■Netherlands 0 – 1 Spain(ex win)
スペインはこれまでと同じようにボールを動かしてい試合に入ろうとし、それを抑えてリアクションを取ろうとしていました。スペインはボールを動かすために選手が動き、パスを出すためのコースを作ろうとしていましたが、オランダは選手との距離を縮めマークを厳しくすることでそれをさせないように対応していくようでした。それぞれが密着して身動きを取れないようにするほどではありませんでしたが、マークの距離は近く非常に近く、寄せられるだけのポジションを取って早めに当たり、前を向いて自由にコントロールする時間を与えない。積極的にぶつかることで相手二試合をコントロールさせず自分たちの流れに持ち込もうとする狙いがあるようで必要以上に厳しくしてしまい、ファウルの多さとカードに繋がってしまっていましたが、序盤のそれに関してはスペインはファウルで止められることに慣れているために焦りはなく、相手に飲み込まれてしまうことはありませんでした。
オランダは前からぶつかる姿勢を出しているためにラインを高く保っておかなければならず、自分タッチの前でボールを回させる動きに対しては積極的な守備を行ってコントロールをしていましたが、スペインのビジャやペドロの飛び出しを期待するスルーパスを出されたときの対応はあまり出来ているとは言えませんでした。オランダはディフェンスラインこそ整えてはいるのものの飛び出しへの対応は全くしておらず、オフサイドにかけているというよりもかかってくれている印象が強くあるものでした。センターバックが対応に戻る気配も出しておらず、キーパーとセンターバックとの間にあるスペースを序盤は利用できる可能性がありました。
スペインは時間の経過と共に、それぞれの激しさをかいくぐってボールを持てるようになってきていました。オランダがファウルをし過ぎた影響が出て、運動量を継続できなくなっていたこともありましたし、体をぶつけてくるタイミングが解ればそこを逆に利用していくことも出来る。あるいはダイレクトパスで動かしたり、コントロールでかわして一人を抜いてしまえる。そして裏へ抜ける動きをフォワードがして、そこを狙うパスを何度か出したことでオランダのディフェンダーは前への意識と共に後方へのケアも頭に入れておかなければならなくなった。それがプレッシングの継続に少し影響を与えたようで、スペインがかいくぐりやすくしたようでした。
ただスペインにとって難しい処理を強いられていたのはセンターバックのプジョルのポジションで、ディフェンスラインに対してもオランダはチェックに来ていた。ピボーテ二枚のうちどちらかがセンターバックに吸収される形になれば無理なプレスはしてきませんでしたが、序盤はまだその形を作れておらず、センターバックがボールの出し所を全て抑えられても足される場面が見られた。特にプジョルには前に蹴るコースを切り、左足でボールを処理させようとして多くの時間を消費させ、正確な繋ぎをさせたりフィードをさせないようにしてマイボールへとしようとして、一定の成功を収めていました。
スペインはフォアチェックと共にオランダの縦パスをカットするための守備をしていましたが、オランダのようにファウルで止める意識はなく、コースを限定してパスの選択肢を徐々に削り、安易に前へ渡そうとしているところへ出てカットをする。オランダのディフェンスラインにはそれほどテクニックがあるわけではなく、視野も広いとはいえず、パスの距離もショートパスではなく少し距離を必要としていることもカットしやすい状況になっていました。
それは中央を利用してくれている場合には効果的でしたが、オランダがドリブルを含めてタッチライン際の展開をするようになったことで、スペインの守備ブロックの外側を利用されてしまうようになった。その状況へ対応するためにスペインは自分たちが構築したブロックを外に広げなければならず、ロッベンに二枚で対応していることもあって中央の人数を減らすことにも繋がってしまう。守備は抑えることが出来ていても、それが攻撃に回ったときも預けるポジションが外側になってしまい、サポートの距離が広がってしまう。オランダに縦と横の二つを塞がれて繋がせてもらえず、囲い込まれてパスコースを見つけられなくなってしまい、スペインは繋げない時間を向かえることになってしまっていました。オランダがファウルできる、体をぶつけられる距離で回すしか無く、外側で囲まれる前に出さなければならない。かといって中央へのコースはオランダが人数をかけて塞いでおり、ダイレクトで回すことが出来ずに球離れを早くすることが出来ずに、自分たちの時間を得るには多くの時間ときっかけを必要としていました。
きっかけを得られたのはオランダのファウルからでナイジェル・デ・ヨングがシャビ・アロンソにした蹴りのような悪質なファウルによって、オランダの激しい当たりは一時的に失われてスペインが前を向いたりボールを回せるだけの余裕を与えるきっかけになっていました。ボールを回す動きでスペインが一枚多く動いているような状態になり、それぞれのマークを引き剥がして中盤で多く回せるようになった。センターバックがボールを持つ時間を増やされてしまい、コースを限定されて不正確なボールを蹴らなければならなかった環境から、中盤の選手が中心となって触り、いつでも戻せて作り直せる環境での組み立てへとなっていました。
オランダが出てきていたものが出来なくなり、スペインの中盤、特にチャビが隙間を見つけて入り込めるようになり、そこへパスを出せるだけの状況をスペインが作れるようになっていました。ワイドな位置にサイドバックを押し上げて相手を広げさせた上で中に入っていく。そして中を利用するようになっていましたが、受けるファウルの種類がオランダが主導権を持ってファウルをしていたものが、少し遅れてファウルをさせられるような環境になっていました。
そのサイドバックを押し上げられる環境を作ったのはセルヒオ・ブスケツやシャビ・アロンソをセンターバックの間に下げた3バックに近い状態にすることで、後方の人数を整えたまま両サイドバックを上げられるようにしたことでしょう。これで相手の注意を分散させていたことでバイタルエリアにペドロが入れるようになり、そこを埋めているナイジェル・デ・ヨングの隣で受けられるようになっていましたが、まだそこから先に展開を求めるにはビジャがサイドへ開いているために難しく得点を取れるほどではありませんでした。
後半になるとスペインは前への守備を強め、攻撃にも運動量を出してカットを狙って連続して動き、それがオランダの前の人数を減らしてカットしやすい環境にし、そしてカットできているようでした。相手の裏へパスを出して後方へと走らせることでカウンターもさせないように務めているようでした。
オランダの守備はサイドバックを抑えておくために前へ三枚ないし四枚でブロックを作り、中盤中央にはあまり枚数がおらず、最後尾にまた四枚というぐらい。それぞれの隙間はあるものの、サイドバックを牽制されて隙間に上がれず引きつけておけないために、なかなかそれぞれの隙間に渡せず、徐々にスペインには疲れが見え始めてボールを動かすために必要な運動量を出せなくなってしまっていました。連続した素早いパスワークではなく、ボールをコントロールして奪われないためのキープをして、一つ時間のかかる攻めをしていかなければならなくなっていました。
オランダはロングボールや浮き球を利用して、スペインの中盤に競らせ、その後ろを利用して、センターバックの背後にある広大なスペースを利用しようとしていました。特のディフェンスラインで左右へ大きく揺り動かしてから縦に入れることでスペインのゾーンに隙間を作ろうとしているようでしたし、マークのズレを生じさせるようでもありました。それがロッベンの抜け出しに繋がったのかもしれませんが、カシージャスが一対一を止めたお陰で大事には至りませんでしたが、一点を決められてしまったようなものでした。
ヘスス・ナバスが一つ大きなチャンスを演出したことで、彼のドリブルとスピードを相手が警戒をしてくれるようになり、オランダを押し下げることが出来るようになった。お陰でチャビやイニエスタにボールを収める事が出来るようになっていましたし、それができることでオランダはそこに収めさせたくなく、前に出て行くようになる。それがディフェンスラインと中盤との間を広げる結果になり、ビジャへの縦パスを許してポストプレイをさせてもらえるようになり、可能性を広げるようになっていました。ただそれを追い越していったり近くでサポートをしていく選手がおらず孤立をしていて、もしその段階で近くを利用することが出来ていればもっと多くのチャンスを前線で作れていたのかもしれません。
スペインには疲労の色が濃く、イニエスタもボールをコントロールミスをしていましたし、前へ運ぼうとして失敗することも多くありました。オランダの選手が前半にスペインを翻弄できていたようにサイドを広く使うのではなく、中に寄せて得点を焦るようになってくれたお陰で掴まえやすく、後方から抑えて展開させなくしてから奪う、あるいは囲い込むことが出来ているのは大きくありました。
スペインが個人の技術で奪われなくなった事も大きく、体を寄せられてしまうことを利用したコントロールや、そういったパスをすることで寄せられなくなって、ロッベンもスナイデルも戻らざるを得なくなった。押し込まれてオランダはカウンターの可能性を残せず主導権をスペインが握ることで、よりファウルをさせられるようになっていました。
セスク・ファブレガスの投入によりスペインの中盤はより連動性を増し、フォワードとの関係を近くしていくことが出来るようになっていました。中盤のいずれかが同列になりながらボールを引き出し、残りの一枚がバイタルエリアには行って受けようとするポジションを取る。オランダは圧縮してそれをさせないようにしていましたが、下げてスペースを埋めることがスペインの中盤に自由を与えることにも繋がり、縦パスのチャンスを得る結果になっていました。
延長になってもオランダは奪ってもロッベンらを頼むしかなく、デ・ヨングでは途中まで持ち上がるのがやっとで、そこからどこかに預けて戻っていく程度で、リスクを冒してボールを追い越していく選手は殆どありませんでした。スペインははマークを集中させやすく、狙いを絞りやすく守りやすいものにしてくれていました。
よりスペインはバイタルエリアに選手を入れておくことを明確にしていき、イニエスタがそこに入る事を増やしていました。バイタルエリアに入った選手を掴まえておくためにデ・ヨングは必要でよく抑えることが出来ていたのかもしれませんが、そこにファン・デル・ファールトを投入したことが影響をしていたのかもしれません。延長後半になると、バイタルエリアのイニエスタとチャビやセスクとの関係を近く保つ場面は増えて、ダイレクトで動かすことも出来るようになりましたし、オランダはバイタルエリアに収めるその一点を狙って守備をしているようでもありましたが、デ・ヨングがいなくなったことでセンターバックが前に出て掴まえる必要がでてしまっていました。スペインはそれを逆手にとってダイレクトで動かして裏へ動き直す。センターバックが掴まえるために前へ出てしまったことが裏へのスペースを生んでしまい、イニエスタへそこへ抜け出されそうになった。その時点で退場させられるのは仕方が無く、オランダは数的不利を抱えることになってしまいました。
得点時にその数的に問題を抱えたことがカウンターを抑えられず、イニエスタをフリーにする要因になったのかもしれませんし、フリーキック後のコーナーキックを得られなかった審判の判断や、エリアがドリブル突破を狙い倒されたことに笛を吹いてもらえなかった苛立ちやファウルのアピールが切り替えの遅さに繋がったのかもしれません。あのゴールの場面もいくつもオランダの選手たちの足にボールが当たっていましたし、こぼれる位置に寄せることが出来ていればオランダは防ぐことが出来ていたかもしれません。ただイニエスタのボレーは見事でした。あのユニフォームを脱いだ後のメッセージはハルケへのものでしたか。そういうのをどこかで見た気がしましたが、ゴールだけで感動的なのに…。