■Italy 1 – 1 New Zealand
ニュージーランドは前へのロングフィードを中心とした攻撃を序盤は多くしていて、フォワードをイタリアの裏に走らせるパスが目立っていました。ボールを奪ってすぐや、フォワードがその体勢を整えていない状態では無理に出そうとはしておらず、下げて繋ごうとしていたり、イタリアの緩いプレスが片側に寄せられれば逆サイドへのロングパスを出す。裏へ固執せず、サイドに流れながらタッチライン際を体で相手を押さえながらドリブルで駆け上がってみたり、状況に応じて変化をつけた後に裏を狙う柔軟さも持ち合わせていました。
イタリアはその裏へのパスに上手く対応できておらず、抜け出されるスピードを上回って守ることは出来ていませんでしたし、競り合いでもパワーの面で勝てていたわけでもない。その苦しさはフリーキックの時も同様に表れ、長距離のフリーキックから裏を狙われ、そらされる可能性もあったにもかかわらず、裏をケアするために動く選手はおらず、跳ね返す前提のもとにセカンドボールを拾う位置にばかり選手は残っていました。カンナバーロだけが戻っていましたが、ボールは見えていませんでしたし、マークをする必要があり、カバーに徹することが出来ていたわけではありません。ゴール自体は不運でしたが、ニュージーランドにとっては狙い通りのプレイからの得点であって、イタリアの不備も重なっていたからこそのゴールでした。
ニュージーランドは中央を三枚で埋めながら、イタリアがサイドアタッカーを走らせて中に人数を増やそうとしたり、ウイングバックの裏側をつこうとすると、それに徹底してついてきて後方への戻りながらの守備をきっちりとしていた。受けられても粘り強くサイドでの守備をして抜かれてしまうことは少なく、集中をしていました。イタリアは固められている中央よりも特に右サイドから攻め、その裏側を狙おうとするパスを多く入れていましたが、徐々にニュージーランドはそこをケアし始め、あまり大きなスペースを得られなくなり、受けることも難しくなった。それでもイタリアはペペやザンブロッタのサイドを利用しなければならないほど、受けに戻る選手たちは後方からのマークによって振り向けず、後方の選手がドリブルで持ち上がらなければ前へ運ぶのすら難しかった。
イタリアは足下へのボールが多く、モントリーボが戻って受けても前に出せず、フォワードやアタッカーがボールを引き出すための運動量を出せておらず、パスコースを作れないために後方からのパスが出せず、受けに戻った選手が停滞する原因になっていました。
それと、相手に張り付かれたままそれを引き剥がそうとしていないのも停滞の原因でした。苦し紛れのようにサイドの裏にあるスペースを使おうとサイドバックを上げていましたが、中の高さでは有利ではなく、クロスを上げても跳ね返されてシュートを打つこともなかなかできませんでした。裏へ抜け出したそのままのスピードやドリブルで仕掛けるそのままの勢いでクロスを出せていれば相手に戻りながらの処理をさせてクリアを困難なものに出来ていたのかもしれませんが、走りながら受けようとしてもパサーが足下へ送るために足を止めざるを得ず、そうできませんでした。
その停滞した状態を振り払ったのはモントリーボの惜しいシュートがあった当たりでしょうか。枠に阻まれたその頃から、スピードをそのまま利用するパスが増えてくるようになっていました。ニュージーランドのディフェンスライン裏へ二列目から飛び出したり、オーバーラップする選手をそのまま活かすことの出来るパスを出す事も出来るようになった。それによってクロスも相手を戻りながら守備をさせるようになり、少し慌てさせることが出来るようになった。それがデ・ロッシを倒させPKになるファウルを得ることに繋がっていました。ただファウルの判定は逆の判断をされていてもおかしくないと思えるものでした。彼の倒れ方が非常に上手かったお陰でした。
得点の後もイタリアはオーバーラップする選手の利用を継続をして、パスを出してから前へ走ったり、受け直せるポジションへ動くようにもなりましたし、攻撃は大きくスムーズになってきた。ただ前へ向かうスピードはそれまでより減ってしまって、前へ選手が溜まって待ち構える形がまた増えてき多のが難点で、後半になって攻撃の選手を加えたことでよりそれが顕著になってきていました。
後半開始当初は相手を広げるためにワイドに使い、タッチライン際を使うことで効果的に縦の勢いを持たせていましたし、戻りながら処理させるクロスも継続でき、裏やゴールへ向かうものも利用できるようになっていました。
守備でも前半は緩くニュージーランドにバックパスなどから再構築の余裕を与えてしまっていたものを、前へ向かう意識を強めることによってニュージーランドを焦らせ、パスミスを誘うようになり、安定して裏を狙わせないようにできていました。裏へ狙うパスが無くなったことでイタリアは前への守備に専念して抑えられ、危険な守備の回数は大きく減りましたし、ニュージーランドは連続して攻撃を受けたくない意識から安全にキープをしてボールをしようとして裏へ出さず走らせませんでしたし、それらがイタリアの連続した攻撃をさせる要因になっていました。
連続して攻撃をし続けることとフォワードの人数をさらに増やしたことで、イタリアはそれまでお城から追い越しながら前へ向かうスピードを維持できていたものを、ニュージーランドのディフェンスラインの位置の低下に合わせてフォワードが前へたまってしまうことでそこに吸収されてしまう場面も多く見られるようになりました。
裏へ仕掛けていく場面をそれまで何度も見せていたことから、ニュージーランドのセンターバックがイタリアのフォワードが受けようと戻る動きについていけなくなっていましたし、中盤の運動量は落ちていた。それがバイタルエリアに大きなスペースを生む要因になって、イタリアはそこを利用する頻度と高くして裏へのパスの距離を短くして、何度もチャンスをそこから作っていました。しかし最後のアイデアが不足していましたし、ダイレクトでシュートを打つべき場面でもワンバウンドをさせてから狙いを定めるなど、大事にしすぎていました。大事にすることで判断が一つ遅れ、集中していたニュージーランドの守備陣は、その間に体を寄せて防ぐことが出来ていた。
そういった守備の集中を継続させてしまうような攻撃しかイタリアは出来ていなかったと言えるわけで、変化をつけられる選手がカモラネージぐらい、デ・ロッシはポジションを下げすぎてシュートに持ち込む形を作る役割を担えず、最後のパワープレイで押し切ろうとした場面は、ニュージーランドに取っては助けられた展開だったでしょうね。ニュージーランドの集中が優れ、徹底されていたとはいえ、イタリアを見ているとがっかりさせられる試合でした。