2010 年 8 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 1. ラシン・サンタンデール対バルセロナ

2010 年 8 月 30 日 月曜日

■Racing Santander 0 – 3 FC Barcelona
試合開始時の勢いはラシンの方が優れていて、ボールを落ち着かせて人数をかけて攻めるのではなく、素早く相手の裏へボールを出して一気にゴールに迫るカウンターを主にしているようでした。それとチテに早く当ててしまう、あるいはウイングに持たせて縦の突破を狙う。その中でも中心に据えようとしているのはバルサのサイドバックの裏にあるスペースのようでした。

バルサのゴールがあまりに早すぎたためにそれが実を結ぶよりも早く試合の最初の流れが傾いてしまい、落ち着きをバルサに与えることになってしまっていましたが、狙いとしては効果的だったように見えました。バルサはアンカーのセルヒオ・ブスケツをセンターバックと同列にまで下げて攻撃を組み立て、センターバックを大きく広げてサイドバックを前へ押し出す。それによってイニエスタとビジャのウイングが中でプレイしやすい環境を作り、サポートをサイドバックにさせる。そのお陰で先制点のようにイニエスタが中へ入れてバイタルエリアでスルーパスを出せたわけですが、守備面では弱点にもなっていました。

まずセンターバックのアビダルは前後左右どれを重視するのかが不明確で、後ろのスペースを意識せずに不要に奪いに出てかわされてしまったり、届かずに反転して後ろに戻らなければならなくなるなど万全ではなかった。そこへサイドの裏に出されるボールが来ればセンターバックが引っ張られるかサイドバックが戻りながら背後から追いかける展開になり、ラシンが目指していた速攻からクロスで得点を取ることも十分に可能な環境になっていました。先制点さえなければその流れからいくつかピンチを作られていたかもしれませんが、序盤は守備の不安が大きく出ることはなく、アンカーを下げてセンターバックを広げる布陣は攻撃面での働きを目立たせていました。

バルサはそこからボールを出すのに苦労をしておらず、ラシンの守備はある程度の高さを保ってディフェンスラインに対してプレッシングをしているんですが、三枚に対して同時に出来ているわけではなく、出来て二枚まででした。そのためフォワードが追いかけてボールの出所を抑えようとしてもバルサが左右に動かすだけでかいくぐることが出来、そこに対しても向かおうとすればサイドバックをフリーにしてしまって縦へのパスを許してしまうことになり、それの対処からウイングにも厳しく行けなくなる。そのためラシンは中盤に厚みを持たせて、ラインを高く保つ、中盤中央にスペースを作らず密集させることで後方での組み立てを無効化しようとしているようでした。

ラシンが高く保って中盤に人数をかけて寄せを早くしているためバルサのパスは中盤での構築をメインとしておらず、シャビやケイタを経由させずにメッシやイニエスタらに直接渡してしまう。プレッシャーの強くかかっている中盤を省略させてしまうことでバイタルエリアに直接ボールを渡していくことで、ラシンのディフェンス利アンガドリブルや裏へのボールを警戒して下がらざるを得ない環境を作り、中盤との距離を広げさせようとする。ラシンはそうならず中盤を下げることで距離を保っていましたが、それはバルサが中盤で受けるだけのスペースを意識の変化によって作り出すことで、フォワードへ直接ボールは渡りづらくなりましたが、その分中盤でボールを持てるようになり、いつもよりは省略をしているとはいえポゼッションを開始できるようになっていました。それでもボールを回し続けてポゼッションが出来なかったのは、ラシンのラインが最後尾を高く保っていて、押し下げられてもバルサが下げるタイミングに合わせてきっちりと中盤がプレッシングをしながら押し上げる。連動してスペースを与えないように動かされていたために崩しきるほどのチャンスを得ることは出来ませんでした。が、ビジャのクロスをキーパーがパンチングし、そのこぼれ球をイニエスタがループ気味に押し込んで、二点目をそんな状況であっても決めてしまうバルサが個人の力で打開してしまってラシンとしては統率された守備をしていたんですが、その上をいかれてしまったようでした。

バルサの守備の問題は二点目以後に目立つことが多くなり、ディフェンスラインの前に守備の選手が見あたらないことが大きな問題になりつつありました。サイドバックを押し上げていることでサイドに裏のスペースが存在し、センターバックがそこに出続けられるわけではなく利用されることも問題ではありましたが、センターバックの前からドリブルをされたときにも踏みとどまることが出来なかった。それは中盤の選手がディフェンスラインの前で守備をしておらず、フォアチェックは出来たとしてもそれをかいくぐられた後の約束事がないかのように最後尾の一枚のラインのみで守備を強いられているために起こっていました。もしアンカーがディフェンスラインに入っていなければ彼が先にチェックに向かうことでセンターバックが足を止める要素に出来るんですが、その状況ではなく、一枚前のシャビやケイタにしてもスペースを埋める動きにはなっていなかった。だからこそセンターバックの前後左右に不安定なプレイとピンチに繋がっているわけで、セカンドボールを拾えないのもそれが要因でした。

マクスウェルがPKを与えた場面に関しては後方から追いかける環境を作られたこと自体がミスであるとはいえ、この試合ファウルの笛を吹きすぎていた審判のミスでしょう。当たりも問題なく、手も出ていない。足も引っかかっておらず、タイミングも外だったはず。シミュレーションを取られる可能性が強くあったプレイのはずでした。ビクトル・バルデスがチテのシュートを完璧に読んでセーブしたおかげで審判による失点は防げましたが、納得のいく判断でなかったのは確か。

後半にペドロが投入されたことでサイドの守備を行う人数が増え、イニエスタとケイタも最後尾の前を埋めるように動くようになった。お陰で前半にあったようなディフェンスライン、特にセンターバックらの一枚のラインで相手を止めなければならないような場面は作られにくくなり、サイドから崩されそうな動きに対してもサイドバックが対応しやすくなって安定を得ることができるようになっていました。

守備に大きく戻ったり、ポジションを下げたことも影響しているのかもしれませんし、二点のリードがそうさせたのかもしれませんが、ポゼッションが増えていました。前半シャビがしていた位置にイニエスタ入ったことが大きく、彼がセンターバックからのボールを引き出すためによく戻り、よくボールに触れていたことが、省略をせずに繋げるようになった一番の要素で、ポゼッションをしやすい環境を作る役に立っていました。動かして戻して、という一連の動きによって中央に相手と味方を集めて密集を作って外に大きなスペースを用意してからサイドバックを利用する基本としては変わっていませんが、ポゼッション自体はラシンが強く当たろうとしていることも変化していないので、中央に密集を作りやすく当たられやすく、ダイレクトで動かすにはスペースもなく、人につかれていることも影響をして一人一人のタッチ数が多くなって素早く相手を動かしていくことにはなっていませんでした。ただ中央に寄せられていることで、ラシンがボールを奪ってカウンターに出ようとしても、その中央に寄った状態から攻撃に出ようとするために、バルサの選手たちの守備エリアの範囲内でプレイをするようになり、前半にあったようなワイドに開いてサイドバックの裏を突破していくことが出来ず、中央でパスカットをされる場面も目立つようになっていました。

ビジャが決めた三点目によって勝負は決まり、前半は寄せられていたところが寄せられなくなり、ラインを上げられたのが上げられなくなり、ラシンは中央に厚みを作れなくなっていました。ペナルティエリア付近でバルサにボールを入れられて戻して回され、個々人がプレスに向かうことは出来ても全体がスペースを消しながら動けなくなったことで出来るスペースを突かれていくようになっていました。寄せる速度とタイミングが遅くなるとバルサが自由にボールを動かせるようになり、ボールへ寄せきる前に動かされてしまうようになり、守備は後手に回るとただ走らされて足を出す間もなくポジションの修正のためにまた動かなければならない。無駄走りのように感じて徹底できなくなってくると、そこからの修正は難しく、いくつかの交代を行っても状況を大きく変えるには至りませんでした。

Bundesliga 2. Spieltag カイザースラウテルン対バイエルン・ミュンヘン

2010 年 8 月 28 日 土曜日

■1.FC Kaiserslautern 2 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルンの先発はオリッチが加わってクロースがベンチへ戻った変化のみで、昨季と同じように試合ごとのローテーションは今のところ必要な環境ではないにしろ、考えていないようです。

サイドバックらには一定の自由が与えられながらも、そこより先にはマークをつけられ、戻って受ける動きをしてくれていれば問題なくボールを渡せていたんですが、それ以外で横パスで繋ぐことも前へ渡すことも難しく、方向としてマイナス気味の展開をしなければならないほど常に縦方向に厳しいマークを受けていました。マークはそれほど運動量を発揮していないバイエルンを予め掴まえているだけでなく、ボールを受けた後も厳しく当たり、掴まえ、前を向かせず、縦を徹底して塞ぐことでドリブルで運ぶことも難しくしていました。少々の動きであればマークを外せるものではなく組織として一対一で抑えきるように徹底されたもので、ファウルでも構わないとするぐらいに激しかった。例外があるとすればセンターバックに対しては行われず、最後尾には比較的自由が与えられていたことでしょうか。ただそこが試合開始からそれほど経っていないこともあってリスクを冒しながら自分から変化を与えることはありませんでした。
多くの場面で前を向けず、マークのついていない環境で受けられれば前を向くことが出来るんですが、それを意図して出来ていない。意図して出来ているのはフィードをラインの裏に出し、フォワードを走らせて、相手のラインと中盤を押し下げさせ、こぼれ球を中盤が拾って前を向くことぐらいでした。ただそれをしても、ボールを持った選手の前にはフォワードを囲むように相手が多く存在するためにシュートもコースを狙ってすることはできていませんでした。

カイザースラウテルンは明確な繋ぎのプレイが出来ず、フォワードへボールを収めることも出来ていない。全体が裏を狙いすぎていることがその要因のようでした。相手と併走状態で抜け出す余地がない状態でもフォワードへ出されるパスは足下ではなく裏へ出され、サイドへ出されるボールも足下へ渡してドリブルの勝負をさせるのではなく、背後に出して競争させようとするものばかり。それで併走させてもいくらバイエルンのセンターバックにスピードが無くともそれを大きく越えられなければ意味が無く、それだけのスピードがある選手がいないためにボールを失うばかりでした。その後ようやくサイドから中へと渡す際に足下を利用しようとするようになっていましたが、受ける動きをして戻っているわけでも寄っているわけでもなく、足を止めている選手に対して出されるものでディフェンダーのカットできる範囲内で収まってしまっていました。

バイエルンはカイザースラウテルンががカウンターに出ようとしたことも含めて、裏を狙うパスを出すほど後方からの押し上げを組織的に行っていることで攻撃に人数をかけて、守勢へ回ったときに相手のマークをきっちりと整えていられない環境になってしまった。密着されていたマークが離れたことでバイエルンは相手の隙間へと入る動きが出来るようになり、選手の間でボールを受けてしまえるようになった。ただそこからのプランに乏しく、サイドにボールを出して中に戻せず、バックパスをして、中央に出して、出し所が無く戻す。その繰り返しの中で強すぎるカイザースラウテルンの当たりを利用してファウルを貰って、セットプレイで勝負をするぐらいしか明確に動けていませんでした。ただ強すぎる当たりをするということは、それだけディフェンダーが前への意識を強く持っているということでもあり、フォワードが受けに戻る動きをしてセンターバックを吊り出し、その間に中盤の選手が本来センターバックがいるべきポジションへ飛び出してしまえば裏を取れるはず。そうやって一度はチャンスを得たんですが決めきれず、その後に似たような形を継続することも出来ていませんでした。セントラルミッドフィールダーのどちらかは自由にボールを持たせてもらえることが多く、自分自身で持ち上がってもチェックを受けることすらない時間帯があったんですが、その時にも飛び出して裏を伺う選手はおらず、分厚い壁を前にプラン無くシュートや裏への不正確なパスを選択させてしまうだけで、どのポジションも相手のマークを許しているだけでした。

先制点は攻めあぐねてチャンスをろくに作れないバイエルンではなくカイザースラウテルンのイリセビッチ。得点へ至った形はそれまでも何度か繰り返されていた、サイドからの単調な横パスだったんですが、一つ違ったのはそれまではフォワードが中央で相手センターバックの手前で受けようとしていた。それがこの場面ではフォワードはセンターバックと競り合ってラインを押し下げさせ、中盤の選手がその手前で受けようとしていた。だからそれまでは距離が近く簡単にカットできていたものが間に合わず、慌てて寄せたことが裏目に出て後方にぽっかりとスペースを与えてしまった。

そして立て続けに失点をした場面はどうしようもなく、相手に跳ね返されたボールをフォワードに触られて落とされ、ドリブルで仕掛けられて裏へ出されて、バドシュトゥバーいつものようにが裏へ抜ける動きに対する対応の悪さを発揮してしまい、ボールに触りながら止められず相手にボールをプレゼントしてしまった。それを決められて失点。

失点をしてからのバイエルンはバイエルンはショートパスで崩す策を見つけられず、最後の部分ではクロスや浮き球に頼っている。人につくマークを繰り返しているカイザースラウテルンを最後の部分一つで引き剥がすことが出来、尚かつピンポイントでボールが合えば一点に繋がるクロスに賭けているようでした。ドリブルで進入できても、ある程度引っかき回すことが出来ても、それぞれに人がついている以上中央に人が集まってしまってドリブルもパスも選択できない。大きく外を利用できればいいんですが、そうできるように残っておく選手がいない。両サイド共に利き足がサイドとは逆の選手が配置されているために中に入ることが中心になっているわけで、サイドバックが利用できればいいんですが、中を利用してからサイドを利用しようとはしておらず、早い段階でその場合はサイドを使ってしまうためにあまり目立てず、自力での縦の突破がなければクロスまで持っていけず、マークに付かれたままのクロスではピンポイントで合わせるものは望めませんでした。

後半になるとバイエルンはムキになってドリブルを仕掛け、パスも強引に縦へと入れようとしているようでした。カイザースラウテルンがドリブルで抜かれた際にサポートが遅く、一対一で防ぐことを前提として守備をしている以上、一人抜くことが出来ればシュートまで持っていくことも出来るかもしれないんですが、明確に崩せたパターンはそれぐらいで継続は出来なかった。あまりに強く当たられることで苛立っている様子がいくつかの選手に見られていましたし、それが一対一でフリーの状態から仕掛けさせておらず、抜かれそうになっても体を寄せられることでスピードに乗れず体勢を崩されてしまって次の選手に引っかかってしまう。相手の意志の強さにやられてしまっているようでした。
その後は単調な裏へのパスをサイドに出し、受けてとの意識がずれてロストするばかり。リズムが無く、ドリブルでファウルを貰うことができればよしとするしかなく、フリーキックも枠に飛ぶことなくゴールを脅かせず、クロスも味方に合う回数は少ない。左右へボールを動かしたり、追い越して裏を狙うバランスはカイザースラウテルンの方が大きく上になってしまっている。片側で相手のゾーンを寄せておいて、逆サイドに大きくボールを振るなどの選択も彼らの方が的確で、それがバイエルンがゾーンで守っているから出来、相手はマンマーク気味に守っているから効果的に出来ないとしても、そういった横に大きく動かして走らせる努力をしてもよかったのかもしれません。

後半の時間が進むにつれて運動量の低下からマンマークが緩み始め、縦パスはより通りやすくなっていた。一本目の縦パスを受けることは容易に出来るものの、その後のプランを持たないままバイエルンの選手たちはボールを受けていて、バックパスを利用して戻され、そしてまた縦パスを入れるまでにはいくつかの時間を必要として、連続して何本も入れられないことで陣形を崩す効果もなく、苦し紛れという印象を拭い去ることは出来ていませんでした。
カイザースラウテルンがクロスの対応を徹底できておらず、特に戻りながらの処理であったり、キーパーとセンターバックの間に出されるボールに対して反応せずにキーパーに任せてしまうような場面が目立ち、空白の時間が生まれることも多かった。狭いながらもそこへ飛びだあっ競るだけのスペースはあり、体を寄せて守ろうとする意識が強くその動きに対応されていないんですが、あと一歩まで迫れてもそれを多用できず、深い位置からも狙えず、アーリークロスから時折狙うばかり。時間の経過と共にサイドバックを高く保ってパワープレイのようにひたすらクロスで合わせて一点を狙うようになってしまい、多様性を失わせて相手に的を絞らせて守らせてしまう要因になっていた。

バドシュトゥバーがことごとく相手にボールを献上したのは問題でしたが、それがなかったとしても攻撃面で効果的に動けている選手がおらず運動量も少ない。いくつかのシュートチャンスすらゴールマウスに飛ばせていませんでしたから、これでは勝ちようがありませんね。

Torneig Joan Gamper バルセロナ対ミラン

2010 年 8 月 26 日 木曜日

■FC Barcelona(PK3-1Win) 1 – 1 AC Milan
この試合はスーペル・コパに出場しなかった選手を中心にスターティングメンバーが組まれていました。ピント、プジョル、ガブリエル・ミリート、ジョナタン、ジェフレン、イブラヒモビッチ。それと途中出場だったビジャやアドリアーノを加えたもので、ポジションとして目立ったのはジョナタン・ドス・サントスのアンカーでしょうか。補強を出来ておらず、バックアップを出来る選手を探さなければならないということなのかもしれませんが、これまでの方針のような高さや強さを持ち合わせているわけではないんですが、そこは変更したんでしょうか。

バルサは攻守の切り替えを早くしつつ、ピルロに対してきっちりとプレッシングをかけて前を向かせないよう努力している部分が序盤は強く見えました。特に攻撃陣によるチェックによって奪うことよりも前を向かせないことを目的としているようで、ここから起点を作られることはありませんでした。
その中でバルサはボールを奪った後に縦パスを入れようとすることが多く、縦への仕掛けも多くありました。パスの出し手に対してプレッシャーをあまりかけられていないことがそれをさせているようでもありましたが、ディフェンスラインがあまりフォワードに密着をせず、パスカットを狙って来ていないこともそれを容易にさせた要因の一つでしょう。足を出して来るのではなく、待ってくれる。ビジャやジェフレンがボールを持ったときも同じようにリーガでなら足を出してボールを奪いに来られるような場面でもリトリートを優先しているかのようにポジションの守りに入ってくれている。それが仕掛けやすい環境になっていました。ミランが積極的に守備にでるのはたまにバルサの最後尾に対してチェックがされる程度で、フォワードと中盤の連動はあってもそれ以降がついてこないために結局は一つかいくぐることで前へ簡単に運べるためにバルサとしては苦労はしていないようでした。

ミランの守備が待つことを中心としているのとは反対にバルサの基本方針は、きっちりと当たり振り向かせいない、としているようでした。ジョナタンは積極的にアンカーの位置から縦パスに対して向かっていましたし、それが災いして追いかけるような姿勢になることもありましたが体を寄せていた。きちんと体勢を崩すことでセンターバックがカバーできるようにしていましたし、センターバックが同じように前に出て当たりに行くときにはポジションを埋める動きもある程度出来ていた。後方の方針としてそれをやっているためにミランの序盤は特に縦パスを入れることが出来てもそれ以上はいることが出来ずにバックパスを選択しなければならないようでした。

バルサの縦パスはイブラヒモビッチに対して収められるものが多く、イブラヒモビッチもボールを失うことは少なく、あまりスペースを得られない中でよくキープして、あるいはダイレクトで戻せていました。背中に背負いながらもボールのコントロールをわざと大きくして体で止めてから足に収めることもしていましたし、その辺のやりやすさはセリエAで長くプレイしていたからこそなのかもしれません。それ以外の縦パスにしても、ダイレクトで戻せるだけ中盤にはきっちりと人がいて相手の隙間に入り込んでいるし、フィードにしても、こぼれ球へのポジションを取れている。失敗してもマイボールにできているわけで運動量やポジションを上手く取ることに関してはバルサの方がこの時間はいいものでした。

ミランも徐々にフォアチェックをしてボールを積極的に奪おうとしてくるようになり、徐々にやりにくくなっていました。特にK.P.ボアテングにその傾向が強く、中盤で出されるパス、横パスやパススピードの遅いものになりやすいものを狙われ、実際に奪ってカウンターもされてしまっていました。徐々にそういった守備で前に出てくる傾向が強まり、バルサは上手く縦パスを通せなくなった、あるいは躊躇をするようになった。ジェフレンらが収めきれるか、それをチェックで奪われないかという不安を抱えながら選択しているようで、縦パスから戻して幅広い展開をサイドバックを含めて狙えなくなっていました。後ろからのプレッシャーを受けることで前を向く回数は減ってしまいましたが、その分下がってボールを受けることで自分の前にスペースを作ろうとするようになり、その点ではミランはあまり前に基本ポジションを移しているわけではないから、プレスは受けないで済む状態に変わりはありませんでした。ただその飛び込まない守備のやり方は、足を出さない代わりにドリブルやパスでバルサが攻勢を強めれば強めるほどペナルティエリアに人数を増やしてしまうことにも繋がり、プレイしやすいスペースを与えてもらえていたところから、一気に密集地帯には行ってパスもドリブルもシュートも打てなくなる。それはドリブルで中へ切り込まされているようでもありました。

後半にダニエウ・アウベスが投入されて、それまで右サイドバックを担当していたアドリアーノが左に回りましたが、全体的に見れば彼の守備は軽く、それはセビリア時代から変わらない弱点だったんですが、クロスは非常にこの試合は多くのチャンスを作り出していました。前半にはアーリークロスをファーサイドのビジャに通していましたし、オフサイドだったもののイブラヒモビッチのカンフーキックシュートのようにスペースへ出すクロスは精度が高く、そういったポイントに出すクロスならダニエウ・アウベスよりも早く鋭く、正確な狙いだったかもしれません。左に回っても、後半開始直後に縦の突破から左足でビジャの先制点をアシストしていましたし、左右で効果的な動きが出来るのは非常に大きな強みとなるかもしれません。

いくつかの選手交代と修正をしたことで、ミランはセンターバックからアンカーへのボールを自由にさせないようになり、抑えてこようとするようになっていました。それまでのように散発的なプレッシングではなく、連動してコースを防がれてしまうためにセンターバックがボールの出し所に困ってスムーズな展開をさせてもらえなくなっていましたが、なんとか繋ぐこと自体は出来ていた。バルサも同じ事をしてミランにプレッシャーを与えていましたが、そちらはミスが多くより深い位置でミスをしてバルサにチャンスを与える結果になっていましたが、この試合のバルサは決定力を欠いていていくつかのチャンスを無駄にしていました。

その後、一気に6人も選手交代をしたことで大きくバランスが変わり、フォワードへボールを収めて落として展開を狙うのではなく、フィジカルコンタクトもあまり多くするような状況ではなく、センターバックと直接対峙する状況は少なくなっていました。セードルフが上手くスペースを消していた部分はありましたが、バイタルエリアの密集地帯に入ろうとはせずにその手前までメッシが下がってボールを受けようとしていましたし、ウイングにしてもそれまでのバランスよりも中に入り気味で幅広い展開は狙えていませんでしたし、サイドバックはミランがスピードのあるフォワードを投入していたことで引きずられるように上がってこられなくなっていたことでより狭まった感がありました。

一発のアーリークロスから裏へ抜け出したインザーギがダイレクトで合わせて同点に追いつかれたわけですが、セードルフからのピンポイントのパスも見事ですが、あれを綺麗に合わせるインザーギも素晴らしく、もう名人芸としかいいようがなく、あれは止められません。その後にもインザーギの動き、センターバックの間で裏を常に狙い続けている動きに対して明確なマークをしておくのでもなく、掴まえて、見ておくのでもない。そういうのは危険だと思えましたが、失点をした場面に関しては、相手が大きく上回ったとしかいえない綺麗なゴールでした。

ミランの守備が選手交代を多用する前と比べ、大きく乱れてしまうようになったのは顕著で、それがボールを受けに戻ったりする選手へついていくことで引き出されてギャップを作っていたり、ボールを奪いに向かうのが無秩序でそれぞれがばらばらに行っているか他へ簡単に出せていたり、隙間が空いてそこに入れるようになっていた。ただバルサにとって、そこに入った後の選択肢が乏しく、フォワードが収めた後に追い越していく選手もおらず中盤がそこで受けてフォワードが裏へ、という選択肢もない。メッシが下がって受けることでようやくそこへパスが出せているような状態でしたから、中央に人がいなくなってしまうところへ、ペドロやボヤンが絞ってしまう。となれば外への選択肢を用意して相手を引っ張っておけないtまえにやはりスペースは中央に作れない。もっと積極的な飛び出しをビジャがしていたように誰かが出来ればよかったんですが、ミランのラインが下がっていたこともあってそれを期待するのは酷でした。

守備ではバルサがというよりリーガがセリエよりも一歩足を出すタイミングが早いらしく、それでカット出来ている場面が目立っていましたし、バルサは多くボールを持たせてもらえる印象を受けたのもその影響かもしれません。テクニックよりもタイミングの問題でしょうか。

最後に行われたPKは勝つための人選よりも若手にチャンスを与えているような印象でした。ブスケツは止められ、ボヤンは危なかったものの決め、チアゴは気持ちの強さを見せて叩き込む。あとはピントが大きな見せ場で三つのセーブしてバルサの勝利。ピントは全てのセーブを読み切っているのかと思うほど完璧に止めていましたね。

Supercopa de Espana 2nd Leg バルセロナ対セビリア

2010 年 8 月 22 日 日曜日

■FC Barcelona 4 – 0 Sevilla
第一戦を3-1で負けてしまったバルサは二点以上が必要なため、今回は多くのメンバーを復帰させての試合になっていました。前回はベンチ入りすらしなかったスペイン代表の面々、その多くを先発させ、ベンチにもビジャ、イニエスタらを入れてカンテラーノの姿はありませんでした。セビリアはミッドウィークにチャンピオンズリーグのプレーオフ第一戦を戦った影響からかスーペル・コパの第一戦からは多少のメンバー変更を行っていました。

試合に入ってもバルサは第一戦との違いを大きく見せて、主にシャビを中心とした中盤の選手はセビリアのプレッシングではボールを失わず、他の選手たちもそれらを落ち着いてかわしてキープし続けていました。セビリアも第一戦にしたプレッシングからカンテラーノを混乱させたような積極的に追いかけ回す守備をしていませんでした。センターバックに多少のチェックをしたとしても全体としては待ち構えて中盤より前の選手を予め掴まえようとしておくものでした。後方から贈られてくる縦パスを抑えるためにケイタやシャビを緩やかにマークをしてパスコースを限定している。パスの出し手にも緩やかながら一定のプレッシャーを与えて中央へのパスを狙わせずに徐々にサイドに追いやろうとしていました。パスコースを限定しつつその際のディフェンスラインは高く設定して中盤との距離を広げずにコンパクトに保つ。セビリアの守備は第一戦と比べれば消極的といっていいものでした。

攻撃においてもセビリアは積極性やパターン、意欲に乏しく、得意のサイドアタックを中心としたドリブルによる切り崩しを狙うこともなく、自分自身で裏へボールを運ぼうとする姿勢も見られませんでした。それだけならまだしも、ドリブラーであるはずのディエゴ・カペルも前にスペースがあり振り向くだけの余裕を持っていても、自分で仕掛けずに他の選手の上がりや、さらに前方にいる選手が裏に飛び出してくれるのを待っているだけでした。ドリブルで仕掛けてくる選択肢を守備側は考えなくてもいいほどにボールを持った際に足が止まっており、バルサの守備陣は裏へのケアを最優先に考えて動けるために、本来であればスピードで負けてしまうことの多い裏へのパスに対しても先に動き出して楽に対応を出来ていました。

セビリアはバルサが後ろで構築しているときにはラインの押し上げをしてコンパクトに保とうとしていたんですが、一度縦パスを入れてしまうとそれまで高く保たれていたラインは一気にペナルティエリアに入る一歩手前まで下がってしまう。そうなると中盤のシャビやケイタ、下がってプレイをするメッシに対してのプレッシャーが強くかからず、徐々にそこへ預けられるようになっていました。遅れてくるプレスも縦への距離が伸びたことで前を向かせてくれますし、受けた後にでもそのスペースをプレゼントしてくれるようになっていました。ペドロの得点はその切り替えの悪さに寄るところが大きく、ドリブルで仕掛けることが出来るスペースを彼に与えたことでシュートまで持っていけ、シュートを打てば得点は入るかもしれない、ということを証明させることになり、コンコに当たってのオウンゴールを得る結果に繋がっていました。

バルサが得点を取ってからも大勢は変わらず、プレッシングを中心として前から奪いにかかるバルサと、守りを中心に考えているセビリア、二つの関係は維持されていました。少しずつマークが緩くなり、縦パスを収めやすくしてくれていることと、バルサが大きなサイドチェンジを利用して、パスコースを消そうと人数をかけている外側を何度も利用しようとしたことで、よりセビリアの守備に縦パスを収めさせてもらえるだけの緩さが加わり、バルサは多く中央を利用できるようになっていました。振り向いて仕掛ける回数も増やすことが出来て、あるいはポストプレイのように落としてから再展開を狙うだけ相手を押し込むことも出来るようになっていました。セビリアの攻撃が全くの仕掛けを伴わず、裏へのパスのみで成り立っていることと対照的で、バルサの面々が縦への姿勢を持っていることでディフェンダーを押し下げてしまい、落とすパスも効果的に使えていました。

二点目はそれとは関係なく、セビリアがまったくボールに関与しようとせずに陣形を整えて下がることにのみ集中しようとしたことが原因でした。下がってボールを受けたシャビには、これまでであれば密着したものではなくても必ず誰かがついて自由にさせていなかったんですが、そういった徹底が成されず、ルーズになるだけではなく完全に自由を与えてしまっていた。そうなればフォワードの動きに合わせたパスを出せるわけで、メッシが高いラインを保っているだけのディフェンスラインの裏に飛び出す動きを逃していませんでした。

これでバルサが二試合合計でリードしたことでさらに主導権を握るようになりましたが、セビリアも多少の修正をするようになっていました。再び中盤の選手にボールを自由に持たれてしまわないように寄せようとする意識を取り戻していましたが、バルサは状況に余裕がでたことで、より球離れを早くしてしまえるようになり、近いサポートに対してショートパスを続けてプレッシングを無効化しつつ運動を加えてマークをし続けることを困難にしていました。密着して掴まえるには動かれすぎるためにゾーンが崩されてしまう恐れがあり、それを嫌がって徹底されずにバルサとセビリアの選手間には一定のスペースがあることが多く、上手く寄せられても反対側を意識した展開によってプレッシングを上手くかいくぐってコンパクトに保っている意味を無くしていました。

メッシはこの試合でクロスに対してニアにポジションを取ることが多く、これまでであれば引いた位置に入って体を張るようなプレイをせずにフリーでいることを重要視しているようでしたが、三点目に代表されるようにしっかりとニアに入りサイドからのクロスに対して明確な選択しになっていました。

後半にもバルサはプレッシングから自由にコントロールさせないことから入り、セビリアはそれを上手く受け流すことが出来ていませんでした。それほど連動しているわけでもなく、パスコースを多く残している状態であってもセビリアのボールを持っていない選手たちはパスコースを作るために戻ったり、開くような動きをせず足を止めたまま。その状態ではキーパーからもディフェンスラインからもボールを前に運ぶことが難しく、不安定なフィードや浮き球を多用して繋げておらず、ドリブルの仕掛けも未だ無く、外から中への再展開も狙えず、緩慢な動きに終始していてペナルティエリア内部に入り込む回数も少ない。ボールを前や中に運ぶポイントにまず選手がいないことで手詰まりは常に起こっていました。

ルイス・ファビアーノやチガリーニを投入したことでセビリアはそれまで停滞していた縦へ仕掛ける姿勢を多少出せるようになりましたが、バルサが縦のコースを切るようになるとそれを継続できず、個々人が仕掛ける意識を持ったとしても周囲との連動を目指せない以上パスコースの一部を削ってしまえば、戻して再展開をすることも出来ず、それほどの連続した攻撃は出来ていませんでした。ただ守備面においてはディフェンスラインにプレッシャーをかけて自由に展開する時間を削り、中盤もそれに連動して運動量の減ったバルサの選手たちを掴まえようとしていましたが、その反面、前半は高く保てていたディフェンスラインが高く保てず低くなってしまい、前後に間延びをしてスペースを多く作ってしまっていました。バルサは運動量が落ちているために明確にそこを利用する回数を増やせませんでしたが、イニエスタやメッシを中心に何度かそのエリアを利用できていました。ただビジャに得点を取らせようとするいくつかのプレイであったり、中央で裏を取ろうとする選手がいなくなったことでスペースに入り込んでもその先へ出すパスコースが存在しないこともあり、効果的な攻撃はあまり見られなくなっていました。

三点のまま試合終了かと思っていたんですが、イニエスタの飛び出しからメッシで四点目。
試合内容は圧倒的でしたが、それ以上に気になったのはセビリアがあまりにも動けていないこと。ミッドウィークに戦った影響が色濃く出たのかそれとも相手に負けたことが影響をしたいたのか、第二戦を考えてのことなのか。いずれにしてもこの試合の出来が非常に悪かったのは事実。

Bundesliga 1. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ヴォルフスブルク

2010 年 8 月 21 日 土曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 1 VfL Wolfsburg
バイエルンはデミチェリスを出場させずにヴァン・ブイテンを出場させ、コンビを組むのは昨季センターバックで不安を感じさせたバドシュトゥバー。怪我のロッベンやビザの問題を抱えるオリッチは当然のことながら出場を出来ずにクロースとミュラーがそれらのポジションには行ってスタートをすることになっていました。

スタートからヴォルフスブルクの姿勢は消極的で、バイエルンの出方を見るよりも先に対応を決めてしまっているようでした。積極的なプレッシングをしようとしてこずに縦のコースを塞ぐのみ。相手陣内だけではなく自陣に入ってからも組織的な囲い込みどころか、ミッドフィールダーやフォワードがチェックに向かってもその後のパスコースを塞いでしまおうともしておらず、あるいは連動して囲い込んで奪ってしまおうとするわけでもありませんでした。お陰でバイエルンはセンターバックの二人やシュバインシュタイガー、ファン・ボメルといった選手が無理さえしなければ自由にボールを扱わせてもらえ、ゆっくりとパスコースを探してからポジションを動かすリベリーやクロースらにパスを出してしまえていました。

あまりにもパスを出す側に対するプレッシャーがないことで、受け手が有利な環境で受けられるタイミングでパスを出せるため、主導権を握ってシュートまで持っていきやすく、バイタルエリアにもマークを外しては行って行けていました。ボールを実際に受けに戻る選手に関してのみ、ヴォルフスブルクはセンターバックを引っ付けてマークに向かわせていましたが、予め掴まえているのではなく、ボールを受けに戻る動きを開始したところでマークに付いていこうとするために密着できておらず、振り向く隙間も与えてしまっている。不徹底に繰り返されるそれはセンターバックが引き出されるだけでディフェンスラインやバイタルエリアにスペースを作る以外の効果を持っていないようでした。前からチェックに行かずにリトリートして待ち構えているにもかかわらず、そういった動きのためにセンターバックの前にはぽっかりとスペースが空いてしまいやすく、そこを利用されて先制点になっていました。パスを出したミュラーは受けたクロースがフリーであることを確認してから裏へ抜け出すスピードを大きく上げていましたから、そこさえ人がいればミュラーはスピードアップできずにあの得点は防がれていたでしょうし、対応のまずさが生んだものと言えるかもしれません。

ヴォルフスブルクの多くの選手の視線は、ボールを持っている選手か、あるいはボールを実際に受けるために戻っていく選手に対してのみ向けられていて、ペナルティエリア付近にまでリトリートして人数を多く溜めていても人数の多さを感じさせないほどスペースがあり、それぞれが選手を予め掴まえていないことで対応を後手にして、ボールが動き始めてから対応をしているため、パスを出されるまでの間で止められなければ無駄走りになり徹底できなくなっていく。さらには後方から自分で持ち上がってくる選手たちに対しても何も対策が成されていないために、足を止めた状態からスピードに乗ったドリブルや様々な選択肢を抑えなければならず、止められないどころか相手のスピードを併走して抑えることも出来ていませんでした。そのため中盤のラインを抜けてしまえば残るのはディフェンスラインだけ。フォワードら他の選手が裏を狙っているためにセンターバックはその状態を作られてしまうと不用意にチェックに行けず、自由にドリブルを揺る品がリトリートするしか無く、悪い流れのままでした。ペナルティエリア付近にまで迫られてそれ以上下がれなくなってから足を止めて向かいにいくことは多くありましたが、それでは裏を狙われるだけで、何度もその形から近い距離で裏へのパスを狙われてしまっていました。

バイエルンのように相手の前でパスカットを狙い、ボールを奪って攻撃に出る姿勢を所々にでも見せられればそういった攻撃の足を止められる可能性もあったのかもしれませんが、ボールが収まった後に対応にでるばかりで、オーバーラップを躊躇させる効果はありませんでしたし、動いていないことがこぼれ球への反応を鈍くさせてしまって攻撃に出ることすら出来ない。攻撃に出られたとしても中央も引いているために残されたのはジェコぐらいなものでフィードやクロスを彼に当てるしか無く、持ち味である前向きにボールを受けさせてやる場面が少なく、後ろ向きの処理をさせてしまっていた。サイドに流れて引き出すプレイをして何とか組み立てようとする姿勢は見られましたが、ジェコが流れても中央に誰かがいるわけでもなく、中への選択肢に乏しく、バイエルンが前からプレッシングをしているとはいえ、中盤の底を担当する選手、主にリーターにシュバインシュタイガーらのように前へボールを運ぶ意識があれば外から中へボールを渡してその間にジェコもポジションを取り直してチャンスを得られるようになっていたのかもしれませんが、ずるずるとバックパスをだしながら下がっていくだけでプレスが有効なのを相手に示して自分たちが出来ていないことをさらけ出しているだけでした。

後半になってようやくヴォルフスブルクは守備の開始位置を上げて前からチェックに向かうようになっていました。センターバックやセントラルミッドフィールダーの部分に対してもきっちりと追いかけて自由を与えずに、前へのパスを伺うことをさせなくなった。消極的なリトリートではなく、パスカットを含めた前への人数をかけたもので、予め選手を掴まえておくようにもなりましたし、攻撃に回ったときに人数と勢いを足していけるようになった。バイエルンのバイタルエリアは大きく空くことが多く、ジェコをそこに入れて前向きにボールを渡すことが出来るようになっていました。前半から見ると大きな改善で、ポストを叩く惜しいシュートも打てましたし、直後にサイドから中へ動き直してからのシュートも出来た。そういったプレイが出来たのもバイエルンの後方の選手が、前半と同じように前へボールを持ち上がろうとして奪われたり囲まれる回数が増えたこともあるのかもしれません。守備も前に向かって奪う守備を継続しているお陰で中盤が引き出されてしまってディフェンスラインの前にスペースを作り、バイタルエリアで受けられてセンターバックを引き出されることにも繋がっている。センターバックはそれを嫌がって前への処理を増やしたところでジェコに裏へ抜けられるなど、前後二つの選択肢を迫られ、鈍足の二人のセンターバックでは危険な状態にありました。

ただ失点はブットの軽率なキックミスからで、ミシモビッチが放ったシュートこそ防ぎましたが、不必要なピンチを作ってしまったことでコーナーキックを相手に与え、ジェコに頭で決められてしまった。

バイエルンは前半を中盤で自由に構築させてもらっていたことで中央からの攻撃とサイドから中央へ戻すプレイの両方を出来ていたんですが、後方から持ち上がるプレイをプレッシングに寄ってさせてもらえなくなり、中央で自由に持たせてもらえる回数は大幅に減った。それがバイエルンの攻撃に厚みを持たせられなくなり、早い段階でリベリーを飛び出させてカウンター気味に展開をするか、ファウルを受けるか、そういう展開しか選べず、人数が少なく若干の間延びを感じさせる攻撃しかできなくなり、バイタルエリアに多く入り込めていたのが嘘のように利用できなくなった。裏へ出されるパスの距離も伸びて、相手のセンターバック前から出すことも出来なくなった。マリオ・ゴメスとプラニッチが入ってもその傾向には変わりがなく、早めの引き出しで裏へ飛び出しても連動できるだけの選手が他におらず、クロスも効果的に利用できず、結局ロングレンジのスルーパスで裏を取ることを中心としなければなりませんでした。

ただ徐々にヴォルフスブルクの足が止まり始め、カウンターのボールもジェコが落とせなくなり、落とすポイントに選手が後続の上がってきていなくなったことで、前半と同じような展開を迎えられるようになっていました。守備でも前からのチェックが機能しなくなり、緩い散発的な寄せはシュバインシュタイガーらの持ち上がりを許して、ボールを持つ時間を増やして選択肢を与えるようになった。センターバックも自由に持てるようになり、再びバイエルンが押し込んで、ペナルティエリアやバイタルエリアに人数を得入れられるようになっていました。ただリベリーらが狙うようになってしまった早めの裏への飛び出しばかりは改善できておらず、相手の前で受けてゾーンを揺り動かすような左右の動きが減って、強引なプレイが増えていました。

内容からすればそのまま引き分けてもおかしくなかったんですが、土壇場で勝ち越しゴールを決めたのはシュバインシュタイガー。コーナーキックを跳ね返された後のクロスをファーサイドで触って押し込み、マークは誰も付いていませんでした。

FIFA10 – 対戦頻度上昇中

2010 年 8 月 15 日 日曜日

前日開幕をしたプレミアリーグを見てて、試合展開はどうもFIFA10をプレイしている限り、リーガ・エスパニョーラやブンデスリーガ、セリエAよりも、プレミアリーグの方が、よりこのゲームに近いんじゃないかと思ってしまいました。むしろこのゲームがイングランドの収録されているディビジョンの豊富さからしてそこをメインに製作されていると想像するのは難しくない訳なんですが、何故か逆の発想をしてしまう辺りに試合勘の無さが出てます(w
ゲーム的にももっとAIにリーグ別の差が出てくると面白いのに、と思ってしまいますねぇ。同じ試合展開ならフィジカルが重要視されるリーグの方がやりやすいわけで、もっと特徴がでれば――と思ったけど、今でもある程度はプレイヤー次第で再現できるはず。それにリーグ毎に設定してあっても対戦では効果がないわけですし、無駄な考えのようで。

今回もボイスチャットを利用しながら対戦をしたんですが、前回対戦したときに比べて音声のラグがあまりにも酷い。どのタイミングで喋っていたのか解らなかったり話している内容の返事が相当遅れていたり、使用している回線や状態が変わったわけでもないのにこれですから。しかも音声が途切れまくって強烈なノイズが入ったり、PS3のAVチャットではまったく起きない現象が多発してました。試合前の画面では回線状況を示すバーが緑から赤にめまぐるしく変化していたり、EAのサーバーとかネットワーク周辺の機能って貧弱ですよねぇ。

■AS Roma(syou) 2 – 1 FC Barcelona(leia)
天候は何と雨。前回の対戦では全くいいところ無くやられて、点も取れず、シュートもろくに打てず、打っても入る気配がなかった事からすれば、この試合は負けたものの上出来。先制点も取れたし、ピンチを数多く作られながらも前半は失点しなかった。前半終了間際の相手のミスを冷静に決めていれば試合の流れを保持できたんでしょうね。それが後半開始早々に右サイドバックの外を大きく空けて、チェックに行くべきか悩んだところで勝負あり。似たような形でもう一度やられてコーナーから逆転。

■Spain(syou) 0 – 4 Germany(leia)
しばらくプレイしていなかった間に決定力の低下が著しかったんですが、どうやら自分はそれを少しは解消できてきている様子。でもショウ氏は全くそれを解消できていないようで、最初のチャンスを決められなかったことがその象徴。自分は最初の一点目で突き抜けてから、相手のミスや集中力を失ってしまったかのような所へたたみかけて一気に四点。
後半は何度もピンチがあって特にキーパーと一対一や華麗なボレーシュートとか綺麗にワンツーで抜け出したりしていたんですが、どれも得点にはならず。かなり深刻な決定力不足のようです。

■Manchester City(syou) 0 – 2 Bayern Munchen(leia)
どうもこの対戦カードになると試合内容がよくない。プレイヤーの腕が一番よくないのは解ってるんですが、相性の問題があるような雰囲気を感じますね。そもそもこの組み合わせも非常に多いんですが、一向によくなる気配がないというか何というか。苦手なヘディングシュートを二つも自分が決められたのもそのお陰とでいうべきかもしれません(w

Supercopa de Espana 1st Leg セビリア対バルセロナ

2010 年 8 月 15 日 日曜日

■Sevilla 3 – 1 FC Barcelona
セビリアが十分にメンバーを揃えてこの試合に挑んでいるのに対して、バルサはスペイン代表に招集された面々を一切起用することなくベンチにも入れていませんでした。そのためキーパーはミニョ、センターバックにセルジ・ゴメス、中盤にオリオル、ジョナタン・ドス・サントスを起用して挑むことになっていました。それ以外の部分でもマクスウェルが左のウイングに入るなど変則的な部分が見て取れ、大きなハンデ自ら背負った状態でのスタートになっていました。ベンチに入った選手にはメッシやアドリアーノ、チアゴ・アルカンタラやムニエッサ、ジェフレンンら知った名前が見られましたが、それらをも先発させることはありませんでした。

試合開始当初はそのカンテラの選手たちがセビリアの素早いプレッシングに苦しめられる場面が目立ち、前にボールを運べず後方へ下げ、さらに下げた位置でもプレッシャーを受けてロングボールによって展開しなければならず、その精度が安定せず繋げずにラインを割ってしまったり、不安定な競り合いからボールを失ってしまうばかりでした。中盤が積極的に引き出しに戻り展開の助けを出来ればよかったんですが、アンカーが明確ではなく、その役割も明確ではなく、繋ぐ展開を期待することは出来ませんでした。
その点はセビリアもあまり意図は言えず、バルサのフォアチェックに対してキーパーへ不安定なバックパスをしてしまったり、前へのフィードに精度を欠いて繋げず失う場面が多く見られ、どちらもがトップコンディションとは遠い印象を受けるほどでした。ただプレッシングの早さと正確さではセビリアの方が状態がよく、複数枚での囲い込みも出来ていましたし、奪ってからの速攻や横へ大きな展開をしてゾーンをずらしていくスピードの速さも状態が良さそうでした。

セビリアがフラットなラインを構築してプレッシングに重きを置いた守備陣形を整えていることが素早いチェックを可能にしてバルサの中盤を掴まえ、防いでいるようでした。中盤までで収まっていればディフェンスラインで回して無駄走りとゾーンの崩しを狙えていたのかもしれませんが、そこで止まることなくサイドバックにも明確にチェックに来る。中も縦も抑えられてダニエウ・アウベスでもやはり窮屈にプレイさせられていました。
相手がフラットな中盤を保ってくれていることでイブラヒモビッチらフォワードはそことセンターバックの間に入り込みやすい環境にあるんですが、あまり広大なスペースを利用するプレイをしているようには思えませんでした。バイタルエリアに広大なスペースがあってもイブラヒモビッチが一人で中央に張り追いかけ回しているだけで、ウイングのボヤンもマクスウェルも正確なパスを受けられず、前向きで受けるようなパスを後方から供給してもらえていないし、ポジションも取れていない。マークがついているまま振り払えず押しつぶされる場面が多々見受けられました。

明確なアンカーとはいえない構成でしたが、オリオル(だったかな)からのパスがリスクを怖がっているように前を向かず、展開の小さなバックパスか、大きく展開してもミスになっている。前が掴まえられ加減だから難しいんだろうけど、前に出さず、サイドバックらに渡すパスが多すぎてチェックを誘う原因になっている。きちんとセンターバックの間に入って3バックのような形になってボールを引き出すなどのバルサとしての動きは出来ていましたが、もっと余裕を持ってこのポジションでは展開をして欲しい状態でした。

この試合の大きな変化はイブラヒモビッチが走り、組織としてそれを利用できるようにしていることでしょうか。昨季はこの早いイブラヒモビッチの飛び出しを他の選手たちが見ておらず、効果的なパスが出ずに無駄走りになってしまっていることが多かったんですが、この試合では早めにサイドバックの外や裏側を利用するために飛び出したところへ、精度はともかくフィードがしっかりと出ていましたし、彼を他の選手たちがきっちりと見ていることを証明するかのようでした。外で起点になるには少し奪われてしまっていましたが、ここを起点として他の押し上げを図ったり、守勢に回ったときのチェックで献身的に動いていましたし、運動量がきっちりと活かされて増えているようでした。先制点になったマクスウェルのアーリークロスからニアで彼が触った場面もきっちりと見ていたからこそパスが出てきたものでした。もちろんこの二人は長く一緒にやっていましたから、昨季もこういう姿は見られたんだけれど、チームの意識としてそれをやっているように見えました。

一点を取ってからはバルサの方が運動量を増加させてケイタがフォワードを追い越したチェックを出来るようになっていて、相手を焦らせて繋がせず、ミスを誘う場面もそれまでより増えていました。あとはカンテラの選手が後方に戻しがちだったパスもセビリアのプレッシングが鈍ってきたこともあって、マイナス方向に出さずに、自らボールを前へ運んでからパスを出して繋ごうとするようにもなってきてました。少しリスクのあるプレイでしたが、それだけセビリアの連動が無くなってきていましたし、一人を抜くことで相手のゾーンを動かしてマークを引きはがせるわけで有効なプレイでした。
ボヤンやマクスウェルも序盤はマークを激しく受けて、後方からのパスを受けてマークに押し倒される場面がいくつか見られていましたが、そういう場面が少なくなって前向きなパスを受けたり、中盤もジョナタンが持ち上がってフラットな中盤の裏側、バイタルエリアに進入していけるようになったり、そうやって受けた後に密着されずに振り向くチャンスをもらえるようになっていたことで、セビリアの不徹底が利用できて起点になりつつあるようになっていました。
ただ前半の終了間際においてその形は作れていましたが、後半になると流石にセビリアは修正をして、運動量もプレッシングも再開をしていましたから、ウイングからの展開を封じられてしまうように戻り、さらに候補からの構築に関しても自ら前へ運ぶことをさせないよう緩く囲まれてしまい、パスコースをもなかなか見つけられない環境を作られてしまっていました。後半代わりにバルサのディフェンスライン前にぽっかりとスペースが空く回数が多くなり、そこへのパスを出されて利用される回数が増えた。中央が空いてしまうことでセンターバックが掴まえておかなければならない方向が増えて裏へのパスを出されやすく通されやすい環境が出来てしまいつつあり、メッシ投入後の同点ゴールを決められた場面で失点となって現れました。

同点ゴールを決められた場面はセンターバックがボールを見てしまっていて裏へ抜ける選手を警戒を出来ていなかった。注意を払って、後ろのスペースを意識して相手を掴まえていられなかった。つまりはルイス・ファビアーノの存在を感じていなかったわけで、もう一人がついていくことでケアを出来ていればよかったんですが、流石に動き出しが早く、パサーをフリーにしたことやその手前を塞ぐべき存在がいなかったことも他の選択肢を考えさせる要因になり、それをさせてしまっていました。

メッシが入ってしばらくしてから近い距離のショートパスを連続させて繋ごうとする姿勢が増えた。それはいいんですが、イブラヒモビッチがいたときのような裏への飛び出しをする選手がいなくなったことで手前で受けてキープをする必要が出てきてしまった。プレッシングを強くする相手の中に入ってしまうことでボールを引っかけられてしまいやすくカットされてカウンターを受ける回数も増えた。ドリブルは効果的に相手のファウルを誘ったりカウンターで冷や汗をかかせるには十分な鋭さを持っていましたが、通常の流れの中では掴まえられていない環境からドリブルをする必要があって、それを利用する意味でも繋ぎが必要で、ショートパスのスタイルは必要だったんですが、球離れが早すぎて相手のゾーンを動かす効果は少なく、近い範囲で収まっているだけに余計相手を集めてしまっていたのかもしれません。

バルサは前向きな守備に意識を集中させていて、ショートカウンターはスピードがあるために効果的ではあったんですが、囲い込もうとする意識があまりにも強すぎたようでした。サイドアタッカーに対するマークに選手が引き出されて、そこからのパスをカットしようとさらにセンターバックがサイドに引き出されてしまった。アンカーが明確ならセンターバックのポジションにその選手がスライドして入りギャップは生じないのかもしれませんが、裏へのギャップを作ったまま向かってしまってラインはコントロール出来ておらず、ネグレドに余裕のあるスペースを与えてしまった。そしてカヌーテへのラストパスを許して得点を決めさせてしまった。その後も不用意なほどに足が止まってカヌーテに裏でボールを受けさせてしまっていて、三点目の時もサイドでキープされている間に中のディフェンダーたちは様子を見守っているだけできちんと戻りきっているわけでもなく、ニアやファーの選択肢を削っているわけでもない。カヌーテを掴まえて見ておくべき役割の選手がおらず、いずれも足が止まっていた。だからこそフリーでシュートをさせてしまっていて、あれでは決めてくれといわんばかり。

カンテラ主体だからとしても、三点のうちどれか一つくらいは防げていなければならない失点でしたから、後方の選手がいくつか離脱した影響を感じてしまいますね。中盤は特にイニエスタやシャビに依存する部分が強くあり、セルヒオ・ブスケツが戻ってきてもアンカーの控えは乏しい。カンテラーノが十分に補えるかどうかは現時点では難しく、センターバックもチグリンスキとマルケスがいなくなったことでアビダルをこちらにスライドする選択肢を持っているとはいえ、トゥーレ・ヤヤが入るオプションまで失っているわけで不安は強くありますね。一応の所どのポジションも才能あるカンテラーノがいるだけに問題とすべきかどうかも難しいところではありますが、この試合のような失点の仕方をしてしまうと、やはりアンカーに一人、センターバックに一人、という補強が欲しいと個人的に思ってます。