■Netherlands 2 – 1 Slovakia
試合開始当初はスロバキアのボールキープ技術が目立つことから入っていました。パスを回して持ち続けるのではなく、一人一人が奪われないようにコントロールしながら前へ向かっていくことでキープをし、オランダがそのドリブルへの対応に出て行くこと出来る裏へのスペースへ入って、受けてシュートをする。オランダが囲い込んで奪おうとする意識を持っているため、キープしてそれを引きつけることができれば裏にスペースが出来、上手く利用でできそうな雰囲気を感じることはできていました。
守備でもスロバキアはロッベンに持たれる単純に飛び込まず、ディフェンスラインの前に中盤の選手を並べて、ロッベンがドリブルで中へ、縦へと進入していけないように厚く守っていました。その手前をスライドするようにドリブルさせているだけであれば脅威ではなく、限られたコースからミドルシュートをさせる程度でした。ただロッベンに対応するために厚みを作り中央へ集めるためサイドを使う余地はあり、オランダはサイドバックの外側を利用できれば、クロスを入れることは難しくなさそうでしたが、ロッベンが右に、カイトが左と利き足がサイドと逆であることからそういった利用は少なく、スペースを突くことは出来ていませんでした。
スロバキアは前から守備もしていたんですが、オランダのように激しく囲い込む事はしておらず、縦へ出すのを遅らせてセンターバックやディフェンシブ・ミッドフィールダーから前へ運ぶのを遅くさせる。ただ後方に人数を置いて備えているためにオランダが一度そこを通り抜けてしまうと、スロバキアの中央に絞った守備の前で受けられてしまう、あるいはボールサイドへ寄せた守備の前で受けられてしまうことになる。そこで受けられてしまうとディフェンダーはラインを高く保っていることから裏へのスペースがあり、飛び出しを狙われてしまいましたし、中央に寄った守備の外側にもその位置からなら利用をされてしまう。
そこまでは上手くロッベンを抑えておくための布陣が出来上がっていたんですが、カウンターとなるとそれを継続しておくのは難しかった。予め掴まえていてもスピードによって振り切られてしまい、ディフェンダーを縦関係にして抜かれた後のカバーでコースを限定して奪っていく動きが出来ずに横に並んで同じ動きをしてしまった。見事にロッベンのキレについて行けていけず失点をしてしまいましたが、その後は人数がいる状態では突破させていませんでしたし、勝負のドリブルもさせず、守り方は間違っていないことを証明していました。
先制点を得たオランダは後方に残る選手と前でボールを追い越す選手と分離をし始め、キープを完全なものにしていなければオーバーラップをしない、リスクを負わない攻撃へと変え、安定した守備の為の攻撃を目指し始めていました。後方でゆったりとキープしながらタッチライン際を使いながら前へ運んでいく。守備プランの変更をオランダはさせようとしているようでした。
スロバキアは焦らされていくことで早くボールを奪いたく、待ち構えて受け止める守備ブロックの構築を崩してしまい、オランダの選手が受けに戻る動きについて行ってしまっていました。オランダがその時間帯にしていたような、縦パスを収める選手に対して密着して体を預け、前向きの攻撃をさせずに抑え込んでしまおうとしたものではなく、一歩遅れて追いかけるもので効果的なものではありませんでした。オランダはそれだけではなく、スロバキアのセンターバックら、比較的テクニックの無い選手たちにはプレッシャーを与えてミスを誘う守備もしていて、上手く守れている印象がありましたが、受けさせないように強く当たる守備が連続してファウルになり、セットプレイから押し込まれる環境を作ってしまい、攻撃に出られなくしてしまっていました。
いくつか押し込んだことでスロバキアも前からの守備が出来るようになったものの、チェックをしてもオランダはセンターバックにも一定のテクニックがあって大崩れはせず、前へフィードできるためにあまり効果的ではありませんでしたが、オランダはフィードを受けるほど前に出ておらず、相手センターバックのへプレスも辞めてしまって、じっくりとスロバキアに持たせるようになっていました。後半に入ってもそういった相手に持たせて待ち構える状態からの変化はなく、一定の成功を収めていたスロバキアのセンターバックに対してのプレッシャーにもいかず、縦へのパスに対して密着して前を向かせなかったものも、少しセンターバックが距離を置いて守るようになってしまい、前を向くチャンスこそなかなか得られませんでしたが、真後ろを向きながら受けるしかなかった状況の改善はできていました。
オランダはスロバキアが攻勢に出ると同じく攻勢に出て一方的な展開を作らせないようにしたたかな変化をもたらしていて、こぼれ球からロッベンがチャンス作ったことをきっかけにペースを取り戻して、ボールをキープできるようになっていました。タッチライン際を多く使いながら前へとボールを運んでいく。パスに対して追い越していく選手も出てくるようになっていましたし、もう一点を取る意識が出てきているようでした。押し込まれてしまうことで、スロバキアはサイドを使って勝負を仕掛けようとしても、サイドバックとの連携は目指せず、一枚がオランダの二枚を相手に勝負をしなければならない。上手く一人をかわすことが出来ても次で捉えられてしまい、ファウルをも奪えない。
ロッベンに代えてエリアが入ったことで、オランダはカイトが右に回り、よりサイドを縦に使えるようになっていきました。攻めに転じようとしていたスロバキアを戻らせて、クロスを入れるようになった。これでスロバキアは引いて中を固めて跳ね返さなければならず、大きく戻ってスタミナを消費してしまう。運動量の増加から足が止まり始め、カウンターになっても上がって行けず、オランダの囲い込む守りを突破できず、パスで逃げるコースも用意できなくなった。そんな中でも裏へパスを出して決定的な形を作ることは出来ていたんですが、この日のスロバキアは枠にボールを飛ばすことが出来ず、決定力を欠いていました。
そして最後は自滅のようなものでした。判定に不満を持つことで守備への切り替えが遅くなり集中を欠いてしまった。オランダの抜け目ないクイックリスタートを許してしまい、追加点を決めさせてしまった。一点であれば追いつける可能性はまだあったんですが、二点差はあの時間では大きなものでした。
オランダは終了間際にはまた収めさせないように積極的な守備へと切り替え、スロバキアが何とか点を取るために出てこようとするタイミングで、オランダが積極的な守備から攻撃をしてスロバキアの前への意識を削る。試合の流れをコントロールしたオランダにスロバキアはパワープレイすら出来ず、人数も増やせなかった。
最後にPKを得て一矢報いることができましたが、それ以上の時間は残されていませんでした。