■Brazil 3 – 0 Chili
ブラジルはフェリペ・メロとエラーノが怪我をしている影響からボランチにはラミレス、ミッドフィールダーにはダニエウ・アウベスを第三戦と同じく起用をしてきていました。カカとロビーニョが先発をしているお陰でシステムは元に戻り、攻撃に入ったときにサイドバックがオーバーラップを躊躇してしまい、サイドから攻撃が出来ない、というような場面は少なくなっていました。
ただ試合はチリの攻撃から入り、フォワードへボールを預けるのではなく、前へ仕掛けさせるためのパスを出し、ポストプレイのようにいったんスピードを止めてしまう危険のあるプレイは選択せずに、勢いを保ったまま前へ向かうことを選択しているようでした。中央とサイド両方でそのスタイルを使い、特に右サイドバックのマイコンの裏を狙うパスが多かった。マイコンがオーバーラップをして攻撃に参加していたためでもあるんですが、そこを利用しようとする意図がチリにはあったんですが、スペース自体は
チリの攻撃から入り、チリはフォワードに受けさせずに前へ仕掛けながら中に入れて、ブラジルのサイドバックとの勝負になる。手前でボールを持っている間にブラジルのサイドバック、そこの裏を狙ってクロスも。サイドバックのケアの為にジウベルト・シウバが中央からサイドバックのカバーのために動いているために利用できるほどのスペースはなく、ルシオを右に流れさせないことで中央のブロックは崩れず、サイドから中への展開も許していませんでした。ボランチが本来いるべきポジションは、フェリペ・メロほどではないもののラミレスがスライドしながら埋めているためにチリとしてはマイナスのボールを出して中央を利用することも出来てませんでした。
チリは積極的にボールを奪いに行っていましたが、奪い切るにはブラジルの体の使い方が上手くぶつかるだけでは奪わせてもらえませんでした。それに加えてカカら攻撃陣に対しても体をぶつけてバランスを崩させたい守備をしていましたが、それをさせてもらえなかった。それらの選手は他の味方が掴まえられているところにわざと入って、それを囮にしたりスクリーンにして守備を寄せさせないようにしてボールを受けて前へドリブルを仕掛ける。スペースは少ないものの、個人の判断と技術に優れた攻撃を何度か見せていました。
他にも積極的な守備と戻ってスペースを埋めようとする守備を利用して、戻りながらボールを受けたりプレイをすることで相手に囲ませるような形を作る。そうするとチリは前へと引き出されてしまって中盤の裏を使われてしまう。それでもチリは中央をセンターバックが固めているためにそれ以降には侵入を許さずミドルシュートを打つ程度で収めさせていましたが、ブラジルが中央の攻撃を中心にしてくれているお陰のようでもありました。
ブラジルは徐々にサイドバックを上げずあまり縦を崩そうとはしなくなっていきました。右もダニエウ・アウベスが外に出てこず、ボランチの前でプレイする機会が多くなり、カカやロビーニョの下で両者を繋ぐ役割にも似ていました。悪くいえば前後のポジションが縦に動く範囲を狭めているかのようなポジションで、サイドでボールを受けてマイコンとの連動も目指せませんでしたし、誰かをサイドに押し出して、そこのキープから自分が飛び出していく得意なプレイもしていなかった。中央に偏りすぎた攻撃がチリの囲い込もうとする守備を助けていましたし、シュートもあまり打てそうな気配はありませんでした。
そうやって停滞しているように見えたんですが、得点のきっかけになったのはマイコンのオーバーラップからでした。その頃にはサイドバックが上がってクロスを狙うようになっていましたし、ドリブルでの仕掛けも見られていました。ようやくサイドを使う意識が出たかのようで、そのクロスは跳ね返されてしまいましたが、それで得たコーナーキックから得点が生まれ、ブラジルはより堅く守ることができるようになっていきましたし、チリは攻撃に出なければならなくなっていた。状況は間延びしたカウンターの応酬のようでもあり、それでもチリは攻撃出てしまっていた。それがブラジルにスペースを与える結果になり、それまで固めていた中央を使わせてしまい、スピードに乗ったままプレイをさせてしまった。人数でそれを掴まえきれず、後方ではパスコースも塞ぎきれず、スルーパスを許してしまって失点をしてしまった。
ブラジルは二点のリードから攻撃にかけるバランスが変わり、サイドに流れながらボールを引き出していくことでチリの中央の守備をサイドに引き出していけるようになり、後ろから飛び出していく選手が中央に出来たそのスペースへと進入していき、チリが数的有利な環境を作って守れなくなった。
チリは後半から選手を入れ替えて攻撃に出ようとして、サイドバックの横を使い、相手を引き出してしまおうとするようになりました。前に人数を増やしたことでチェックを再び前から行えるようになっていましたし、ミスも誘えるようになっていった。サイドを多く使うようになったことから鋭いクロスを入れて、ブラジルに戻りながらの処理をさせようとする意図はありましたが、ブラジルの中央のブロックは非常に堅いまま壊していけませんでした。サイドの処理はサイドバックと中盤に任せられていて、ルシオやフアンはあまりポジションの変更をしてスペースを作ってしまわない。中盤のジウベルト・シウバやラミレスらが少しだけ前に出る、あるいは後ろに下がってスペースをより塞いで中央を圧縮してしまうことで、そのブロックの手前でボールを持たれる回数は増えましたが、徹底的なまでのスペースを消して固めるブロック構築を崩すことは出来ず、得点を決めるどころか追加点を許してしまうだけでした。
その後もチリは人数を入れてより攻撃をしようとしていましたが、どれだけ人数を入れてもルシオらのブロックを崩せず、間に入ることも揺さぶってスペースを作ることも難しく、その手前でシュートを打つしかありませんでした。サイドからクロスを入れても飛び出しても崩すことが出来ず、ボランチがその前できっちりと相手を止めて、スペースを埋めてマイナスのクロスやパスも許さず、ブラジルはブロックの外側を散々利用させるだけで確実な潰しをして、いくらかのこぼれ球を相手に与える程度でした。