2010 FIFA World Cup Round of 16 アメリカ対ガーナ

■USA 1 – 2 Ghana(ex win)
アメリカは縦のスピードを速くして、ボールを奪ってからフォワードを走らせボールを追い越して上手く勢いを保ったまま攻撃をして得点を狙おうとして試合へ入っていました。ガーナがボールを上手くコントロールできずにばたついている印象がありましたし、それを見逃さずプレッシャーを与えることでより安定して受けられないようにし、前からのプレスによって相手陣内でボールを奪い展開をしようとしているようでもありました。

ただミスからの失点が早かったことが全てのプランを壊してしまいました。縦へと急ぐものの、攻め込まれればそういったこともできず、中盤で構築をしなければならない時間が出てくる。ガーナはそれに狙いを定めてプレスをしていて、アメリカに後方には時間を与えて構築をさせずにチェックからミスを誘ってカウンターを仕掛けようとしていた。アメリカとの狙いは似ていましたが、アメリカは中盤の後方、一番リスクのあるプレイをしては行けない場所で、パスで相手を動かそうとせずチェックをかわそうとしてしまった。そこを奪われてしまって、センターバックは抜かれるわけにはいかずドリブルと共にリトリートするしか無く、コースも塞げずシュートを許し、先制点を許してしまった。

アメリカはまだプランの継続を目指して相手陣内でボールを奪いに行ってショートカウンターを狙っていましたがボールを奪うのが難しくなっていっていました。ガーナがそれまでしていたようにボールの扱いを雑にはしなくなり奪うポイントを見つけられなくなった。囲い込んでも上手くかわされてしまい、パスを出される。アメリカはゾーンを構築してラインを押し上げて、その前に中盤もフラットにしてラインにする。アメリカは相手を掴まえる積極的な守備ではなく、相手をゾーンに入った相手を掴まえようとしていましたが、ガーナはそのラインや選手の隙間に入りボールを受け、アメリカの三選手の注意を引きつけてプレスをさせて、動いた後に出来るスペースへとまた別の選手が入る。連続して隙間に入られることで、緩やかに囲めてはいるものの寄せることは誰一人できずにボールを離されてしまう。

その代わりにアメリカがボールを奪われる回数が増えていき、ガーナのペースへと嵌っていっていました。アメリカは繋ごうとしているものの、高いラインを保っているガーナの裏を使えず手前で回してしまう。その間に高い運動量のチェックを受けて、アメリカはパスで逃げようとせずに個人でかわそうとしてカウンターを受けていました。先制点もそうでしたし、その後もその形でピンチを作られたのは確かでした。低い位置でのキープしかできないアメリカはボールを追い越していく動きが出来ず、ガーナのラインを下げさせてプレスを機能させないようにしたいところでしたが、上手く中に人数を入れられ、前を防がれてドリブルもできない。いいように攻撃を受けることから引いて守らなければならなず攻撃の人数を減らしてしまわなければなりませんでしたし、下がった影響でより中盤で繋いで前へ運べていたものが運べなくなり、長いボールや裏へ走る一人の選手の勢いに頼らなければならなくなった。

ガーナは縦パスを入れて戻して連続して入れていくことで後方の選手が動き直してスペースにはいって受ける余裕を持ったせていましたが、アメリカは縦パスを裏へ出すだけで前で受けるようにはしていなかった。ガーナとしては裏への対応一本に絞れますし、アメリカはその跳ね返したボールがミスになるのを待つことぐらいしかなかった。相手の前で収められても足が止まった状態からの仕掛けでは脅威を与えられず、裏への動きをっけいかいさせるだけでした。

後半になるとガーナの運動量と守備の意識が強くなったことで、アメリカはサイドを深く使っていけるようになり、得点の可能性は出来ていました。ガーナのプレスが緩く、ボランチやディフェンスラインに寄せられることはなくなり、安定してボールを前に運べるようになっていた。ガーナは手前で待ち構えているだけで、中盤はある程度の高さを保っているのに動かず、センターバックとの距離を広げているだけでした。そのため、ガーナの中盤を越すとディフェンスラインの前にアメリカは入れるようになり、そこからサイドへボールを出して幅を持たせることも出来るようになった。それまで裏を狙うボールが縦に角度のないものだったのが、サイドを使ってから角度や変化をつけたクロスやフィードを狙えるようになり、少しだけ脅威を与えるようになりました。
自由にフィードを出せることで精度の高いも逃せるようになり、裏だけではなくディフェンダーと競らせるものも出せるようになった。裏一辺倒だった攻撃にバリエーションが増え、人数が入ったことと持ち上がれることで相手の手前で受けるプレイを選択することが出来るようになった。そのことでガーナのディフェンダーはそれまで裏だけをケアしていればよかったのが、前後の二つを対応しなければならなくなり、裏へのパスを通しやすい環境にした。そういう環境がデンプシーの突破を許してPKを与えることになったようです。

ガーナは得点をした場面もそれ以外のチャンスの多くも、アメリカへのプレッシングからミスを誘い、カウンターを仕掛けて得たものばかりでしたから、それが出来なくなって相手を焦らすことが出来なくなると、展開もあまり出来ていませんでした。
得点を取られて同点にされてからプレスを復活させて、何とかサイドバックやボランチ、センターバックにも向かっていくようになっていましたが、得点とその前の自由な時間を得たことで、前半はミスをしていたプレスに対しても落ち着いてプレイをすることが出来るようになり、前半のような慌て方とミスはありませんでした。

ガーナは攻撃もダイレクトで出せないほどパスを出してからの運動量が無くなっていて、アメリカは間に入られ連続したこぅげきを受けず崩される心配を減らせましたし、メンバーを代えても守備のプレスを効果的に再開することは難しく、運動量を上げられないまま攻撃では連動できずにサポートが遠く、ボールを受けた後に探さなければパスコースを見つけることが出来ない状態にまでなっていました。アメリカは中盤がガーナの前への動きを受け止めていられるようになったことから、センターバックは対応に追われなくなり、安定をしていました。

延長戦に突入したわけですが、アメリカにとっては不運にも失点をしてしまった。フィードが跳ね返され、それをガーナが大きく蹴り出し、単純な競争の中で競り勝ったギャンが決め、とても単純な一人の力に沈められてしまいました。

アメリカは前へ、ペナルティエリア内にボールを置く入れることで何とかチャンスを見いだそうとしていましたが、中を固められてしまえばこじ開けることは難しく、競り勝つこともなかなか出来なかった。跳ね返され、満足にシュートを打てず、スペースを消したガーナの中で何も出来ませんでした。入れ続けることでしか変化がつけられず、繋いで変化をつけようとするとミスになって奪われてしまう。ここまで粘り強く戦い続けたアメリカにもここをこじ開ける策はありませんでした。

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