2010 年 7 月 のアーカイブ

2010 FIFA World Cup Quarter final ウルグアイ対ガーナ

2010 年 7 月 3 日 土曜日

■Uruguay(PK Win 4-2) 1 – 1 Ghana
序盤こそウルグアイはボールを縦と横に動かして様子を見るようにキープをしてガーナの出方をうかがっているようでした。それに対してガーナはディフェンスラインを高く保って中盤にスペースを作らず、その部分でのプレッシングを狙っている様子はありましたが、ウルグアイがセンターバック間でボールを動かしても奪いに来るほどのフォアチェックをしようとはしていませんでした。しあkし中盤のスペースの無さはウルグアイにとってやりづらさを与えているようで、裏を狙うことで押し下げてしまおうとするロングボールや奪ってから速攻を裏に出す姿が何度か見られ、素早いスアレスの抜け出しは見事でした。

トップ下を置かないウルグアイはボランチでボールを奪っても、そこから先にボールを運ぶのは本来難しいはずでサポートは遠いんですが、きっちりとヘディングやパスで前へと繋げてしまう技術は素晴らしく、それを受けるフォルランにしてもスアレスにしても、ボールを受けてから前を向く意識が非常に強くあり、実際にそれを実現できる技術を持っていて、ガーナが後方から抑えてはいましたが、密着し切れておらず体を半身しか押さえられていなかったり不完全なものが多く、それほど大きな影響を与えるところまではいっていませんでした。

両者が最後尾で相手の攻撃を受け止めて中盤へと繋ぐ、どちらも構築をするための一歩目を抑えられておらず、それが縦へのスピードを増加させる要因にもなっていました。ガーナはそれを掴むことも囲うことも出来ておらず、飛び出しとパスを許してしまっているて、ウルグアイは引いた状態が中盤へのパスを出しやすくさせてしまい、サイドバックが激しく当たる以外に強く当たれる部分を作れていませんでした。

徐々にガーナは飛び出しをされて試合を作られる要因になっていたスアレスに対して密着してマークが出来るようになった。ボールを受けさせず、前を向かせないようにしようとし始め、裏を単純に狙われないことでガーナはウルグアイの後方に多少のプレッシャーを与え始めていいました。安定して前へ出させないことを狙えていましたが、ウルグアイは中盤で奪ってカウンターを主軸として移行し始めていましたから、ガーナのプレッシングもあまり出番は得られませんでした。

ウルグアイは中盤で奪いカウンターの形が整い始めたことで、中盤のいくつかの選手がフォワードと連動してそれを追い越していけるようになりましたが、ガーナは人数を戻らせずに対応してしまう。中盤の攻撃がウルグアイのバイタルエリアに穴を作ってしまい、中盤が積極的に囲い込もうとするようになった。それがボールを奪われてからの縦の速攻に影響していましたし、中盤の裏へ飛び出されてしまうとディフェンスラインが対応に出なければならず、スピードに乗ったそれを止めることは難しく危ない場面を作るようになってしまいました。ディフェンスラインがそれを嫌がることで後方に下がってしまい、前後に分離してよりバイタルエリアを空けてしまうようになった。その後はギャンに収めるボールに激しくぶつかることで、コントロールを不正確にさせて縦のスピードを持続させないようにしていましたが、危険な状態でした。

前半ロスタイムにシュートを決められた形は、バイタルエリアを利用され続けたことでウルグアイはそこを利用されて落とされると、中盤が引き戻されてしまうようになっていた。この時も一度使われて中盤を圧縮されてしまってから、その手前からムンタリのミドルシュートで先制点を決められてしまった。

後半になってもウルグアイは中盤が積極的に囲い込もうとしているのは変わらず、改善された部分はある程度当たることが出来るようになったことでしょうか。前半は囲い込めても当たるところまで持っていけていなかったものが、不完全ながら当たれるようになった。それでもガーナは縦に急ぐ必要がなくなったお陰で、掴まえられていないときは前へ、そうでなければサイドや後方へ逃げる事が出来ていた。

その時間が長く続けばウルグアイを消耗させることが出来ていたのかもしれませんが、早い時間でウルグアイはフォルランがフリーキックを鮮やかに決めて追いついてしまった。ガーナは先ほどまでの戦い方は使えなくなり、展開を狙わなければならなくなってしまいました。

ウルグアイは主に裏へのボールを多用していて、いくつかボールを追い越している動きもあるんですが、キープして相手を引きつけながら追い越して裏を狙い使うのではなく、直接裏へ抜けるだけでガーナとしては対応しやすいものでした。バイタルエリアのような高い位置で受けてから利用するのではなく、その手前で受けてから長いボールで狙うものが多く、戻るフォルランに預けて、そこからドリブルやパスで展開を狙えるようになるまで単調な攻撃に終始していました。

ガーナは上手くギャンが受けてから全体が追い越していく連動性を持っていましたが、徐々に運動量が落ちて追い越していく動きが物足りなくなって、掴まえて対応されていくようになっていました。押し込まれてしまわず、対応が楽になったウルグアイが人数をかけてペースを握るようになっていました。

途中交代で入ったアブレウがディフェンスラインと戦うことで、体を張って押し下げてしまおうとしている。それによってバイタルエリアにスペースを用意しては入れるようにもしていましたし、ポストプレイの形を作ることで相手に収めるボールを警戒させてスアレスが裏への狙いが出来るようになる。相手のセンターバックに前後の選択肢を考えさせることでパスを通しやすくなっていましたし、フォワードの距離が近くなったことでサポートが近くパスでの崩しも狙えるようになっていました。カウンター時もその三人が残ることでどんどんと流れを引き寄せてはいましたが、得点には至りませんでした。

延長後半、終了間際まで両者共にシュートまで持っていけているもののミスが多くどちらも決定的な形を作れていませんでしたが、最後の最後で勝負を決めてしまえるような状況になっていました。フリーキックからガーナのシュートが続き、いくつか防ぐことはできたものの最後はスアレスが手でゴールになるボールを止めてしまい、退場。もしそれを止めていなければガーナが勝負を決めて勝ち上がっていましたし、止めたとしてもPKとなってそれを決めれば残り時間もなく、ベスト4に入るのはガーナのはずでした。
しかしながらそれを決められず、直後に笛が鳴ってPK戦へ。ガーナは直前のPKを引きずっているかのようにいくつかミスがありましたし、ウルグアイのキーパー、ムスレラが落ち着き払っていました。

2010 FIFA World Cup Quarter final オランダ対ブラジル

2010 年 7 月 3 日 土曜日

■Netherlands 2 – 1 Brazil
どちらも中盤で奪う意識が高く、プレッシャーを与えて囲い込み奪おうとしていました。オランダはそれをかいくぐろうと両ウイングを積極的に利用する意識が高く、タッチライン際に開いている二人が中央で奪うための人数を揃えている守備を避けて受ける。ここを高く位置取りをさせないことでサイドバックから強くプレスを受けないようにすることでキープする時間は得ていました。それに加えてディフェンシブ・ミッドフィールダーを後方に下げて、フィードで一気に中盤を省略したプレイをして、プレッシングから逃れることを中心に考えているようでした。それがブラジルの高さによって通じず、フィードを何度も失敗をしたことからオランダは中央を利用しようとし始めていました。これがこの時点では失敗で、守備時にポジションを埋める役割を担っているナイジェル・デ・ヨングが余計に持ち上がってしまい、そこから横パス。角度のないパスをカットされてカウンターを受けてしまったり、スナイデルに渡そうとしたボールやファン・ペルシーへ預けようとしているのも、ブラジルに競り負けたり跳ね返され、カットされてどうにも攻撃の形を作れていませんでした。

ブラジルはきっちりとした守備でペースを握り、早い段階での得点を得ることが出来た。ブラジルの選手が戻る動きをしたことでセンターバックは掴まえておくべきブラジルの選手がいなくなり、、誰もマークできない状態になって少し安心をしてその選手へついてマークに向かってしまった。後方にブロックを構築して待ち構える守備をしなければならないのに、ブロックの構築よりも誰もいなくなったことでのマークを優先してしまった。それがサイドからダイアゴナルに飛び出したロビーニョの入るスペースになって得点を生む結果になっていました。

オランダは失点以後、無理に縦を使おうとする回数が増えてブラジルにカットを容易にしていました。ウイングの展開力がロッベンしか無く、左に回したカイトはそのサイドのプレイになれておらず、ドリブルでの突破にしてもポジションにしても不安定でした。突破力があればタッチライン際にポジションを取る彼を利用しているのかもしれませんが、それが期待できずに右のロッベンを頼る機会が増えていた。そのロッベンもサイドに張って収める役割よりも中に入ってボールを受けようとすることで、後方からぶつかられる範囲でプレイしてしまうようになり止められてしまいやすくなった。
ブラジルはきっちりと初期ポジションでボランチがディフェンスラインと近づいてスペースを消してブロックを構築しているため、中央に寄ってもらうのは有り難かったでしょうし、オランダ失敗したような引いて受けようとする動きも釣られず、飛び出していくものもスペースを消している。オランダがワイドに使っても、サイドバックが追い越していくだけで単純な縦の連携をサイドの二人だけで行わなければならないだけで、中央のスナイデルやファン・ボメルらが絡んでもう一度サイドへの展開をすることは殆ど見られませんでした。ロッベンが中へスライドしてドリブルをしてもパスの選択肢が何処にもなく、奪われる。カイトが持っても同じ事で、そのためボランチが上がってサポートをしなければならず、中央で囲い込まれる要因にもなっていましたし、こういった横の変化がなければ、守備がきちんと構築できて抜かれても後方に味方がいる安心から足を出して止めようとすることも出来る。

もしカイトが不必要に開いてしまわずに、右からの展開に中へ絞ってクロスのターゲットになろうとする動きをすることが出来れば、それに押されるようにしてスナイデルをサイドのサポートに向かわせてしまうことも出来ていたかもしれません。中央を経由して左に回すときもサイドバックの外側にいるだけで、相手のサイドバックとセンターバックの間から飛び出していこうともしない。守備であったり、ボールを最初に収める意味では重要な役割を担っているんですが、あまり効果的な動きを流れの中ではしていませんでした。

ブラジルはその点ではサイドバックの裏を目指して飛び出す動きもしていましたし、サイドでのボールを展開させていく時も中央との連動をしっかりと持っていた。カカやルイス・ファビアーノが上手く受けられるポジションにいて、ボールを受けて中への展開も狙える。いつもよりブラジルはサイドバックを上げることで中央のブロックをそのままに攻撃の幅を持たせてマークを外に広げさせ、上手くサイドと中央の連動をしていました。
サイドを多く使われてしまうことからナイジェル・デ・ヨングのポジションがサイドへ動かされてしまって中央をも埋められていなかった。フォアチェックで抑えようとオランダが動いてもスナイデルが追いかけるだけで他は失点などしていないかのように待ち構えているだけで積極的に奪おうとする姿勢もみられませんでした、
動かす。

後半になって流れを変えるきっかけを作ったのは最初のミスかもしれません。ダニエウ・アウベスのバックパスを迂闊にフェリペ・メロがミスにして最初のピンチを作ってしまった。オランダは後半になって硬直をしていたような前半からポジションを動かしていくことで、全体に動きをもたらそうとしていましたから、縦への勢いやチャンスを作れる意識を相手に開始直後に与えてしまったのは大きかったのかもしれません。
左に張り続け効果的な動きの出来ていなかったカイトに自由を与えて、中央へ多く動けるようにした。特にその効果は右から展開したときに大きく影響を与えていて、外から中にドリブルをした先に出し所を失ってカットされるのではなく、繋げるようになりましたし縦パスを落とす先も近くになって後方からぶつけられてもある程度繋げる目処がたっていきました。

そしてロッベンへのファウルからクイックリスタートをされて失点をしてしまうのも時間が早すぎた。アーリークロスでゴールへ向かうボールを入れられましたが、ジュリオ・セザールとフェリペ・メロが交錯をしてしまって招き入れてしまった。フェリペ・メロが触るならもっときちんと触るべきでしたし、ジュリオ・セザールも出るからには手に当てることはしなければならなかった。どちらの対応も仕方ないとはいえ非常に悪かった。

追いつかれたことでブラジルは前から積極的に走り回って奪いに行こうとしているものの、オランダがパス回しを早くして球離れをよくするきっかけに過ぎませんでした。オランダは停滞気味でボールを繋ぐことが出来ていなかったセンターバックまでもがボールを受ける運動量を出すようになり全体が動くようになっていった。ブラジルが積極的に出ていることでより動き、両者が動くことスペースも空いて動いていました。サイドバックが積極的に攻撃に出て奪いに出ることでフェリペ・メロ、ジウベルト・シウバの中央を埋めておくべき二人がサイドバックが上がった後をケアしなければならない場面が増えていましたし、それ以外の場面でサイドバックが待ち構えていてもサイドに守備に出てしまう場面が増えて中央がスライドしてしまうようになった。さらにブラジルはオランダがサイドへの展開をしてくると想像をして動いてしまうようになったために縦へ振り向ける要素をプレゼントしてしまい、タイトなマークが後方からぶつかって止めることができなくなってしまいました。そうなってしまうと縦のドリブルをされることも増え、ブラジルはボランチがずれていなくなったことでセンターバックが最後の勝負をしなければならない場面が増えた。

切り替えがどんどん遅くなっていったブラジルとは違い、オランダは様々な場面で集中をしていた。コーナーキックからスナイデルが頭で決めて逆転をしましたが、ブラジルの多くの選手は足が止まっていて、抜けていくカイトに誰もついていかず、ルイス・ファビアーノに任せてしまった。あれでは自由にコントロールされても仕方がありません。

逆転をされてしまったことでブラジルは無理に前に抑えにいくようになっていました。奪える、奪えないを関係なく向かっていくことで簡単にかわされてしまうようになってよりオランダにペースを握られて試合のスピードを上げられてしまう。ブラジルには苛立ちが募ってオランダはそれを利用しようと様々な場面で仕掛けていました。そしてフェリペ・メロがロッベンを踏みつけて退場となり、大きな失態を彼はし続けてピッチを去ることになってしまいました。

一人少なくなったところへオランダは積極的に前から奪いに行きブラジルに構築をさせないようにし、前後の分離をしてしまいましたが、その中盤のぽっかりと空いた部分をブラジルは利用することが殆ど無く、その先のディフェンスラインにいる選手にまでボールを渡そうとしていた。そこまで一気にボールを出してもらえればオランダにとっては激しくぶつかることも出来るわけで、容易に収めさせず守らせてもらえました。時間の経過と共にブラジルは焦って裏へばかりボールを放り込むようになり、スルーパスも全て裏へと出してしまって、状況を見られないぐらい焦っているようでした。

オランダは目一杯運動量を出して、キープをして、仕掛けて、ファウルをもらう。ブラジルはなるべく守備に人数をかけないようにしているためあまり止められなくなっていましたし、焦りから簡単に足を出してしまって抜かれて、ドリブルを許して悪循環でした。

前半は圧倒的にブラジルペースであったように見えたんですが、つまらないミスが試合を分けてしまったようです。