2010 FIFA World Cup Group -G- ブラジル対コートジボワール

■Brazil 3 – 1 Cote d’Ivoire
コートジボワールの守備は上手く集中を保っていて、ルイス・ファビアーノを前後で挟み込めるだけの中盤とディフェンスラインの関係を取っていました。ブラジルが後方から持ち上がってくるときにまず中盤が守備をして後ろはケアをする。役割分担をしっかりしているお陰で、前を向く技術がブラジルは高いものの、そこから先に展開をさせていませんでした。
後方でのそういった守備だけではなく、攻撃に出た後の守備の切り替え、それからコートジボワールはしっかりと相手を掴まえて、カウンターをさせない。縦のコースを切っていてドリブルもパスも選択させない。組織されたいい守備から試合へと入っていました。

ブラジルも守備は対応を練ったものでした。裏へ走らせないようにラインを後方への意識を持たせてタイトなマークよりも自分の視界に収めておくようにしているような印象を受けるもので、裏へボールを出させないようにし、ボールを手前に収めさせようとする。思惑通りに自分たちの手前で受けるボールであると判断すると、素早く寄せて自由にさせない。待つ守備をする最後尾とは別に中盤は積極的にボールを奪いに出ていることで、相手の足を止めさせ、縦のコースを消し、サイドへと押し出させていく。

両者ともいい守備をしていたんですが、先制点はブラジル。コートジボワールは多くの人数がいながらも個人の技術によって中央を割られ、止めることは難しいものでした。センターバックの前で受けられはしたもののきっちりと対応をしたことで一時は止めることが出来た。後方にコロ・トゥーレがケアに残り、組織としての問題は無かったように見えましたが、カカの奪われないドリブルと裏へのパス、両方を対処することは出来ずにスルーパスを許してしまったことが全てでした。

この得点でコートジボワールが前に出て守備や攻撃をするようになったことで、それまでスペースを与えず出来ていた守備に綻びが生じ始め、出来たスペースをカウンターで仕掛けてこられるようになった。中央を先制点のように使われるように意識させ、相手の守備を中央に寄せていく。その間にブラジルはサイドバックを上がらせてスペースが出来ているサイドを利用しようと走らせるパスを出していく。精度が整わなかったりコントロールできずに上手く利用するまで何度か挑戦しなければなりませんでしたが、狙いとしてははっきりとしたもので効果的でした。

サイドを利用されてしまうことでコートジボワールはむやみに前へ出て相手のセンターバックを抑えにかかるような守備は出来ず、それまでとは同じくハーフウェーライン付近までプレスをかけずに様子を伺わなければならなくなってしまいました。
ブラジルはラインを押し下げて、中盤は向かっていく部分として向かっていくためにスペースがその間に出来かけていて、コートジボワールもそこを利用するために選手を入れようとしていたんですが、それでもジウベルト・シウバらにアンカーのようにセンターバックの前に入られてスペースを埋められていることと、中にいるのがドログバだけで、屈強な守備陣と競わせるには難しかった。特にサイドから中へ入ったときにそこに影響を受けてしまい止められ、シュートの形を作るには人数が足りませんでしたし、ブラジルの守り方が上手くスペースを囮にされているようでもありました。

二点のルイス・ファビアーノのゴールは自分が見る限りでは二つのハンドがあり、非常に強引で審判に笛を吹かれなかった幸運なゴールでした。ただ個人で打開する意識と技術は素晴らしく、笛が吹かれなかったのだからいいゴールだったとしておくべきなんでしょうか。

二つ目のゴールによってチャンスを待ち続ける訳にはいかなくなったコートジボワールは得点を狙って最低でも追いつかなければならず、より積極的に攻め上がっていくようになっていましたが、中央はブラジルが人数をかけて守っていることからサイドを使い、人数をかけてタッチライン際を狙おうとしているものの、それはブラジルの狙い通りで外へ外へと押し出されているだけで、外から中へのカットインをしても、ブラジルのルシオとフアンの前まで出て行くことは難しく、脅かす場面はあまり見られませんでした。交代でジェルビーニョが投入されてからはスピードのあるドリブルから、それまで連携していくことが難しかった中央と連携をすることで裏への飛び出しを狙えるようになり、ようやくセンターバックに勝負できなかったところを解消できるようになり、攻撃の芽が出てきていました。

しかしながらようやく攻撃の形が見えてきたところで、ブラジルが三点目を奪って勝負を決めてしまいました。それまでもカウンターを中心としながら、中央に人を集めそこに注目をさせてサイドバックを上がらせる。あるいはカウンターからサイドバックの裏へ二列目が飛び出して利用する。カカがそういった飛び出しを多くしていて、持ち味のスペースのへのドリブルは見られないものの、コートジボワールが攻撃に出ていることから、前半のような守備の集中を失っていたために使いやすくなっていたんでしょう。三点目は裏へ飛び出したカカによってもたらされていました。

ブラジルはその後ドログバに一点を許したものの、コートジボワールが激しく奪いに行こうとしてくるものを、パスと動き直し、それと他のサポートを加えて連動しながらかわしていくために当たることすら難しくされてしまっていました。それでも得点がコートジボワールを積極的にさせたのは間違いなく、寄せるスピードを速くさせてブラジルの選手に触れなかったのを触れられるようにした。ボールへの激しさを持ったままだけであればよかったんですが、徐々に人に対して激しく向かうようになってしまい、ファウルの数を増やし相手を苛立たせるまでになってまった。いい意味の激しさではないものになってしまい、双方が演技もしながらも接触を繰り返したことで試合を荒れさせ、どちらもがその思惑を持ってそれに乗っかってしまった。退場も含めて、あの状態はよくありませんでした。

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