■Argentina 3 – 1 Mexico
序盤は審判がファウルを取らないケースが多く、体の接触自体は多く倒れている姿も多く見かけられていたんですが、審判はファウルを取らずに試合を続けさせていました。アルゼンチン、メキシコ双方が体の使い方が上手く、ファウルにならない程度の奪い方をしていたこともありますし、ボールへ足を出す技術も持っていた。それ以上に審判が倒れる技術を警戒してのファウルの判断だったのかもしれません。
アルゼンチンはフォワードのそれぞれがマークを受けていて安定して受けさせてもらえませんでした。ゾーンに入った選手をメキシコはきっちりと掴まえていて、複数で囲い込むよりも一人に一人がつき、前へ動かせないようにしているようでした。アルゼンチンはフォワードのテベスこそ少しの運動量を発揮していましたが、後方の選手がボールを持った際に動き出してパスを要求するような動きは殆ど無く、足が止まっていてメキシコのマークを容易にさせていました。
メキシコは動きの少ないそこで奪ってからカウンターで縦へと一気にボールを運ぶ。アルゼンチンは足が止まってから守ることが多く積極的には奪いに入っておらず、緩やかにコースを切って縦のフィードをさせる程度ぐらいでしかありませんでした。前は一応防げていましたが、奪いに行くほどの積極性を持ったものではなく、その手前から二度ミドルシュートを打たれてゴールを脅かされてしまった。どちらも実際に得点になってもおかしくないもので、修正が必要な状況でした。
メキシコのきっちりとしたマークによってアルゼンチンは縦のボールを収めても、戻りながら受けるしか無く、勢いのあるチェックに対してかわす手段がそれほどありませんでした。周囲が動いていないことでサポートがすぐに受けられる状態ではなく、それぞれにマークがついているために、チェックを受けたからといって瞬間的に渡せる場所ができていない。メッシが受けてしまえば、これまでは動き出す姿が見られていましたが、この試合ではそれも見られず、ファウルやそれに似たプレイによって止められるばかりで、メッシは高いポジションを保つことが出来ずに試合を作るためにも中盤に下がってプレイする時間が大半を占めることになっていました。下がっていることで密着したマークは受けていないものの寄せは早く、ドリブルに入ることが出来れば止めることは難しいものの、周囲との連動が出来ておらず、パスコースも切られながら足手を押し込んでしまうために味方にパスを出せず、自分でシュートを打っていくぐらいしかありませんでした。強引なプレイですし、アルゼンチンはフォワード二人にメッシが中央に入っていってしまうために、中央に人数が集まってしまって、ドリブルでの仕掛けが中央に寄ってしまって、相手の守備に人数を増やしてしまっているだけ。メッシが下がって受けることで、相手の守備を引きつけて、バイタルエリアを空ける効果はあるんですが、サイドの利用は少なく、そこの利用もあまりありませんでした。
攻撃のバリエーションを用意できない中で得点できたのは幸運で、審判の誤審も含めて幸運とするしかないものでした。メキシコがフィードを跳ね返したボールがバイタルエリアのメッシへ渡ってしまい、裏へ抜けるテベスへのスルーパスになり、キーパーに跳ね返されたボールが再びメッシへ渡った。これをシュートをして直接決めてしまえばその後の問題は起こらなかったかもしれませんが、テベスが触らなければメキシコの選手に防がれていたかもしれない。そのテベスのポジションはオフサイドで、触っていたのなら笛を吹かれてゴールは無効になるべきだったんですが、主審も副審もゴールを認めてしまってこの試合の流れを変えてしまいました。副審の位置が不安定で判断できなかったのか、メキシコがきっちりと戻りすぎたためにブラインドになったのかは解りませんが、判断を間違ったのは確かでしょう。
それ以後はメキシコに苛立ちを増やしてしまい、当たりをファウルの寸前で止めることなくファウルになるようにもなった。しゅしんがそれまで笛を吹かなかった程度でも笛を吹いて試合を止めるようになりましたし、そこまで転げる選手は多くてもファウルの少ない試合だったものが一転して笛を多く吹かなければならない試合へ変化してしまいました。
アルゼンチンは得点をとっても動きを活発化する様子は見られず、メキシコにメッシへのマークをより一層つけられてしまうだけでした。多少フォワードが追う姿勢を見せてチェックをするようにはなっていましたが、完全ではありませんでしたし、焦るほどのものではないようにみえました。しかしオソリオが、コントロールかパスミスかは解りませんが、極めて単純な部分でミスをして、イグアインにアシストをしてしまい、自滅をしてしました。
アルゼンチンは後半から多少運動量が出てきて、立ってボールが来るのを待っているだけだったものが少しだけ動くようになった。メキシコがタイトなマークによって受けさせなかったものが、攻撃に出ようとする意識から緩めてしまったのかもしれませんが、アルゼンチンがボールを受けるためのスペースを作るようになっていました。それがテベスにバイタルエリアでボールを受けさせ、弾丸のシュートを決めさせる要因になっていて、変化が早くも結果に結びついて勝負を決めてしまいました。
メキシコは中央からサイドへ、サイドから中央へ。そうやってアルゼンチンの守備を横に動かし中に集めておいて、そこからサイドを利用する。アルゼンチンの守備が中盤のマスケラーノを中心にバイタルエリアを埋めていて、ドリブルで進入することを難しくさせているのも、その戦い方を選択している一つの要因でしょう。その外側からミドルシュートや、ドリブルでの仕掛け、クロス。変化はメキシコの方が多いように見えましたが、徐々に得点をしなければならい焦りから、メキシコは中央を使ってからサイドを使うようなバランスの良さが無くなっていき、サイドからサイドの利用をしてしまうようになり、アルゼンチンが対応に出られるようにしてしまっていました。チェックに向かう選手で中盤一見すると空いているように見えるものの、マスケラーノはしっかりとセンターバックの前に立ちはだかることでメキシコはそこへ進入することができずに、マスケラーノをなんとか回避したがっているような攻めをしてました。引っかからないように少し軸をずらして縦パスを通す。横に揺さぶりながらミドルシュートを打つ。変化はいくつかありましたが、得点に繋がったのはマスケラーノの側を通した縦パスからエルナンデスがコントロール一つで抜いてゴールを決めた場面のみでした。
ベロンが投入されたことでメッシのポジションを一つ上げたものの、パスの安定供給はなされずに、中央で受けて直接ゴールを狙えるような受け方は出来ておらず、サイドに流れてから受けなければならなかった。そこからドリブルで入っていってもコースは塞がれていて左足側を切られながらカットインしてもシュートまでは持っていけず、多少のアクセントにはなっているもののそれ止まりでしかなく、メッシはコントロールをミスするなど持ち味を出しきることはできていませんでした。ロスタイムにドリブルからシュートまで持っていきましたが、やはりゴールにはならず、この日もメッシはゴールに恵まれていませんでした。