2010 FIFA World Cup Group -F- イタリア対パラグアイ

■Italy 1 – 1 Paraguay
序盤のイタリアは中と外を利用するバランスが良く、それぞれがサイドに進出しながら、中へも入っていく。相手ディフェンスラインの手前でボールを収められる選手が居て、そこを抑えられてもすぐ近くに戻せる選手が居る。縦のそういった預けて戻す関係であったり、サイドを利用したときの横の関係、それらを保ちながらも裏へ適度に飛び出し、足下だけではなくスペースへのパスでカウンターの勢いを殺さないようにできていました。イタリアは高い位置でプレッシャーをかけながら押し込み、切り替えも早く、動き直しも早い。手詰まりになったときのサイドバックのオーバーラップも問題はなく、攻撃をストップさせてしまうこともありませんでした。

ただサイドバックの裏を二人、三人と連動しながら飛び出して利用する形は見られず、パラグアイの守備を後ろ向きに、戻りながらの難しい対応を強いる形は作れていません。パラグアイのディフェンスラインが相手にキープをされ、フォアチェックで奪えない状態まで持っていかれてしまえば、一気に引いてラインを下げてスペースを消していることもそれをさせてもらえていない要因になっていました。

試合の経過と共にイタリアのバランスの良さに対してパラグアイがゾーンを狭めて対応し始め、相互の距離がサポートしやすい状態に保てていたものが、そこにゾーンを片側に狭めて対され始め、繋げなくなったことから単調な裏へのボールが増え、それはパラグアイのディフェンダーの方が早く反応し触り、対応できてしまっていた。

先制点を得たことでパラグアイが守備を固めてカウンターを中心としたスタイルに変化をするのかと思っていたんですが、そうはならずフォアチェックからセンターバックや中盤の底に対して奪いに行くことで、後方からのビルドアップを安定して行えないようにしてコースを限定し、後方が守りやすい環境を作っていました。連動してラインの設定も比較的高く保たれているものの、常にその形を維持しようとするのではなく、サイドでキープをされれば下げ、裏に抜ける動きをされそうならば、そのフォワードの動きに合わせてラインをぐぐっと下げ裏のスペースを消す。イタリアは早い段階で裏を縦に使えればパラグアイが後方のスペースを消すより早く利用することも可能だったのかもしれませんが、単純にサイドバックの裏に起点を作ろうとしていなかったために苦労をしていました。

パラグアイが守りに入るようになったのは同点に追いつかれ、ロケ・サンタ・クルスを投入してからでした。彼は運動量豊富な選手ではなく、それまで前からチェックを行っていたネルソン・アエド・バルデスとは大きく前線の守備が変わってしまう。前からの守備から奪ってカウンターを狙わなくなり、低い位置に設定されたラインで中盤と共に待ち受け奪い、サンタ・クルスへフィードを出して預けようとし、そこで収めてからカウンターをしようとし始めていました。ただサンタ・クルスはカンナバーロとキエッリーニ相手に競り勝つことが出来ずキープもなかなか出来なかった。もう一枚のフォワードを投入した後も前から奪いに行けなかったことからイタリアに連続した攻撃をさせるようになってしまい、中盤が不安定なポジションになり、ドリブルで仕掛けたりミドルシュートを打つだけのスペースを与えるようになってしまった。

残り時間が少なくなってからは切り替えて引き分けを狙うようになり、カウンターを考えず、ボールを切る事を優先するようになったために守備の安定は高まり、パラグアイのゴールを割ることは難しくなっていました。

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