■Spain 2 – 0 Honduras
メンバーの変更から序盤のスペインは4-1-4-1のような布陣であり、アンカーにはセルヒオ・ブスケツが入りピケとプジョルがセンターバックで組む形になっていました。それらのバルサの三人で中央をコントロールすることで、アンカーが前に出て奪いに出たときにはセンターバックの前にスペースが出来て使われてしまいそうになるんですが、そこをセンターバックの二人がラインを押し上げてスペースを消してオフサイドにかけようとするような連動も出来ていましたし、フォワードへの縦パスで収めようとするところにはピケがぴったりと引っ付き収めさせないなど、よく慣れた守備が効果的に機能していました。フォアチェックから相手に繋がせておらず、フィードをさせてセンターバックが抑える関係も上手くできていましたし、守備は問題なく機能していました。
サイドの突破を許さず中に入らせ、それに対応するためにセンターバックが出て行くことでラインを一気に押し上げて中央に残る選手をオフサイドにしてしまう。あるいは中央に招き入れて囲い込んで守る。スイスと戦ったときとは違い、ホンジュラスの攻撃は抑えやすいものでしたから、試合終了までそれほど大きく崩れることはありませんでした。
攻撃の部分では、ヘスス・ナバスの所は警戒されて縦を切られてしまいドリブルのコースを得られずに戻さなければならない場面が多く見られていました。サイドチェンジからボールが渡れば少しの余裕を得られるものの、サイドバックや中盤の選手からパスをもらった段階では、足下へのそれを受けた後縦に向かうコースは消されていて、利用することは出来ていない。外から中へのボールにサポートが遠く、同じ高さでそれが出来ていないためによりバックパスを出さなければならなくなって前へのスピードを出せていませんでした。
そこに代表されるように、ホンジュラスはスペインに対して縦のコースを塞ぎ、横を向かなければならない守備をしないように心がけているようでした。ある程度クロスを狙う段階では中を塞ぐために変化させていましたが、それ以上中へ入らせないようにすることは共通をしていて、縦のコースを塞ぐことでパスを回させることに集中をしているようでした。前の試合もそうでしたがスペイン代表にはパスの連続から裏へ飛び出すタイミングを狙うような距離感ではプレイできませんし、イニエスタがいないことで仕掛けられる選手も限られている。
ホンジュラスがチェックに出てきていることから、バイタルエリアもそれぞれの選手がクラブチームであれば入っているぐらいのスペースがあるんですが、実際には入れる選手はおらず、その手前で回してボールを動かしてサイドへ流れたビジャに頼むだけになっていました。サイドでボールを受けてクロスを上げられたとしてもフェルナンド・トーレスが中で待っているだけで、ニアに飛び込んだりファーサイドへ待ち受けたり、あるいはマイナスのクロスを要求してダイレクトシュートを狙う選手もいない。得点を取れる気配はなかなか見つかりませんでした。
それでもビジャが個人の技術でドリブルで仕掛けて得点を取れたことがスペインにとっては大きく作用したようでした。あれも決して崩せていたわけではありませんでしたが、少しずつ状況を変えていく役割は果たしていました。
その後も左に流れたビジャがドリブルで仕掛けることをメインとしていて、チャビがパスを出した後もう一度受けるために動き直す場所をバイタルエリアにしたがっているようでしたが、最初のパスが後方で距離が長く、安心してその距離を走れるほどの状況を前が作れていなかった。そのためにバックパスを戻せる場所として存在する方を優先しているように前へと上がれていませんでした。
それも流動的にポジションを変えていた部分からシャビ・アロンソが下がってセルヒオ・ブスケツと二枚のピボーテの形を鮮明にしたことで、チャビ押し上げられるように高い位置を取れるようになったのはその後の流れにいい影響を与えていました。バイタルエリアに入ってボールを受けようとする場面が増え、フォワードとの関係が近くなり、クロスに対して人数が少なく、パスを受ける状況に関しても孤立しがちだったフェルナンド・トーレスにサポートができるようになった。
カウンターから二点目を得た場面では、チャビは持ち上がり、右のヘスス・ナバスへ、フェルナンド・トーレスが囮になり、チャビも囮となってもビジャが戻ってボールをうけた。それまでクロスに対して中の人数が足りず、戻って受けようとする選手も足りませんでしたが、この場面ではカウンターということもあって相手の人数が少なく、そのどちらも解消できていた。シュート自体は相手の足に当たって入る幸運なものでしたが状況の改善が大きくゴールに結びついたようでした。
その後にチャビに代えてセスク・ファブレガスが投入されると、よりフォワードとの関係が近くなり、明確にサポートが出来るようになっていました。セスクの方がよりゴール前での得点力とバリエーションを多く持っていますし、向いているのかもしれません。フェルナンド・トーレスとビジャと関係を近くすることでチャンスを得ましたし、ドリブルで持ち上がって連携からシュートを狙ったり、クロスに対応するため中に入ることもできる。課題だったヘスス・ナバスと同じ高さでサポートをすることも出来るようになったことで、縦を抑えられてもサポートをしてもう一度縦や裏を狙わせることが出来ていましたし、ホンジュラスが間延びしたこともあっていい攻撃になってきていました。
残り時間が少なくなっていくと流石にスペインも同じように運動量が低下をしていってしまいましたが、状況の改善は出来ただけに一安心の内容としていいようです。
PKの場面は非常に微妙なもので、取られなくても不思議とは思わない程度の接触であるように見えました。こうした微妙な判断で得たPKは往々にして外されてしまうもので、結果としてはどちらでも構わない状況になってしまいましたね。