2010 FIFA World Cup Group -E- オランダ対デンマーク

■Netherlands 2 – 0 Denmark
オランダは前半、ボールをキープしている時間が非常に多く、パスも数多く渡せていたんですが、特に試合を動かすことは出来ず攻めあぐねていました。パスの多くは後方から中盤にかけての部分で交換されることが多く、その点では先のドイツとも同じだったんですが、パスを出した直後の動き直しの点でオランダは少なく、フォワードが受けに戻る動きに合わせて縦パスを通してしまうこともできていなかった。縦パスは上手くデンマークがコースを消しマークしていたことも出せなかった原因になるんですが、それよりも自分たちから動いて試合を動かそうとする意識が少なかったのが原因であるように見えました。

多くのパスは足下から足下へ送られるもので、足を止めているところで受けるためにデンマークとしては後方から受け止めやすかった。スペースへ出されるパスの少なさからオランダはスピードに乗ったままドリブルを仕掛けることも出来ていませんでしたし、それを利用して相手を押し下げてボールを受けるためのスペースも作れなかった。窮屈なエリアを広げる努力をしませんでしたし、裏へボールを出して足が速いとは言えないデンマークのディフェンダーを混乱させることもなかった。

他に要求するとすればサイドを使う意識の少なさでしょうか。ショートパスを足下で交換している影響からそれぞれの距離が近づいてしまい、相手のマークを寄せてしまっていた。長い距離のパスであってもワイドに開いてデンマークのゾーンを広げて隙間を作ろうとする動きも必要だったはずですが、それを前半行っていたのはカイトぐらいではないでしょうか。サイドバックも中に入り気味であったり、ボールを大きく追い越していく動きもありませんでしたから、前半は総じて持たされている印象が強くありました。

そういった意味ではオランダは後半開始直後にオウンゴールで得点できたことは非常に幸運で、それまで停滞していて崩せなかった相手からリードを奪うことが出来た。ただそのゴールのきっかけとなったのは前半は見られなかった裏へ飛び出す動きとそれに合わせたパスでした。効果的に裏の広大なスペースを利用でき、そこからクロスを余裕を持って入れられたことがゴールを呼び込んだのかもしれません。

得点以降のオランダは前へ向かうパスが増えましたし、ボールを相手の背後に出す回数も前半よりは増えて攻撃らしい攻撃も少し増えて、持たされている印象は消えていきました。それまで守備に人数を割き、カウンターの人数も追い越す人数もそれほどかけていなかったデンマークが攻撃に出なければならない状況になったため、前に出て守るようになったことも影響してましたし、それによってオランダが得意のカウンターを仕掛けられるようになったのも攻撃の形を作れる要因かもしれません。サイドバックや中盤もボールを追い越している場面も増えましたし、それによって相手のマークを引きつけて押し下げるために、ボールを前を向いて受けられるだけのスペースを得てシュートも出来るようになった。

徐々に守備を中心としてプレイの質を変化させていっていましたが、追加点となったゴールも裏へ出したボールからエリアがシュートし、ポストに当たったところをカイトが押し込んだもので、これも裏へ出し、スピードを活かしたまま使ったゴールでした。これが前半から出来ていれば、オランダはもっと多くの得点を取れていたかもしれませんし、安全に勝利できていたかもしれませんね。

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