■Slovakia 3 – 2 Italy
イタリアは状況を考えると勝利をしなければトーナメントに進出するのは難しく、ここまでの得点力不足や流れを作れない状況を改善しようとするかのようにディ・ナターレとガットゥーゾを先発をさせていましたが、効果的な働きをしている場面を見ることはあまりありませんでした。
守備の面ではスロバキアが奪ってからの速攻と共に、序盤は様子を伺って後方で回すことも合わせて行っていました。イタリアが前面からチェックを開始してボールを奪いスロバキアを慌てさせてしまおうとしていましたが、それよりも大きくラインを下げることで連動したチェックをさせず、ガットゥーゾもマークをする相手を見つけることが出来ず、遠巻きに相手を見ていることしかできなかった。逆にスロバキアは序盤から守備も素早く仕掛け主導権を握ることに成功していました。
それぞれが運動量を必要とするスピードを上げてのチェックを行い、イタリアはそれに気押されて早くボールを離してしまおうとするばかりでした。
それをフィードとしてイヤキンタが裏へ走ったりセンターバックと競り合いながらボールを落としてマイボールにしようとしているんですが、それも効果的に機能しませんでした。ディ・ナターレが周囲を利用しているもののヘディングを落とせるほどの距離にはおらず、ペペもサイドからくるだけで、跳ね返されたボールを拾える状況にはない。二列目に該当する選手がおらず、もう一枚後ろにガットゥーゾやモントリーボが存在をしても、守備の意識を持っているだけでフィードのこぼれ球を拾うために駆け上がってくる場面は見られなかった。
セカンドボールを奪い直すときには力を発揮することもありましたが、攻撃になったときの戦力とは言い難い状況でした。ガットゥーゾは守備では球際に強くいい守備と運動量からショートカウンターのきっかけになる可能性もありましたが、縦の厚みがない状況では期待できず、せめてサイドバックを高く保てていれば幅を持たせて中央の薄さをごまかせて攻撃に出られていたのかもしれませんが、ラインを高く保って奪うことが出来れば、というだけで実際にその形は作れていませんでした。
高くラインを保とうとすることでスロバキアは後方からのフィードでディフェンダーを裏へ走らせ、カンナバーロの衰えやキエッリーニのスピードの問題を利用しようとしていました。その二人は戻りながら正確にクリアをすることが難しく、スロバキアはこぼれ球を拾える可能性が高い。実際のその二人の対応のまずさからこぼれ球を拾う場面は多々あり、スロバキアはこぼれ球への反応や、狙いとずれたところに来たボールでもきちんと反応をし、それが素早く、イタリアのその反応でも勝てていなかった。
ただのカウンターだけではなく、スロバキアの方は奪ってからセンターバックが上がってきたり、パスをゴール前で繋げるぐらい連動をしているし縦の思い切りがある。しかしイタリアには攻撃と守備の役割分担を守ってリスクを冒そうとしていないように見えました。それぞれが散発的な動きで留めてしまって、中盤後方の三人がまったく試合をコントロールできておらず、上がっていくこともない。三枚が相互にカバーをしながら上がってフォワードの近くにまで接近することも出来ておらず、中長距離のゲームを支配できるようなパスもなく、パスを出せる先もない。それどころか人数が守備の役に立っておらず、フィードに対してもセンターバックに対応をさせてしまって、中盤は何も仕事をしていない。繋ぎに対するチェックぐらいはしているが、それも奪いきる場面は珍しく、スロバキアにかわされて支配されてボールを回されてバイタルエリアへの進入も許している。
構築のミスも多くボールを失いすぎることで周囲の選手、サイドバックは特に安心をしてオーバーラップしていけませんし、センターバックはケアの為にファウルをしなければならない。そういった連続が失点に繋がり、先制点は深い位置でミスをしたことが原因でした。同じようなミスがそこかしこに転がっていて、奪ってから裏へイヤキンタを走らせるだけ。それもスロバキアはイタリアの守備とは違い、戻りながらであってもきちんとクリアをして相手に拾わせませんでしたし、繋ぐことすら出来ていた。
後半になってクアリャレッラと投入したことで前半はペペのサイドに頼りきっりだった状況から多少の変化が見られるようになり、サイドバックを押し上げてサイドアタッカーと連動させようとしていたり、前の人数が一人増えたことからフィードの後を拾える可能性も少し出てきていました。ペペのクロスにもイヤキンタとクアリャレッラとディ・ナターレ、その三人が入って最前線で相手よりも多い、あるいは同数で勝負ができるようになったていました。これまでは落とした先に誰もおらずボールを失っていましたが、フォワードの投入からサイドの利用へと繋がり、ボールを落とすのではなく、最前線で勝負して得点に直結させようとするようになってきていました。
前から追いかけていく人数も増えて、スロバキアに自由な組み立てさせなくはなったり、スロバキアがイタリアの攻撃の人数が増えたことに対応できずに、それまで少ない人数を相手にしていたように不用意に前に出る守備をしてしまっていた裏を使うことは出来ていましたが、得点には結びつけられなかった。不用意な動きが多く見られたその時間にイタリアが得点を出来ていれば状況は大きく変わっていたのかもしれませんが、それもできなかった。
スロバキアはイタリアから攻撃を受けていても前に人数をかけていて、繋ぎ、裏を狙う意識を持ったのは前半そのままに、奪われた瞬間に他の選手が下がるのではなく、奪いに、コースをふさぎに出て行くことで、イタリアに速攻を許さずカウンターに人数が出て行くのを阻止する積極的な守備でイタリアの攻撃にかかる人数を後方に押し下げてしまおうとしていました。徐々にそれは功を奏し始めて、ピルロの投入にもかかわらず、イタリアは後半開始当初は前に人数をかけてフォワードのサポートが出来る位置にまで押し上げられていたものが保てなくなり、再び後方からの組み立てでそれができない状態にまでなってしまっていました。
ペペが個人で奪いに行ったり、仕掛けたり、そういった動きはあったんですが、それで得られるのはクロスやコーナーキックぐらいなもので、大きなパターンを与えるものではありませんでした。ただファーサイドに流れる二人の選手に対してスロバキアは何度も繰り返されてもケアしきることは出来なかった。フリーになることも競ることも出来ていて、決定的なチャンスも作り出せていた。チームとしてその動きを利用できていたとはいえず、その局面での利用に留められていたように見えました。
二点目はコーナーキックからこぼれたところをニアで合わせたものでした。中にいるビテックへのマークをキエッリーニ一人に任せてしまい、それ以外の選手はサイドにボールがあるのに押し上げてスペースを作り、ニアのコースを消す人もいなかった。相手に前に入られたキエッリーニよりもその前を防げなかった守備陣形に問題があったはず。
スロバキアも疲れが見えて奪われた瞬間に奪い返すことが出来なくなってきていましたし、守備もラインを整えたり押し上げたりするのも遅れてしまうようになり、イタリアが攻め込める隙を作ってしまっていましたし、それがクロスへの対応の悪さにも繋がっているようでした。それでもなんとか相手をつかまえてラインを押し上げる意識を保っていたんですが、足が止まって前に向かえず奪いに行けなかったところへ、ダイアゴナルの走りがマークの受け渡しや対応を難しくさせ、ついて行くことが難しくさせ、イタリアにとってはようやくの一点になりました。
イタリアはその後は積極的に攻撃を仕掛け、スロバキアはバイタルエリアを埋められなくなり、ファーサイドを利用されている部分の修正もできず、追加点を奪われる危険があり、実際にオフサイドでゴールにはならなかったもののクアリャレッラに決められてしまっていましたし、その状態で守りきることは難しいように思えていました。もしその後の追加点がなければ突き破られてしまうほど疲労が見えていましたから、イタリアはスローインで時間稼ぎをするという先入観に囚われて中央から人を外してしまったあの得点は大きなものでした。
もう一試合の結果からイタリアは最下位になり敗退。パラグアイが一位通過、この試合で勝利したスロバキアが二位通過。