグは減らしたみたいですが、新たにバグがある感じかもしれない。試合がデフォルトで昼間開催なのはどうにかならないのかな。夜固定とかできるんだろうか。日陰に入ったときの見づらさが酷いから今度試してみよう。

とりあえず発売記念にいつもの対戦相手であるショウ氏とオフラインで対戦をしまして、これはその動画。二人とも殆どFIFA11に触れておらず、体験版でも結局対戦せずじまいでしたから下手さ加減は推して知るべし。もちろんFIFA10からの間隔が空いていることも考慮してもらえると有り難いです。

■FC Barcelona 1 – 1 AS Roma
二人とも体験版はプレイしていたものの、結局得点をまともに取れなかったのは変わらず、プレイもあまりしていませんでした。そのため試合勘はかなり鈍ってますし、体験版同様に相手のディフェンスライン前まで攻め込むことが出来てもそこから崩すアイデアが出てこないという有様。お陰で一日早く触っている(といっても対cpu戦すらしていませんが)アドバンテージが活かせるかと思ったら初ゴールはショウ氏。FIFA11になってからまだアリーナ以外でゴールネットを揺らしたことがないというのに、初ゴールを奪われてしまいまして。何とか追いつけたものの動画で解るとおりのシュート数の少なさでさっぱりでした。

■CSKA Moscow 0 – 0 Manchester City
残念なことにチェスカモスクワと呼んでくれませんでした。そこでちょっと残念な上に全く本田が似ておらずさらにがっかり。やっとロシアリーグが搭載されたからと使ってみたのに、なんという酷い仕打ち(わら
そのうえさっぱりCSKAを使えず、攻めも守りも全く上手くいかず手詰まりもいいところでした。チャンスが作れた! と思ったら全部オフサイドというお粗末っぷり。よくぞあのシティ相手に失点しなかったもんだと思うだけです。

■Borussia Dortmund 1 – 0 Schalke 04
うん、まぁ、日本人対決ということでそれぞれを起用しての対戦になりましたが、フィジカルがかなり重要視される作りになっているためか、内田篤人選手の部分がとにかく穴。技術的とか戦術的とか云々言えるレベルじゃなく、ボールのないところで選手をぶつけておけば勝手によろけて道を譲ってくれる状態。さすがにそういった目に見える弱点は利用していたんですが、結局後半開始直後の一点のみ。

■Germany 1 – 1 Japan
この日本代表はクリエイトセンターにあったものをダウンロードさせてもらって使ってます。念のため。
さすがにフィジカルに大きな差があって吹き飛ばせるくらいパワーは違うんですが、どうにも自分は接触プレイでごり押ししていくというのが苦手らしく、それでチャンスを作るのは少なかったですね。要所要所できっちりと吹き飛ばしておきましたが、そもそもチャンスになりそうな場面すら作れず、結局追いつかれる有様。噂に聞いた完璧すぎるフライスルーパスってのがこれのことなんでしょうか。ミスな気もするし、自分のスルーパス頼みも結構なものだと思うけど、これをオンラインで狙われ続けたら防げる気がしない。

■Bayern Munchen 1 – 4 Real Madrid
とにかく言えることは、クリスチアーノ・ロナウドが早すぎることとカカも同じくらいに止められないこと。この二人とイグアインが絡んだカウンターだけで試合を支配できるんじゃないかと思えるほどの破壊力で、バイエルンのディフェンダーが鈍足なのを差し引いても早すぎる。バイエルンの弱点も見事に再現されていて、ディフェンスラインと中盤との間がぽっかりと空いてボールを受けられまくりで、自分で戦術をいじらなければやられる続けるのは想像に難くないです。この試合の失点はミスが大半だったような気がしますが、慣れたらあっという間だろうなぁ。

Liga Espanola Jornadas 8. サラゴサ対バルセロナ

2010 年 10 月 24 日 日曜日

■Real Zaragoza 0 – 2 FC Barcelona
サラゴサはスタート時こそ5バックというよりは4枚のディフェンスラインに一枚のアンカーを据えたような形で、バイタルエリアに入ろうとする選手に対してマンマークをするような姿勢であるように見えましたが、すぐにセンターバックを3枚にした5バックへと変化をしていました。その前には3枚のピボーテを用意し、非常に守備的な布陣で守りきろうとする意識が見え、中央を固めていました。バルセロナもそれに対応すべく、3バックへとシステムを変更させて、イニエスタを左に、メッシを中盤中央へと動かしていました。ビジャ一人がディフェンスラインに入るのみなのに対して、三枚で守ろうとするために人があまりがちで、バイタルを埋めていた選手が下がったことでピボーテが下がってバイタルエリアにスペースを作らないようにしていた。そのため中盤に下がったメッシには自由に出来るスペースがそのピボーテの前に存在していて、ボールを受けた後にドリブルで仕掛けることも出来、シュートも狙えてしまった。そうやって何度か利用されて以降はメッシに対して素早くぶつかろうとしてピボーテやセンターバックが積極的にぶつかりに向かう姿勢を出すようになりましたが、それでも過剰なほど人を入れていることには変わりがありませんでした。

それだけの人数がサラゴサの後方に固まっていることでバルサは後方では自由に持たせてもらっていましたが、中盤の構成がはっきりとせず、ボールを引き出しに戻る選手も少なく、見方に寄ればセルヒオ・ブスケツとダニエウ・アウベスが二枚でピボーテをやっているように見えるほど右のウイングバックが絞ってしまっていて、サラゴサにカウンターを狙われた時には右のセンターバックのプジョルの外に大きなスペースがありそこを使われて縦に向かわれることもしばしばありましたし、攻撃に回ったときにはペドロが孤立をしてしまって、中を固められていることも手伝ってウイング一枚に攻撃を頼まなければならない場面が増えていました。それは左のイニエスタも同じで、後方にサイドバックがおらず戻す場所もありませんでしたし、中にはメッシ一人が多くのマーカーの真ん中にいてパスが出せない。ダニエウ・アウベスは絞り気味でケイタはクロスに備えて中に入る。そういった状況でワイドな部分へ開いても縦の連携が出来ないまま自分で深くまで切れ込んでクロスする以外のバリエーションをもたらせず、個人の頑張りだけで試合を進めているようでした。例え横パスを選択しようとしてもスペースが無く引っかかってしまうでしょうが、それでも非常に近くサポートできるだけの距離を保ってもバルサであれば連携できるでしょうから、そうやって一人ではなく二人や三人でサイドを崩す意識を見せて相手を横へ引き出していく必要もあるはずでしたが、それもなく、中央のメッシの所に多くの人を残してしまったままでした。そのため中へとドリブルをしても中央に十分なディフェンダーがいて、預けようとしてもポイントが見つからず、通常のように中へ切れ込むドリブルからバイタルエリアに入った選手へ預けて飛び出してワンツーを成立させることも出来ず、ボールを引っかけられるだけでした。

相手にボールを奪われると前に送り込みすぎた人数が、フォアチェックを使用としてもボールよりも前にいてしまうケースが多く、戻りながらの守備をしなければならず、チェックらしいチェックを攻撃時の布陣が不味いために出来ずボールを運ばせてしまっていましたし、ダニエウ・アウベスが中でピボーテとして処理する回数が多くても、次に上がってくる選手を掴まえているわけではありませんでしたし、センターバックの前にあるスペースを埋められていたわけでもない。サラゴサが飛び出してカウンターにしようとしてくる攻撃を処理するのはセンターバックのみで、彼らが多く目立っていたことが守備の危なっかしさを象徴しているようでした。幸いにもサラゴサに勢いがありませんでしたし、防げる範囲のプレイが殆どでしたから決定的な形は作られませんでしたが、危険な状態でした。

バルサがチャンスを得られたのは早いだんかいで裏へとスルーパスを出し、手前にある守備の人数を相手に活かさせないプレイを選択したときくらいなもので、左右に開いてもワイドすぎて外と中の間隔が開きすぎてチャンスを逃していました。ただ徐々にバルサも修正をしているように見え、左のイニエスタが中に絞ることで相手のゾーンを極端に狭めてしまい、守備の担当しているゾーンを不明確にさせてポジションを被らせてしまう。そのうちにどんどんと人を入れて前にのみ集中をさせて足を止めさせて飛び出してシュートを打つ。ダニエウ・アウベスが飛び出してチャンスを得られていましたが、シュートは決められず。その後しばらくは絞った攻撃もするようになっていましたが、攻撃を後方から始めなければならなくされてしまうとまたワイドな状態に戻ってしまい、窮屈な攻撃に戻ってしまっていました。

先制点を取れたのは相手が前に出てきてくれたから、という部分が大きく、攻撃に出ようとしたところでボールを奪えたからこそ、三枚のピボーテの背後でボールを受けられ、サイドバックもおらず3バックになったのみの所を使えていました。ビジャが相手を引きつけたプレイも素晴らしかったですし、メッシの動きもそこへ出たパスも素晴らしかった。それができたのも相手が埋め続けたスペースが空いたからこそでしょう。

後半に入るとサラゴサの動きは鈍く、それぞれが足を止めて自分のゾーンばかりを気にするように見えて、バルサはボールを回しやすくなっているようでしたが、ポンツィオが不用意にダニエウ・アウベスにファウルをしてしまったことで退場になるとよりサラゴサの動きの悪さは目立つようになっていました。下がって受けようとするメッシに対して前半であれば徹底してついて自由を与えないようにすることも出来ていましたが、一人少なくなったこともあって、ついて行ってしまえばバイタルエリアを空けてしまうことになり、躊躇して踏みとどまるようにして自由を与える代わりにポジションを守るようになっていました。バルサは他ではダニエウ・アウベスが中に絞る回数を減らしてペドロを追い越してサイド出たての連動がようやく見られるようになりましたし、サイドを崩しやすくなった影響からか、バイタルエリアを守るべく引っ付いていくのを辞めたはずのピボーテがバイタルエリアを空けてくれるようになっていましたから、そこにメッシが入ってボールを受けられるようになっていましたし、そこでボールを受けられればサイド場から中へとボールを動かせることにも繋がり、相手はラインを作って並んでいるだけで足を止めてしまっていました。

サラゴサは交代をして攻撃に出ようとしてシステムを4バックへと替え、前から守備をしようと向かってみたり、フィードに対応して出て行くようにもなっていましたし、バルサの後方の組み立てに対してもプレスをかけるようになっていました。バルサもそれに合わせて3バックのシステムから4バックへと戻して、ダニエウ・アウベスを右サイドバックへと戻し、イニエスタを中盤に下げて本来の布陣へと戻していました。選手の距離がいつも通りに戻ったことで選手の距離が殆どの場所で近くサポートしやすいものになり、横にも縦にも動かしやすくなったようで、多くのパスコースを利用してスムーズさが大きく増していました。

二点目をメッシがあげた後は特にシステムを戻した効果が現れ、不必要に前がかりでワイドに開いていた前半とは違い、きちんとした縦の厚みを持ったことでバルサのフォアチェックが機能するようになり、相手にプレッシャーを与えられるようになった。前から奪いやすくなったと同時に後方がしっかりと準備が出来るようになったことでセンターバックが守備面で目立つ場面が減り、より組織での守りができるようになっていました。

75分を過ぎてからようやくサラゴサはボールを回せるようになっていましたが、バルサはメンバーを変更してペースをも落としていましたから仕方のないとするしか無く、スペースを与えて自由にプレイさせてしまっているため問題があり、出来るようになっていたフォアチェックも連動できず散発的に寄せるだけでは簡単に逃げられて繋がってしまう。一人が頑張っても他がついていかず、チームが一体になっていると感じることができていませんでした。それぞれが距離を取って守ってしまって、パスを簡単に許してしまっていましたし、それが裏へのパスや飛び出しを許すことにも繋がってしまった。緩く不安定な守備をしていましたがマスケラーノが投入されてからはそれが若干締まった気もしましたが、この試合の流れを見る限りではそうなっても仕方のなかったのかもしれません。

Bundesliga 9. Spieltag ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン

2010 年 10 月 23 日 土曜日

■Hamburger SV 0 – 0 FC Bayern Munchen
チャンピオンズリーグから間隔をあまりおかずに対戦することになっていましたが、この日も選手のローテーションは行われませんでした。ベンチ入りしたメンバーの中にも経験豊富な選手が少ないため仕方のない部分はありましたが、出場できるだけの選手もいるわけで、疲労を考慮した起用も見たい試合でした。そういった消耗が試合開始時からかすかに見えているようでしたが、バイエルンは運動量を必要とするプレッシングを目指していました。ただそのプレスはあまり効果的ではなく、最後尾を上げられず全体をコンパクトに保つことが出来ていませんでした。HSVは個人のテクニックに裏打ちされた選手同士の距離を広く保っていて、プレッシングをするにはそれら広い範囲へ対応しなければなりませんでしたから、一箇所に集中して人数をかけられなかったこともプレッシングを難しくする要因でした。何よりもきっちりと動いてバイエルンのマーカーを引き連れ、横や縦に動いてパスコースをその中でも作り出せていましたし、それぞれがキープも出来ていた。選手同士の距離が開いていてもそれぞれの動きはしっかりと把握されているようで、パスを出せるだけのパスコースを用意して、バイエルンのプレスにある穴を利用してパスを通し、HSVが主導権を握って展開をするようになっていました。

HSVは無理にボールを奪いに出ることは少なく、二人でボールに対してアプローチをかけ、ボールホルダーへのプレッシャーにする。二枚が揃ってからチェックとカバーに役割を分けて奪いに行くためにその状態を作れることが出来れば抜かれる心配もなく安定していましたし、ボールを収めようとする動きにもきちんと後方からマークに付き制御していました。そのためバイエルンはフィードでマリオ・ゴメスに預けることも出来ず、パスを渡すこともままならない。前で起点となるものがなく、フィードが使いづらくされながらもフォアチェックを受け、繋げずフィードも出せず、コースを切られてしまってクリアを選択させられるなど、繋がせてもらえていませんでした。その上、バイエルンの選手たちは修正できずにいる外と中の距離が離れすぎている問題もそのまま存在しており、HSVのように距離が開いてしまっていてもマーカーを引き連れて動くことでコースを作って後方から上がってくる選手を呼び込み、受けてしまうようなことが出来ていれば問題にならないんですが、前へ出すのにも苦労していました。ただHSVがチェックのために出てそれぞれが掴まえていたものから目を離したときや、パスを奪った直後のカウンターであればボールを運ぶことは出来る。問題はボールを逃がせる場所を用意しようとしていないことで、だから苦し紛れにパスをして、繋がらずに相手ボールへとなってカウンターを受けて押し込まれ、その繰り返しでペースを完全に握られてしまう。

徐々にバイエルンもHSVがパスコースを作ろうとしている動きに対応できるようになってきていましたが、彼らはスペースへのパスも多用しながら動いていました。全体を動かせていることでもあり、バイエルンもこの試合は比較的スペースへのパスが出ている方でしたが、それでもHSVの方が、選手が動いてスペースへのパスを出させようとしていましたし、飛び出しもしている。意図を持ったスペースへのパスで繋いでいるように見え、そして肝心なところでは足下へ楔のパスを入れる。バイエルンはスペースへ抜けられることに気を取られてしまうあまり、普段から厳しくマークできていなかったセンターバックがよりゲレーロやファン・ニステルローイを掴まえられなかったように思えました。

HSVの問題は、それぞれが縦を塞いで振り向かせない守備が出来ているときは上手くいっていましたし、二人で囲い込めているときもきちんと奪えていた。ただワイドに開かせてしまった後、一対一や前を向かれてしまったときに向かっていかず、足を出さずにサポートを待つ傾向が強くあり、簡単にリトリートしてしまう。そのため一定の距離を保って下がってしまう相手ならドリブルをすることは容易く、バイエルンはそこを利用して前を向ければ積極的に仕掛けることでシュートまで持っていけていました。バイエルンの孤立しそうなほどに開いた攻撃もそういった面では役に立つ瞬間があり、そのワイドな位置を警戒するあまりHSVは広がってしまい、序盤に二枚で囲い込めていたゾーンが横に伸びきってしまい、挟み込むことが出来ず一枚で対応することが多くなったことで、よりリトリートと間合いを取った守備をさせる原因になっていました。下がり癖が出てしまったことで予め縦パスの先を抑えておくことが出来なくなり、オーバーラップを躊躇させる効果もなくなってしまった。足下のパスが多かったバイエルンにスペースへ走る動きとパスを出させてしまうようになり、勢いを持ったカウンターを十分にさせるようになってしまいました。前半終了間際にはペースこそ握られなかったものの、カウンターの応酬で大きな上下動が繰り返されていました。

後半になると一転してHSVは慎重に動いたことで、バイエルンは前半終了間際は相手が動いた後に出来たスペースを利用してカウンターしていたものができず、自分たちからの能動的な組み立てと動きが出来ていないことを再確認させられました。バイエルンはまた出し所に困るほど引き出す動きが無く、足下のパスとバックパスから試合に入らなければなりませんでした。攻撃面は相変わらずでしたが、守備面の改善は大きく、フォワードのゲレーロやファン・ニステルローイに収めようとする縦パスに対して、きっちりと後方から当たって自由にさせないようにするようになっていました。それによってHSVも後方が勢いよく上がってこられず、一応の連動の妨げになって勢いを少し落とすことに成功していました。そのため中途半端に上がってきたところでボールを奪ってカウンターが主な戦術となりつつありました。

縦パスは抑えられたもののドリブルなどを使ってHSVは攻撃的に向かって攻撃的な姿勢は継続をしていましたが、そのせいで後方にスペースが出来て、コンパクトに保てずクロースらをフリーにしてしまうようになっていました。そうなると足下のパスで苦労して繋ぐことなく収められるようになり、サイドバックのプラニッチは躊躇なくオーバーラップしてこられるようになった。勢いを出して引きつけてスペースへのパスでそのスピードを落とさないようにできる。HSVが選んだ戦い方は打ち合いを演じてくれているようなもので、バイエルンは引き出す動きにセンターバックが吊り出されてシステムを崩してしまったり、横の動きもゾーンで対応できておらず、揺り動かされてしまっている。そんな状態でフォアチェックはできるはずがなく、下がって対応するようになり、スペースを両者が作りながらカウンターを仕掛け、両者がチャンスを作るようになっていました。

HSVのフォワードが二人変わり、それぞれが楔になれるタイプではなかったことで、HSVは縦にパスを収められるポイントを失って、それまでのような収めて追い越すような動きを取れなくなっていました。チュポ・モティングは下がって受けていましたが、後方からの圧力を逃がせるほどの力はなく、戻すプレイが中心となってしまう。ペトリッチは足下で受けてからのプレイが主で、ディフェンスラインとは戦いませんし、後方からのボールを受けてから前を向くよりも、前を向ける状態で受けることが上手い選手でしたから方針転換が必要でした。だからこそマークから外れて受けて、彼から裏へのパスが出せていた部分はありました。トロホウスキを飛び出させた部分もそうでしたし、ピトロイパが決定的な形を作ったのもそうでした。バイエルンが選手の交代やスタイルに合わせてそれまでの方針を徹底せずに緩めてしまったことがそれらを作ってしまっていました。他の選手はやはり前半からの上下起動を多く強いられる環境から足が止まってきており、特に守備から攻撃の時には反応が遅れて守備へ戻る動きをさせてしまっていましたから、HSVにとっては限界が見えているようでした。

本来なら相手が消耗しきっているようなら選手交代をして仕掛けるべきだったんですが、オリッチが復帰したばかりだったこともあって監督は交代を終了間際になるまで使わず、それ以外の選手を起用することもなくたった一人しか使いませんでした。しかもフォワード同士の交代でバランスを壊さないように考えるもので、チャンピオンズリーグの疲労があった上に消耗する試合展開でしたから他の選手にもチャンスを与えてシステムに変化をもたらしてもよかったでしょうし、デミケリスを必要な選手だと発言するくらいならなおさら交代枠を使い切るぐらいの動きを監督が見せるべきでした。